津田「好きな人が出来た?」 (75)

津田「ほんとか、それ」

柳本「ああ…俺はもうダメだ…苦しくて苦しくてたまらねえよタカトシ。恋という名の病が俺を激しく蝕んでいる…」

津田「…確かに重症みたいだな」

津田「どうせまたテレビに出てるアイドルの誰かだろ?お前からそういう話を何度聞いたことか」

柳本「いいや、違う!!今回は違う。れっきとした現実の女の子だ。いや、アイドルも現実の女の子だが、そういう手の届かない存在ではないんだ。」

柳本「割と身近な存在っていうか?いや、遠いといえば遠いんだけどな?近いといえば近いとも…」




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津田「めんどくさいなあ、誰なんだよ?まさか七条先輩か?前に美人だとか言ってたし」

柳本「違う違う。七条先輩も確かに魅力的な人だが…違うんだよ。いや、ちょっと似てる部分が無くもないんだけどな、…うっ!!やべえ、思い出したらコーフンしてきちまった!!」

津田「だから誰なんだよ!もったいぶってないで早く言えって。聞いてもらいたいから話してんだろ?どこのクラスの子だ?それとも先輩か?後輩か?」

柳本「しらん」

津田「はっ?しらんってお前…好きな子が何年何組かも知らないのか」

柳本「あたりまえだろ。だって一目惚れだからな」

津田「……お前ってホント惚れっぽいよなあ」

柳本「それに、俺の好きな子はこの学校の子じゃないぞ」

津田「え」

柳本「あの制服は英陵の子だよ。ネクタイがよく似合っていたなあ~…」

津田「なんだよ、桜才の子じゃなかったのか」

柳本「俺が困ってるのはそこなんだ。なんせ帰り道にたまたま見かけただけだから、俺は彼女のことを何も知らない。仮に同じ学校だったなら色々情報を集めようもあるんだが、違う学校となるとそう簡単にはいかねえ」

津田「まあ、そうだな」

柳本「そこでだタカトシ。こっからが本題なんだが…今日の放課後、俺と一緒に英陵に行ってくれないか!!」

津田「えっ!い、行ってどうするんだよ」

柳本「決まってるだろ。校門で待ち伏せして、彼女が出てくるのを待つんだ。そしてあわよくば声を掛けてお近づきに…」

津田「なんかストーカー臭くないか……俺やりたくないぞそんなこと。やるならお前1人で」

柳本「たのむよっ!!1人じゃ心細いんだ!俺たち親友だろ?お願いだタカトシ、このとーり!!」

津田「しょうがないなあ…」



柳本「よしっ…ここがいいな。幸い英陵はまだどこもHRが終わってないみたいだ。これで彼女を見逃すってこともない」

津田「なあ、その子がいつ帰るかはわからないだろ?もしかしたら下校時刻まで学校にいるかもしれないじゃないか。まさかそれまでずっとここで待つのか?」

柳本「当然だ。愛の道は険しくなくてはな」

津田(ああ…やっぱついてくるんじゃなかった)

津田「大体お前、その子が来た時ちゃんと声掛けられるのか?お前女子とほとんど話したことないだろ」

柳本「うるせえよ!お前みたいなハーレム男に俺の気持ちは分からんだろう。こんなこともあろうかと昨晩恋愛技術書をガッチリ読み込んできた」

津田(ダメだこりゃ。まあ当たって砕けろか)

柳本「…あああっっっ!!!」

津田「うわっ!びっくりした、なんだよ!」

柳本「たたたたた、タカトシぃ、あの子だ!!今門から出てきた、あの子!!髪をアップにしてる…」

津田(って……あ、あれは…)

津田(森さんじゃないか!!コイツが一目惚れしたのって森さんだったのか…)

柳本「はっ!こうしてる場合じゃねえ、早く声を掛けに…」

津田「おっ、おいちょっと!!急に立ち上がるなって…う、うわわわわ!!」

ガサガサ、ドサッ

森「…ん?」

柳本「いてててて…って…あ、ああっ!」

森「………」

柳本「!!!!あ、あ…」

森「津田さんじゃないですか。どうしたんですこんなところで」

柳本「えっ…?」

津田(あっちゃあ…)

津田「なぁ、いい加減機嫌直せって」

柳本「うるっせえええー!!ちくしょう、なんなんだお前は!なんであの子と知り合いなんだよぉ、世の中不公平にも程があるぜ!この色男!!」

津田「まさかお前が好きな子が森さんだなんて思わなかったんだよ。しょうがないだろ」

柳本「ううっ…くそぅ…だが、これはチャンスだ!!お前が知り合いってことはそれだけ彼女の情報を得ることが出来るということだ!さぁ教えろ、名前は森さん、他には!?」

津田「生徒会の副会長だよ」

柳本「なにぃぃっ!お前と被ってるのが少し腹立たしいが……そうかぁ~生徒会なのかあ~。頭良さそうだったもんなァ…他には!」

津田「雪女だって言ってたな。しょっちゅう雪に遭うらしい」

柳本「そうなのかぁ…雪に塗れた森さんもステキだろうなあ…っていうか、そんなことよりもっと先に言うべき基本的情報があるだろ!えっと、誕生日はいつなんだ?」

津田「わからん」

柳本「えっ」

津田「俺が森さんについて持っている情報はそれくらいだな」

柳本「なっ、なんだそりゃあ!」

津田「俺も森さんとは知り合い程度だからな」

柳本「くううううぅ……役に立たねえ…いや、仲良しだったとしたらその方がムカつくが」

津田「情報ならお前が直接アプローチして色々得ればいいだろ。結局お前あの後すごい勢いで逃げちまって、なんにも会話しなかっただろ」

柳本「いや、お前と知り合いだということに動揺したのもあるが……近くで見たら想像以上に可愛くて、そして…」

津田「そして?」

柳本「…そして、想像以上に巨乳だった」

津田「………じゃあ、また明日な」

アリア「へぇーっ、そんなことになっちゃったんだ」

スズ「柳本が森さんをねえ…」

津田「ちょっと暴走気味ですよあいつ。かなり本気みたいですね」

アリア「でもシノちゃん。ウチは校則で恋愛禁止じゃあ…」

シノ「うむ。生徒会長としてそんな話を見逃すわけにはいかん。柳本には悪いが、森へのアプローチは禁止…」

スズ「でも相手の森さんの英陵は恋愛自由ですよね」

アリア「あ。そうだね」

シノ「うぅーむ、そうとなると……よし!間を取って先っちょまでならOKということにしよう!!」

津田「全然あいだになってねえよ!!」

シノ「しかし大丈夫なのか?柳本はお世辞にも女子をアッサリ落とせるような奴には見えんぞ」

アリア「いかにもチェリーって感じだよねぇ」

スズ「それに森さんって結構モテてるって話よ。ライバルもたくさんいるんじゃないの」

津田「まあ一筋縄ではいかないでしょうけど。俺は応援してますよ」

シノ「ふむ…よし、決めたぞ!!その恋、我々生徒会が全力でバックアップしよう!!」

津田「はい!?」

アリア「わー!!」

スズ「ちょ、ちょっと会長、私達は関係ないんじゃ」

シノ「よく考えてみろ萩村。我が桜才と英陵は日頃からよく交流している。そんな中でもし両校の生徒同士のカップルが生まれたとなれば、これは明るいニュースじゃないか」

スズ「いや、しかしですね…」

アリア(それにもしそうなったら桜才の恋愛禁止の校則の撤廃に繋がるかもしれないよ、スズちゃん)

スズ「!!」

津田「2人ともなにをこそこそと…」

スズ「……わかりました。やりましょう」

津田「ええっ!!なんで!」

アリア「そうと決まれば色々計画練らなくっちゃねー」

津田「い、いやちょっとあのみなさん!!俺はなにもそんなつもりでこの話したんじゃ……なんか話が大袈裟ですよ!!」

シノ「桜才・英陵、恋の架け橋プロジェクトスタートだ!!とりあえず津田。明日柳本をここに連れてくるように」

津田(すまん、柳本……)



柳本「あ、あの、これはいったい…」

シノ「うむ。柳本ケンジ。我々生徒会は君の恋に協力することにした」

柳本「ええっ!!」

津田「す、すまん。なんかそういうことに…」

シノ「津田から大方の話は聞いたぞ。大船に乗ったつもりで任せろ。必ず成就させてみせるぞ」

スズ(乗っかっといてなんだけど、ホントにやるのね…)

柳本「……あ、あ…」

柳本「ありがとうございますっっ!!」

津田「え」

柳本「俺、俺…うれしいです!まさかこんな心強い味方が出来るなんて…」

アリア「あらあら」

柳本「俺、俺がんばります!!皆さんの期待に応えられるように!!」

津田(順応力がおかしなことになってるなコイツ)

柳本「でも、協力って一体どういう…?」

シノ「うむ。今日はその辺のことも含めて話し合う為に君を呼んだのだ」

シノ「まず、君の気持ちが本物か、確かめさせてもらう。半端な恋の応援など我々はしたくないからな」

柳本「た、確かめるって…?」

シノ「なに、簡単な質問をするだけだ」

シノ「君は今まで森で何回抜いた?」

津田「どんな質問だ!!」

シノ「黙っていろ津田。さあ答えろ柳本」

柳本「………ありません」

シノ「なに?」

柳本「森さんで抜いたことは、ありません」

シノ「ほう…それは何故だ?森は君にとってオカズとして使用するに値しないということか?それでは君の気持ちはニセモノということに…」



柳本「違います!!」

柳本「正直に言うと、森さんをオカズにしようと試みたことはあります……でも、出来なかった。たとえ妄想の中でも森さんに対して俺の薄汚い欲望をぶつけることが出来なかったんです」

津田(試みたのかよ)

柳本「それは俺が森さんに対して興奮しないから、ということじゃない。本当に好きな森さんだからこそ、俺は抜けなかったんです」

シノ「うむ……合格だ!!その答えを待っていた」

柳本「えっ!合格?何故ですか会長?」

シノ「男は本当に好きな子はオカズに出来ない、とネットで見たんだ」

津田「それ、人によると思うんですけど…」

スズ「ロクなネットの使い方してませんね」

シノ「とにかく君の気持ちが本物だとよく分かった!精一杯協力させてもらうからよろしくな」

柳本「ハイ!こちらこそっ!!」

津田「なんだかなあ…」


津田「で、どうするんですか?」

シノ「まずは恋の第一歩、お互いを知り仲良くなることからだな。なにか良い案はあるかアリア?」

アリア「そうだなあ~、ラブレターなんてどうかな?」

津田「いや、まず仲良くなることからでしょ?それ告白じゃないですか。最終ステップですよ」

アリア「あ、そっかあ」

シノ「萩村は?なにかないか」

スズ「え、ええっと………ぱ、パンを咥えて出会い頭にぶつかってみる、とか…」

津田「それ漫画でも今時やらないから。現実にパン咥えて出会い頭にぶつかったら歯がボロボロになるぞ」

アリア「シノちゃんは案あるの?」

シノ「う、うむっ…そうだな…。とりあえずお尻を触ってお知り合い、といけば……」

津田「…………」

柳本「…………」

シノ「…………」

津田(俺はバカだ…!!なぜ気付かなかったんだ…)

津田(この人達は柳本以上に恋愛に疎いんじゃないか!!!アドバイスなんて出来るわけねえ!)

柳本「あ、あの…」

シノ「い、いや、ちょっと待て!他にも案を…」

アリア「そういえば私恋愛経験ないんだったよー」

スズ「どうするんですか?これじゃなんにも出来ないですよ」

津田「ホラ!やっぱり辞めましょうよ、こんなこと…」


「お困りのようね」



シノ「!?」

アリア「この声は…」

スズ「よっ…横島先生っ!!」

横島「話は聞かせてもらったわよぉー?アンタ達馬鹿ね。何故この私に相談しないの」

スズ「いや何故って…」

横島「さ、この恋愛のエキスパートになんでも聞いてくれよぉん」

津田(柳本の恋が着実に崩壊に向かっている音が俺には聞こえる)

シノ「いいんですか横島先生?」

横島「ん?なにが?」

シノ「先生は確か男子生徒の貞操を狙っていたハズでは」

アリア「恋を応援しちゃったら横島先生には不利益なんじゃ?」

横島「ああ、大丈夫大丈夫。その眼鏡のカレならもう頂いたから」

スズ「えっ」

津田「柳本、おまえ…」

柳本「いやいやいや、違うぞ!!タチの悪い冗談はやめてくださいよ先生」

スズ「笑えませんよ先生!!」

横島「はっはっは悪い悪い。まあ耳責めして股間カ◯パー塗れにさせたことはあるケドさ」

津田「それも充分アウトだよ」

通い妻っぽいお姉ちゃんの方じゃなくてよかった

シノ「先生、とにかく真面目にお願いします。悩める少年に恋のアドバイスを」

横島「そうねえ…とりあえず恋愛はガツガツしてはダメよ。相手との距離はじっくり、ゆっくりと埋めるもの」

柳本「ゆっくりと、ですか…」

横島「ガツガツしまくった結果私は今独身だから」

津田(これは重みと説得力のある言葉だな…)

柳本「じゃあゆっくり埋めるとは具体的にどうすれば?」

横島「それは人によるわね。まず友達から関係を始めてみるというものがあるけど、それは下手したら友達という関係から抜け出せなくなるキケンも孕んでいるのさ」

シノ「なるほど」

横島「相手にとって居心地のいい関係が『友達』になってしまったら、それを壊すのはとても難しい。そして壊してしまったらもう元には戻れない」

アリア「恋愛にUターンは無いんだね~」

横島「そうよ!だから大切なのは第一印象。第一印象でカッコイイ自分を印象付けることが恋愛をスムーズに進める極意よ」

津田「第一印象って…」

柳本「いきなり目の前に出てきて、目が合ったと思ったら逃げ出しちゃいました…」

アリア「あらら」

スズ「カッコよさとはほど遠いわね」

柳本「ど、どうしましょう。俺、森さんに変な奴だって思われてるんじゃあ…」

横島「まああくまでそういう方法もあるってだけだから大丈夫よ。別に相手からのイメージなんて後からいくらでも塗り替えられるんだから」

津田「じゃあどうやって塗り替えるんですか?」

横島「それはもう、会話よ。とにかく相手とコミュニケーションを取ることね」

柳本「コミュニケーションか……でも、なんて話しかけたらいいかわかんないです。学校違うしきっかけもないですよ」

アリア「きっかけ作りならなんとかなるんじゃない?森さんは私達にとって知らない人じゃないんだし」

スズ「そうですね。魚見さんにも協力してもらえばなんとかなるんじゃないでしょうか」

シノ「上手く示し合わせて、2人きりで会話出来るような状況を作り出せばいいんだな」

柳本「ええっ、2人きり!!」

横島「ナニ驚いてんの、当たり前だろ?男と女は一対一でぶつかり合うもんだぜ。私は二対一が好きだケド」

津田「話逸れてますね先生」

柳本「うう、ガンバリます…」

アリア「じゃあ、どうやって2人きりにするか考えようか」

シノ「そうだな。ウオミーにも連絡を入れてと…」

津田(上手くいけばいいけど…)


森「ふぅー。終わりましたね」

ウオミー「うん、お疲れ様」

森「じゃあ、後片付けして帰りましょうか」

ウオミー「あ、ちょっと待って。あと一つだけ仕事があるの」

森「なんですか?」

ウオミー「桜才生徒会にこの間の交流会の意見をまとめたレポートを渡してきてもらえないかな。これ」

森「分かりました。行ってきますよ」

ウオミー「ごめんね、私は今日バイトに行かなきゃいけなくて。よろしく」

森「…えーっと、生徒会室はどこなんだろう…あ、あの人に聞いてみよう。すみませーん!」

柳本「ん?」

森「あれっ?どこかでお会いしたような…」

柳本「えっ?ええっと…」

森「……ああ、そうだ!この前津田さんと一緒にいた方ですね!」

柳本「???」

森「ほら、いきなり飛び出てきたと思ったらすごい勢いで走って行かれたじゃないですか。私と目が合った瞬間に」

柳本「あ、ああ…!あの時の」

森「気になってたんですよ。もしかして私何かしちゃったのかなって」

柳本「いやいや、そんなんじゃないですよ!あ、あの、あの時はタカトシとちょっと追いかけっこしてまして。うっかりタカトシに見つかって転んだ時にあなたと目が合ったってだけですよ。グーゼンですグーゼン。あなたが何かしたわけじゃないです!!」

森「あはは。追いかけっこだなんて、おかしい。元気いっぱいですねー」 ニコッ

柳本「!!!!」

柳本(か、か、か、かかかか可愛い……!)

森「…?顔赤いですよ、風邪ですか?」

柳本「い、いや、元から赤ら顔なんです、元から!!そ、それより、あなた英陵の生徒ですよね?どうしてこんな所に」

森「あ、私英陵生徒会の者なんです。実はここの桜才生徒会の方に届け物があるんですが、ちょっと生徒会室の場所がわからなくて」

柳本「そうなんですか…」

森「生徒会室はどちらにあるんですか?」

柳本「あ、あの!よ、よかったら、ソレ、俺が届けますよ」

森「え、でも…」

柳本「俺も生徒会にはたまに出入りしてるんで、大丈夫ですよ。責任を持って届けます」

森「いいんですか?」

柳本「はい。任せてください」

森「ありがとうございます…優しいんですね」

柳本「いっ、いや、これくらいは別にふつう…」

森「いえいえとっても優しいですよ。ありがとうございます。じゃあこれ。よろしくお願いしますね」

柳本「はっ、はい!それじゃあ…」

森「……あの!」

柳本「は、はい?」

森「お名前、教えてくれませんか?あなたの」

柳本「えっ…」

森「あっ、すみませんいきなり…ダメならいいんです」

柳本「いやいや、だ、ダメじゃないです!!あ、あの、柳本、柳本ケンジと申します!!」

森「ありがとう、柳本さん。よかったら今度お礼させてくださいね。それじゃ」

柳本「え、え、あっ……」


津田「お礼したいって言われた!?」

シノ「やったじゃないか!!」

柳本「は、はい!皆さんのご協力のおかげです!ありがとうございます!!」

スズ「予想以上に上手くいきましたね」

アリア「すごーい」

津田「お礼ってなんでしょうね?」

シノ「それはもう、カラダに決まっているだろう」

柳本「ぶほぁっ!!」

スズ「うわ、鼻血!!」

アリア「じゃあ次はどうするの?」

津田「こちらからすることは何も無いんじゃないですか?」

シノ「そうだな。森からのアクション待ちというところか」

スズ「カラダはあり得ませんが、お礼がなんであれどういう対応をするかはとりあえず考えておいた方がいいのでは?」

アリア「お礼には全力でお礼を言わなくっちゃね」

津田「そこから次に繋げていくことが大事じゃないですかね」

スズ「お礼に食事に誘われる、ということも充分考えられるわね」

柳本「しょ、食事って!それもうデートじゃあ!」

シノ「ふふふ、どうやらそろそろゴムの用意をした方がいいのかも知れないな」

津田「それはない」

これは期待



柳本「はあー今日も疲れたなあ……あ!あれは…」

森「あ、柳本さん。こんにちは」

柳本「も、森さん!なんでこんな所に?また届け物ですか?」

森「いえ、違います。柳本さんを待ってたんですよ」

柳本「え…」

森「この間お礼したいって私言いましたよね?でも私、柳本さんの連絡先お聞きしていないことに気付いたんです。それで失礼ですけど、ここで出てくるの待ってようって」

柳本「そ、そうだったんですか…すいません、わざわざ」

森「いえいえ、謝らないでください!私の勝手な行動ですから」

柳本「そ、それより、ここをちょっと離れましょう。こんなトコで2人で話してたら目立っちゃいます」

森「あ、そうですね」



森「……これ、お礼です。つまらないものですけど…」

柳本「あ、ありがとうございます!中、見ていいですか?」

森「はい」

柳本「……これは、クッキー?」

森「はい。すみません、こんなもので…。それに、手作りで」

柳本「てっ、てづくり!?」

森「あっ、嫌ですか!?すみません、やっぱり気持ち悪いですよね。いくらお礼とはいえ、いきなり手作りクッキーなんて…」

柳本「いやいやとんでもない、嫌じゃないですよ!!むしろ、こんなもの貰っちゃって申し訳ないというか……俺、届け物しただけなのに」


森「いいんですよ。私は本当に助かったし、柳本さんに感謝してるんです」

柳本「………あ!え、えっと、あの、た、食べてもいいですか?」

森「もちろん!ちょっと恥ずかしいですけど…」

柳本「じゃ、じゃあ、いただきます!」 サクッ…

森「どう、ですか?」

柳本「め、メッッッッチャクチャ美味いですっ!こんな美味しいクッキーは生まれて初めてですよ!!」

森「ほんとうですか!?よかったあ…」

柳本「なにより俺、女の子にクッキー貰ったのなんて初めてで…もう感激です!」

森「…私も、初めてです」

柳本「え?」

森「男の人にクッキーあげたの、生まれて初めて」

柳本「あ…………」

森「ふふ」

柳本「……!あ、あの!良かったら連絡先、教えてくれませんか!」

森「え?」

柳本「こんな美味しいクッキー貰っちゃったら、釣り合ってないですよ!俺の方が貰いすぎちゃってます!」

森「そんなことは…」

柳本「だから、お礼させてください!!おれ、俺と…」

柳本「今度俺と、一緒に出かけてください!!」



津田「ええっ、デートに誘った!?」

シノ「すごいじゃないか!」

柳本「で、デートじゃないですよ、お礼ですよ」

アリア「男女が一緒に出かけるのならそれはデートだよー」

スズ「もうほぼゴールは見えてるんじゃないですか?」

シノ「そうだな。森のゴールに熱いシュートを決める時が来たようだ」

スズ「微妙にやらしい言い回しにすんな」

津田「じゃあデートへの対策をこれから練って…」

柳本「タカトシ。そのことなんだが…」



津田「ん?どうした」

柳本「先輩や萩村も聞いてください。皆さんはこれまで俺の為に色々やってくださって、本当に感謝してます」

シノ「なんだ柳本、礼ならまだ早いぞ。ここからが勝負…」

柳本「俺がここまで来れたのは皆さんのおかげです。だけど…だけどここからは…自分の力で頑張りたいんです」

津田「!……」

柳本「人のアドバイスで取り繕った俺じゃなくて、たとえカッコ悪くても、そのままの俺自身で、森さんに向き合いたいんです」

シノ「…………」

柳本「ここまでしてもらって、勝手なこと言ってると思います。でも、俺…」

シノ「もういい、わかった」

柳本「会長……」

シノ「我々はもうなにも言わない。だが、心から応援しているぞ。成就したなら思いっきり祝福してやる。フラれたなら思いっきり慰めてやる。頑張ってこい!!」

柳本「あ…、ありがとうございます、ありがとうございます!!!」

津田「会長……」

シノ「ただ、ひとつだけ言わせてもらうと、本当にそのままのお前ではダメだぞ。きちんと竿にはゴムを…」

津田「本当締まらないよね、アナタ」

地味キャラ同士お似合いだね

来週の役員共は森さん回になりそうだよね

タカトシは所謂鈍感ハーレムなのにまったく羨ましくも恨めしくも思えないから彼本人も幸せになってほしい

役員共のヒロインは面白くていいけど、あんまり萌えキャラしてないからそんなに羨ましくないのかも
むしろハーレム云々より単純に楽しそうな学生生活の方が羨ましいくらい、男子高校生の日常みたいに

例え同じ立場にいてもあの下ネタボケをツッコミきれるやつがいるだろうか

あの環境にいても津田ほどボケを捌けなければ生き残れない

おもしろい

短くてもいいから完結はさせてや
役員共SS放置プレイ多過ぎ

乙です
森さん一番好きなキャラかも
>>47とりあえずsageようか



柳本「ハァッ、ハァッ……すいません!!遅れちゃいました!!」

森「大丈夫ですよー。まだ2分しか過ぎてないです」

柳本「2分でも遅刻は遅刻です!すいません、ホントすいません、俺から誘っておいてこんな…情けねえ…」

森「大丈夫ですってば、ホラ、落ち込まないで。ね?」ニコッ

柳本「あ……。は、はい…」

森「今日は誘ってくれてありがとうございます。昨日は楽しみで眠れなかったんですよ」

柳本「お、俺もです!!俺も全然寝れなくて、ホントに寝れなくて、それでこんな遅刻をするハメに…」

森「あーもー、遅刻はもういいですってば。それより、早く行きましょ?」グイッ

柳本(うわわわわわわ、う、腕、組んで……ああ、幸せすぎてもうなにがなにやら)


森「どの映画にしますかー?」

柳本「え、ええっと、コレッ!コレはすごく面白いって評判です!」

森「へえー。柳本さんのオススメなら間違いないですね!これにしましょう」

柳本「は、はいっ」


柳本(こんなに幸せでいいんだろうか…俺)

柳本(夢じゃないだろうな…)ギュウ

柳本「いてっ!」

森「え?どうしました?」

柳本「い、いやなんでもないです。行きましょうか」


森「いやー、面白かったですねー。映画」

柳本「もうサイッコウでしたね!特にあのラストシーンの演出なんかもう鳥肌もので……」

森「ふふ。柳本さん、本当に映画好きなんですね」

柳本「あっ!すいません、テンション上がっちゃって…でも本当にめちゃくちゃ面白かったんで…」

森「よかったですね。いいものが観れて」

柳本「は、はい!!」

森「このドリンクおいしー」チュー

柳本「………あの、森さん」

森「ん。なんですか?」

柳本「楽しいですか?俺と居て」

森「もちろん!!とっても楽しいですよ。ありがとうございます、ステキな時間をくれて」

柳本「そ、そうですか!よかった…」

森「なんだか私の方も貰いすぎちゃってるような気がします。柳本さんにまたお礼しなくちゃなあ」

柳本「いやいや、とんでもないですよ!むしろ俺なんか、お礼ってことなのに森さんよりずっと楽しんじゃって…まだまだお礼し足りないですよ!」

森「あはははは。これじゃキリがないですね。おっかしー」

柳本「ははは。ホントですね…」


柳本(可愛い……)


森「…今日は本当にありがとうございました。最っ高に楽しかったです!」

柳本「俺の方こそ、本当に…。じ、人生で一番幸せな日でした」

森「あはは。それは言いすぎですよー」

柳本「…………」

柳本(言いすぎじゃ、ないですよ)

森「あ、それじゃ、私こっちなので…また」

柳本「あ…、あ、あのっ!実は俺っ……!」

森「あ、そうだ」

柳本「え?」

森「さっきの話ですけど。やっぱり私も貰いすぎちゃってると思うんです」

柳本「…………」

森「柳本さん、何かお礼に欲しいものないですか?私で用意出来るものならなんでも言ってください」

柳本「…なん、でも?」

森「はい。あ、なんでもと言っても私に出来ることなんてたかが知れてますけどね……えっ?」


ギュウッ……

森「や、ややややや柳本さんっ!!あ、あの、これは」

柳本「欲しいもの、ありますよ」

森「え?」

柳本「森さんが、森さんが欲しいです。」

森「!!」

柳本「好きです。森さん。大好きです」

森「柳本さん……」

柳本「俺と付き合ってください。本気です。あなたの全部が好きだ」

森「…………」

柳本「…ダメ、ですか?」

森「…私があげるって言ったのに、柳本さんがまた私にくれちゃいましたね」

柳本「え…」

森「これは、2回分ですよ。ちょっとかがんでもらえますか?」

柳本「えっ?は、はい…………っ!!!?」

森「…………」

柳本「ぷはっ。……あ、ああ、ああああああの」

森「ごめんなさい、いきなり。これが、私の答えです」

柳本「も、森さん……」

森「…つぎ、柳本さん」

柳本「え?」

森「私が2回分あげたんで、次は柳本さんからですよ」

柳本「……わかりました。目、つむってください……」


津田「いやー、まさか柳本に先越されるとは思いませんでしたよ。俺にも早く春が来ないかなあ」

アリア「津田君がその気になればいつでも来るんだけどねー」

津田「え?なにか言いました?」

アリア「うーうん、なにも」

シノスズ(鈍感男め…)

津田「でも結局桜才・英陵、愛の架け橋なんちゃらは実現しませんでしたね」

シノ「うむ。男女の清らかな交際は大っぴらにするようなものではないと気付いたのだ。禁止されている中での恋というものが一番燃えるのかもしれないとな」

アリア「脱ぐなって言われると脱ぎたくなっちゃうもんね!!」

スズ「それは違います」

津田(やれやれ……ん。あれは柳本と……)

津田(……あーあ。幸せそうな顔してるよ。まったく)



終わり


森さん可愛いよ森さん

モブもどきのくせに……。爆発しろ

とりあえず乙、ツッコミ所満載だったな(意味深)

ふむ・・・まだ始まったばかりということか

まさかこんなに簡単にくっつくとは

森さんただのビッチにしか見えないわ

森さんの行動が都合よすぎて、何者かに操られているか精巧なロボットのどっちかなんじゃないかと思った。

後日談はよ

森さんが出るSSは貴重だからもっと書いてくれ

典型的な起承承承だな。転と結が無いからストーリーとしての体裁すら得ていない。まさにやおい。

>>62で、出た~、ドヤ顔で評論家気取り奴~

>>67
安価先を間違えてなければ完璧だったのに……
思った事書かなきゃ気が済まない可愛そうなタイプなんだよ、お察ししてさしあげろ

ちょっと難しげなことが書き込まれると途端に評論家だの言い出しちゃうヤツもバカ丸出しじゃね

小説はひたすら退屈だった

途中で飽きた感がする

作者はこれが面白いと思って書いたのか?
そこが最大の疑問

口調は津田は優しいだろもう少し
ぶっきらぼうすぎる

コトミの影響かな?

つまらないってより面白く感じる要素が無い

やおいだなあ

流石にこれじゃハーメルンでも通用しないだろうな

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年06月04日 (木) 01:14:28   ID: IugbwUPX

面白かったけど簡単にくっつき過ぎw

2 :  SS好きの774さん   2015年06月04日 (木) 06:12:42   ID: dkdJCSek

面白かったけど、森さんはやっぱり津田とくっついてほしかった。
というか、森さんちょろすぎ。原作で津田と早く仲良くなったのは、同じ境遇ゆえの連帯感があったからだし。

3 :  SS好きの774さん   2015年06月04日 (木) 23:43:54   ID: bfTjgspi

私も森さんは津田とくっついたらいいと思います。

4 :  SS好きの774さん   2015年06月05日 (金) 06:02:31   ID: NE_xxTRf

というか、脇役同士が山もオチも無くただくっつくだけってSSに意味はあるのか?

5 :  SS好きの774さん   2015年07月14日 (火) 19:43:01   ID: B5AjJ7tv

需要ねえだろこれw

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