姫「瀕死の勇者を殴ったらレベルがカンストした」(7)

兵士長「王様。魔王の軍勢は隣国を完全に制圧したようです」

王様「援軍は間に合わなかった、か」

兵士長「奴らの体勢が整えば、次は……」

王様「分かっておる。最早国の体面を気にしている場合ではない、救援要請はあちこちに送っておる」

兵士長「返事は」

王様「期待するだけ無駄だろう。敵の進行があまりに早い。どこも今救援を送るよりも自国の守りを固めようと考えるだろう」

兵士長「くっ、勇者殿が間に合いさえすれば……」

王様「言うな。今も勇者は魔王を目指して戦い続けているはずじゃ。たとえこの国がここで果てようとも、いずれ……」

兵士長「ふっ、何を弱気な事を。我々とて歴戦の強者、決して魔物に遅れなど取りませぬよ」

王様「ふふっ、そうだな。ここは一花咲かせてやるとするか」

大臣「王様!」

王様「なんだ、騒々しい」

大臣「じ、実はその……勇者様が……」

王様「勇者だと!? 戻ったのか!!」

兵士長「さすがは勇者殿、国の危機を見逃さずに駆け付けるとは!」

大臣「い、いえ、そちらの勇者様ではなく、その……」


先代勇者「わわ、わしが来たからには……ゲホゲホッ! ゲホッ! ゲホゲホッ! あああ、安心するがよいぞ……オゲホッ!!」 プルプル

王様「……」

兵士長「……」

大臣「……」

先代勇者「む? なな、なんじゃ、その目は。き、貴様ら、わしの伝説を……ゲホゲホッ!! し、知らぬのゴェホゲホッ!!」

兵士長「い、いえ、先代様の伝説はそれはもうキリがないほどお聞きしておりますが……」

先代勇者「そそ、そうじゃろう! 何百年と誰も倒せずにいた邪竜も巨人も、このわしが倒したのじゃかルォエボッ、オェッ!」

兵士長「ええ、そのお話は、それはもう、私が子供の頃の寝物語に散々お聞きしていましたとも……ええ……」

先代勇者「そ、そうじゃろう、そうじゃろう、伝説の勇者のわしが、この国の危機に駆け付けんわけがゲホッ、グェホッ!!」

兵士長(私が産まれる以前に現役だったあなたが今更役に立つわけがない、という皮肉も通じないとは……)

兵士長(このジジイ、本格的にボケているとしか思えぬ……)

姫「勇者様っ!」

王様「むっ?」

姫「あ、あら? お父様、勇者様はどこに? 侍従から勇者様がいらしたと聞いて飛んで来たのですが……」

王様「その、こちらが……」

先代勇者「おお! 姫様! これは、母上に瓜二つにお育ちになられウゲホッ!!」 ガクッ

姫「だ、大丈夫ですか!?」 タッタッタッ

先代勇者「こ、これくらいどうという事は……ゲホゲホッ!」

姫「御自愛くださいませ」 サスサスッ

先代勇者「おお、御優しいのぅ。それに、ここも母上そっくりに……」 ムニュッ

姫「え? ……きゃああああああああああああああ!!」 ゴスッ

先代勇者「フギョッ!?」 バタン

兵士長「この耄碌ジジイ!! 姫様になんということを!」 ガシッ

姫「あ、あう、あうあう……っ」 カァァァァァァ

大臣「そう言えば、ずいぶん前に先代殿は病床に臥せっていると聞いておりましたが、これは本当に耄碌していらっしゃっているのかもしれませんな」

兵士長「すぐに家の者を呼んで引き取ってもらいましょう……む?」

大臣「どうされました?」

兵士長「死んでおる」

チャラララッチャッチャー

姫様「え?」

チャラララッチャッチャラララッチャッチャラララッチャッチャラララッチャッチャラララッチャッチャラララッチャッチャラララッチャッチャラララッチャッチャラララッチャッチャラララッチャッチャラララッチャッ
チャラララッチャッチャラララッチャッチャラララッチャッチャラララッチャッチャラララッチャッチャラララッチャッチャラララッチャッチャラララッチャッチャラララッチャッチャラララッチャッチャラララッチャッ
チャラララッチャッチャラララッチャッチャラララッチャッチャラララッチャッチャラララッチャッチャラララッチャッチャラララッチャッチャラララッチャッチャラララッチャッチャラララッチャッチャラララッチャッ
チャラララッチャッチャラララッチャッチャラララッチャッチャラララッチャッチャラララッチャッチャラララッチャッチャラララッチャッチャラララッチャッチャラララッチャッチャラララッチャッチャラララッチャッ

姫様「え? え? え?」

続きはない!
書きたい人いたら書いて

そんなことが許されるか

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