提督「模様替えがしたい?」 (90)
吹雪「わ、私だけの意見じゃないんですよ!?」
吹雪「ええと、その、そういう声が上がっていて……」
吹雪「家具コインも貯まっているし、了承が得られたらな~、と」
提督「ふむ……模様替えか」チラッ
秘書艦 吹雪
【壁紙】 普通の壁紙
【床】 鎮守府の床
【椅子+机】 提督の机
【窓枠+カーテン】 赤カーテンの窓
【装飾】 なし
【家具】 なし
提督「ここに着任してから早二年。壁紙もすっかり色あせてしまったな」
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提督「よろしい、許可しよう」
吹雪「あ、ありがとうございます!」
吹雪「みんなもきっと、喜ぶと思います!」
提督「構わん。家具コインを集めてきたのはお前たちだ」
提督「その日の秘書艦を中心に相談し、好きに使うといい」
吹雪「はい! 私、早速みんなに伝えてきますね!」
吹雪「失礼します!」バタン
提督「……」
提督「ふむ、模様替えか」
提督「艦娘には趣味のいい者も多い。急な話だったが、どうなるか楽しみだな」
~翌日~
提督「さて、今日の秘書艦は長門か」
提督「あいつのことだ。質実剛健な家具を選ぶと思うが……」
提督「果たして……」ガチャ
長門「おはよう、提督。今日も早いな」
提督「お前こそ……むっ?」
長門「ふふ、気づいたか」
秘書艦 長門
【壁紙】 普通の壁紙
【床】 鎮守府の床
【椅子+机】 提督の机
【窓枠+カーテン】 赤カーテンの窓
【装飾】 なし
【家具】 「長門」模型と桐箪笥
提督「ほう……これは素晴らしいな」
長門「ふふふ、だろう?」
提督「桐箪笥も見事なものだが、この模型には思わず見入ってしまうな」
提督「なんと精緻な……それでいて力強い」
提督「なるほど、世界のビッグ7と称えられるだけはある」
提督「縮尺模型にしても、その威容はいささかも揺ぎ無いな」
長門「本当は桐箪笥だけにしようと思っていたのだがな」
長門「それだけでは味気ないと重い、奮発して模型も購入したのだ」
長門「少し趣味的だとも思ったが、喜んでもらえたようで何よりだ」
提督「うむ、これは流石に高揚するな」
提督「胸が熱くなるようだ。これで今回の大規模作戦も上手く指揮できそうだ」
提督「よくやったぞ、長門。これからもこの調子で頼む」
長門「ああ。模様替えも私に任せるといい」キリッ!
??「ふっ、まだまだだな……」
長門「っ! 誰だっ!」
提督「お前は……武蔵」
長門「何の用だ。まさか、この私の『こーでぃねいと』に不満があるとでも?」
武蔵「ああ、そうだとも」
武蔵「桐箪笥一つ置いただけで『模様替え』?」
武蔵「ハッ! 笑わせてくれる」
長門「言ったな! 表に出ろ!」
武蔵「まあ、そう毛を逆立てるな」
武蔵「明日、この時間にここに来い」
武蔵「お前に見せてやろう。本当の『模様替え』をな」
武蔵「ククク……ハーハハハハ!」スタスタ
提督「なんという自信……!」
長門「クッ……あ、あんなもの、虚勢に決まっている!」
提督「だといいがな……」
なんで美味しんぼ風味wwww
~翌日~
提督「約束の時間になったな。そろそろ行こうか」
長門「武蔵のやつ……大言壮語でなければいいがな」フンッ
提督「いや、あの態度は根拠があってのことだろう」
提督「だが、それが結果に繋がるとはまた別問題だ」
提督「さて、お手並み拝見といこうか……」ガチャッ
長門「むっ!? こ、これは!」
秘書艦 武蔵
【壁紙】 普通の壁紙
【床】 鎮守府の床
【椅子+机】 提督の机
【窓枠+カーテン】 赤カーテンの窓
【装飾】 武蔵の掛け軸
【家具】 「武蔵」模型と桐箪笥
長門「掛け軸を合わせてきたか……!!」
提督「ほう……」
>>10
うちほぼこれだわ
武蔵「ふっ、どうだ、これで分かったか」
武蔵「お前に足りていなかったもの……そして、模様替えの真髄が!」
長門「くうぅ……!」
提督「なるほど、『統一感』か」
武蔵「提督よ、流石に分かってるじゃないか」
武蔵「そう、模様替えの真髄とは……統一感だ!」
武蔵「長門よ、昨日は笑ってしまったぞ」
武蔵「桐箪笥の上に模型を載せて、『これが模様替えでござい』とはな」
武蔵「あれでは従来の部屋に異物が紛れ込んだだけだ!」
武蔵「部屋の印象は何も変わっていない!」
長門「う、ぐ……!」
長門「そ、それでお前は、掛け軸も合わせてきたのか……!」
長門「だ、だが、それがどうした! 共通点のある家具を増やしただと?」
長門「手数を増やしただけではないか!」
武蔵「ほう?」
家具に焦点を当てた艦これSSとは珍しいな
期待
提督「なるほど、一理ある」
提督「増やせばいいという考えは、大艦巨砲主義に通じるものがあるな」
提督「深海棲艦の攻撃はより多彩になっている。これからは航空戦艦の時代だと言う者もいる」
提督「強大な火力に依存し、一本調子で悦に浸れば、たちまち海の藻屑となるぞ!」
長門「そ、そうだー! そうだー!」
武蔵「ふむ、確かにな」
武蔵「だが、提督よ。この武蔵が、そこまで考えていないとでも?」
提督「――なに?」
長門「それはどういう……」
武蔵「まあ、もう少し待て。そろそろ変わるはずだ」
長門「何が……」
提督「むっ!?」
随分待たせたようだな 私は此処だ!
長門「掛け軸の文字が……」
提督「変わっていく……」
おかえりなさい
武蔵「ふっ」ニヤリ
提督「遊び心……!」
長門「て、手堅くまとめたと思われた部屋に、まさかの遊び心だと……!?」
長門「か、完敗だ……!」
長門「今の私の腕では、及びもしない……!」ガクッ
武蔵「ふふふ」
武蔵「なに、お前もいずれ、この域に達することができる」
武蔵「お前は何だ? 世界に冠するビッグセブンだろう」
武蔵「模様替えなど、イ級の手を捻るほど容易くなるはずだ」
長門「武蔵……!」
武蔵「共に極めよう、家具道の道を」スッ
長門「ああ……ああ!」ガシッ!
提督「お前たち……」ジーン
金剛「……」
金剛「ノォー!」バーン!
武蔵「なにぃっ!?」
長門「な、なんだ、敵襲か!?」
提督「金剛、どうした?」
金剛「HEY、提督ぅー! どうしたもこうしたもないネー!」
金剛「やっと模様替えができると思ったのに……」
金剛「何でよりにもよって、脳筋戦艦二人に任せるノ!?」
長門「んなっ!?」
武蔵「これはご挨拶だな」ムッ
金剛「いいデスカ、提督ぅ。この鎮守府はoverwhelmingな女所帯」
金剛「一部の艦娘は別として、もっともっと女の子っぽいものに飢えているネー!」
提督「そうなのか?」
武蔵「さあ……」
長門「そ、そうかもしれないな」
金剛「そら見たことかデース!」
金剛「提督ぅ、私に任せてくだサーイ!」
金剛「みんなの士気があがるような、そんなcoordinateをしてみせマース!」
提督「ふむ、そうだな」
提督「艦娘の好みは分からないが、私も煤けた壁紙はどうにかしたいと思っていたところだ」
提督「金剛、お前に任せる」
提督「士気が上がるほどの模様替えを、ひとつ、見せてみてくれ」
金剛「Yes!」
金剛「私の実力、見せてあげるネー!」
~翌日~
提督(さて、一晩経ったが)
提督(執務室はどのようになっているのだろうか)
提督(あまりに少女趣味なのは勘弁してもらいたいが……)
提督(まあ、それで士気が上がるというのなら、私も承服するべきだ)
提督(最悪、書類を書ける机さえあればいい)
提督(はじめは段ボールしかなかったのだ)
提督(それ以上、何を望もうか)ガチャ
金剛「あっ、提督ぅ! Good morning!」
提督「ああ、おは……よ、う……」
秘書艦 金剛
【壁紙】 チェック&リーフ壁紙
【床】 真っ赤な高級絨毯
【椅子+机】 金剛の紅茶セット
【窓枠+カーテン】 白いカーテンの小窓
【装飾】 小さな観葉植物
【家具】 メルヘンシェルフ
提督(部屋を間違えたか?)
比叡「提督、おはようございます!」
榛名「部屋を出たり入ったり……どうかなさいましたか?」
霧島「ささ、こちらにおかけください」
提督「あ、ああ」
提督(部屋の位置、間取り、扉、名札などは元のままだ)
提督(だとすると、ここは金剛型の私室でも何でもなく……)
提督(私の、執務室)
榛名「お仕事の前に、モーニングティーをどうぞ」
霧島「今日の茶葉はアッサムです」
金剛「ミルクはたっぷりと入れるネー!」
比叡「朝食がまだでしたら、スコーンがありますよ!」
提督「あ、ああ、いや、お茶だけでいい」
比叡「わっかりました!」
提督(私は何も分からない……)
和風旅館から外資系ホテルに変わった感じか
金剛「それで、私は言ってやったのデース!」
金剛「『指の骨が折れているんだヨ』ってネ!」
霧島「HAHAHAwwwww」
榛名「wwwwwww」
比叡「ヒエーwwww」
提督(女三人寄らば姦しいというが……)
提督(うむ……)
提督(まあ、にぎやかなのはいいことだ)
提督(ただ……)
提督(ティーセットが邪魔で、書類が広げられない……)
榛名「あっ、もうこんな時間!」チラッ 10:00
霧島「すみません、司令。すっかり邪魔をしてしまって」
提督「いや、構わない」
提督「私もちょうどいい息抜きになった」
提督「次に茶会を開くときは、新人も連れてくるといい」
提督「せっかく道具がそろっているのだ。みんなで親睦を深めよう」
比叡「いいアイデアですね!」
金剛「じゃあ、また後でネ!」
提督「ああ」
ドタドタ、バタバタ……
シーン
提督「行った、か」
提督(英国帰りの金剛のことだ)
提督(日々のティータイムは欠かさないはず)
提督(だとすると、次の茶会はアフタヌーンティー……16時から始まるはずだ)
提督(それまでに少しでも仕事を片付けておかないとな)カリカリ
提督(うむ、この書類の山だけでも……)カリカリ
提督(・・・・・・)カリカリ
金剛「お茶の時間だヨー!」
提督「なっ!?」
提督「先ほど飲んだばかりだろう。時間もそれほど経っていない」チラッ 11:00
金剛「NO! さっきのはMorning tea。これから始めるのはElevenses tea!」
金剛「午後の予定を考えるための大事な時間ネー」
提督「な、なんだと……!?」
金剛「英国では一日七回もTea timeがあるんだヨー? まだまだこれからネー」
提督「一日七回……!」
アーリーモーニングティー(目覚めの一杯)
モーニングティー(朝の紅茶)
イレブンジィズティー(11時頃)
ランチティー(昼の紅茶)
アフタヌーンティー(16時頃)
ハイティー(仕事終わりに)
アフターディナーティー(夕食後)
_人人人人人人_
> 全七回! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y ̄
カフェインやばそう
提督「流石にそこまで付き合いきれない」
提督「用意してくれて悪いが、どこかで加減してくれないか」
金剛「ええ? でも、提督が誘えって言うカラ……」
三隈「まぁ! これが金剛さんのコーディネイトですの?」
熊野「とてもいい趣味をしていらっしゃるのね。わたくし、嫌いではなくってよ?」
葛城「雲龍型航空母艦、三番艦、葛城よ!」ババーン!
金剛「紅茶好きな艦娘とか、新人さんを誘ったヨ……」
提督「くっ……!」
提督(好きにしろと言ったのは私だ)
提督(茶会に誘えと言ったのも私)
提督(つまり、この状況は私が招いたことであり、責任の所在は私にこそある)
提督(金剛を一喝して追い払うのは簡単だが、それは理不尽に過ぎるというものだろう)
提督(ならば、私が取るべき道は……)
提督「……分かった。茶会を許可しよう」
提督「存分に親睦を深めるといい」
金剛「WAO! 提督、太っ腹ネー!」ギュッ
提督(まあ、いい機会だ)
提督(私も骨休めと割り切って、茶会に参加するとしようか……)
~イレブンジィズティー(11時頃)~
三隈「葛城さんが日本海軍最後の空母という噂は本当ですの?」
葛城「そうよ、大活躍したんだから!」フフーン
熊野「その割には戦時中に噂を聞かなかったような……?」
葛城「ギクッ!」
金剛「Tea Timeは大事にしないとネー!」(本日六杯目)
提督「……」ズズー(本日三杯目)
~ランチティー(昼の紅茶)~
香取「ああ、上海に立ち寄った際に、租界でいただいたお茶の味がします」
あきつ丸「教官殿は経験豊富でありますな。自分は紅茶というものを知ったのも、つい最近のことであります」
秋月「食事にお菓子におかわり自由な紅茶……!? だ、誰かの誕生日ですか……?」ガタガタ
雲竜「超豪華……!」ブルブル
金剛「んー! 今日もお茶が美味しいネー!」(本日九杯目)
提督「……」ズズー(本日五杯目)
~アフタヌーンティー(16時頃)~
赤城「上々ね」ホッコリ
加賀「さすがに気分が高揚します」モグモグ
瑞鶴「あーっ!? それ、私のケーキでしょー!?」
翔鶴「ず、瑞鶴。私の分を上げるから、ねっ?」
金剛「HEY! 提督ぅー、私手作りのスコーンはいかがですか~?」(本日十二杯目)
提督「流石に美味いな。紅茶によく合う」ズズー(本日七杯目)
~ハイティー(仕事終わりに)~
伊58「今日もよく働いたでち」
伊168「そうね。その分、お茶が美味しいわ」
伊19「甘いものの補給も大事! なの」
伊8「シュトーレンは……ない、みたいね」ショボン
呂500「今度焼くよ? マル・ユーも食べる?」
まるゆ「ま、まるゆは結構ですから……」ビクビク
伊401「相変わらず人見知りだねー」モグモグ
金剛「仕事上がりの一杯は格別デース!」(本日十七杯目)
提督「……」ズズー(本日十杯目)
~アフターディナーティー(夕食後)~
聖書には「神は初めに天と地を創造した」と書いてあるけど、詳細が足りないね
金剛「それで、私は言ってやったのデース!」(本日二十一杯目)
金剛「『詳細が足りないネ』ってネ!」
霧島「HAHAHAwwwww」(本日十九杯目)
榛名「wwwwwww」(本日二十杯目)
比叡「ヒエーwwww」(本日十八杯目)
ワイワイ、ガヤガヤ
ヒエー! ガヤガヤ
……
提督「ぐ、ぐふっ」
提督「だ、駄目だ。もうこれ以上飲めない」(本日十二杯目)
提督「隙を見て、何とか逃げてきたが……」ヨロヨロ
提督「これが毎日続くとなると、身が持たないな」
提督「艦娘には好評のようだが、冷静になって考えてみると、茶会を執務室でやる必要性が見当たらない」
提督「洋風喫茶室は別に用意してやるとして、部屋はどうしたものだろうか……」
妙高「お困りのようですね」
提督「妙高」
提督「そういえば、明日の秘書艦はお前だったな」
提督「模様替えの件、頼めるだろうか?」
提督「お前たちが気に入りつつも、もう少し落ち着いた部屋なら助かるのだが……」
妙高「私としては提督を第一に考えたいのですが……」
妙高「その提督が望まれるのでしたら、この妙高、力を尽くします」
妙高「妙高にお任せ下さいませ」
提督「ああ、任せる」
七杯で済ます事も出来たろうになぜ十二杯も…
妙高さんじゃなくて足柄さんに任せた場合戦時中っぽくなるのかモテないアラサー女性っぽい部屋になるのか
提督(あの妙高のことだ。上手くやってくれるだろう)
提督(センスが良い、機能的な執務室にしてくれるはずだ)
提督(私はその辺りの感性に乏しいからな。頼らざるを得ないが……)
提督(ああ、もう駄目だ。今日はもういかん。体も頭も胃も重い)
提督(胃薬を飲んで、早めに寝るとしよう……)
今日はここまで
再開は今日の20時ごろ
妙高型の活躍にご期待ください
乙
乙
乙
これは面白い。次も期待してます。
乙
乙
提督の執務室が診察室になったり風呂になったりするのって、おかしいんだよな
>>41
体育のマラソン練習とかでいただろ?ペース考えて一定にすればいいのに最初から飛ばしすぎちゃう奴
独房とかだと監禁されてるみたいになるよな
時間と場所をわきまえる為には必要だからね
~翌日~
提督(ふむ、本部から伝令か)
提督(カレー洋攻略を急げ、か。簡単に言ってくれる)
提督(だが、あまり悠長にしていられんのも確かだ)
提督(今日は作戦会議を開くか)
提督(そのためには、執務室の機能性が肝心なのだが……)
提督(さて、模様替えは上手くいったのだろうか)ガチャ
妙高「提督、おはようございます」
提督「ああ、おはよう」
提督「……うむ」
秘書艦 妙高
【壁紙】 木板の壁
【床】 高級フローリング
【椅子+机】 教室セット「教卓」
【窓枠+カーテン】 青カーテンの窓
【装飾】 教室セット「黒板」
【家具】 教室セット「机」
提督「いいじゃないか」
妙高「ありがとうございます♪」
提督「海図も張れる大きさの黒板に、いくつもの机と椅子か」
提督「これなら長時間の作戦会議も可能であり、艦娘の負担も少ないな」
妙高「駆逐艦は小さな子が多いですからね」
妙高「会議中は立ちっぱなしになるのが、いつも気になっていたんです」
提督「ふむ、流石の気配りだな」
提督「執務室というよりは、士官学校の教室を思い出させるが……」
提督「私も若返った気持ちになって、より執務に励むとしよう」
妙高「提督はまだ二十代じゃないですか」
妙高「老け込むにはまだ早いですよ。ふふっ」
~作戦会議中~
妙高「この海域は連合艦隊により攻略します」
妙高「偵察によると、敵拠点は手薄であるため……」
妙高「道中は支援艦隊を伴って一点突破、短期決戦により、夜までには勝敗を決しましょう」
艦娘「「「了解!!」」」
提督(うむ、これだ)
提督(やはり執務室はこうでないとな)
提督(金剛の茶会に付き合うのもやぶさかではないが……)
提督(やはり、公私はきちんと分けないとな)ウンウン
雪風「せんせぇ! 質問です!」
提督「ああ、なんだ? ……ん?」
雪風「夜戦なし、ということは、雪風の出番はない、ということでしょうか!?」
提督「いや、万が一のことも考え、魚雷を積んでだな」
時津風「せんせー。時津風は雪風と同じ艦隊ー?」
提督「あ、ああ。今回も協力して……」
朝潮「先生。支援艦隊には朝潮をご指名ください」←(最前列の席で挙手)
提督「や、やる気だな、朝潮。分かった、任せ……」
<センセー、センセー!
<センセイ、ワタシハ?
<センセェ!
提督「待て。ちょっと待て、お前たち!」
艦娘「「「?」」」
提督「先生とは何だ? 私は教師ではなく提督だ」
提督「お前たちも、普段は提督、司令、司令官と呼んでいるだろう」
睦月「でもでも、先生!」
如月「この内装で、黒板や机、教卓まで用意されるとぉ……」
潮「つい、先生と呼びたくなってしまって……」
提督「むう……」
提督(問題があるようなないような……)
提督(上官蔑視として軍規に反するだろうか?)
提督(いや、上官をどう呼ぶかは艦娘の自由だ。細かなところまで口出しをするのはよくない)
提督(過度な締め付けは艦娘を萎縮させる。それでは戦いにも支障が出るはずだ)
提督(好きにさせるのが吉か)
提督(うむ、そのうち私も艦娘たちも慣れるだろう)
妙高「あの、気になるようでしたら、元に戻しましょうか?」
提督「いや、いい。執務室は機能性が第一だ」
提督「ましてや、今は大規模作戦中だ。しばらくはこのままでいくとしよう」
妙高「そうですか! 分かりました、そのようにいたします」
雪風「せんせぇ! お片づけですか!?」
提督「いや、机はそのままでいいぞ」
提督「それより、装備の確認に向かえ。すぐにも出撃だぞ」
雪風「はい! 雪風にお任せください!」タタタ……
提督「……」
提督(……うむ)
提督(教師を通り越して、保夫になった気分だ)
提督(……う~む)
~後日~
提督(大規模作戦は順調に推移している)
提督(一部の艦娘……特に駆逐艦たちから、先生と呼ばれるのも慣れた)
提督(問題らしい問題は起きていない。呼称など些細な問題だったということか)
提督(小さなことに拘っていた自分が恥ずかしいな)ウンウン
妙高「提督、○○大将がお見えです」
提督「ああ、もうそんな時間か。分かった、出迎えに行こうか」
妙高「はい」
>>35
今更だが雲龍……
大将「おお、提督君! 久しぶりだな!」
提督「ご無沙汰しております」
大将「今回の作戦、大いに活躍しておるようだね! この調子でいけば昇進も近いぞ!」
提督「ありがとうございます」
提督「ところで、どのようなご用件でお見えになったのですか?」
提督「本日、いらっしゃるとは聞いておりませんでしたが……」
大将「ああ、いや、そのように固い顔をしなくていい。大した話ではないのだ」
大将「ただな、浮いた話を聞かんから、将来のことをどう考えているのかと思ってだね」
提督「将来のこと、ですか?」
妙高「……」ピクッ
大将「嫁取りのことだよ」
大将「先日、ケッコンカッコカリの指輪を送っただろう?」
大将「それさえ使っていないと聞いて、私は大いに心配したよ」
大将「女に興味がないのでは、とね」
提督「い、いや、そういうわけではないのですが」
提督「その、どの艦に使うのか決めかねていて」
大将「この妙高はどうだ?」
大将「尽くす艦娘だと聞いているぞ? 容姿も整っている」
大将「悪くない相手だと思うのだがね」
妙高「そ、そんな、私なんて……」チラッ
提督「う、いや、その、ですね」ダラダラ
雪風「あっ、せんせぇ!」
大将「む?」
響「先生、お客さんかい?」
電「始めて見る方なのです」
雷「先生より勲章の数が多いわ!」
暁「校長先生かしら?」
朝潮「はじめまして、朝潮です」ペコリ
睦月「先生がいつもお世話になってます」ニコッ
時津風「校長せんせーはどこの鎮守府から来たんですか?」
卯月「作戦の打ち合わせに来たぴょん?」
夕立「作戦海域がまた増えたっぽい?」
時雨「こらこら、みんな。先生たちが困っているよ」
天龍「おーい、お前らー! そんなとこで止まらねーで、さっさと来ーい!」
駆逐艦「「「はーい!」」」
<バタバタバタバタ
<キャッキャッ、ワー!
<バタバタ……
提督「……」
妙高「……」
大将「……」
提督「いや、その、ですね」
提督「今のは、何と言いますか……」
大将「い、いや、いいんだ」
大将「分かっている。何も言わなくていい」
提督「え?」
大将「気まずく思う必要はないんだよ?」
大将「誰だって好みというものがある。趣味嗜好もそれぞれ違っている」
大将「それは私も理解しているつもりだ」
提督「あ、あの?」
大将「ぎゃ、逆にすまなかったね。無理に縁談を持ちかけて」
大将「先ほどの話は忘れてもらっていい。君の好きなようにしていいんだよ」
提督「あの……」
(アカン)
憲兵さん見逃してやってください
大将「安心してくれたまえ。この話は誰にもしない」
大将「あまり気にせず、作戦に励んでほしい」
大将「では、私は横須賀に帰るが……」
大将「……その」
大将「は、早く戦争を終わらせような?」
大将「君が『本物の』教師になれるように……」ニ、ニコッ
大将「で、ではな!」ササッ
提督「……」
提督「………………」
署名集めて嘆願しなきゃ(使命感)
妙高「あ、あの、提督?」
提督「……妙高」
妙高「は、はいっ!」ビクッ
提督「すまないが、執務室の内装を」
提督「提督らしいものに変えてくれ……」
妙高「はいぃ!」
~翌日~
提督「……」カリカリ
吹雪「はい、提督。お茶ですよ」
提督「ああ、すまない」
吹雪「それにしても……ずいぶん、カッチリした部屋になりましたね」
提督「これでいいんだ」
秘書艦 吹雪
【壁紙】 軍艦色の壁
【床】 ブルーカーペット
【椅子+机】 提督の書斎机
【窓枠+カーテン】 青カーテンの窓
【装飾】 壁掛け図上演習セット
【家具】 書斎本棚
提督「執務室には、提督業に必要なものが過不足なく揃っていればいい」
提督「あまった家具コインは、お前たちの部屋を飾るのに使えばいい」
吹雪「あ、ありがとうございます」
吹雪「でも、よかったんですか?」
吹雪「やろうと思えば、温泉を引くこともできたのに……」
提督「執務室である必要があるのか?」
吹雪「それもそうでしたね」アハハ
終わりかね
吹雪「あ、そうそう。横須賀からお荷物が届いていますよ」ヨイショ
提督「む? なんだ、ずいぶん大きいな」
吹雪「ですね。新しい艤装でしょうか?」
提督「そういえば先日、作戦海域を攻略したな。その報酬だろうか」
吹雪「早速、開けてみますね」
提督「ああ」
吹雪「なんだろう……?」ビリビリ
吹雪「え? これは……」
『診療台セット』ドン!
吹雪「医療器具……でしょうか……?」
提督「……」
提督「…………………………」
以後、大将からはあれやこれやと家具が贈られてくるのだが――。
それはまた、別の話。
おしまい
みんなもコーディネイトに励むんじゃよ~
おつ
遠征回すとコイン貯まるからいろいろ家具買ってるけど、結局>>76にしちゃうのよね
教師になりたがってる(と勘違いした)相手に診療台を贈るってどういうことなんですかね……
お医者さんごっこ(意味深)だろ
提督(CV飛田展男)なんだろ
面白かった乙
乙です
大将「使ってくれ」b
医者もセンセイだから間違いないな
お医者さんごっこの話を書くんだよあくしろよ
このSSまとめへのコメント
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