勇者「呪いと剣術」盗賊「速さと体術」 (5)

ーー城ーー

大臣「お前が4代目勇者だ。王の為、そして王国の未来の為に精進せよ」

勇者「はい」

大臣「...この戦争を一刻も早く終わらせたい、必ず魔王を討ってくれ」

国王「まあ、歴代勇者はことごとく魔王によって死体に変わったけどな」

大臣「王!...旅の仲間を用意している、国を出る前に城下の酒場へ行くんだ」

勇者「...」

ーー酒場ーー

店長「勇者様ですね、大臣様よりお話しを伺っております」

店長「奥の座敷でお待ちです、どうぞ」

勇者「ありがとう」



盗賊「...お前が勇者か、弱そうだな」

勇者「!...俺は弱そうか?」

盗賊「いや、悪い。思ったことはすぐ口に出してしまうんだ。忘れてくれ」

勇者「...」

盗賊「俺は盗賊って名前だ、よろしく頼む」

盗賊「何年かかる旅なのかは分からんが、仲良くしよう」

勇者「よろしく頼む」

盗賊「...しかし実際、たった二人で魔王を倒せんのか?」

勇者「...国王直々の命だ、できなくてもやらなければ」

盗賊「難儀だなあ、まあおとなしく殺されるよりはマシか。魔王倒したら無罪になるかもだし」

勇者「無罪?」

盗賊「俺は前科なんだよ。まあ盗賊だしな」

勇者「...」





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>>1前科←前科持ち

盗賊「死刑で大恥かくより華々しく大義の前に散る方がかっこいいだろ」

勇者「...明日の朝には出発しよう」

盗賊「あ?なんだ随分焦ってんな」

勇者「日の昇る頃、街の関所で落ち合う。じゃあな」

盗賊「...つれねえな、酒の一杯も飲んでないじゃないか」




盗賊「取りあえず、俺だけでも飲まねえとな、注文した料理ももったいねえし」

盗賊「酒持ってきて、お姉さん!一番きついの!!」



勇者「...旅支度は終わっている、後は寝るだけか」

勇者「あんな男と二人で本当に大丈夫か?いや、どうにかしないといけなんだ、俺は勇者なんだから」

勇者「そうだ、俺は勇者だ。俺は...」





ーー関所ーー

兵士「お仲間はまだこないんですか?」

勇者「...ああ」

兵士「ははは、大尉殿をを待たすとは、中々図太い人ですね」

勇者「元大尉だ...しばらくお前達とも会えないな」

兵士「寂しいです。なので絶対帰ってきて下さい」

勇者「...思い出話をたくさん聞かせてやる」

兵士「しかし...」

勇者「(...来ない)」





ーー関所(昼)ーー

兵士後輩「兵士さーん、交代の時間ですよー」

兵士「おう」

兵士後輩「あれ、なんで大尉が?」

勇者「元大尉だ。仲間を待っていてな」

兵士後輩「ああ、魔王討伐の仲間ですね!」

兵士「朝からずっと待ってるんだが、一向に来なくてな」

勇者「...」

兵士後輩「(大尉さん怒ってる!)けどびっくりしましたよ、大尉が勇者に抜擢された時は」

勇者「...俺も驚いたよ、腰が抜けるかと思った」

兵士後輩「ですよねー」

兵士「...俺もついていければいいんですが」

勇者「...お前には去年生まれたばかりの赤ん坊がいるだろ」

兵士後輩「じゃあ俺は」

勇者「実力不足だ、もっと修業しろ」

兵士後輩「...はい」

勇者「勇者として、必ず俺の手で魔王を倒すと約束する。だから心配するな」

兵士「大尉殿...」

兵士後輩「大尉...」



デートの相手でもないかぎり普通置いていくだろう。もしくはチキンなら納得。

期待

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