通行人A「ハァ…また主人公か……」 (26)

主人公「ちょっと!ここで帽子外しちゃダメ!」

猫耳美少女「にゃ?何で?」

通行人A「チッ、リア充しやがって」

通行人B「まぁ、仕方が無いよ。それが二次元のルールなんだから」

通行人A「こんなルールさえなければ…」

続きはよ

通行人A「殺してやりてぇ…」

通行人B「ダメだ、押さえろ。登場人物になるぞ」

通行人C「そうだぞ。登場人物になればどんな非日常を送らされるか分かったもんじゃない」

通行人A「ちくしょう…」

通行人A「あー!三次元に行きてぇ!」

通行人B「それは特別なヤツ以外みんな思ってるさ」

通行人C「あーあ、本物のマンガやアニメ見てみたいな」

通行人B「三次元ではマンガの表紙に『マンガ』以外の表示があって、それぞれタイトルがついてるらしいぜ!」

通行人C「良いなぁ…三次元」

通行人A「ハァ、死にてぇ」

通行人C「それでも、結局あの世のその他の人間になるだけだ、出番が少ないだけで」

みてる

通行人A「結局俺らはその他の人間には変わりねぇし」

通行人B「おい、見ろよアイツ」

男「らーらーららー!」ズンチャズンチャ

通行人達「ザワ…ザワ…」

通行人C「可哀想にな泣きながら急に踊り出したぞ」

通行人A「アイツにも何かしらの出来事が起こったんだろう…」

通行人A「そろそろ…帰るか…」

通行人B「おぅ、じゃあな!」

通行人C「また明日ー」

通行人A「俺らだってそれぞれの人生があるのに主人公達だけ華々しい人生送りやがって」

通行人A「ただいまー!」

通行人A母「おかえりー、…………通行人A!?」

通行人A「母さん?どうしたの?」

通行人A母「あなた…そのオーラどうしたのよ!あなたどうして主人公になってるのよ!」

通行人A「え…?ウソだろ?ドッキリなんだろ?ウソだって言ってくれよ!母さん!!」

通行人A母「いいえ…本当よ…お父さんに連絡しなきゃね、あと非日常が始まる前に準備しなきゃ」

通行人A「そんな…」

このスレが原因かww

通行人A「俺に…これから一体何が起こるんだ?
タイムスリップか?ラブコメ?殺し合いか?もしかしたら宇宙人が来るのか?
どうかほのぼの日常系であってくれ……」

通行人A母「通行人Aー!ご飯よー!」

通行人A「もう…朝か……」

通行人A母「通行人A、これから頑張るのよ」

通行人A父「話は聞いた、できるだけ協力はする。それより、お前その頭…」

通行人A「頭?え?え?何で、髪の色が変わってるんだ…」

通行人A母「主人公っぽくなったわね」

通行人A「とりあえず、学校行ってくる」

通行人A母父「いってらっしゃい」

通行人A「行ってくる…お父さん、お母さん、今まで育ててくれてありがとう」

通行人A父「ああ、行ってこい」

通行人A「じゃあね…」



通行人A母「ううぅ、お父さん」

通行人A父「安心しろ、通行人Aは必ず帰ってくる」

つまんねえ

おもしろいよ

通行人C「よぉ!おっはよー!」

通行人A「おはよ…」

通行人C「お…お前その顔…主人公になったのか!?」

通行人A「あぁ、そうみたいなんだ。すまねぇ、お前を登場人物にしちまった。
それで、顔がどうした?」

通行人C「目鼻立ちがくっきりしてて、なんとなくイケメンになった」

通行人B「おっはよー!っておわ!通行人A…お前……」

通行人A「そう、主人公になったんだ」

通行人B「じゃあ、その身近にいる俺らももう登場人物になってるかもしれないのか?」

通行人A「俺、なんとなくだけど分かる。お前達はもう、登場人物だ」

通行人B「そんな…」

通行人C「通行人A、これからは必要最低限の人に関わるな。登場人物を増やしちゃダメだ」

通行人A「ああ、そうだな」

通行人A「なんで、俺は急に主人公になったんだ?」

通行人B「分からない、こんなケース初めて見る」

通行人C「普通、生まれた時から主人公は主人公だもんな」

通行人B「俺が思うに、これから大きな何かが起こる。
通行人A、お前今まで普通の人生送ってきたろ?今主人公になったって事は何かが今始まるんだよ」

通行人A「もしかして、それは誘拐されてデスゲームが始まるとか、異次元に行ったり、とかか?」

通行人B「その可能性もある」

通行人C「せめて通行人Aのストーリーのジャンルが解れば…」

通行人A「そうだな、せめてジャンルが解ればな」

支援

通行人A「そうだ!何かアクションを起こそう!そうすれば何か起こってジャンルがわかるはずだ!」

通行人C「でも、それ危ないんじゃないか」

通行人B「結局何か起こるんだ。早い方が気が楽になる」

通行人A「じゃあ、とりあえず海に行くか」

~海~

通行人C「何で海?」

通行人A「何かアイテム拾うかなって思って」

通行人B「ゲームかよ」

通行人A「主人公ならあり得る」

通行人B「確かに…ってか授業初めてサボったかも」

通行人C「たぶん大丈夫だろ」

通行人A「……………暇だな」

通行人B「何にも落ちて無いな」

通行人C「貝殻くらい落ちてても良いだろ」

通行人A「多分外観の問題だろ」

通行人B「主人公が必要としてるのに出てこないって事は無いのかもな、アイテム」

通行人A「あー、銀行強盗でもするかな」

通行人C「それ、監獄脱走物になるんじゃない?」

通行人A「あーそれダルいww」

通行人B「ちょっと待て、もしかしたらこれからの通行人Aのアクションでジャンル決められるんじゃね?」

通行人A「確かに、起きなければ起こせば良い!」

通行人B「んで?何のジャンルにすんだよ」

通行人A「ほのぼのが良いな!でもあれ、どうやれば良いんだよ」

通行人B「何も起きなかったらほのぼのになるんじゃね?
でも何かが勝手に起こる可能性があるから却下」

通行人A「じゃあ、ラブコメ」

通行人C「それは簡単だ。角でパンくわえた美少女とぶつかれば良い」

通行人A「良し、行くか」

通行人B「通行人A、お前なんか嬉しそうだな」

通行人A「よし、学校近くの角に来たぞ!」

通行人C「何でお前状況説明してんの」

通行人A「わかんねぇ、口が勝手に」

通行人B「もしかしたら小説なんじゃね?」

通行人A「そうか、一つ、俺の出てるストーリーが何なのか分かったな」

通行人C「おい!角の向こうからワンピースの女が走ってくるぞ」

通行人B「おい通行人A!準備しろ!」

通行人A「なぁ!その娘かわいい?!」

通行人C「知らね!コンタクトさっき落とした」

通行人B「なんか、おかしいぞ」



ドン!

加齢臭がほのかに香るブスなオカマ「あっ!ごめんなさい!あっと、ちこくちこく~」ダダダダ

通行人A「あれと、恋が始まるのか?」

通行人C「ド…ドンマイ」

通行人B「もしかして、これギャグなのか?」

通行人A「もうやだ、帰る」

通行人C「送るわ」

ドン!

超絶美少女「ごめんなさい!遅刻しそうなんです!お怪我、無いですか?」

通行人C「いえ、大丈夫です」

超絶美少女「良かった、ではこれで」タッタッタ

通行人C「あの娘、生徒手帳とハンカチ落としてった」

通行人A「何で通行人Cだけ」

通行人A「ただいま」

通行人A母「おかえりなさい!良かったわ、今日は無事なのね!」

通行人A「うん、どうやら俺はギャグのジャンルらしい」

通行人A父「良かった、疲れるけどギャグで死んでもギャグで生き返るからな」

通行人A「父さん、それ笑えない」

通行人A母「とにかく今日は疲れたでしょ?もう寝なさい」

通行人A「うん、お休み」

通行人A母「ふふふ、おやすみなさい」
通行人A父「おやすみ、ふふふ」

通行人A「……?」

おい父母…



通行人A「ふぁああ、」

通行人A「おはよー、あれ、父さんと母さん出掛けたのかな」

通行人A「おはよー!」

通行人BC「よ!」

通行人B「なんか進展あったか?」

通行人A「かくかくしかじか」

通行人C「それ…明らかにギャグじゃないな」

通行人B「ジャンル、また分からなくなったな」

通行人A「もう、いいよ、今まで通り普通に過ごして流れに身を任せる事にした」

通行人C「お前が決めたなら、それで良い」

通行人B「あぁ、俺も」

通行人A「お前ら………」

女「ちょっと、あんたら」

通行人A「な。何ですか」

女「こんな人知らない?」ピラ

通行人A「あ、この人昨日の」

女「やっぱり知ってるのね」

通行人A「この人は昨日町ですれちがった主人公です。この人に何か?」

女「急に信じられないかも知れないけど私は二次元調査局の者よ」

通行人B「何ですか?それ」

女「この世界の異変を直す仕事よ」

女「この時空を曲げてる人がいるの、あなた達に手伝って欲しい」

通行人A「具体的にこの人は何をしたんですか?」

女「こいつら、主人公と猫耳美少女は見た者全てを主人公か登場人物にするのよ
しかも、ジャンルすら決めて無いから
めちゃくちゃな話なってしまうの」

通行人A「それじゃあ、俺は…」

女「そう、あいつらのせいよ」

女「本当に、昨日ここに居たのね?」

通行人A「はい、かなり目立ってました」

通行人B「イチャイチャしてな!」

女「ちょっとあんたら私の腕につかまって」

通行人ABC「は…はい」

ビュウウン

女「着いたわ」

通行人A「場所、変わって無いんですけど」

女「ここは、過去の世界よ」

通行人C「マジか……」

通行人B「捕まえるんスか?」

通行人A「えっ?俺も」

女「そうよ、とりあえずとびかかって」

通行人A「雑っ!作戦とか立てないの?」

女「ええ、」

主人公「ちょっと!ここで帽子外しちゃダメ!」

猫耳美少女「にゃ?何で?」

通行人A「あ、居た」

女「早く!とびかかれ!」

通行人ABC「とぅ!」

主人公「うお!」

猫耳美少女「に"ゃ!」

女「確保ー!」ガシャッガシャッ

通行人A「もう…終わったんですね」

通行人B「以外とあっさり終わったな」

通行人C「良かった」

女「ところで、君達、話がある」

通行人A「はい」

女「君達は自分達を二次元の人間だと自覚してるね?」

通行人A「え、ええ」

女「しかも、特別な人間とその他の人間の識別が出来るね」

通行人A「それがなんなんです?」

女「と言うことで消えて貰おう」

通行人ABC「え?」

あ…

女「何も死ねって訳じゃないここでの存在抹消して二次元調査局で働いてもらおう」

通行人A「何でそうなるんですか?」

女「その認識自体が周りに影響を与えるのよ」

通行人B「でも、みんなもそうなんじゃ…」

女「そう思ってるだけじゃない?」

通行人B「………」

女「とにかく来て貰うわよ」

こうして俺達の非日常は始まった

~完~

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