妹「にいちゃん待って!」(12)
妹「にいちゃん!」
兄「来るな」
妹「えっ……」
兄「来るんじゃない」
妹「な、なんで…」
兄「お前にはまだ早い、早すぎる」
妹「にいちゃんと6個しか違わないじゃん!」
兄「俺だってまだ早いさ」
兄「だけど……もう手遅れだ……」
兄「でもお前ならまだ……」
妹「にいちゃん!?にいちゃん!」
――――――
兄「おい起きろ」
妹「んむぅ…」
兄「今日から五年生だろ?」
妹「別に変わらないもん…」
兄「ここらでちゃんと起きる癖つけないと…」
妹「中学生になっても起きれない。でしょ?」
妹「何回も聞いたもん……ムニャムニャ」
兄「はぁ……」
兄「俺はもう行くからな」
兄「今日から高2、一番楽しい時期だぜ」
妹「友達いたらね…」
兄「おま…三人いるんだぞ!三人!」
……………
妹「何で早く起こしてくれないの!」
シーン
妹「いないし!」
バタバタ
バタバタ
妹「……現在11時35分」
妹「……あたたた……お腹いたい」
妹「これはもうダメだ、盲腸だ」
妹「休もう、うん」
妹「……うん」
……………
兄「高校の授業こんな楽だっけ」
友「まぁそりゃ1年でほぼ終わるからな」
友「2年はその復習みたいなもんだし」
兄「数学は違うだろ」
友「いや同じだって」
兄「じゃあ何で台形の求めかた教えないんだよ」
友「いやおまえ……」
キーンコーンカーンコーン
兄「飯や飯」
友「女も呼ぼうぜ」
屋上
兄「ウマウマ」
友「ウマウマ」
女「ウマウマ」
兄「マジウマクネ」
友「ジツヲイウトソンナ」
女「ワタシノウマウマ」
兄「クレクレ」
女「ハイ」
友「アニ、コレカケテヤル」
兄「アァ、アリガ…」
兄「お前なんで唐揚げにレモンかけてんだよ!」
昼終了
女「まさか延々と説教されるなんてね」
友「別にいいじゃんな?」
兄「よくない」
女「まぁまぁ」
兄「次掃除だよな」
友「もう夏近いからトイレはダルいわ」
女「私と兄くんは職員室だから涼しいよ」
兄「俺変わったんだよ」
兄「たしか……音楽室だったかな」
友「マッハの幽霊が出るかもな」
兄「バッハだよ」
女「高速で移動したらむしろ見つかんないよ」
掃除時間
トイレ
友「ウンコハケーン」
「つつこうぜ」
友「棒貸せ」
「お前のマグナムがあるだろ?」
友「何で自分のナニでつつくんだよ」
友「欲求不満にも程があるわ」
「おーい棒もってこーい」
友「しかし暑いな……」
職員室
女「ねぇこれ詐欺だよ」
「え?」
女「すすいだ瞬間キュキュッと落ちないもん」
「あんた……」
女「しかしここ涼しいね」
「と思うじゃん?」
女「感じてるんだよ」
「変態やー!」
女「クーラーで感じるって上級者すぎるよ」
女「………」
女「外は暑そうだな……」
音楽室
兄「俺だけかよ」
兄「んー…」
兄「誰も見てないし…」
兄「いっちょ落書きしてみるかなー」
カキカキ
兄「隅っちょ隅っちょ」カキカキ
カキカキ
『妹が可愛すぎる、一生守ってやるぜ!』
兄「……一般の人が見たら引くだろうけど」
兄「シスコンの俺にはまだまだ書き足りない」
キーンコーンカーンコーン
兄「ん、終わりか。」
兄「隠してっと……さぁ戻ろう」
自宅
妹「…ん?」
妹「ん??」
13時50分
妹「まだ2時間!?」
妹「いやぁ…2日くらい寝てた気がするよ」
妹「暇だし……そうだ、お買いもの行かなきゃ!」
バタバタ
バタバタ
妹「鍵閉めて……」ガチャ
妹「……内側から閉めたら出れないよね」ガチャ
妹「さて、行ってきまーす」
また夜に
乙 しえん
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