球磨川『強制執行(ザ・コンパルソリィ)?』 ペルニダ「……」 (48)


BLEACHとめだかボックスのクロスSSです。

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「負完全」として名高い高校生、球磨川 禊は、箱庭学園に転校し、世のエリートと呼ばれる高校生を抹殺すべく動き出していた……

『さてさて、まずは「過負荷(マイナス)」がどれくらい集まっているかだね』

当面の課題として、自分の同類である「過負荷」と呼ばれる生徒を同じく箱庭学園に転校させて集結させていた彼だったが、
その生徒たちがどれだけ集まっているのかが、わからない。なので確認する必要があった。

二年十三組の教室を「過負荷」が集まるクラス、「マイナス十三組」の教室に宛がった球磨川は教室に入る。

『さあさあこんにちは、皆様と不幸を分かち合いに来た球磨川 禊ですよ』

そう言いながら教室に入った球磨川が見たものは、

「……」

一心不乱に机に並べられたお菓子を食べている、全身をコートで覆った異様な人物だった。

勢いで立ててしまったが完結できるかどうかは微妙


『……』
「……」
『えーと……』
「……」

球磨川は、事前に用意していた「マイナス十三組」の資料に目を通す。
そこには、一年から三年まで全員の顔写真と名前が載っていた。

『あれ、君は誰かな?』
「……」

だが、球磨川が見た限り目の前の人物の情報は無い(そもそも顔が見えない)。
球磨川は考える。

(『……これはなんだろう、いつもの通り、僕の敗北の前兆なのかな?』)


今まで数多くの敗北を経験した球磨川ではあるが、その根底には勝利への渇望がある。
敗北には慣れているとはいえ、その敗北がなんともないと感じたことは無い。
だからこそ考えてしまう、自分の不測の事態は、敗北の前兆なのかと。

「……」

だが目の前の人物は、そんなことはお構いなしにお菓子を食べ続けている。
ちなみに、手だけがコートから出ていて、その下の実体は全く見えない。


『ああそうかそうか、君も不幸に振り回されたクチか』

とりあえず、球磨川はコートの人物に対していつものように心の隙に付け入るように近づく。

『だけど安心して、君の不幸がどれほどのものだったとしても、僕の日常に比べたらすぐに記憶から消し去れるものだと思うから』
「……」

だが、コートの人物は何も言わない。

『あれ、もしかして君はあれかな? コミュ障ってやつかな? でも大丈夫だよ、君みたいな中二病患者でも僕は……』
「……」

その後、球磨川は十分ほどコートの人物にあらゆる言葉をかけてみたが、コートの人物は微動だにしなかった。

ふむ


『……』
「……」

(『うーん、さすがにここまで徹底的に無視されると堪えるなぁ』)

球磨川は相手の心の隙をついたり、他人の信念や決意を台無しにする話術に長けている。
だが、それは相手が会話に応じているときの話。
相手がどんな人物か全くわからない状況では、効果が薄いのだ。

中断

あげ

あげ

もうちょっとかかります

酉まちがっていた

待ってる

後図々しいと思うがペルニダシリーズをまとめてくれないか


(『いや、本当にこれ誰なんだ……?』)

そこまで考えて、球磨川はある可能性にたどり着く。

『ああ、もしかして君は、理事長の孫? なんかそんな人が入るって聞いていたけど』

球磨川は箱庭学園の理事長から、孫がいることを聞かされていた。
その人物がマイナス十三組に入ろうとしていることも。
もしそうであれば……

『君が自ら弱さを受け入れるのであれば、僕は大歓迎だよ』

球磨川は自分のことを弱いと考えている人物には、割と寛容である。
――が!


「……」

コートの人物はお菓子を食べるのを止めてはいるが、今度は球磨川の方向に顔であろう部分を向けたまま動かない。
そして、頭を覆っているフードの部分は不自然なまでにその顔を覆い隠していた。

『……』
「……」

球磨川は再び考える。

(『ここまで会話に応じられなかったのは初めてだな……』)

普通の人間ならば、球磨川に無関心ではいられない。
ほとんどであれば、彼に対して不快感や嫌悪感を感じ、ごく少数の者は彼の存在に安らぎを覚える。
だが、目の前のコートの人物はそれらのどれでもなかった。

そんな中、教室の扉が開かれる。

「はーい、ここがマイナス十三組ですかー?」

ひどくやる気の無い様子で、小柄な少女が入ってくる。


「あれま、球磨川先輩ともう一人だけですか。マイナス十三組のみなさんが勢ぞろいしていると思ったんですがねえ」

少女は飄々とした様子で、にひひと笑う。

『えーと、君は?』
「ああ、あたしは不知火 半袖。元一年一組のノーマルですよ」

不知火という苗字。
つまり、今入ってきた少女こそが理事長の孫娘。
では――

(『え? じゃあ本当にこれ誰なの?』)



球磨川の考えている通り!
この人物は箱庭学園理事長の孫娘、不知火 半袖ではない!

その正体は……
見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)が擁する精鋭部隊、星十字騎士団(シュテルンリッター)の一員であり!
皇帝ユーハバッハから“C”の聖文字(シュリフト)を授かった滅却師(クインシー)!

ペルニダ・パルンカジャスその人である!

星十字騎士団の一員であり、尚且つユーハバッハの親衛隊のメンバーであるペルニダは、
その名誉ある地位に就いている故に多忙であった!
そして遂に、二年ぶりに休暇を取ることが許されたペルニダは現世へと繰り出したのである!
ペルニダが影の領域(シャッテンベライヒ)から出てたどり着いた場所は、箱庭学園の前であった!
高校生活を満喫したくなったペルニダは、とりあえず箱庭学園の編入試験を受けて編入に成功した!

そして……今に至る!

理由が何か可愛い


『さて、ここにいるのはまだ三人、どうしたものだろう』

球磨川は考える。とりあえずエリートを抹殺しようとは考えてみたものの、マイナス十三組はほぼ集まっていないと考えていい。
しかもそのうち一人は名前すらわからないイレギュラー。球磨川としては、都合が悪かった。

「……」

その時、コートの人物、ペルニダが立ち上がって球磨川に近づく。


『ん? なんだい?』
「……」
『ていうかさ、君のコートよく見たらいい生地みたいだねえ。駅前で配っていたら、つい受け取ってしまいそうだよ』
「……」

球磨川の言葉にもなんら反応しなかったペルニダだが、突然彼の背後に回る。

『あれ? 背後を取られちゃったなあ。これが某国民的少年漫画だったら危険な状況だなあ』
「……」

依然として言葉を発さないペルニダだったが、コートから手を出すと、球磨川に椅子を差し出す。


「……」
『……』
「……球磨川先輩、座ったらどうです?」
『……うん』

どうにもこうにも展開が進まないので、とりあえず球磨川は座ってみることにした。

『いやあ、この椅子はいいなあ。椅子にされていた時を思い出すよ』
「……」

もはや球磨川が可哀そうな状況になりつつあったが、彼はペルニダのことを知ろうとするのを諦めなかった。

『ところで君さあ、それは黒魔道士みたいな気持ちになっているの? 僕の妹が黒魔術で死んだからさあ、気持ちわかるなあ』
「……」

球磨川の言葉にどうあっても応じないペルニダではあったが、彼が座ると突然、

「……」

肩をもみ始めた。


『……』
「……」
「……」

『……なんだこの状況』
「いいんじゃないですか? もんでもらっているわけだし」

さすがの球磨川も、ペルニダの意図が全くわからない。
そもそもこの人物は敵なのか味方なのか。
球磨川としては、不幸な境遇にいようといまいと自分の弱さと無力さに打ちひしがれている人物なら歓迎している。
だが、この人物は何がしたいのかが全く分からない。
無言の時間が十分ほど続いた。


『まあいいや、それで不知火ちゃん』

そこで球磨川は、あえてペルニダを無視してみることにした。
この手のタイプは自分が蚊帳の外になると、非常に困る。
そう、自分がそうであるように。

「……」

球磨川の肩をもんでいたペルニダが突如として手を止める。

『ん、なに? もしかして構ってほしいの? でもだめだよ、君は他人を無視する最低の人間……』

そこまで言って、球磨川は思った。

(『人間……なんだよね?』)

これで人間じゃなかったら、それはそれで危ない。
そう考えていると、ペルニダは何かの紙を差し出してきた。


『なにこれ?』

紙には、「Pernida Parnkgjas」と書かれている。

『……いや、本当になにこれ?』

まるで意図がわからない。

「もしかして、名刺なんじゃないですか?」

不知火の推測に対して、ペルニダが頷いた。

『あー名刺ね。調子づいた就活生とかがよく使うあれ』

そこまで言って、彼は気づいた。


『もしかして、これ名前?』
「……」

無言で頷くペルニダに対し、球磨川は満面の笑みを見せる。

『そうかそうか、やっと名前を名乗る気になったんだね。でもねえ、そうやって名前をなかなか名乗らないのは、友達を無くしちゃうよ?』
「……」

それでも言葉を発さないペルニダはもう一つの名刺を出してきた。

『Stern Ritter "C" 「The Compulsory」 Pernida Parnkgjas』

と、書かれていた。


『……』
「……」
『これ、わざわざ作ったの?』
「……」

そして球磨川は口に出してしまう。

『シュ、シュテルンリッター! あははははは!』
「……」
『ザ・コンパルソリィ!』
「……」

球磨川は知らない。
星十字騎士団も『強制執行』という肩書も本物であることを。
だからこそなのだろうか、球磨川の笑いに対して、ペルニダは何も反応しなかった。

強制執行ってどんな能力なの?これが終わったら次は学園都市へ行って欲しい

>>30
現時点では、物や人をへこませて曲げたり折ったりできるという点しか明らかになっていない

ありがとう


『ははははは! ああいやあ、久々に笑ったねえ。僕を三階から突き落とした男子生徒の葬式以来かな?』
「……」
『それでこの、なんだっけ? 強制執行(ザ・コンパルソリィ)?』
「……」

球磨川としては、ここで自分たちの仲間になる人物なのかを判断しておきたかった。

『これは君の過負荷と判断していいのかな?』

その時、一変した。

「……!」

ペルニダから発せられる空気が。


『……へえ』

球磨川は思わず笑みを浮かべる。
ペルニダから初めて感情を出させることに成功した。
そして、

「~~~~~~!!」

ペルニダのフードに隠された頭の部分が蠢く。
それと同時に、教室の中にある机や椅子、果ては教室自体までもが、

ベコベコとへこみ、ねじ曲がり、丸まっていった。


『……なるほどね。これが君の「力」か』

やがてペルニダの頭の部分が元の形に戻ると同時に、教室の変形も収まる。
その直後、ペルニダは深々と頭を下げた。

「……」
『いやいやいいんだよ。誰だってそうだ、本当のことを言われると人間は怒るんだ』

それを聞いて、再びペルニダの頭が変形しそうになったが、今度は寸前で収まった。

『あれ? もしかして君は、自分をプライドで守るタイプ? 
 それはまずいなあ、マイナスならプライドなんて持っていると周りの乱暴者に切り裂かれちゃうよ?
 もっと別のもので武装しなきゃ。三角コーナーの中身とかで、触りたくもならなくなるように』

いつもの調子を取り戻した球磨川だったが、ペルニダもまた無反応に戻ってしまった。

中断

ぶっちゃけペルニダさんは正体わからないままでもいいと思う

難しいなこれ

球磨川って死なないんだろ?どうやって勝つんだよ

あげ

再開


ここで説明しよう! なぜ、あのペルニダ・パルンカジャスともあろう者が球磨川の言葉に反応してしまったのかを!
そもそもペルニダは精鋭部隊である星十字騎士団の一員、さらにその中でも選抜された親衛隊のメンバーである!
つまり、ペルニダはどちらかというとエリートよりの存在なのである!
そしてペルニダの能力、「強制執行」は皇帝ユーハバッハから与えらえた「聖文字」によるものであり、
ユーハバッハから「聖文字」を与えられるのは、絶対的な名誉の証なのである!
そう、決して!
決して、球磨川が持つ「大嘘憑き」のように欠点と言われるものではない!
「強制執行」と「大嘘憑き」の間には絶対的な違いがあるのだ!

感じたことをそのまま言わせてもらってもいいのならば
球磨川の台詞が気持ち悪いくらいに合ってない
>>1はめだかボックスどれだけ読んだことがあるんだ? きっと持ってないだろうけど、コミックスを全部読み返してから出直してほしいくらいだ

>>43
電子書籍で読み返しながらやっている
が、難しいことこの上ない


『まあいいや、それより今後のことを考えようか』
「ああ、それなら球磨川先輩、あたしに考えがあるんですが……」
「……」

球磨川と不知火が話を進めようとしている一方で、ペルニダは再び席に座る。
だが、球磨川には気になることがあった。

『そういえばさ、他のマイナス十三組のメンバーが全然集まってこないんだけど』
「ああ、それなら電車がことごとく運休になっていて、ほとんどの生徒がこれないらしいですよ」
『え? なにそれ?』
「……」


ここでまた説明に入ろう!
なぜマイナス十三組の生徒が集まってこないのか!
それはペルニダが箱庭学園付近の路線を走る電車という電車を全て破壊してしまったからである!
ペルニダは心置きなく高校生活を満喫したかった!
なので、マイナス十三組の集結を恐れた! いや、拒否した!
だからこそであろう! ペルニダはマイナス十三組生徒への自宅謹慎処分を「強制執行」したのは!
だがまだ、最大の障害が残っている!
そう、「負完全」球磨川 禊である!
彼がいる限り……ペルニダの高校生活には、依然として暗雲が立ち込めたままである!
そしてペルニダは、既に行動を起こしていた!


「……」

先ほどの肩もみ!
あれはただの肩もみではない! 球磨川の体を触り、彼の身体強度を測るためのものだった!
そう、彼の強さはペルニダの障害足り得るものなのか!?
結果は下の下! 球磨川という人間は弱いという結論に達した!
しかし、なぜかペルニダは安心できなかった! この球磨川という男が自分の障害になるという確信があった!
それでも、ペルニダは動じなかった! いや、動じるはずがなかった!

中断

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