提督「初恋」 (28)

かなり短いです。独自設定も含まれています。
始まり方に違和感を覚える方もいるかもしれませんが、お付き合いいただけたら幸いです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1426438296

パンツ捨てた

パンツ拾った


男「お~い」

女「なんだ?」

男「今日も宿題やってきてなくてさ…見せてくれね?」

女「お前…宿題くらい自分でやるようにしろ」

男「どうにもやる気がしなくてな~」

女「まったく…しかたがない」

男「恩に着るぜ!」


男「お~い」

女「むっ…なんだ?」

男「今日の帰り、どっか遊びに行かないか?」

女「かまわんぞ。それでどこへ行く?」

男「カラオケとかどうよ」

女「ふむ…悪くない」

男「俺の美声に酔わせてやるぜ」

女「気持ち悪いぞ」

男「ひどいっ!」


男「お~い」

女「なんだ?」

男「今日お前の家に遊びに行っていいか?」

女「女子の家に上がろうとするとは…何をする気だ」

男「家族ぐるみの付き合いをしていて今更だな」

女「言ってみただけだ」


女「知ってるか?」

男「何をだ?」

女「艦娘の話だよ」

男「ああ、今や世間で最も注目されてる話題だしな。知らないはずがないだろう」

女「世界中の海に突然出現した深海棲艦に対抗するために、かつて戦に使われた艦の記憶と魂を女性に憑依させて艦娘とする…すごい技術が開発されたものだ」

男「艦にも記憶や魂があるって不思議だよな」

女「この世の神秘だな」

男「女性しか艦の記憶と魂を憑依させられないってのも変な話だよな」

女「原因はわからないが、男には憑依させられないらしい」

男「よくわかんねえな」


女「その艦娘の一般募集が近日始まるそうだ」

男「…もしかしてお前、興味があるのか?」

女「ああ、実はな」

男「やめとけやめとけ…そんなわけわからない存在になってどうする?それに深海棲艦との戦いで死ぬかもしれないんだぞ」

女「無論死ぬのは怖いが…艦娘となった者にはかなりの好待遇が約束されるらしい」

女「うちは貧乏だからな。少しでも助けになりたい」


男「お前の両親は艦娘になることを許さないと思うけどな」

女「うむ、反対されるだろう」

男「ならあきらめろよ」

女「説得するさ。艦娘になって戦うということは、国を守る、ということでもあるからな。きっとわかってもらえるはずだ」

男「…それでも」

女「はは、心配してくれてるのか?」

男「当たり前だろうが」

女「…ありがとう」

女「まあ、艦娘になるには適性検査を受けなくてはいけないからな。検査に通る者の数はかなり限られてるらしいし、通らなかったらおとなしくあきらめるさ」

男「……」


女「話がある」

男「…なんだ?」

女「先日、艦娘の適性検査を受けてきたんだ」

男「…結果は?」

女「…適性あり、だ」

男「…そうか」


男「艦娘になるんだな」

女「ああ」

男「お前の両親はどうなんだ?」

女「当然猛反対されたさ…けど一生懸命私の気持ちを伝えたら最後はわかってもらえたよ」

男「俺が止めても無駄か…」

女「大切な両親に決意を伝えた後だからな。いくらお前とはいえ私の決意は変えられんよ」

男「…それは残念だ」


男「お~い」

女「なんだ?」

男「…明日だな」

女「…ああ、私は明日艦娘になる」

女「お前とも会えなくなるな」

男「…ああ」

女「そう悲しそうな顔をするな。今生の別れというわけじゃない」

女「…私だって悲しくないわけじゃないんだ」

男「わかってる」

男「絶対に死ぬんじゃねーぞ」

女「ああ、約束する」

――

男(あいつが艦娘になったあの日から三ヶ月)

男(今日はあいつの進水式)

男(機密保持ということで一般公開はされていない)

男「あいつ…元気にしてっかな」

――

男(進水式からさらに半年)

男(両親とは定期的に連絡を取っているようだが、俺は…)

男(いいかげん一度くらい会いたくなってきた)

男「とは言ってもなあ…どうすればいいかわかんねえ」

――

男(もう一年だぞ!このままじゃ一生会えなさそうだ)

男「あいつのいるとこまで会いに行ってやるぞ!誰にも邪魔はさせん!」

――

男「ここがあいつのいる鎮守府か…」

男(勢いで来てみたものの…どうすりゃいいんだ)

男「とにかく中に入ってみよう」

――

男「…迷った」

男(さすがに行き当たりばったりすぎたかな)

「あなたは…?」

男「ん?」

「鎮守府内には立ち入り禁止よ?」

男「はい、でもその前に会いたいやつがいるんです」

「会いたい人?」

男「ええ、この鎮守府に配属されている艦娘で――」

女「どうしたんだ?」

男「!!」


女「君は…」

男「久しぶりだな!元気にしてたか!」

女「……」

男「本当に会いたかったぞ!」

女「……」

男「いろいろと話したいことがあるんだ!お前の話も聞かせてくれよ!」

女「…すまない」

男「ん?どうした?」



女「君は…誰だ?」

男「…えっ?」


男「ま、またまた…おもしろくない冗談だな」

女「冗談を言っているつもりはないのだが…」

男「…俺を覚えてないのか?」

女「ああ…昔どこかで会ったことがあるだろうか?」

「ちょっとあなた…これはどういうこと?」

男「嘘だろ…俺だよ!本当に忘れたっていうのか!?」

「やめなさい!」

女「本当にすまない…やはり思い出せないんだ」

男「そんな…」

「出ていきなさい!」

――

男(あれから一ヶ月…俺は未だに現実を受け入れられないでいる)

男(多くの時間を共に過ごしたあいつが…誰よりも大切なあいつが、俺のことを忘れているなんて、どうして受け入れられる?)



男「この記事は…」

男(『発覚!艦娘の抱える問題』…問題だって?)

男(…何だと!?)

男(艦の記憶と魂を憑依させられた女性には、一部記憶の欠損が生じることがある…だと)

男「あいつが俺のことを忘れてしまったのは…くそっ!」

男「そんなことがあっていいものか!」

男「あいつは…あいつは!」

ふむ

――

男「…決めたぞ」

男「あいつが俺のことを忘れているのなら――」



―――――――


陸奥「今日は新しい提督が着任する日ね」

長門「ああ、どんな人物か楽しみだ」

ガチャ

提督「…今日から私が君たちの提督となる」

陸奥「よろしくね。私は陸奥よ。こっちは――」

提督「ああ、よく知っているさ。長門型一番艦、長門だろう?」

長門「……」

陸奥「どうしたの長門?ボケっとして」

長門「君は…いつかの」

提督「ああ、あのときはすまなかったね。少し混乱していたんだ」

陸奥「何?もうお知り合いだったの?」

長門「いや、何といえばいいか…」

提督「はは、それは置いといて…これからはよろしく頼むよ」

長門「…ああ、敵戦艦との殴り合いなら任せておけ!」



提督(お前が俺を忘れているのなら…それでもかまわない)

提督(そうさ…それでも俺はお前と共にいたい)

提督(ここからもう一度始めよう…初恋の人よ)

提督(今度は忘れないでいてくれよ)

終わりです。

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今まで書いたものです。読んでいただけたら幸いです。
お目汚ししてすいませんでした。失礼します。

(ΦωΦ+)ホホゥ….


フッ… l!
  |l| i|li ,      __ _  ニ_,,..,,,,_
 l|!・ω・ :l. __ ̄ ̄ ̄    / ・ω・≡
  !i   ;li    ̄ ̄ ̄    キ     三
  i!| |i      ̄ ̄  ̄  =`'ー-三‐ ―

              /  ;  / ;  ;
          ;  _,/.,,,//  / ヒュンッ

            /・ω・ /
            |  /  i/             こ、これは乙の軌跡じゃないんだからねっ!
           //ー--/´

         : /
         /  /;
    ニ_,,..,,,,,_
    / ・ω・`ヽ  ニ≡            ; .: ダッ
    キ    三    三          人/!  ,  ;
   =`'ー-三‐     ―_____从ノ  レ,  、

ハルバードさん酉付けっぱなしですよ…

>>25ごめん気をつける

すごく良かったです

うむ、凄くよかったです!

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