男「なんにも変わってないよね。僕らの村」
友「んまあ、ド田舎だしなあ。いや、変わったことあるじゃん」
男「え?なんかあるっけ?」
友「村の唯一の高校が廃校になった」
男「……っ、それは単純に人口減少が原因だけどなっ!」
男「……あー、そういえばなんか最近ネットの回線が悪くなったような気がする」
友「いやいや、いまだにガラケーなんか使ってるのお前だけだから!」
友「……と、言いたいところだが実は最近買い換えた俺のスマホもあまり回線がよくないんだよな」
友「もっといい機種選べばよかったぜー。なんで画質と見た目だけで選んだんだろ……」
男「……そう落ち込むなよ」
友「でもまああれだよあー、隣町の高校までバスと徒歩で4時間もかけてると特にこの季節は辛いよなあ」
男「そうだよねえ。ほんっと暑いよ」
友「そういえば夏休みだな。もうすぐ」
男「あれ、そうだっけ?……こ、今年は僕は参加しないぞ」
友「えーっ!?今年は廃校になったあの高校に侵入するのにか!?」
男「ああ、去年の『川でマグロ一本釣り』やその前の『夏のトナカイ狩り』で悟ったよ。君と夏を過ごすとろくなことが無い」
友「ちぇー、まあいいわ。今年はこっちの町のやつらも誘ってみるしよー」
男「廃校の中がどうなってたかの報告。頼んだよ」
友「なんだ、気になるんだったら来ればいいのに……」
?「ぬぬぬ、ここから夏の香りがするぞよ……?」
友「あ、」
男「女さん、まだ帰ってなかったんだね」
女「ふふふ、少年達よ……!君達青春に燃えておるね!?」
友「うん?青春に燃えて?」
女「悪いが話は聞かせてもらったよっ!夏といえば冒険でしょう!」
女「っというわけで私も混ぜてもらえないだろうか……!」
男「本当に話聞いてた?」
女「えっ」
友「男は行かないんだってさー。まあいいじゃん、女も行こうぜ」
女「そ、そうだったのか……!ぬぬぬ、まあどちらにせよ冒険だぁああ!」
友「おー!」
男「…………」
~翌日放課後~
男「ふーん、じゃあ今日は人数集めるんだ」
友「ああ、女は人脈広いし何人でもすぐ集まるだろ」
女「ちっちっちっ、君達冒険には危険がつきもの……!少数精鋭で行くのが常識……!」
友「なるほど」
女「と、いうわけで合計4人で行くことにしたよう!」
男「(女さんって若干電波的というか馬鹿っぽいところあるけどそういうところには気を配れるんだな……)」
友「ん、もう誰にしようかとか決めてるか?」
女「いやー、それが昨日寝ないで考えたんだけど人選が難しいですなあー。友副隊長の意見も聞こうということで昨日は寝ちゃったよー」
男「寝たのか寝てないのかはっきりしてくれ」
友「そうだな……何かと力の強いやつは必要だと思うな」
女「それだっ……!」
女「強い人というと空手くんとかですかな……?」
友「あー、そういえばあいつボクシングと柔道やってるらしいもんな」
男「苗字空手なのに空手じゃないんだね」
友「何はともあれあいつノリは悪くないし誘ってみる価値はあるんじゃねーの?」
女「よし、では行こう……!我々”田舎防衛軍”の新隊員の確保へーっ!うわーっ!」ダダダッ
友「おお!」
男「さっき友を副隊長にしてたり隊に名前つけてたりもしかして女さんは隊長なのか……?」
ガラガラッ
女「たのもー!」
?「…!」ビクッ
友「うーっす、ってあれ?誰もいなくね?」
男「いや、ぼっち君がいるよ」
友(いつも本読んでるよな、あいつ)
男(噂では相対性理論に関する本を読んでるとかなんとか)
ぼっち「…………」キョロキョロ
女「ぬぬぬ、きみー、空手君を見なかったかねー?」
ぼっち「…………さあ」
男「本を読む邪魔になってるって。部活かもしれないし道場に行けばいるんじゃない?」
友「っと、これは悪かったなぼっち。んじゃ、失礼するわ」
女「むむむ、撤退!」
道場
ガチャッ
女「たのもー!」
部員「道場破りか!」
男「『たのもー』って言われて『道場破りか』って返す人なんて現代にいないと思ってた」
友「いやいや、違うんすよ。うちのクラスの空手っていますか?」
部員「えっと空手ってあの1年のやつか……、いたいた」
空手「あれ、友に男に……女さん……!?」
友「悪いなー空手ー部活中なのに」
空「いやいや、いいんだけどどうした?」
女「かくかくしかじか!」
空「それで女さんじきじきに誘いに来てくれたのか……」
空「もちろんokだよ。ぜひ廃校探検に参加させてくれよ」
空「お、女さんも行くんでしょ……?」
友「ああー、もちろん行k 女「隊長と呼びたまえ」
空「えっ」
女「隊長と呼びたまえ」
空「至らぬところもあると思いますがよろしくお願いいたします……隊長」
男(空手君は部活へと戻っていった。まあさすがに隊員集めに一緒に来てもらうわけにもいくまい)
女「よーし、では最後の一人を決めようではないかーっ!」
友「おい男ー、もうお前でいいんじゃねえの?」
男「なんだよ、隊員集めすらも参加したくなかったのを無理やり連れてこられたんだから諦めろよ」
友「ちぇー、女さんどうするよ?」
女「最後の一人……ぬぬぬ、これは難しい問題ですぞよ」
男「まあ普通に頭の回る人でいいんじゃないの?」
女・友「…………」
男「あ、ごめん意見出すのおかしいか」
女・友「それだ……!」
女「頭のいい人、頭の回転の速いひと、頭脳明晰な人、、、的な!」
友「そうだなー、単純に頭のいいやつだったら成績優秀者なんだろうけど学校の勉強ができてもなあ」
男「ぼっち君とかどう?彼は学校の勉強は普通だけど本も色々読んでるみたいだし」
女「むむむ、いいのではないだろうか……!」
友「いやー、あいつはダメだよ。なんせ話をしてくれないからなー」
女「あーうー」
男・女・友「…………」
友「とりあえず今日は解散でいいんじゃねえの?」
男「ただいまー」
姉「おかえりー」
男「姉さん、家でも服は着てね」
姉「着てるよ?ほら」
男「下着つけるのは大前提です」
姉「まあそう怒らないの。なんか疲れることでもあったんでしょ?」
男「ほんっとお疲れだよ、多分姉さんに怒ってるのはこれが原因じゃないけど」
男「今日はバスのタイヤが砂利道の水たまりに沈んで止まっちゃってさー」
姉「……お姉ちゃんには何がなんだかよくわかんないけどお疲れ様」
男「晩御飯は?」
姉「餃子だよ。レンジに入れてあるからね」
男「ねえ、姉さん。餃子がマヨネーズで埋もれて見えないんだけど?」
姉「マヨネーズおいしいから大丈夫」
男「そういう問題じゃないよね。まあいいけどね」ピッ
姉「ふぁー……お姉ちゃん寝るね。リビングの扇風機切って寝てね」
男「うん、お疲れ様でした。おやすみ」
姉「おやすみなさい」
男「…………」
姉「…………おやすみのちゅーは?」
男「早く寝ろbba」
男「ニュースでも見ながら餃子……じゃなくてマヨネーズ食べるかな」ピ
男「…………」
『先月、炉国が敵戦艦に向けて原子力爆弾を発射した際の映像が公開されました。戦艦の様子などから、物理的攻撃は無効で……』
『都心部では今日も反勢力デモが行われました。大規模なデモでの行方不明者は4年間最小の35名でしたが中には無関係の民間人や……』
男「ニュース見ないと地球が人間のモノではなくなったことなんて忘れちゃうよね」
男「世間では戦争なのに僕らは夏休み……矛盾してる気がするな……」
男「いつかこんな平和も終わってしまうのかな……?」
男「…………」
男「…………以外と餃子おいしいな」
翌日
男「おはよう」
友「うぃーっす」
女「やあ、諸君!」
友「最後の1人だけどさ、文芸部のメンヘラさんとかどよ?」
男「あの人ふらっといなくなったり不思議な人ではあるけどiq高そうだよね」
女「…………」
友「あれ?女隊長?」
女「あ、」
女「うぉ、おおお、おおおいいんじゃないかー」
男「…………?」
男「と、いうわけで文芸部へ」
女「…………」
友「(あれ、女さん「たのもー!」は無しか)」ガチャ
友「邪魔するぞーメンヘラさんいる?」
メンヘラ「…………」チラ
メ「友君、男君、、、あと、女もいるんだ」
メ「で、どうしたの?」
女「…………」
男「かくかくしかじか」
メ「なるほど……私そんなに頭良くないと思うんだけど。」
友「まあいいじゃねーか。で、どうだ?」
メ「うーん、」チラッ
女「…………」
メ「…………ふふ」
メ「いいよ、私も混ぜて。」
女「…………」
男(なんか……この二人あんのかな……?)
友(さ、さあ……?)
男「(そんなこんなで廃校探索は女さん、友、空手君、メンヘラさんの4名で行くことになった)」
女「ふふふ、と!いうわけでぃ!次の日曜日に決定したよう!」
友「わー」
男「えらく中途半端な時期だね。火曜日から夏休みなんだし夏休みからにすればいいんじゃ?」
メ「あ、それは私のせいなの。私その日はちょっと病院に行くから……。」
空「俺も部活の夏練習厳しくなるからできれば夏休みまでにやりたいって言ったんだ」
友「つか参加しないお前は別に気にする必要もないだろ!」
男「ご、ごもっともです」
女「よーし、では今回の作戦を発表する!副隊長!」
友「おうっ!」バッ
友「っつーわけで、今回の作戦の概要を説明するぜ」
友「ミッションポイントは俺や男の住んでる村の廃校になった高校だ」
友「同じ中学だった先輩の証言なんだがあの高校には地下室があって一部教員以外は進入禁止のゾーンがあったらしい」
友「つまり!!」
女「ふふふ、今回の作戦は地下室に侵入し調査、そして写真を撮影すること!」
男「(なんかおもしろそうだな。参加しないけど)」
メ「おもしろそうね。」
空「まあ廃校だしバレなきゃ大丈夫だよな」
女「では各自!万全の状態で深夜1時までに副隊長友の自宅に集合だ!」
友「時間まで遊んでるから早めに来てくれても大丈夫だぜー」
そんなありふれているようでどこにもない
高校生ゆえの青春を、冒険を、夏を感じられる
そう、ここにいる誰もが思っていた
暗闇を歩いていても誰かの声が聞こえる
それが当然だと思っていた
誰かの声が悲鳴に変わり
一人、また一人と声を聞こえなくなるのに気が付くのには
あまりに時間がかかりすぎた
そんな、僕らの
夏。
昼ごはん食べてから再開します。多分
もう食い終わったか?
④
しえん
俺は食い終わったぞ支援
試演
1です。仕事が昼から入っていたのでまた夜来ます。すいませんorz
仕事と私のどっちが大事なのっ
>>27
くそっ、こんなので
今思ったが原爆使ったら人間が危なくね?
ごめんなさい黙ってます
1です
次から再開します
作戦の前の金曜日
男「ただいま姉さん」
姉「おかえりなさい」
男「あれ、今日は服着てるんだね」
姉「うん、安かったから買っちゃった☆」
男「姉さん服は安いときだけ買うってものではないと思うよ。というか服屋さんにはどんな格好で言ったんだよ」
姉「男ちゃんったら」ウフフ
男「別に今の特別笑うところでもないと思うんだけどね」
姉「男ちゃん、ご飯にします?お風呂にします?それとも……わ・た・が・し?」
男「姉さんふざけるのやめてくrってほんとにわたがしあったんだね、もらうよ」
男「ふー、お腹いっぱいだー」
男「(そういえばさっきメール来てたっけ。誰だろう)」
男「(あ、メンヘラさんだ。どうしたんだろ)」
男「(………………)」
『タイトル:無題
本文:今回参加しないあなたに話しておくべきことがあります。明日、隣町駅の喫茶店に来て。』
男「(果たし状みたいに書かないでくれないかな、こわいわ)」
男「(さて、まあ半強制みたいだけどまあいいか)」
土曜日
男「えっと喫茶店ってどこだっけかー?」
メ「男君」
ブォオオオオオオ
男「それにしても車通り多いなー」
ブォォォオオオ
メ「男君こっち」
ブウウウウウン
男「あ、あそこかな」
メ「…………」
男「まあこの辺で探してればいいかなーってあれ」
メ「…………」
男「…………」
メ「…………」
男「いつからそこに?」
喫茶店
男「なんかすごい大人っぽいところだね……よくくるの?」
メ「昔は彼氏とよく来てたかな」
男「へえーそうなんだ……」
メ「…………」
男「…………」
男「…………えっと、」
メ「あなたに、私の考えを伝えておきたいの」
男「え?えっと、うん、なんかよくわからないけど……」
メ「…………じゃあ」
男「(日曜日が訪れたわけだが特に何の変化も無い)」
男「(メンヘラさんのおとぎ話は非常におもしろかった)」
男「(話してる表情は本気だったみたいだけど……)」
男「(まあメンヘラさんあんま表に出さないタイプだしな)」
男「(…………)」
月曜日
男「(今日は友まだ来てないのか…というか同じバスに今日は乗ってなかったもんな。当然か)」
男「(まあ日曜の深夜にやるようじゃあ寝坊するんじゃないかとは思ってたけど)」
男「(もう一本後のバスならギリギリ間に合うしそれに乗ってくるだろ、多分)」
男「(そういえば女さんやメンヘラさんも来てないな)」
男「(まあ二人はいつも遅めの登校だけど)」
男「(空手君はクラス違うからわからないけど……まさか四人に何かあったんじゃ……)」
男「(とりあえず友が来なかったら調べてみることにしようかな……)」
男「…………」
男「(なんだかんだで行けばよかったかもしれないな、って思ってる)」
ガララ
女「やー!みんなおっはよー!」
男「あ、女さん!」
女「あー、男君じゃないかーおっはー」
女「ぬぬぬ、その表情どうかしたかね……?」
男「いや、どうかしたわけではないんだけどみんないつもより遅かったからさ」
女「あー、それは心配をかけたねえー。昨日は大変だったからさー」
女「えっと昨日ね」
ガララ
友「あっぶねー!遅刻するところだったぜー」
男「友……やっと来たか……」
友「おう、それよりメンヘラは!?」
女「……っ!そうだよっ!メンヘラさん来てる?」
男「ううん、来てない……何があったのさ?」
友「…………き、昨日俺達は作戦通り例の廃校へ向かったんだが」ガララ
教師「おい、すわれよー。はじめるぞー」
友「ちぇー、んじゃあ後で!」
男・女「……」コク
教師「まあみんな知ってのとおり明日から長期休暇に入るわけだが……」
男「(結局メンヘラさん来なかったな……)」
男「(友も女さんもうつむいてる……)」
教師「で、だみんなに少し残念な発表がある」
男・女・友「!」
教師「メンヘラが今日限りで転校することになった」
教師「別れるのが辛いから学校に来れないらしい。仲が良かったものはまあ声をかけてやってくれ」
放課後
友「…………転校するんなら言ってくれれば良かったのによ」
女「…………きっと最後の思い出を私達と作ろうって思ってくれたんだよ」
空「…………」
男「とりあえず…さ、昨日のこと話してくれないか?」
友「そう……だよな」
友「昨日は俺の家に夕方くらいから集まって遊んでたんだ」
友「メンヘラさんだけは10時くらいに来たんだけどな」
友「まあそれはいいんだけど」
********回想*********
女「よーし、諸君!ついにこの時がやってきた!」
友・空「おー!」
メ「ふふ」
女「みんなー黒ずくめで来てるなー」
友・空「おー!」
女「生きて帰れなくても恨みっこなしの世界だぞー」
友・空「おー……?え?え?」
女「冗談はさておき……作戦の開始を宣言する!」
友(隊長!ここが廃校だ!)
女(うむ、道案内ご苦労であった!)
女(では裏門を目指すとしようか……!)
メ「…………裏門から入らなくても廃校なんだから堂々と正門から入ればいいんじゃないの?」
空(シーッ!メンヘラさん静かに!)
メ(……ごめんなさい。裏門を目指すんだったわね)フフ
女(………………)
友(女……?)
女(……よし、行こうか)
友(やっぱ鍵しまってるな……普通には開けられないタイプのやつじゃん)
女(そうだねーまあよじ登ればいいだけだよ。どうせ警備員もいないだろうし)
空(だね、さて誰から行く?)
女(そりゃ男どもからでしょう!副隊長!きりこめええ!)
友(それ副隊長じゃなくて切り込み隊長じゃねえか、まあいいわ)
友(……よっ……と。よし、いいぜ)
女(……………………)バッ
空・友(!?)
空(…………女さん体軽いんだね……!)
メ(…………)
女(ふふふ、どやー。中学の時陸上してたんだよ)
友(なるほど、そういうことかあー)
メ(ところで私登れないと思うんだけど)
空(あ、んじゃあ俺が持ち上げるから女さんと友キャッチしてよ)
メ(ごめんね、お荷物)
空(あ、いやそんなつもりじゃ……って軽!)
*************
友「ここまで来ればもう誰もいないはずだよな」
女「まあ警備員なんて廃校には普通いないはずだよね」
空「ところでさ、地下室の場所わかってるの?」
友「……………………」
友「……………………」
女「まっさかーふくたいちょー?まさかそんなわけないですよな?」
友「…………す、すまん全く調べてない」
女「そ、そんな…………」
女「orz」ガクッ
友「手書きなんだが学校の地図ならあるぞ」
女「いや、そんなのあってもねえ」
空「(なんか女さん急にテンション下がったな)」
メ「ちょっと見せて」サッ
女「………………」
なんか疲れたんで休憩します
休憩長いよ、なにしてんの!!
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