穂乃果「たまにはゆっくり、凛ちゃんと」 (57)
ほのぼのSSにゃー
はじめまうす
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穂乃果「お店番、ひまだなー」
カララッ
穂乃果「いらっしゃいま…… あ、おはようございます!」
おばあちゃん「おはよう。今日も元気だねぇ、穂乃果ちゃん」
穂乃果「はいっ! 今、お母さん呼んできますね」
おばあちゃん「いいのいいの、これからお友達とお出かけだから。お饅頭、3個ちょうだい」
穂乃果「はーい。お出かけなんですか?」
おばあちゃん「温泉に行くのよ。近くからバスが出ててね、みんなのおやつにと思って」
穂乃果「あはは、ご贔屓にありがとうございます。温泉かぁ……いいなぁ」
おばあちゃん「穂乃果ちゃんも、せっかくのお休みなのにねぇ。朝から店番だなんて」
穂乃果「午前中だけですよ。まあ、朝の仕込みから手伝ってるからすごい眠くて、終わったらお昼寝しようかなって。はい、お饅頭3つですっ」
おばあちゃん「そうかい。はい、お金」
穂乃果「ちょうどですね。毎度ありがとうございますっ」
おばあちゃん「こちらこそ、いつも美味しいお饅頭ありがとうね。じゃあ、行ってくるよ」
穂乃果「はーい! 気をつけて行ってらっしゃい!」
穂乃果「んー、また暇になっちゃった」
穂乃果「……」ボー
穂乃果「……」ボー
穂乃果「ぼー……」
穂乃果「……」ボー
穂乃果「ぼぼー……」
穂乃果「……」ボー
穂乃果「ボーっとするのって、なんでボーっとするって言うのかな」
穂乃果「……」ボー
穂乃果「ぼー…りんぐやっほーい」
雪穂「お姉ちゃん、バカみたいだよ」
穂乃果「バカだもーん」
雪穂「うわぁ…自分で言ってちゃ世話ないよね」
穂乃果「うるさいなー。ユッキーも暇なら手伝ってよ」
雪穂「一人でも暇なお店番の何を手伝えばいいのさ」
穂乃果「むー…」
穂乃果「じゃあ暇つぶすの手伝ってよ」
雪穂「ごめん、私忙しいから」スッ
穂乃果「たあっ! 待て、雪っ…」
穂乃果「くぅ〜、タンクトップにホットパンツの分際で何が忙しいのか。絶対居間でゴロゴロしてたんじゃん」
穂乃果「ま、いいもんね。お店番終わったら海未ちゃんと遊びに行こうっと」
穂乃果「……」チラッ
穂乃果「まだ10時かぁ…… あと2時間もあるよ」
穂乃果「そうだ! 今のうちに海未ちゃんにメールしとこ」
穂乃果「えーっと」
穂乃果「『海未ちゃん今日の午後ひま? 暇だったら遊ぼうよ』っと」
穂乃果「…なんか普通すぎるかな?」
穂乃果「もう少しヒネリっぽいのをだね」
穂乃果「うーん」
穂乃果「……」ピッ ピッ
穂乃果「『わーいわーいバーカバーカ』」
穂乃果「…ぷぷっ」
ほのママ「どう? ちゃんとやってる?」
穂乃果「はわっ!」ピッ
穂乃果「ああっ!? あああ…!!」
ほのママ「ちょっと穂乃果、いくらお客さんがいなくてもカウンターで携帯いじるのはやめなさ…」
ほのママ「って、どうしたの? その絶望した顔」
穂乃果「…なんでも…ありません」
ほのママ「じゃ、お昼まで頼んだわよ。雪穂と協力してね」
穂乃果「あい…」
穂乃果「……」
穂乃果「もう怖くて画面開けない…」
〜〜♪
穂乃果「ひっ!?」
穂乃果「……」オソルオソル
穂乃果「あれ? ことりちゃんだった。なんだろ」
穂乃果「『いま、会いにゆきます』? …懐かしいタイトルだなぁ」
カララッ
ことり「おはようございまーす♪」
穂乃果「ことりちゃん! 本当に来たんだ」
ことり「えへへ、来ちゃった。花陽ちゃんも一緒だよ」
花陽「お、おはようございます」
穂乃果「花陽ちゃんも! おはよう〜」
ことり「さっきそこでいつものおばあちゃんに会ってね、穂乃果ちゃんがお店番してるよって」
花陽「私は久しぶりに来たから、割烹着姿が新鮮だなぁ。似合ってるよ穂乃果ちゃん」
穂乃果「えー? 割烹着が似合っててもあんまり嬉しくないよ〜。給食当番みたいじゃない?」
花陽「そ、そうかなぁ…」
穂乃果「ところで二人ともどうしたの? 珍しい組み合わせだね」
ことり「実は、これから花陽ちゃんとらぶらぶデートなのです!」
穂乃果「ええっ!?」
花陽「ええっ!? でっででデデデートなのォ!?」
ことり「なんちゃって。今日は花陽ちゃんに衣装作りを手伝ってもらうんだけど、材料がまだあんまり揃ってなくて」
穂乃果「あ、それで買い出しに行くんだね」
ことり「でもただ買い出しに行くだけだともったいないし、他にもいろいろ寄って回ろうかなって♪」
穂乃果「うんうん、そのほうがいいよ!」
ことり「うんっ。どこ行こうかな〜」
花陽「デート……ことりちゃんと…はわわ…」
穂乃果「花陽ちゃーん、戻っておいでー」
穂乃果「衣装作るんだよね? 穂乃果も手伝うよ! お店番お昼までだから、午後には行けると思うし」
ことり「ありがとう。お気持ちだけいただきます♪」
穂乃果「うん! じゃあ終わったら……」
穂乃果「って、え? 気持ちだけ?」
ことり「うんっ。穂乃果ちゃんに悪いし、お気持ちだけいただきます♪」
穂乃果「いやいや、むしろ穂乃果的には」
ことり「お気持ちだけいただきます♪」
穂乃果「あ…うん」
ことり「にこにこ」
穂乃果(なんだろう… このニコニコ笑顔とは裏腹な、お前絶対来るな感)
ことり(穂乃果ちゃんがいると楽しいけど、ぜったい作業進まないからなぁ。ごめんね、穂乃果ちゃん)
ことり「穂乃果ちゃん、儲かってまっか?」
穂乃果「んー、ぼちぼちでんなぁ」
花陽「わぁ! なんか関西っぽい」
穂乃果「これしか知らないんだけどね」
ことり「たしか前に、旅行で来てるっていうおじさんに教えてもらったんだよね」
穂乃果「そうそう」
花陽「へぇ〜。私にも使えるかな?」
ことり「使うタイミングがないんじゃないかな」
花陽「それもそうだね。……あっ」
花陽「おはぎ……! 美味しそう!」
穂乃果「でしょでしょ? おひとついかが?」
花陽「うーん、すごく食べたいけど」
穂乃果「けど?」
花陽「朝ごはん食べたばっかりだし…太っちゃうからやめとこうかな…」
穂乃果「そっかぁ」
実はほのりんって貴重なんだぜ
花陽「ああ、でも、ひとつくらいなら……でもでも……」
ことり「自分との戦いだね、花陽ちゃんっ」
穂乃果「……」
穂乃果「中はもっちもちのもち米」ボソッ
花陽「っ…!」ピクッ
穂乃果「外は穂むらの大本命、特製のふんわり餡子」ボソッ
花陽「はうっ…!!」ピクピクッ
穂乃果「できたてを味わえるのは今この瞬間だけ…」ボソボソッ
花陽「はわぁっ…!!!」ジュルッ
穂乃果「まいどー!」
花陽「参り…ました…」
ことり「二個も買っちゃったね」
ことり「そういえば、来るときに三年生の3人にも会ったよ」
穂乃果「ふうん、お出かけかな? いいなーみんな。穂乃果もどっか行きたいな〜」
花陽「3人はどうやら、図書館に向かったようでした」
ことり「たぶん、そろそろにこちゃんの受験対策でも始めるんじゃないかな」
穂乃果「あ、そっか。三年生はみんな今年受験生だもんね」
ことり「じゃあ来年は?」
穂乃果「アーアーアーアー。ワタシ、イマ、イキテル。イマ、ダイジ」
ことり「あはは……来年もファイトだね、海未ちゃんと」
穂乃果「海未ちゃん………あっ!」
穂乃果「忘れてた、海未ちゃんにメールし直さなきゃ!」
ことり「海未ちゃん?」
穂乃果「うん。今日の午後遊ぼうかなって、お誘いのメールしようとしてたんだけど…」
ことり「海未ちゃんなら今日は一日いないよ?」
穂乃果「へっ? そうなの?」
花陽「たしかに昨日、『明日は弓道の都大会があるから練習が休みで丁度良かった』って言ってました」
穂乃果「あっ… そうだったかも」
ことり「うん。だからたぶん、遊べないと思うな」
穂乃果「そっかぁ。大会じゃ仕方ないや」
ことり「それじゃ、またね。穂乃果ちゃん」
花陽「おじゃましました」ペコリンコ
穂乃果「ばいばーい」
穂乃果「行っちゃった」
穂乃果「……」
穂乃果「ぼー……」ボー
これは後でことりはおしおきですね
穂乃果「せめて横でテレビでも流れてればなー」
穂乃果「……」
穂乃果「ひーまひまひまひーまひま〜♪」
穂乃果「……」
穂乃果「お客さんこないなぁ…」
穂乃果「うちのお店大丈夫なのかな。わりと深刻な経営状態なんじゃあ」
雪穂「今まで大丈夫だったし、大丈夫でしょ」ヒョコッ
穂乃果「…出たな、ゴロゴロ神田大暇神」
雪穂「誰が大暇神か。大体、経営とかそういうのはまだお姉ちゃんが気にすることじゃないと思うよ」
穂乃果「そういうのは妹が姉に言うことでもないと思いますぅ」
雪穂「いいの。お姉ちゃんよりはしっかり者だから」
穂乃果「ちぇー、かわいくない妹だこと」
雪穂「お姉ちゃん、そんなこと言ってるとお店番代わってあげないよ?」
穂乃果「代わってくれるのっ!? さすが、出来た妹! 大好きユッキー!」
雪穂「ちょっ、態度コロッと変わりすぎだよ!」
穂乃果「そんなことないよ! 神様、仏様、雪穂様〜」
雪穂「もー…大袈裟だなぁ。着替えてくるから、ちょっと待ってて」
穂乃果「うんっ!」
穂乃果「うっひょーい、代わってもらっちゃった!」
穂乃果「これで好きなだけゴロゴロできるぞ〜」ゴロゴロ
穂乃果「ゴロゴロゴロゴロー!」ゴロゴロゴロゴロ
穂乃果「ゴロ……」ゴロ…
穂乃果「まあ結局、暇なのは変わらないっていう」
穂乃果「あ、雪穂の買った雑誌発見」
穂乃果「ふーん…」ペラ ペラ
穂乃果「今夏の流行ねぇ。レース、デニムコーデ…ほんとかなぁ」
穂乃果「え? テニスルック? こんなのもアリなんだ。錦織ブームかな」
穂乃果「でもこれ相当スタイルよくないと無理でしょ… 絵里ちゃんくらいじゃないと」
テンション上がるにゃー
穂乃果「新しい服もほしいなぁ」ペラ ペラ
穂乃果「でもあんまりお金ないし、ことりちゃんに頼んだらアレンジしてくれるかな?」
穂乃果「……」
穂乃果「いやいや、μ’sの衣装も作ってもらってるのに、これ以上お裁縫で負担かけられないよね」
穂乃果「ごーろごーろ」ゴーロゴーロ
穂乃果「今頃、ことりちゃんと花陽ちゃんは電車の中だろうか」
穂乃果「ふふ。花陽ちゃん、顔まっかになってて可愛かったなー」
穂乃果「穂乃果も花陽ちゃんとデートしてみたいな。今度誘ってみよう」
穂乃果「んー……」
穂乃果「……」
チリン チリン
穂乃果「風鈴……」
穂乃果「夏だねぇ…」
穂乃果「……」
穂乃果「ふあ…」
チリン チリーン
穂乃果『いい音色… まさに夏の風物詩だね』
チリン チリンチリーン
穂乃果『うんうん。よく鳴っていらっしゃる』
チリーン チリンチリンチリンチリンチリンチリン
穂乃果『……うん? ちょっと鳴りすぎじゃ…』
チリン チリンチリンチリン チリンチリンリンリンリンリンリンリンリンリン!
穂乃果『う、うわ! うわぁああ!?』
リンリンリンリンリンリンリンリンリンリンリンリンリンリンリンリンリンリンリンリンリン!!!
穂乃果「リンリンうるさぁぁあい!」ガバッ!
凛「にゃっ!!」
穂乃果「……あれ?」
穂乃果「り、凛ちゃん…?」
凛「穂乃果ちゃん、やっと起きたにゃー」
穂乃果「そっか、私いつの間にか寝ちゃってたんだ」
雪穂「もう、お昼寝なのに眠り深すぎ。耳元でひたすら目覚まし鳴らしてやっと起きたんだよ」
穂乃果「もうちょっと優しく起こしてよ! おかげで変な夢見ちゃったし」
凛「気持ちよさそうに寝てたから、凛は起こさなくていいって言ったんだけど…」
雪穂「いいんですよ。無理やりにでも起こさなきゃ、夕方まで寝たまま、どうして起こしてくれなかったのって怒るんですから」
穂乃果「ちょ、後輩に余計なこと教えないで! 悪いイメージついちゃうじゃん!」
凛「穂乃果ちゃんって、家だとけっこう怒りん坊さんだにゃー」
穂乃果「ほらぁ!」
雪穂「はいはい怒らない。だって事実だもん」
穂乃果「ぐぬぬ…」
穂乃果「もう、雪穂はさっさとお店番に戻りなさい」
雪穂「いやいやもうとっくに正午回ってるし。お母さんに代わったから、私の役目はしゅーりょー」
穂乃果「あ… ほんとだ、もうそんな時間なんだ」
雪穂「お昼ごはん、キッチンに置いてあるから食べちゃいなよー。じゃ、私部屋いってるから」タン タン
穂乃果「ユッキーは食べないのー!」
雪穂「もう食べたよー ……あ」ピタッ
雪穂「そうだそうだ、お姉ちゃん」タンタン
穂乃果「えっ? なに?」
雪穂「どけいっ」ゲシッ
穂乃果「いったぁ!? な、何をするだぁ…!」
雪穂「私の雑誌。枕にしてくれちゃってもう。ページがシワシワじゃん」
穂乃果「あっ…ごめん。でも蹴ることないでしょ!」
雪穂「天誅だよ」
雪穂「それじゃ、凛さん、ごゆっくりー」タンタンタン
凛「あ、はーい」
凛「穂乃果ちゃんと雪穂ちゃんって、いつもこんな感じなの?」
穂乃果「ま、まあね……あいたた…雪穂のやつ〜」
凛「ふふ。仲良しさんにゃー」
穂乃果「えぇー? どこ見て言ってるの、それ」
なんか既視感?
穂乃果「それより凛ちゃん、どうしてウチに?」
凛「あ、そうだ! 聞いてよ穂乃果ちゃん!」
穂乃果「はいな?」
凛「かよちんってば、ひどいんだよ!」
穂乃果「花陽ちゃん? 珍しいね。ケンカ?」
凛「ううん、ケンカはしてないんだけど…」
凛「今日ね、凛は暇だったんだよ。だからかよちんにメールして遊ぼうと思ったんだ。そしたら『今日はお出かけしてるから遊べない』って!」
穂乃果「ふんふん」
凛「………」
穂乃果「……えっと、それから?」
凛「ひどくない?」
穂乃果「え? どのへんが…?」
凛「だって、今日お出かけするなんて、さっき凛はじめて聞いたよ! 遊べるもんだと思ってかよちんの家の前まで行ってたのに!」
穂乃果(まじでか。すごいアグレッシブだなぁ、凛ちゃん)
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穂乃果「それ、花陽ちゃんは悪くないんじゃない?」
凛「ええっ!? どうして? かよちんが出かけるって先に教えててくれたら、凛はこんな遊べない思いをすることはなかったんだよ?」
穂乃果「いやまぁ、そうだけども」
凛「定休日じゃないのに、ラーメン屋さんに行ったら臨時休業だった、みたいな気分だよ!」
穂乃果「あー、あるよね。クレープのお腹だったのに、クレープ屋さん閉まってて、このお腹どうしてくれるんだ! って感じ」
凛「そうそう! ね? ひどいでしょ?」
穂乃果「うーん…」
穂乃果「でもそれだと、花陽ちゃんは遊べない日をいちいち凛ちゃんに言わなくちゃダメってことになるよ」
凛「え? そうじゃないの?」
穂乃果(バカップルどーん!!)
穂乃果「あのね凛ちゃん。たしかに凛ちゃんと花陽ちゃんは仲良しだと思うけど、だんだん今まで通りにはいかなくなるんだよ」
凛「今まで通りにはいかない…?」
穂乃果「凛ちゃんには凛ちゃんの、花陽ちゃんには花陽ちゃんの生活がある。だから、なんでもかんでも予定を知らせたり合わせたりすることは難しくなるの」
凛「そ、そんなぁ…」
凛「かよちん、凛から離れていっちゃうってこと…?」
穂乃果「そうだねー。今までがすごい近かったぶん、遠くに感じちゃうかもしれないね」
凛「そう…なんだ」ショボーン
穂乃果「でもね凛ちゃん」
凛「うん?」
穂乃果「穂乃果はね、そういうのも大人になるってことのひとつだと思うよ」
凛「大人に…?」
穂乃果「うん。二人でやっと一人前だったのが、少しずつ離れていって、それぞれが自分の足で立てるようになる。自立するようになる」
穂乃果「自立するってことは、大人になるってこと。だからね、きっと悲しいだけじゃない。いいことだって、たくさんあるんじゃないかな」
凛「…!」
凛「大人になる…… そっか、そうなのかも!」
穂乃果「うん。だから、花陽ちゃんのこと、悪く思わないであげてね」
凛「うんっ! たとえ離れたって、かよちんは凛の一番の友達にゃ!」
穂乃果「話はもどるけど、それで凛ちゃんはどうしてウチに?」
凛「うーんと…… なんでだっけ?」
穂乃果「穂乃果はわかんないよ」
凛「あっ! そうそう、かよちんの家から戻る途中、寄り道してたらこう、ふわっとね」
穂乃果「ふ、ふわっ…?」
凛「うん。ふわっと甘い匂いがしたにゃ」
穂乃果「あ、なるほど! 和菓子の匂いに誘われて入ってきちゃったんだ」
凛「さながらゴキブリホイホイにゃー」
穂乃果「もうちょっといい例えあるよね!?」
穂乃果「というか、飲食店とかと違ってそんなに道路まで匂いしないと思うけどなぁ。凛ちゃん、すごい鼻が効くんだね」
凛「えっへん。凛の鼻は犬並みだにゃー! がおがおー!」
穂乃果「あはは、一気に動物が3つくらい出てきてるよ」
凛「あ、犬ならワンワンだったにゃ」
グゥ〜〜
穂乃果「う……」
凛「穂乃果ちゃん、お腹なったにゃ」
穂乃果「そういえばお昼ごはんまだだったんだ。凛ちゃんはもうお昼食べたの?」
凛「ううん」
穂乃果「なら、ウチで食べてく?」
凛「え、いいの?」
穂乃果「いいよ。お母さんのことだからたぶん人数分以上に作ってるし」
凛「わーい! 実はけっこうお腹ペコペコだったんだよね〜」
穂乃果「じゃあ、持ってくるからここで待ってて」
凛「はいにゃ!」
穂乃果「お待たせ〜」
凛「わ、穂乃果ちゃん、給食当番みたいだにゃ」
穂乃果「あっ…! そういえば割烹着のままだった!」
穂乃果「まあいっか。今並べるね」
凛「ごはんとお味噌汁とサラダと… あ、すごい! 唐揚げが山盛りにゃー!」
穂乃果「にしし。置いてあった唐揚げ全部チンして持ってきちゃった」
凛「全部ぅ!? 大丈夫なの? 他の人のぶんなんじゃ…」
穂乃果「凛ちゃん、シーッ」
凛「…?」
穂乃果「たぶんお父さんのだけど、お昼はいつも寝てるから。知らなかったふりして食べちゃおっ」ヒソヒソ
凛「ええー!? だ、ダメだよ、穂乃果ちゃん。ワルい顔してるよー!」ヒソヒソ
穂乃果「むっ…」
サクッ
穂乃果「コレでも喰らえっ!」カラアゲドーン
凛「むぐぅ!? あ、あつ! はふはふ…」モグモグ
穂乃果「これで誰がなんと言おうと共犯だよ? 凛ちゃん」
凛「ほぉはひゃん! ひおいひゃー!」モグモグ
穂乃果「ふっ、何言ってるかさっぱりですなぁ〜」
凛「ごくん…… ず、ずるいよ穂乃果ちゃん!」
穂乃果「世の中は弱肉強食なのだよ」
凛「唐揚げ定食の間違いにゃ!」
穂乃果「おお! ウマいこと……あれ? そんなウマくないや」
凛「でも唐揚げはうまかったにゃ」
穂乃果「でっしょー」
穂乃果「げふ〜〜」ポンポン
凛「満腹にゃー…もう食べられない」
穂乃果「だねー。しばらく唐揚げはいいや」
凛「穂乃果ちゃん、ごちそうさまでした!」
穂乃果「うんっ。お粗末さまでした。作ったのはお母さんだけど」
凛「そっか! 凛、穂乃果ちゃんのお母さんにごちそうさま言ってくる」ムクッ
穂乃果「お店のカウンターにいると思うよー」
凛「りょーかいにゃ!」スタタタッ!
穂乃果「あんなに食べて、よくすぐ走れるなぁ。すごいや凛ちゃん」
穂乃果「ふあぁぁ、食べたらまた眠くなってきちゃった…」
穂乃果「………」ウトウト
凛「……」トテトテ
穂乃果「…はっ!」
穂乃果「あ、おかえり、凛ちゃん」
凛「ただいま…」
穂乃果「大丈夫? なんか具合悪そうだけど」
凛「脇腹がズキズキするにゃ…」
穂乃果「いきなり走ったらなるよねー」
凛「1時まわったね」
穂乃果「そだねー」
凛「穂乃果ちゃん、これからどうするの?」
穂乃果「んー? んー……んー」
凛「んー、しか言ってないにゃ」
穂乃果「だって特にないんだもん」
凛「もしかして暇なの?」
穂乃果「そうだねぇ。暇か暇じゃないかと言えば暇かな」
穂乃果「でも、暇かと聞かれてすぐ暇と答えてしまうのは暇じゃない人がすることだね。だからあえて答えよう、暇な穂乃果は暇であるがゆえに暇ではない、と…!」
凛「ひ、暇で暇なのに暇じゃない…? 全然わかんないよ〜!」
穂乃果「まあ、つまりは暇なんだけどね」
凛「なんだ。暇人にゃー」
凛「ね、ね。穂乃果ちゃん」
穂乃果「んー、なぁに?」
凛「暇ならさ、今日は凛と遊ぼうよ!」
穂乃果「え? 凛ちゃんと?」
凛「うんっ! 凛もかよちんと遊べなくなっちゃったから、暇なんだよね」
穂乃果「ふむん、たしかに」
凛「いいでしょ?」
穂乃果「うん、それなら…」
穂乃果(いや待てよ? 穂乃果としてはむしろ願ったりだけど、ちょっとからかってみるのも面白いかも)
凛「やったぁ! これで凛も…」
穂乃果「あ、やっぱり待って」
凛「えっ?」
穂乃果「うーん、どうしよっかなぁ〜」(ゲス顔)
凛「えっ? ええっ!?」
凛「ほ、穂乃果ちゃん?」
穂乃果「穂乃果は暇だけど、凛ちゃんかぁ… う〜ん…」
凛「そんなっ… 凛じゃダメなの!?」
穂乃果「いやー、ダメっていうか? ほら、アレ?」
凛「えぇ? あ、アレってなに〜!?」
穂乃果「アレはアレだよ〜、ア・レ♪」
凛「うぅー……わかんないよぉ」ウルウル
穂乃果(ふっふぉ。カワユスカワユス。ますますいじめたくなっちゃう)
穂乃果「凛ちゃん、そんなのも分からないの?」
凛「わからないよっ!」
穂乃果「そっかー。みんなは分かったのになぁ。もちろん花陽ちゃんもね」
凛「か、かよちんも?」
穂乃果「あ、にこちゃんも分かってたよ! こりゃやばいよ、凛ちゃん」
凛「えぇええ〜!?」
凛「なんてこった…… あのにこちゃんですら分かるのに…凛は……」ガクッ
穂乃果(にこちゃん、1年生からのガチな反応がこれって……ドンマイっ)
穂乃果「ま、その様子じゃとてもじゃないけど、凛ちゃんとは遊べないかな〜」
凛「そ、そんなぁ…」
穂乃果(ふへへ。落ち込むがいいZEッ)
凛「………」
凛「穂乃果ちゃん、なんでそんないじわるするの…?」
穂乃果「えっ? 別に、いじわるじゃないし?」
凛「………」
凛「もしかして、穂乃果ちゃん」
穂乃果「うん?」
凛「凛のこと…嫌いなの……?」
穂乃果「………」
穂乃果「へっ? あ、いや…」
凛「イヤ? ……そうなんだ」
凛「やっぱり、凛のこと嫌いだから、遊んで…くれないんだ」
穂乃果「ええ!? ちょ、ちょっと…」
凛「……うっ…」ジワッ
穂乃果(あ……これあかんやつ)
凛「うわぁぁぁぁん!」
穂乃果「わああああ!! 違う、違うんだよ凛ちゃああん!!」
凛「穂乃果ちゃんの…ばかぁあああ!!!」ポロポロ
穂乃果「お、落ち着いて! 違うんだってば! お願い凛ちゃん、話を聞いてー!」
タン タン
雪穂「はー、喉かわいた。ジュースジュース…」
穂乃果「げっ」
凛「うあああああん」ポロポロ
雪穂「………」
雪穂「ちょっと、お姉ちゃん!? 凛さんに何したの!?」
穂乃果「ま、待て、雪穂! 違うんだこれは! 誤解だっ!」
雪穂「何が誤解かっ! どこぞのラノベのラッキースケベ主人公かお前は!」
凛「ううっ、ひぐっ…」
穂乃果「いや、本当に何も……してなくはないけど…でもっ」
ほのママ「穂乃果、ちょっと来なさい」
穂乃果「あ、オワタ \(^o^)/」
ほのママ「ガミガミガミガミ」
穂乃果「……はい……反省してます……ええ…はい…」
10分後
ほのママ「ガミガミガミガミガミガミ。分かったわね?」
穂乃果「……肝に命じます…」
穂乃果「やっと解放されたお……」ゲッソリ
凛「おつかれにゃー」
穂乃果「よっこいしょ。うう、脚と耳と耳たぶが痛いよ〜」
凛「ごめんね、凛の勘違いで」
穂乃果「ううん、いいんだよ。今回は穂乃果が100%悪いから…」
凛「でもよかった。穂乃果ちゃんに嫌われてなくって」
穂乃果「あはは。凛ちゃんみたいな子、誰も嫌いになんてなれないんじゃないかな」
凛「どういう意味にゃ?」
穂乃果「懐っこくて、すっごく可愛いってことだよ」
凛「にゃっ……そ、そうかなぁ」テレッ
穂乃果「そうだよ!」
凛「そっかぁ」
穂乃果「フー、フー」
穂乃果「……」ズズッ
凛「……」
穂乃果「ぷはぁ。いやー、今日もお茶がうまいっ」
凛「ね、穂乃果ちゃん」
穂乃果「フー…… なんじゃい?」
凛「となり、座っても…いい?」ウワメ
穂乃果「……」ズズッ
穂乃果「ぶっ!」
凛「わぁっ!?」
穂乃果「ごぼっ…げほっげほっ!」
凛「だ、大丈夫? 穂乃果ちゃん! ティッシュ、ティッシュ…!」
穂乃果「ご、ごべん…」ボタボタ
凛「どうしたの!? むせちゃった?」
穂乃果「り、凛ちゃんが急に変なこと言うからぁ」フキフキ
凛「えっ? 凛、そんな変なこと言ったっけ?」
穂乃果「無自覚ちゃんめっ! あんなの反則だよ」
凛「うー。だから、なんのことか分かんないよ〜」
穂乃果「分かんなくていいよ」
穂乃果「それよりほら。よっと……」スッ
凛「…?」
穂乃果「凛ちゃんがお願いしたんでしょ。はいっ、隣」ポンポン
凛「あっ! わーい! いいの?」
穂乃果「早く来ないと元に戻っちゃうよ」
凛「えーっ!? 待って待って! すぐ行く…っ」ガンッ!
凛「い、いったぁー!」
穂乃果「うわ、ひざ…痛そ……」
凛「………」←となりに座りました
穂乃果「大丈夫?」
凛「いたかった」
穂乃果「すごい音したもんね」
凛「ちゃぶ台に無性に怒りを覚えた」
穂乃果「ああー…それあるよね。あれあれ、学校で机の下に落とした消しゴム拾った後に机で頭打ったときとか」
凛「そんな感じにゃ」
穂乃果「不思議だよね。机は悪くないのに、なぜか机ダンッてしたくなる」
凛「そしたらまた手が痛いにゃ」
穂乃果「叩かないけどね」
凛「でも、今度は凛、泣かなかったよ」
穂乃果「よく堪えたね〜。穂乃果なら泣いてたかも」
凛「凛、えらい?」
穂乃果「よしよし。えらいえらい」ナデナデ
凛「にゃっ…!」
穂乃果「えらいえらーい」ナデナデナーデ
凛「………」カァァ
穂乃果「ふあぁ〜〜あくび。っと」スッ
凛「あっ…」
穂乃果「ん? どしたの?」
凛「……な、なんでもないっ」
穂乃果「んー? なになに、何でも言っていいよ?」
凛「う……」
凛「あたま、撫でてほしいにゃ。もうちょっとだけ…」
穂乃果(はーいズキューーン!!)
穂乃果「凛ちゃん、満足?」
凛「うん! ありがとう。まんぞくまんぞくにゃ」
穂乃果「よかった。凛ちゃんに喜んでもらえて、穂乃果もまんぞくまんぞく」
凛「まんぞくまんぞく!」
穂乃果「あっ、なんだっけ」
穂乃果「……まーんまーんまんぞく〜♪」
凛「一本まんぞく〜♪」
穂乃果「そうそれ!」
凛「そんな感じのCMあったにゃ」
穂乃果「あったあった! よく続けたね!」
凛「凛も同じこと考えてたもん」
穂乃果「気が合うねぇ〜」
凛「合うにゃ〜」
あなたは最高です!
穂乃果「……」ボー
凛「……」ボー
穂乃果「ぼー……」
凛「ぼー……」
穂乃果「そうだ凛ちゃん、せっかくだしどっかいく?」
凛「あー、それも、いいにゃー」
穂乃果「ことりちゃんと花陽ちゃんはお買い物行ってるし、海未ちゃんは部活の大会、絵里ちゃんにこちゃん希ちゃんは図書館で」
凛「うんー…」ウトウト
穂乃果「真姫ちゃんは…わかんないや。でもとりあえずほとんどみんな、どっかしら出かけてるみたいだね」
凛「んー」
穂乃果「それなら穂乃果たちもさ…」
凛「……」
穂乃果「あれ、凛ちゃん?」
凛「……」
凛「……」バタッ
穂乃果「っ!?」
穂乃果「………し、しんでる…」
穂乃果「なわけ〜」
凛「……zzZ」
穂乃果「あは、眠っちゃったんだね」
凛「……」スゥ スゥ
穂乃果「可愛いなぁ、寝顔も」
凛「……穂乃果…ちゃん…」
穂乃果「あれ? 起きてたんだ。なあに、凛ちゃん」
凛「……」
穂乃果「…?」
凛「……zzZ」スゥ スゥ
穂乃果「なんだ、寝言かぁ」
凛「……」スゥ スゥ
穂乃果「……」
穂乃果「よーしよーし」ナーデナーデ
凛「…えへへー……」
穂乃果「えへへー」
穂乃果「穂乃果も、もう一回お昼寝しよっかな」ゴロン
穂乃果(外に遊びには行けなかったけど)
凛「……」スゥ スゥ
ギュー
凛「んっ…」
穂乃果「…げっちゅ♪」
凛「……」スゥ スゥ
穂乃果(……ふふっ)
穂乃果「たまにはゆっくり、凛ちゃんと」
穂乃果(ねっ)
一方そのころ
海未「ふぅ、しばしの休息ですね」
海未「おや? 穂乃果からメールですか。なんでしょう? 」ピッ
海未「も、もしかして、私への応援メッセージとか……」ドキドキ
海未「…………………」
海未「穂乃果ぁぁあああああ!!!!」
穂乃果「海未ちゃんの道場破りによって穂乃果と凛ちゃんの安眠は断たれるのですが、それはまた後のお話ということで・」
凛「これにておしまいにゃ」
穂乃果「たまにはゆっくり、凛ちゃんと」
fin.
乙!すごく良かった
続きはよ
以上です。
タイトルはどんなときもずっと から
ほのりんはマーメイドフェスタ2のジャケットを見て
なんか来るものがあったので書きました
読んでくれたかたありがとうございまうす
おつやで
ニヤニヤさせてもらった
このふたりはこんな感じがよく似合うな
続いてもいいんだよ おつ
ほのりんええなぁ
乙
乙!
お姉ちゃんしてる穂乃果ちゃんはいいね
穂乃果の姉力を高める凛ちゃんの妹力
これはかわいい(確信)
乙だよー
一言で言うとそびえ立つクソ
ただ、周りからボロクソ言われながら完結まで続けられるメンタルは素晴らしい
次はメアリー・スー系「以外」のSSをよく読んで出直してくれ
>>55
キチガイ怖いよ
乙
道場破り書いてもいいのよ
このSSまとめへのコメント
素晴らしかったです
乙でした