穂乃果「灰かぶり」【ラブライブss】 (21)
穂乃果「リスさんこんにちは〜」
穂乃果「小鳥さんも!今日も素敵な歌をありがとう〜」
穂乃果「あ、小鹿さん。お母さんとはぐれちゃったの?....あぁ、いたね。よかった〜」
私の名前は穂乃果。
訳あって皆からは『灰かぶり』って、呼ばれてるんだ。
今はお姉様たちのお手伝いで....ううん、命令でお外でお散歩。
継母と義理のお姉様がね、穂乃果のことを....召使のように扱うんだ。
本当は穂乃果は貴族なんだけど....お姉様たちは揃いも揃って穂乃果をいじめるの。
はぁ....これから帰っても、またお掃除洗濯お料理....ファイトだね....
もう少し、ここでお散歩しててもいいよね?
穂乃果「森の動物さんたち、こっちにおいで〜」
穂乃果「ふふ、可愛いなぁ....」ナデナデ
穂乃果「....モコモコで....ふわふわで....」
穂乃果「ふわぁぁぁ....なんだか....眠く........」コクンコクン
穂乃果「....帰....らないと........zzz」
穂乃果「....すぅ....zzz」
‥‥
‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥
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チュンチュン!
キュルル....キュルルル!
穂乃果「ん....んん....なぁに?みんな....」
チュンチュン!チュンチュン!
穂乃果「え....あっ!寝ちゃってた....」ゾワァ
穂乃果「どどど、どうしよう....もう夕方だぁ....」
穂乃果「早く帰らないと!....みんな起こしてくれてありがとう。また遊びに来るからね!」
どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう
洗濯物が....お掃除もしなくちゃいけないのに....夕ご飯作ってたらそんな暇ないよぅ....
ううっ....怒られちゃうよぅ....叩かれちゃうよぅ....
またアザが....傷が....増えちゃう
....ふ....ふふ....穂乃果が出来損ないだから悪いんだよね....自業自得だよね....
あ....走ってたらもうおうちに着いちゃった。
なんて言えばいいのかな....お昼寝してたら遅くなりました?
あはは........グスン....
ガチャッ
穂乃果「....ただいま帰りま―
パシーン
穂乃果「ぅぐっ....」
真姫「アンタ、何してたのよ」
絵里「召使のくせに帰りが遅くなるなんて―
穂乃果「お昼寝してたら遅くなりました」ウルウル
パシーン
穂乃果「っ....」ポロポロ
真姫「まだお姉様が話してたんだけど」ガシッ
穂乃果「ごめん....なさい....」ポロポロ
絵里「いいのよ、真姫。ただの灰かぶりにそんなこと言ったってわかるわけないから」クスクス
にこ「....アンタたち、騒がしいわね....」
えりまき「あ、お母様」
穂乃果「ぇぐっ....くふぅ....」ポロポロ
にこ「ふぅん....帰ってきてたの。....ボロ雑巾が、泣いてる暇があったら食事を作りなさい!」
パシーン
穂乃果「ぅ゛っ.......は、はい....わかりました」ポロポロ
(3人とも悪女設定ですみません....口調で選んでしまいました。えりまきにこ推しの方には申し訳ありません。因みに自分は3人とも好きです)
へ....へへ....情けないなぁ....
毎日....毎日....怒鳴られて....叩かれて....穂乃果と同じくらいの子たちは、みんなこうなのかな?
それとも、自由にお買い物したり、お外でお食事をしたり、可愛いお洋服を着たりできるのかな?
穂乃果って....何のために生きてるのかな....
‥‥
‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥
バチバチ....
暖炉、暖かいなぁ。
そう、お姉様たちが寝て、穂乃果も寝るところ。
暖炉のそばで寝て、次の朝には灰だらけ。
それで、灰かぶり。
明日も早起きして、お姉様たちの命令を受けて....明日のことを考えても楽しいことなんてないや。
寝よう....
‥‥
‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥
穂乃果「お姉様、郵便受けにお手紙が入っていました」
絵里「勝手に処分しなさい」
穂乃果「いえ、お城からです」
絵里「え?それ本当!?ちょっと貸しなさい!」ガシッ
穂乃果「うっ....」
真姫「なんて書いてあるの?お姉様」
絵里「お母様、開けてもいいですか?」
にこ「いいわよ」
絵里「じゃあ....」
ペリペリッ
真姫「どう?」
絵里「えっと....あ!これ舞踏会の招待状よ!!」
にこ「へぇ....いつからよ」
絵里「今日の夜です!」
真姫「ドレスを用意しないと!」
穂乃果「あの、穂乃果も....」
にこ「アンタはここで留守番でもしてなさい」ギロッ
穂乃果「....ぇ....」
そっか....行っちゃダメなんだ....
ドレスなんて持ってないし....お城まで遠くて行けない。
穂乃果は、ここにいないとダメなんだ。
....あ、真姫お姉様の着てるドレス、真っ赤で綺麗....
絵里お姉様も....にこお母様も....
みんな綺麗なドレスを着て....舞踏会に行けるんだ。
仕方ないよね....笑顔で見送らないと。
絵里「お母様、早く行きましょ」
にこ「ええ、真姫も、行くわよ」
真姫「はい、お母様」
ガチャッ
穂乃果「あ、いって―
バタン
穂乃果「........」
『行ってきます』も言ってくれない....
はぁ....穂乃果がもっといい子だったら行けたのかな。
ボロボロのお洋服じゃなければ行けたのかな。
....舞踏会かぁ....沢山踊って....美味しいものを食べて....王子様にもあえるんだよね。
おうちで1人....
穂乃果も....穂乃果も....
穂乃果「穂乃果も行きたかったよぅ」ポロポロ
穂乃果「綺麗なドレスを着たかった....お姉様みたいな綺麗なドレスを....」ポロポロ
???「やんやん!ぶつかっちゃいます〜!」
穂乃果「....ん....?お外から声が....」
ガチャッ
???「え、扉が....わぁぁぁ!どいてぇ!ぶつかっちゃうよ!?」
穂乃果「えっ!?」ビクッ
ドスン!
穂乃果「........いったた....」
???「あわわ、ごめんねぇ?い、痛いところない?」
穂乃果「ん....あれ?痛く....ない....?」
???「ほっ....よかったぁ。ぶつかる直前にね、痛くないように魔法をかけたの!」
穂乃果「魔....法....?あ、あなた、だぁれ?」
???「あ、そっか!自己紹介しないとね!....私の名前はことりだよ!」ニコッ
穂乃果「ことりちゃん?....私は....」
ことり「うん?あなたの、お名前は?」
穂乃果「....灰....ほ、穂乃果です!」
ことり「ハイホノカ???」ハテ?
穂乃果「違うよぉ!穂乃果!ほ、の、か!」
ことり「あぁ、穂乃果ちゃんだね?よろしく〜」スッ
穂乃果「え、な、なに?」
ことり「握手だよ〜」
穂乃果「握手?....でも....穂乃果汚いから....」キュ
ことり「え〜!?こんなに可愛いのに!女の子が自分のことを汚いなんて言ったらダメ!!」ギュッ
穂乃果「で、でも....」
ことり「ほらぁ、手だって綺麗。小さくて....指も細くて....女の子の手」ナデナデ
穂乃果「っ....そんな....褒められたの初めて....」ウルッ
ことり「初めて?....細かいことは聞かないけど、穂乃果ちゃんは可愛いよ?目を見れば優しいってわかるし、笑ったらもっと可愛くなると思う!」
穂乃果「笑顔....?....こ、こうかな?」ニタァ
ことり「うーん....違うなぁ....」
穂乃果「そうだよ....穂乃果に笑顔なんて....」
ことり「ゔぁ!」バァ!
穂乃果「へ?」
ことり「ぱぁ〜」バァ!
穂乃果「....ぷっ....あはっ、あはははっ....ことりちゃん変な顔〜」クスクス
ことり「それだよ!!その笑顔!すっごく可愛いよ♪」
穂乃果「え....ふふっ、ことりちゃんそればっかり
。ことりちゃんだって可愛いもん」クスクス
ことり「えへへ、嬉しいなぁ........穂乃果ちゃんはここでひとりで暮らしてるの?」
穂乃果「ぁ....ひとりじゃ....ないよ....」
ことり「あ、あれ?変なこと聞いちゃったかな?」
穂乃果「ううん、そんなことないよ....」
ことり「....何か、あったんだね?」
穂乃果「........」
穂乃果は嬉しかった。
こんなにも対等にお話できる相手ができたのは初めてだから。
穂乃果のこと、全部話した。
ことり「えぇ....酷い....」ポロポロ
穂乃果「....泣いてるの?」
ことり「うっ....だって、そんなの....あんまりだよ....酷すぎる!」ポロポロ
穂乃果「ことりちゃん....あなたが初めて....こんなにも穂乃果のことを思ってくれるの....」ウルウル
ことり「穂乃果ちゃん、おいで。思いっきり泣いていいから。....我慢、しなくていいから」ポロポロ
ことりちゃんは穂乃果を抱きしめてくれたの。
なんだか....涙が止まらなくなっちゃって。
こう思ってくれるのが普通なのかな?そう思うと余計に涙が出て....
穂乃果は....普通じゃないんだって....
穂乃果「ぐすっ....ありがとう、ことりちゃん。なんだか心がスッキリしたかも」
ことり「うん....穂乃果ちゃんは強いんだねぇ....」
穂乃果「そんなことないよ。さっきだって舞踏会に行けなくて泣いちゃったから」
ことり「舞踏会....穂乃果ちゃんは舞踏会に行きたいの?」
穂乃果「....うん。でも無理。綺麗なドレスはないし、歩いて行ったら間に合わないの....」
ことり「ねぇねぇ、魔法って知ってる?」
穂乃果「魔法?小さい時に絵本で読んだような....あれ?そういえばさっきも....」
ことり「うん。空を飛んでた。ぶつかりそうになって魔法をかけた」
穂乃果「じゃあ....ことりちゃんは....」
ことり「魔法使いなんだっ♪」ニコッ
穂乃果「ほぇ〜....すごい!すごいすごいすごい!魔法使いって、魔法って、絵本の中でしか見たことないもん!」キラキラ
ことり「ふふっ、ありがとう」
穂乃果「えっと....そうだ!何かやってみてよ!」
ことり「....じゃあ....目を、瞑ってて?」
穂乃果「あ、うん!」キュッ
ことり「....」
ことりちゃんは、持ってた杖を振ってる気がした。
そんなことを考えてたら....
ことり「はいっ、もういいよ」
穂乃果「....もう?何が、変わったの?」
ことり「ふふふ〜」ニコニコ
穂乃果「....?....ってあれ?....穂乃果....なんで、ドレスを....」
ことり「似合ってるよ」
穂乃果「....こんなに綺麗なドレスを....穂乃果が....これ、ことりちゃんが?」
ことり「うん!靴も、見てみて」
穂乃果「っ!わぁ....ガラスの靴....綺麗!」
ことり「裸足だったからね、これはプレゼント」
穂乃果「本当にいいの?穂乃果なんかに....あっ」
ことり「な、ん、か、じゃないでしょ?」ジトー
穂乃果「ごめん」アセアセ
ことり「それに、外を見てごらん?」
穂乃果「うん?」
外を見た瞬間、腰を抜かしそうになったよ。
かぼちゃしかなかったはずのおうちの前の通りに....
穂乃果「馬車....!?」
ことり「そう!かぼちゃが沢山あったから馬車にしてあげたの〜♪」
穂乃果「で、でも、馬車にドレスって....」
ことり「舞踏会、行きたいんだよね?」
穂乃果「っ....うん!すっごくすっご〜く行きたい!」
ことり「....行ってきなよ」ニコッ
穂乃果「....本当に行けるの?穂乃果も、行けるの?」
ことり「うん。このお馬さんたち頭良いから、穂乃果ちゃんは乗ってるだけで大丈夫」
穂乃果「そんな....夢見たい....!」
ことり「けどね、お約束があるの」
穂乃果「なに?絶対守るよ!」
ことり「この、服とかぼちゃにかけた魔法は、零時にきれてしまうの。それをすぎると、元の姿に戻っちゃう」
穂乃果「そうなんだ....うん、それまでに帰るって約束するよ!」
ことり「うん....行ってらっしゃい....お姫様♪」
スゥゥ....
穂乃果「う、お姫様だなんて///」
穂乃果「じゃあ、行ってくるね、ことりちゃ....ん....?」
あれ?なんで?ことりちゃん、いなくなっちゃった。
....お友達....になれたのかな?
すごく、楽しかった。
初めてお話が楽しいと思えた....何も言わないで消えちゃうなんて....
でも、ありがとう。
穂乃果はことりちゃんのことをきっと忘れないよ。
‥‥
‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥
ガラガラ....
凛「うん?かよちん、なんかすごい馬車が来たにゃ!」
花陽「え?....わ、ほんとだ!」
わぁ....本当に大きいなぁ....
そんなお城に、来れた。
夢じゃないんだ....
お馬さんたち、ご苦労さま。
君たちの分も楽しんでくるね♪
花陽「り、凛ちゃん、あの可愛い人だれかな?」
凛「わからないよ....たぶんどこかのお姫様じゃない?」
花陽「そうかも....あ、こっち来た!」
穂乃果「....あの....お城主催の舞踏会に....あ、これ招待状です」
凛「にゃ....あの!握手してもいい?」
花陽「は、花陽も!」
穂乃果「え!?穂乃果と!?」
あれれ....やっぱりお姉様たちとは違う....
新しい出会いが....新鮮で、楽しくて....穂乃果が普通じゃない日常を送ってたんだ....
穂乃果「いいよ♪」スッ
りんぱな「ありがとう!」ギュッ
凛「かよちん、握手しちゃったにゃ!可愛いにゃ!」
花陽「優しく対応してくれるし、近くで見ても可愛いからやっぱりどこかのお姫様なんだよ!」
穂乃果「あ、あはは....///」
‥‥
‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥
人々「おぉぉぉ!!!」
穂乃果「うぅ....///」
どうして?どうしてこんなに穂乃果を見てくるの?
恥ずかしいなぁ....でも、みんな可愛いって思ってくれてるんだよね?
にこ「なに?騒がしいじゃない」
絵里「あっちで何か....」
人々「こっち向いて!」
穂乃果「....えへへ///」ヒラヒラ
人々「可愛い!!」
真姫「ああっ!!穂乃果よ!?」
絵里「なんで....どこでドレスを....それに、どうやってここまで....」
にこ「....ふっ、放っておきなさい」イライラ
ここに、お姉様たちもいるんだよね?
可愛くなった穂乃果を見たら、少しは認めてくれるのかなぁ....
???「ん....?希、あの娘はどちらの方ですか?」
希「....うむ....見たことないなぁ....初めて来たんじゃ?」
???「そうですか....」ジー
希「....王子様も、踊りに参加してもいいんよ?」
???「では....希、行ってきても良いですか?」
希「ええよ」ニヤニヤ
???「ありがとうございます」スッ
絵里「あ、お母様、王子様がお立ちになりました」
にこ「そうね。....王子様、私若い人も―
???「すみません、また後でお話しましょう」
にこ「え....ちょっと」
???「........私はあの娘とお話がしたい」ジッ
これからどうすればいいのかなぁ....美味しそうなお料理とか食べていいんだよね?
誰かを踊りに誘ったりした方がいいのかな?
えっと....とりあえず飲み物を飲もうかな....
???「あの....」
穂乃果「はい?なんでしょ....えぇ!?」ビクッ
???「こ、これは失礼。驚かせてしまいましたか?」
穂乃果「い、いえいえ....うそぉ....だってあなた、王子様じゃ....///」ドキドキ
???「そうですけど....えっと....何か、お食べになりますか?この城自慢のコックが作っているのです。とても美味しいですよ」
穂乃果「じゃあ....うん、食べようかな....」
???「このパンとかどうです?できたてですよ」
穂乃果「うん....ありがとう。いただきます」
???「....いちごは好きですか?ケーキもありますよ。あ、ローストビーフを切ってもらいに行きますか?」
穂乃果「はむはむ........美味しい♪」キュン
???「あ、あの....?チーズケーキ派でしたか?お肉は食べない人でしたか?」アセアセ
穂乃果「え?....あ、ごめんなさい!パンがあまりにも美味しくて....///」カァァ
???「そうですか。嫌われてしまったのかと思いましたよ」ホッ
穂乃果「....?なぜ、私みたいな女に、王子様が....?」
???「ふむ........踊りましょうか」
穂乃果「え、いや、だから....なぜ....」
???「ほらほら、私がエスコートします」ギュ
まさか王子様が穂乃果に話しかけてくれるなんて思ってもみなかった....
しかも、踊りのお誘いだなんて....手、握られちゃった....///
???「ダンス、上手いのですね」
穂乃果「そんな、初めてですし、王子様がお上手なだけで....///」
???「....その、王子様なんてやめてください。私は海未といいます。あなたは?」
穂乃果「海未....さん....私は穂乃果といいます///」ドキドキ
海未「いいお名前です。それに、とても可愛らしい....」
サラッ
穂乃果「か、可愛らしいだなんて....///」カァァ
海未「ふふっ....さぁ、もう少しダンスにお付き合いお願いしてもよろしいですか?」
穂乃果「....はい....///」ギュ
はぁ....幸せだなぁ....
こうして人が沢山いるところに来ることすら初めてなのに....食べたことないくらい美味しいお料理を食べられて....
かっこいい海未王子と....踊ってる。
こんな時間がずっと続けばいいのに....
そう、思ってたけど....
ふと、時計が気になった。
海未「....?どこを見ているのですか?」
穂乃果「うそ....」ゾワァ
どうしよう....あと少しで零時になっちゃう!
このままじゃ元の姿に....醜い姿に....戻っちゃう....
海未「....どうしたのですか?」
穂乃果「....ごめんなさい....穂乃果、帰らないと」
海未「え?ですがまだ時間は....」
穂乃果「本当にごめんなさい!」バッ
海未「あ、ちょっと....!待ってください!まだお名前しか....!どこの誰だか聞いて....ないです....」
ごめんなさい、急がなくちゃいけないの。
....お友達とのお約束だから....
穂乃果「....楽しかった....」ポロポロ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
海未「待ってくださいって!」
海未「....ダメです....もういなくなってしまいました....」
どうして、どうしていきなり帰るなんて言い出したのでしょうか....
本当は私といることが嫌だったのでしょうか....?
穂乃果....さんといいましたね。
けど、お名前しか残らな........ん?
海未「このガラスの靴は....穂乃果さんの?でも、片一方しか....」
海未「........希っ!!」
希「....はいよ」ヒョコッ
海未「さっきの娘....穂乃果さんを見つけ出してほしいのですが....」
希「実はさっき顔が見えなかったんやけど....仰せのままに」
海未「そして、このガラスの靴....この靴がぴったり合う女性を妻にすると公表してほしいのです」
希「妻!?....う、うん、わかったよ」
海未「私は....穂乃果さんに惚れてしまいました....またあの可愛らしい穂乃果さんに会いたい....今度はゆっくりお食事をしたいですね」
希「はいはい、わかったから」クスクス
海未「もしかしたらまだここにいるかもしれない。ここにいる身分の高い者から試していってほしい....そして、いなければ明日から精一杯探し出してほしい。お願いできますか?」
希「了解したよ」
海未「あぁ....ありがとうございます!穂乃果さんを見つけ出した暁には褒美をあげましょう」
希「頑張るよ」フンスッ
穂乃果さん....私はあなたに会いたい。
初めて見た時から....そうですね、一目惚れです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あれから何日経ったっけ....また同じ日常。
お城から帰った時、ことりちゃんには会えなかった。
当然魔法はとけて....しかも、舞踏会に来てたのを知ってたらしくて、お姉様たちに暴力を振るわれた。
....この森の泉の木の下で寝転がってるの、気持ちいいなぁ。
嫌なことを忘れられるんだ....たまに海未王子のことも思い出したり....///
ミャー
穂乃果「あ、猫さん。どうしたの?」
ミャー....ゴロゴロ
穂乃果「お昼寝かな?可愛いねぇ」ナデナデ
ゴロゴロ♪
穂乃果「穂乃果も....ってダメダメ!寝たらまた怒られちゃう!」
穂乃果「....そろそろ、帰らないとかな」
穂乃果「またね、みんな」
こうして、命令で外出して、家事をするために家に帰って....こんな日常。
森の動物さんたちとはお友達なんだ。
この森の小道を歩いて....角を曲がってまっすぐ行けば....
....はい、おうちに着いた。
遠くにお出かけなんてできないんだ....帰るのが遅くなっちゃうから。
穂乃果「ん....あれ?誰か、来てるのかな?」
ガチャッ
穂乃果「ただいま帰りました....」
そう挨拶して扉を開いたら....
絵里「うぅ、ダメ、私には小さいみたい....真姫、あなた履いてみてよ」
真姫「う、うん....ってあれ?大きさが合わない....」
にこ「貸してみなさい」
真姫「あ....」
にこ「........大きい」イライラ
新しいお靴でも買ったのかな?
穂乃果「あ、あの....何を....?」
希「あれ?まだいたんやね」
穂乃果「ひゃっ....い、いつの間に!?あなた誰ですか!?」
希「お城の者です」
穂乃果「あ、それで外にお馬さんが....でも、こんな所に何の用ですか?」
希「あの方々はお姉ちゃんかなんかかな?」
穂乃果「え?....はい、そうですけど....?」
希「海未王子が、あの靴がぴったり合う女性を妻にすると公表したのは知らんかな?」
穂乃果「....っ!?」
嘘でしょ?
あの靴....穂乃果のガラスの靴だ....
で、でも、妻って?けけけ、結婚するってこと!?
穂乃果が....王子様と....?///
けど....何故か、口が勝手に開いてしまった。
穂乃果「『穂乃果』にも、履かせてください」
えりまきにこ「はぁ!?」
絵里「召使風情が何を言うの」ケラケラ
真姫「そうよね、合うわけないじゃない」ケラケラ
希「待って、王子は全ての女性に試すように言ってたんよ。だから....」ガシッ
にこ「ちょっと....!」
希「....どうぞ、これは『穂乃果』さんに返します」
穂乃果「え....?」
絵里「ちょっと返すってどういうこと!?」
真姫「これが灰かぶりのものだとでも言うの!?」
希「だよね?」
穂乃果「は、はい....でもどうして?」
希「どうして初めからこうしなかったんやろ....海未王子からお名前は聞いてたん。ガラスの靴がぴったり合う女性を妻に、とか言うから気づかなかった。お名前を聞けばよかったね....急いでたからか、海未王子もおっちょこちょいのところがあるなぁ」クスクス
穂乃果「....けど、今は名乗ってなかった気が....」
希「一人称が穂乃果だったよ」
穂乃果「あ....///」
にこ「待ちなさい!何かの間違いでしょう!?」
希「....なら....穂乃果さん、証拠にガラスの靴を履いてみて?」
穂乃果「はい....」
真姫「ふっ、絶対お母様の言う通り何かの間違いでしょう」
絵里「そうね、ありえないもの。この灰かぶりが....王子様....の........」ピタッ
えりまきにこ「」
穂乃果「履いたけど....あ、そういえば、ポケットにもう片一方も....」
希「うん、あなたが穂乃果さんや♪お姉様方?証明、できたやろ?」ニヤリ
にこ「そん....な....」フラッ
絵里「わっ、お母様!?真姫、手伝って!ベッドに連れていかないと」アセアセ
真姫「え、ええ」アセアセ
穂乃果が....お姉様たちに勝った....
お城の人が現れて、無くしちゃったと思ってたガラスの靴を持ってきた。
突然のことで....まだ良くわかってないけど....
希「穂乃果さん、これからお城に来てくれないかな?」
穂乃果「....本当に、穂乃果でいいんですか?」
希「穂乃果さんじゃないとダメなんよ」
穂乃果「........わかりました」ニコッ
行くことにしたんだ。
また、あのおっきなお城に行って、かっこいい海未王子に会うために....!
‥‥
‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥
コンコン
海未「ん....どうぞ」
ガチャッ
希「希です」
海未「どうしましたか?」
希「さ、こっちに」
海未「....?」
穂乃果「....こんにちは、海未王子」
海未「あ....あぁ....穂乃果さん!?の、希っ、見つけられたのですね!?」バタバタ
希「そうよ。んじゃ、ごゆっくり....あ、後でご褒美もらえるの楽しみにしとるよ〜♪」
バタン
ほのうみ「....」
穂乃果「....久しぶり....ですね」モジモジ
海未「久しぶりです。....凄く会いたかった」
ギュゥゥ
穂乃果「ぇあっ....い、いきなり....///」カァァ
海未「私は、あなたを始めてみた時から、恋に落ちたみたいです。なのでこうして探し出し、また、あなたと再開することができた....そして、抱きしめることができた....」
穂乃果「こんな私なんかでも、いいのですか?」
海未「こんな私なんか....?」
穂乃果「あっ....」
(「な、ん、か、じゃないでしょ?」)
穂乃果「っ....いえ、私を愛してくれてありがとうございます!」
海未「そうです。私はあなたじゃなければ嫌なのです。....では....私との結婚の件は....」
穂乃果「....はいっ///」ニコッ
海未「ぁ....笑った顔が....とても素敵です」ピトッ
穂乃果「ありがとう///」ニヒヒ
‥‥
‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥
こうして、穂乃果は海未王子の妻....になりました。
とても凛々しくて....かっこよくて....そんな、国民の憧れでもある、穂乃果の好きな人の妻になりました。
お姉様たちにいじられることもなくなって....今までの意地悪を許してくれと言われて、穂乃果は許してあげました。
本当は許さないべきなのかもしれないけど....穂乃果に悪役は向いてないみたいだ。
こんな、穂乃果の夢のような物語....
穂乃果は灰かぶり。後から、『シンデレラ』と呼ぶ人も出てきました。
穂乃果「....今日はお星様がよく見えるね」ピトッ
海未「はい。ひとつひとつがとても素敵です....」
穂乃果「....ねぇ海未王子、今日はね、世間ではクリスマスイブなんだよ?」
海未「クリスマスイブ....とは?」
穂乃果「好きな人同士が、1年で1番愛し合う日かな?」
海未「ふふ、冗談です。知ってますよ」
穂乃果「えー?からかわな―
クイッ
海未「穂乃果さん」キリッ
穂乃果「はわっ....///」カァァ
海未「....いつ見てもあなたは可愛らしい....宝石のような目も、サラサラな髪の毛も....全てが好きです。じっと見つめていたい....気づいたら抱きしめそうになっていることもあります....」
穂乃果「ほ、穂乃果だって、海未王子のことが―
海未「メリークリスマスです、穂乃果さん」
チュッ♡
穂乃果「んっ....///」ボフッ
こんな強引な海未王子も、かっこよくて好きです。
私の名前は穂乃果。
訳あって皆からは『シンデレラ』と呼ばれています。
今は王子様の命令で....いえ、穂乃果も愛してるから....海未王子の妻です♪
おしまい。
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