阿良々木暦「こよみジョーカー」 (30)
仮面ライダー、という言葉を聞いたことがあるだろうか。
バイクにまたがり、異形の仮面を被り異形の化物を倒す戦士。
僕がまだ小学生に上がったばかりぐらいの頃に、『仮面ライダーと呼ばれる鎧の戦士が、人々を襲う未知の生命体から人々を守るため日夜バトルを繰り広げている』という都市伝説が流行りだしていた。
当時、正義の味方なんてものがいて、まるで都合の良い神様の様に、助けを求める人に救いの手を伸ばす存在なんてものを信じていた僕は、この都市伝説を聞いた時、こう思った。
ーーーほら、やっぱり、ヒーローはいるんだ。 助けを求める手を掴み取ってくれる人がいるんだ
……まだ幼い子供だった頃に無邪気に抱いた思いだ。 出来れば笑って寛大な心で流して欲しい
そう…本来なら子供の頃に抱いた思いなんて、いずれはどうにもならない現実を知り、現実とはどうにもならないと知り、心の片隅にも置かなくなる物のはずだ。
邪気が無いから無邪気
邪気を知らないから、無邪気
なのに何故か僕は、恥ずかしながらこの思いを高校一年、あの、正しさが多数決によって定められてしまった学級裁判の日にまで持ち続けてしまった。
心の片隅に、忘れずにしまっておいてしまった。
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期待
もしかしてふと思いついた小ネタスレに書いてた?
今から話す話しは、僕こと阿良々木暦が、子供の頃に抱いた思いを、何故忘れずにいたのか、という事を思い起こすだけの話しである。
何かが変わった訳でも、何かを失う訳でもない、ただ、僕が仮面ライダーと出会って、別れるだけの、話しである。
剣物語 こよみジョーカー
>>2
すいませんが違います
今日はここまで
ID変わってた
このトリで書きます
乙
Wとのクロスか
期待
ブレイドだろ
ジョーカーっつったらブレイドだろ
002
その日、僕はひたぎとのデート、もとい、ひたぎのお父様同伴の拷問ランチ&ディナーを終え、帰路についているところだった。
ひたぎとは、家族公認の、家族同然の付き合いになっているとは言え、未だ成人にもなっていない身である僕としては彼女の父親同伴のデートといえば、拷問とは言い過ぎであっても、決して慣れるものではなかった。
というか慣れたら慣れたで男として大事な感性というかそういうのが消えてしまうような気がする。
あの鏡の世界の出来事から一週間。慣れ親しんだ日常は思ったよりあっさり帰ってきて、健全な生活を送っている。 ずっとこういう日常が続けばいいのにと切に思う。
ただ、人としての当たり前の幸せを、人として、出来る限りの努力で掴み取っていけるのなら、それはーーなんて幸せなのだろうと思う。
そんな、幸せを噛み締めながら歩いていると、いつの間にか慣れ親しんだ我が家の玄関の前に到着していた。
帰るべき家
帰るべき日常
ドアを開け、玄関に足を踏み入れる
「ただいまー」
おーう、おかえりー兄ちゃん。
火憐ちゃんの出迎えの声がリビングから聞こえてくる。 そういえば昨日から両親は仕事の関係で2、3日家を留守にし、月火ちゃんは千石の家にお泊まりしてこれまた留守だったのを思い出した。
火憐ちゃんに何かお土産でも買った方がよかったな、とか、そういえば火憐ちゃんはちゃんとご飯を食べたのかと思いながらリビングに足を運ぶ。
いくら火憐ちゃんが体育会系ならぬ殺人武術系女子とはいえ、年頃の女の子だ。 コンビニ飯や出来合いの飯で済ませるというのもどうだろう。
まだ食べていないのなら、僕が何か簡単な物でも作ってやるのだが。
「火憐ちゃん、ご飯ってもう食べーーーあれ?」
リビングの上のテーブルには空になった皿と茶碗があり、食欲を誘う良い匂いが漂っていた。
「まさか……火憐ちゃんが夕御飯を自分で作ったのかっ!?」
「うわっ。 うるさいなー兄ちゃん。 なんだよいきなりそんな大声出して」
「かかかかかか火憐ちゃん! 何か熱でもあるのか? それとも悩みか!? すまない火憐ちゃん! お前がそこまで追い詰められてるのに気づけないなんて兄失格だ!! 僕に出来ることなら何でもするぞ!
ーーいや、まさか、蝋燭沢か? 蝋燭沢の野郎が火憐ちゃんをそんなにしてしまったのか!?
クソっ、蝋燭沢の野郎僕の火憐ちゃんをこんなにしやがって!! こうなったら僕が制裁してやる!!」
「私は兄ちゃんの物じゃねーし蝋燭沢君は関係ないから制裁は止めてくれ。
ていうか兄ちゃんの反応がすげぇムカつく」
「それに、その料理作ったの私じゃないから」
「へっ?」
鏡の世界?
他にもクロス書いてるならタイトル教えて欲しい。
どういうことだ? 料理はあった筈なのにそれを作ったのが火憐ちゃんじゃないとは。
ーーーそういえば、おかしい。
テーブルの上には2人前分の皿と、お箸が置いてある。 火憐ちゃんが作ったとしても2人前の料理はともかく箸を余分に出す必要はない。
まさかーーー
「火憐ちゃん。 誰か、ーーー」
来ているのかい?
と、聞こうとした時に、火憐ちゃんが口を開いた。
「作ってもらったんだってそれ。 助けてもらったほんのお礼だってさ」
助けてもらった?
「家に帰る途中にたまたまーーあ、『始さん』」
「!」
いつの間にか、僕の後ろ、廊下に繋がるドアの所に、男が立っていた。
「……」
年は20代前半頃ぐらいの男は僕に目線をむけ、黙ったまま口を開かない。
「家に帰る途中に道端にぐったり倒れてるのを見つけてさ、取り敢えず家に連れ帰ったんだけど『記憶喪失』みたいで自分の名前以外思い出せないらしくてさ、今のとこ家にいてもらってるんだ」
火憐ちゃんについていけず、呆然とした僕の目の前に立つ男が、口を開いた。
「お邪魔してしまってすいません。 ーーー相川、始です」
今日はここまで
>>13
原作の続・終物語の話です
乙
最近剣見終わった俺にはタイムリーなスレ
しかし剣崎かと思ったらまさかの始か…
まさかな、と思ってスレ開いたらまさかの剣ssだった
超期待
ぐわ、まだ読んでなかった…orz
失礼しました。剣クロスから龍騎を連想したもので。
剣は映画も面白かったな
個人的にはパラロスに並ぶと思ってる
映画は映画でバッドエンドなんだよなぁ
ムッコロが超かっこ良かったけど
>>20
復活してからの「この子に…近づくなぁ!!」からの「天音ちゃん…綺麗になった」で俺たちの始が帰ってきたって思ったわ
天音ちゃんは始の活躍を知らないのも切ないよなぁ
ムッコロス!
ロリコンが一人増えたせいでいよいよ八九寺の貞操の危機が……
仮面ライダー剣とかいう特撮史上最低の序盤から特撮史上最高の最終回という作品
影縫さん出番です
最終回は泣いたなぁ
まさか仮面ライダーで泣くとは思わなかった
>>26
もし始を殺せたとしても代わりに世界が滅ぶというね。
というかくらやみって剣崎狙いそうだよな
003
相川始と名乗る男の自己紹介から1時間が経った。
この1時間の間僕は、リビングのソファーに彼を座らせ、何か思い出してることはないのかとか、身分を証明するような物をもっていないのか等を聞き込んだのだが、彼は本当に自分の名前以外思い出せないようだった。
「すまない……何も思い出せなくて」
「別にそんなこと気にしないでくれよ始さん! 始さんが悪い人じゃないってことぐらい勘でわかるからさー」
何というか色々将来が不安になるような発言をしてくる火憐ちゃん。 妹の身を本当に憂いているのなら兄として後で説教でもした方が良いのだろうか。
「ははは…ありがとう火憐ちゃん。 そう言ってくれると少し救われた気分になるよ」
本当に、救われたような笑顔で言う相川さん。
そういや橘さんと天音ちゃんはフォーゼにも出てたな……敵役で
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