希「笑顔の魔法、にっこにっこにー!!」 (32)
希「もおー、にこっち何度言ったらわかるん?ここはこの公式を使うっていっとるやろ?」
にこ「ええー?そんなこといったっけー?にこわかんなーい」
希「ふぅーん?そんなこという子はワシワシMAにこ「すみませんでした真面目にやります」
希「もう、勉強教えてくれって言ったのはにこっちなんやからね!こんなになるまでほっといて...」
にこ「うぅ...返す言葉もありません...」
希「うちも復習になるからいいんやけどね」
にこ「でっしょー?にこもそれを狙ってたのよ!」
希「調子に乗らない!」
にこ「はーい」
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事のはじまりは練習が休みの日の放課後、部室で時間をつぶしていた時のことやった。
えりちは家の用事で帰ってしまって、暇を持て余したうちは部室で暇な子をまってたん。
そしたら、にこっちが部室に入って来るやいなや
にこ「希!たすけて!」
なんていうもんやから、うちはびっくりして聞き返したん。
希「にこっち、どしたん!?」
にこ「明日数学の小テストがあるの!」
察しのいいことに定評のあるうちはすべてを察したんやけど...
おもしろそうやからちょっと意地悪しちゃおか
希「この前のテストの時、えりちと海未ちゃんと、今度から毎日こつこつ勉強するって約束して勉強を教えてもらったにこっちなら余裕のはずやんな」
にこ「うっ...」
希「えりちと海未ちゃんにもメールおくっといた方がええな。明日にこっちが勉強の成果だすみたいやで、っと」
にこ「ストーーーーーーップ!!勘弁してください、希大明神様!!」
希「まあ、大方予想はついとったんやけどね」
にこ「もう!わかってるなら最初から言いなさいよ!!」
希「ほう。にこっちはそんな態度で勉強を教えてもらおうというわけやな。さあーて、どうしよっかなー」
にこ「お願いします、希様。にこに数学を教えてください」
こうゆうときのにこっちはほんとに弱いやんな。
希「しょうがないなー。どこで勉強するつもりなん?」
にこ「希一人暮らしでしょ?希んちでもいい?できれば泊りがいいんだけど,..」
希「ええよ。じゃあさっそくいこっか」
こうしてうちとにこっちの勉強合宿がはじまったん。
正直にいうと、わくわくしてしまっているうちがいるのは、にこっちには絶対に内緒やんな。
希「にこっちだいぶ解けるようになったやん」
にこ「うぅ...疲れた...」
希「普段からちゃんとやらないからや」
にこ「お小言は聞きたくなーい」
希「もう、調子いいんやから」
にこ「そんなことより、おなか減らない?」
希「こんな時間やしね、ぺこぺこや」
にこ「勉強教えてくれたお礼に何か作るわよ。何がいい?」
希「焼肉定食―!」
にこ「あんた太るわよ」
希「うっ...その分運動するから大丈夫や、たぶん...」
にこ「まあいいわ。買い出し行きましょ」
希「それなら大丈夫や。この前お母さんがたくさん食料おくってくれたから」
にこ「ならさっそく作るわね。ちゃちゃっと作っちゃうから待ってなさい」
希「うちも手伝うよ」
にこ「それじゃお礼にならないじゃない。休んでなさい」
希「それならそうさせてもらおうかな。ありがとね、にこっち」
とは言ったものの一人やと暇やんな。こたつもぬくぬくしてあったかいし...ちょっとだけ寝ちゃお...
はっと目を覚ますとうちは夕刻の部室にいた。
あれ?さっきまで夜やった、いや、そもそも家にいたはずやんな?どうやらうち、夢を見てるみたいや。
こんな夢って明晰夢っていうんやっけ。せっかくだから楽しんでしまおか。
だってこんなスピリチュアルなことなかなかないやん?
開き直ったうちは、まずは状況を把握することにしたん。
どうも、うちの知ってる部室とは様子が違う気がする。
うーん、ちょっと外に出てみようかな。
外に出ようと思ったらうちの下駄箱だった場所に全然知らない名前があったん。
しかたないからうちはなぜか持っていた練習用の靴をはいて外に出たんや。
外の世界は、ほとんどうちが住んでるアキバとおなじなんだけど、どこか古いような、懐かしいような...そんな雰囲気やった。
希「あの店ってこの前廃業したんやなかったっけ?」
もしかしたらうちは過去に戻ってきてしまのかも。
ふふふ、スピリチュアルやん?なーんてね、夢ってほんとなんでもありやな。
期待
なんてのんきに考えてたら、いつのまにか馴染みの神田明神に到着したん。
ここは昔っから変わらないんやな、そんなところが大好きなんやけど。
そしたら、鳥居のほうから小さい女の子が歩いてきたん。
ぱっとみ保育園の年長さんってとこやな。でもこんな時間に一人なんてどうしたんやろ。子供はもう帰る時間やんな。
うーん、話しかけた方がええんやろか。
でも不審者やって思われるのも嫌やし… 迷いどころやな…
ひとりで葛藤してたら、その女の子は境内に座って泣き出してしまったん。
…こうなったら話しかけないわけにはいかないやんな。しかしあの子誰かさんに似てるような…
??「…みんなのばか」
希「お友達とけんかしたの?」
??「…だれ?」
希「怪しいもんやないよ。ただの高校生のお姉ちゃんや」
??「にこにお姉ちゃんなんていないよ?」
希「まあ、細かいことはええやん。にこちゃんっていうの?」
にこ「うん。やざわにこ」
ほんとに今日は何でもありやな。まさかちびにこっちが夢に出てくるとは...
うちの深層心理がにこっちを求めてるんかな、なんてな
希「そうなんや。ところでにこちゃんはなんでお友達とけんかしてしまったん?」
にこ「男の子たちがにこの夢をばかにするから…」
希「夢?」
にこ「うん。にこね、アイドルになりたいの」
希「アイドルに!にこちゃんはすごいなー!」
にこ「すごくないよ。にこはまだアイドルじゃないもん」
希「夢があるだけですごいやん。うちは将来の夢とかないもん」
正確に言えば夢はあるんやけど...まあ、今回は置いておこうかな
にこ「そうなの?」
希「そうよ。でもなんでにこちゃんはアイドルになりたいの?」
にこ「アイドルはね、きらきらしてるから」
希「きらきら?」
にこ「うん。にこのパパとママはね、お仕事してて忙しいの。だからにこはいっつも保育園でお迎えを待ってるの」
希「そうなんや」
にこ「一人でお迎え待ってるのはさみしいんだ」
希「…」
わかるよ、うちもそうやったから
にこ「でもね、にこがきらきらしてたら、パパとママもにこのことほっとかないでしょ?だからにこはきらきらしたいの」
希「そうゆうことやったんやね。」
にこ「そうやって言ったらね、同じ組の男の子が、にこはちっちゃいし無理だっていうんだ」
希「意地悪いうんやね。そんなこと言う子はお姉ちゃんがお仕置きや」
ま、男の子にありがちな、好きな子をからかってしまうあれやろうけど
にこ「でもね、パパとママのお迎えが遅いのは、にこがきらきらしてないからなのかなって思ったら悲しくなってね、保育園から出てきちゃったんだ」
希「勝手に出てきちゃったらみんな心配するよ?」
にこ「しないよ。みんなにこがいなくなったってわかんないよ」
希「うーん…」
なんて言ったらいいかわからへん…同じ境遇だっただけに気持ちはわかるしなあ…
ま、うちらしくやってみるしかないやんな!
希「そんなこと言う子はワシワシMAXやよー!!」
にこ「…!!!ちょ!!やめて!!!はははは!!くすぐったい!!!」
希「今日のところはこのへんで勘弁してやろう」
にこ「もう!いきなり何するの!」
希「意地悪言う子にはお仕置きするっていったやん?」
にこ「だ・か・ら!にこは言ってないの!」
希「いったよ。にこちゃんは自分の悪口を言ったん」
にこ「自分の?」
希「そうやよ。自分であっても悪口はだめなんよ」
にこ「どうゆうこと?」
希「悪口はね、その人の道をふさいでしまうんよ」
にこ「その人の道?」
希「そうや。にこちゃんは、悲しくなってどうしていいかわからくなってしまったんやろ?」
にこ「…うん」
希「そうやってな、悪口は考える力を奪ってしまうんよ」
かつてのうちがそうだったように。自分で自分の可能性を信じられなかった、あの時のように。
希「本当の意味がわかるのはもっと先の話かもしれんけどね」
にこ「ちょっと難しいね」
希「大切なんはね、自分がしたいことをすること。友達がしたいことを手助けすること。なにより自分に素直になること」
それはうちがμ’sのみんなから教えてもらったこと。
にこ「…自分に素直に」
希「夢をかなえるのはね、強い思いよ。」
みんなでかなえてきた夢とそれぞれの思い。それが小さくても大きくても同じ、強い思い。
うちが今話しているのは、きっと自分が経験の中で感じてきたことだから。
希「にこちゃんはアイドルになりたいんやろ?」
にこ「うん!」
だから自分の信じることを伝えるしかないやんな。
希「アイドルに大切なんは何か知ってる?」
にこ「?」
目の前の小さくて大きな夢のために、うちができることはなんなんやろ。
希「それはね」
うちは、うちが尊敬する宇宙NO1アイドルの言葉を借りることにしたん。
希「アイドルはね、笑顔を見せる仕事じゃないんよ。笑顔にさせる仕事なん」
にこ「…笑顔にさせる」
希「うちはね、アイドルが大好きなん。みんなの前で歌って、ダンスして、盛り上がって。
また明日から頑張ろうって、そんな気持ちにできるアイドルが大好きなん。にこちゃんはどう?」
にこ「にこもそんなアイドルになりたい!」
希「そうやんな!」
そういって、うちはちびにこっちと一緒に笑った。
希「じゃあにこちゃんは、今、誰を一番笑顔にしたいん?」
にこ「パパとママ!」
希「じゃあ、にこちゃんはこんなとこで泣いていられないやん!
にこちゃんがパパとママをきらきらさせてしまえばええんや!」
にこ「そしたらにこもきらきらできるかな?」
希「きっとできるはずや」
目の前のアイドルの卵に、尊敬している悪友の姿が重なった
にこ「うん!もういかないと、みんな心配しちゃうね!」
希「そうやよ。ほら、行くんだ!未来の宇宙NO1アイドル!」
にこ「うん!お姉ちゃんありがとう!」
希「よし、素直なにこちゃんに笑顔の魔法を教えてあげよう!」
にこ「笑顔の魔法?」
希「そうや、いくで!」
そういうとうちは、未来の宇宙NO1アイドルに笑顔の魔法をかけた。
希「にっこにっこにー!!」
・・・
にこ「希!起きなさい!ごはんできたわよ!」
希「にこちゃん、いつのまにそんなに成長したん?」
にこ「にこちゃんって…突然何よ、気持ち悪いわね」
希「あ、胸は成長してないんやね」
にこ「あ、もしかしてケンカ売ってるの?いくらでも買ってやるわよ?」
希「まあ冗談は置いといて」
にこ「さっきのあんたの発言は冗談で済ます気はないわよ?」
希「ごめんって、にこっちー」
にこ「もういいからご飯食べるわよ!冷めちゃうじゃない!」
希「そやね!あ、おいしそう。ありがとね、にこっち!」
にこ「はいはい!じゃあいただきます」
希「いただきます」
にこ「うーん」
希「にこっち、どしたん?」
にこ「あんたって魔法使いだったりする?」
希「…ついに勉強のし過ぎで壊れてしまったんやね…かわいそうに..」
にこ「憐れむんじゃないわよ!そうゆうことじゃなくて、10 年位前に今のあんたにそっくりな人に会ったことがあるのよ」
希「ブフォッ」
にこ「な、なによ?心当たりあるの?」
希「ナイヨ」
にこ「なによその怪しい言い方。いや、ありえないわよね、忘れなさい」
希「スピリチュアルやね」
にこ「あんたそれ言えばいいと思ってない?」
そういうとにこっちはジト目でこっちを見た。
あの夢が本当だったのかは今となってはわからないけれど。
まずは、目の前のにこっちをはぐらかすためにうちはこう言った
希「そんなときこそ笑顔の魔法や!にっこにっこにー!!」
----fin----
応援してくださった、見てくださった方、ありがとうございました!(いたのかわかりませんがww)
ss初投稿で見返すと恥ずかしい場所もあります。すみません!
つたない文章ですが楽しんでいただけたら幸いです。
また定期的に投下しようと思ってますので、その時はよろしくお願いします。
では!
後書きくっさ、見て損したわ
乙! この二人は親友らしい所がいいよね
おつやん
すごいよかったで!
何処かで見た内容
このSSまとめへのコメント
なんか言ってやれよw
良かった最高