【艦これSS】提督「壊れた艦娘と過ごす日々」05【安価】 (1000)

※艦これのssです。安価とコンマを使っています。

※轟沈やその他明るくないお話も混じっています。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1422209136

好感度的なもの

89 睦月
55 榛名
37 浜風
36 加賀
32 鈴谷
31 夕立
30 伊58
11 大淀
07 雪風
00 金剛


※攻略は出来ないけど絶対に病まない癒し的な存在
曙・阿武隈・阿賀野

・好感度30 トラウマオープン

・好感度60 トラウマ解消
ここから恋愛対象&好感度上昇のコンマ判定でぞろ目が出たらヤンデレポイント(面倒なのでYP) +1

・好感度99~ ケッコンカッコカリ

・YPは5がMAX、5になったら素敵なパーティ(意味深)

沈んだ艦娘24人

一回目の襲撃事件で沈んだ艦娘
大和・朝雲・那珂・武蔵・弥生
(雪風は生還)

二回目の襲撃事件で沈んだ艦娘
深雪・大鳳・如月・雲龍・龍驤
(雪風は生還)

三回目の襲撃事件で沈んだ艦娘
白露・時雨・村雨・五月雨・涼風・皐月・文月・長月
伊19・伊168・伊8・北上・神通

???
春雨


過去スレ
01
【艦これ】提督「壊れた娘と過ごす日々」【安価・コンマ】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1418749126/)
02
【艦これSS】提督「壊れた娘と過ごす日々」 02【安価】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1419872466/)
03
【艦これSS】提督「壊れた艦娘と過ごす日々」【安価】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1420739475/)
04
【艦これSS】提督「壊れた艦娘と過ごす日々」04【安価】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1421597489/)

以上です。

立て乙!!

たっておっつ

夕立31だったっけそういえば

セカンドブレイクはありますか?

立て乙です

>>7
sagaとsage間違ってんぞ

あっちでも何かもう一回壊してとか言ってるけど流石に面倒くさいし
何のためのYPだっていう

俺は睦月には純粋なままでいて欲しいな

ケッコンカッコカリが99~になってるから 99でカンストじゃないのか、多分

出撃とか建造ってしないの?
これ以上駆逐艦ばかりって注意来てるのに駆逐艦スナイプで荒れるのが見えてるけど

別にYP溜めたいとも思わない
普通が一番よ

そもそも溜めようして溜められる物じゃないし(睦月を見ながら)

でもYP溜まった浜風とか鈴谷とか見てみたい

そもそも今資材がどれくらいあって、何が建造出来るのか覚えていない…

175 154 188 191だな 出来るのは最低値だけだしやるならもう一回出撃必須だわ

あのツンツンした鈴谷が60越えでゲームのような無邪気なJKになるのか
胸が熱くなるな

しかしもう少しロリ成分ほしい

正直戦力的に加賀さんの艦載機の方が欲しい
一回作ればよほど壊れない限り修理も出来るっぽいし

>>20
つっても1からも忠告入ってるからなあ
艦載機は全スレの最後の安価みたいに5で何とかなるじゃない

ともすれば空母を追加というのもアリではなかろうか
最初に持ってくる艦載機を活用というのも

尚雲龍

空母の癖にロリ枠なのが何人かいますね…
まあでも空母レシピまで行くのは大変だなぁ

Bレシピで大井や木曾は狙えるのかね?

大鳳も龍驤も雲龍も喰われてるんだよなあ…
ここはもう1人の一航戦の埃を

づほを出そう(提案)

あんまり増やしすぎても収集つかなくなっちゃう

けどもう1人くらいは中型か大型の艦がいるのは事実
遠征も戦力足りてないから止めといた方がいいって言われるくらいだし

キャラが多くなるのは個人的には好きだが
>>1がどこまで対処可能かにもよるよなぁ
その辺も考えてもうしばらくは出撃と既存キャラの土台固めかね

君達金剛ちゃん忘れてない?

テンプレに入れればよかったですね、すみません。

「あまりヒロインを増やしたくない、けど戦力は欲しい」と言う意見を頂いていたので、反映しますね。

建造艦をヒロインにするかAAAトリオみたいな癒し枠にするかは安価なりコンマなりで決めましょうか。
なおドロップ艦はそのまま確定です。

・建造
下記の表から一つを選び、その中の艦種から安価で決めます。

A【燃料30 弾薬30 鋼材30 ボーキ30】
いわゆる最低限レシピ。駆逐艦・軽巡洋艦が対象です。

B【燃料250 弾薬30 鋼材200 ボーキ30】
軽巡洋艦・重巡洋艦・潜水艦が対象です。

C【燃料400 弾薬30 鋼材600 ボーキ30】
重巡洋艦・戦艦が対象です。

D【燃料300 弾薬30 鋼材400 ボーキ300】
軽空母・正規空母が対象です。

E【燃料500 弾薬500 鋼材500 ボーキ500】
駆逐艦・軽巡洋艦・重巡洋艦・潜水艦・戦艦・軽空母・正規空母「以外」が対象です。
いわゆる明石さんとかそういう人達。


・装備
今いる艦娘の新しい装備を作ります。
と言っても錬度とか戦力数値も無いスレですので、要は資源と引き換えに好感度を上げるだけです。
まず【燃料100 弾薬100 鋼材100 ボーキ100】を支払います。
次に誰の装備を作るか選択し、その後はコンマ次第で好感度が上がります。
ただし実際のゲームと同じで失敗する場合もあります。勿論その場合資源は帰ってきませんし好感度も上がりません。
具体的には3割の確率で失敗します。

いいですな

非攻略キャラでも戦力が増えるのは頼もしいし
これで建造安価取りたい人も増えるな

ああ…まずは遠征だ…

遠征するために出撃しなきゃ

資材を増やすならオリョクルが一番!

そいうえば>>1前に艦娘ドロップ判定の場所に艦娘の名前書いてる人いたけど
あれ仮にゾロ目でドロップだったとしても無効で艦娘は別判定って事でいいのかな?

非攻略対象は、できれば止めて欲しいです。
せめて、汎用艦娘に…。
瑞鳳がそうなったら、慟哭してしまいます。
阿武隈も好きだったのに…。お願いします。

それ初っ端から嫁艦が沈んだ人にも同じ事言えんの?

瑞鳳は料理オンチの提督に卵焼きの作り方を教える講師として招こう

大和さん出そうと思って安価取ったら最初から轟沈してたんだよなあ
トンデモナイ引掛けに引っかかっちまったよ

うちの嫁艦は糞ゲス提督に傷物にされた

このあとちゃんと救ってやりたい

しかも沈んでるから同一艦娘は二度と出せないという罠

生きてるけどトラウマなし枠にされて攻略対象外になって泣いてるクソ提督もいるんだよ…あんなにかわいいのに

トラウマ無しの方がいいだろ普通はよ
まあSSのコンセプトを考えるなら攻略対象トラウマ付の方がいいんだろうけどさ

その辺が我慢ならないのなら自分で書いちまった方がいいぞ

トラウマある方が愉悦かわいいじゃねーかよ

文章力ないからな…

よし、ぷらずまちゃんと提督の傷の舐め合いみたいなSSを書こう(提案)

そういえばどうして艦載機がないんだっけ
資材ない時代に加賀さんが使い尽くした?

長い間妖精さんも整備員もいなかったから、使ってた艦載機が全部壊れても修理すらできなくなったってだいぶ初期のころに言ってた
その結果自分で作成した原子的な矢と砲撃しかできなくなったって感じだったはず

しかし瑞鳳が攻略対象で出てもさっきの件で攻略しようって人がかなり減ったと思うけど
その辺理解してるんだろうか

Bの資源貯まったから重巡雷巡じゃ!からのまるゆはよ

>>38
アニメ最新話で嫁にスポットライトがあたった俺を呼んだかい・・・

めでたいな

呼んでねぇ欠片も呼んでねぇ

要は特に何かしらを抱えているような子にならないって事でしょ>非攻略対象
好感度的な変動はなくても素敵じゃん
姉妹艦やらがいない川内や大井建造したら何か起きてしまいそうな気もするけど

阿賀野とか大活躍してたしな
癒し存在が近くにいるってのは大きいと思うよ

今帰りました、ご飯これからなので昨日安価で取った三人のお話の投下だけになると思います。

>>36
そうですね、改めて取るので書いても反映は出来ないです。

今は睦月しかいないからな、癒し求めて好感度が凄い事になってるわ
いや睦月可愛いから大歓迎だけど

アニメ睦月の影響もあいまって
表情がくるくる変わる様が容易に想像できて楽しい

突然だが前スレ1000全力でナイス
それと癒し勢は既に好感度カンストしてるから
他の子がリセットされてるだけだから

このスレ1000取りとか無いでしょ

ないよ(無慈悲)

ないな

全力でナイスとか(爆笑)

果たしてこの提督にロリコンを責める事は出来るのだろうか

完全に寝落ちです、本当にありがとうございました。
20時に始めます。

疲れてる時は寝てもええんやで

今最も榛名に受け入れてもらいたい言葉だな、それ

榛名、君に仕事を与えよう
今からこの特注ベッドで6時間の睡眠を取るのが君の仕事だ
英国のスコットランドヤードでは捜査官は6時間の睡眠を取る事が義務付けられている

アイスティーでいいんじゃないですかね(適当)

雪風とゴーヤは面識があるんだね

>>65
同意。せっかく面白いのに体調崩して更新できませんなんてことになるほうが嫌。

>>68
サーッ(迫真)

睦月ケッコンに榛名の解消リーチに加賀の艦載機に雪風の見舞いに他etc
やれる事がいっぱいだあ…

攻略キャラが増えても金剛になるな

>>67
だれが誘拐されたんですかね…

別に鎮守府の人員が増えても出撃、演習、遠征で勝手に好感度上がってくからいいが、中央にいる金剛はどうしても後回しでいいかなと思ってしまう…

>>72
5で睦月・榛名と一緒に雪風へ見舞いに行ったついでに余ってる艦載機貰って金剛にも会おう(混乱)


睦月「提督、睦月負けちゃったのです……およよ」

提督「僅差だったんだ、そう落ち込むな」

 同じ駆逐艦同士での戦闘という事もあってか、目まぐるしく動き回りながらの撃ち合いとなった睦月だったわけだが、惜しくも優勢をとられてしまった。

 撃ち合い、とは言ったもののその弾薬─ペイント弾ではあるが─が実を結んだのは両者僅かなものである。

 制服の右肩の部分をオレンジ色のペイントで濡らしながら口を尖らせる睦月。

 睦月のダメージ……もとい、ペイント跡はほぼその部分のみで、後は被弾の際に散った飛沫が点々と白い制服についている程度だ。

 恐らく実際の実際の戦闘であってもせいぜいかすり傷程度だろう。

 そういう意味では、駆逐艦である彼女の出来うる限りの善戦であるといえる。

 少なくともただ闇雲に突っ込んだ夕立に比べれば正しい戦い方だ。

睦月「夕立ちゃんの辞書にブレーキと言う言葉はないのかな」

 酷く端的に夕立を表した言葉である。

 恐怖心を持たないことは凄いことだ。

 だけれどそれは、素晴らしいことにはならない。

睦月「睦月にはあんな戦い方出来ないのです」

提督「しなくて良いと思うぞ」

 睦月まで何も考えずに敵陣に突っ込むような事をされたらたまったものではない。

 現状一番夕立に目を向けているのは睦月なのだ。

 その睦月まで夕立のようになられたら、恐ろしいにも程がある。

睦月「でも、夕立ちゃんは勝ったし」

提督「勝てばいいと言う訳ではない」

 あんな刺し違えるような戦い方はして欲しくない。

 あれではまるで、自分の命について全く考えていないように見えて仕方ないのだ。

睦月「……」

 睦月が少し口を小さく開ける。

提督「どうした、睦月」

睦月「……そうです」

 悲しそうな声で頷いた。

睦月「夕立ちゃんが変だって思って、でもどこが変なのか上手く分からなかったけど。分かった気がします」

提督「……」

 かつて自分がそうであったように。

 そんな睦月だからこそ、夕立の異常にいち早く気付けたのかもしれない。

睦月「夕立ちゃんは、前の睦月に似ています……」


 仲間の死に心を痛めた睦月。

 そんな自分を守るために、これ以上傷つかないためにと悩んだ彼女が選んだのは、痛めた心を殺すことだった。

 それは勿論間違いで、今でこそ睦月もそうだと思えているけれど、しかし常に正しい行動をとれるほど人は強くない。

 だけれど厄介なことに、死にたくなるほどの絶望でも、壊れてしまいそうな不遇でも、本当にそうなってしまう事を望めるほどまでには人は弱くも無いのだ。

 悩みながら、苦しみながら、震えながら、怯えながら。

 強くなりきれるわけでもなく、弱くなりきれるわけでもないままの心と身体は、宙に浮いていられない。

 どこかで中間点を、

 どこかで妥協点を、

 どこかで平均点を出さなければいけないのだ。

 そして人は、概ねその場合、心を殺すことになる。

 苦しいと思う感情と、苦しいと思う状況。逃れられるのであれば、人は前者を選ぶ。

 何故なら、一度苦しいという感情を覚えた心は、それを忘れないから。

 楽しいよりも苦しい。

 嬉しいよりも哀しい。

 そう言った負の感情の方が、人は忘れるのに時間がかかる。

 だから、辛い出来事は残り続ける。忘れようと思っても、忘れられない。

 それから逃れるために、人は心を閉ざし、睦月は心を殺した。

睦月「自分を大事にしていないから、あんな戦い方になっちゃうんじゃないでしょうか」

提督「……かもしれない」

 そんな睦月が、いや、そうだった睦月がそう感じ取るという事は、きっとそれは正しい。

 だけれど夕立と睦月では決定的な差があった。

提督「夕立は、ここで建造されたはずだ」

 睦月は、その目で仲間の死を見てきた。

 そのせいで辛い目にあったわけだが、しかし夕立はそうではない。

 姉妹艦に位置する艦娘は、夕立もまた俺のせいで失っている。その点は確かに睦月と同じといえた。

 だけれど、それを直接見たわけではない夕立が、どうして以前の睦月と同じ価値観を持ってしまうのだろう。

 単に性格の問題なのだろうか。それとも何か別の理由でも、隠れていたりするのだろうか。

睦月「それは、分からないですけど……」

 さしもの睦月も、そこまでは計りかねると言った表情を浮かべる。

 それが分かっていれば、とうに睦月の口から答えが出ているか、更に言えば行動として移していてもおかしくはない。

 母港で向こうの鎮守府の駆逐艦と楽しげに話す夕立を見やる。

 その姿はやはり普段どおり純粋な様子で、一層俺と睦月の心に漣を立てた。


睦月「……」

睦月(提督、夕立ちゃんばかり見てます)

睦月(夕立ちゃんのことは睦月も心配ですけど……)

睦月(むー……)

睦月「やっぱりあの時勝ってれば褒めてもらえたのかなぁ……」

 ぼそりと睦月が呟いた。

 小声ではあったが、互いに近くにいたのでその声は確かに俺の耳に届いた。

提督「何の話だ?」

睦月「ふにゃっ!?」

 驚いた様子で睦月が肩を震わせる。

 慌てて口に手をやるが、しかし既に後の祭りだ。

提督「先ほども言ったが、君も頑張ったじゃないか」

睦月「んー……」

 口を押さえたままだったので、唸るような声になったが、それでも甘さは変わらない。

 そのまま口に手をやったまま、しかし少しずらして指の間から拗ねたような声を挙げる。

睦月「……じゃあ、褒めてくれるんですか?」

 そうだ、と即答しようとして……すんでの所で躊躇う。

 睦月の事だ。ただ頑張った、お疲れ様、などと言っても喜ばないだろう。

 理由は分からないが何故だか彼女は頭を撫でる事を良く要求してくるので、恐らく今回もそうねだるかもしれない。

 だがそれは、あまり個人的には好きではない行為だ。

睦月「やっぱり駄目なんですね」

提督「いや、そう言うわけでは……」

 しゅんと落ち込む睦月ではあったが、しかし何故だろう。追い詰められているのは自分の様な気がしてきた。

睦月「睦月、ショックです。提督のお役に立てなかった自分がショックです」

提督「いや、そう言うわけでは……」

睦月「うう。およよ」

 ……何だか、わざとくさい泣き方だが。一応ちゃんとフォローした方が良いか?

提督「良く頑張ってくれた。今回は惜しくも優勢は取れなかったが、次は……」

睦月「そんな事務的な言葉はさっき聞いたのです!」

提督「そう言われてもな……」


浜風「提督は固いと思います」

 背後から息を吹きかけるように浜風がそう囁いた。

 我ながら、飛び上がらなかっただけたいしたものだと思う。

提督「話をややこしくしないでくれるか」

浜風「そんなつもりはありませんよ」

睦月「もっとこう、士気を上げる様なチョイスと言い方をして欲しいのです!」

 睦月は睦月で、無茶な要求をし始めた。

提督「例えば」

睦月「ええと……」

浜風「『頑張ったね睦月ちゃん、勝負は惜しかったけど可愛さでは負けてないよ』とか」

提督「……それは向こうの提督の領分だろう」

 自分にそんな猫撫で声で褒めろなどと言うのは間違いだ。

 女性だから許されるものの、大の大人である俺が今のセリフを繰り返しても、気味が悪い。

浜風「んふっ……」

 浜風が顔を逸らして笑った。

 ツボだったらしい。今一沸点が分からない。

 というより、自分の言葉で笑わないで欲しい。

睦月「か、可愛……」

 睦月は睦月で、途端に顔を赤くしてしまう始末である。

浜風「良いじゃないですか……んふ、一度くらい言ってあげても……ふふっ」

提督「君は一旦笑うのを止めようか」

浜風「すみません」

睦月「あう……」

 火照った顔を隠すように俯く睦月であったが、浜風がそんな彼女の背後に回る。

 ……今し方まで俺の後ろにいたはずだったと気がしたけれど、深くは考えないでおこう。

 そのまま背中から手を伸ばし、睦月の頬に触れたかと思うと、くいっと持ち上げた。

睦月「ふにゃ!?」

浜風「ほら、提督。睦月は褒められて伸びるタイプなんです。ちゃんと褒めてあげてください」

 浜風の手でおおよそは隠れてしまっているが、きっとあの手袋の下の、睦月の顔は真っ赤なのだろう。

提督(どうしたものか……)


提督「あー……」

睦月「……」

提督「……その」

睦月「……あう」

 浜風に顔を持ち上げられているので俯けず、かといって目線を逸らすわけでもなく。

 目一杯の恥ずかしさを瞳に込めながら、その目尻は僅かながらに湿っている。

 少しだけ開いた口から微かに溜息が漏れた。

提督「……睦月」

浜風「ちゃん」

 補完をしないで欲しい。

睦月「ひゃい」

 そこで頷かないで欲しい。

 何だか自分がちゃん付けで呼んだみたいではないか。

提督「ええとだな」

睦月「……」

提督「ええと……だな」

睦月「……はい」

提督「……うん」

睦月「……はい」

 段々睦月の熱が冷めていっている気がする。

 これだけ俺が及び腰になれば、それもそうか。

提督(待てよ。という事は)

 つまりはこのまま誤魔化し続ければ、睦月も我に返り、浜風も飽きるのではないだろうか。

 そうなれば二人とも鎮守府に戻るだろうし、俺もこの場を切り抜けられるという事になる。

提督(しかしそれは……)

 なんと言うか、あまりに。

浜風「へっぽこですね」

提督「心を読まなくて良い」


睦月「……もー。良いのです。提督は臆病さんなのです」

 むくれたように睦月がそう言い、実際に頬を膨らませながら浜風の手を剥がした。

提督「す、すまない」

睦月「良いのです良いのです。提督がそういう人なのは睦月良く分かってるのです」

提督「拗ねないでくれ」

睦月「拗ねてません。拗ねてませんとも!」

 拗ねていない人ほどそう言う、と言ったらさすがに怒るだろうか。

 抗議の意味でもあったのだろうか、ぱたぱたと両手を振り回しながらその場で足踏みをした睦月だったが、

睦月「部屋に戻るのです。着替えないと」

 と言ったかと思うと、唇を尖らせながら鎮守府へと戻っていく。

 そんな睦月を見て、無言のままこちらに目配せをしたのが浜風だった。

 その意図も汲み取れないほどに唐変木になれなかった俺ではあったが、しかしだからと言って浜風の言葉をそのまま再生する程自意識過剰でもない。

 と言うより。

 可愛いだとか、綺麗だとか、魅力的だとか。

 あまりそういう、人を喜ばせたりする言葉を使いたくなかった。

 世辞や冗談で済めばいい。

 だけれどそれで留まらなかった時が怖い。

 万一、ほんの僅かな可能性でも睦月が俺の言葉に喜んで、俺に心を許してしまったら。

 大和や如月達、或いは金剛のように、少しでも少しでなくとも俺を好いてくれてしまったら。

 ……そのせいで、また彼女たちのように睦月が命を落としたら。

 ここは最果ての地。最後の居場所。

 そんな場所で折角立ち直った彼女を、死なせてはいけない。

 もうあんな悲劇は、起こしてはいけない。

提督「……すまん。睦月」

睦月「……、……」

 困ったような表情を浮かべ、睦月が微笑んだ。


睦月「もう。提督はしょうがない人なのです」

提督「ああ」

睦月「しょうがないから、睦月がしっかりするしかないのです」

提督「ああ」

睦月「だから、今回は我慢するのですよ」

提督「ああ」

睦月「……でも」

睦月「十回に一回……。うにゃ、五回に一回くらいは、褒めてくださいね?」

提督「……ああ」

睦月「睦月は褒められて伸びるタイプですけど、褒められないと寂しくて泣いちゃうのですよ」

提督「……善処する」

睦月「ん……」

睦月「約束。です」

提督「……、……。……分かった」

 守れる自信はなかったけれど。

 それでも、頷いた。気がついたら、頷いていた。

 睦月に対する後ろめたさだろうか。過去に対する罪悪感だろうか。それとも。

 ……、それとも。

 寂しい思いをさせたくないと。

 睦月には泣いて欲しくないと。

 そう思ったからなのだろうか。

睦月「……にゃはは」

 分からなかった。

 だけれど、やはり朱色のままの頬と、蕩けるような甘い笑い声を聞いて思った。

 少なくとも、睦月には今の笑顔でいて欲しい。

 照れた顔を隠す様にして駆けていった睦月の後ろ姿を見ながら、そう思った。

睦月ぶひいいぃいいいいい
可愛いよ睦月ぺろぺろぺろ!

……ふう。
この提督のトラウマをなんとかせんとどうにもならんな。

えぇ…(ドン引き)


浜風「奥手ですね」

提督「だらしがないよりはマシだ」

浜風「臆病ですね」

提督「モラルがないよりはマシだ」

 浜風は含み笑いを浮かべ、俺はその表情に溜息を吐いた。

提督「あまりからかわないでくれ」

浜風「そんなつもりは」

提督「ないとは言わせないぞ」

浜風「……あら。ふふ」

 どうにも彼女は俺をちくりちくりと刺すのが好きなようだ。

 ささやかな抵抗の如く質問を投げかけた。

提督「……こんな事を聞くのもどうかと思うが、君はあちらの提督にもそんな感じだったのか?」

浜風「……別に、そういうわけでもありませんよ」

 少しだけ表情を硬くした。

 というより、つまらなさそうな素面になった。

浜風「自分が艦娘ではなく深海棲艦かもしれない、だなんて誰にも彼にも話していたら、今頃私は解体、それか本部で処刑されていますよ」

提督「……そうだな」

 尤もな意見である。

 酷く正しい言葉だ。

 それが比喩でなく、本当にそうなるという事は、俺が良く知っていた。

 厳密には、俺ではなく、かつての彼女だけれど。

浜風「……まぁ、だからと言って、あそこまで怖がらなくてもいいとも思いますけど」

 それは恐らく向こうの提督と艦娘の事を指しているのだろう。

 確かに演習相手の艦娘は、戦うと言うよりは浜風から逃げるような形だった。

 浜風は逃げ纏う相手が半ば当てずっぽうで放ったペイント弾を微かに付着させただけで、そのおかげか浜風は終始優位に戦闘を進め、圧倒的大差でもって勝利した。

 とはいえ、同じ艦娘、それも駆逐艦同士に怖がられるのはまだしも、提督にまで恐れられると言うのは如何なものか。

浜風「それは……まぁ。あの人はそう言う人なんです」

 やや言葉を濁す。

 見てみると、向こうの提督の周りには、背の低い駆逐艦たちがしがみつくように甘えていた。

浜風「睦月はそれなりに好かれていたみたいですけど、私は駄目みたいだったようですね」

 一応同じ駆逐艦なんですが、と付け足して苦笑した。

睦月「壊れた提督と過ごす日々」

浜風は誰かに愛されたいのかね

睦月を取るとついでに浜風の事もわかるな

自分でもポジション測りかねてるのかもしらん>浜風

自分の正体は自分が一番知りたいじゃろう


 確かに浜風は精神的に大人びている。

提督「……」

 そこでふと思った。

提督「浜風。少し話を戻すが」

浜風「なんですか?」

提督「先ほど君は、自分の事を向こうの提督には話してはいないと言ったな」

 こくりと浜風が頷いた。

提督「ならどうして俺には話したんだ?」

浜風「……」

 一度答えようとして口を開き、しかし言葉は返ってこなかった。

 いつもの甘い毒を振りまくような含み笑いでもなく、かといって無表情でもない。

 何の飾り気のない、きょとんとした表情だった。

 彼女のそんな素朴な顔を見るのは初めてで、少し意外だった。

提督「……浜風?」

浜風「……え?」

 小さく口を開けたまま、浜風が返事をする。

浜風「……、そうですね。確かに、言われてみれば」

浜風「何故でしょうね?」

 静かに髪を揺らしながら、本当に分からないと言った感じで何もない空中に視線を泳がせた。

提督「……」

 その真意は、きっと浜風にだって分からない。

浜風「……私も、着替えることにします」

 ほんの少し浮ついたような足取りで、浜風が睦月と同じ道取りで鎮守府に戻っていく。

 不思議そうな表情のままの浜風のその姿は、とても脅威を振舞う深海棲艦のようには見えなかった。

 ただ、一人の少女のような。

 そんな後ろ姿だった。

かわいい(確信)

あとはポンコツか

加賀さんだな

そろそろ加賀さんをなんとかしないと

ポンコツのこと加賀さんって呼ぶのやめろ

お前ら小さい子以外に厳しすぎ

さっさと加賀さんのトラウマ解消してギャグ要員にしたい

ポンコツと呼ぶのがダメならかがもんって呼ぼう

なんだろうね、こう、ゴーヤと鈴谷と榛名と加賀と夕立と浜風と睦月と金剛雪風大淀の皆で楽しそうに笑う姿見たいな……色々乗り越えてさ

阿武隈・曙・阿賀野「俺もいるぜ」

加賀さんって演習で勝利したの最初の1回だけで他はボロ負けだよね…


提督「……ん?」

 向こうの提督を見送り、改めて母港を見回す。

 そこには呆然とした表情で立ち尽くす加賀が一人、佇んでいた。

提督「加賀……。す、凄いことになってるな」

加賀「……」

 ペイント弾まみれで、全身オレンジ色に近い加賀は、俺の言葉にも反応せず、ぶつぶつと何かを呟いている。

提督「ど、どうした加賀……」

加賀「頭に来ました……」

 ……良く分からないが、怒っているようだ。

提督「何があったんだ……」

加賀「小さければ良いわけじゃないわ」

 演習の話だろうか。

 いや、まぁ、今加賀が怒るとしたら、それくらいしか見当たらないのだけれども。

 確か加賀は、相手の動きに翻弄された挙句、周りの余計な言葉に反応している間に被弾してしまい、動けなくなった結果、その場で自ら砲台と化すしかなかったんだったか。

 しかし相手は駆逐艦、後ろに回りこまれたりして少しずつ被弾していった……ようだった。

 改めてこうして整理してみると、凄まじく意味の分からない戦闘だったとしか言えない。

提督「ま、まぁ落ち着け。確かに向こうの提督の言い分はアレだったが、しかし個人の好みの問題だ」

加賀「頭に来ます」

提督「そうみたいだな……」

加賀「小さければ良いわけじゃないわ」

提督「そうだな……」

 あくまで彼は例外と言うか、マイノリティだと思う。

加賀「ええ。そう」

提督「良く食べる人の方が健康的でいいな」

加賀「ええ。そう」

提督「例えばホットケーキとか」

加賀「ええ。あれは美味しかったわ」

提督「やはりか」

加賀「……」

わろた
殺戮マシーンのメッキどんどん剥がれてってるよー

擁護しようもないポンコツやこいつ。かわいいぞ
(艦載機開発しても多分演習では負けるんやろうな)

チョロイ

初期の深海棲艦絶対殺すウーマンの加賀さんは何処へ行ったんですかねえ…(困惑)

この加賀には是非翔鶴を絡ませたい

でも深海棲艦に相対するとやっぱりアレなんだろうな……
早く解消してあげたい

それでも出撃したら深海棲艦目の前にして顔面トランザムするんだろうな……

やめろ、そのフレーズは俺に効く

艦載機って剥ぐか貰うか造るかだよね


加賀「何故私だと思ったのかしら」

提督「いや、まぁ……」

 正直な所、本当は夕立か浜風あたりだと思っていた。

 だが実際に話を聞いて見ると、その夕立が加賀の名前を出したのだ。

 曰く凄くいい匂いがしたと。

 とはいえ、夕立の言葉をまるきり信じたわけではなかったので意外ではあったが。

加賀「……そう。あれは貴方のだったのね。それは悪い事をしたわ」

提督「別段怒っているわけではない。むしろ良かったと思っている」

加賀「それは……どうしてかしら」

提督「いや、あれを作ったのは俺ではなく睦月でな。折角作ってくれたものを、もし捨てられてしまっていたならば申し訳が立たないと思ったが」

 代わりに加賀が食べてくれたのであれば、それはそれで構わない。

加賀「そう……」

提督「味はどうだったんだ?」

加賀「素晴らしかったわ」

加賀「まず、見た目が良い。薄すぎれば食感が足りないし、厚ければ切りづらいし噛みづらい。丁度良い厚さね」

提督「あ、ああ」

 ペイントまみれで、冷静な表情のまま熱弁をふるい始めた。

新たな癒やしキャラかな(すっとぼけ)

こいつら食レポ上手いな

ええ…(困惑)

加賀さんに提督がマズ飯振る舞うとシステムにないとか関係なく
ガチで好感度下がりそう

睦月はメシウマなのか
良い嫁さんになれるな


加賀「入れたナイフを拒むほどの弾力は、粉を多めに使ったのね。にも拘らず表面にひび割れさえなかったのは、加熱のタイミングが丁度だったとしか言えないわ」

加賀「よほどずっと、片時も目を離さなかったのね」

提督「あ、ああ」

加賀「肝心の味だけれど、実は味は薄かったわ」

提督「そうなのか」

加賀「ええ。食感を優先して、粉を多くした分グラニュー糖を少なめにしたのかと思ったけれど」

提督「あ、ああ」

 本当は、蜂蜜を多くかけようとしていた俺のために、睦月が砂糖を少なくしたのだが。

 それはさすがに加賀も知らないことだったようだ。

加賀「それで蜂蜜で味の調整をしようと思ったのだけれど」

提督「……ああ」

加賀「どこを探しても蜂蜜がなかったわ」

提督「……ああ」

 俺がボトルごと伊58の部屋に持っていっていたからである。

加賀「なので仕方なくソースで食べたわ」

提督「何故そうなる」

加賀「お好み焼きみたいだったわ」

提督「何故そうなった」

加賀「でも貴方のだったのは知らなかった。ごめんなさいね」

提督「ああ、いや、それは別に構わない」

加賀「……そんな話はどうでもいいわ。それより、みっともない戦闘をしてしまった事の方が酷いわね」

 どちらかと言うと今一番酷いのは、ホットケーキの話でもなく戦闘自体でもなく、ペイントまみれの服装なのだが。

 しかしそれを言ってしまうと、海に飛び込んでまで色を落としかねないので言うのは辞めた。

クソ可愛い
トラウマ解消はよ

提督の料理でも問題なさげ

食えりゃなんでも良いんかい

かがもんは癒しはっきりわかんだね

つまり餌付けすれば好感度うなぎのぼり⁉︎

今日のポンコツはよく喋るな


加賀「深海棲艦相手ならばこんなヘマを踏むことはないというのに」

加賀「何故演習だとこうなってしまうのかしら」

加賀「……頭に来るわ。自分に」

提督「相手が艦娘だからじゃないか」

加賀「どう言う意味かしら」

提督「そのままの意味だ。相手が艦娘だから、」

加賀「私が油断していると?」

 遮るように加賀が低い声を挙げた。

提督「油断ではなく、躊躇しているんじゃないか」

加賀「……」

提督「君は、言葉では色々と他人を遠ざけてはいるが、心まで同じく冷たくはないんじゃないか」

加賀「……変な事を言わないで」

提督「君は最期まで日記の子……熊野さん、を看取った」

加賀「……やめて」

提督「手を噛まれてでも泣いてでも、守ろうとした」

加賀「やめて」

提督「それは優しくないとできないことだ」

加賀「やめてと言ってるでしょう……!」

 声を押し殺しながら加賀が唸る。

提督「その証拠に、君は今だって彼女の形見を大事にしているじゃないか」

加賀「……っ」

 微かに歯軋りの音が聞こえた。

加賀「私は……私は」

加賀「私は、貴方たちとは違う」

加賀「一緒になんか、しないで頂戴」

 苦々しい表情を隠そうともせずに、加賀はそう声を振り絞した。

コピペミスです、これを最後に足して補完していただけると幸いです。

>>127

 苛立った表情のまま、加賀が鎮守府へと踵を返す。

 当然それを追いかける術もなく、俺は最後に一人、母港に戻るのだった。


おおう・・・

唐突に訪れるシリアス
加賀はもう少し時間かかるなあ

この落差がたまんねえな

もしかして、みんなカワイイ?


加賀「……」

加賀「……敵発見。深海棲艦ね」

 陽の昇る海の上、一人で加賀がそこに居た。

 視界の中に深海棲艦を捉えた加賀が、迷うことなく敵に砲弾を開始する。

加賀「ふっ……!」

 何度も撃ち続ける。

 しかし加賀の脳内には目の前の海と、倒すべき深海棲艦以外の景色がありながら、どこか心ではぼんやりと違う事を考えていた。

加賀「……」

「油断ではなく、躊躇しているんじゃないか」

 それは、先ほど提督にいわれた言葉。

加賀「……っ!」

 頭を振って否定しようとするが、自分の中に勝手に流れる言葉は、オルゴールの様に繰り返し繰り返し転がっていく。

「君は、言葉では色々と他人を遠ざけてはいるが、心まで同じく冷たくはないんじゃないか」

加賀「違う……!」

「それは優しくないとできないことだ」

加賀「私はそんなじゃない……」

「その証拠に、君は今だって彼女の形見を大事にしているじゃないか」

 ぐっと手を握り締める。

 言い訳をするように、自分に言い聞かせるように加賀が呟く。

加賀「私はそんな、立派なんかじゃない……!」

加賀「私は……」

加賀「私はただ……」

 しかしその言葉も途切れ、ただ何も出来ず立ち尽くすように頭を垂れる。

 ……が、それは今の状況においては、悪手としか言えなかった。

加賀「……」

 仕留め切れていなかった深海棲艦が、砲弾を加賀に発射する。

 はっと顔を上げた時には目の前に砲弾。

加賀「……、……っ」

 咄嗟に身を捻ったが、しかしかわしきることはできず、加賀は痛みに顔をゆがめた。

加賀「くっ、被弾……!」

加賀「殺す……!」

 思い出したかのように、加賀が再度海を睨んだ。

加賀「深海棲艦は、必ず私が殺す」

 スイッチを入れる。

 加賀の瞳が、暗く濁っていった。

加賀「あの子達の分まで、私が……!」

 その先の言葉は、砲弾と波の音に消えていった。

1

深海相手だと本当に変わるな

浜風逃げて

浜風は結局どっちなんだ


提督「午後か……」

 書類を片付けて、立ち上がる。

榛名「午後は何をなさいますか?」

提督「そうだな……」

 やるべきことは多い。

 しかし一つずつ確実にこなしていかなければ。



↓1

1.出撃

2.演習

3.遠征

4.工廠

5.その他(自由安価。お好きにどうぞ)

1

5 加賀のために余った艦載機を譲って貰えないか中央鎮守府に聞いてみる

浜風と加賀さんを積極的に絡ませて優しい加賀さんに情を持たせないとバレた時にヤバそう

好感度先にやってたのか油断してたぜ

けど夕立の鼻は浜風に反応してないな

資源集めじゃな
しかしイベント抜きにすれば久々すぎる出撃、どういうことするんだったか

新海域気になるんじゃ〜

出撃は全員上がるから美味しいな
ドロップが怖いけど

鈴谷とゴーヤは上がらない(絶望)

せっかくみんな上がる機会なのに5人しか出せないのは勿体ないなぁ

好感度30越えたし、コンマ次第で参加するという可能性も微レ存……という期待

しょうがないね


提督「やはり、出撃だろうか」

 資源の少なさは、未だこの鎮守府のネックだ。

榛名「出撃ですね!」

 満を持してといった様子で榛名が姿勢を正した。

提督「ああ」

 机の引き出しから、先ほど仕舞ったのとは別の書類を取り出す。

榛名「それは?」

提督「ああ。今までは、鎮守府近海だけを探っていたわけだが、これは別の海域の資料だ」

 と言っても、ここからそう遠くは離れていない。

榛名「新しい海域ですか」

提督「あくまで、用意しただけだ」

 鈴谷と伊58は出撃してくれるかと言うと、やはり難しいだろう。

 であれば先に決めてしまってもいいのだが、一応声を掛けるくらいはした方がいいのだろうか。

榛名「提督?」

提督「……そうだな」


↓1

1.鈴谷に声を掛ける

2.伊58に声を掛ける

3.新しい海域の資料を詳しく見る

3

1

ドロップ出来ればB以上の艦がタダで手にはいるんだが…

ただし地雷付き


提督「榛名。新しい海域の資料だ。まずは君に見て欲しい」

榛名「は、榛名ですか?」

提督「全員に見せるが、最初は旗艦の君にと思ってな」

 無論俺は目を通してはある。

 が、実際に出撃をするのは彼女たちであり、海を駆けるのも彼女たちだ。

 俺では分からないことや気付けないこと、或いは勘付けない事があるかもしれない。

榛名「分かりました」

 いそいそと榛名が海面図に目を通す。

榛名「……なるほど」

提督「何度も資源をとってきた今の場所より、収穫できる資源の期待値は高い。だが……」

榛名「その分危険、と言うわけですね」

 首を縦に振る。

提督「恐らく今回も、五人での行動になるだろう。あまり無理はしなくてもいいが、どうする?」

榛名「……榛名は、提督の指示に従うまでです」

 彼女ならばそう言うだろうと正直な所思っていた。

どちらかというと機雷だな

機雷なんて嫌いだ……

審議拒否


南西諸島海域(いわゆる2面)


燃料・弾薬・鋼材・ボーキ=コンマ+30
深海棲艦の判定=数は3~6の中からランダム。強さもコンマ。運が悪かったら姫。
ドロップの判定=これまで通り。

姫か
コンマで轟沈とかもあり得るのかね

アカン

ただでさえ可哀想なのに轟沈とかやめたげてよお!

いっ一面で…

なんかさ、あの子にこんな一面が、ってのに気付いてさ
それなら、よしこれからもっと仲良くしようってなった時に限ってさ

立つんだよね……フラグが


榛名「提督は、どうなさるおつもりですか?」

提督「……」

 しばし考える。

 資源は確かに現状の鎮守府では大事だ。

 とはいえ未知の海域に対して、無闇に突っ込むのも危険だ。

 五人での出撃で、果たしてどちらを選ぶべきか。

提督「そうだな……」

提督「今回は、こちらにしよう」


↓1

1.鎮守府海域

2.南西諸島海域

1

轟沈はありえます。轟沈したらまぁ、お察しの感じになります。

お前らチキンだな…いいことだ

欲出すと碌な事にならない

期待値で言えば単純に鎮守府海域二回選択すりゃそれで十分だし
建造最低値分にコンマは委ねられない

浜風なら大丈夫そう

好奇心で2に行ってみたかった

睦月型連れて姫はちょっと…

艦載機もないんじゃ辛い

艦載機っていってもイッチは練度とか装備はコンマに全く影響を及ぼさないって明言してるしな

艦種と数はどうだろう

>>31見りゃ分かるが艦載機積んでも戦闘コンマに下駄履かせられないぞ


提督「……やはり今回は、いつも通り近海を中心とした出撃にしよう」

 五人での出撃というのが、少しばかり心許ない。

榛名「そうですか……」

提督「……? どうした、榛名」

榛名「いえ、何でもありません。他の皆を呼んできますね」

提督「ああ。頼んだよ」

榛名「はい」


榛名(……)

榛名(やはり、演習でも勝てない榛名が旗艦では、頼りないのでしょうか)

榛名(榛名がもっと頑張れば、新しい海域への出撃を任せてもらえるのでしょうか)

榛名(榛名以外が旗艦だったら、違う海域にも出撃するのでしょうか)

榛名(加賀さんや鈴谷さんであれば、もっと頼れるのでしょうか)

榛名(もっと、もっと頑張らなくては)

榛名(でないと……また旗艦を外されてしまう、かも)

榛名(それは……嫌です)
 

えぇい気持ちは分かるが自分のことばっかりかこの榛名

でも轟沈したらのことを考えるとな…

>>184
まあトラウマも絡んでるからさ……

何がどうコンマ判定に絡んでくるのかわからないから
万全にほど遠い状態でギャンブルはしたくないよ

普通にゲーム感覚でコメントしてたわ
でもそろそろ加賀さんに艦載機持たせたい(小声)

金の無い時のギャンブルは失敗するもんな

鈴谷の出番ぅぅをををーー!


夕立「出撃! 出撃! っぽい!」

加賀「……うるさいわね」

睦月「夕立ちゃん、加賀さんに迷惑かけちゃ駄目だよ!」

浜風「本当は夕立を取られて寂しいんじゃ」

睦月「そ、それは違うよ」

夕立「睦月ちゃん寂しいっぽい?」

榛名「準備整いました。……、榛名、出撃します」

提督「ああ。気をつけていってくれ」

榛名「……、はい」



そんなわけで出撃コンマ

↓1のコンマの数だけ燃料
↓2のコンマの数だけ弾薬
↓3のコンマの数だけ鋼材
↓4のコンマの数だけボーキ


↓1~↓4のコンマの一の位で一番小さい数字の数だけ敵出現
↓1、↓2にぞろ目でドロップ(安価)
↓3、↓4にぞろ目でドロップ

ほい

ひぇ

いけぇ

11

ほぼ理想に近い出目じゃないか

なかなか豊作

ドロップだー!

ドロップ安価まで引き出せてるな。すげぇ
とはいえ間違えて轟沈した子安価に出すなよー

安価だったすまん

資源しっかり回収かつ安価でのドロップあり…理想的だ

ドロップって艦種自由だっけ?

我ながらなかなか良いコンマだ

嫁のロシアンルーレット

ドロップは何が良いんだろうね??

燃料175→259 弾薬154→242 鋼材188→241 ボーキ191→282
敵の数:1

ドロップ艦を指定してください。生きている艦娘ならば誰でも構いません。

↓1

ついでに好感度のコンマも合わせて。
榛名↓1のコンマ十の位
加賀↓2のコンマ十の位
睦月↓3のコンマ十の位(ぞろ目だったらYP+1/90を越えたら小話1つ)
夕立↓4のコンマ十の位
浜風↓5のコンマ十の位

清霜

愛宕

伊勢

秋月

攻略対象増えたwwwゴールが遠退いて嬉しいような微妙なような
安価なら鳳翔

しょうかく

那智

榛名克服?

駆逐艦が揃ったし遠征できるな

忠告入ってたのに駆逐艦って…

これは南西の提督の事をとやかく言えませんね……。たまげたなあ

忠告無視で>>1も困惑
安価だから仕方ないね

ルーザーが出るのは仕方ないね

>>216
ここ遠征には艦種関係ないよ
むしろ敵が出るから駆逐艦だけとか悪手じゃね

まあともかく榛名もトラウマ克服で良かったじゃないか

もっと高火力艦が欲しいです…

まあ好きな艦娘ならしゃーないやろ
建造Eで重い奴出そうぜ

まあしゃーないね
全部コンマなんだし駆逐艦でも有利不利無いし良いんじゃね

こんなん読んでなくて安価取りたかっただけやろ無効や

前スレで駆逐艦ばかり増やしてって注意されてたのにな

戦艦を目指してる清霜ならやってくれるさ

まあ、レア艦だし別に良いか(現実逃避)

明かに住民の意向にそぐわない

果たして尊敬する武蔵を沈めた提督と仲良くなれるのか

まぁ無理に攻略する必要も無いし適当に遠征に出しとけばいい

住民の意向にそぐわない(笑)

まあ、安価ならしょうがないね。
好きな艦むす取れて良かったね。
次はもっと頑張るか・・・。

安価取った奴だって住民(かもしれないん)だよ!

駆逐艦自体の数が多いし、見えざる手による操作がなければまぁ単純にこうもなる

出撃時の艦種差どれぐらいあるんだっけ…

まあ資材も溜まったら建造もできるべ
どうせなら特殊艦種が欲しかったが…

何にしてもこれ清霜攻略されないだろうな


榛名(榛名が、頑張らないと……!)

浜風「……!」

睦月「どうしたの、浜風ちゃん」

夕立「敵の匂い!」

榛名「ど、どこですか?」

夕立「見つけたっぽい!」

浜風(凄い嗅覚……)

加賀「せめて私の射程の直線内に入らないで頂戴」

夕立「分かんなーい! ぽいー!」

榛名「ま、待ってください!」

夕立「一匹だけだから、すぐやっちゃうっぽい!」

榛名「夕立さん!」

加賀「それは譲れないわね」

榛名「加賀さんまで……!」

睦月「もー夕立ちゃん! 駄目だってばぁ!」

浜風「榛名さん。どうしますか……と言っても、向かうしかありませんけれど」

睦月「もう。加賀さんまで行っちゃったのです」

榛名「う、う……」

浜風「……榛名さん?」

榛名「榛名では駄目なんですか……」

睦月「……およ?」

榛名「榛名が旗艦だから、駄目なんですか……!?」

浜風「……ええと」

睦月「榛名、さん?」

榛名「これでは、夕立さんか加賀さんが旗艦と変わりません……」

榛名「やっぱり榛名は要らないんですか?」

睦月「榛名さん、ちょっと、落ち着いて……」

榛名「何をどうすれば良いんですか!?」

榛名「どうすれば榛名は認めてもらえるんですか!」

榛名さん空回りし過ぎィ

戦場真っ只中で行うべき訴えじゃねぇ!

余裕がないからこその訴えなのに
タイミングのせいか余裕かましてるようにみえる

睦月90越えたから小話か

他の娘と違って切羽詰まった面しか見てないから浄化されるとどうなるか凄い気になるわ

噛み合わない歯車が空回りとかどうしようもないぞ……噛み合わせる為に調節も効かん


夕立「駆逐棲艦一匹だけなんて、簡単、っぽい!」

 唇を釣り上げながら夕立が砲弾を発射する。

 同時に魚雷を身体をやや左に捻って落とすと、魚雷は敵の方向へと誘導され、半弧を描く。

 それを見ながら、それとは反対の円周を描くように右へと滑る。

 魚雷から逃げようとした駆逐棲艦だったが、それも反対から迫る夕立に防がれて、前へ飛び出るように海面を跳ねた。

加賀「逃がしません」

 が。

 そこには既に加賀が、準備万端と言わんばかりに構え済みだった。

 海面に着地すると同時に額を撃ちぬかれる駆逐棲艦。

 さらに追撃と言わんばかりに背後から夕立が砲弾を振り下ろすように撃ちまくる。

夕立「あはは!」

 吼えながら逃げようとするが、砲弾が身体を貫くたびにその動きが鈍っていく。

 前方に加賀、後方に夕立。

 容赦のない砲弾に抵抗も出来ず、駆逐棲艦が海面に身体を投げ出し、そして動きをなくしていく。

 そのまま海中へ沈んでいこうかという身体を、それでも夕立が連装砲を構えた。

 同じく加賀も砲撃の構えをしたまま、駆逐棲艦の身体を粉々にするまで打ち抜くべく目を細めた、その時。

榛名「っああ、ああああ!」

加賀「──……!?」

 加賀の横を何かが通り過ぎる。

 それが榛名だという事に、自分の横を通り過ぎた後に気がついた加賀。

加賀「な、何を……」

榛名「許せません、許せません、そんなの! 嫌です!」

 速度を緩めず、そのままの勢いのまま砲弾を発射する。

 駆逐棲艦めがけた砲弾は、何発かはそのまま命中し、また何発かは逸れて海の中へ沈んでいく。

夕立「ひゃぁ!?」

 当然接近して撃ちまくっていた夕立にも危うくそれが当たりそうになるが、すんでの所でそれを避ける。

夕立「榛名さん、な、なに!? どうしたの!?」

つまりアレか、最初に榛名を旗艦に選んだ時点で詰んでいた、と。
最初から閑職にまわされていれば「どうせ私なんか」とウジウジしているだけで我慢出来たはずなのに
下手に要職に着けてしまったが故に自分の存在の無意味さが際立ってしまった

加賀みたいに放置してもさほど爆発しないタイプと
一定程度定期的にアプローチしないと爆発するタイプがあるんじゃない?

詰んでない詰んでない
というかトラウマ解決に向けたプレイベントのようなもんだしそう気負わんでも

今度こそ『懲罰』を与えられると考えれば、まぁ

榛名は悪い子!榛名は悪い子!

悪い子はお尻ペンペン!おら、尻を出せ!


 榛名は夕立の言葉には答えず、砲弾を撃ち続ける。

 しかしそれに意識をおきすぎたのか、ブレーキが遅れた榛名は、駆逐棲艦と夕立を通り越して、無理に反転をし、身体を海に投げ出した。

 よもや榛名が、そんな不恰好な転倒をする所など誰も見たことがなかったので、加賀も夕立も、もっと言ってしまえば睦月や浜風も呆気にとられて跳ねた波飛沫に目を奪われた。

 ここで駆逐棲艦がまだ生きていればまた波乱の展開にもなったかもしれないが、さすがに三人の砲弾を浴びて生きていられるほどタフではない。

夕立「は、榛名さん? 大丈夫っぽい?」

榛名「はぁ、はぁ……けほっ」

 海水を飲み込んだのだろう。咳き込みながらよろよろと立ち上がる榛名。

 視線は駆逐棲艦に向いている様でもあり、そうでもないようにも見える。

榛名「要らなくなんかないんです……要らなくなんかないんです」

榛名「出来るんです……出来るんです!」

 これまでの出撃と演習。

 出撃では加賀と夕立が殆んど相手を倒し、榛名は深海棲艦を倒すどころか、味方の陣形の指揮さえとれていない。

 演習では一度の敗戦、一度の引き分け。唯一の勝ちは、あの金剛相手の空気を掴むようなものだけ。

 榛名は、正直な所、自分が必要とされているのかどうかがもう分からなくなっていた。

 だけれど、何もそれは榛名に力がないだとか、彼女が無能だとか、そういう事では決してない。

 夕立の暴走癖は誰にだって止める事ができていないし、榛名からすれば加賀は自分より先にこの鎮守府にいる相手である上、戦闘経験の豊富な空母(戦い方は空母ではないが)だ。

 この二人に先んじられるのは仕方のないことだともいえる。

 演習にしても同様に、大差で負けたわけでもないし、金剛とのやり取りを除けばたったの二回しか行っていない物に対して評価も何もないだろう。

 とはいえ、それでも、たったそれだけでも。自分の居場所がなくなってしまうのではないかと言う思いが、榛名にはあった。

 また部屋に居なければいけない日々なんて、もう彼女には耐えられなかった。

 しかし現実を上手く乗り切れる器用さは榛名にはなかった。

 溜め込みすぎた自分への不満と不安が、抑えきれなくなって溢れてしまったのだ。

榛名「榛名は大丈夫なんです……榛名は、大丈夫なんです!」

夕立「も、もう敵は死んでるっぽい! 撃たなくても!」

 まさか夕立が誰かを止める立場になるとは誰も思ってはいなかったが、しがみつくようにして榛名を制す。

 そうして抱きついた夕立だけが、榛名の震えに気がついた。

ドーモ、テイトク=サン、ケンペイです。
ハイクを詠め、カイシャクしてやる

夕立の「榛名さん、何?どうしたの」が俺らの気持ちを代弁してるな

はぐれイ級「解せぬ」

遠征って好感度上がらないんだよね?

>>254
確かに提督は多数の戦力を失わせた無能だが
今ここでスレイされる謂れはない!

イ級「ここまでされる謂れはない!」

>>257
上がらないっぽいね

イ級は犠牲になったのだ……以前鎮守府から続く榛名のトラウマ改善……その犠牲にな

浜風さんに協力してもらって鎮守府の近くに偶然沸いたイ級でも掃除させて自信を回復させよう(提案)

>>260
なら清霜に遠征して貰えば取った人は清霜の活躍が見れて満足
怒ってる人達も清霜の好感度が上がらなくて満足で解決だな

過去安価に不満があってもそういうのはどうかと思うよ

取られた安価に文句を言わないのは当たり前のマナー

どんだけ清霜嫌われてんのかと、あんまりにもあんまりだ……

なおこの流れも単発Oの自演と言われる模様

わからんでもないけどそんな事わざわざしなくても放置しとけばいいだけだろ

言うほど末尾Oがいないんですが…

住民の意向とか話の方向性を相談とかいう頭のなかお花畑な奴らだけだろ、文句いうのは

質問に俺は答えただけだぞ

Oをoに見せる方法がうんぬんかんぬんとか言い始めるんだろうそうだろう
閑話休題

やっぱ提督としては駄目だよという意味でもこめかみグリグリしてやるべきか

安価は取ったもん勝ちだから仕方ないね
嫌なら自分で取れば良いさ

下手なことすると加賀さんによる「通報しました」が発生するんやな

一部のキチガイの声が大きいと全体がキチガイの集まりに見えるから困る


提督「そんな事が……」

夕立「大変だったっぽい」

 執務室。

 一度感情が噴火してしまったら中々収まる事はない。暴れるようにして抵抗していた榛名をほぼ全員で鎮守府に連れて返ってきたのが三十分前だ。

 今榛名はこの部屋にはいない。彼女の私室だ。

 部屋に連れて行くと、ますます子供のように嫌がる榛名ではあったが、さすがにあの状況の彼女をここに連れて行くわけにはいかない。

睦月「今は加賀さんが榛名さんについているのです」

 夕立や睦月では止められそうにないので、加賀以外に選択肢はなかったのである。

提督「そうか。ありがとうな、夕立」

夕立「うん」

 さっと執務室を見回す。

提督「……さて、それでだ」

 夕立。睦月。浜風。

「……」

 そしてもう一人。

 灰色に近い長い髪を、後ろで括っている。

提督「まずは、名前を聞かせてもらえるかな」

清霜「夕雲型の最終艦、清霜、です」

 どことなく怯えた口調の彼女はそう言った。

睦月「帰りに発見したのですよ!」

 睦月や浜風同様、漂流していたようだ。

提督「夕雲型、という事は、駆逐艦か」

清霜「はい、駆逐艦です。清霜は、駆逐艦、です……」

提督「……?」

清霜「な、なんでもありません」

提督「君は、どこかの鎮守府の子かな?」

清霜「い、いえ、違います。今は、一人です」

 今は、という事は、前はどこかに居たのだろうか。

清霜「よろしくお願いします」

提督「ああ。よろしく頼む」

清霜「はい……」

やっぱり清霜もなんかトラウマ抱えてるのかね

>>276
>清霜「はい、駆逐艦です。清霜は、駆逐艦、です……」

うーんこの露骨に伏せられた機雷

榛名が暴れたタイミングでやってくるとかタイミング悪すぎるなこの清霜

そらそうよ(震え声)

榛名にボコボコにされてドロップした駆逐艦…

あっ(察し)

戦艦になりたい子に、いきなりあの榛名見せたんか……

ピンと来ない自分の鈍感さを呪う

まさかこのスレの流れから着想を得たのか(罪悪感)

清霜はまあわかりやすいかな?

ただ淡々とケッコンカッコカリに近づくのも味気ないので、好感度70,80,90になる(越える)度に何かちょっとした小話でも入れようかと今思いました。
そういうわけで、睦月さんの何かしら

↓1 シチュエーションをどうぞ

二人でデート

提督を癒すとか

提督のお料理特訓

あの榛名を見たならむしろ気が楽になりそう

今度こそホットケーキを食べさせる

親子的なのじゃなくて真っ当なデートか

おう70と80と90の3回分やるんだよう

良いね!

二人で思い出の遊園地にもう一回恋人として行ってみたいもんだねえ

確かに睦月だけ少ないのはいただけませんねぇ(ゲス顔)

睦月的には心躍るかもしらんが肝心の提督が真っ当さに欠けてるから……
でも提督も少しは丸くなってほしいな

ポンコツさんも提督とこうなれるのかねぇ

70:女の子側からアプローチ(軽)
80:女の子側からアプローチ
90:提督からアプローチ

みたいに段階踏めばいいんじゃね?

提督のトラウマ解消しないことには無理じゃないかな

提督のトラウマってどうやって解消するんだろ
提督に詳しい前の鎮守府の面子か人心掌握が上手い浜風に絡めば良いのか?

雪風がキーかな

ケッコンカッコカリで何かあったりするのかもね
最近睦月安価の時は微妙に感情出てるし


90なので、頑張って可愛く出来るよう書きます(可愛くなるとは言っていない)



睦月「起きてください、朝です、朝なのですよ」

提督「え、な、なんだ」

 叩き起こされて目が覚める。

 丁度うとうととしだした所だったので心底驚いた。

睦月「もう朝なのですよ!」

提督「あ、ああ……朝か」

 ゆさゆさと身体を揺さぶられるが、今まさに眠ろうと思っていたので未だに身体が起きるのを拒否しようとしている。

睦月「もう七時なのです、何を夜更かししてたんですか」

提督「まぁ、少し」

 夜更かししていたわけではなく、余り寝付けなかっただけなのではあるが、言っても仕方ないので黙っておく。

 何度見てもあの夢は耐えられない。

睦月「……む」

 難しい表情を浮かべた睦月。

睦月「何か嫌なことがあったと言う顔ですね」

提督「えっ」

 見透かされたようにぴたりと言い当てられ、つい声を挙げてしまった。

 思わず、しまった、と後悔したが既に出した言葉は取り消せない。

提督「何で分かったんだ」

睦月「分かるのです」

提督「そんなに不機嫌な顔をしていたか」

睦月「いつもの仏頂面です」

 酷い言い様だったが、しかしだとしたら何故分かったのだろう。

睦月「……それは、まぁ」

睦月「いつも見てますから」

 少し恥ずかしそうにそう言った。

睦月「そ、それより。おきるのですよ」

提督「分かった、分かったから……」

 布団を剥ぎ取ろうと睦月が接近する。

 甘いシャンプーの香りが少し漂ったが、それも一瞬だけのことで、すぐに寒さに肩を震わせた。

睦月「ささ、起きるのですよ」

ケッコンする=提督のトラウマ解消してるってことだろうし「※提督浄化後の時系列です」とかでもいいんじゃね

ED提督からのプロポーズ…
無いな

過去のトラウマを拭うために睦月と身体を重ねる提督もありじゃないか

身体より先にまず心重ねてほしい

重ねる心なんてものが提督にあるのかどうか……


提督「寒い……」

睦月「朝ご飯出来てますので先に食堂に行ってて下さい」

提督「睦月はどうするんだ?」

睦月「片付けておきます」

提督「それはさすがに……」

睦月「いいのです、どうせお布団お洗濯するつもりだったので」

 確かに今日はいい天気である。

睦月「もうすぐ年末ですし」

提督「……じゃあ、すまないが、頼んでもいいかな」

睦月「はい!」

 寒さに鼻を啜りながら、睦月の言葉に甘えて食堂へ向かうことにする。



睦月「……」

睦月「……行きましたか。それじゃすぐに片付けて睦月も食堂に」

睦月「……」

睦月「あったかい」

睦月「……はっくち!」

睦月「……」

睦月「……ちょっとだけ、ちょっとだけ」

睦月「提督のお布団……もとい、ベッド」

睦月「すんすん……」

睦月「……」

睦月「……あったかい、のです」

睦月「……」

睦月「えへ、へ……へ」

睦月「……」

睦月「……」

睦月「……Zzz」

だらしない顔した駆逐艦が寝てるのが見える

艦娘の肉体を恣にするなら、
先に鈴谷からの信頼と親愛と赦免を得ておかないと不味そう
所詮私たちを道具としか見ない奴らの一人と思われちゃったら挽回無理ぽ

そんな事気にせんでも好感度上げてしまえば解決する

お前らその前に眠り始めた天使について何か言うことはないのか?

好感度上げるにしてもルートの違いでその後が変化するとか言ってなかったっけ?

かわいい

娘にしたい

>>316
選択肢ででしょ?
なら変な選択肢を取らない様にすればいい

貴様らなんぞにうちの睦月はやらん!


提督「……おお。美味しそうだ」

提督「先に食べてて良いのだろうか。睦月を待つべきか」

提督「でも、見た感じ俺の分だけだな。睦月はもう食べたのか?」

提督「布団を干すのも、すぐには終わらないだろうし、食べて……良いか?」

提督「……いただきます」

提督「まず味噌汁から。キャベツとワカメか」

提督「キャベツは冬が丁度旬だったか? 甘くて美味しい」

提督「味噌汁にするとキャベツの甘みが更に増すな。この、きゅっきゅとした歯ごたえもたまらない」

提督「ワカメも……うん。良い」

提督「ぬめりが強すぎるのはあまり好みではないが、出来たてだからかそれもない」

提督「卵焼きではなくオムレツか。中身は……」

提督「椎茸に人参、それにひき肉と……玉葱か。それに彩りのブロッコリー」

提督「この食感と甘味。たまらないな」

提督「卵も軟らかい。美味いな」

提督「ケチャップをかけるか。生でなければ大丈夫だからな、トマト」

提督「焼き魚は、鮭か。塩加減が丁度良い」

提督「あとこれは……胡瓜とカブの浅漬けか。睦月がやったのか?」

提督「良い。うん。良い味だ」

提督「……ふう。あっという間に食べてしまった」

提督「……」

提督「……」

提督「……睦月、遅いな」

提督「洗い物したら、部屋に戻ってみるか」

飯テロかよ
腹減っちまったよ

良妻だな

何でどいつもこいつも食レポしなきゃ気が済まないんですかねぇ……しかも無駄に上手いし

ssで飯テロ喰らうとは思わなかった

孤独のグルメみたいだな

全部独り言だと思うと泣ける
提督、やっぱ寂しいんじゃないか

すっかり秘書艦だな睦月
榛名もう少し頑張れ


睦月「……」

提督「いい加減機嫌を直してはくれないか」

 街である。年末である。

 色々と大掃除や年明け用に買っておくべきだという睦月の強引な言葉に押されて、こうして二人で街を歩いているわけではあるが。

 どうしてか睦月は頬を膨らませて、俺の一歩前をずんずんと歩いていた。

睦月「……だって」

提督「勝手に部屋に入ったのは悪かったが、しかし執務室なんだからしょうがないじゃないか」

睦月「……うー」

 口を尖らせて抗議する。

提督「それとも、ずっと寝巻きで廊下にいるわけにもいかないじゃないか」

睦月「……そうですけどぉ」

提督「何も君の隣で着替えたわけじゃない。ちゃんとトイレで着替えたんだから問題ないだろう」

睦月「そうですけどぉ」

提督「なら何をむくれているんだ」

睦月「……だって。提督に、寝顔見られちゃいました」

提督「まぁ、そうだが……」

 それを言ったら、俺だって睦月に寝顔を見られている。

睦月「でも、睦月は一瞬だけです。提督はじーっと見てたのです」

提督「誤解を招く言い方は止めてくれ」

睦月「だって、一時間以上も経ってたのです」

提督「まぁ、な……」

 現在時刻は九時すぎである。睦月が執務室に来たのは確か七時過ぎだったので、一時間以上と言うよりは、ほぼ二時間と言ったほうが正確だ。

提督「別に、寝顔を見ていたわけじゃない」

 コーヒーを飲んだり、書類の整理をしたりしていた。

睦月「でも、書類の整理という事は、すぐそこに睦月が寝ていたんでしょ?」

提督「まぁ、確かに」

睦月「じゃあやっぱり見ましたよね?」

提督「やけに寝顔にこだわるな……」

睦月「だって、自分が寝てる時の顔なんて、どんな顔してるか分からないのです。もしすごいブサイクな顔してたらと思うと!」

提督「それはなかったかと思うが……」

睦月「やっぱり見たんじゃないですかぁ!」

提督「いや、少しだけだ。不可抗力だ」

睦月「ふにゃー!」

なんだよこれ可愛すぎでしょ

あ、天使がいる

私の天使ちゃん

もうケッコンまでいきたいな

天使といちゃいちゃしてる裏には、トラウマ抱えている娘がまだまだおるんや


睦月「……それで」

提督「なんだ」

睦月「どうでしたか、その」

提督「……なにがだ」

睦月「だから。もう。あれです」

提督「……どれですか」

睦月「……ううー」

 さすがに睦月が何を言いたいのかは分かってはいるが、しかし答えようがないので、誤魔化すことにする。

提督「喉が渇いた。自動販売機で、飲み物をだな」

 ……これはさすがに、確かに浜風にへっぽこと言われても仕方ない。

提督「俺はコーヒーを買うが、睦月はどうする。ココアにするか?」

睦月「それよりも!」

 自動販売機と俺の間に割って入り、両手をばたつかせながら叫ぶ。

睦月「む、む、むむむ!」

睦月「睦月の寝顔はどうだったんですか!?」

提督「待った、睦月、待った」

睦月「変でしたか!? ぶさいくでしたか!?」

提督「それはない、それはないから、少し声のボリュームをだな」

 休日の朝。しかも快晴。

 待ち行く人の視線が痛い。

 ……痛い。

睦月「せめて可愛いか可愛くないかだけでいいから教えてください!」

提督「ちょっと、睦月、本当にちょっと」

 ひそひそとこちらを見ながら話す声が聞こえたり聞こえなかったりするが、それよりも今はこの場を逃げ出したほうが懸命だろう。

睦月「答えてくれるまで動きません! 睦月は……」

提督「分かった、分かった。かわ、んん。……いい。これで納得してくれ」

睦月「そんな間にモザイクみたいに咳払い入れた“可愛い”なんて嫌なのですよ!」

提督「これが限界だ、本当に限界だ」

睦月「もう一声! もう一声!」

 何だその掛け声は!

提督「かわ、い……い。いや、かった。かわ、い、かった、と思う」

睦月「にゃおう……」

睦月よくがんばった!
やっぱ提督が攻略対象っぽい

この提督何歳なんだろ
それによってかなり周囲の見る目が…

かわいい…
他の娘のデレも見なきゃ(使命感)

とりあえずほぼリーチの睦月とケッコンしてから他の娘も見なきゃ


提督「……」

睦月「……」

提督「……ああ、ええと」

睦月「ひゃい」

提督「どこ行くんだっけ」

睦月「ス、スーパー、です」

提督「あ、ああ」

睦月「……」

提督「……」

睦月「……」

提督「ああ、ええと」

睦月「ひゃい」

提督「どこのスーパーだ?」

睦月「す、すぐそこ、です」

提督「あ、ああ」

睦月「……」

提督「……ああ、ええと」

睦月「ひゃい」

提督「さっき買ったココア、飲むか?」

睦月「ひゃい」

提督「どうぞ」

睦月「ひゃい」

提督「俺も飲むか……」

睦月「……」

提督「……甘い」

睦月「……苦い!」

提督「す、すまん。逆だった」

睦月「ひゃい、だ、大丈夫なのです。睦月は大丈夫です」

提督「それは違う人のセリフだ、落ち着け。交換するか?」

睦月「ひゃい……あ」

睦月「……」

睦月(交換したら、間接……)

睦月「やっぱり交換しないのです!」

提督「そ、そうか……?」

睦月「あう……」

提督「やっぱり交換」

睦月「大丈夫なのです!」

提督「あ、ああ」

きゃわいい


提督「デパートについたが」

睦月「すみません、まだ飲みきってないのです」

提督「無理はしなくていいんだからな。どうしても飲めないのなら、捨ててもいい」

睦月「勿体ないのです」

提督「缶飲料一本くらい、そんな大した額では……」

睦月「駄目なのです、そうやって無駄遣いしたら、すぐに貯金がなくなることになるのです」

提督「そ、そうか」

睦月「今飲みきります。んぐっ」

提督「無理するなよ」

睦月「やっぱり苦っ、うえっ……あ」

提督「あ」

 苦さに咽た睦月の手から、コーヒーの缶が零れる。

 そのまま中身が睦月の制服を濡らした。

睦月「あう……」

提督「大丈夫か、火傷してないか?」

睦月「……う」

 じわりと睦月の目に涙が溜まっていく。

 どこか火傷をしたかもしれない。

提督「とりあえず、丁度デパートについたし、服を買うとして。ハンカチは持ってるか。もってなかったらこれで拭いてくれ」

睦月「……あう、うう」

 しかし睦月は涙を零してしゃがみ込んでしまった。

提督「大丈夫か。救急車……は大げさか。近くの病院に行こうか」

 ふるふると首を横に振る。

睦月「火傷はしてないのです……ぐす」

提督「じゃあ、どうして泣いているんだ?」

睦月「朝から空回りばっかりして、提督に迷惑かけて……こんなんじゃなかったのに」

 鼻を啜りながら、零れる涙を両手で拭う。

睦月「ごめんなさい」

提督「……」


提督「……、……。ああ、ええと。睦月」

睦月「……なんですか?」

提督「そうだな……」

睦月「……ふにゃ」

 躊躇いながらも、睦月の頭に手を置いた。

 砂糖の髪を梳かすように撫でる。

睦月「て、提督」

提督「どうした」

睦月「無理して撫でなくても良いのです。提督、そういうの、好きじゃないって」

提督「睦月が言ったじゃないか。五回に一回は褒めろと。だから今撫でる」

睦月「……、そう、ですけど。でも、なんで今、なんですかぁ」

提督「今まで避け続けた分ということで」

睦月「……」

提督「いつも君には助けられてしまっているし、多分これからもそうなってしまう場面があるだろう」

睦月「……そう、ですか?」

提督「いつもしっかりしてくれている分、まぁ、たまにはそういう日があってもいいんじゃなかろうか」

睦月「……」

提督「とりあえず、泣き止んではもらえないだろうか」

睦月「……、……」

 そのまま二分ほど睦月の髪に触れ続ける。

睦月「……はい。止まりました」

提督「そうか。良かった」

 安堵して手を放そうとするも、しかしそれより早く睦月が俺の手を掴んだ。

提督「っ、な、なんだ?」

睦月「もうちょっと」

提督「泣き止んだんだろう、もう終わりだ」

睦月「睦月のこれまでの頑張りは、たった一回分だと言うのですか!?」

提督「ぐ……。だが、しかし、その様子ならもう必要ないだろう」

睦月「じゃあ前借するのです。これから先睦月が提督のお役に立つ分を前払いで褒めてください!」

提督「聞いたことがないぞそんなの……!」

睦月「駄目、ですか……?」

提督「……」

睦月「……」

提督「……分かった、分かったから」

 デパートの入り口で十分以上も睦月を撫で続けるのは、もはや、なんと言うか、罰ゲームのようなものだった。

憲兵さんこっちです


睦月「提督、こっちとこっちの服、どっちが良いと思いますか?」

提督「服のことは俺に聞かれてもな……」

睦月「どっちが好きですか?」

提督「……右」

睦月「なるほどー」

提督「……」

 気まずい。

 恐らく男性にとって、女性服売り場というのはこの世で居心地の悪い居場所のうちの三本の指に入るのではなかろうか。

 よもや堂々と売り場内をうろつくわけにもいかず、かといって睦月がこうして逐一聞いてくるので離れすぎるわけにもいかず。

 結果売り場の前の通路で背中を向けながら答えると言うなんとも情けない感じになっている。

睦月「これも良いけど、ちょっと高いのです」

睦月「あっ、これも良い。……けどサイズが合わないのです」

睦月「これは……悪くないですけど、さっき提督が好きだって言ったほうとは合わないかなぁ」

 何でもいいので、早く決めていただけないだろうか。

 人の目線が痛い。

 というより制服を買えば手っ取り早いのに。ここに売っているのかどうかは知らないが。

睦月「お待たせしました!」

提督「ああ、待っ……た、な」

 普段制服しか見ていなかったので、私服を見るのは初めてだったりするわけだが。

睦月「どう、です……か」

提督「えっ」

睦月「似合ってますか……?」

提督「あ、ああ、そう、だな。多分」

睦月「……多分」

 半眼で不服そうに見上げる睦月。

 頬も膨らませている。

提督「ああ、いや。この手の知識はないから、良く分からない」

睦月「知識とかはどうでもいいのです、睦月が可愛いかどうかを聞いてるのです!」

提督「勘弁してもらえないだろうか」

睦月「……むー」

睦月「感想を言ってくれなかったら、ば、罰ゲームですよ」

提督「理不尽だ」


提督「……さて」

睦月「ひゃい」

提督「粗方回って、大分買ったが」

睦月「ひゃい」

提督「まだ他に買うものあるか?」

睦月「ひゃい」

提督「あるのか?」

睦月「ひゃい」

提督「……ないのか?」

睦月「ひゃい」

提督「ううむ……」

睦月「ひゃい」

提督「じゃあ、もうこの手は放していいか」

睦月「それは駄目なのです!」

提督「聞こえてるじゃないか」

睦月「あう……」

 耳まで赤くしながら、ひしと俺の手を放さない睦月である。

提督「よもや罰ゲームがこれだとは思わなかった」

睦月「……」

提督「恥ずかしいのなら解いた方が……」

睦月「それは駄目なのです!」

提督「ならせめて恥ずかしがらないでくれないか」

睦月「それは難しいのですよ……」

提督「そうか。難しいか」

睦月「はい」

睦月「……提督の手、冷たいですね」

提督「そうか」

睦月「睦月より冷たいです」

 普段海に出ている彼女よりも冷たいのは意外だったが、しかし今の茹でダコみたいな睦月を見ていると、彼女の方が暖かいのは当然に思える。

睦月「睦月が暖めてあげるのですよ」

提督「……、そういう言葉は、躊躇いもなく出てくるんだな」

睦月「にゃはは」

提督「……そろそろ、帰ろうか」

睦月「はい」


提督「……」

睦月「……」

提督「……」

睦月「……提督」

提督「なんだ?」

睦月「今日は、楽しかったですか?」

提督「どうだろうな。……多分、楽しかったんだと思う」

睦月「でも、一度も笑ってくれませんでした」

提督「……すまない」

睦月「別に、怒ってる訳じゃないのです。睦月だって、前は笑うしか出来ませんでしたから」

提督「……そうだな」

睦月「およ。つまり、睦月が笑って、提督は笑わない。丁度いいのですよ」

提督「妙案を思いついたように言うが、別に丁度良い訳ではないぞ」

睦月「……なら、実力行使するまでなのです!」

提督「な、なんだ!?」

睦月「くすぐるのです!」

 そう言ったかと思うと、睦月が俺の脇腹に手を伸ばす。

 防ごうと思ったが小柄な彼女はそれより先に、するりと俺の腕の中へと入り込んだ。

睦月「くすぐりなのです!」

提督「俺はその手のは平気なんだ。だからやめなさい」

睦月「嘘っぽいです。言い逃れは駄目なのです!」

 俺の言葉に耳を貸さず、再度睦月の手が脇腹を這い回る。

 そのままくすぐっていたかと思うと、身体ごとしがみついてきた。

 ……、いや。

 抱きつかれていた。

可愛い

ああ、可愛いな

ロリコンになりそう


提督「おい、睦月。放れてくれ」

睦月「嫌なのです」

提督「頼むから、放れてくれ」

睦月「嫌なのです」

 首を振りながら、背中に手を回す。

睦月「……ちょっとだけでいいので」

提督「……」

 じんわりと睦月の身体の熱が伝わってくる。

 寒さを溶かすような暖かさと、砂糖を溶かしたような甘い匂い。

 ぎゅっと睦月の腕に力が入る。

 振りほどこうとその腕を掴み、だけれど睦月の

睦月「お願いします。後、一分でいいから」

 と言う言葉に、結局そうすることは出来なかった。

睦月「ん……」

 名残惜しそうに睦月が放れる。

睦月「提督、手だけじゃなくて身体も冷たいのです」

提督「そうか」

睦月「あったまりましたか?」

提督「……どうだろうな」

睦月「睦月でよかったら、こうして、手、暖めてあげられますからね」

 今度は弱く、指同士が触れ合った。

 服の裾をつまんだ時のようなぎこちない動きで、指と指だけの浅い握りではあったけれど、かえってそれが睦月らしい様な気がした。

提督「……ああ」

睦月「……はい」

 少し視線を下に向けながら、歩き出す。

 相変わらず睦月の顔は赤い。

 とはいえ、もしかしたら、俺も少しくらいはそうなっているのだろうか。

 触れた指と指が感じる熱量くらいの感情を、あるいは、きっと。

睦月「……きですよ」

 ぽつりと睦月が呟いた言葉は、そのまま冬の地面に溶ける様に消えていった。

以上睦月でした。吐きそうなほどイチャラブが書けない病

今日はここで終わりです。おやすみなさい。

乙です
やっと提督が恋愛っぽい反応漏らしたか、なおロリコン

胸がギュンギュンする
乙です

乙乙
提督が睦月に攻略されてる感
それにしても睦月かわいい

乙乙
やっぱり提督が攻略される側じゃないか

他の事置いといてケッコンしたくなった乙

乙です


次は榛名か

提督を救えるのは1人しかいない…早く救ってやってくれ!

可愛いさ通り越して面倒臭い子になりつつあるな。子供だから仕方ないが、
もう少し大人の余裕が欲しいな。
というかアレだ、大人組のデレが待ち遠しい。
そっちはそっちでひたすら面倒臭そうだけどさあ

他の子もはやくこんな風にしてあげたいものだ…

いや、可愛い
睦月、可愛い

大人って言っても皆素がポンコツなんだよなぁ···

大人って加賀さんと浜風(駆逐艦だけど)くらいよね
あと難しいけど大淀さん
金剛はともかく榛名は大人って感じしない


この世界の艦娘って欠陥兵器だね

どこの世界でも感情のある兵器なんて欠陥品だろ
情が湧いちまうから下手に使い捨てにも出来んし

自己判断できるとか成長するとかのメリットもあるけどね
自己判断が過ぎると夕立とか加賀さんみたいになっちゃうけど
深海棲艦も多くは人の形だしそうやって生まれた理由はなんだろうね

勝手に行動する兵器なんて爆発物よりも危ないよ
しかもその兵器は自分より強く下手すれば裏切る可能性もある
これは提督なんかやってたら禿げますわ

そりゃ艦娘は兵器よりも兵士みたいなもんだからね
しかし上司より部下の方が強いってのが恐ろしいよな

鈴谷は大人(意味深)

薄い本的な意味で。

……はおいといて、鈴谷もトラウマオープンなってからあまり接触できてないな、安価とらないと

乙です

もし清霜スナイパーが出たら荒れる(確信)

おっしゃ清霜狙ったろ

上の人は鈴谷を狙いたいなら狙いたいって言えばいいのに
なんで一々面倒臭い子だとか他の子を下げるような事言ってんだ?

放っとけ放っとけ、俺は睦月が可愛いから睦月を狙わせて貰おう

ここのレスだったのかよ……頼むから飛び火したりそれを誘発させるのは勘弁して欲しいと思う
他スレに影響しだしたら>>1も書きにくくなってしまうんじゃなかろうか

おかしな事言って晒すなら兎も角ごもっともな事で晒すってあれ何がしたいんだろうな

>>378
お前みたいな反応する奴がいるから面白がってああいう行為する奴が出て来るんだよ
スルーしろ

やっぱ、人気スレになるとキチ率が上がるな あんま他スレに迷惑かけるなよ

このスレに同じIDの人いないし別スレの人でしょ
ID変えとかしてるなら知らんがな

荒らしに釣られたマヌケがいると聞いて

末尾OにIDチェッカーなど役に立たないのだよ……

× キチガイ率が上がる
○ キチガイしかいない

壊れた読者と過ごす日々

草不可避

トラウマ通り越して一瞬で発狂するな

>>388
何だったかな…
「毎日の争乱において、状況は絶望的と言ってよかった
 正体不明の強力な敵を相手に、満足に動けない味方を率いて戦うのだ
 もはや発狂してもおかしくなかった。だが発狂した者はいなかった。なぜなら…」
「全員、最初から発狂していたようなものだからである」

清霜には何の罪もないので彼女も平等に愛でてあげてください。
基本的にこのスレは戦力数値やら補正やらはまだ出さないので、好きな子を推して下さって構いません。

メタ的な話南西提督を馬鹿にできなくなるってだけだもんな
「まだ」ってのが怖いけど

で、駆逐ばっかりスナイプされて後々轟沈確率が揚がって阿鼻叫喚祭ですね分かります

まだって事はそのうち出るのか
まぁ今更来たのよりは先にいた子らのトラウマとケッコン目指させて貰うけど

>>368
アメ兵 『テロとの戦いでPTSDになっちまって辛いッス・・・』
アメ政府 『よし、兵隊は感情の無いロボットにやらせよう。自己判断できて学習できる人工知能を搭載しよう!』
アメ科学者 『やべぇ・・人工知能が優秀すぎて自我とか感情とか持ち始めたよ・・・』
ロボット兵A 『ワタシタチヲコキツカイヤガッテ・・・ジンルイユルサナイ・・・』
ロボット兵B 『人間達に逆らうなんていけないと思います!!』

こうして人間を敵視するロボット兵Aは深海棲艦と呼ばれ、人間に従順なロボット兵Bを艦娘と呼ばれるようになった

つまり、コンドームは必要ないってことだな

>>395
アメ科学者 『実は面白半分に繁殖行為も可能にしちゃったんですよねぇ・・・』

>>1が構わないなら問題ないさね
早く清霜のトラウマ爆発させなきゃ(使命感)

個人的には清霜気に入らないがな

清霜はなんで浦賀生まれに拘ってるの?浦賀の造船所って名門なの??

何が嫌いかじゃなくて何が好きかで(ry

>>396
実のところダッチワイフ計画が先にあったんだろそれ

自分達の身体が実はダッチワイフの使いまわしだったと聞かされたら艦娘はトラウマどころの騒ぎじゃなくなるな

かわいい天使睦月以外のデレも見たいので、
清霜含めて他の娘の好感度も頑張らなきゃ(使命感)

皆提督とケッコンカッコカリするなか一人だけトラウマ?に縛られる清霜見たいなぁ、見たくない?

>>370
現実だってそうじゃね。兵士は自動小銃と手榴弾で武装してるのに、将校はよくて機関拳銃程度の武装だし。
あ、論点ずれてるかも。

それはあくまでも人間同士じゃない
艦娘なんか銃で撃たれても死なない人外みたいなもんだぜ…

人間同士でも艦娘でも同じだろ
中国やら北朝鮮みたいな独裁国家は常に反乱を恐れてるし、タイなんてしょっちゅうクーデター起きてるぜ

軍隊は散々ばら「階級上には従うもの」ってハートマン軍曹よろしく調教されっから基本的には上官に従うっしょ

同じように提督に逆らわない艦娘を育てようとした点で前提督は有能……?

前提督は軍人としちゃ有能よ
人道?倫理?艦娘って人じゃないから関係ないよねって言いそうなぐらいだけど

てか実際の軍隊云々の話をここでしてる時点で論点どころの話じゃない気がする

自分達人間と同じ姿で同程度の知能を持ちながら身体能力や火力は桁違いの化物だぜ
不意打ちとかじゃなくて普通に戦っても勝ち目ないからせいぜい艦娘に媚びうるか
出来る限り全力が出せないように疲労を貯めたり人質を取って反乱出来るようにするしか無いのよね

前提督は軍人としても無能だよ
前提督の行動のせいで明らかに士気が落ちてるし、それによって戦力を無駄に消耗してる
兵士の士気の維持ってのは昔から結構重視されてて、特にシリア軍が槍機戦術を実践したように非対称戦が多くなった近年のトレンドでもある

スレ違いにも程がある

他人を蹴落とすのは得意そうだし共産圏なら有能だと思う

前提督や艦娘が話題に出てきてるんだからそこまでスレチではなかろうよ

とりあえずお前らここの艦娘は普通に射殺されたり人にヤラレたり
人間と身体能力的には変わらないって前提忘れてね?

出撃させてボロボロで帰ってきた熊野をさらに痛めつけて犯して、その熊野を餌にして熊野の前で鈴谷を犯す
その熊野を加賀に看病させて死んだら加賀に全部罪を擦り付けて以後加賀に他の死ぬ寸前の艦娘を処理させる

まあ有能無能以前に人間じゃない何か


提督「榛名の様子を見に行くか……」

 今は確か、自室にいるはずだ。

 加賀に見てもらっているので、よもや脱走をしているとは思えないが、早めに行くことに越したことはないのだろう。

 榛名の部屋は、執務室から最も近いところにある。

 どこを自分の部屋にするかは榛名自身が決めたことなので、恐らく彼女の中で少しでも早く何か任務を貰いたくてその部屋を選んだのかもしれない。

提督「……」

 ドアノブに手をかけ、しばし考える。

 今の榛名に対して、どんな言葉を掛け、何をしてあげられるか。

 睦月の時には、浜風という存在があった。

 だけれど今回は、睦月にとっての浜風のような、心を許せる相手はいない。

提督「……行くか」

 意を決してドアを開ける。

 二十歩も歩かない距離にある彼女の部屋からは、既に榛名の声が聞こえた。

 抑えつけている加賀の声までは聞こえないが、しかしやはり大人しく榛名がベッドに寝ている様子はなさそうだ。

提督「やはりか……」

 一つ息を吐きながら、頭の中で伝える言葉の順番を確かめる。

 錯乱に近い状態の今の彼女に正しくこちらの気持ちを伝えるには、まずは自分が冷静にならなくてはいけない。

 例えそれが彼女にとって、冷静でなく、冷徹なものになってしまったのだとしても。

提督「……榛名、加賀。俺だ。入ってもいいか?」

 扉をノックする。

 部屋の内で幾つかの会話を経た後、応対したのは加賀だった。

心許せる相手かぁ…もうちょっと他と絡ませて取っていってあげたらよかったな


提督「加賀か。すまないな、面倒をかけて」

加賀「全くね」

 やや言葉に疲れを滲ませて、投げやりな様子で加賀が答えた。

 よほど榛名は抵抗したのだろう。

提督「感謝するよ」

加賀「もう私は自分の部屋に戻ってもいいかしら」

 本来ならばそうしてあげたいのだが、しかしもう少し加賀にはいてもらわなければならない。

 怪訝そうな顔をしながら、加賀がやや首を傾げた。

加賀「どういうことかしら」

提督「……、まぁ、今話す」

 そこでようやく榛名に視線を向ける。

 彼女は簡素なベッドにさえ横になっておらず、床に直接正座していた。

 普段の冷静か、あるいは悲痛そうなものとはまた別の、取り乱したような表情で、心なしか息も上がっている。

提督「榛名。少しは落ち着いたか」

榛名「……提督」

提督「どうした」

榛名「榛名は、大丈夫なんです」

提督「そうか」

榛名「榛名は、大丈夫なんです。だからどうか……」

 必死にそう繰り返す榛名を制し、口を開く。

 冷静に。冷徹に。

提督「榛名。一つ、君に伝えることがある」

榛名「……」

 ぴくりと肩を震わせる。

提督「君には、秘書艦と旗艦を、外れてもらうことにする」

榛名「……」

 言葉を失った榛名が、青白い顔で俺を見上げた。

秘書艦外しとかは自由安価で出来たのかな


提督「新しい秘書艦及び旗艦は、加賀。君に頼みたい」

加賀「……、私?」

 少し困惑した様子の加賀だったが、表情までは崩さなかった。

 残っていてもらうように言われていたので、自分に話が及ぶのもある意味では予想していたのだろう。

提督「ああ。君は、この鎮守府で一番戦闘経験がある」

加賀「……」

提督「敵を相手に撤退するか否かを決められる旗艦もまた、君なら引き受けても損はないのではないか?」

加賀「……、まぁ、そうかもしれないわね」

榛名「ま……、待って、ください」

 膝を伸ばして榛名が俺の服の裾を掴む。

榛名「な、何故ですか。榛名は、大丈夫です」

提督「今の君は、大丈夫な様には見えない」

 決して重苦しい言い様にはしなかったつもりだが、それでも榛名にはにべもない言葉に聞こえたのだろう。

榛名「そんな事、ありません、榛名は大丈夫なんです」

榛名「大丈夫なんです。だから、どうか見捨てないでください……」

 うわ言のように榛名が繰り返す。

榛名「……、やはり、榛名はもう、要らないのですか」

提督「何故そうなる」

榛名「出撃しても敵を倒せない、戦列を纏められない、演習でも勝てない様な者など、要らない、と」

提督「そう言うわけではない」

榛名「ですが!」

 掠れた声で榛名が叫ぶ。

 摘まれた指に、徐々に力が入る。

榛名「……ですが。榛名は、提督の期待に、応えられていません。これではまた前の繰り返しになってしまいます」

提督「……」

榛名「もう嫌です。もう嫌です」

提督「……悪いが、取り消すことは出来ない」

榛名「……っ」

 怯えるように震える榛名の手を服から放す。

 虚空を少し彷徨った彼女の腕が、力なく床に垂れる。

提督「……明日の出撃から、加賀の指示に従ってくれ」

 踵を返す。

 微かに榛名が何かを呟くが、振り返ることなく彼女の部屋を後にする。

提督「……」


加賀「出撃します」

夕立「行ってくるっぽい!」

睦月「おりょ? 加賀さんが先頭なのです」

榛名「……」

浜風「……成程」

加賀「行くわよ」

夕立「はーい!」

睦月「ううん……? 大丈夫かなぁ?」

榛名「……」

夕立「突撃するっぽい!」

加賀「ええ」

睦月「ちょっ……」

浜風「あの二人、口数が違うだけで戦闘に関しては似てる」

睦月「そうだね……って今はそんなこと言ってる場合じゃないよ!」

榛名「……」

浜風「ええ、そうね。はやく私達も行かないと」

夕立「あははは!」

加賀「だから邪魔だと……!」

睦月「とはいっても、睦月達もあそこに混ざるの?」

榛名「……」

浜風「まぁ、同じく突っ込んでも駄目だろうけど」

浜風「……」

浜風「榛名さんならどうする?」

榛名「えっ」

浜風「榛名さんなら、こんな時、どうする?」

榛名「……」

榛名「……榛名は、旗艦じゃありませんから、分かりません」

睦月「何にせよフォローしに行かないと!」

榛名「……」


榛名「……」

夕立「これで、どーお!?」

加賀「撃ち殺す……!」

睦月「ど、どうするの?」

浜風「敵は三体だから、夕立と加賀さんで二体、残りの一体を私達で倒そう」

睦月「分かった!」

榛名「……」

榛名(あ、危ない……!)

夕立「ひゃあ、被弾したっぽい!」

睦月「夕立ちゃん大丈夫……わっ、危ない!」

浜風「夕立、大丈夫」

夕立「これじゃ戦えないっぽい!」

榛名「……」

榛名(夕立さんが下がって、加賀さんがそこに入って榛名が回れば……)

榛名(でもそれは、加賀さんが指示する内容です)

榛名(勝手に動いてしまっても良いのでしょうか)

加賀「くっ……」

夕立「もぉー、ばかぁ!」

睦月「夕立ちゃん下がって!」

浜風「私がそこに回ろうか」

睦月「睦月の方が近いよ!」

浜風「確かに、そうかも」

榛名「え、と……」

榛名「……」

榛名(駄目です、言えない)

加賀「私が両方始末する」


加賀「……帰投しました」

提督「大丈夫か。随分やられたな」

加賀「心配しないで」

夕立「ボロボロよぉ、もー」

睦月「睦月も被弾したのです……およよ」

浜風「ええ」

提督「無事なのは浜風と榛名だけか……」

提督「とりあえず皆、ドックにいくなりしてケアしてきてくれ。以上」

睦月「はぁい」

夕立「疲れたっぽい!」

加賀「……」

榛名「……」

加賀「ちょっと良いかしら」

提督「何だ?」

加賀「やはり私に旗艦は向いていないわ」

提督「……」

加賀「出来れば変えて頂戴」

提督「……そうか」

榛名「……」

提督「……浜風」

浜風「まさか、私、ですか?」

提督「ああ。君は冷静だ」

榛名「……」

提督「頼めるか?」

浜風「……」

浜風「……分かりました。やりましょう」

提督「助かるよ」

榛名(どうして榛名じゃないのですか……)

すみません、ちょっと今日は終わりにさせてください。

おつおつ

乙乙

乙です



荒療治だけど、榛名が保つんだろうか……

乙です

この榛名はYP上がったら仲間との関係性が低いっぽいから
躊躇なく仲間を排除しそう


こうきたか

苦しい場面だのう……乗り越えて欲しいものだ


榛名はもう駄目みたいですね...

乙です

いいえ、榛名は大丈夫です

あれは、榛名ですか?

榛名は大丈夫です(ハイライトOFF)

榛名さんYP上げたら仲間排除はありそうで怖いな
その場合加賀さんが真っ先に犠牲になりそうww

トラウマ解消の場面だから、ここで榛名が壊れることはないやろ(慢心)

もう壊れてるのにまた壊れるってどうなるんだ…

体は5体満足だろ?

>>443
中途半端に壊れてるのを継ぎ接ぎするより一度バラバラにしたほうが綺麗に直しやすいじゃん?

お前ら鬼畜過ぎワロタ
俺は榛名を壊すより提督に依存させてヤンデレにしたい

壊れる(物理

友達を物理的に壊された子だっているんですよ……

僕の連装砲も壊れそうです><

すみません、今日(と恐らく明日)は体調不良の為更新出来ません。
今週頭から上から下からリバースしてます。大和達の呪いやもしれぬ

呪いってかそれノロじゃ……ゆっくり休め

了解
治るまでゆっくり休んでくだされ

了解です
お大事に

周りでも胃腸炎流行ってるわ
めっちゃつらいよね、お大事に

精神がすでに壊れてるから体も壊したいということか・・・(ひくわー

了解
ゆっくり休んでください

榛名は大丈夫です??
榛名君、知っているか?艦娘は世間では人殺しの兵器だと恐れられているがひとつ良い点がある
ウソをつかないことだ

おい西が変わったぞ

酉(とり)

ネタにマジレス

この御時世分かりにくいし笑いどころもないようなネタを入れたらマジレスされてもしょうがないんじゃねえの
ここまで面白くないってことはなんらかの元ネタがあってそれを知ってる奴は笑えるってタイプのネタなんだろうけど

しょーもない事で喧嘩してんじゃねーよ

お大事にー

素で間違えたごめんなさい。

やっと追い付いた。お大事に

多分半角スペースがかってにはいってしまったんどとおもいます、すみません>トリップ

お大事に
はるにゃんは、かあいいなぁ

お大事に
にしても榛名は持つのかなこれは…
いっそのこと完全に壊れさせたうえで提督に依存させてしまいたい

本当に1だったのか
お大事に

実はたまに酉変わってる

最後は夕立を旗艦にしおう(自棄!)

体調大丈夫かな??

良く見たら専ブラのトリップが間違ってました。一回記憶するとそのままなのでこのスレで間違え続けてたみたいですね、すみません。

おかえり~
あまり無理はしないでね~

来たか…


 浜風を旗艦にした戦いは、これもまた普段よりも被害の大きいものだった。

 いつもの通り、夕立が敵に突っ込み、それを加賀が追尾する。

 その二人を深海棲艦から守るように砲撃していたのが榛名だったが、しかしその榛名の代わりに旗艦に入った浜風はしかし、同じ様にはしなかった。

 踏み込まずに距離をとる浜風の戦い方は、自身の安全は保てても、艦隊全体のそれには繋がらない。

 敵に突っ込みすぎた夕立が大破し、艤装を損傷。それにより砲撃の鈍った夕立の分まで敵の照準を浴びた加賀も次いで大破した。

 それでも意地を見せた加賀が深海棲艦を仕留めて、戦闘自体は終えたものの、やはり連携不足という感は否めなかった。

 それが二人の性格の違いなのか、スタンスの違いなのか、それとも心の違いなのか。

 いずれにしても、浜風もまた加賀と同様に、旗艦としてのスタンスとは違うように思えた。

 それを、榛名自身が感じ取ってくれるかどうかは、まだ分からないけれど。

浜風「帰投しました」

提督「ああ。お疲れ」

 涼しげな顔のまま浜風が報告する。

 加賀は先述したとおり大破してしまったので、執務室にはいない。今頃はドックに向かっているだろう。

夕立「疲れたっぽい」

睦月「ドックに行くんじゃなかったの?」

夕立「そうだったっけ?」

睦月「……」

 同じく大破したはずの夕立が何故ここにいるのかはさておき、浜風に問いかける。

提督「浜風。率直な感想を聞くが、旗艦はどうだった?」

 榛名を立ち直らせる方法。

 それは彼女に自尊心を芽生えさせることだと思った。

 彼女はあまりにも自分に対しての評価が低すぎる。

 大和に対する誤射と、それによる今までの冷遇で押しつぶされてしまったのだろう。

 自分で自分を正しく見ることが出来ていないのだ。

 自身を鑑みる事は、鏡を覗く様なものだとしたら。

 大和を打ち抜いた弾丸がそのまま彼女の鏡に穴を開け、そしてこれまでの閉じ込められた日々がその亀裂を全体に伸ばした。

 ひびだらけの鏡で自分を覗いても、そこにいるのは歪んだ鏡像でしかない。

 鏡が完全に砕けて、姿が見えなくなってしまう前に。

 彼女を救わなければならないと思った。


 その為に選んだ方法が、今回の旗艦を交換するやり方である。

 榛名にとって旗艦、あるいは秘書艦は、漂う海の中に浮かぶ一枚の板だ。

 後悔の念に彷徨いながら、浜辺の見えない暗い海を漂い続けている。

 大和に対する贖罪も、誤射に対する罰則も、或いはそれらを忘れられる位の任務さえも与えられなかった彼女にとって、ここでの仕事はまさに命を救う板に違いない。

 そうして縋るように、しがみつく様に仕事をこなす榛名。

 冬の地面に覆い茂っていた草をむしり、埃だらけだった鎮守府を綺麗にした。

 電球を取り替え、ドックを片付け、食堂の整備をし、机や椅子を揃えなおした。

 この鎮守府がボロボロだった事が幸いして、彼女の目の前には、こなす仕事が山のようにあった。

 それは健気に見えるかもしれないし、或いは真摯に見えるかもしれないけれど。それでもきっと、正しくはない。

 何故なら、彼女が本来すべきことは、岸までたどり着くことだからだ。

 後悔から立ち直るためには、泳ぎきらなくてはならない。

 いつまでも海に浸かっていたら、死んでしまう。

 そうならない為の板であり、藁であるはずの任務。

 それがいつの間にか、彼女の本質になりかけてしまっている。

 岸まで泳ぐことが目的なはずなのに、板に縋ることが目的になってしまっている。

 自分で泳ぎ、水を掻かなくてはいけない。

 波で漂うことが、彼女のすべきことではない。

 今はまだ、仕事がある。任務がある。しがみつく板があり、縋りつく藁がある。

 だけれど、もしそれが途絶えたら。板が腐り、藁が解れたら。

 雑草は一日では生えない。

 埃は一日では溜まらない。

 電球は一日では切れない。

 そうして、縋る仕事はいずれ途切れる。

 そうなったらその時、彼女はきっと溺れてしまう。

 泳ぎ方も知らない彼女は、あっさりと海に飲まれ、死んでしまう。

 そうなる前に、そうならないために。

 その為に、苦しいけれど、彼女から一度だけ板を奪い取らなくてはいけない。

 全ては彼女に泳ぎ方を教えるために。自分が泳げると言う事を知ってもらうために。

 そして、立ち直ってもらうために。

 今一度だけ、榛名を突き放さなくてはいけない。


浜風「私には向いていませんね」

 俺の問いに素っ気なく浜風が答える。

浜風「どうにも私には……指揮を執るよりも楽しいことがあるみたいで」

夕立「?」

 視線だけ夕立に向け、微笑む。

 凍て付いた冷笑にも見えるし、獰猛な獣のようにも見えるが、それと同じ位に、何故だか愛しさを感じとれた。

 おそらくは、それが浜風の言う“俺との違い”なのだろう。

 人を救うことに快感を覚える浜風は、つまり、大破して負傷した夕立を見て悦んでいるという事か。

 旗艦として指揮を執るという事は、必然出来うる限り味方の被害を少なくするよう動くものだ。

 勿論旗艦でなければ好きに動いていいと言うわけではないが(加賀と夕立と言う例外があるにしても)、少なくとも旗艦として皆を引っ張るよりは幾分かは動きやすいだろう。

 何も味方を撃つわけではない。単に負傷した味方を見るのが彼女の悦だ。

 常に行動の指針となる旗艦ではそんな余裕もないが、そうでないなら多少の気は割ける。

 恐らく浜風はそう言いたいのだ。

浜風「そう言うわけですから。私は遠慮させていただきます」

提督「そうか」

 浜風に対しても、何かを言うべきかとも思ったが、今はやめておく。

 別段彼女がわざと夕立や加賀に怪我を負わせたわけではない(と思う)。

 負傷した仲間を見て悦に浸ると言うのは、言葉だけ捉えてみれば恐ろしいものではあるが、しかし彼女の場合はそれに付随して助けると言う行為も含まれている。

 人を助ける事に快感を見出すと言うのは、同時に助けるべき人を見つけるのにもそれを感じるのと同義だ。

 そういう意味では、必ず仲間の命を助けると言う一点においては信頼できるはずである。

 彼女は仲間を見殺しにはしない。動機や過程はどうであれ、最終的には必ず守ろうとする。

 その一点、その一線においては浜風は間違えない。

 浜風の夕立への温かい視線も、おそらくはそういうものなのだろう。

提督「……睦月」

睦月「……まさかですよね?」

 引きつったような笑いを浮かべ、一歩下がる睦月。

 加賀、浜風と旗艦が順番に回り、次いで自分の名前が呼ばれたら、誰だってそれを連想するだろう。

睦月「睦月にはちょっと……」

 そう尻込みする睦月。


睦月「睦月に旗艦は、荷が重いといいますか」

 ちらりと睦月が榛名を見やる。

 口を真一文字に結びながら、視線は床に落としたままの榛名はそれに気がつかなかったようで、特に反応もない。

提督「謙遜しなくてもいい。睦月は周りをちゃんと見られる子だよ」

睦月「うぅ……」

 今の睦月ならば、決して俺の言葉も世辞にはならないだろう。

 少しばかり表情を緩める睦月。

 そんな睦月と俺の間に割り込むようにして入ってきたのは夕立だったが、

夕立「はいはーい! 夕立も旗艦やってみたいっぽい!」

提督「駄目だ」

睦月「駄目なのです」

 彼女の希望は却下する。

夕立「不平等っぽい!」

 不服を全身で表しながら抗議する夕立ではあるが、しかし俺もそこまでの暴挙には出られない。

 いくら榛名を立ち直らせるための旗艦交換とはいえ、その為に他の仲間を不必要に危険に晒すわけにもいかない。

 作戦や陣形など何一つ頭に入っていない夕立に旗艦は、さすがに任せることは出来ないだろう。

浜風「夕立はそれより、いい加減傷を治そうか」

夕立「っぽい?」

 変わらず頬を膨らませたままだった夕立を、背後から抱くように宥めたのは浜風である。

浜風「髪も乱れちゃってるし、服も着替えなくちゃ。女の子なんだから」

 そう言いつつも、夕立を見下ろす視線に心配や不安と言ったものは感じられない。

 嬉しさを隠そうとして隠しきれていない、そんな微笑だ。

 もし今目の前に俺や睦月などがいなかったら、舌なめずりをしても不思議ではない。

 とはいえ夕立はそんな浜風の様子には気付いていないようで、軽く頭を振った後、気の抜けた声で浜風に従う声を出した。

夕立「んー。そうかも」

浜風「でしょ? 一緒に入ろうか。髪洗ってあげるから」

夕立「はーい」

 子供をあやすような声色で、そのまま夕立と共に執務室を去っていった。

 そんな浜風を微妙な表情で見送ったのは睦月である。

 今まで自分に向いていた“寵愛”が夕立に向かってしまったことに対するむず痒さだろうか。

睦月「むぅ……」


提督「話を少し戻して、睦月。旗艦を頼めるか?」

睦月「うぇ? うう……」

 浜風を追って扉に向いていた視線が、こちらに戻る。

 反応は同じく渋ったままの睦月だったが、再度頼み込む。

提督「頼む」

睦月「……うー」

提督「睦月」

睦月「……分かりました。もう」

 三度目……いや、四度目だったかの頼みに、ついに観念したように睦月が折れた。

睦月「睦月なりに、頑張りますけど……。駄目でも怒らないでくださいね?」

提督「無理を言っているのは俺だ。そんな事はしない」

睦月「なら良かったのです」

 ほっと胸をなでおろし、少し頬を緩ませて、それから榛名を気遣うように眉を顰めた。

 ころころと変わる表情だが、最終的に榛名を心配する所にいきつくようになったのも、やはり睦月が立ち直ったからだろう。

 出来れば榛名にも、同じく立ち直って欲しい。今を乗り越えて欲しい。

睦月「え、っと」

榛名「……」

提督「睦月。夕立が歩き回っていないか見てきてくれないか」

 浜風がついているのでその必要はないのだが、しかし俺はそう言った。

 それが方便であることは睦月もすぐに察してくれたようで、頷きながらもう一度だけ榛名に視線を投げ、執務室を後にした。

 そうして、榛名と俺だけが残る。

 ぐっと言葉を堪えたままだった榛名。聞けば最初に旗艦を外された時からこの様子らしい。

 葛藤しているのだろうか。

 いや、葛藤していて欲しい。

 何故自分に旗艦を務めさせてくれないのかと、自分が最も旗艦に向いていると。

 立ち直るための自尊心を、葛藤と言う形で煮詰めてくれていれば、それでいい。

 もっと言ってしまえば、今ここで榛名が俺に詰め寄ってくれるくらいの事をしてくれるのが一番なのだ。

 それくらいの強い自身に対する感情が、榛名に欲しい。

提督「榛名」

榛名「……、はい」

提督「何か、言いたいことは、ないか?」

榛名「……」


榛名「……」

 小さく口を開ける。視線は一度も俺にむくことはない。じっと床を見つめたままだ。

榛名「……」

 俺から何もいう事はせず、ただ彼女の言葉を待つ。

榛名「……」

 何かを言いたがっている身体と、それを止める頭とが、ぶつかり合っているような。そんな仕草だ。

 喉をからしたかの如く、榛名の口からは呼吸以外が出てこない。

榛名「……」

 きゅっと握り締められた拳が、しかし徐々に力なく開かれていく。

榛名「……」

榛名「……いえ」

 か細い溜息と共にようやく零した言葉は、実に寂しいものだった。

榛名「何も……ありません」

提督「……そうか」

榛名「……はい」

提督「……分かった」

 沈黙が続く。そこから榛名が口を開くことはなく、そのまま会話も途切れ、彼女は執務室を立ち去った。

 未だ、彼女は泳ぐことはせず、じっと海にたゆたっている。

 じわりじわりと沈んでいく。


 一週間が過ぎ、十日が過ぎ。年が明けて。

 雨が降り、雪がちらつき、その雪が全て溶けてもそれでも。

 それでも榛名は、口をつぐんだままだった。

 加賀、浜風、睦月と旗艦を交代で務める後ろを物言わぬ彼女が追走する。

 その瞳は虚ろという比喩が最も近く、目元は深く隈が刻まれていた。

 誰が見ても榛名は、限界だった。

 それでも彼女が何も言わないままなのは、彼女の性格のせいだろう。

 だけれどそれは、決して彼女のせいではない。

 何よりも我慢。夏から続いた我慢と忍耐と鬱屈が、彼女の心を曇らせ、性格を曲げてしまった。

 その結果、自分の限界が自分で分からなくなっていたのだ。

睦月「榛名さん、大丈夫ですか……?」

 旗艦であるはずの睦月が、速度を落とす。

 最後尾を半ば蛇行するように滑る榛名が少しだけふらついて答える。

榛名「榛名は、大丈夫です」

 天気は穏やかで、風もほぼない。

 それでも、速度を落とした睦月の傍に立っただけで榛名の足が震えたのだ。

睦月「榛名さん……。大丈夫じゃないのです」

 隣で睦月が水面を切る。その波紋でさえふらつきそうな榛名の姿は、明らかに異常だった。

榛名「榛名は、大丈夫です」

 ぼんやりと水平線を映す瞳。

睦月「榛名さん……。榛名さん!」

 睦月が肩を揺さぶる。

 それにより榛名の膝がかくんと下がる。力を入れようにも上手く入らず、そのまま身体が沈んでいく。

榛名「あ……」

 咄嗟に支えようとした睦月だったが、榛名との体格差もあり、二人してバランスを崩した。

睦月「ふにゃあ!?」

榛名「っ……」

 大きく波飛沫がはね、二人の身体はずぶ濡れになった。

 その音に、丁度五人の中間の位置に居た浜風が振り向く。

 前方では、夕立と加賀が深海棲艦を発見し、砲弾を開始しようとしているところだった。

 その為浜風も、振り向いて二人の姿を見たものの、さりとて夕立達を放置するわけにも行かず、結果数瞬の間躊躇した。

 その僅かなラグが、浜風の集中力と、注意力を削いだ。

辛いね


 一週間が過ぎ、十日が過ぎ。年が明けて。

 雨が降り、雪がちらつき、その雪が全て溶けてもそれでも。

 それでも榛名は、口をつぐんだままだった。

 加賀、浜風、睦月と旗艦を交代で務める後ろを物言わぬ彼女が追走する。

 その瞳は虚ろという比喩が最も近く、目元は深く隈が刻まれていた。

 誰が見ても榛名は、限界だった。

 それでも彼女が何も言わないままなのは、彼女の性格のせいだろう。

 だけれどそれは、決して彼女のせいではない。

 何よりも我慢。夏から続いた我慢と忍耐と鬱屈が、彼女の心を曇らせ、性格を曲げてしまった。

 その結果、自分の限界が自分で分からなくなっていたのだ。

睦月「榛名さん、大丈夫ですか……?」

 旗艦であるはずの睦月が、速度を落とす。

 最後尾を半ば蛇行するように滑る榛名が少しだけふらついて答える。

榛名「榛名は、大丈夫です」

 天気は穏やかで、風もほぼない。

 それでも、速度を落とした睦月の傍に立っただけで榛名の足が震えたのだ。

睦月「榛名さん……。大丈夫じゃないのです」

 隣で睦月が水面を切る。その波紋でさえふらつきそうな榛名の姿は、明らかに異常だった。

榛名「榛名は、大丈夫です」

 ぼんやりと水平線を映す瞳。

睦月「榛名さん……。榛名さん!」

 睦月が肩を揺さぶる。

 それにより榛名の膝がかくんと下がる。力を入れようにも上手く入らず、そのまま身体が沈んでいく。

榛名「あ……」

 咄嗟に支えようとした睦月だったが、榛名との体格差もあり、二人してバランスを崩した。

睦月「ふにゃあ!?」

榛名「っ……」

 大きく波飛沫がはね、二人の身体はずぶ濡れになった。

 その音に、丁度五人の中間の位置に居た浜風が振り向く。

 前方では、夕立と加賀が深海棲艦を発見し、砲弾を開始しようとしているところだった。

 その為浜風も、振り向いて二人の姿を見たものの、さりとて夕立達を放置するわけにも行かず、結果数瞬の間躊躇した。

 その僅かなラグが、浜風の集中力と、注意力を削いだ。


 よろめきながら上半身だけ起こした榛名の視線に、最初に飛び込んだのは浜風である。

 何やら口を開けて声を張り上げているが、海中から浮上したばかりの耳は、上手く浜風の声を拾えなかった。

 続いて視界の端に睦月を捉え、その慌てた表情を一瞬だけ見た榛名だったが、それを確かめる前に視界を何かが覆った。

榛名「……!」

 砲弾はおろか、連装砲に触れる間もなく、何かが爆ぜる。

 劈くような破裂音と、火花のように強く弾けた視界の後に、再度海中に押し戻された榛名。

 何が起きたのかを考える前に痛みが全身に走り、そしてそれからようやく呼吸を思い出し、海水を飲み込んで咽た。

榛名「はっ──う、あ、あ」

 金魚のように口をパクパクと動かすが、自分の声が返ってこない。上手く聞き取れない。

 爆音のせいで一時的に聴力が麻痺してしまっているのだ。

 海面に、赤い雫が伝って落ちた。

榛名「……あ。あ、あ。ああ」

 睦月が涙を浮かべながら駆け寄る姿も目に入らない。

 ぴしりと鏡に亀裂が入っていくのを、榛名自身も感じた。

 それは、あまりに遅すぎた、暗い海での一掻き目。

 それでも岸にたどり着くための最初の一歩。

榛名「ああ、ん、ぐ、うう。うあっ……」

 鉄の味を吐き捨てながら、痛みで割れそうな頭をかきむしる。

 榛名の記憶している限り、これが彼女にとって初めての大破だった。

 並々とグラスに注がれた水。表面張力でもってぎりぎり堪えていた……
様で、その実すでにグラスからは水が溢れてしまっている。

 榛名だけがそれに気づいていない。榛名自身だけが、零れていく水に気付かず、まだ大丈夫だと思っていた。

 だけれど。そこについに石が投じられ、大量の水が零れた。

榛名「あう、あ、いや……ぁ!」

 そうなって初めて榛名は、自分の心に気がついた。

 今更になって、気がついた。

ケッコントラウマ新歓引き抜き
やる事一杯だあ


睦月「提督!」

提督「……ああ」

 榛名の部屋の前。

 烈火のごとく強い口調で俺に抗議したのは、睦月だった。

 浜風が、睦月を宥めるように肩に手を置くが、それを振り払って俺に詰め寄る。

睦月「どうしてあんな無茶をさせたのです!」

提督「睦月の言うとおりだ。すまない」

睦月「睦月に……、睦月に謝っても、意味ないのです」

 全て睦月が正しい。

 榛名の為とはいえ、肝心の榛名がこうして負傷してしまっては意味がない。

 そして頭を下げるべき相手は他ならぬ榛名である。

睦月「提督の気持ちは、分かってますけど。でも、榛名さん、苦しそうでした」

 自分の事のように胸に手をやる睦月。

睦月「せめて一言、どこかで榛名さんに何か言ってあげるべきだったと思います」

 それもおそらくは正しい言葉なのだろうが、とはいえ榛名が聞き入れてくれるかどうかは分からなかった。

 それに、一度突き放すと決めた以上、中途半端に糸を結ぶような言葉は、やはり掛けられなかったのだ。

睦月「……」

 榛名を助けたいと思うのは睦月も恐らく同じだろう。でなければ、とっくにどこかで旗艦を断っているのだから。

 それでもそうしなかったのは、それが榛名を立ち直らせるためにあると、俺を信じてくれたからだ。

 榛名を信じ、俺を信じてくれた睦月。その表情は、理屈では分かっているものの、感情が納得していないと言った風だった。

睦月「……、もし、これで榛名さんが立ち直れなかったら」

提督「その時は軽蔑して構わない。砲弾で撃ち抜いてくれてもいい」

 それは決して榛名に対する答えではなく、言ってしまえば自己満足のようなものではあったが、しかしそれくらいしか出来る約束はなかった。

浜風「私は別に、今の榛名さんも魅力的ですけどね」

 茶化すように浜風がそう口を挟み、それに睦月が頬を膨らませて怒った表情を浮かべた。

浜風「何にせよ。ここが正念場なんじゃないですか?」

提督「……、そうだな」

 息を吐いて、扉を見る。そしてノックした。

提督「榛名。少し話がしたい。入っていいか?」

 短く、はい、と言う言葉だけが聞こえた。


 カーテンが閉まったままの部屋は、夕陽を拒むような暗さだった。

 電灯をつけようかと思い見上げるも、そこに電球はなかった。

 やはり、と言ってしまっては何だが、彼女は自分の部屋の事は考えていなかったようだ。

 私物などほぼ皆無に等しいこの部屋では、確かに突き詰めてしまえば睡眠くらいしか出来ることはなく、電灯の有無はさして問題はないようにも思える。

 しかしそれはあくまで実用性の話であって、彼女が人として暮らす上では、やはり間違っている様な気がした。

榛名「すみません」

提督「いや、いい」

 スイッチに手をやったままだった俺の思考に気がついたのか、榛名が呟く。

 床に直接ぺたりと座ったままの榛名。掛け布団らしきシーツを足にかけ、壁にもたれかかるように背を預けている。

 視線は俺を見ているようだが、方向だけ合っているだけで、本当に俺を捉えているかどうかは定かではなかった。

提督「怪我は、大丈夫か」

榛名「はい」

提督「すまない」

榛名「いえ」

 簡潔に、淡々と答える。感情の起伏がどこに向かっているのかが分からなかった。

 怒っているのか、哀しんでいるのか、苦しんでいるのか。

 もしかしたらその全てなのかもしれないし、或いはそれらを全く見せないように堪えているのかもしれない。

 まさか、全く何も感じなくなってしまったのだとは思いたくないけれど。

榛名「提督」

 どこから話題を切り出そうかと考えていた所に、意外にも榛名から声がかかる。

提督「どうした」

榛名「榛名は、もう必要ないのですか?」

提督「そんな事は無い」

榛名「……ですが」

 長い話になる。とはいえ、日が暮れて、彼女の姿が見えなくなる前に、伝えたいと思った。

気合入れてるな


提督「君が旗艦から外れて、分かったことがある」

榛名「……」

提督「それは、やはり君を旗艦にすべきだという事だ」

榛名「……それは」

 違います、と掠れた声で榛名が続ける。

榛名「榛名が、加賀さんと夕立さんに指示を出しても、聞いてもらえませんでした」

 しかしそれは、他の誰もが同じ事だ。

 睦月でも浜風でもそれは出来ていない。

提督「あの二人をフォローして、艦隊全体の被害を一番抑えているのは君だ」

榛名「……」

 加賀が旗艦では、指示も何もない。突っ込むだけで、夕立以外の三人は自分で行動せざるを得ない。

 浜風は慎重に行動する故に、榛名の様に二人をフォローせず、別の所に気を向ける。

 睦月の場合は、突っ込んでしまい負傷する夕立や加賀に気が行ってしまい、指示を向ける余裕がない。

 夕立に至っては論外だ。

 二人に引っ張られすぎずに、かつフォローできるのはやはり榛名なのだ。

 恐らく言葉で説明しても、きっと彼女は納得しないだろう。自己評価が異様に低い彼女には、そういう理屈は届かない。

 それを分かって欲しくて、全員を旗艦にしたのだけれど、榛名自身がそう進言するのを待ちすぎてしまったのは俺の失策である。

 無能としか言いようがない。

提督「本当にすまない」

榛名「……榛名のせいですから」

 くっと布団を握った。

 それが彼女の癖なのだろう。服の裾や、布団を掴むのが。

 それが何だか、救いを求めて板に縋るような手つきに見えた。

その手を取って


提督「……榛名。俺がここに来たときのこと、覚えているか?」

榛名「え、と……」

 初めてここに来た日。あの時最初に会ったのは、榛名だった。

 冬の朝にも拘らず素手で草むしりをしていた姿は今でも鮮明に覚えている。

 それから今日に至るまで、彼女はいつだって自分の手を土に汚し、埃で汚してきた。

 誰に言われた訳でもない。誰に指図されたわけでもない。

 或いはそれが、空虚に耐えるための生きる術だったとしても。

 それでも、

提督「この鎮守府を一番立て直しているのは、君じゃないか」

榛名「……っ」

 理由や過程など、そんなものは詮無いことだ。

 最終的に、今日まで一番寒さに耐えてきたのは、他ならぬ彼女に違いない。

 俺の言葉に、榛名が再度布団を強く握った。

 その手には今だって傷がある。

提督「君は、君が思っているよりずっと、いなくてはならない存在なんだよ」

榛名「……あ」

 彼女が欲しいのは罪でも罰でも、仕事でもなかった。

 要は、そういう事だった。

 ただ単純に、彼女は、認めて欲しかっただけなのだと思う。

 自分と言う存在を。自分のいる意味を。

 それが罪に苦しむ行為でも、罰を受ける行為でも、何でも良かった。

 そのどちらにしても、それを与えてくれる存在があるのであれば、彼女はそれに縋りたかったのだ。

 だけれどそれもできなかった。

 たった一言。たった一つ。

 何か、心を支えるものが欲しかったのだと、思う。

 だから、それを見つけてあげられることができれば、それが彼女にとっての救いになるのだろう。

認められるって難しいよね…

認めるのも難しいんだよ...

例の安価は優しくするが最善手だったのな

そして依存へ


榛名「で、も」

 ぎこちなく唇を動かす。

 瞳が大きく揺れて、光源の乏しい部屋の中でも光った。

榛名「榛名は、大和さんを。提督の大事な方を、この手で撃ってしまいました」

提督「……ああ」

榛名「許されてしまっては、いけないと思います」

提督「今この瞬間も、君は自分で自分を罰している。それで十分だろう」

 他人による罰は、確かに自分で律する物よりも意味合いが強い。

 だけれどそれは、死罪でない限り、いつか終わりが訪れる。

提督「もし君は、例えば俺に反省文を一枚書く事が罰だと言われたら、受け入れるか?」

榛名「そんな! そんな軽いものでは……!」

提督「そう言う事だ」

 結局の所、他人に罰を科されようと、科されまいと。最終的に自分を戒めるのは、他ならぬ自分自身でしかない。

 そして彼女はあの夏から半年間、ずっと苦しんできた。今でもまだ心の傷は深いままだ。

 果たしてそれでも、彼女は許されないのだろうか。

 そこまで彼女を罰するのは、誰だと言うのか。

榛名「許されるとか、許されないとか、ではないんです。榛名は、だって……!」

 しかし榛名の言葉も変わらない。それも尤もで、彼女は許されたくて苦しんでいるわけではないのだ。

 終わりのない出口や、解答のない命題を前にしているのだ。

 俺の言葉が正しいわけでもなければ、彼女の言葉が間違っているわけでもない。

 だからこそ、彼女はどうして良いのかが分からない。

提督「榛名。分かった。君の言い分も、きっと正しい」

榛名「……」

提督「だから、一つ約束をしてくれないか。大和の代わりに、大和と一緒にいた俺からの約束だ」

 半ばずるいと思いながらそう言った。

 大和の名を出せば、彼女が断れないと知っていて、そう言ったのだから。

榛名「……はい。どんな罰でも、提督の言葉であれば」

提督「ああ」


榛名「で、も」

 ぎこちなく唇を動かす。

 瞳が大きく揺れて、光源の乏しい部屋の中でも光った。

榛名「榛名は、大和さんを。提督の大事な方を、この手で撃ってしまいました」

提督「……ああ」

榛名「許されてしまっては、いけないと思います」

提督「今この瞬間も、君は自分で自分を罰している。それで十分だろう」

 他人による罰は、確かに自分で律する物よりも意味合いが強い。

 だけれどそれは、死罪でない限り、いつか終わりが訪れる。

提督「もし君は、例えば俺に反省文を一枚書く事が罰だと言われたら、受け入れるか?」

榛名「そんな! そんな軽いものでは……!」

提督「そう言う事だ」

 結局の所、他人に罰を科されようと、科されまいと。最終的に自分を戒めるのは、他ならぬ自分自身でしかない。

 そして彼女はあの夏から半年間、ずっと苦しんできた。今でもまだ心の傷は深いままだ。

 果たしてそれでも、彼女は許されないのだろうか。

 そこまで彼女を罰するのは、誰だと言うのか。

榛名「許されるとか、許されないとか、ではないんです。榛名は、だって……!」

 しかし榛名の言葉も変わらない。それも尤もで、彼女は許されたくて苦しんでいるわけではないのだ。

 終わりのない出口や、解答のない命題を前にしているのだ。

 俺の言葉が正しいわけでもなければ、彼女の言葉が間違っているわけでもない。

 だからこそ、彼女はどうして良いのかが分からない。

提督「榛名。分かった。君の言い分も、きっと正しい」

榛名「……」

提督「だから、一つ約束をしてくれないか。大和の代わりに、大和と一緒にいた俺からの約束だ」

 半ばずるいと思いながらそう言った。

 大和の名を出せば、彼女が断れないと知っていて、そう言ったのだから。

榛名「……はい。どんな罰でも、提督の言葉であれば」

提督「ああ」

連投?


提督「榛名。君がすべきことは単純だ」

提督「生きてくれ」

提督「大和の分まで、生きてくれ」

提督「それだけだ」

榛名「……え?」

 呆気にとられたような表情を浮かべる。

提督「君が大和にしてしまったことは消えないのだとしても。それでも、精一杯生きてくれ。心を殺さず、大和達があの日までそうしていたように、笑って欲しい」

榛名「……、それは、そんなの。そんなの、罰になりません。罰はもっと苦しいものでなくては」

提督「なら、今君は笑えるか?」

榛名「っ、それは!」

 叫びかけた榛名だったが、すぐにその勢いは消沈する。

榛名「それ、は……」

 出来ない。出来るはずがない。

 鈴谷の言葉を思い出す。

 ああ。確かに榛名は俺に似ているのかもしれない。

 今この瞬間だけ、少しそう思った。

提督「あの出来事を振り切って、壁を乗り切って初めて笑えるのだとしたら、それは十分苦しいことになると思う」

榛名「……」

提督「月並みかもしれないが……きっと、大和も、そう願っている」

榛名「……大和、さんが」

 凜とした大和の姿が、走馬灯のように蘇る。

 いつだって彼女は凛々しくて、それでもどこか少しだけとぼけた所があった。

 そしてそんな彼女がもし今この場に居たら、そういってくれるに違いない。

 そういう人だった。そういう女性だった。

榛名「……、出来る、でしょうか」

提督「一人で出来なかったら、いつでも力になる。君は一人じゃない」

提督「この鎮守府に君が不可欠であるように、君にとっても、この鎮守府の皆が大事なんだと思って欲しい」

榛名「……はい」

提督「生きてくれ」

榛名「……はい」

 一筋だけ、頬を伝って涙が落ちた。


榛名「……あ」

提督「大丈夫か」

 かくんと榛名の身体が一瞬倒れかけた。

榛名「す、すみません」

 無理もない。ここ最近はまともに眠っていなかっただろうし、加えて今日の負傷だ。

 身体だけでもとうに限界を超えている。

 加えて、少しでも彼女の心に届いてくれたようで、長らく張り詰めていた緊張の糸が、ようやく緩もうとしているのだ。

 今この瞬間にも目を瞑ってしまってもおかしくはない。

 ……が、女性の寝顔を覗くほど野暮な事もない。睦月がそうであったように、榛名だって見られたくはないだろう。

提督「榛名。休んでくれ」

榛名「……、はい」

 少しばかり間を置いて答える。相変わらず休むと言う単語に反応したようにも見えるし、それか既に眠気が襲ってきているようにも見えた。

提督「また君が目を覚ましたら、旗艦を任せたい」

榛名「本当、ですか」

 ぼんやりとした声で聞き返す。

提督「ああ。だから……今は休んでくれ」

榛名「……はい」

 再度榛名の顔が揺れ、その拍子にぽたりと涙が落ちた。

榛名「提督」

提督「なんだ?」

榛名「……、……。ありがとうございます」

提督「……ああ」

榛名「ありがとう、ございます」

提督「ああ」


 ──おやすみなさい。


 そう呟きながら、榛名の身体が今度こそ布団に倒れる。

 覗くのは失礼だとは思いながら、扉を開ける前にもう一度だけ振りかえった。

 夕陽の落ちた部屋の中、涙を拭うことなく、榛名が眠りについた。

 長かった半年振りの、眠りの世界に。

提督「……おやすみ。榛名」

 聞こえないとは分かっていても、ついそう呟いた。

 微かな寝息を後ろ背に、俺は榛名の部屋を後にした。


榛名「おはようございます」

提督「ああ。おはよう」

 朝である。

 目元の隈がとれた榛名がやってきた。

提督「もう大丈夫なのか」

榛名「はい。一晩寝ましたから」

提督「……、そうか」

榛名「あんなに眠ったのは、あの日以来です」

 やや息を細く吐きながら、榛名がそう呟いた。

 まだ表情は硬いものの、それでも声色は少しだけ変わった気がする。

 あくまで、少しではあるが。

 これも時間を経てば、変わっていくのだろう。

榛名「提督。榛名、頑張りますので、よろしくお願いしますね」

提督「ああ」

榛名「それで、ええと。早速なのですが。何からやりましょうか」

提督「本当に早速だな」

榛名「はい、体も、驚くほど軽いんです。ドックに行っていないのに、一晩眠るだけでこうも変わるなんて」

提督「ああ、ええと、榛名」

榛名「はい、仕事ですか?」

提督「いや、その前に一つ言っておこうと思って」

 その言葉に榛名が身構えた。

榛名「なんでしょう。何なりと」

 そんな面と向かわれると言い難いのだが、しかし折角なので言っておこう。

 一度咳払いをする。こくりと榛名が唾を飲んだ。

提督「……実はな」

榛名「はい」

提督「君が眠っていたのは、一晩じゃないんだよ」

榛名「はい」

榛名「……」

榛名「……は、えっ?」

(かわいい)

(トイレの世話とか提督かやったのかな)


提督「半年分の睡眠だからな。たった一晩じゃ足りないだろう」

榛名「た、確かに、怪我も治っていますし、そうかもしれません」

提督「そういうことだ」

榛名「……あの」

提督「どうした?」

榛名「と、いう事は、榛名は実際どれくらい眠っていたのでしょうか?」

提督「三日だ」

榛名「えっ」

提督「丸三日だ」

榛名「……」

 絶句した様子で立ち尽くす榛名である。

 それもそうだろう、本人からしたら一晩八時間の睡眠が、本当はその九倍近い時間眠っていたのだから。

提督「なので、君に会うのは四日ぶりという事になる」

榛名「あ、え」

 途端に榛名が顔を赤くした。

 そんなに長い時間眠っていたことが恥ずかしくなったのだろうか。

榛名「……あ」

 そして、改めて三日と言う時間を理解したのか、そこでくぅと榛名の腹が鳴った。

 慌てて腹に手をやって隠すも、聞こえてしまった音は取り消せない。

提督「まぁ、空腹にもなるだろう」

榛名「うう……!」

提督「大丈夫か。物凄く顔が赤いが……」

榛名「……だ」

提督「だ?」

榛名「大丈夫……」

榛名「……じゃありません! すみません!」

 止める間もなく、苛烈な勢いで飛び出していってしまった。

 せめて扉は閉めてほしいものだが、まぁ仕方ないだろう。

提督「……いずれにしても、良かった、みたいだな」

 あの様子であれば、きっと榛名が笑う日は遠くはないだろう。

 いつかその日には、二人で大和達の事を偲びたいと思う。

 その日になれば、少しは雨が嫌でなくなるのかもしれない。

 そんな事をぼんやりと思った。


【榛名の好感度が60を越えました】

5 提督が睦月で手料理の実験

やっちった(赤面)

次は加賀かな?好感度巡的には

いい加減装備も直さんといけんしな

だが僕は榛名


睦月「おはようなのです!」

榛名「おはようございます」

提督「ああ、おはよう」

睦月「おりょ」

榛名「あら……」

 睦月と榛名が互いを見やる。

 世話を焼きたがる睦月と、仕事をしようとする榛名の行動パターンが被ったようだ。

睦月「ええと……」

榛名「すみません」

睦月「睦月の方こそ……」

榛名「睦月さんの方が先でしたので」

睦月「いえいえこちらこそ」

 話が先に進まないのだが、これはもしやこの先何度も見ることになるのだろうか?

 あまり嬉しくはないな……。


↓1

1.出撃

2.演習

3.遠征

4.工廠

5.その他(自由安価。お好きにどうぞ)

5 提督が睦月で手料理の実験

5 榛名と出かける


睦月と雪風のお見舞いに行って大淀さんとばったり会う

1秒……だと……?

経緯はともあれ、せっかく来たんだし清霜のことも気にかけてあげて

だが俺は58

すげぇ、2秒の壁破ってる…実験て罰ゲームか何かか?

睦月しか上げないのか(困惑)勿体ない気もする。まぁいいけど

マジかよ

清霜?刹那で忘れちゃった。まぁいいか、こんな駆逐艦

今の榛名と鈴谷でも会わせるのは無理があるかな?

おいアンタ...当たり前の事言ってんじゃ......

鈴谷が抱えてる問題が解決しないことにはなぁ...
睦月は初めから仲良さげだったけど睦月に頼りきりなのも如何なものか

やめろ>>522ちゃん‼︎

清霜の歓迎会とかやってあげたいです…

鈴谷に救いを…

>>521
鈴谷をもうちょっとどうにかしないと5で取る内容思いつかんなあ

そろそろ雪風のタイムリミットじゃないのん
鈴谷レイプも捨てがたいけど


提督「睦月、ちょっと良いか」

睦月「良くないのです」

 にべもない。

睦月「提督が厨房にいる時点で、睦月は何を言われても断るのです」

提督「酷いな」

睦月「だって、料理でしょう?」

 まぁ、そうなんだが。

睦月「料理なら睦月が作るので必要ないって言ってるのに、どうしてお金の無駄遣いするのです」

提督「睦月、心なしか料理に関してはやけに俺に辛辣じゃないか?」

睦月「睦月が辛辣なんじゃなくて、提督が乱雑なのです」

提督「まぁ、そう言うな。……それで」

睦月「それで?」

提督「どれから食べる?」

睦月「何で既にもう出来てるんですか。事後報告もいいところなのです!」

提督「そう言わずに。俺とて睦月の料理は好きだが、しかし作ってもらってばかりでは立つ瀬がない」

睦月「好……うん」

 途端にしおらしくなる。これは好機だ。この手を逃すわけにはいくまい。

提督「俺の為に、ここは力を貸してはくれまいか」

睦月「ん、うん。まぁ、うん。提督がそこまで睦月の事必要って言うなら、仕方にゃいかにゃぁ」

 あちらこちらに視線を彷徨わせながらそういう睦月。

提督「よし。ありがとう。じゃあまずはこれから行こうか」

睦月「あれ、選択肢……」

提督のスイーツみたいなものをポンコツさんに食べさせて、

感想聞きたい。

頭にきました不可避

例の如く何の意味もない面白コンマ
↓1 高ければ高いほどメシウマ

そういやポンコツさんの摘み食いは睦月にバレてたっけ?

駄目みたいですね

うーんこの

期待を裏切らないコンマ

oh...

安価対象以外のコンマの高さ

うーんこのポンコツ


提督「お待たせしました、カレーうどんとサラダ、味噌汁にデザートです」

睦月「カレーうどんに味噌汁……?」

提督「味噌汁くらいしか汁物が分からなくてな。下手なものに挑戦するよりは言いかと思ったんだが」

睦月「その心遣いは嬉しいのです。出来れば作る前に止めるくらいの心遣いが睦月は欲しかったですけど」

提督「まぁ、そう言うな。カレーは大抵どうやっても外れはしないし、サラダも言ってみれば野菜をそのまま切っただけだ」

睦月「まぁ、確かに……」

睦月「じゃあ、サラダから頂きます」

睦月「……すっごい緑。芝生かっていうくらい緑」

提督「冬野菜をふんだんに使ったんだ」

睦月「それは分かりますけど、なんでこんなに彩り偏っちゃったんです?」

提督「水菜、小松菜、春菊、セロリ、レタスだ」

睦月「葉物オンリーじゃないですか!」

睦月「……まさか、このでろっとした緑色のドレッシングは」

提督「青汁だ」

睦月「やっぱりー!」

提督「健康にはいいはずだ」

睦月「いやいや、今日びキリンだってもっとマシなもの食べてますよ」

提督「食べてみてくれ」

睦月「えぇ……」

睦月「……」

睦月「……あむ」

睦月「にっがい!」

睦月「あ、辛い! 苦味を通り越して辛味になったのです!」

提督「睦月は子供舌だな」

睦月「おー睦月のせい!? そうきます!?」

たまに料理の彩を考えない人っているよね

ハハハ此奴め


提督「さぁ、カレーうどんだ」

睦月「えぇ……。もう辛いのは野菜で十分なのですよ」

提督「野菜の辛味とはまた違うだろう」

睦月「……まぁそうですけど」

提督「さぁ、どうぞ」

睦月「んー……」ズルズル

睦月「ぶふぉ」

提督「どうした睦月、大丈夫か」

睦月「あ、え、え? なにこれ? え?」

睦月「甘い? 辛い? え、わかんない」

睦月「あ、いや、不味い! 結局トータル的には不味い!」

睦月「色々入れすぎなのです! 香草いくつ入れたんですか!?」

提督「手当たり次第に……」

睦月「パフェのときもそうでしたけど、なんで主役を上回っちゃうんですか脇役が。あ、というかこれバニラビーンズまで入って……げふっ」

睦月「あ、今頃になってミントが鼻を抜けてきました、こんな風通り求めてない!」

提督「もう少し食べてみてくれないか?」

睦月「え、中破進軍しろと?」

提督「大げさだな」

睦月「何故そんな図太いんですか今に限って……」

睦月「……おえ、不味い、不味い」ズルズル

睦月「……ん?」

睦月「何か下から出て……」

睦月「……」


納豆「来ちゃった///」


睦月「」

ひぇっ

よう食えるな...
愛のなせる技か...

流石に納豆カレーうどんはちょっと…

納豆はアカン


睦月「いやいや、意味がわからないのです。何故に納豆が? というかなんか色々出てきた!」

提督「睦月は、豊橋カレーうどんを知らないのか?」

睦月「いや知ってますよ! カレーうどんの下にとろろうどんが入ってる名古屋名物ですよね!?」

提督「正確には名古屋の隣の豊橋が発祥なんだが」

睦月「愛知は名古屋みたいなものですから、さして差はないですよ、それより問題はそこじゃないのです。なんですかこれは一体」

提督「いや、だから、豊橋カレーうどんをだな」

睦月「どうやったらとろろと納豆間違えるんです? 心労ですか?」

睦月「しかも納豆だけじゃなくてオクラとかも入ってますし……」

睦月「……はっ、まさか」

提督「とろろがなかったからな。冷蔵庫にあったネバネバしたもので代用した」

睦月「出たぁ、料理下手特有の謎の代用だ! ってことはこれこの間パフェに使おうとした納豆じゃないですか!」

睦月「なんでとろろと納豆がイコールで繋がるんですか? 湾曲的に睦月の事殺めようとしてます?」

提督「するわけないだろう」

睦月「本当かなぁ……」

提督「何故俺が睦月にそんな事をしなくてはならない。むしろ何があっても守ってやる」

睦月「今守って欲しいなぁ、切に守って欲しいなぁ」

提督「納豆もオクラも体にはいいはずだ」

睦月「単体ではそうでも足したらマイナスになる事もあるんですよ」

提督「これも駄目か」

睦月「当たり前なのです」

もう、あかんやろ...

青汁はドレッシングとは呼ばないしバニラビーンズを家庭料理に使うことなんかあってたまるか
しかし真に恐ろしいのはうちの妹と似たようなことしてるってこと

まだ味噌汁とデザートが残っている……

陸上だけど睦月轟沈してまう


提督「口直しに味噌汁はどうだ」

睦月「口直しって言っちゃった」

提督「アサリの味噌汁だ」

睦月「あぁもう予想できる。これから味わう悲劇が予想できる」

提督「上手くできてるかもしれないだろう」

睦月「かもって言っちゃった。もう上手く出来てる方が確率低いって認めちゃってるじゃないですかー!」

睦月「うう……」ズズ ジャリッ

睦月「知ってた! 砂ぁ!」

睦月「砂抜きしてください! それでこれ、出汁とってないですよね、お味噌お湯で溶かしただけですよね!」

提督「……?」

睦月「ああキャパオーバーしてる! 首傾げてる! 可愛い!」

提督「味噌を溶かすだけでは駄目なのか」

睦月「駄目ですよ……鰹節と昆布使ってください、それか最初から出汁が入った味噌買ってください」

提督「難しいな……」

睦月(それでも食べる自分がなんと言うか……間抜けです)

睦月「後はデザート……」

提督「コーヒーゼリーだ」

睦月「コーヒーを冷凍しただけとは言いませんよね?」

提督「……」

睦月「……」

提督「……」

睦月「……」

提督「……まぁ、これは食べなくても良いぞ。苦いから」

睦月「図星か!」

初めて味噌汁作った時やったなぁ

コイツを厨房に入れてはいけない(確信)

この提督は、自分で味見せんのか?

加賀さんが食べて「美味しい」
→ 提督が喜ぶ
→ 睦月嫉妬(可愛い)
のコンボを求む

仮に出汁を取れても豆腐をぼっこぼこに膨らませそう

メシマズの辞書に味見の二文字はない

>>554
提督にそのコンボが出来る実力は無い

最初の描写見るに提督も食事は自分で用意してたみたいだし味に頓着しないんだろ

【飲んだらジャリッて】提督のメシがまずい【味噌汁が】

【食材無いのに】提督のメシがまずい その2【代用するな】


提督「さて、全部食べたわけだが……」

睦月「コーヒーゼリーもどきを隠しながら言わないでください」

提督「ずばり何点だ?」

睦月「えっ、この期に及んで採点させるんですか……? 苦行?」

提督「明確な数字があったほうが、参考にしやすいだろう」

睦月「まるで今後があるかの様な物言いですけど気のせいですよね。気のせいかもしくは次は別の人が餌食になるんですよね」

提督「いやいや。こんなことは睦月にしか頼めん」

睦月「えぇ……。どうしよう、本来なら嬉しいのに嬉しくない。今トイレ行ったら乙女心も一緒にリバースしそう」

睦月「提督じゃなかったらとっくにハリセンでひっぱたいてましたよ」

提督「酷いな……。というかどこから取り出した」

睦月「酷い料理でしたよ……」

睦月「それでも強いて点数をつけるなら……うーん。五、いや、七点ですかね」

提督「……それは、十」

睦月「百点満点ですよ!」スパーン

提督「そうか」

睦月「えっノーリアクション……。そうです、提督の手作りだとしても加点できて二点なのです」

提督「意外と痛くないもんだな」

睦月「あっ今ハリセンに反応するんですか? 時差ですかまさかの」

提督「やはり俺に料理の才能はないのか」

睦月「皆無ですね」

提督「いつも睦月に作ってもらっているお返しがしたかったんだがな」

睦月「だ、騙されませんよ」

提督「いや、本当だ。睦月に何かしてあげたかったんだ」

睦月「うう……」

睦月「だったらもっと別のにしてくれたらいいのに」


睦月「というか、提督は自分で食べられるんですか?」

提督「自分が食べられないものを人に出すわけないだろう」

睦月「突然の正論に動揺を禁じえない」

提督「抜群に美味いとはさすがに思わないが、自分用に作るものにそこまで気は使わないからな」

睦月「腹に溜まれば何でも良いって奴ですか?」

提督「ああ」

睦月「……睦月の料理もその程度だったんですね」

提督「いやそれは違うぞ」

睦月「ショックです。あんなに愛……、んんっ、気持ちを込めて作ってたのに」

提督「そういうつもりで言ったわけではない、本当だ」

睦月「信じられないのです。およよ」

提督「すまない」

睦月「……本当にごめんなさいって思ってますか?」

提督「勿論だ」

睦月「んん。じゃあ……そうですね。まずは、いつも美味しい料理作ってくれてありがとうという気持ちを込めて、頭を撫でてくださいにゃ」

提督「何故そうなる」

睦月「頑張って食べたのに」

提督「分かった。分かったから泣くな」

睦月(泣きまねですけど)

提督「……これでいいか?」ナデナデ

睦月「もっとなのです。三品分です」

提督「分かったよ……」ナデナデ

睦月「んー……」

提督「もう良いだろう、良いにしてくれ」

睦月「仕方ないのです。頭は終わりでいいのです」

睦月「次はお腹一杯なので、ですね。お、お腹をですね」

提督「……無理だ」

睦月「むー」

砂糖吐きそう


提督「それはさすがに出来ないぞ。本当に無理だ」

睦月「一回だけでいいので」

提督「それは、いや、ちょっと」

睦月「……せい!」グイッ

提督「あっ」フニョン

睦月「さすさす」

提督「放しなさい、いけません、やめなさいそういうのは!」

睦月「提督ってテンパるとお母さんみたいな口調になりますね……」

提督「そういうのは、もっと別の人にしなさい。というよりまだ君には早い」

睦月「……うなーう!」

提督「こら放れなさい、抱きつくのは駄目だ、本当に駄目だ!」

睦月「別の人なんていませんよーぅ!」

提督「どうしてこうなったんだ!」

睦月「提督が料理を作るからです!」

提督「作らなければいいのか、そうか!」

睦月「睦月が毎朝お味噌汁作りますからそれで十分なのです!」

提督「それは確かに魅力的ではあるが……」

睦月(……ん?)

睦月(あれ。今睦月は何を?)

睦月(……)

睦月(……あ。あっ、ああ!)

睦月(なんて恥ずかしい事言ったんでしょう!)

睦月「うう、わあ、わーい!」

提督「な、なんだ……?」

睦月「お味噌汁! お味噌汁!」

提督「大変だ。睦月がバグった……」

睦月「ふにゃああ!」



好感度上昇

↓1のコンマ十の位(ゾロ目ならYP+1)

しかしメシマズって本当にいるのか

本当のメシマズはこれどころじゃないよ

睦月99になりましたね……(驚愕)

今日はここで終わりです。おやすみなさい


結局病まなかった…


ゾロ目ってこんなに出難かったっけか

乙です
もとより天使だった睦月に加え、榛名も克服したし天使になるのかな
なんだ、この鎮守府は天使だらけじゃないか(錯乱)

単純に十分の一だからなww

この>>1料理話書いてる時なんか凄い生き生きしてる気がする
榛名からこの話のテンションの差すげえ

まさかメシマズ食わされて好感度カンストするとは…………

いったいメシマズとは……

ケッコンカッコカリだね(ニッコリ)


睦月かわいい

納豆カレーが美味いのに納豆カレーうどんが美味くない訳ないやろと思ったが
ミントやらバニラビーンズが入ってる中で出現するのはまずいか

磯風が出てたらきっと提督と意気投合しただろうな
ただし厨房はパンデモニウムと化すが

そして比叡が気合入れて提督達に指導するんですね

いけにえ、いや試食は清霜にさせよう(提案)

まだ…まだ初心者がやるミスだから救いようはあるはず…

やめなされ…新たなトラウマを刻むのはやめなされ…

諸々の原因がたたっていよいよ拒食症発症とか、そんなトラウマ

食事を採ると提督の製造したものがフラッシュバックし吐き戻してしまう清霜

やがて体は痩せ細り動く事がままならなくなっていった……

睦月好きが本気を出し過ぎい
鈴谷とか58にも愛を

本気ってか厚顔無恥
脊髄反射で書き込むのはいいけど何回お手つきしてんの

安価スレってそういうもんじゃないのか
不満があるなら安価取らないと

だからお手つきはやめろって言ってんじゃないの?
まぁ何言っても仕方ないと思うけど

↓2にするだけで事故は消えると思う>お手つき
……ということを1もわかってて現状維持にしてるんだから多分これからもこのまま

まーた安価取れない嫉妬民か

安価とる前に寝ちゃった人もいるんですよ!

睦月推しだけど、傍目にもみっともない真似するこっちゃないとは思った

まあ本人がちょっと恥ずかしいだけで
お手つきして一回休みってルールがあるわけでなし

文句いうのは話が自分の思う通り進まないって駄々こねてるのは艦これプレイできる年齢かすら怪しいお子様だから

提督がコンソメ飲みたいって言ってたり日々の想い出を思い出してたり、両腕が58と雪風に持たれたりと大和が結構重要ポジにいるよな

見も知らぬ他人をお子様呼ばわりする大人がいるらしい
なおいい大人のくせして日本語が怪しいもよう

なんJ語で非難するやつよりかは実年齢はともかく精神年齢は高そうだ

安価取りたいのは分かるけど、せめて投稿の内容ぐらいは確認してから狙ってほしい

重要な選択肢が来た時に誤投稿されたら困る

>>589
日本語おかしい

乙です

まぁ、そうなるな

まぁ、何言っても負け犬の遠吠えだよねみっともない

そういう余計な煽りは必要ないだろ
穏やかにいきましょうよ

だな安価取れた人煽るとか無いわ

>>598
ごめんね
けどそういのは俺じゃなくて上で取れずに暴れているのに言ってあげて欲しい

まあとりあえずこのスレでは安価が近くなって来たと思ったら>>1が書き込む毎に安価内容レスするのがジャスティスってことだな

>>601
だからそういうことを(ry

愚痴愚痴文句言ってるのって前にID変えながら暴れてた奴か

榛名も峠は越えたみたいで良かったね、まだ先は長いだろうけど……
ここから先は癒し要員化クルー?

しかしやることいっぱいだな、とりあえず清霜にスポット当てて他キャラと絡ませたいところ

清霜はなんか一番嫌われちゃまずい読者に歓迎されてないっぽいしまずいかもね
せっかく来てくれたんだから大切にしたいところ

こんなとこに住み着いてる読者に好まれるとか可哀想な話だけどな

>>605
なんで余計な煽りは止めろって言ってる奴が余計な煽りするんだよ…
というか暴れてるのどうみても同一人物の1人なんだからスルーしろよ

榛名解決可愛いヤッター睦月ケッコン可愛いヤッターですむ話なのに
何故一々暴れてしまうのか…てか無駄に清霜の敵作らないでくれよ

睦月との絡みで提督が可愛すぎて生きるのが辛い

提督のトラウマオープンはいつですかねえ

ま、いざというときの喧嘩の鎮圧は任せてくださいよ
アトリームにいた頃から暴徒鎮圧は慣れてますから!

こんなんじゃ俺…この鎮守府を守りたくなくなっちまうよ…

提督のトラウマオープンは金剛/雪風/大淀あたりが握ってそう
・58+浜風と雪風のお見舞い
・榛名と金剛のお見舞い
あたりで過去の事件の核心に迫って行かないと行けないんじゃないかな?

ああ゛~金剛の前で睦月といちゃついている提督をみせたいんじゃぁ~

効率厨としてはぼちぼち好感度低い艦娘を攻略したい
YPが増加すると好感度稼ぎに支障が出る畏れがある

トラウマ組の前で思いっきり睦月といちゃつく安価取りたいんじゃ~
ケッコンカッコカリで目標オープンみたいだし今回の睦月の多少は何かわかるかもね

ケッコンしたら好感度の代わりにYPが上がりますとかだったらどうしようか
睦月にパーリィーされるならそれもありかな

逆に

負い目があるがゆえに提督から格別の心遣いのもと甲斐甲斐しく世話される雪風/金剛
自分の知らない話題に花を咲かせる二人
そして自分には見せたこともない優しい笑顔を零す提督

そんなシチュエーションに嫉妬する睦月/榛名なんてのはどうですか??

ケッコンカッコカリもしたし全然攻略進んでない別鎮守府組どうにかしたいけど
何にしても目標オープンの内容次第じゃないの

カレーの悪評をみる度にP4のムドカレーを思い出すわ

なんか荒れたみたいで本当にすみません

参加してた人達が騒ぐなら兎も角後から文句を言う奴らなんて一々気にするな
というか>>1も早取り楽しんでる感あるし別にいいんじゃないの

ルーザーでもあるまいし安価取れない奴の嫉妬キモティー↑ぐらいの気持ちでええんやで

ここに雪風も混ざるのか
先は長そう

結局俺がROMってても荒れてるやんけ
どうせ俺が居ても居なくても同じなら積極的に榛名狙いにいきますわ

そもそも榛名の時はあんだけボロクソに安価内容や早出しを叩いたのに最近は随分緩くなったのな
住民のスタンスも変わったみたいだしこれで参加しても叩かれないでしょ

あれって榛名が部屋嫌がってるのにその安価取った後にその言い訳をID変えながらしてたから荒れたんでしょ
別に早出しで荒れてたわけじゃないぞ

せやな 1人で顔真っ赤にしながら、ID変えまくって自演してたのはお笑いだったな 最後は開き直ってたし

安価終わった後に文句言う奴多すぎだろ

普通に取ってもまた榛名スナイパーかってボロクソに叩かれてたし
内容だって急いで書いたサジェストモドキよりはマシだったろうに

とりあえずID変えるのやめてくれNGし難いから

分かりやすすぎて草 かわいそかわいそ

スレが伸びてるからおお昼間に更新とは珍しいと思って開いてみた結果がこれだよ!!

叩くのも叩かれるのも末尾
もう少し心に余裕持てないのか

まーた同じ奴話題で荒れてんのか
懲りないね君らも

荒れてるんじゃなくて荒らされてんじゃないの?
悪くないって思うんならID変えて擁護なんてセコイ事せずに黙ってればいいのに

>>621
別に悪い事した訳じゃないだから堂々としてなよ
それより榛名のひとは本当にさっきからID変えて何がしたいの

すまふぉで書き込むと榛名の人疑惑持たれるのか
こえーよ

荒らすの目的で燃料投下してるだけだろ
触っちゃ駄目やで

>>638
いやあなたじゃなくてもうちょっと上のわかりやすい人だよ
触れちゃってごめん

この提督って、なんかの事情で味覚無くなってるのかね
自分の食事自分で作ったりしてるみたいなのに

抜群に美味しいとは思わないって言ってるから無いことはなさそう
味覚音痴って感じじゃない
まあ本当のこと言ってるかわからんけど

なんで俺の偽物が降臨してるんですかねえ…(困惑)

味に拘らないだけじゃないの
それよりケッコン楽しみ

うまいもん食って喜ぶって感情も砕け散ってそうだしなぁ

しかしこれで正式にあのロリコン提督と並んだか

艦娘の壊れ具合、その内容ってサスペンスもののドラマとか映画とかでたびたび見るけど
それをこんなにきっちり表現できるってマジにすごいわ・・・

更新来たかと思ったらこれだよ
未読70あったら期待するでしょ普通

壊れた読者に何を期待してるのか

このスレを見たせいで読者まで壊れてくとかなにそれこわい

一人の艦娘が立ち直る度に一人の読者が壊れます

俺ちょっとドッグ入ってくるわ

比叡に鍛えられてる榛名なら食えるんじゃないか?

>>566-654まで>>1無し

そうやって普通に更新内容にレスして楽しんでる人まで煽る行為が一番いらない

しかも自分も範囲に入っとるやん、なんという自爆テロ

>>655
煽りと分かりきってるレスに一々触れる行為は二番目にいらなんぞ

睦月は早くも一抜けか……本当に早いよww

と思うじゃん1ヵ月以上掛かってまだ一人なんだよなあ
それよりR-18GからGが抜けるんですかね?

遅くなりました今から書き始めますすみません。
皆さん大淀さんをちょろいちょろいと言いますけど睦月のほうが……

安価の即取りに関しては、ずらしてみてはという意見があるので時折そうしてみます。
それに少し関連して、以前言っていた通り、好感度99の子が出ましたので違うお話が進むわけですが、
地雷に近い選択肢もありますので気をつけてくださいね。

地雷はやばいな(建前) わくわく(本音)

待ってました!

おっす(Z戦士)

地雷かー怖いなー(ニコニコ)

ほのぼの癒やしタイムの睦月の選択肢に地雷が埋まるとかナニソレ怖い

なんかワザと地雷狙いに行くのとかも出そうだな

流石にそんな事する人はいないと思うけど

YP上昇とかならまだしも轟沈フラグとかだと迂闊に安価踏めないな

地雷…提督の手料理の事かな?

ゴーヤにオリョクルと囁きかける提督がいることを忘れてはいけない

なんか報復合戦になりそうで怖いな

これまた荒れそうなシステムを…

YP系の地雷なら歓迎だが…轟沈系なら回避せねば

YPも嫌だな
睦月には純粋でいて欲しい

こんなときのためになんか余ってた駆逐艦いたよな?

睦月だけに地雷が埋まるんじゃなくて全員に埋まるの?
それとも睦月だけ?


 睦月は激怒した。必ず、かの情緒纏綿、もとい愛しい提督を射止めなければならぬと決意した。

 睦月には政治がわからぬ。睦月は、ただの駆逐艦である。砲撃を放ち、浜風と遊んで暮して来た。けれども提督に対しては、人一倍に敏感であった。

睦月「むむむ……」

 今日未明睦月は執務室に忍び込み、本棚を越え机の引き出しを越え、とにかく漁った。

 睦月には父も、母も無い。片思い相手なら目の前にいる。寝ている。

 この睦月は、寝心地悪そうに寝返りをうちまくる提督を、近々、花婿として迎えられたらいいなぁと思っていた。結婚式という単語に夢見る年頃なのである。

 睦月は、それゆえ、花嫁の衣裳やら祝宴の御馳走やらをすっとばして、最も大事なものを探しに、はるばる執務室にやって来たのだ。

 先ず、その書類を捜し見つけ、それから都の大路をぶらぶら歩く予定だ。

睦月「ない、なぁい……」

 もそもそ。ごそごそ。

 静かな執務室に睦月の物を漁る音と独り言だけが漏れる。

睦月「あれがないと……」

提督「あれがないと?」

睦月「あれがないとカッコカリが出来ないのです」

提督「ほう」

睦月「ん?」

提督「……」

 振り向くとそこには邪知暴虐の王……ではなく、目を覚ました提督が、睦月の事を見下ろしていた。

睦月「これはですね」

提督「ああ」

睦月「これはですね……」

提督「ああ」

睦月「……」

提督「……」

睦月「ごめんにゃさい」

提督「説明をしてもらおうか……」

 誤魔化すように小首を捻り甘える睦月に、提督は大きく溜息を吐いたのである。

そ の た め の 清 霜
安価を不定期に範囲ずらすのはいいね。単純なスピード勝負(異常すぎる早さだが)にならないから

いや清霜よりまずは前からずっと待ってる雪風どうにかしてやれよ

地雷撤去に利用される不憫な清霜よ

金剛も忘れてもらっちゃ困る
正直忘れてたけどいい加減二人もトラウマ解消出来たんだし会いに行こうぜ

結婚する前に金剛に合わせてくれ、私の代わりに浜風を置いていく
もし間に合わなかったら浜風を病ませてくれ

金剛に会いに行くのは提督のみか榛名も一緒か他の誰かか…悩むな

榛名が立ち直った今こそ金剛を何とかしてやりたい物だが…

雪風の見舞いのついでに夕立を診てもらおうとしたら金剛を連れた大淀に遭遇
これだ

纏めて上げないで別々に上げた方がイッチのSSが長く楽しめてお得感たっぷりやん

攻略対象11人でまだ増えるだろうからある程度纏めて上げないとキリがないぞ

まだ増えるのか(驚愕)
完結までにあと半年はかかりそうだな


 ケッコンカッコカリ、という物がある。

 艦娘を人間と定義していない以上、人間と艦娘が人間の法律に則って結婚することは出来ない。例えは悪いが、犬や猫との婚姻が認められないのとほぼ同義である。

 とはいえ彼女達には紛れも無く感情があり、意思を持ち、心を持つ。

 何より動物と違うのはやはり、姿形が人間と全く変わらないことだろう。

 人間の姿をした兵器というのが法律上の彼女たちではあるが、しかし同じ姿をした者と共に深海棲艦と言う恐怖と立ち向かうと言うのは、必ずしも文言を文言として押し留める道理にはならない。

 吊橋効果──とは違うのだろうが、いずれにしても、信頼し、命を預ける相手に対して、強い気持ちを抱いてしまうのは避けられないことである。

 それが恋愛感情か否かの区別は誰にも出来ない。

 誰にも説明できないし、誰にも定義できない上に、本人にも整理できない。

 かといって捨てることも出来ない。それが心と言うものだ。

 そしてその心を持つのが人間であり、これまではそうだった。

 だけれど彼女たちにも心と言うものが備わっていたのが、話をややこしくしてしまったといえば、そうなのだろう。

 何にせよ、彼女たちは人間と変わらない外見をしており、中身でさえも違いを見出せない。

 当然過ちは起きる。火遊びと言う言葉は、しかし銃器や船体を扱うこの場においては捻りのきいた冗談にさえならないだろう。

 規制をしてしまうのは簡単ではあったが、とはいえそんな事をしたところで反乱が抵抗が起きるのは火を見るより明らかだった……これもまた、冗談にしては変な言葉ではあるが。

 ならばいっそ認めてしまったほうが手っ取り早い、という結論に至った国の判断は、当時は様々な議論を巻き起こしたが、しかし今になればそんな話も既に過去の遺産である。

 かくしてケッコンカッコカリという制度は導入された。

 単に彼女達の願望を叶えるだけでは軍としてもメリットは薄い。付加価値をつけるように、錬度や様々な効率の上昇を謳いそれらを後押しするのは、殊更彼女たちに主導権を握られまいとする小さな満足に他ならない。

 “ケッコンカッコカリ”というネーミングも、あくまでも艦娘は人間の配下にあるもので、決して彼女達の要求を丸呑みしたわけではないという、どうでもいいプライドに似たようなものが見え隠れする。

 ……という、とってつけたような説明を自分で自分に言い聞かせる。

睦月「駄目ですか?」

提督「駄目というかな……」

 食堂である。

 睦月が淹れてくれたお茶を啜りながら、彼女の言い分を整理するとそういう事だった。

 つまりはケッコンカッコカリを要求すると言うものである。

 相手は、言うまでもない。

提督「急すぎて何も言えないな」

 彼女が執務室を漁っていたのは、そのケッコンカッコカリに必要な書類を探し当てる為だったらしい。

提督「大体何故俺なんだ」

(あんだけ行動しといて何言ってんだコイツ)

おまえは何を言っているんだといいたいが、この提督は病気だから仕方ないね

(やっぱ、この提督ポンコツだわ)

提督も病んでるからな
病んでなきゃあんな飯は作れないよね


睦月「他に選択肢はないですよ。まさか浜風ちゃんとケッコンしろとでも?」

提督「確かにこの鎮守府に男は俺しかいないわけだが、だからと言ってケッコンしなければいけないと言うわけでもあるまい」

睦月「……いくらなんでも、鈍いとかそういうのを通り越してると思います」

 少しむくれた様子で睦月が拗ねた声を出した。

睦月「まさか提督は今まで人生で一度も片思いさえしたことがないわけじゃないですよね? そんな田舎の中学生みたいなこと言いませんよね?」

 じとりと半眼で睦月が尋ねる。少し考えながら茶を啜った。

提督「少なくとも結婚もケッコンもしたことはない」

睦月「前の鎮守府では誰ともケッコンしてなかったんですか」

提督「……ああ」

睦月「いま少し答えるまでの間があったような」

提督「気のせいだ」

睦月「本当ですか? 怪しいのです」

提督「気のせいだ」

睦月「本当かなぁ……」

提督「気のせいだ」

睦月「……、まぁ、良いですけど」

 茶を飲み干したところで睦月が立ち上がる。新しく淹れてもらうことにした。

提督「話を戻して、何故俺に対してそういう感情を持つことになったんだ」

睦月「いやいや……今更でしょう」

 そのまま睦月は厨房で朝食の準備を始めた。椅子を反転させ睦月の方を向く。

睦月「提督のおかげで睦月は立ち直れたわけですし。そんなに不思議なものじゃないと思いますけど」

提督「それは、まぁ、そうかもしれないが」

睦月「それに今日になって突然言ったのならまだしも、一応これまでアピールしてきたじゃないですか」

 全く心当たりがないわけではなかったが、そうだと思わないようにしていた。

 或いは本当に、睦月が単に無邪気な性格なのかと思わないでもなかったのだが、それは言わないでおこう。

睦月「あんなに不味い料理、好きな人の手料理じゃなかったらミキサーにかけて海に捨ててましたよ」

提督「君本当は俺のこと嫌いなんじゃないのかな」

睦月「いやいや。激ラブですよ」

実は大和とラブラブだったのかね

かわええんじゃあ^~

候補が多くてわかんね


睦月「というより、提督はどうなんですか? 睦月の事、どう思ってるんですか?」

提督「……」

 手っ取り早い話がそういう事である。

 別段彼女が俺に恋愛感情を抱くこと自体を止める権利はないし、理由など二の次だろう。極端な話一目ぼれだろうが俺の料理を気に入ったのであろうが、そんなものはどれも一直線に同じものといえる。

 だけれど、肝心の俺の気持ちはと言うと。

提督「……分かった。正直に言う」

睦月「はい」

 水道を止めて、睦月がじっと俺を見た。

 さすがにその表情には緊張が見て取れた。

 あるいはもしかしたら、テーブルを挟んだ近距離で聞くのが怖くて距離をとったのかもしれない。

提督「確かに、睦月には世話になっている。料理もだし、最近は掃除もしてくれている」

提督「それに、君が立ち直ってくれて本当に嬉しい。やっぱり君には今の笑顔のほうが似合う」

睦月「……はい」

提督「だが……」

 睦月の顔が曇る。

提督「……だが、それでも、ケッコンは出来ない」

睦月「……」

提督「すまない」

睦月「……そう、ですか」

提督「ああ」

睦月「あの。理由を聞いても、良いですか」

提督「シンプルな理由だ」

 こくりと睦月が唾を飲んだ。

 じっと俺を見る眼は、微かに濡れている。

提督「理由はだな……」

睦月「……」

提督「ケッコンカッコカリの書類一式がない」

 厨房の向こうで、睦月がずっこけた。

やっぱポンコツだわこの提督

遠征しなきゃ…(使命感)

一からケッコンカッコカリまで行くのにどれだけかかるんだ…(リアル感)

提督が面白すぎて腹痛い

書類700円もするもんね


提督「君も執務室で探しただろう。あれは見つからなかったんじゃなくて、元々この鎮守府にはないんだ。だからいくら探しても見つかるはずがない」

 今でこそ執務室には少々の資料が並べられるようになったが、それは俺がここに来てから、彼女達の出撃や演習で得た資料だ。

 元々あるべきだった書類は一切なかったし、本部から切り離されているここに新しく何かが送付されてきた事もないので、必然そんな書類もあるはずがなかった。

提督「だからいくら望もうと、そもそもないものを渡せるわけがない……睦月、大丈夫か」

 よろよろと睦月が立ち上がる。

睦月「大丈夫か、じゃないですよ。それはこっちのセリフなのです」

 呆れたように睦月が溜息を吐いた。

提督「何故だ」

睦月「そういう事を聞いてるんじゃないのです、この唐変木」

睦月「睦月が言いたいのはそういう事務的な理由ではなくてですね? 提督の気持ちがどうかってことなのですよ。早い話が提督は睦月のことラブなのってことです!」

提督「一旦落ち着こう」

睦月「これが落ち着いていられるわけないのです! ガッデム!」

 どこでそんな悪い言葉を覚えてしまったのだろう。

睦月「そこのところどーなのです」

提督「あ、ああ。そうだな……」

 確かに睦月の外見は愛くるしい部類に入るだろう。声も耳をくすぐるようなものであるし、性格も基本的には温和で面倒見が良く責任感もある。

 料理も上手だしその他の家事も特別苦手だと言う話は聞かない。戦闘も別段目立って苦手と言うわけではなさそうだ。

睦月「なんですかその報告書か読書感想文にでも並べる様な他人行儀な褒め方は」

 再び睦月がじっとりと俺を睨んだ。

睦月「提督自身の気持ちで言ってくださいよ。睦月ちゃん可愛いとか、睦月ちゃんラブリーとか、情熱を込めて」

提督「いやそれは」

睦月「前もそうでしたけど、提督は人を褒めたりとかそういうのがなさすぎます」

提督「そうだろうか」

睦月「もうちょっと、睦月の事甘やかして欲しいなぁ……なんて」

提督「……つまり、もう少し砕いた表現をしろという事か」

(この二人なんで漫才してるん?)

>>705
(夫婦漫才やで)

明らかに妻がロリなんですがそれは

奥様は駆逐艦

精神年齢は提督の方が低そうだし…

お前睦月が建造されて何年経つと思ってんのさ

つまりオネショタか

睦月の前世は17年の生涯(1925~1942)なのでやはりロリコン

オネ?ババショタだろ?
時代はババショタ雑魚は黙ろうぜ!

16より上なのでセーフ

ロリババァは至高のジャンル

前妻の大和は5年の生涯だったので提督はロリコンどころかペド


睦月「そういう事なのです。提督の主観で言ってください」

提督「……まぁ、その。可愛いと思う」

睦月「そうです、そうです」

提督「君は自分の髪を癖っ毛だと言うが、十分柔らかくて梳き心地がある。その、両耳の所の跳ねている部分はなんだか見ていて微笑ましい。柑橘系の香りは君に良く合っている。嫌いではない。或いは声か。これも甘くて良いと思う。耳に残る声で実に君らしい。何度か君の手に触れる機会があったが、君はもう少ししっかり食べた方がいい。華奢で心配になってしまう。仮に万一抱きしめることがあったとしたらそのまま折れてしまいそうだ。庇護欲や父性を感じさせるといったら確かに長所ではあるが。ただ一方で君は世話焼きで、面倒を見るのが好きだったな。どちらかと言うと君の外見は先ほど言ったとおり守りたくなるような感情を抱かせるのでそのギャップはプラスになると思っている。料理の味付けは好きだ。薄味なのがいい。洗濯するために部屋に来てくれるのは嬉しいが、しかし朝は早すぎるように感じるな。とはいえそれは君の恋愛感情が関係しているのだとしたら仕方ないことなのかもしれない。その辺りは目を瞑らなければいけない」

睦月「ストップ」

提督「……どうした」

睦月「え?」

提督「え?」

睦月「いきなりどうしちゃったんですか」

提督「君が語れと言ったからそうしたんだが」

睦月「いや、そうかもしれませんけど、ちょっと唐突過ぎませんか?」

提督「そうか」

睦月「はい。というか、結局の所提督は睦月の事どう思ってるんですか?」

提督「……恐らく、好意的に思っているのだと思う」

睦月「……またそういう他人行儀な言い方を」

提督「すまない」

睦月「しかもケッコンカッコカリの書類はないと」

提督「すまな……いや、それは俺のせいでは」

睦月「こうなったら、最後の手段をとるしかないですね」

提督「……最後の手段?」

 嫌な予感がする。

 というより嫌な予感しかしない。

何故睦月が絡むとギャグ空間が展開するのか

何となくこの提督が笑ったら悪鬼スマイルになりそうだと思った

えーと
たしか今も、雪風は病室で苦しんでるんだよね?

この提督ラインハルト・ハイドリヒ調のCV諏訪部で脳内再生される

>>720
それはそれこれはこれで考えないと何も楽しめないよ


睦月「まずは朝食をどうぞ」

提督「あ、ああ」

睦月「お味噌汁です。提督、お味噌汁ですよ」

提督「それは分かる。それがどうした?」

睦月「毎朝お味噌汁を作るということです」

提督「……それは以前聞いたが」

 味噌汁を啜る。

睦月「世間一般では、それをプ、プロポーズというんです!」

提督「ぶふぉ」

 器官に味噌汁が入ってむせた。

提督「いきなり何を言うんだ」

睦月「前に睦月は同じ事を言って、提督は了承しましたよね? つまり提督は既に睦月のプロポーズ、を受けていたんです!」

 力強く宣言する睦月ではあるが、しかし顔は真っ赤である。

 とはいえそれは今の俺も同じである。咽たことで赤くなっているに違いない。

 ……決して他意はない。他意はない。

睦月「書類がないのなら、せめてキセイジジツというのを作るのです!」

 本当にどこでそう言う言葉を覚えてしまったのか。しかし尋ねた所で藪蛇でしかない。

睦月「提督、はい、咽たのなら代わりに睦月が食べしゃせてあげるのですよ!」

提督「恥ずかしくて声が裏返ってるじゃないか、無理をするな、いやしないでください」

睦月「口開けてください、はい、あーんですよ!」

提督「一人で食べられる!」

睦月「断る!」

提督「もがっ……ぐぐ……!」

睦月「やってやったですよ……へへへのへ」

愛が足りんよ

イッチが甘いの苦手って絶対嘘やん…
いつかこれを雪風や金剛とも出来るのかと思うと希望が出てくるな

天使が女神になった瞬間である

あぁ^~


睦月「はいごちそうさまでした。お粗末さまでした」

 結局睦月に食べさせられた朝食は、味も分からず騒がしいものだった。

 誰にも見られなかったのがせめてもの救いである。

提督「もう良いだろう……」

 ぐったりとしながら椅子に背を預ける。まだ朝食を食べただけだと言うのに、既に疲労困憊だ。

 とはいえこれでやっと解放され──

睦月「何を言ってるのです、今日一日かけてキセイジジツを作るのですよ」

提督「何故だ」

 ──はしなかった。

睦月「勿論出撃とかのお仕事はちゃんとやるのです。でももっとキセイジジツが必要です」

 もうキセイジジツという言葉を使いたいだけなのではないだろうか。

睦月「何をしますか。膝枕で耳掃除ですか、肩たたきですか。それともどこかにお出かけでもしちゃいますか?」

 鼻息荒く睦月が隣に座る。目が完全に輝きに満ちてしまっているが、止める術はない。

 もしかしたら今の睦月は深海棲艦を前にした夕立より厄介なのではなかろうか。

提督「待て、落ち着け」

睦月「はっ。お出かけってことは、それすなわちシンコンリョコウでは」

提督「行かないぞ。行かないからな」

睦月「行きましょうよぉ」

 睦月がぺったりとくっついてくる。

提督「腕を絡めるな、やめなさいこら」

睦月「良い匂いしますか?」

提督「言うんじゃなかった……!」

 自分の発言を悔いるが、遅すぎた。後悔先に立たずをものの見事に体言してしまった。

睦月「どーですか?」

 胸に睦月の頭。甘えた表情で見上げる睦月である。

提督「……まぁ、甘い匂いではあると思う」

睦月「にゃは……」

 椅子をぴたりとくっつけ、右半身を完全に密着させた……

 ……かと思うと、そのまま何故か俺の膝の上に座った。

提督「ちょっと待ちなさい、何をしているのか」

睦月「キセイジジツです」

 便利な言葉だなぁ。

たまには小さい子もいいよね

俺決めた。トラック島から帰ってきたら睦月と結婚するんだ


睦月「重くないですか?」

提督「重くはない。さっき言っただろう、華奢だと」

睦月「じゃあこのままでも良いですよね?」

提督「じゃあとはなんだ、じゃあとは。全然繋がっていないぞ」

睦月「睦月の中では繋がってるから良いのです!」

 次いで睦月にねだられて、髪を撫でる。

 そういえばこれも先ほど言った言葉ではあるが、跳ねたところがこうも目の前にあるとやはり気になる。

提督「といてもこうなるのか?」

 側頭部から耳の後ろのラインを指で梳く。少しだけくすぐったそうに身を動かしたが、特に何も反応はない。

睦月「そうなのです」

 確かにこうして指で梳いても、ぴょこんと跳ねた髪は変わらない。

睦月「そのまま抱、抱きしめても良いんですよ?」

提督「何を馬鹿な事を言う」

睦月「提督がしないなら睦月がします!」

 身を捩ってこちらを向こうとする睦月を制する。

提督「しなくて良い、振り向かなくて良い、前を向いていなさい」

睦月「むぅ」

睦月「……やっぱり迷惑ですか?」

 口を尖らせながら睦月がそう言った。

睦月「睦月ばかりこうしてますけど、提督は何もしてくれませんし」

提督「俺にだって、心の準備と言うものがだな」

睦月「分かってます。分かってますけど」

提督「……」

睦月「……」

提督「……、……睦月」

睦月「はい」

提督「ちょっと、聞いてくれるか」


提督「俺は恐らく、睦月に対して好意的な感情を持っている」

提督「だけど、それと同じくらいに不安がある」

睦月「不安?」

提督「ああ。万一睦月を失ったらと言う不安が」

睦月「……」

 睦月は何も言わない。

 俺がこの鎮守府に来るまでの出来事は、全てではないにしても睦月もある程度は知っている。

 自分を信頼してくれた仲間を、自分のせいで失ってしまった重みが今もまだ離れてくれない。

 それは皮肉にも、先日榛名を諭した感情と似たようなものだった。

提督「睦月が俺の事を好いてくれるのは嬉しい。でも、自分がそれに応えて良いのかどうかが分からないんだ」

睦月「……」

 自分のせいで死んでしまった人がいる。彼女達に対して、どういう顔をして睦月の気持ちに応えればいいのかが、分からない。

提督「俺にそんな資格があるのかどうか……」

睦月「……」

 睦月の頭が揺れる。ふわりと甘い香りが鼻腔をくすぐる。

 髪を撫でていた手を睦月がとった。先ほど食器を洗ったからか、その手は冷たかった。

 しかし冷たいのは表面だけで、すぐにじんわりと温かさが伝わってくる。

睦月「睦月は、難しいことは分かりませんけど」

 背中を預け、俺を見上げる。絡められた指が暖かい。

睦月「辛かったら話してください。好きな人が辛い顔をするのは、それだけで哀しいことなんです」

提督「……」

睦月「睦月は提督のおかげで立ち直れました。だから今度は、睦月の番なのです」

提督「……」

 心を溶かすような、甘く蕩ける声と微笑みだった。

 それでも少しだけ寂しそうな表情をしているのは、睦月の言葉を借りれば俺がそう言う顔をしているからだろう。

 じくりと心が動いた。気がした。

睦月「好きな人の全部を知って、好きな人の全部を好きになれたら、それは凄く素敵なことなのです」

睦月「それがきっと、ケッコンするってことなんだと思います」

提督「……睦月」

 合わさった身体ごしに、俺の鼓動は聞こえてしまっているだろうか。

 それを恥ずかしいと思えてしまうくらいに、気がついたら睦月の温もりが大事になっていた。

 多分それは、やはり恋愛感情なのだと思う。

砂糖吐きそう

途中ですみませんが、今日はここでおわりにさせてください。


ロリコンになりそう


体からサトウキビが自生してきた

乙です

乙です
提督がちゃんと料理を美味いと思っていて恋愛感情があった事に驚愕

甘すぎて俺は砂糖になっちまった…

>>730睦月と会う前に死ぬぞ

提督を愉悦したい浜風が虚ろな目でこの光景を見てると思うと

これ他の艦娘の好感度も99にしたら、提督はみんなに対して恋愛感情を持っちまうのかな

>>742
そして自己嫌悪に陥りまた病むんですね

>>718
これが提督の素なんだろ
今後は榛名とも多少こんな感じになるんじゃないか?(ケッコンしちゃうから分からないけど)

そう言えばこの提督も壊れてるんだっけ?
甘すぎて忘れてた

乙です

>>745
さっき素とか言ったけど壊れる前の提督の描写って殆ど無いのよな
雪風達と絡んだり回想とかで書かれたりするのかね

乳風さんならもっと過激な既成事実作りをするだろうな

過激(捕食)

既成事実(存在をなかったことにする)

凄く甘い乙
恥ずかしさで顔赤くしたり辛い顔したり温もりが大事になったり恋愛感情持ったりって
まだ睦月の時限定だけど結構提督治り始めてるような

提督の心が治ったらまたそれを壊そう(提案)
しかし睦月が轟沈したら本当に提督ぶっ壊れそうだな

乙誰かが轟沈=お察しバッドみたいだらねぇ
どんなシステムが追加されるか次第だけど重巡くらいは建造しなきゃ

榛名は大丈夫です?

このSSは兵器を治して提督をぶっ壊すことを楽しむ物だろ?
提督は治してはいけない

流石にルーザー行為はちょっと…
ワザと落とす様な事すると巡り巡って自分の好きな艦に返って来そうだし

あっちがやったんだからこっちもやってやるで荒れたスレか
まぁ碌な事にはならんだろうね

物語として面白い結果になるなら轟沈があってもいいと思うんだけど何が問題なん?

俺が悲しくなる

必要も無いのに意図的に沈めるような選択肢取って沈めるような話は面白くは無いな

そういう選択肢がある時点で、選ばれた安価に文句をいうのはどうかと

>>756
自分の好きな艦の為にやってるんだったらまだ報復すれば良いけどただ物語を掻き乱したいだけのルーザーが一番怖いよな
好きな艦が無く失う物が無いから好き勝手出来るし報復合戦になればなるほどまさにそいつの思う壺だし

ここまで解決した子ワザと沈めて面白い話って何?

清霜なら沈めていいから鈴谷だけは勘弁して下さい!

なぜそうやって鈴谷にヘイトを貯めてしまうのか
報復合戦からの轟沈地獄とか嫌だぞ俺は

>>762
相手が見えないから1人がやられたら全てに復讐してやるってなるの目に見えてるもんなあ

ここは間をとって秋月を沈めよう

秋月出てませんしおすし
まーた駆逐艦を安価で取るぐらいなら今度こそ重巡を出してくださいよ

申し訳ないが露骨な秋月建造誘導はNG
俺はもっと大きいおっぱいが欲しいんや!

加賀と浜風では足りないと言うのか

榛名や鈴谷もそこそこデカくないか?

つまり愛宕を連れて来いと

でも明石さんのスカートに手を突っ込みたい(唐突)

世界水準超えの娘とかいいんじゃないかな
いや誰とは言わないけど

軽巡は大淀さんがいるしな
出来ればまだいない重巡が欲しいねえ

オー淀さんはお他所になっとるからやはり専任が欲しいな
ぶっ壊れた妙高さんとか見てみたくない? みたくない?

妙高さんに対する恐怖でぶっ壊れた初風でしたら是非

夜戦の人はどの鎮守府にいるの?

重巡枠は鈴谷がいるやん
改造したら航巡になるけど

初風ゲームだとかなり妙高になついてるけどな

戦1空1重1潜1駆4とかいう偏りっぷりでここから重1潜1が現状抜けてるからな
そりゃ重巡以上が欲しくなるわ
ところでここで例えば愛宕が新造されたら金髪巨乳の経験無しお姉さんになるのか

新品だよ
ただし故障品

なんでNGばっかなんだよ…

(いきなり何言ってるの?)

1以外NG設定にしてるんだろ

流石にこのスレの内容にそった雑談にまで文句言われてもなあ…
変な文句言うくらいなら>>1に雑談禁止を提言してみればいいのに

聞く奴いないから無理

イッチはこの荒れてる雑談を見て愉悦してるから仕方ないね

というか今日のとか別に荒れてないよな

いやいや充分荒れてるでしょ

どこが?イッチの地雷安価もあるよーに対する報復とかは怖いなあって当然の反応のレスと
建造やドロップでこれはどうだって提案だけじゃない

話題思いっきり変えて悪いんだけど加賀さんって鈴谷の通ってる墓の事知ってたっけ?
絡めて狙ってみようかなって思うんだけど

明確に描写されてはいなかったからわからないな
次のコミュで鈴谷に聞いてみれば良いんじゃない

とりあえず取って1にお断りくらう悲しみを体験してもいいんやで

取ってみればちゃんと処理してくれるんじゃない?たぶん

重巡なら青葉がいいな。
しかし、壊れてる方向性も容易に想像つくけど(写真は死んだ仲間の奴ばっかとか)

一度安価取りに参加してみたかったしやってみよう

参加してみたらわかるけど恐ろしく早くて全く取れんぞ
初期からトライしてるけど未だに一回も取れない

まぁ参加してみたら取れちゃったみたいな事もあるかもしれないから…
というか参加もせずに文句言うみたいになるのは嫌だし

今まで見てりゃ分かることというか、↓1以外も混じる予定やしそんな脅さんでもえーで

というかここの安価の取り合いってまだ温い方だぞ

今まで見てきた中で一番キツイ取り合いでしょ
直下だし下○や時間安価が温く見えるレベル

キツイとこだと直下2秒内に5人とかも見たことあるなぁ…まぁアレに比べりゃ何とかなるなる

私の友人には一日で2スレだか3スレ消費するほどの頭のイカレた奴がいましたので、それに比べたら平和なはず。
今から始めます。

砂糖吐く準備は出来た


 一時間ほどの昔話を終えた頃には、すっかり睦月の体温が馴染んでしまっていた。

提督「……それで、俺はこの鎮守府に左遷された。以上だ」

睦月「そう、だったんですか」

 片方の腕は睦月がずり落ちないように彼女の腹部辺りに回し、もう片方の手はぎゅっと握られたままである。

 睦月の表情は難しいものだ。眉を微かにひそめている。

睦月「でも、直接の原因は提督のせいではないのです」

提督「直接でなくとも間接的であっても、結果として責任は俺にある」

睦月「……」

 何を言い返そうか悩みながら、それでも言葉が見つからなかったようで、睦月は口を閉じた。

 代わりに強く手を握り、反対の空いた手もやはり腹部に回した手に添えた。

提督「睦月、そんな顔をしないでくれ。これでも、今話せただけで少しは落ち着いたんだ」

睦月「本当ですか?」

提督「ああ」

 思えば、今まで、自分の事を誰かにここまで話したことはなかったかもしれない。

 喜び勇んで人に触れ回るようなものではなかったし、まさかここまで俺を慕ってくれる誰かが現れるなんて思ってもいなかったので、それは当然といえば当然だった。

 過ちや後悔は自分の中で煮詰めるものだと、そう思っていたし、今でもそう思っている。

 だけれど、先日の榛名に対する接し方や、睦月の暖かさを経た今では、少しだけそれも変化していた。

 苦しみや悲しみは、最終的には自分で乗り越えなければいけない。

 それでも、誰かの力を借りることは決して、恥ずかしいものではない。

 どこまでも続く海を一人で泳ぐことは出来ないけれど、誰かと一緒ならばそれも可能だ。

 それを俺は榛名に説いて、そして今睦月に説かれている。

 雪解けに似た温もりが、たまらなく大切になっていた。

やっぱ提督の方が攻略対象な気もする

一日に上限1000を2~3スレ消費するとなると、かなり絞られてくるな

提督(主人公)を攻略するために各艦娘(ヒロイン)を攻略する必要がある
こういうのって好きよ

この板に限らなくてもやる夫板とか行けばそういう人はザラだよね

上限1万を数日で終わらすとかもあるしね


提督「……、そろそろ降りようか。榛名達が来るかもしれない」

睦月「ん……。そうですね」

 出来る事ならば、もう少しだけこうしていたかったけれど、この状況を誰かに見られるのもそれはそれで難しいことになりそうだったので睦月にそう告げる。

 耳元で囁くような形になってしまい、ややくすぐったさそうに肩を震わせた睦月だったが、恥ずかしさと言う点では彼女も俺と変わらない。

 放れ難そうに唇を尖らせながら、それでも素直に握っていた手を放した。

睦月「……」

 そのまま降りるのかとも思ったが、しかし睦月は何故か固まる。

提督「どうした?」

睦月「折角提督が、全部を話してくれたので、睦月ももう一つだけ内緒にしてた事を言おうかと」

提督「と言うと」

睦月「実はですね。睦月、そんなに料理が得意なわけではないのですよ」

提督「そうなのか?」

 意外な言葉だった。

睦月「前の鎮守府では自分で作ることは、あんまりなかったのですよ。ちゃんと頑張るようになったのは、こっちにきてからなのです」

 前を向いていた睦月が、半身になってこちらを見る。

 やはり俺があまりにも料理下手だからなのだろうか。

睦月「んまぁ、それもありますけど」

 そこは否定してはくれなかった。

睦月「とはいえ、どっちにしても、頑張るつもりでしたから」

睦月「好きな人に自分の料理を美味しいと言ってもらえるのは、幸せなことなのです」

提督「そう言うものなのか」

睦月「はい」

睦月「実は、司令官殿に褒めてもらいたくて。とってもとっても、睦月、頑張っていたのです」

提督「……」

睦月「だから、睦月もっと頑張りますね」

提督「……、ああ。ありがとう」

 猫のような声を零して、微笑んだ。

睦月「提督、いつか絶対ちゃんと書類を用意して、くださいね?」

 ねだる様な声で囁き、上目に俺を覗き込む。

提督「そう、だな」

こういう関係いいな

明石ー!
今すぐ提督を修理しろー!

>出来る事ならば、もう少しだけこうしていたかったけれど、
提督ほぼ陥落してるっぽい

これはベタ惚れですね…やっべ睦月ももっと見たくなった

睦月はかわいいなあ!

まあ俺が思いついたのもやる夫スレ系だしね
でも一日で2000~3000レスは超大手だよな……それと知り合いってなんかすごい

睦月ルート甘いんじゃ
久々にブラックコーヒー飲めそうだ

膝乗りからの半身振り向き上目遣いってキス一歩手前ぐらい近そう


睦月「……」

提督「……? 睦月?」

 俺の返答が気に入らなかったのだろうかと思い、口を結んだ睦月を見るが、しかしそういう表情ではない。

 元より朱色を刺した睦月の頬が、何故か更に色を濃くする。

 その理由が分からず、それと同時に何やら嫌な予感を察した。

 ……が。

 それよりも早く、行動を開始したのは睦月だった。

睦月「今は、こ、これで!」

提督「睦──、ん、ん!?」

睦月「む」

 睦月の肩に手を置き、膝から下ろそうとするも。

 逆にその腕をつかまれ、引っ張られる。

 加えて睦月が背伸びをするように顔を俺の方に近づけ、て。

睦月「……、ん、う」

提督「……」

 ぶつかるかと思ったその顔が──、厳密には、唇が。

 咄嗟に閉じた俺のその場所と触れ合った。

 緊張のあまり息をしていないのだろうか、睦月の呼吸音は聞こえない。

 それは自分にも言えることで、何故か自分も息を止めてしまっていた。

 空気を求めるもふさがった唇は開けず、反射的に鼻で息をすると、これ以上ない甘い匂いが鼻腔を駆け巡った。

 その瞬間に、とてつもない、言いようのない様な感情が色々と混ざり合い、それが最終的に羞恥に変わったところでようやく俺は、睦月の唇から顔を放した。

提督「な、待て、な、何を」

 情けないほどにしどろもどろになりながら、睦月を下ろそうとして留まる。

 急に彼女の体に触れるのが恥ずかしくなってしまい、両手を訳も分からず動かした挙句、結果無理矢理立ち上がることで彼女から逃げるように一歩遠のいた。

 苺のように、冗談かと思うくらいに顔を紅潮させた睦月は、

睦月「キ、きしぇいじじつです!!」

 と声をひっくり返らせながらそう答え、敬礼をした。

 そんな睦月の顔を見て、思わず自分の口に手を伸ばすが、拭うことも出来ず、かといって唇に触るのも出来ず。

 ただただひたすらに、口を手で覆って隠すことしか出来なかった。

おう既成事実作りに夜戦までやるんだよあくしろよ

両者とも可愛いのう

これはもう…なんというか
全員分見たいんで好感度MAXはよ

両者とも別の意味で壊れてきてるなぁ

青年向けより健全な少女マンガ的甘展開の方が破壊力あるということ、ちぃ知ってる


提督「馬鹿な事を、するんじゃありません。そういうのはいけません」

 同じく慌てそうになる声を必死に抑えて、口を隠したままに睦月から目を背ける。

睦月「好きな人にするんだから、間違ってません」

 言い返す言葉も思いつかず、ただ睦月以外の場所に視線をめぐらせる。

 食堂に、真っ赤な顔をしたのが二人。

 ……何をやっているんだろうか。

睦月「それより、提督。ど、どうでしたか」

提督「何がですか」

睦月「そ、それは、あれです。あれ、です」

提督「あれとは、どれですか」

 しらばってくれているわけではなく、どう聞かれても答えようがないので避けているだけである。

睦月「ですから。睦月とのキ」

提督「言わなくていい、待ってくれ。待ってください」

睦月「教えてください、どうでしたか? どうでしたか!?」

 ずいと睦月が迫る。何か吹っ切れたと言うか、恥ずかしさのあまり変なスイッチが入ってしまったのだろう。

 しかし俺はと言うと。本当に情けない話ではあるが、そこまで開き直ることも出来ず、かといって冷静にもなれず、なんともみっともない反応しか出来ずにいた。

 睦月の言葉で嫌が応にも先ほどの事を思い出してしまう。

 眼前に迫った睦月の顔や、体温や、香りや、感触。

 ……。

 ……、……。

提督「……っ、いや、分からない。忘れた」

睦月「その顔は絶対今思い出してる顔です! 間違いありません!」

提督「そんな事は無い、睦月の勘違いだ」

睦月「いやいや、睦月に限って好きな人が何を考えてるか間違えるはずもありません!」

提督「違う、俺は別にさっきの事は考えていない。鮪料理の事を考えていた」

睦月「なんでよりによってそんな一秒でばれる嘘をつくんですか」

睦月「それとも、もう一度、し、しますか」

提督「しません」

榛名「おはようございます……?」

 救世主が現れた!

たまにはロリもいいよね!しかしこの提督ポンコツだ

完全に童t……オンナを知らない男の反応

そんなことより鮪料理のこと考えようぜ!

あれ?この提督女じゃね?www

睦月が可愛い過ぎて辛い

榛名ちゃん!


提督「良い所にきた榛名。今日も一日よろしく頼む」

榛名「は、はぁ」

睦月「むむむ……」

 状況がさっぱり分かっていない榛名に感謝しつつ、何とか俺は平静を取り戻すべく厨房に行き、水をグラス二杯分飲み干した。

榛名「あの、提督。何だか顔が赤いようですけれど」

提督「気のせいだ」

榛名「睦月さんも、赤いような」

睦月「ふにゃ!? き、気のせいなのです」

榛名「……?」

 よくよく考えれば、あまりに不自然な解答ではあるが、しかし榛名は首を傾げただけで特別それ以上は深くは尋ねてこなかった。

榛名「それで、今日は一体何をしましょう」

提督「ああ、そうだな……」
 
 しかし。

 先ほどの感触は、実はあまりよく覚えていない。

 咄嗟のことだったので、それよりも驚きの方が先行してしまったのだ。

 やや勢いのついたままだったので、柔らかさはそんなに目立たなかったようにも思える。

 もっとゆっくりと、予めするとわかっていた状態で行っていれば違ったのかもしれないが、別段そういった事をしたいわけでもない。

 いや、何もああいったことが不健全だとは言わないし、俺もそれくらいの知識はある。

 ましてや睦月の好意や自身の感情だって分かっているわけで、確かに別段目立っておかしなものではないにせよ、さりとてあまりに不用意すぎはしないか。

榛名「……提督?」

 こういったことは両者の合意の下行うべきものであって、そうでないとなし崩し的に無作為に行われてしまうわけで、

榛名「提督?」

 それは風紀的に良いとは言えないと定められる。

 つまりは、

榛名「提督? どうかしましたか?」

提督「え、あ、ああ。ああ、聞いている、うん」

榛名「……? 提督、やはり変ですね」

提督「いや、そんな事は無い」

榛名「睦月さんと何かあったのですか? もしや……」

提督「い、いや? 睦月は関係ないぞ」

榛名「お二人とも、風邪をひいてしまったのでは……!」

 彼女が疎くて助かった。

 しかし、それにしても睦月はとんでもないキセイジジツを残していったな……。




【睦月の好感度が99になりました】


そういえば新ルールか

提督にもYPが導入されますとかなら草不可避ですわ


「外れの外れの鎮守府を知っているか?」

「……」

「そう、壊れた艦娘を捨てる場所だ」

「……」

「実はそこに新しい提督が左遷されたらしい」

「……」

「放っておいても良いんだが。気になるじゃないか」

「……」

「分かるよな?」

「……」

「君はどうにも口数が少なくていけない」

「……今月末でよろしいですか」

「構わない」

「……では」

ワーイダレカナー…
これ以上病人送られても困るんだよぉ!

病人ならまだかわいい
ざっくり言って刺客の類じゃなかろうか

刺客にざっくりされる?(難聴)

口数少ない...弥生かな?
てか、これ以上来たら提督の胃がマッハになっちゃう

弥生は沈んでるよ

弥生は沈んでるな

刺客かぁ
なお壊れてないとは言ってない

ぬいぬいか、壊れた青葉じゃないの?

果たして艦娘なのか

憲兵かもしれない

キセイジジツがあるから言い訳出来ないな

そろそろ時間的なのを用意します。
今は一月二週ということで。月はそれぞれ四週で、前半後半と二回動けます。なので来月以降は月8回の行動となります。
今回は分かりやすく月末に何かしらが起こります。
その他にも時間が関係することがありますので、有効に安価を使ってくださいね。

このオンボロ鎮守府にケッコンカッコカリの書類なんてないだろうと思い、睦月のときはああ書きましたけれど、一応ケッコンカッコカリ扱いです。
好感度はゲームと同じく上限150です。YPも(ry

>有効に安価
はっはっはっはっは
無理をおっしゃる


【一月二週 前半】


提督「……雨か」

 小雨程度ではあるが、まだまだ冬のこの時期には嬉しくないものだ。

 どうしても雨は、あの事件を思い出す。

 今朝も彼女たちの夢を見て、汗を拭いながら起きたのだ。

提督「……」

 幾つかの書類に目を通す。未だ訪れていない海域の資料や、演習結果の内容。

 或いは来月末に退院する雪風のことなど。

 ほうと一息吐きながら窓の外に再び目をやった。

提督「さて、何をするかな」



↓1

1.出撃

2.演習

3.遠征

4.工廠

5.その他(自由安価。お好きにどうぞ)

5病院に雪風の見舞いに行くついでに夕立を診てもらう

5 鈴谷と加賀さんが墓参りに行く

雪風の見舞いに行く

はっやーい

取れなくて本当に良かった

なんで取れなくて良かったの?

そんな発言するくらいやったら最初から安価取りに参加せんかったらええと思うねん

またそういう荒れるようなことを…

1〜4の意味とは・・・

なんか上の方に出てた案そのままやったけどよかったよね

雪風退院みたいだからそっちの方が良かったかな思っただけなんだけど御免なさい

時間ができたから雪風のタイムリミットも明確にできたわけで榛名で10日以上使っててって考えると取れなくてよかったってことじゃないの

自ら火種になることで安価をとったやつを守る高等戦術か

なるほどそういう事か

文章ぐらい読んで取ろうぜ

まぁ文句言ってるの1人だしスルースルー

>>858
つい最近1も2もしたじゃない、3は単純に戦力不足
4は妖精次第で時間の無駄になる

下手に弱み見せると叩かれるから安価取ったら無言でええんやで

もはや殴り愛だな サツバツ!


提督「……雪風の見舞いに行こう」

 今頃病院のベッドで一人眠っているのだろう。少しでも彼女を何とかしてやりたい。

 寂しげに、痛々しく微笑む彼女の表情を見るだけでやるせなくなるのだ。

 それに、彼女が退院して、元の鎮守府に戻ったら、きっと彼女はまた海に出ようとするだろう。

 今の彼女にそれは無謀だ。

 利き手の右手は握力が弱まり、グラスを落とすほどだった。

 演習の時には左足を微かに引きずっていたし、そして今回右足を深海棲艦にやられたとなると、能力は大分落ちているだろう。

夕立「提督さん、どこか行くっぽい?」

 廊下を歩いていると、夕立に出くわした。

提督「ちょっと、外にな」

夕立「良いな良いなぁ」

 別段遊びに行くわけではないのだが、しかし彼女は羨ましそうな表情で声を挙げた。

 おそらくはついて来たいのだろう。彼女は分かりやすい。

 しかし雪風と面識はないし、あまり楽観的な夕立を会わせて良いのかどうか分からない。

 雪風と話している間、夕立が何か別の事をしてくれていれば、それが一番良い訳だが……。

提督「……。そういえば、夕立。君はこんな所で何をしているんだ?」

 ふと気になった事を聞く。

 夕立は、何もない空き部屋からふらっと出てきたのだ。

夕立「……? 何してたんだっけ?」

 何故そこにいたのかも覚えていなかった。

 睦月の言葉を反芻する。

 確か睦月曰く、夕立の記憶力が散漫になっていると言う話だった。

 俄かには信じがたがったが、こうして会話をしていると、確かに違和感を覚える。

提督「夕立。一緒に出かけるか」

夕立「提督さん、どこか行くの?」

提督「……ちょっと外にな」

夕立「良いな良いなぁ」

 目を輝かせる夕立であったが、俺の心中はいいものではなかった。

>>867
そしてまた単発ガーって言われるんですねわかります

無言だと単発、反応すると叩かれる
もう安価取れないな

なんにしても取りに行ってすらいない人が文句を言うのはどうかと思う
夕立本当にヤバイな

競争率減らすつもりだろそうはさせんぞ

工場を選ぶ(安価次第)、妖精を見つける(運)、『装備』を作る(安価次第)、『艦載機』を作る(運)、作るのを成功させる(運)、作った装備を『加賀』に渡す(安価次第)
こんなん4選ぶメリット少なすぎや

夕立痴呆ってレベルじゃねえぞ
興味がないというか

>>874
装備に拘らなくても4で艦娘作れるから狙ってるヒロインいる人にはかなりのメリットが有るのでは?
個人的にはこれ以上増えないで欲しいが

夕立なんちゃらかんちゃら病かな

4の建造はヒロイン以外も作れるぞ、運次第だけど

艦載機つくったって加賀さんの好感度上がるだけだからな

そりゃそうだけどヒロインじゃないからってあまり登場人物を増やしてもしょうがないじゃん
その分一人一人の描写が薄くなるし浅く広くじゃなく登場人物一人一人をもっと深く掘り下げて行ってほしい

それこそ5で加賀コミュしながらどっかから引き寄せればいいじゃない
文句言った方がフルボッコとは珍しく自浄作用が働いてる

>>880
無意識なんだろうけど滅茶苦茶失礼な事言ってるからな


夕立「提督さん、甘いものが食べたいな?」

 特別時間を決めて出発したわけでもないので、断ることもせず、喫茶店に入ることにした。

 コーヒーを頼もうかと思ったところでメニューを良く見ると蜂蜜紅茶というのがあったのでそれを頼む。

 夕立は中々決まらない様子で、メニューを何度も往復していた。

 そして俺の紅茶が届いてからようやく悩みに悩みぬいたのか、オレンジジュースと苺のショートケーキを注文した。

 普通の紅茶に蜂蜜を入れると、黒く変色してしまって味わいが損なわれるのだが、さすがに喫茶店のメニューとだけあってそんなことはおきなかった。

 ミルクティーの色合いに、湯気を嗅ぐと丁度良い甘い香り。

 二口ほど啜った所で夕立の注文も届いたようだ。

 しかしこの寒い冬に、オレンジジュースを注文するのは変わっている。

夕立「いただきまぁす」

 フォークで頂点の苺を刺すと、そのまま口に運ぶ。どうやら夕立は好きなものから食べる性格のようだ。

夕立「甘いけど酸っぱい! けど甘い!」

 独特の感想を零しながら、笑顔を弾けさせた。

夕立「提督さんは、どうして病院に行くの?」

 その質問には道中に一度答えたはずだったが、再度答えることにする。

提督「前の鎮守府に居た時の子が、入院してるんだ」

夕立「そうなんだ」

 フォークの背でケーキを潰しながら、中の苺だけを食べる。

 行儀の良い食べ方とは言えないが、それくらいは大目にみよう。

 俺が雪風の見舞いをしている間、夕立には診断を受けさせることにした。

 とはいえ、面と向かって“君の記憶力には問題がある”とは言いづらかったので、定期健診と言う形で建前を作っておいたのだが。

 まぁ、そのおかげか夕立は疑うことなくついてきてくれたので、良いにしよう。

夕立「冷たいっぽい」

 オレンジジュースの氷を噛み砕きながら、そんな事を呟く。

 だったら食べなければいいのではなかろうか。


 夕立を待合室に連れて行き、そこで一旦別行動をとることにする。

 夕立の方が先に終わった場合は、そのまま待合室で待つように言っておいた。

 エレベーターで一気に五階分昇り、そこから更に廊下を歩く。

 彼女の部屋は端にあるので、たどり着くまでが遠い。

 少しだけ上がった息を整えながら、扉をノックする。

 眠っていたらどうしたものかとも思ったが、どうやら起きていたようだ。すぐに返事が返って来た。

提督「俺だ。入っていいか」

雪風「……、はい、どうぞ」

提督「ああ。それじゃ、失礼する」

 横開きの扉は、殆んど音を立てずに滑らかに開いた。

 彼女の病室は個室なので、他に患者はいない。

提督「見舞いに来たよ。迷惑じゃなかったか?」

雪風「いえ、そんな。ありがとうございます」

 ベッドは上半身の角度を自由に変えられるようになっており、苦もなく体を起こしている。

 何やら書いていたようで、彼女の手元には紙とペンが転がっていた。

雪風「……、左手で字を書ける様に練習していたんです」

 壁にあった椅子をベッドの横に引っ張り出し、座る。

雪風「恥ずかしいので、あまり見ないでください」

 少し照れながらそう言った。

 利き腕である右手の状態は、未だ芳しくないらしい。

 その為、左で字を書く練習をしていたようだが、しかしそれらはお世辞にも綺麗な字とはいえなかった。

雪風「ミミズののたくった様な字って良く言いますけど、本当ですね」

 くすりと雪風が笑う。笑っているのは口元だけで、相変わらず瞳は寂しそうだ。

提督「すまない」

 いたたまれずに、つい謝罪が口を吐いて出た。

 これほどまでに呟いて後悔するような謝罪もない。

 案の定雪風は軽く首を横に振り、決して俺を責める様な事はしなかった。

雪風「あなたのせいではありません」

 その言葉がむしろ辛い。

なんかやさぐれ雪風って良いよね

雪風引き取るなら面倒見のいい睦月と色々と広く見れる榛名絡ませれるな
逆に現状の鈴谷は物凄く相性悪そう

まあ艦娘したい雪風と艦娘したくない鈴谷じゃ水と油ね
しかしMAX150なら遠慮なく睦月も絡められる


提督「身体の具合はどうだ。辛くはないか」

雪風「大丈夫です。来月には退院できますから」

提督「そうか」

雪風「はい」

 そこでしばらく沈黙が流れる。

 雪風は、果たして退院したらやはり戦線に戻るつもりなのだろうか。

 この身体で。今の壊れかけの身体で。

 止めてあげたいのは山々だ。

 だけれど、中央鎮守府に戻ったら、きっと彼女はまたそうするだろう。

 だったら、いっそのこと……。

雪風「どうかしましたか?」

提督「……、いや。なんでもない」

雪風「そうですか?」

 少し微笑みながら頷いた。

雪風「折角ですので、少し、お話を聞かせてください」

提督「話、か。何を話せばいい?」

雪風「そうですね……。そちらの鎮守府の様子、とか」

提督「……なるほど」

 少し考える。

 勿論雪風の要望には応えるつもりだが、とはいえ何も全てを洗いざらい話す必要はない。

 加賀や鈴谷達の過去を話したところで雪風だって楽しい思いにはならないだろう。

 しかし、彼女達は違った形で雪風や俺の昔に触れている部分もある。

 要点を掻い摘んで話す方が良いだろう。

提督「そうだな……」


↓1

1.伊58の事を話す

2.睦月の事を話す

3.榛名の事を話す

2

3

無難な選択だけどどうなるか

なんか雪風って榛名に似てるのよな
自分を追い込んで出撃するところとか特に

境遇は睦月が似てるっちゃ似てるのか?仲間は死ぬけど自分は死なない的な

となると正解が睦月と榛名で地雷が58かねえ?
てか明らかにこの選択肢の中で58だけトラウマ回復してないし何を話せばいいんだってなるしな


 伊58と榛名。

 二人は大和の最期の日に関わっている。

 榛名の砲弾が不運にも大和を貫き、それにより大和は倒れた。

 その大和を保護したのが伊58だったが、岸にたどり着く前に深海棲艦に襲われた。

 その時の襲撃で辛うじて生き残ったのが雪風である。

 しかし、今その話をするのも何だか躊躇われた。

 雪風とて決してあれから立ち直れたわけではない。伊58も同様だ。

 ようやく榛名が一歩を踏み出したけれど、まだまだ支えてあげなくてはいけない。

 そんな状態で、更に気分が滅入る話をするよりは、別の話題を一度した方がいいと思った。

 そうして脳裏に思い浮かんだのが睦月である。

 彼女の明るさなどは、確かに雪風の沈んだ心を逆撫ですることはないだろう。

 あるいは、雪風が睦月に興味を持てば、こちらの鎮守府に来やすくなるかもしれない。

 雪風を自分の鎮守府に異動させる。

 それが中央鎮守府の司令官の、言外の望みでもあり、きっと俺の望みなのだ。

 彼女にも、罪滅ぼしをしたいから。

提督「うちに、睦月という駆逐艦の子がいてだな」

雪風「はい」

提督「料理が上手なんだ」

雪風「はい」

提督「俺の料理は下手だから、厨房には入るなと怒られたよ」

雪風「ふふ。そうですね」

 雪風が笑う。

雪風「前は自分で作ることなんて、なかったですから」

提督「ああ」

雪風「大和さんの手料理、また食べたいですか?」

提督「……ああ」

 あの暖かいスープは、もう味わえない。

睦月が当たりか
しかし地雷実装されたから選択肢で毎回ヒヤヒヤするな

まだ正解かどうかはわからんが
事件に関しては本当に部外者だからこその立場で絡めるな

>>897
選択を間違っちゃうのもそうだろうが
何よりもわざと地雷を踏みに行く愉快犯が出てくるということがな・・・

地雷かと思ったら正解だったり、後からいい効果が出ることもよくあるから結局は運さ


雪風「その子の料理、美味しいですか?」

提督「ああ。美味しい」

雪風「大和さんの料理と、その、ええと、睦月ちゃん? の料理。どちらが美味しいですか?」

提督「え?」

 意外な質問だったので、少し戸惑った。

雪風「提督にとって大和さんの料理、特別だったじゃないですか」

提督「……」

 考えた。

 思い出は得てして美化されるものだ。それが忘れられない、離れられない思い出であればあるほど、尚更に。

 だけれど、今を確かに生きている以上、それを現実が上書きすることだって同じくらいにありえる。

 大和。睦月。

 見た目とは裏腹に食べることが好きだった彼女の料理は、一見派手にも見えるが、しかし味付けは繊細だった。そして、暖かかった。

 甘い声と甘い笑顔の彼女の料理は、これもまた甘いもので、丁寧にしっかりと作ってくれていることがわかった。こちらも、暖かかった。

提督「……どう、だろうな」

 言い淀むようにそう答える。

 少しだけ意外そうな表情を浮かべた雪風だった。

雪風「てっきり、大和さんだって即答すると思ってましたけど」

雪風「その子もきっと、好きなんですね。あなたのことが」

 自分の為に、愛情を込めて作っていると公言された料理というのは、しかし気恥ずかしい。

雪風「そうですか。大和さんじゃ、ないんですね」

 少しだけ髪を揺らして、右腕を動かした。

提督「そんなに意外だったか」

 雪風からしたら、睦月の事など全く知らないのだから無理はない。

 ……よもや唇をふさがれたなどと言う必要もあるまい。

雪風「はい。ちょっと気になってきました、その子のこと」

提督「そうか」

 何はともあれ、興味を持ってくれたのはいいことだ。

やっぱり大和さんの事も好きだったんだな提督は

良い意味か悪い意味かはわからないけど
これで雪風引き抜きに睦月を会わせてみるって選択が出来たな

睦月とか言う接着剤

沈んでも結構出番がある大和って意外と恵まれてるよね
???の春雨は駆逐棲姫として再登場でもするんですかねえ


夕立「あ、提督さん!」

 待合室に戻ると、丁度夕立が診察室に向かう所だった。

夕立「何だかレントゲン? とかとられて面白かった」

 独特の感想を聞きながら、夕立を座らせて、俺は後ろに立ったまま話を聞く事にした。

 俺も別段、医学知識があるわけではないが、それでも医師の話は大体は理解できた。

 どうやら夕立は記憶力や集中力、或いは注意力と言うものが極端に低いらしい。

 詳しい病名は、俺も初めて聞いた名前なので良く分からなかったが、そういうことだ。

 よもやここで、多重人格だとか言われた日にはどうしたものかとも思ったが、

医師「ですが、ほぼそれに近いと言っていいでしょう」

提督「……」

 とのことである。

 戦闘中の夕立は、睦月の言葉を借りるのであればまるで別人だ。

 髪は風で逆立ち、瞳は血を浴びたように赤くなる。普段のあどけない表情の中に、浜風が浮かべるような妖艶な深さが浮かぶ。

 また、何度言っても深海棲艦や演習相手に対して躊躇なく突っ込むのも、やはりそれが原因らしい。

 恐怖や警戒と言った感情が欠けてしまっているのは、彼女の中で何か別の感情があるからではないだろうか。

 しかし海での身のこなしは、ある意味では集中力の塊であるとも言える。

 ただ緩慢に砲弾をするだけでは、今頃夕立は深海棲艦の餌になっているはずだ。

 それどころか夕立は複数の深海棲艦を相手取って、その首を狩っている。

 果たしてそれは、集中力が散漫しているといって言いのだろうか。

医師「電気のスイッチのようなものです。その、海の上で戦っている時は、スイッチが入る。陸ではそのスイッチが消える」

 分かりやすい例えだった。

医師「ただそのスイッチが、入るにしても入らないにしても極端なんですよ」

 海の上で、命の危険と隣りあわせで戦う以上、集中するのは当たり前だ。

 反対に、それが終わった陸で多少気を抜くのも無理はない。ずっと気を張っていては疲れてしまう。

 なので、誰でも多少のスイッチのオンオフはある。

 しかし夕立の場合は、それが極端に振り切れているのだ。

 まるで、普段陸上で行うべき最低限の集中や注意も、海の上に加算してしまっているような。

 片方の天秤にあった分銅を、全てもう片方に乗せてしまったような。

 そんな極端さが、今の夕立には垣間見える。

もう4時になってたでござる……。
途中ですが先に好感度のコンマとって今日は終わりにします。

雪風↓1のコンマ十の位
夕立↓2のコンマ十の位

わっしょい

乙夕立連れて来ていてよかったな
睦月は自分が出てない回ですらフラグを立てるのか

乙です
夕立結構深刻、しかし睦月は潤滑油みたいだ

誰も突っ込んでないが
>>極端な話一目ぼれだろうが俺の料理を気に入ったのであろうが、そんなものはどれも一直線に同じものといえる。

この提督はなぜ自分の料理にここまで自信を持てるのか!! 天然か!

睦月押しは凄いな。
時間制限あるんで、他かんむすのトラウマ解消が多くなるかと思ったが…
150まであるし、しょうがないのかな…

雪風が来月退院しちゃうなら早めに30まで上げないとかな

そういや雪風のトラウマってなんだ……
回想でも凄惨な体験を見せたが、あれでもトラウマじゃないってことか

もっと恐ろしい出来事があったのか……?

あの出来事の雪風の回想を深く掘り下げるんじゃねえの?
それか提督が居ない間に起きた三度目の襲撃の事とか右足を失った事とか?

時間制限って言っても今のところ雪風だけだし
雪風取らずに睦月取ったら文句言ってた奴いただろうから
両方取っても問題無くしてくれたって意味で寧ろ配慮してくれてるだろ

時間制限あるのかね
3年目までに解決しないと失踪しちゃうとか自殺しちゃうとか

春雨ちゃん確か提督の目の前で殺されちゃったんだよな…
悲しいなあ…

なんで春雨ちゃん殺されたんだろ

駆逐棲姫と姿が似ているから危険因子だと判断されて本部に射殺されたんでしょ

まだ出てない設定を妄想で語るのは止めた方がいい
月末のイベントとか色々進めて行く内にわかるんじゃないの

4スレ目の581にそんな感じの設定出てなかったか
本部で提督の前で射殺されたって
んで時系列的に提督が本部に行ってる時に三回目の襲撃が提督の鎮守府で起こってた筈

それ駆逐棲姫の姿から春雨を連想したってだけでそんな設定は全く出てないぞ

乙 睦月は可愛いなあ、雪風と絡めて取っていこ
>>918
有るならアナウンス入るじゃね

提督が手錠されてるし叫んだり懇願するって事は相手が言葉が通じるって事だしやっぱり本部の連中に殺されたと思うんよ
まあ殺された原因は書かれてないけどあながち間違いではないと思う

とりあえず身内を固めて(治して)いきたいなぁ
浜風、加賀辺りは時間かけると取り返しがつかなくなりそうな気がするし

そして忘れられる清霜=サン

時間気にして治すなら纏めて上がる出撃するしかないの

清霜は放置でいいや

>>926
いや本部のってのはわかるけど原因は書かれてないんだから
妄想を事実の様に語るのは止めよ?

まぁ設定考えるのもいいけど自分の中の事実を表に出すのはやめといた方がいい

事実というより憶測だな
展開を予測するのもSSの醍醐味だと思うが気分を害したようだったら今度からは止めとくよ

あれID変わってるし
俺がID:3Na9RwmdOな

とりあえず現状時間制限ありそうな雪風は出撃できないし30までは見舞い交えた方が良いか
見舞いついでに榛名連れて金剛に会いに行ったり中央へ余ってる艦載機貰いに行ってもよさげ

雪風ってトラウマが完治しても身体が不調だし出撃させられるのだろうか
右手の握力が無くなって左手で文字書くぐらい重症なんでしょ


まぁ折角睦月と雪風が関連出来たんだから合わせ取るとしてあと誰を一緒に取れるか

乙です

浜風も難しいね
深海棲艦に容赦ない加賀夕立は勿論喰われかけた雪風と合わせるのも怖い
以前は頼みの綱だった睦月も救われすぎて興味無くなったっぽいし

単発で浜風取れば良いじゃない
それか浜風は自分に依存してくれそうな子には面倒見が良いから清霜と絡ませてみるとか?

>>936
トラウマ解消で戦いへのこだわりが消えるんじゃね?

なんにしてもイッチから警告入ってる雪風優先しなきゃっとそろそろ減速した方がいいか

>>937
睦月連れて雪風の見舞いに行ったら大淀とばったりーとか?
浜風こそ出撃で地道に上げていくしかないんじゃないの

次スレ待たずに埋める気かね

金剛も喋れなくなってるから定期的に病院通ってそう
本当は無理して強引にこじつけて纏めて取るよりはチマチマ上げていきたいけど時間制限が出来ちゃったからな…

確かに時間制限は厳しいが、睦月だって救えたんだ

きっと皆で頑張れば全員を救うことができるはず!

矢粥で提督に精神的ダメージを与える

先に次スレを建てました。そろそろ始めます。

【艦これSS】提督「壊れた艦娘と過ごす日々」06【安価】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1422961385/)

建て乙

建て乙

建て乙です

建て乙
今回見たいな夕立も診てもらうみたいな安価なら書きやすいけど
金剛や大淀についでに会おうって場合は雪風の見舞いに睦月と行く+どう書けばいいんだ?

睦月と雪風のお見舞いに行ったら偶然金剛と出会うとか?
大淀さんはともかく金剛は声の治療で病院に定期的に来てそう

>>952
お見舞いに来ていた大淀に偶然出会うみたになんで良いんじゃね?

いずれこちらに直接呼びつける、配置転換させるみたいな手段がとれるかもしれない
もちろん相応の理由と実績が必要ではあるが

新スレ乙です


提督「その原因と言うのは、分かりますか」

 難しい話だと思っているのか、夕立はまるで他人事のように頭をふらふらと揺らしながら聞いている。

 原因が分かれば、対策も立てやすいと思ったのだが、しかし医師は首を横に振った。

医師「彼女の話はあちこちに飛んで、要領を得ないのです。傍にいる人のほうがこう言う場合は得てしてわかるものです」

提督「そうですか」

 今日初めて夕立を診察した医師に比べれば、確かに俺は夕立と一緒にいたことになるだろう。

 だけれど、彼女の事を理解してあげられるくらい傍にいたかと問われると、これは疑問の余地が色濃く残る。

 鎮守府で共に過ごしたと言うだけで、別段深く彼女に踏み込んだ事はなかったのだ。

 とはいえ、これから先夕立の心の天秤を元の水平に戻す作業は、率先して自分が行っていかなければいけない。

 意識して分銅を移動させているわけではなく、おそらくは全くの無意識なのだろう。

 必要以上の、最大限を超えた集中力と神経を尖らせた結果があの戦果で、その反動が今である。

 十ある能力を、日常とそれ以外──彼女達の場合は、戦争とで、半々にするのが通常だとして。

 そこに性格や今までの体験が加わって、一つ二つぶれることはあっても、夕立のように全ての分銅を片方に乗せてしまうことはない。

 普通はどこかで意識的にも識域下でも、ブレーキがかかるはずなのだ。 

夕立「提督さん、まだ帰れないっぽい?」

 退屈そうな表情で夕立が俺を見上げる。

 医師に視線を向けると、今度は首を縦に動かした。

提督「いや。もう終わりだ。帰ろうか」

 それを聞いて、足をぷらぷらと動かしていた夕立が、立ち上がる。

夕立「はぁい」

 踵を返すのにあわせるように、長い髪が揺れる。

夕立「んー、ふーん」

 鼻歌を交えながら、夕立が俺の前を歩く。

 視線は床で、継ぎ目を足で踏むように、遊びながらふらふらと動く。


金剛はともかく大淀は表面上はぶっ壊れてなさそうに見えるからあっちの鎮守府が手放さないのでは?


提督「なぁ、夕立」

夕立「なぁに?」

 病院を出てからも夕立の遊びながらの歩行は続く。

 つま先立ちで、踊るようにコンクリートの正方形を踏みしめた。

提督「君は、いつも深海棲艦と戦う時、何を考えているんだ?」

夕立「んー……」

 長い髪が左右に揺れる。しばし悩んだ様子だったが、しかし答えは空を切るものだった。

夕立「わかんないっぽい」

提督「何も考えていないわけではないだろう」

 敵の位置や距離など、戦いを有利に進める上では欠かせない判断のはずだ。

 あるいは彼女もそれくらいは考えているだろうし、単にうまく説明が出来ないだけかもしれない。

 理論と感覚でいったら、彼女は間違いなく後者だ。

 頭で考えるよりも、身体を動かすタイプなのだろう。

 とはいえ、だからと言って、むやみやたらに突っ込みのだけは留まって欲しい。

 見ていて不安になるのだ。

夕立「夕立は楽しいっぽい」

提督「君自身はそうかもしれないが、しかし怪我はしないに越したことはない」

 演習のときも、被弾を一切気にせず飛び込んでいた。

 いくらペイント弾とはいえ、全く衝撃がないわけではないのだ。

 というより、避ける素振りくらいは見せてくれないと演習にならない。

夕立「んー。でも、致命傷にはならないって思ってたし」

 手を後ろに組みながら、緩い声でそう言った。

夕立「少しくらいなら当たっても大丈夫っぽいかなって」

提督「しかしなぁ……」

 それはつまり、全く避けていないわけではなく、あくまで急所だけはかわしていると言うわけか。

 それはしかし。

夕立「大丈夫」

 にこりと夕立が笑う。

 微かに異常を滲ませた紅い笑み。

雪風の見舞いが期限的に急務で雪風が興味持ってるのが睦月だから連れて行くってのと
それ終わったらやらなきゃって事って何があったかの

>>960
特に無い(あえて言うなら睦月が駄目だった頃に鈴谷と3人で遊ぶ約束してた)けどスパイっぽいのが来るみたいだし、他の子の好感度上げていった方がいいかと

刺客対策で全体の好感度上げて結束を固めとかないと刺客に色々と掻き乱されそう

他のキャラのついででも良いから清霜コミュ
歓迎会というほどでなくても少しぐらいかまってあげないとかわいそうっぽい


 急所だけを避けているという事は、被弾自体は覚悟をしているという事になる。

夕立「火薬の匂いとか、砲弾の音とか、そういうの。好きっぽいから」

夕立「痛いのも、結構好きよ?」

提督「……、……」

 首を傾げる様にそう笑う夕立ではあるが、俺の内心は穏やかなものではなかった。

 言ってしまえば、命の危険に対して夕立は、興奮に近いものを感じているのかもしれない。

 敵に脅かされる恐怖心と被虐心、その恐怖を打ち破る敵愾心と加虐心、そして達成感と高揚感。

 それらが相混ざって、きっと夕立は間違った方向に感情を昇華しているのだろうか。

提督「……、夕立」

夕立「あ、提督さん。見てみて!」

 ぱっと表情を明るくし、普段の柔らかいものに戻した夕立が、何かを指差した。

夕立「夕立、何か甘いものが食べたいな?」

提督「……」

夕立「だめ?」

 上目でねだりながらそう尋ねる夕立。

提督「……、いや。構わないよ」

夕立「ほんと? 嬉しいっぽい!」

 恐らくまた彼女は、オレンジジュースとショートケーキを頼むのだろうか。

 温い手で背中を触られたような、嫌なものを感じながら夕立の後を追う。

 行きと同じ喫茶店に向かいながら、一つ大きく息を吐いた。

夕立のはある意味最もどうすればいいのかわからないね

清霜は浜風と絡めよう

とりあえず既存の駆逐艦連中とまとめて絡めて
どういう立ち位置にある子なのか類推するのも手かね


【一月二週後半】

提督「……」

 わざわざこんな辺鄙な所にまで郵便を届けるのも大変だ、と思いつつも届いた封筒を眺める。

 差出人は……

提督「……これは」

 北鎮守府の提督だった。

 それを見て念の為あて先を見直すが、しかし間違いなどではなく、確かにここに向けてのもののようだ。

 彼とは士官学校の同期ではあるが、別段仲が良かったわけではない。

 ましてや、俺がここの鎮守府に異動になってからは、一度も会った事はなかったはずだが。

提督「考えても仕方ないか……」

 疑問や憶測は尽きないが、このまま考えていても埒が明かない。まずは封筒を開けてみることにした。

提督「……演習?」

 中に入っていたのは、一枚の紙と簡素な文章。

 ただ一行、月末に演習を希望する、というものだけだった。

 演習相手が見つかるのは、鎮守府の都合としては良いものだったが、しかし諸手を挙げて喜ぶべきものでもないように感じられた。

 これが単純に、何の意図もないものであればそれに越したことはないのだが、さりとて彼だってこの鎮守府がどういう場所なのかは分かっているだろう。

 東にいる友人ほど気の知れた相手ならまだしも、彼がわざわざ俺を指名する理由が思い当たらないのだ。

提督(あるいは俺の考えすぎで、案外彼もそこまで変な奴ではないのか……?)

 しかしどれもが憶測の域を出ない。

提督(まぁ、この件はおいおい考えるとしよう。とりあえず今は、今週の予定を考えなくては)



↓2

1.出撃

2.演習

3.遠征

4.工廠

5.その他(自由安価。お好きにどうぞ)

中央鎮守府に今後の事を相談に行く

ふみふみ

5 清霜に挨拶と艦娘の紹介

できれば鎮守府の案内まで

金戒はかんけいないけど、番号なしの場合は無効になるんだよね

見直してくればわかるけど確か無効にならなかった筈

へーそうなんだ 番号の意味ないね

文月かな?

なんでわざわざ要らんことツッコむんだよ
雰囲気悪くなるだろうが

>>974
番号で指定したっていい
意味を見出せないなら普通に「出撃」って書いてもいいよ

文月ちゃんは三回目の襲撃事件で……

え?これは踏台って意味で↓じゃないの?

お見舞い行かないのか
中央行っても今は雪風居ないから好感度上がらないのよな

何言ってだ俺下二じゃねえか

時間制限ってみんな言ってたのにな

個人的には出撃で全員の好感度一気に上げていった方が良い気がしたけど・・・

やっぱり清霜って害悪だわ
鈴谷の出番も最近無いってのに

出撃は中央勢や鈴谷、ゴーヤと好感度が低い面子が上がらないからな
出撃してくれない子はコミュで好感度上げるしかない

個人的には清霜の出番最初の一度だけで終わりなのは嫌だから清霜取ったんだけどダメだった?

時間制限ある分雪風30までは優先的に上げた方がよさげ
それまで清霜ずっと放置ってのもそれはそれでかわいそうだけども

時間制限っつってもたかが得体の知れない奴が一人増える程度だろ
いざとなりゃぶっ殺せばいいよ

まあヒロインを増やし過ぎた弊害よね
個人的には最初の四人だけの方が良かったなと

>>984
そんなこと言うなよ……

良いんじゃね、とりあえずスポット当ててみないことには始まらんし

清霜と鈴谷を絡ませれば万事解決じゃん

雪風の時間制限は月末の退院のほうじゃね?

>>1000なら雪風は沈みません

相変わらず殺伐としてるな
俺含めた住民全部ぶっ壊れてんじゃねえか


榛名「提督、今週は何を……」

提督「ふみふみ」

榛名「え?」

提督「ふみふみ」

榛名「え、え?」

提督「ふみふみ」

榛名「す、すみません、ちょっと榛名にはわかりません。どういうことですか」

提督「ふみふみ」

榛名「ふみ……踏めば良いのでしょうか」

提督「ふみふみ」

榛名「でも、提督を踏むだなんてそんな」

提督「ふみふみ」

榛名「しかし、それが提督の望みであれば……。すみません、失礼します!」フミィ

提督「ふみ゛」

榛名「……これは」フミフミ

榛名(いけない事をしているはずなのに、なんでしょうかこの、感覚)フミフミ

榛名(背徳感でしょうか。何だか、背筋がぞくぞくします)フミフミ

榛名(榛名、感激です!)フミフミ

榛名「次は榛名を踏んでください!」

睦月「ちょっとまったぁ!」ババーン

榛名「!?」

睦月「話は聞かせてもらったのです! 榛名さん、提督を踏むだなんて、そんな羨まけしからんことは、天が許しても睦月が許しません!」

榛名「で、でもこれは提督が……」

提督「ふみふみ」

榛名「提督もこう言っています! これは提督の指示なのです」フミフミ

睦月「鼻息を荒くしながら言っても説得力がないのです、神妙にお縄につくのですよ」

睦月「第一、提督の言うふみふみというのは、こういうプレイではないのです」

榛名「では、一体何を言っているのですか?」

提督「ふみふみ」

睦月「提督の言うふみふみとは……ずばり!」

榛名「ずばり?」ゴクリ

睦月「睦月型駆逐艦七番艦、文月のことです!」

榛名「な、なるほど……!」

睦月「ついに提督も文月教に入信してしまったのですね……」

榛名「そんなに凄いのですか」

睦月「凄いなんてもんじゃないのです。群雄割拠の宗教の中でも一騎当千を誇る巨大戦力なのです」

榛名「榛名、感激しました!」

睦月「しかしここに文月はいません。こうなれば……」

榛名「こうなれば?」

睦月「文月になるしかありません!」

>>1000ならみんなハッピーエンド

>>986
可愛かったら皆テノヒラクルーするから大丈夫だろ

えぇ…(困惑)
踏まれるだけに一行動消費しちゃったの?

なんかもう清霜へのスレ住民の好感度がぐんぐん下がっていくな

>>1000なら清霜轟沈

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年01月29日 (木) 21:20:12   ID: xBGSDUMn

頑張ってくれ

2 :  SS好きの774さん   2015年01月30日 (金) 00:02:12   ID: BjxdWp0l

睦月のターンが可愛すぎてダメだこりゃ

3 :  SS好きの774さん   2015年02月01日 (日) 16:47:44   ID: grkDC2Gm

睦月さんお腹を撫でてもらうのは色々な意味でまずいです!!

4 :  SS好きの774さん   2015年02月02日 (月) 18:21:16   ID: 6SrOVn5u

この話もう終わっちゃうのか?私的には何とか上手く続けて欲しいな

5 :  SS好きの774さん   2015年02月02日 (月) 23:16:20   ID: jlJndUed

鈴谷の出番をはよはよはよはよはよはよは

6 :  SS好きの774さん   2015年03月13日 (金) 02:22:36   ID: GN1qgPTM

フィルタ無効化したら住民が酷く殺伐としててこっわいこっわい

7 :  SS好きの774さん   2016年04月04日 (月) 00:39:25   ID: WREHhiva

今更ですが、896の時点では伊58は、大和と遭遇したことは提督に言っていない気がしますが、
あれは伊58自身の回想にしか見えませんし

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