流竜馬「……ガンダム?」(9)

竜馬「……う、く……」

竜馬「俺は……そうか……」

竜馬「重量子爆弾に……巻き込まれて……」

竜馬「あの光は……やはりゲッター線、なのか……」

竜馬「……」

竜馬「ここは何処だ」

竜馬「ゲットマシン……じゃなさそうだな」

竜馬「何かのコックピットと言うことは確かだが……」ピッピッピ

竜馬「っち……反応がねえ」

ほう…?

竜馬「とにかくここから脱出しなきゃあ……」ピッピ

竜馬「クソ……脱出用のレバーくらいある筈だろ!」ガチャ

ピピピピピピピ

竜馬「!?」

竜馬の座っているコックピットを囲むモニターが動く
防護用のシェルターが展開し、モニターが大きく身を現す

竜馬「な、なんだ!?」

竜馬「コイツ……動くのか!?」ピッピ

とにかく直感で竜馬はボタンを押す
今までのゲッターロボの操縦と照らし合わせ、おそらくな部分を操作する

その直感は概ね合っているようで、『それ』はゆっくりと起動を始めた

竜馬「……コイツか!」ガチャ

レバーを引くと、モニターが外を映しだした

竜馬「ッヘ、なかなかいい子じゃねえか……ん!?」

竜馬が喜んだのはつかの間、モニターが映しだしたのは、うねうねと自由に変化をするインベーダーの姿だった
黒く、黄色い目玉が確実に動き出している『それ』を捉えていた

竜馬「インベーダーだと……」

竜馬「クソ、どうやって動かしゃいいんだ!!」ピッピ

インベーダー「ギシャアアアア」グチュグチュ

インベーダーの細い腕の先が鋭い銛のような爪に変化する
ぬらりと鈍く光るそれを、ゆっくりと『それ』に向けていた

竜馬「くっそぉ!!」ガチャ!

竜馬は苛立ちに声を荒げて、目の前のレバーを引く
そうすると、『それ』は荒い振動と共に本格的に起動した

インベーダー「シャアアアア!!」ギラ

インベーダーも『それ』の起動を感じ取ったらしく、先ほど作り出した銛を『それ』に向かって突き刺そうとした

竜馬「なぁめるなァァァァ!!」ピッ

竜馬はとっさに起動したレバーの先にあるスイッチを押す
――こういうマシンってのは、大抵ここが攻撃スイッチなんだよ

『それ』はそのスイッチに反応して、インベーダーの攻撃が届く前にバルカンで撃ち落としていた

竜馬「さぁって、反撃と行かせてもらうぜ!」ガチャリ

操縦系のレバーを理解した竜馬は、そのままレバーを引く

『それ』は、ゆっくりと、その大地に立ち上がった

竜馬「とは言っても……武器が豆鉄砲だけじゃ話にならねえ……!」バババババ

インベーダー「シャァァァ」

バルカンがインベーダーを撃ちぬいてはいるが、それだけでは奴らの尋常じゃない生命力を断つことはできない
何か、もっと一撃に重みのあるものが必要だった

インベーダー「シュァァァァ!!」グチャ

竜馬「ッ!?」

インベーダー「キュァァァァ!!」ビュビュビュ

インベーダーの姿が崩れ、細い線となって四方に飛び散る

竜馬「くそ!」

インベーダーの動きを追い切れない竜馬は、バルカンを止めてしまう
四方に分かれたインベーダーは、そのまま『それ』を囲み、再び作り出したツメで飛びかかってくる

竜馬「うぉぁぁぁぁ!!」ギュ

竜馬は感覚的に足にあるペダルを踏み込む
『それ』は背部スラスターを開放し、上空に飛び上がった

インベーダーのツメはかすりもせず、自分たちでぶつかり合ったインベーダーは再び一つになった

竜馬「ッヘヘ、なんとなくだがわかってきたぜ!」

上空からバルカンの雨を降らせ、インベーダーは蜂の巣になる
インベーダーはぐちゅぐちゅと粘液のような姿になり、雨から逃れようとする

竜馬「……!!」

ふ……とした瞬間だった
モニターに『それ』の武器を示すような図が表示されていた

赤く光るそれは、サーベルのような形をしている
そして、それに呼応するかのように違うレバーが光っていた

竜馬「コイツかァァァァァ!!!」ガチャ

インベーダーはバルカンの雨が止んだことを察知し、再び一つの姿に戻る
『それ』は肩にマウントされている柄を引きぬく
その柄から赤い光の剣が作り出される

インベーダー「シャアアア!!」バッ

インベーダーは上空にいる『それ』に向かって飛び上がった

竜馬「うぉらァァアァァッァ!!」

インベーダーの攻撃は逸れ、赤い粒子のサーベルがインベーダーの体を袈裟に切り抜けた
『それ』が大地に着地すると、上空で真っ二つにされたインベーダーは、爆発を起こし、塵になった

竜馬「ハァ……ハァ……」

竜馬「インベーダーを一撃で……コイツはいったい……」

竜馬「うぅ!?がぁぁ!!」キィィィン

竜馬は自分の頭に何かが『入り込んだ』感覚に陥る
それは激しい頭痛を引き起こし、竜馬は頭を抱えた



『僕は……あの人に勝ちたい……』

『その傲慢さを償え!』

『倍返しだァーーー!!』

『戦わなければ、もっと多くの犠牲が出たはずです』

『それでも僕は、連邦の士官だ!』

『遊びでやってんじゃないんだよ!!』

竜馬「……ハァ、はぁ」ガク

激しい頭痛が引き、竜馬は力なくコックピットにもたれかかった

竜馬「……!?」

竜馬は目の前が変化していることに気づき、目を丸くする

――コックピットが変化している!?

竜馬は急いで当たりのボタンを押す
しばらくして、ようやくコックピットハッチが開き、竜馬は外に飛び出る



――そこには黒く体を染めた、巨人が居た



竜馬「……お前が、俺を呼んだのか」

今日はおしまい

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