竜馬「正月だから東京に帰る」【新ゲッターロボ】 (33)

【新ゲッターロボss】

黒平安京

水晶玉「」キィィン

晴明「......」

側女1「いかがなされましたか、せいめいさ...」

側女2「話しかけては駄目よ。晴明様は、いま神々と交信なさっておられるの」



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多聞天『晴明...返答せい晴明』

晴明「ここに...」

多聞天『ゲッターを撃ち滅ぼす算段...つけてきたか?』

晴明「御意。次こそは必ずや仕留めてごらんにいれましょう」

持国天『頼むぞ。我らが、ゲッターに食い荒らされた星々を治めている間になんとしても...』

増長天『そのために貴様を遣わしたのだからな!』

広目天『......』

晴明「承知しております」

晴明(ふん。ゲッター線に恐れをなす小物どもが...見ておれ、いずれはゲッターだけでなく、貴様らも我の前にひれ伏すこととなろうぞ...)

多聞天『では早々にいけい!』

晴明「なりませぬ」

増長天『なにィ!?貴様、我らに逆らうか!』

晴明「いまの時期は...正月でございまする」

多聞天『...なんだと?』

多聞天『正月か...うむ...』

増長天『なにをバカバカしいことを。そんなもの構わず...』

多聞天『ならぬ!』

増長天『!』

多聞天『正月は歳神への祈りの行事...神から行事を破ることは許されぬ』

持国天『増長天...多聞天の言う通りだ』

広目天『いかに我らとは関係のない神とはいえ、祈りを無下に扱うことはイカンぞ』

増長天『す、すまない』

多聞天『気にするな。晴明...おまえもしばし休息をとるがいい。次の戦いへの英気を養うのだ』

晴明「はっ、有難きお言葉...」



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黒平安京

晴明「......」スゥ

側女1「お帰りなさいませ、晴明様」

側女2「鬼の準備は整いました。さあ、今度こそ奴らの息の音を...」

晴明「今日はいい」

側女1「えっ?」

晴明「正月だからな。おせちが喰いたい。おせちを用意せい」

側女2「は、はぁ...」

晴明(精々、最後の休息を楽しむがいいゲッターよ...万全の貴様を討ち取ってこそ、我もまた満たされる...)

早乙女研究所 地下室

キィィン

早乙女「む...」

早乙女(ゲッター線が...?)

早乙女研究所 本棟

ミチル「職員全員に休暇を与えるですって?」

早乙女「ああ」

ミチル「正気?いつ鬼が現れるかわからないのっていうのに」

早乙女「ゲッター線が告げるのだ。『年末年始は敵が来ない』とな...」

ミチル「はあ?どういう意味よ」

早乙女「いやならずっとここにいろ」

ミチル「ったく...肝心なことはいつも隠すんだから。わかった、みんなにはそう伝えとく」

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東京

竜馬「へへっ、久しぶりの東京か」

竜馬(しばらく離れてたが...もう何十年も前な気がしてくらぁ)

竜馬「―――んで、人が久しぶりの里帰りで感傷に浸ってるってのに...」





弁慶「隼人、東京タワーに上ろうぜ!」

隼人「止めとけ。空なんざゲットマシンに乗ればいつでも見れる。合体すれば宇宙までだ」

竜馬「なんでてめえらまでついてくんだよ!?」

弁慶「いやあ、実は東京に行ったことなくてよ。いつか行ってみたいとは思ってたんだよ」

竜馬「ケッ、てめえはどうせ色町目当てだろうが」

弁慶「それも考えてるけどな。都の女子は綺麗らしいじゃねえか...」グヘヘ

竜馬「言っとくが、絶対に奢らねえからな」

弁慶「わかってるって」

竜馬「隼人、てめえはどうなんだ」

隼人「非常時の際にいつでも呼び出せるよう、ミチルにお前らの御守りを頼まれたんでな」

竜馬「チッ。あの鬼娘、ガキ扱いすんじゃねえよ」

弁慶「...もしかして、ミチルさんとデきちゃってる?」

隼人「んなわけあるか」

ルビー「アー、リョウマサァン!」

竜馬「ん?おお、ルビーじぇねえか。それにアイリも」

アイリ「ヒサシブリネ」

ルビー「ドコイッテタノヨ?サイキンミナクテ、サミシカッタヨ」チュー

竜馬「ちょっと野暮用でよ。今は里帰り中だ」

アイリ「マタアブナイコトシテルノカナ?」

竜馬「どうだかな」ハハハッ

イチャイチャ

弁慶「...どーいうこった」ポカン

ルビー「アレ?ソコノオフタリハ?」

竜馬「なんつーか、腐れ縁って奴よ」

弁慶「む、武蔵坊弁慶といいます」ペコリ

アイリ「ヤダ、カワイイ~」

弁慶「でへへ...」

隼人「...神隼人だ」

ルビー「イイオトコネ、オミセクル?」

隼人「」ギロッ

ルビー「キャッ、コワ~イ」

竜馬「おい、ビビらせんじゃねえよ。ただでさえおめえの顔はイカついんだからよ」

隼人「お前には言われたくない」

ルビー「ワタシタチコレカラシゴトダケド、ミンナドウ?サービススルヨ」

竜馬「ワリィな、今日もあんま金ねえんだわ」

アイリ「チェッ、ザーンネン。ジャアネ、リョウマサンとオトモダチ、ヨイオトシヲ」

竜馬「おう。またな!」

弁慶「竜馬...おまえ、あんな可愛い彼女がいたのか」

竜馬「彼女じゃねえよ。前に助けたことがあるだけだ」

「ヘイ、リョウマ!?」

竜馬「ん?あっ、カルロス!」

カルロス「ハハハ、ヤッパリリョウマダ!アイカワラズビンボクサイネー!」

竜馬「うるせえカルロス!てめえには言われたくねえ!とっととメキシコに帰れ!」

カルロス「オ~ウ、ヤパリリョウマ、チットモカワラナイネ~。アレ、ソコノオフタリハ?」

弁慶「武蔵坊弁慶と申します」

隼人「...神隼人だ」

カルロス「ハハハ、リョウマノオトモダチダケアッテミンナビンボウクサイネ~」

竜馬「馬鹿ヤロウ、てめえ顔面剥がされるぞ!」

カルロス「?」

隼人「......」ゴキゴキ

弁慶「止めろ隼人、気持ちはわかるが落ち着け!」

カルロス「アッ、ソウダ。リョウマガカエッテキテカラワタシタイモノガアタヨ」スッ

竜馬「なんだこの箱?」

カルロス「ヤパリリョウマガイナイトサミシイカラネ。チョットシタプレゼントサ」

カルロス「サッ、アケテゴランヨ」

竜馬「へっ、似合わねえ真似すんじゃねえよ」パカッ

パァン

竜馬「どわぁ!?」

カルロス「ハハハハ、エンターテイメントノオヤクソク、ビックリバコダヨ!ジャアネリョウマ!ヨイオトシヲ!」ダッ

竜馬「待ちやがれ!...クソッ、見失っちまった」

隼人「奴への報復は任せておけ。やつの家に爆薬を仕掛けておいてやる」

弁慶「お前が言うとシャレにならん」

隼人「俺は大マジだ」

弁慶「止めろ!」

鳥竜館(竜馬の道場)

竜馬「......」

弁慶「へえ、ここが竜馬の道場か」

隼人(ここの師範、流一岩...まさかとは思っていたが、竜馬があの有名な空手家の息子だったとはな)

隼人「に、しても...随分と荒れているな。空き巣にでも入られたか?」

竜馬「いや、こいつはジジイからの刺客と戦った時の跡だ。あれ以来戻ってきてねえからよ」

竜馬「...久しぶりじゃねえか、ホントによ」

隼人「お前が感傷に浸るなんて意外だな」

竜馬「まーな。今の俺があるのもここでの親父の地獄の特訓あってこそだ。嫌でも感慨深くならあ」

弁慶「お前が地獄っていうほどやべえのか」

竜馬「泣こうが喚こうが、ヨチヨチ歩きの頃から親父の空手の全てを叩き込まれて、小さい手がグローブくらいに腫れた時にゃあ塩水に浸して砂箱突き。野犬の群に放り込まれることなんざザラだったぜ」

弁慶「...よく生きてたな、お前」

ガララ

竜馬「?」



舎弟「あ、兄貴。さっき人影が入ってくのが見えたんですが...」

ヤクザ「大丈夫よ。あのバカなら、とっくの昔に行方不明に...」



竜馬「誰がバカだって?」ニィ

ヤクザ「ひ、ひょおおおおお!?」ガタガタガタ

ヤクザ「...う、うふふ。ちょうどいいわ。今日の獲物はコイツなの」チャキ

竜馬「ハジキか...」

ヤクザ「あの時の借り、返させてもらうわよ!」グッ

ガシッ

ヤクザ「へ?」

竜馬「おせえんだよ」

―――以下省略―――

ヤクザ「あ、あがが...」ピクピク

舎弟「だから止めとけっていったのに~」ズルズル

竜馬「さて、と。露払いもすんだし、大掃除を始めるか」

弁慶「えっ」

隼人「お前が大掃除...だと?」

竜馬「んだよ、その反応は」

隼人「弁慶、鉄傘を用意しろ。槍が降ってくるかもしれん」

弁慶「おう!急いで買ってくるぜ」

竜馬「てめえら俺を何だと思ってやがる!?」

数時間後

竜馬「ふう...これで終わったな」

弁慶「なあ、そろそろ飯にしようぜ。腹減ってしょうがねえよ」

隼人「いまは...21時か。時間的にも申し分ないな」

竜馬「なら、俺のとっておきのところに連れてってやるよ」

弁慶「本当か!?」

竜馬「ああ。代金はてめえら持ちだけどな」

竜馬(じゃあな、親父。またくるぜ)

ラーメン屋

店主「いらっしゃーい...あっ!」

竜馬「よっ」

店主「竜ちゃんじゃないか!最近めっきり見ないからなにかあったと思ったよ!」

竜馬「へっ。ヤクザなんかにゃ足元掬われねえよ」

店主「それもそうか」アハハ

店主「でも、気をつけなよ?そうやって油断してると、いつか後悔することになるかもしれないからさ」

竜馬「わーってるよ」

弁慶「知り合いなのか?」

竜馬「ああ。困った時はタダで飯を喰わせてくれる気のいい親父よ」

店主「ツケだからね、ツケ!」

ジュー

店主「へーえ。弁慶くんに隼人くんか。男らしい立派な名前じゃないか」

弁慶「お褒めに扱り光栄に思います」ペコリ

隼人「......」プイッ

竜馬「なんだぁ?照れてんのか隼人?」

隼人「寝言は寝ぼけていいな」

店主「しかし驚いたなぁ~。まさかあの喧嘩馬鹿の竜ちゃんに二人もお友達ができるなんてさ」

竜馬「余計なお世話だ!それにこいつらとはただの腐れ縁だ」

店主「それもいいものさ。縁なんて作ろうと思って作れるものじゃないからね。腐れ縁も大切にしなよ。はい、餃子」コト

竜馬「おっ、久しぶりのこの匂い!」

店主「ラーメンももうすぐできるから待ってな」

店主「へいお待ち。年越しそばならぬ年越しラーメンだよ!」

弁慶「おお、待ってましたぁ!いただきまぁす!」

ズルルル

弁慶「うむ、美味い!これが東京のラーメンの味か!」

隼人「...悪くない」

店主「嬉しいこと言ってくれるねえ」

店主「ところで、みんなは初詣にはいかないのかい?」

竜馬「神様とか興味ねえからな。それに、野郎3人で行くもんじゃねえだろ」

隼人「俺もだ。願いで欲しいもん手に入れてなにが面白い?」

弁慶「ここには神社しかないだろ?俺は寺育ちだからなあ」

竜馬「弁慶、むしろお前はいかなきゃなんねえんじゃねえか?」

弁慶「えっ?」

竜馬「寺も神社も同じモンだろうが」

弁慶「お前、マジか...」

隼人「何年前の知識だ。お前が義務教育を受けた時には変わっていたぞ」

竜馬「うるせえ!...ううっ、ちょっと酒がまわってきたな。小便行ってくらぁ」

店主「...お二人さん。ぶっちゃけ、竜ちゃんとつるんでみてどうよ?」

隼人「気苦労なんてレベルじゃねえな。人の意見は聞きやしねえ、無茶ばかりする、自分勝手...悪いところを挙げた方が早いくらいだ」

弁慶「おいおい。言い過ぎじゃねえか?...まあ、否定はしきれねえけどさ」

店主「そんなこったろうと思ったよ。でもね、ああ見えて根はイイ子なんだよ」

隼人「...俺も人に誇れる立場じゃないからな。あいつの良い悪いは興味はないが...力になるときはトコトン力になるってことはわかってるさ」

弁慶「俺も同じだ。少なくとも、あいつを嫌いにはなれねえよ」

店主「それはよかった。これからも竜ちゃんを頼むよ」ニコリ

竜馬「あ~、スッキリした...どうした親父。すげえ笑顔だぞ」

店主「なんでもないよ」

ガララ

竜馬「じゃあな、また来るぜ」

店主「風邪ひくんじゃないよ。あと、今度は溜まったツケを払ってね!」

竜馬「金ができたら、イの一番に払いに来るぜ」

ピシャン

弁慶「いい親父さんだったな」

竜馬「ああ。親父が生きてたころからの付き合いでよ、自分の子供みてえに接してくれたんだ」

隼人「親父もそうだが、ここの味は気に入った。また来るか」

竜馬「は!?」

隼人「なんだ?」

竜馬「い、いや、なんでもねえ」

竜馬(まさかこいつの口から素直な褒め言葉がでるなんてな...)

ゴーン ゴーン

弁慶「おっ、除夜の鐘...もう新年になっちまってたか」

竜馬「しかし、てめえらと会ってもう一年以上かよ」

弁慶「博士に連れてかれて、鬼に襲われて、ゲッターで戦って...」

隼人「ロクな思い出がないな」

竜馬「へっ、退屈するよりは断然いいだろ」

隼人「まあな」

弁慶「あっ、しまった!色町にいくの忘れてた!」

竜馬「今度にしろ、こんど」

隼人「さて、帰るとするか。血で血を洗う、俺たちの戦場に」

――――――――――――――――――

正月明け

早乙女研究所

ビー ビー

職員「巨大鬼獣、接近中!」

竜馬「さぁて、新年一発目の出撃だ。遅れるんじゃねえぞ、てめえら!」

隼人「ふっ、誰にモノを言っている」

弁慶「縁起よく決めろよ、竜馬!」

竜馬「へっ、いくぜ!チェェェンジゲッターワン!」


鬼獣『ゴアアアア!!』



竜馬「ゲッタアアァァビイイィィム!!」



ド ワ オ

これで終わりです。読んでくれた方はありがとうございます。

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