男「...好きだっての」 幼馴染「...聞こえなーい」 (195)

幼男「なーなー!ほれ!イモムシ!」

幼幼馴染「きゃ!なにすんのよ!もー!」

幼男「アハハハハ!ビビってやんのー!」

幼幼馴染「ねえ!やめてってば!こっちこないで!」

幼男「ほら!ほらほら!アハハ!ほら!」

幼幼馴染「いや!ほんとにやめてってば!」

幼男「ほらほらほらほら~!」

幼幼馴染「しつこい!ほんとにやめて!いやだってば!」

幼男「ほらほら!くっつけてやるよ!そりゃ!」(イモムシ投げる)

幼幼馴染「やめっ・・・うわぁ!」ズサァー

幼幼馴染「・・・いたっ・・・・・」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1421884463

幼男「アハハ!こけてやんのー!」

幼男「・・・・・あれ?」

幼幼馴染「・・・・・」

幼男「・・・え?・・・」

幼幼馴染「・・・・・」

幼男「・・・おーい、だいじょうぶ・・・?」

幼幼馴染「・・・」

幼幼馴染「幼男なんか、だいっきらい。」タタタタ...

幼男「あっ・・・ちょ、まって・・・」

-翌日、小学校にて-

幼男「あの・・・おはよう」

幼幼馴染「・・・・・」

幼男「うっ・・・」


お昼休み

幼男「幼幼馴染ー?」

幼幼馴染「・・・・・ふんっ・・・」

幼男「あっ・・・」


放課後

幼男「幼幼馴染!いっしょにかえろ!」

幼幼馴染「・・・・・」スタスタスタ...

幼男「ううっ・・・・・・」

帰り道

幼男「幼幼馴染ー」

幼幼馴染「・・・・・」スタスタ

幼男「・・・ごめん・・・」

幼幼馴染「・・・」

幼男「・・・ほんとに・・・ごめんなさい・・・」

幼幼馴染「・・・みてこれ」

幼男「えっ?」

幼男「あっ・・・ヒザが・・・」

幼幼馴染「すりむいたの。 いたかった」

幼男「・・・ごめん」

幼幼馴染「つぎやったらゆるさないからね!」

幼男「・・・ごめんなさい」

幼幼馴染「しかたないなーゆるしてあげる!」

幼男「ほんと!?」

幼幼馴染「ほんとだからげんきだして!まったくもう」

幼男「よかったぁ へへっ」

幼幼馴染「もう、ちょうしいいんだから」

-夏休み、幼幼馴染の家にて-

幼男「あーしゅくだいおわんねー!」

幼幼馴染「ごちゃごちゃいわない!はやくやる!」

幼男「でもわかんねーよー なんだよわりあいって」

幼幼馴染「割合ってのはね・・・これをらこうして・・・」


2時間後

幼男「おわったぁぁぁー!」

幼幼馴染「やっとおわった・・・」

幼男「幼幼馴染あそぼうぜー!」

幼幼馴染「つかれた・・・」

幼男「そんなこといってねーではやくいくぞ!」

幼幼馴染「えーいくのー?・・・はぁ・・・」

公園

幼幼馴染「なにするの?」

幼男「んーなにするか」

幼幼馴染「じゃおままごとしようよ!」

幼男「おままごと・・・ってなんだ?

幼幼馴染「おままごとってのは、ふうふになるんだよ!」

幼男「ふうふ?」

幼幼馴染「そう!わたしがおかあさんで、幼男がおとうさんになるの」

幼男「えーなんだそれ」

幼幼馴染「とりあえずやろ!ね?」

幼幼馴染「おとうさん、ごはんできましたよ~」

幼男「すなじゃん」

幼幼馴染「すなじゃない!ごはんなの!」

幼幼馴染「おとうさんをまねするの ちゃんとやってよ」

幼男「えー・・・」

幼男「モグモグ、おーごはんおいしいぞ」

幼幼馴染「ほんとー?ありがと」

幼幼馴染「おとうさんおかあさんのことあいしてるー?」

幼男「はぁ!?」

幼幼馴染「いいの ちゃんとやって」

幼男「・・・あ、あいしてるよー」

幼幼馴染「んふふ わたしもあいしてるよ」

幼男「おっ・・・!?おっおう・・・//」

幼幼馴染「あっ!なにてれてんの」アハハッ

幼男「なっ!てれてなんかないし!」

幼幼馴染「てれてんじゃん」ハハッ

幼男「うるせー!おまえなんかぜんぜんあいしてないし!」

幼幼馴染「はぁ?」ムッ

幼男「なんだよ!」

幼幼馴染「あいしてないってなに!」

幼男「すきじゃないってことにきまってんだろ!」

幼幼馴染「はぁ!?なにそれ!ひどい!」

幼男「おまえなんかすきになるわけないだろ!ぶす!ぶす!ぶーす!」

幼幼馴染「はぁ?・・・」

幼幼馴染「・・・ひどいよ」

幼男「えっ?・・・あっ、いや・・・」

幼幼馴染「わたしのことぶすだとおもってたんだ」ポロッ・・・ポロッ・・・

幼男「あっ・・・いや・・・そんなことねーよ・・・なくなよ・・・」

幼幼馴染「わたしのことすきじゃないんだ・・・」ッー

幼男「あっ・・・そんな・・・ごめん・・・」

幼男「あのっいやっ・・・」

幼男「おいっ」

幼男「おまえがけっこんできなかったら」

幼男「おまえがけっこんできなかったらな?」

幼男「おれが・・・も、もらってやるからさ!」

幼男「あんしんしろって」

幼男「べつにおれ・・・おまえのこときらいじゃないしさ」

幼幼馴染「・・・ほんと?」

幼男「ほんと だからなくなって」

幼幼馴染「やくそくだよ?」

幼男「ああ やくそく」

時は流れ、男はいま高校生。
幼馴染とは生まれた時から小中高と同じ学校へ通っている。
男は高校野球に青春を捧げ、幼馴染は成績優秀で勉学に勤しむ日々を送っている。


-ある日、高校にて-

男「やべー朝練しすぎて遅刻する!」

キーンコーンカーンコーン ガラガラッ!
担任「男遅いぞーはやく席座れー」

男「すいません」チャクセキ

野球部の朝は早い。朝7時には朝練が始まり、HRが始まる8時半ギリギリまで練習をする。

男「・・・」コックリ コックリ

先生「はいじゃあこの問題を男」

男「・・・ハッ! えーっと、えっとー・・・」

先生「寝てただろ男コラー ちょっと立ってろー」

男「やっちまった」キリツ

先生「じゃ代わりに幼馴染」

幼馴染「はい ・・・・・」

幼馴染「・・・なので、・・・です」

先生「はい正解」

先生「男ー、分かったかー?」

男「分かりました」

先生「じゃ座れ」

男「ふぅ」チャクセキ


休み時間

男「幼馴染、ちょっと予習見せてくんね?」

幼馴染「またやってないの?」

男「わりぃ 疲れててさ」

幼馴染「自分でやらなきゃダメって前も言ったじゃん」

男「すまんすまん 頼むこの通り」

幼馴染「もー、次はちゃんとやってよね」

お昼休み

男友「うーい男、昼飯食おうぜー」

男「おう飯食うか」ベントウパカー

男友「・・・相変わらずとんでもねえ量の弁当だな」

男「食うのもトレーニングだからな」パクー

男友「にしても彼女欲しいなぁ」

男「ん?どうしたよ」

男友「いやさ、もうすぐ夏休みだろ?彼女作って青春を謳歌したいわけよ」

男「あーなるほどね めぼしい女の子とかいんの?」

男友「やっぱクラスイチ可愛い美女子とか、良いよなぁー」

男「ライバル多いぞぉー」

男友「幼馴染ちゃんも可愛いよなぁ」

男「えー、幼馴染可愛いかぁ?」

男友「いやマジお前分かってねえって 幼馴染ちゃんって結構人気あるんだぜ」

男「えーマジで?嘘だろ何が良いんだよ」

男友「なかなかのルックスに良いスタイル、性格も真面目で陽気 良いところだらけだよ」

男「へぇ・・・よく分かんねえや」

男友「お前は好きな子いないの?」

男「うーん・・・いないなぁ」

男友「そういえばお前そういうの興味無いんだっけ」

男「あんま興味ねえなぁ 野球忙しいしな」

男友「てかお前って女の子と付き合った事も無いんだっけ?」

男「無いわ」

男友「うわ!童貞かよ!」

男「はぁ?うるせえよお前童貞卒業してたのかよ」

男友「いや俺も童貞だよ」

男「童貞かよ!他人の事言えねえじゃねえか!」

男友「さすがキレのあるツッコミ!」

男「うるせっ!」

放課後

男「さぁ部活行くとするかなぁ」

幼馴染「男」

男「おお幼馴染、今日は8時上がり」

幼馴染「じゃ8時過ぎに校門で待ってるから」

男「はーい」

男と幼馴染は小学校の頃から二人で帰るのが習慣で、それは今も続いている。


部活後

男「おーい!」

幼馴染「あ!」

男「わりぃわりぃ整備に時間かかってさ」

幼馴染「大丈夫気にしないで」

男「じゃ帰るか」

男「なぁ聞いたか?あいつとあいつ付き合い始めたらしいぜ」

幼馴染「えー本当に?意外ー」

・・・・・

-学校にて-

男「ほんっとごめん!マジ頼む!この通り!」

幼馴染「いつになったらやってくんのよ!予習!」

男「ごめんって!風呂で寝ちゃったんだよ!」

幼馴染「そんなの寝るあんたが悪いんじゃない!」

幼友「朝から元気だねー」

幼馴染「あっ幼友 おはよう」

幼友「朝から夫婦喧嘩?」ハハッ

幼馴染「はぁ?何言ってんのよ」

幼友「この二人はもう公認カップルだからねー」

男「え?なにそれ」

幼友「こんだけ毎日一緒にいるんだから付き合ってるようなもんでしょ」

幼馴染「はー!?なにそれ!?」

男「そんなの初めて聞いたぞ!」

幼友「えー?みんな言ってるよ」

男「マジかよ!知らなかった」

幼友「まぁでも実際付き合ってるようなもんでしょ?」

幼馴染「いやいやいや」

幼馴染「無い無い こいつを男として見るとか無理だし」

幼馴染「そもそもタイプじゃないし あり得ないあり得ない」ハハハッ

男「はぁ?」ムッ

男「俺だってこんな女無理無理」

幼馴染「はぁ?なによ」ムッ

男「なんだよ」ムムッ

幼友「はいはい喧嘩しないの」

幼友「喧嘩するほど仲が良いって言うしね」

キーンコーンカーンコーン
幼友「あ、授業始まるわ」

NTRだけはマジ勘弁

幼馴染ほしいなー

放課後

男「・・・」

幼馴染「男ー」

男「・・・なんだよ」

幼馴染「いや、今日何時上がりか聞きに来たんだけど」

男「知らね 行くわ」ガラガラガラ

幼馴染「えっ、ねぇちょっと!」

幼馴染「行っちゃった・・・何怒ってんのあいつ」


野球部 部室

男「・・・はァ(なに怒ってんだよ俺)」

男「(好きじゃないって言われてどんだけショック受けてんだ)」

男「(俺だってそもそも好きじゃねえだろ)」

男「(ショック受ける意味分かんねえよ・・・)」

男「(切り替え切り替え!練習に集中だ・・・)」

男「(付き合うのはあり得ない、か・・・)」


教室

幼馴染「なにあいつ怒ってんのよ・・・」

幼馴染「私がなんか悪い事した?」

幼馴染「むしろあいつがいつも悪い事してんじゃないの」

幼馴染「わりぃわりぃとか言って予習見せろって言ってくんのどっちよ」

幼馴染「もうっ」ムッ

幼馴染「・・・まぁいいや いつも通り8時上がりでしょ それまで予習してよっと」

ガラガラガラ
??「お!幼馴染さん」

幼馴染「ん?」

幼馴染「あ!」

幼馴染「生徒会長君じゃん」

会長「どうもどうも」

幼馴染「どうしたの?そんな慌てて」

会長「いやー実はですね、近頃不審者が出てるので各クラスの背面黒板に張り紙しようと思ってたのですが」

会長「副会長の不手際で各クラス会長に紙を渡し損ねてしまいまして」

会長「ですからこうして全学年の各クラスに回って張り紙してるんです」

幼馴染「へえ 大変ね」

幼馴染「手伝おっか?」

会長「えっ?良いんですか!?」

幼馴染「うんいいよ いま暇だし」

会長「すいません!じゃお願いします!」

会長「2年はあとF,G,H組が残ってまして、そこの張り紙お願いします」

幼馴染「うん オッケーいいよ」

会長「助かります じゃ僕は3年の階に行ってきますね」

部活後 部室にて

男「はぁ 今日もキツかったぁー」

男「夏の大会前だから三年の先輩たち気合が違うな」

男「俺もレギュラー狙えるんだから気合入れ直していかないとな」

男「家に帰ったら素振りしよう」


校門

男「・・・あっ」

男「・・・ふんっ・・・・・」

幼馴染「あっ、男ー」

幼馴染「お疲れ様 ハイチュウあげる」

男「・・・」

男「・・・・・ありがと・・・」パクッ

幼馴染「えへへ 帰ろっか!」

男「・・・おう」テクテクテクテク...

-休みの日-

男「今日は土曜日だ!」

男「雨と監督の都合で部活も無くなった!」

男「今日はオフ日だあああああ!!」

男「何しよう!?何しよう!?何しっ・・・」ユーガッメィルッユーガッメィルッ

男「ん・・・メール来た」

男「幼馴染 : 今日予定ある?」

男「無い っと・・・」ポチー

男「さーて何すっか!?何するよ!?何でもできるぞ!何すっ・・・」ユーガッメィルッユーガッメィルッ

男「ん・・・メール来たな」

男「幼馴染 : 一緒に買い物行こうよ」

男「デートの誘いかよ!」

男「おお・・・人生初の女の子とデート・・・」

男「でで、で、デートか・・・おおお・・・!」

男「別にいいけど っと・・・」ポチー

男「平静を装え・・・ドキドキすんな・・・男らしく・・・男らしk・・・」ユーガッメィルッユーガッメィルッ

男「うおっ!? ああ!ドキドキするなっ俺! 深呼吸・・・深呼吸・・・」スゥーハァー

男「幼馴染 : じゃすぐ家の前行くね」

男「すぐ来んのかよ!俺とお前んち隣同士じゃねえか本当にすぐだぞ」

男「身だしなみ整える時間くらいよこせよ・・・! 気遣えない奴だなぁ・・・!」

男「服装は・・・あっ、ジャージしか持ってなかった」

男「髪型整えなきゃ・・・あっ、坊主だった」

・・・・・・・・・・・・・・・

幼馴染「あら!本当にすぐ来たのにそっちが家の前で待ってるとは!」

幼馴染「はりきってんねぇ~!」アハハハッ

男「ちっ、違ぇよ!たまたま俺も買い物行くつもりだったからだけだし」

幼馴染「どうだかぁ~?」ハハッ

男「なんだよ!」ムッ

幼馴染「アハハッ!ごめんごめん じゃ行こっか」

        :彡⌒:|
        (´・ω:|  
        ヽつ::|

         ヽ :;| 
            \

どうして素直になれないんだよ!!!!もっと熱くなれよ!!!!米食えよ!!!!

ひとえに愛だな

服屋

幼馴染「最近服買ってなかったんだよねー」

幼馴染「やっぱ女の子はオシャレに気を使わないと」

幼馴染「これとか良いなぁー・・・」

幼馴染「これも良いなぁ・・・」

幼馴染「ねぇこれどう?似合ってる?ってあれ・・・」

男「このジャージ生地良いなぁ・・・風通し良さそう・・・うお、これTIGORAかよ・・・やっぱカッケーなオイ・・・」

幼馴染「・・・」

幼馴染「こ れ ど う っ て 聞 い て ん の !」

男「うおぇ!? い、良いんじゃないの・・・?」

幼馴染「なんでそんな適当なのよもー」

幼馴染「てかあんたジャージ好きすぎ」

幼馴染「ジャージばっか見てないで私服も買ったら?」

男「えー?いらねえよ 着ないし」

幼馴染「そんなんだからモテないのよあんた」

男「はぁ!?うるせえし!」

幼馴染「私が選んであげるから私服買うよ!」

男「いらねえっつってんのに・・・」

幼馴染「ほら!いいから行くよ!」

幼馴染「あんたに攻めたファッションは似合わないよねー」

男「お、おう」

幼馴染「カジュアルな服が良いんじゃない?」

男「そうなのか?」

幼馴染「落ち着いた感じの服着るのが一番似合いそうだわ」

男「そ、そうか」

幼馴染「BEAMSでも着とけば?手頃だし」

男「びーむす・・・」

幼馴染「RALPH LAURENもアリね~」

男「らるふろーれん・・・」

幼馴染「あーでも男ってガキっぽい所あるしLACOSTEも似合いそう」

男「らこすて・・・」

幼馴染「あんた自分で買うとしたらUNIQLOくらいしか選択肢なかったでしょ 感謝しなさいよね~」

男「ゆにくろ・・・」

男「・・・」

男「あのさ、もっと他の無いの・・・?」

幼馴染「ん?他って?」

男「MIZUNOとかZETTとか・・・」

幼馴染「はぁ?なにそれ」

男「Rawlingsとかさ・・・」

幼馴染「もしかして、それ・・・野球道具のメーカー?」

男「そう、だけど・・・」

幼馴染「あんたバカぁ!?そんなのあるわけないでしょ!一回野球から離れなさいよ!」

男「ねぇのかよ・・・はぁ」

幼馴染「もう!これだから野球バカは!」

帰り道

男「はぁ・・・買いすぎだ・・・」

幼馴染「なにショボくれてんのよ」

男「さすがに何着も買いすぎだって・・・2万消し飛んだぞ・・・」

幼馴染「あんたがこれまで買わなかった分なんだから当たり前でしょ?」

幼馴染「今どきジーパンも持ってない高校生とか聞いた事ないわよ」

男「あんな伸縮性に優れてないモノ履く方がおかしいだろ」

幼馴染「野球から離れなさいよ・・・オシャレなのオ・シ・ャ・レ 分かる?」

男「全然分かんねえよ・・・」

幼馴染「はぁ・・・これじゃモテるワケ無いか」

幼馴染「あんた顔はそこそこカッコいいし身体つきも綺麗だし2年なのに野球部レギュラーなんだから」

幼馴染「モテてもおかしく無いのよ?」

男「んー」

幼馴染「そういう所が絶望的だからダメなのよあんた」

男「まぁでも恋愛興味ねぇしなぁ」

男「野球あるしな」

幼馴染「野球野球って・・・ホント好きね」

幼馴染「どう?うち寄ってく?」

男「寄ってくも何も隣だし」

幼馴染「どうせ暇でしょ?うち寄ってきなよ」

男「えー」

幼馴染「いいからいいから」


幼馴染の部屋

男「(昔はよく来てたけど、改めて入ると緊張するな・・・)」

幼馴染「まぁくつろいでてよ お菓子取ってくる」ガチャ バタン

男「お、おう」

男「・・・」

男「・・・・・・」

男「・・・・・・・・・」

男「(くつろげるワケねぇだろ!なんだこの部屋!良い匂いすんだけど!」

男「こんなん意識しちゃうだろ!あいついつの間にこんな可愛い感じになったんだよ!)」

男「(毛布がはだけてるベッドとか何だよこれ!何でちょっと興奮してんだよ俺!バカ!)」

男「(うわ!制服掛けてある!あいつ意外とスカート短いんだな・・・クソ・・・何考えてんだ・・・!あああ・・・!)」

幼馴染「おまたせー」ガチャ

男「うおぉ!ぁありがとう」

幼馴染「どうしたの?」

男「いや何でもない」

幼馴染「・・・?」

俺の高校時代の友達も野球部で私服はジャージしかないってやついたなあ

幼馴染「あんたっていつから野球やってんだっけ」

男「小4からだな」

幼馴染「そんな早かったんだ」

男「テレビで甲子園見てさ それが始まりだったな」

幼馴染「へぇ~」

男「ハンカチ王子って知ってる?」

幼馴染「あぁ~!いたいた」

男「早稲田実業を初優勝に導いた斎藤佑樹って投手」

幼馴染「なんとなく覚えてる」

男「あの人に憧れて野球始めたんだよなぁー」

男「プロに入ってから影を潜めてたけど、27歳のシーズンで復活の兆しを見せて」

男「28歳であのライバル田中将大を超える28勝0敗 日本一の立役者となったんだよな」

幼馴染「あーニュースで見た事あるある」

男「今やメジャーリーグで田中将大とワールドシリーズを戦った日本の二大エースの一雄だからな」

幼馴染「あー、あの人だったんだ!ハンカチ王子って」

男「そうそう」

男「あの人に憧れて、甲子園夢見てきたんだよな」

幼馴染「へぇ~」

幼馴染「もうすぐ、甲子園の地方大会始まるんでしょ?」

男「そうだな」

幼馴染「レギュラー取れそう?」

男「まだ分からないかな 外野手は数が多いから競争が激しいんだ」

幼馴染「そうなんだ」

男「でも、大丈夫!先輩に負けねえくらい熱い思い持ってっからな!」

幼馴染「・・・毎日、家帰った後も練習してるよね」

男「え!?・・・知ってたんだ」

幼馴染「私の部屋から外見えるもん」

幼馴染「道路で毎日素振りしてるの、知ってるよ」

男「・・・なんか恥ずかしいな」

幼馴染「なんでよ」ハハッ

幼馴染「予習なんだかんだ見せてあげるのは、そういう姿見てるからなんだからね」

男「そうなのかよ!」

男「だったらもっとすんなり見せてくれよ~」

幼馴染「ダメよ そんな甘やかさないんだから!」フフフッ

幼馴染「・・・ちょっと手のひら見せて」

男「ん?・・・はい」パッ

幼馴染「・・・すごく痛そう」

幼馴染「こんなにボロボロになってもバット振ってたんだね」

男「・・・まぁな」

幼馴染「・・・ねえ!おまじないしてあげる!」

幼馴染は男の手をギュッと握った。

男「な、なんだよ!きゅ、急に!」

幼馴染「ヒット打てるようになるおまじない」ギュ~

幼馴染「為せば成る!」

男「・・・・・」

男「あ・・・ありがとな・・・」

幼馴染「どういたしまして」

男の顔は心なしか赤くなっていた。

さいてょの未来を捏造するのやめーやw

男「・・・そういえば、お前って俺が部活終えるまで何してんの?」

幼馴染「私?クラスで勉強したり友達としゃべったりしてるよ」

幼馴染「あと、生徒会のお手伝いとかもしてる」

男「へぇ そうなのか」

男「でもお前生徒会じゃないんだろ?」

幼馴染「うん 生徒会長と最近仲良くなってさ 予習だけじゃ時間余るしお手伝いしてんの」

男「生徒会長って、あのインテリイケメンか」

幼馴染「カッコいいよねー!女の子の間でもすっごい人気あるんだよ!」

男「ふーん」

幼馴染「高校入ってからずっと成績は学年5位以内キープ!この前なんか全国模試で一桁に入ったんだって」

男「そんなに頭良かったんだな」

幼馴染「気さくに話しかけてくれるしマメだし優しいし」

幼馴染「何と言っても何でもキッチリしてる所が良いよねぇ~!」

男「・・・ふーん」

幼馴染「それに比べて男は何もかもだらしないからなぁ」

幼馴染「ちょっとは生徒会長見習いなよ」ハハハッ

男「へいへいそうですかー」ムスッ

幼馴染「なにちょっと不機嫌になってんのよ」アハハッ

男「うるせぇうるせぇ」ムスー

男「・・・あ、もうこんな時間か」

幼馴染「しゃべったね~」

男「そろそろ帰るわ」

幼馴染「うん」

幼馴染「買った服をタンスの肥やしにしちゃダメよー?」

男「はいはいわかったわかった」

幼馴染「じゃあねー」

男「おう じゃあな」ガチャ バタン


男の部屋

男「ふぅ~」

男「今日は金使っちったなぁ」

男「・・・あっ!そういえば新しいバッテ買うつもりだったんだぁ~」(※バッテ = バッティング手袋)

男「やっちまったなぁ~・・・」

男「お年玉に手付けるしかねぇな」ズーン

男「・・・」

男「・・・あいつあんな可愛かったっけ」

男「・・・何で俺ドキドキしてんだ」

男「ただの幼馴染なのに」

男「・・・」

男「まぁ良いや!寝よう」

男母「フロハイリナサーイ!!」

男「あっ はーい今行く」ガチャ バタンッ

24勝じゃなかったっけ

-ある日 学校にて 放課後-

幼馴染「もう6月末ねぇ」

幼馴染「相変わらずの梅雨だわ 雨凄いなぁ」

幼馴染「・・・こんな雨でも野球部は練習するのね」

幼馴染「頑張るよなぁ男も」

会長「おくれました!どうも」ガラガラガラッ

幼馴染「あ、会長くん」

会長「すいません幼馴染さん 今日もお願いします」

会長「数日後の文化祭の打ち合わせでみんな出払っちゃってるので、人手不足なもんで」

幼馴染「いいよー 何手伝えばいい?」

会長「じゃあこの各運動部の部費の総計算出をまずお願いします」

幼馴染「はーい」

幼馴染「終わったー・・・」

会長「終わりましたか」

幼馴染「うん 終わったよ」

幼馴染「・・・にしても、会長すごいね」

会長「はい?」

幼馴染「凄いスピードで仕事をこなしちゃって」

幼馴染「それだけじゃなく私が困ったとき言ってもないのにスっと現れて教えてくれて」

幼馴染「デキる男って感じ」

会長「いやぁ ありがとうございます」ポロッ

幼馴染「んっ・・・なんか落ちたよ?」ピラッ

幼馴染「・・・なにこれ、ラブレター!?」

会長「あー、それは」

会長「さっきC組の子から貰いまして」

幼馴染「本当に!?どうすんの?どうすんの?」

会長「・・・後日お断りしようと思ってます」

幼馴染「あーそうなんだ」

幼馴染「会長モテるんだね」

会長「そんなでも無いですけど」

幼馴染「けっこう女の子の間で好感度高いよー?」

会長「そうなんですか・・・」

幼馴染「狙ってる子多いしねー」

幼馴染「会長は好きな人いないの?」

会長「・・・」

会長「・・・気になってる人はいますね」

幼馴染「えー!だれだれ!?」

会長「それは言えないですけど」イヤイヤ

幼馴染「えー、気になるなぁー」

会長「・・・じゃあ私は生徒会室に戻りますので」

会長「いつもありがとうございます」

幼馴染「いえいえ」

会長「またお願いしますね」ガラガラッ

幼馴染「はーい またね」

-地方大会直前 野球部ベンチ前-

監督「・・・では」

監督「これから夏の大会のベンチメンバーを発表する」

監督「呼ばれた者は前へ出て背番号を取りに来るように」

監督「背番号1、・・・・・・・・・」

監督「・・・・・続いてセンターのレギュラー」

監督「背番号8、男!」

男「ハイッ!」

男「ありがとうございます」

監督「お前は2年で唯一のレギュラーだ すでに十分通用する実力は持っている 3年生の思いをしっかり背負ってしっかり戦え」

男「ハイッ!!」

監督「お前の勝負強いバッティングに期待しているぞ」

男「ハイッ!」

監督「続いて・・・・・・・・・」


部活後 校門前

幼馴染「あ!やっと来た」

男「お、おう」

幼馴染「じゃ、帰ろっか」

男「うん」

男「・・・(最近幼馴染の顔が見られない なぜか意識してしまう)」

幼馴染「どしたの?下向いて」

男「ええ!?あぁいや別に」

幼馴染「んー?」

男「・・・あの」

男「レギュラー、獲ったぞ」

幼馴染「え!?本当に!? 凄いじゃん!」

男「どうにか勝ち取れた」

幼馴染「そっかー!」

幼馴染「なんか、自分の事のように嬉しい」

男「・・・そっか」フフッ

幼馴染「おまじないが効いたねー!」ハハハッ!

男「かもな」ハハッ

幼馴染「試合の時いっぱい写真撮ってあげるからね!」

男「えーいいよ」

幼馴染「ヒット打ったらスタンドに向かってガッツポーズとかしてね!」アハハッ

男「恥ずかしいわ」ヘヘッ

5位以内程度の成績で全国模試一桁って
同じ高校に一桁何人いるんだよ……

不安要素多すぎて読むのが怖い

胸糞とかNTRならスレタイに閲覧注意って書いて欲しい。まだ決まったわけじゃないけど

やっぱり会長は幼馴染のことが好きだったのか

幼馴染には幸せになってほしい

-甲子園予選 地方大会第1回戦-

ウテヨー!ウテヨー!ウテウテヨー!ウテヨー!ウテヨー!ウテウテヨー!ウテヨー!ウテヨー!ウテウテヨー!オマエガウタナキャダレガウツー!!!
カットバセー!ドンドンドン!イッパツカマシタレー!!

監督「3年!この大会がお前らに残された最後の甲子園へのチャンスだ!」

監督「雰囲気に圧倒されんじゃねえぞ!」

3年「ハイッ!」

監督「このメンバーなら十分甲子園狙える!」

監督「俺はそう信じてる!」

監督「公立の雄と言われてんだ!目に物見せてやるぞ!!」

全員「ハイッ!!」

監督「気合い入れてけお前ら!!!」

全員「ッシャアァァァー!!!」


スタンド

幼馴染「とうとう始まるねー!」

幼友「テンション上がるー!」

幼馴染「男、レギュラーだって!」

幼友「聞いた聞いた!楽しみだなぁ!」



男友「お前らァー!勝ちたいかァー!」
ウォォォォォオオオ!!!!!

男友「甲子園に行きたいかァァー!」
ウォォォォォオオオ!!!!!!!!!!

男友「絶対勝つぞゴルァァァー!!!」
ビャァァァァァァァァァァァァァアアアアアアアア!!!!!!!!


幼友「男友の奴張り切ってんねー」ハハッ

幼馴染「なんたって一番の友達が出るからね!」ハハハッ


アナウンス「これから、第1試合、SS高校対VIP工業の試合を行います・・・・・」ァァァァァァアアアーーー↑アアァーーーーーーーー!!!↓

-試合後-

記者「今日の試合は2年生ながら6番センターとスタメン出場し、2回に大会第一号となるソロホームランを放ちましたね!」

男「ありがとうございます。」

記者「3打数3安打4打点と、初戦を5回コールドで下す原動力となりました!」

男「調子良いまま大会に臨めたので、このまま維持していきたいです。」

記者「次の試合も期待してます!」

男「ありがとうございました。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

幼馴染「すごいじゃーん」

男「まぁこんなもんよ」ヘヘンッ

幼友「いや本当にすごかったよ!」

男友「さすが俺のマブダチだ!」

男「サンキュサンキュ」

クラスメイト「男くん凄いんだねー!」

クラメ「マジかっけーよ!」

クラメ「すげーな!ホームランだぜ!?初めて見たよ!」

男「今日は本当調子良かっただけなんだけどな」アハハ

男「みんなサンキューな 次も頑張るわ!」

美女子「男くん!」

男「あ、美女子さん」

美女子「おめでとう!大活躍だったね!」

男「あ、ああ 偶然だよ ありがとう」

美女子「次の試合も応援してる」

男「サンキュー 頑張るよ」

美女子「頑張ってね!」

男「ありがとー」

幼馴染「・・・じゃ、帰ろっか」テクテク...

男「おう」テクテクテク...

-後日 学校にて 放課後-

幼馴染「いやー7月はもう完全に夏ねー」

幼馴染「大会中だから7時には上がるって男は言ってたわね」

幼馴染「いやーそれにしても暑い」

会長「幼馴染さーん」ガラガラガラ

幼馴染「あ!やっと来た」

幼馴染「遅いよ会長」

会長「どうもすいません」

幼馴染「今日はなに手伝えばいい?」

会長「今日はですね、野球部応援に使うメガホンの数の調整をします」

会長「だから今日は体育館前に行きましょう」

幼馴染「オッケー」


体育館前

幼馴染「いやー、いっぱいあるねーメガホン」

会長「うちの野球部は強豪ですからね」

会長「応援の力の入れ方が違いますね」

幼馴染「そうだよねーうち強いからね」

幼馴染「今年は甲子園行けるかなぁ」

会長「2年生からレギュラーも出てますしね」

幼馴染「ねー!うちのクラスの男がね!」

会長「確か幼馴染さんと同じ中学の出身でしたよね」

幼馴染「男とはねー、幼馴染なんだ」

会長「・・・へぇ、そうなんですか」

幼馴染「子供の頃からお隣さんでね、小中高ずーっと一緒なんだよね」

会長「・・・そうですか」

幼馴染「だらしないし抜けてるけど、決める所は決めるのよねーあいつ」

幼馴染「この前の試合もホームラン打ったし!」

会長「あれは凄かったですね」

会長「・・・」

会長「・・・幼馴染さんは」

会長「男くんとは付き合っているのですか?」

幼馴染「ぇえ!?」

幼馴染「ちょっと何言ってんのそんな訳ないじゃん」アハハハッ

幼馴染「あいつとは幼馴染なだけ!それ以上でもそれ以下でもないよ」アハハー

会長「そうでしたか・・・」

幼馴染「男は野球が忙しいからねー 恋してる暇も無いんじゃないかな」

会長「・・・」

会長「これで・・・よし、と」

会長「終わりました!これで2回戦安心して迎えられます!」

幼馴染「やっと終わったねー6時半って事は2時間も掛かっちゃったね!」

会長「2時間で終えられたのは幼馴染さんのおかげです」

会長「本当にありがとうございました!」

幼馴染「いえいえ!」

会長「またよろしくお願いします」

幼馴染「はーい じゃまたねー」タッタッタッ...

会長「・・・」

会長のが応援したくなるわ

もうNTRの予感しかしねぇ……

好男子の場合でも寝取られというんだろうか

NTRだけはやめて欲しい

そもそも付き合っているのか

付き合ってもなくてNTRも何もねーだろ

男の高校は破竹の勢いで勝ち上がった。
1回戦をコールドで決め、2回戦3回戦と順調に勝ち上がり、4回戦では昨年準優勝校をも下しベスト8入りを決めた。

-学校 放課後 野球部ベンチ前-

監督「全員揃ったな。ではミーティングを始める。」

監督「みんな分かっている事だとは思うが・・・」

監督「次の試合、ベスト4を決める準準決勝の対戦相手だが・・・」

監督「とうとう明後日には、今大会の優勝大本命である縦浜高校と当たる。」

監督「トーナメントを見る限り、甲子園へ行くには最も大きな壁だと言える。」

監督「特筆すべきは投手、プロ注目のエースだ。」

監督「150キロを超えるストレートに鋭く鋭く落ちるフォーク。」

監督「この2つで高校ナンバーワンと呼ばれるまでに登り詰めた本格派右腕だ。」

監督「彼を崩さない限り我々に勝ちは無い!」

監督「今から打撃練習で感覚を掴んでもらう。」

監督「ベンチメンバーは打席に立ちそれ以外は守備につけ!」

部員「ハイッ!」

監督「男、お前はちょっと残れ」

男「?・・・ハイッ!」


監督「男。」

監督「お前は今大会、本当に調子が良い。」

監督「お前が次の試合のキーマンになると俺は思っている。」

監督「だから、俺は次の試合、お前をクリーンナップの3番で使う。」

男「・・・!」

監督「そのつもりでいてくれ。」

男「ハイッ!!!」


男「よしっ・・・! よしっ・・・!!」

男「俺がキーマン、か・・・!」

男「絶対打って先輩達と甲子園へ行くんだ・・・!」

男「絶対打つぞ!気合入れていけよ俺!」

男「よぉしっ!」

先輩「男ー!早くしろー!」

男「ハイッ!今行きます!!」ダダダダッ.....

キャプテン「よーし!アップ! 上がった奴からストレッチしろ!」
(アップ = 練習を上がる= 練習終了)

部員「よーしっ!」

・・・・・・・・・・・・

校門前

男「うぃーっす」

幼馴染「あ!来た来た」

幼馴染「じゃ行こっか」

男「おう」

男「帰りスポーツショップ寄っていい?」テクテク

幼馴染「ん?わかった」テクテク

男「打ち込みすぎてバッテついに破けたから新しいの買いたくて」テクテクテク...

幼馴染「おー頑張ってんね~」テクテクテク.....

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

-翌日 放課後 教室-

男「じゃ今日も7時には上がれると思うから」

幼馴染「うん 頑張ってね」

男「おう じゃ」ガラガラガ...

幼馴染「ねぇ!」タッタッタッ

男「おぉお!?」

幼馴染「最近目見て話してくれないよねー?」ジィー

男「おぇ!?いや、そ、そんな事ねぇよ!」アセアセ

幼馴染「なに急に焦ってんの?」ジィー

幼馴染「・・・あんた何かやましい事隠してんじゃない?」ジィィィーーーーー

男「な、何でもねぇよ!!」

男「お、俺行くから!じゃあな!」ガラガラッ!ピシャンッ!

幼馴染「・・・なーに焦ってんのよあいつ」


男「(はぁぁぁ~!顔近ぇよあいつ!)」タッタッタッ

男「(何でこんなドキドキしてんだよ俺!明日だぞ準準決勝!)」タッタッタッタッ

男「(くっそ・・・何でこんなに意識してんだよ別に好きでも何でもねぇだろ・・・)」タッタッタッ

男「(とにかく今は野球に集中・・・)」タッタッタッ

男「(大事な試合は明日だぞ・・・!)」タッタッタッタッ

男「(集中・・・集中・・・)」タッタッタッタッタッ.....

まだ会長が男に恋してるという可能性もね?

>>56それは絶対に嫌

会長が女の可能性は?

・・・・・・

その後 教室


モブ女1「じゃそろそろ帰ろっか~」

モブ女2「幼馴染はまだ残ってくんでしょ~?」

幼馴染「うん」

幼馴染「男待つからさ」

モブ女1「ホント男と仲良しね~?」

モブ女2「ね~」

幼友「幼馴染とは放課後一緒に遊び行ったこと一度もないよ」

幼馴染「あはは ごめんね」

幼友「まぁいつもの事だけどね~」アハハハハッ!

モブ女1「ね~」アハハッ

モブ女2「ね~」アハハッ

幼友「じゃねー幼馴染 また明日」ガラガラッ

モブ共「じゃね~」

幼馴染「また明日ー」バイバーイ

・・・・・・・・・


15分後

会長「・・・・・」ガラガラガラッ

幼馴染「・・・おっ」

幼馴染「会長今日も遅かったね~」

会長「・・・・・」

会長「・・・・・」

幼馴染「ん?どうしたの?座りなよ」

幼馴染「今日も暑いねぇ~・・・」

幼馴染「・・・」

幼馴染「・・・?」

会長「・・・・・」

幼馴染「・・・会長?」

会長「・・・・・」

会長「・・・・・今日は」

会長「生徒会のお手伝いのお願いで、ここに来たのではないんです」

会長「幼馴染さん」

会長「・・・あなたに、大事な話があります」

幼馴染「えっ・・・」

-放課後 野球部練習開始 グラウンド-

キャプテン「よーし!ウォーミングアップ終わり次第スパイクに履き替えて!」

全員「よーしっ!」

キャプ「・・・全員履き替えたか?」

キャプ「・・・よしっ」

キャプ「ベンチ前に、集合ッ!!」

全員「よーーしっ!!」ダダダダダッ!!!


監督「お前ら!ついに明日だ!」

監督「勝利の鍵は相手のエースを打ち崩せるか!」

監督「今日も昨日と同じ練習をする!」

監督「ベンチメンバーは確認し残す事のないようにきっちり練習をやり切れよ!」

ベンチメンバー「ハイッ!」

監督「他のお前ら!今日もバックアップ頼むぞ!」

その他「ハイッ!!」

監督「よし!解散っ!」

全員「よーーーっしッ!!!」ダダダダダッ!.....


男「・・・」

男「高めに来たボールならストレートでもフォークでも対応できる」

男「低めの見極めだ」

男「低めに来たフォークを振らないようにする」

男「ここがあの投手を打てるかどうかのポイントだな

男「ここをしっかり意識していくぞ・・・」

男「・・・・・って」

男「あっ、やっべ!昨日買ったバッテを教室に置きっ放しで来ちまった!」

男「あっちゃー・・・」

男「取りに行くかぁ」

男「キャプテン!教室にバッテを忘れてしまいました!取りに行ってきます!」

キャプ「なにやってんだ!早く取って来い!」

男「すいません!」タッタッタッタッ!.....

校舎内 階段

男「ったく・・・キャプテンに怒られちまった」タッタッタッ

男「幼馴染の奴があんな事するからだ!」タッタッタッ

男「あれでちょっと焦ったからバッテ忘れちまったじゃねえか・・・」タッタッタッ

男「急にあんな顔近づけてきやがって・・・」タッタッタッ

男「ちょっとドキドキしたじゃねえか・・・」タッタッタッ

男「教室って事は幼馴染の奴いるのかな」タッタッタッ

男「もうすぐ着くぞ」タッタッタッ

男「着いたぁ~」ダ...オ...シマスッ!!!

男「!?」

男「教室で誰か叫んでるのか・・・?」

男「・・・ん?」



--------------------------------------

会長「付き合ってください」


幼馴染「・・・うん、私で良ければ!」

--------------------------------------



男「はっ・・・」



男「マジ・・・かよ・・・・・」



男「・・・・・」

タッタッタッタッタッタッタッタッタッタッ........

主人公が報われない展開はもうこりごりだぜ

-時は少し戻り・・・-


会長「その大事な話なのですが・・・」

幼馴染「・・・うん」

会長「・・・私の家は、親が一人しかいないんです」

会長「母が病気で亡くなり、父が男手一つで私と妹を育ててきてくれました」

会長「その中で、妹はずっと自分を殺して家族を第一に考え生きてきたんです」

幼馴染「・・・」

会長「これまでワガママ一つ言った事は無いし、嫌な顔一つせず自ら家事を担当してくれている」

会長「いま妹は中学3年生ですが、思春期の荒れた一面すら見せた事がない」

会長「彼女はずっと自分を殺して、それでも父や私に気丈な姿を見せ続けてきたのです」

会長「父や私が与えてきてしまったストレスにずっと耐え忍んで来てくれたのです」

幼馴染「・・・」

会長「でも」

会長「それでも彼女は14年と何ヶ月しか生きていない女の子だ」

会長「言わないだけで、妹にだって欲しいモノやしたい事が絶対あると思う」

会長「だから」

幼馴染「・・・だから?」

会長「・・・妹はもうすぐ15歳の誕生日を迎えます」

会長「・・・この前一緒に買い物に行った時、妹は『見るだけ』と言って、服を見ていました」

会長「・・・そしてここに5万円があります」

会長「この5万円で、妹に服をプレゼントしてあげたいんです」

会長「でも私じゃ女の子の好きそうな服がどういう物なのかは分からない」

会長「だから、幼馴染さんに一緒に服を選んでもらいたいんです!」

会長「この5万円は、校則で禁じられているにも関わらず、バイトをして作った5万円です」

会長「生徒会長とあろう者が自ら校則を破るなど、私は最低です」

会長「でも、自分の都合で父親に迷惑を掛けるような事はしたくない」

会長「だから、こうする事を選びました」

会長「・・・こんな事を打ち明けられて」

会長「そして、女性の方は」

会長「いつも仕事を手伝ってくれていた幼馴染さんしかいませんでした」

「・・・バイトした事まで話すつもりは無かったんですけどね」ハハッ...

会長「・・・」

会長「・・・こんな事を誘えるのはあなたしかいないんです」

会長「だからお願いします!買い物に」



--------------------------------------

会長「付き合ってください」


幼馴染「・・・うん、私で良よければ!」

--------------------------------------

タッタッタッタッタッ!........

幼馴染「!?」

幼馴染「・・・誰かいたっぽいね」

会長「大声出しすぎたせいで、誰かに聞かれちゃいましたかね・・・?」

会長「こりゃ校則破ったのバレちゃったかな」

会長「まずいな」アハハッ...

幼馴染「大丈夫だよ!きっと」

幼馴染「会長の一途な妹を思う気持ちを聞いたなら、きっと黙っていてくれるはずだよ」

会長「だと、ありがたいですね」ハハッ...

幼馴染「しっかり探して、最高のプレゼント選んであげるから!」

幼馴染「最高のプレゼントみつけようね!!」

会長「心強いです・・・」

会長「やっぱり、幼馴染さんに頼んで良かった!」

会長「本当に、よろしくお願いします!」ペコッ

幼馴染「任せて!」ヨーシッ!

いいはなしだなぁ

1ぃぃ~~~俺だぁぁぁぁ!!!結婚してくれぇ!!!




あとは不審者フラグか……

男のメンタル大丈夫か…?

ここから最悪の展開に……
スレタイ的にありえねーんだよなぁ

むしろここで崩れても打てれば本物だが……


マシン「ウィーン・・・ズドンッ!」ストレート

男「・・・っく」キィンッ!

\オラー!ストレートシッカリトラエロヤー!/

マシン「ウィーン・・・ズドンッ!」

男「・・・うっ」スカッ

\ソレミキワメロヤァァァ!/ \ナニシトンジャァァァアア!!/

キャプ「・・・」

キャプ「男!どうした!球に集中し切れていないぞ!」

男「・・・っ・・・」

キャプ「・・・男!!」

男「!」ハッ!

キャプ「球に集中しろ!!」

男「・・・ハイッ!」

・・・・・・・・・・・・・・・


部活後 部室

男「・・・」

男「・・・・・」

男「何してんだよ・・・」

男「明日は一番大事な日だろ・・・」

男「練習に全然身が入ってなかったじゃねえかよ・・・」

男「なにやってんだよクソ・・・」

男「俺はそんな奴じゃねえだろ・・・」

男「幼馴染が何だってんだよ・・・」

男「あいつが誰と付き合おうと俺には関係ねえだろ・・・」

男「そんな好きでも何でもねえ奴が誰と付き合おうと・・・」

男「好きでも・・・ねえ奴・・・」

男「がよ・・・・・」

男「・・・・・・・・」

男「なに嫉妬してんだよ・・・・・」

男「・・・ああ・・・」

男「クソっ・・・・・」

校門前

幼馴染「・・・」

幼馴染「あいつおっそいなぁ」

幼馴染「7時とっくに過ぎてんだけど」

幼馴染「何してんのよ・・・」ブーッ ブーッ

幼馴染「ん・・・メールか」

幼馴染「男 : 先に1人で帰ってくれ」

幼馴染「はぁ!?なによこれ!」

幼馴染「待たせたクセにこの仕打ちって!」

幼馴染「許せないわぁ・・・」ムッ

幼馴染「・・・」

幼馴染「『わかった 明日頑張ってね』と・・・メール送信っ」

幼馴染「ったく」

幼馴染「・・・帰るかなぁ」テクテクテク.....

-その夜 男の部屋-

男「はぁ・・・」

男「・・・・・・・・」

男「はぁ・・・」

男「明日は大切な試合の日だぞ・・・」

男「何でもいいからとりあえず忘れろ・・・俺・・・」

男「関係ねえだろ・・・別に好きでも何でもねえ・・・」

男「幼馴染なんて、好きでも何でもねえから・・・」

男「関係ねえ・・・あんな奴、関係ねえ・・・」

男「・・・」

男「そういえば」

男「部活後に取ってきたけど、このバッテまだ手に慣らしてなかったな」

男「・・・素振りするか」


男「・・・」ブンッ!

男「・・・」ブンッ!

男「・・・」ブンッ!

男「・・・」ブンッ!

男「・・・」ブンッ!

男「・・・くそっ!」

・・・・・・・・・・・・・・・

素振りできるくらい広い部屋羨ましい

-甲子園予選 地方大会準準決勝-

実況「さぁーとうとう今大会も準準決勝まで来ました!」

実況「今から行われるのは、今大会屈指の好カード!」

実況「SS高校 対 なんJ学院の試合です!」

実況「スター選手は居ないものの、毎年高いチーム力を誇り総合力で勝ち上がってきた公立の雄!SS高校」

実況「残ったベスト8では、唯一の公立校であります」

実況「それに対し、相手は昨年度優勝校であるなんJ学院です!」

実況「我が県で1,2を争う強豪校と言って過言ではないでしょう!」

実況「何と言っても注目はエースピッチャー唐澤!」

実況「昨年は1年ながらベンチ入りし、甲子園の土を踏みました!」

実況「今年は2年となり、強豪私立の圧倒的エースにまで成長!」

実況「プロ野球からも熱い視線が注がれる彼に注目が集まります!」

実況「どちらのチームがベスト4へ進出するのか」

実況「さぁ、まもなく試合開始です!」

男が外の道路で素振りしてる姿を前に幼馴染が見てるし、素振りしてるのは部屋の中じゃ無いんじゃないかな

試合は、大方の「なんJ学院快勝」の予想を裏切り、接戦につぐ接戦の試合展開になる。
SS高校は相手校エース唐澤の好投により8回を2安打に抑え込まれるも、フォアボールから粘り強くチャンスを演出し一方的な試合店内を許さない。
なんJ学院も自慢の打線で7回10安打と毎回幾度となくチャンスの場面を作るも、SS高校の粘り強い守備にあと一本が出ない。
しかし8回裏ついになんJ学院が4番のヒットにより1点を先制する。
SS高校0-1なんJ学院 SS高校に残された攻撃は、9回表のみ。


-9回表-

男「・・・」

男「・・・くそっ」

男「今のところ、3打数3三振・・・」

男「こんなはずじゃない・・・」

男「こんなはずじゃないだろ・・・俺」

男「いまの俺なら打てるはずだ・・・」

男「先頭打者は1番から」

男「この回、3番の俺にも打席は回ってくる」

男「打たなきゃ、負ける・・・」

男「キーマンだろ・・・! 打たなきゃ負けるんだよ・・・!」

男「くそっ・・・」

カキィーン! ワーワーワーワー! ツーアウトー!ツーアウトー!

実況「さぁ9回表もついに2アウト!」

実況「接戦につぐ接戦を見せてきた両校ですが、このまま雌雄は決してしまうのか!」

実況「次の打者は、SS高校唯一の2年生レギュラー、男くんです」

実況「第1試合にはホームランを放ち、4回戦では昨年度準優勝校に対し2打点を挙げ勝利に大きく貢献しました」

実況「今試合ではこれまでの6番から3番に打順を上げるも、今のところ3打数0安打となっています」

解説「彼の調子の良さを考慮しての3番起用だったのでしょうが、上手くハマりませんでしたね」

実況「さぁ、このバッターが最後の打者になってしまうのか」

実況「ベンチの仲間も固唾を呑んで見守ります」

>>77
>>74に男の部屋って書いてあるからどうなのかなと質問がてらレスしてみたんだけど、道路ってことで脳内補完で良さそうか

>>80
通常は1行改行進行なのに、男「・・・素振りするか」から素振りし始めるまでに改行が2行分されてるから、その1行分は移動したのを意味してるんだと俺は思ってた

スパァァァン!

ストライィィィクッ! バッターアウッ! ゲームセットッ!

アアアァーーーーーーーーーーアアァーーーーーーーー

イイシアイダッタゾー!





・・・・・・・・・・・・・・・


-試合後 控え室-

先輩「うっ・・・うっ・・・」

先輩「くそっ・・・」

先輩「あと一歩・・・だった・・・っ・・・」

キャプ「・・・」

キャプ「・・・よくやったよ、俺らは」

キャプ「・・・」

キャプ「悔しい・・・な・・・」

キャプ「・・・・・くっ・・・」

男「・・・・・・・・」

-球場 選手出入り口-

キャプ「せめてみんなの前では涙を堪えて帰ろう」

部員全員「・・・(うなずく)」

キャプ「・・・よし、じゃ行くぞ」


・・・

3年同級生「お前らー!良い試合だったぞー!」

3同「お疲れ様ー!」

3同「最高に熱い試合だったぞー!」

3同「お疲れさーん!」

キャプ「整列!」

キャプ「・・・よしっ」

キャプ「応援、ありがとうございましたッ!」

部員全員「ありがとうございましたッ!」

キャプ「行くぞ」タッタッタッタッ

部員「ようし」タッタッタッタッ

保護者「おつかれさーん!」

保護者「よく頑張った!」

3同「熱い試合をありがとーう!」

教師「お前らぁー!最高ダァー!」


幼馴染「・・・あっ!」

幼馴染「男ー!お疲れ様ー!」

幼馴染「良い試合だったよー!」

男「・・・・・・」タッタッタッタッ

幼馴染「あっ・・・」

幼馴染「男・・・」

こうして、SS高校野球部の夏は終わった。
なんJ学院に負けたちょうどその日からSS高校は夏休みに入った。

夏休みに入り数日後、SS高校野球部では今までの3年生の代に替わり、男たちの代が始動し初練習を迎えた。
そんな日を迎える前日の夜。


-夏休み オフ日 夜 男の部屋-

そこには、ベッドに寝転がりながら野球雑誌を読む男がいた。

男「・・・」

男「・・・」

男「はぁ・・・・・」

男「・・・・・」

男「4打数・・・4三振・・・」

男の頭の中には2つの事が頭を巡っていた。
1つは、負けた試合の事。

男「・・・(あの試合、負けた原因は俺だ)」

男「・・・(最もチャンスの巡る確率が高い打順に置いてもらったにも関わらず)」

男「・・・(完全にブレーキとなってしまった)」

男「・・・(ボールは見えていた)」

男「・・・(調子は良かったはずだ)」

男「・・・(それでも打てなかった理由・・・)」

男の頭の中を巡っていた、もう1つ。
それは・・・

男「幼馴染・・・か・・・」

男「あいつ、会長みたいな奴が好みだったんだなぁ」

男「けっこうのんびりした感じが好きなもんだと思ってたけど」

男「あんな真面目な奴が良かったんだなぁ」

男「全然知らなかったわ」

男「・・・そういえば、言ってたっけ」

男「『男は会長を見習いなさーい』だっけ」

男「余計なお世話だっつーの」ハハッ

男「・・・」

男「何だこの抜け落ちたような気持ち」

男「・・・」

男「・・・先輩達が引退したからだ」

男「きっとそれが原因だな」

男「幼馴染なんか全然関係ねーや」

男「別に関係ねーだろ幼馴染が誰と付き合おうったってさ」

男「そうだよ これまで通り会ったら普通にうぃーっすって言えばいいさ」

男「そんなもんだよな」

男「うんうん そんなもん」

男「考えすぎんなって、俺」

男「明日から新チーム始動だ」

男「野球に集中しよう」

男「また一から出直しだ」

男「寝るか」

男「おやすみなさい」フトン ガバッ

男「・・・」

男「・・・」zzZ

なんか青春って感じで泣ける

-翌日-

男「新チーム始動初日は、監督の都合で昼からか」

男「朝から行って自主練するのもアリだけど」

男「自主練より前に、自分のメンタルをどうにかしないとな・・・」

男「自分でも分かってんだけどな」

男「・・・俺ってこんな打たれ弱かったっけな」ハハッ...

男「・・・」

男「新チーム始動初日だし、スパイクとグローブをしっかり磨き上げていくか」

男「汚れと一緒にこの気持ちのモヤモヤも全部落として、心機一転練習に参加する事にしよう」

男「午前中はそれに時間を当てよう」

男「・・・・・」ゴシゴシ

男「・・・・・よしっ」

男「これでオッケーだな」

男「スパイクもグローブも綺麗になった」キランキラーン!

男「気持ちもある程度リラックスできたし」

男「・・・気合い入れていこう」

男「新チーム始動の、初日だ!」


男「今日は1人で行くワケだし、自転車で行こうかな」

男「・・・今日から、かな」

男「ババア~、行ってくるわー」

男母「いってらっしゃーい」

男「うーい」ガチャ バタンッ!

男「荷物をカゴに入れて、と」

男「よし!行くか!・・・」

男「・・・あ?」

幼馴染「ごめーん!待ったー?」

会長「いえ、大丈夫ですよ お気になさらず」

幼馴染「ごめんねー!」

幼馴染「わざわざ家にまで迎えに来てくれて」

会長「お付き合い申し込んだのは私なのですから、当然のことです!」

幼馴染「ごめんねー ありがとう!」

幼馴染「じゃ行こっか!」

会長「はい」

幼馴染「・・・ん」

幼馴染「あっ」


男「・・・・・」

男「・・・・・ふんっ・・・」ガチャンッ

幼馴染「おーい、おt・・・あっ」

男「・・・・・」ギーコッ! ギーコッ!

幼馴染「行っちゃった・・・」


会長「男くんと喧嘩でもされたのですか?」

幼馴染「いや、そんな事はないんだけど・・・」

幼馴染「・・・ま、いいや!行こっか!」

幼馴染「今日は会長の妹ちゃんに喜んでもらえる服見つけるまで帰らないんだから!」

会長「ははっ 頼もしいです」

会長「では、行きましょうか!」

男「・・・へっ」ギーコッ! ギーコッ!

男「初デートですかっ」ギーコッ! ギーコッ!

男「なにが『お付き合いを申し込んだのは私ですから~』だよっ」ギーコッ! ギーコッ!

男「イチャイチャしやがってっ」ギーコッ! ギーコッ!

男「あんな楽しそうにっ」ギーコッ! ギーコッ!

男「しやがってっ」ギーコッ! ギーコッ!

男「幼馴染なんか関係ねーよっ」ギーコッ! ギーコッ!

男「キスでも何でもしとけよっ!」ギーコッ! ギーコッ!

男「クソがっ」ギーコッ! ギーコッ!

男「・・・」ギーコッ! ギーコッ!

男「・・・・・」ギーコッ! ギーコッ!

男「・・・このっ、クソがっ」ギーコッ!! ギーコッ!!

-夏休み SS高校野球新チーム始動 ベンチ前-

監督「全員集まったな」

監督「・・・みんな分かっている通り」

監督「今日から、新チームの幕が開ける」

監督「お前らを引っ張ってきた3年はもういない」

監督「これからは2年、お前たちが引っ張っていく番だ」

監督「1つ上の代 3年達は、近年でもなかなか無い強い代だった」

監督「スターはおらずとも、個性溢れるタレントが揃い」

監督「それがキャプテンのもと一つにまとまった、とても良いチームだったな」

監督「だがこれはつまり」

監督「お前ら2年がずっと影を潜めていたという事でもある」

監督「今年の夏も、3年以外のベンチメンバーは男1人だけだった」

監督「経験・技術・実力、全てにおいてお前達は全然足りていないと言える」

監督「・・・最初にはっきりと言っておく」

監督「今現在のお前たちの実力は」


監督「これまでのどんな代より弱い」


監督「お前達にはこれから何枚も殻を破って壁を乗り越えていってもらわなくてはならない」

監督「これまで以上に厳しくしごいていく」

監督「覚悟しておけ」

監督「・・・で、だ」

監督「このチームのキャプテンについて、だが」

監督「実は、前任者から強い推薦があった」

監督「俺も同じ人間をキャプテンに選ぼうと思っていた」

監督「このチームのキャプテンを発表したいと思う」

監督「・・・」

監督「男、お前だ」

男「・・・ハイッ」

監督「お前をキャプテンに選んだ理由は2つある」

監督「1つ目」

監督「お前は、このチームで唯一ベンチメンバーに入り、3年に揉まれて来た」

監督「経験・技術・実力に関しては申し分無い」

監督「チームを引っ張る立場に最も適任なのはお前と考えた」

監督「そして、2つ目」

監督「お前の唯一と言っていい弱点」

監督「お前も分かっていると思うが、それは精神面だな」

監督「なんJ学院戦、忘れてはいまい」

男「・・・」

監督「何があったかは聞かん」

監督「しかし、お前の調子を考えてもあの4三振はお前の精神的な不安定が原因だと言える」

監督「その唯一の弱点である精神面に関しても」

監督「チームのキャプテンという立場を通して、学び強くなっていく事ができるだろうと私は考えた」

監督「最初から言っておこう」

監督「このチームの要はどう考えてもお前になる」

監督「実力面で、という事だけではない」

監督「精神的な部分でも、だ」

監督「その立場を理解し、練習に励め」

男「ハイッ!」


・・・・・・・・・・・・・・・

-練習終了 帰宅 男の部屋-

男「・・・ふぅ」ドサァ

男はベッドになだれ込んだ。

男「キャプテン・・・かぁ・・・」





・・・・・・・・・・・・・・・・・・

男はキャプテンになった事で、これまで以上に熱心に野球に取り組むようになった。

口が立つ訳でも、尊敬されるような私生活を送っている訳でもない。

そんな彼は、グラウンド上でのプレーでチームを引っ張ろうと懸命に頑張った。

誰よりもガムシャラに白球を追いかけ、バットを振り、自分を追い込んだ。

1番上手い選手が、1番自分に厳しく、1番練習をこなした。

そんな彼の姿にチームのみんなも影響を受け、一生懸命練習を頑張った。

チームは目に見えた成果はまだまだ無いものの、充実した日々を送っていった。

そうして時は1ヶ月ほど経ち、8月の中盤に差し掛かる。

-8月中盤 練習終了 部室-

部員1「いや~今日も練習キツかったなぁ」

部員2「毎日筋肉痛だから、だんだん痛いのが普通になって来てんだよな」ハハッ

部員1「分かるわ~」ハハハッ

男「おーい今日は学校点検で部活早上がりしてんだからさっさと支度して帰れよー」

部員1「あいよーキャプテン」

部員2「任せとけー」


部員3「おーい!キャプテンいるかー?」ガチャッ!

男「ん?どうした?」

部員3「キャプテンに客だぁー!それもVIP客だぁー!」

部員達「お!?何だ何だ!?」「誰だ!?」

男「ん?誰だ」テクテクテク

男「はーい男ですが」ガチャッ

男「・・・あっ!」

美女子「あの、こんばんは」

部員達「おい・・・あれE組の美女子さんじゃねーか・・・」ヒソヒソ

部員達「確かキャプテンと同じクラスだよな・・・」ヒソヒソ

部員達「マジかよ・・・キャプテンって美女子と付き合ってたのかよ・・・」ヒソヒソ

部員達「いや、でもそんな雰囲気でも無いっぽいぞ・・・」ヒソヒソ


男「ああ、美女子さん」

男「どうしたの?」

美女子「あの・・・」

美女子「今日部活が早く終わると聞いたので」

美女子「・・・ちょっと2人でお話できたらな、って」

美女子「お誘いに、来たんです」

男「・・・それってつまり」

男「メシの誘い?」

美女子「は、はい!そうです」

男「んー、分かった!いいよ」

美女子「!!」

美女子「ありがとうございます!」

美女子「じゃあ、待ってます!」

男「うん、ちょっと待っててくれ」

男「・・・」ギィ バタンッ

男「・・・」

男「・・・お前ら、何だよ」ジロー

部員達「・・・・・・・・・おい」

部員達「キィャァァァプテェェェンッ!」ギャー!

部員達「どういう事だ聞いてねえぞおおお!」ブンッ!ブンッ!

部員達「いつの間に美女子さんとメシ行く中になってんだァァァァァアアア!」シャーッ!

部員達「お前モテモテかぁぁぁああ!!」グオー!

部員達「コノヤロォォォオオ!!!」ビャー!

部員達「なんて日だ!今日は何て日だァァァァァアアア!!!」ピカーン

男「うるせえええええ!!!」

男「今日初めて誘われたんだよ!!!」

男「別に何もねえええええ!!!」

男「叫んでる暇あったらさっさと帰れ!!!」

男「・・・ったく」ガチャッ

男「先行くぞ 早く帰れよお前らも」ギィー バタンッ

男「はぁ・・・疲れる・・・」

男はどうでるか

男「ごめんねー やかましくて」ハァ...

美女子「活気のある部活ですね」フフッ

男「・・・てか、美女子さんって敬語使うキャラだったっけ?」

美女子「あっ・・・えっと」

男「全然タメ口で構わないよ!その方が楽だしさ」ハハッ

美女子「ごめんなさい・・・」

美女子「異性を誘うなんて初めてだから緊張しちゃって・・・」

男「へぇ緊張してんだ」

男「美女子さんに誘われるとかむしろこっちの方が緊張するけどね」アハハッ

美女子「じゃあ・・・行こっか?」

男「おう!」テクテクテクテク...

面白い

この王道を往く感じ

-部活後 夕方 ファミレス-

男「いやーファミレス涼しいねぇー」フーッ

美女子「そうだね」フフッ

男「今年は猛暑だから天国だわ」

美女子「この暑さの中、毎日朝から晩まで練習してるんでしょ?」

男「そうだよ」

美女子「凄いね~」

男「だからもう肌が真っ黒!」

美女子「ホントだね」フフフッ

男「美女子さん真っ白だから、2人で歩くと差が凄いわ」ハハッ

美女子「ねー」

美女子「ねぇ、高1の頃覚えてる?」

男「ん?高1・・・?」

美女子「私たち図書委員で一緒だったんだよ?」

男「えー!?そうだったの!?」

美女子「あー!ひどーい」ブーブー

男「ごめん!マジかぁ!」

美女子「覚えてなかったんだー・・・」

男「マジでごめん・・・」

男「一緒だったのか・・・」

美女子「まぁでも男くんは野球忙しかったし仕方ない部分もあるよね」

美女子「1年の頃から1軍の試合に付いて行ってたんでしょ?」

男「そうだね・・・出てたね」

美女子「だから月1で第3土曜日にある図書委員の定期会議とか」

美女子「たぶん1度も来た事ないもんね」

男「・・・てか、そんな会議あるの今初めて知った・・・」ズーン

美女子「もー、全然知らないんだね」フフフッ

美女子「だから、もう1人の委員の子がずっと独りで来てた」

男「俺と同じクラスの図書委員だった奴ってことは・・・」

美女子「幼馴染さん」

男「・・・」

男「ああ、あいつね」

美女子「・・・ずーっと男くんの文句言ってたなぁ」

美女子「『あいつは自分が図書委員だって事覚えてないんじゃないかー』って」フフフッ

男「・・・」

美女子「でも全然男くんのこと嫌ってる感じじゃなくて」

美女子「むしろ楽しそうにしてた」

男「・・・ふーん」(コップ掴む)

美女子「・・・ねぇ、男くんって」

男「ん?」ゴクッ ゴクッ

美女子「・・・幼馴染さんと付き合ってるの?」

男「!?」ブフォォオ!!

男「うぇ・・・ゲホッ!ゲホッ!」

美女子「大丈夫!?」

男「大丈夫大丈夫・・・ごめん」

美女子「急にむせたからビックリしちゃったよ・・・」

男「・・・」

男「付き合ってないよ」

美女子「・・・そうなんだ」

男「・・・」

男「・・・てか、あいつは生徒会長と付き合ってるから」

美女子「えっ」

美女子「・・・そうだったんだ」

男「ま、俺には関係ねぇ話だし?どうでも良いんだけどねー」

美女子「・・・そっか」

美女子「・・・」

・・・・・・・・・・・・・・・


帰り際 ファミレス前

美女子「今日は急な誘いだったのに」

美女子「ご飯来てくれてありがとう」

男「全然!楽しかったし」

男「むしろこっちこそ良いリラックスできたからありがとう」

美女子「そっか!」

男「・・・じゃ、美女子さんは駅の方だよね?」

男「俺ん家あっちだから、ここで」

美女子「・・・うん」

男「じゃあねー」テクテクテク

美女子「・・・」

美女子「ちょっと待って!」

男「ん?」

美女子「・・・あの、良かったら」

美女子「電話番号とか、教えてください!」

男「・・・あっ!ああ」

男「全然良いよ」

男「・・・・・はい、これでオッケー」

美女子「あの・・・ありがとう」

男「いや、そんなかしこまらなくていいよ」アハハッ

男「こちらこそ、ありがとう」

美女子「・・・」

美女子「あの、また誘ってもいい?」

男「おう!いつでも誘ってくれ!待ってるぞ!」

美女子「・・・うん、うん!」

美女子「じゃ、また今度!」

男「おう!またなぁー」

美女子「バイバーイ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

いいねいいね

なんかすげー引き込まれる

>>102
くっそわかる
んで、こうゆうのすき

-夏休み終盤 練習後 男の部屋-

男「いやー、今日も疲れた」グイグイ

男「この疲れを一晩で回復せにゃいかんとはな」グイグイ

男「家でストレッチしないと疲れ残って明日死ぬからな」グイグイ

男「そうならないためにも」グイグイ

男「入念にやらないとな・・・」ユーガッメィルッ

男「ん・・・」

男「お、美女子さんからメールだ」

男「そういえば最近は毎日美女子さんとメールしてんなぁ俺」

男「なんか・・・周りの男子より優越感?」ヘヘッ

男「で、なになに・・・」

男「美女子 : 今から電話してもいい?」

男「大丈夫だよ っと」ソウシン

男「電話?何か話す事でもあるのかな」プルルルル

男「おっ、かかってきた」ピッ

男「もしもしー?」

美女子『もしもし、男くん』

男「はいはい、どうした?」

美女子『あっ・・・えっと』

美女子『8月31日って、空いてるかな?』

男「8月31日?」

美女子『そう、夏休み最後の日』

男「えーっとね・・・」

男「うん、空いてるよ その日は夏休み唯一のオフ日だ」

美女子『ホントっ!?』

美女子『じゃあ、あの・・・』

美女子『実はその日に、夏祭りがあるんだ』

美女子『よかったら、一緒に行ってくれないかな?』

男「うん いいよ」

美女子『本当に!?』

男「ホントホント その日は暇だし」

美女子『じゃあ、よろしくね!』

男「おう!よろしく」

美女子『じゃ おやすみ~』

男「おう!おやすみー」ピッ

男「・・・・・」

男「・・・マジか」

男「俺が美女子さんと夏祭り・・・」

男「こんな事が現実に起こるとはな・・・」

男「・・・明日雪降るかな?」

男「・・・はっ!いやいやそれはさて置き今はストレッチしなきゃ」グイグイ

男「明日死ぬからな・・・ストレッチしないと・・・」グイグイ

男「よいしょ・・・よいしょ・・・」グイグイ

いい

美女子が男を夏祭りに誘った翌日の夜。


-幼馴染の部屋-

幼馴染「ふぅ~ お風呂気持ち良かったぁ」アタマフキフキ

幼馴染「今日も朝から密度濃い1日だったなぁ」

幼馴染「会長の妹ちゃんへの誕生日プレゼントが大成功したのは良いとして」

幼馴染「まさか妹ちゃんに懐かれるとはなぁ」

幼馴染「今日も高校受験の勉強頼まれちゃって」

幼馴染「まぁでも妹ちゃんは頭良いから教えること何もないし」

幼馴染「した事と言えば休憩中の話し相手くらいだったけど」フフッ

幼馴染「・・・会長と同じ血が流れてるだけあって可愛い女の子だよなぁー」

幼馴染「そういえば妹ちゃんにも幼馴染がいるんだよね」

幼馴染「今日お喋りしてる時はその幼馴染くんの文句ばっかだったなぁ」フフフッ

幼馴染「だけどあの感じは、妹ちゃんも幼馴染くんの事気にしてるんだね」

幼馴染「似た者同士だなぁ」フフッ

幼馴染「・・・そういえば、最近男と全然連絡取ってないなぁ」

幼馴染「夏休みだからわざわざ会わなければ出会う事もないし」

幼馴染「でもあいつ野球部で忙しいから遊びにも誘えないし・・・」

幼馴染「かといってメールするほど積もる話がある訳でも無いし」

幼馴染「・・・」

幼馴染「そういえば、最後家の前で会ったとき」

幼馴染「なんか私に怒ってたっぽいよなぁ」

幼馴染「喧嘩して溝が出来たままみたいになっちゃってるのがなぁ・・・」

幼馴染「うーん・・・」

幼馴染「・・・」

幼馴染「・・・はっ!そうだ!」

幼馴染「今度夏祭りあるじゃん!」

幼馴染「それに男誘ってみよっかな」

幼馴染「・・・でもあいつ夏祭りの日空いてるかなぁ・・・」

幼馴染「・・・メールしてみようか」

幼馴染「・・・あっ!」

幼馴染「そういえば明日は幼友に頼まれて」

幼馴染「幼友の委員会仕事を手伝いに学校行くんだった!」

幼馴染「その帰りに聞けばいっか」

幼馴染「夏祭りダメだったとしてもまぁ一緒に帰れるし」

幼馴染「うん、そうしよう!」

幼馴染「明日はグラウンドまで行って練習見てやろーっと」

幼馴染「あいつどんな顔するかなぁ」アハハッ

幼馴染「よしっ 明日も楽しみが出来た事だし」

幼馴染「今日は早めに寝とこっかな」

幼馴染「おやすみなさーい」

幼馴染「・・・」

幼馴染「・・・」zzZ

うぁぁ

-次の日 学校 教室 朝-

幼馴染「おはよう」ガラガラッ

幼友「おっ!来た来た幼馴染」

幼馴染「来たよー」アハハッ

幼友「ごめんねー!もう1人の委員の子が風邪引いちゃったんだ」

幼馴染「全然いいよ!友達じゃん」

幼友「さすが幼馴染!良き友を持ったなぁ」シミジミ

幼馴染「そんな上げても何も出ないよ」アハハッ

・・・・・・・・・


昼の12時 お昼休憩

幼友「ふーっ!」

幼友「だいぶ進んだなぁ」

幼馴染「あとは全部の資料をホチキスで留めれば終了だね」

幼友「思った以上に進んだよー!」

幼友「やっぱ幼馴染に頼んで正解だったなぁ」

幼馴染「あはは、どういたしまして」

幼馴染「じゃお昼ごはんにしよっか」

幼友「そうだねー」

幼友「幼馴染はどうする?私はコンビニに買いに行くけど」

幼馴染「私もお昼はコンビニで買おうと思ってたのよ」

幼友「じゃ一緒に行こっか!」

幼馴染「うん」

男は美女子とくっ付いた方がいいよ
八方美人は碌なことにならない

こんな状況から持ち直して
スレタイに続いたら
男マジ切れだろww

コンビニへ向かう道中

幼馴染「にしても猛暑だねぇ」

幼友「本当だよ・・・溶けそう・・・」

幼馴染「幼友は本当に暑さに弱いよねー」アハハッ

幼友「暑いのだけは無理だよぉ~クーラ~コンビニのクーラ~」

幼馴染「子供みたい」アハハッ

\カキィィィン!/ \シャー!ナイバッチ!/ \ランナーハシルゾー!/

幼友「野球部はこんな暑い中よくやるわよね~」

幼馴染「元気だねぇ」

幼友「わだぢにはがんがえられましぇ~ん・・・」アチー

幼馴染「・・・ねぇ、昼ごはんは野球部の練習見ながら食べない?」

幼友「えー!?何でよー・・・」

幼馴染「野球部の練習をちゃんと見た事って、そういえば無いなと思ってさ」

幼友「暑いから嫌だよー・・・」

幼馴染「お願いっ!ちょっとでいいからさっ!」

幼友「えー・・・」

幼馴染「メロンパン、おごるから!」

幼友「・・・」

幼友「もー、しかたないなーちょっとだぞー?」

幼馴染「やった!」

幼馴染「さすが幼友!良き友を持ったなぁ」

幼友「あれ?なんかデジャブ・・・」

幼馴染「気にしない気にしない!あ、着いた」ウィィィン

イラッシャイマセー

ややこしや、ややこしや

ウィィィン アリガトーゴザイマシター

幼馴染「お昼ごはん野菜サラダとおにぎりだけで大丈夫なの?」

幼友「大丈夫大丈夫!ダイエット中だしねー」

幼馴染「ふーん・・・」

・・・・・・・・・・・・・・・


校舎 テラス

幼馴染「へー、ここからグラウンドを一望できたんだね」

幼友「いいでしょ~ここ」

幼馴染「いいねぇーここ」

幼馴染「・・・お、野球部やってるやってる」

幼馴染「・・・あっ 男だ」

グラウンドには、誰よりもキレ良く動き、誰よりも声を出し指示を出し、誰よりも輝いている男の姿があった。

チームをプレーで引っ張る男の姿を見て、幼馴染は男にこれまでとは違った印象を感じていた。

幼友「・・・お?やっぱりその熱い視線は男に注がれてますね?」ヒヤカシー

幼馴染「え!?べ、別にそんなんじゃないよ!」

幼友「お?焦ってる焦ってる」アハハ

幼馴染「はぁ!?ぜんっぜん焦ってないから!」

幼馴染「別に男とは幼馴染なだけだし?」

幼馴染「たまたま他の人より深く知ってるから目線が行くだけで?」

幼馴染「別に幼馴染以上でも以下でも何でもないんだから!」

幼友「ほーんとー?」ジィー

幼馴染「ホントよ 当たり前じゃないの」フンッ

幼友「ふーん・・・?」

幼友「へぇー そっかぁ」

幼友「・・・まっ、それならそれで良いんだけどね」

幼馴染「・・・それならそれで良いって、どういう事よ」

幼友「んー?」

幼友「あー」

幼友「幼馴染知らないのかな?」

幼馴染「・・・?」

幼馴染「なにが?」

幼友「男、今度の夏祭り美女子と一緒に行くんだってさー」

幼馴染「・・・」

幼馴染「えっ?」

幼友「やっぱ知らなかったんだ!」

幼友「今すっごい噂になってるよ~」

幼友「なんかちょっと前、野球部が早上がりだった時に」

幼友「美女子が野球部の部室に来たらしいのよ」

幼友「で、美女子の目当ては男でさぁ~」

幼友「そのまま2人で部活帰りにどっか行ったらしいのよ!」

幼友「そしたらもうこの2人が急接近!」

幼友「もうこの時点でわりと噂にはなってたのよね」

幼友「で、昨日ね」

幼友「男が部室にいない時に、部室に置いてあった男のスマホにメールが来たらしいのよ」

幼友「部室にいた野球部の誰かがそれに気付いて」

幼友「で、スマホって待ち受け画面にちょっと内容が表示されるじゃん?」

幼友「そこに、差出人:美女子って出てたらしいの!」

幼友「部室にいた連中の中で一気に騒ぎになって!」

幼友「『おい!男が美女子さんからメール貰ってるぞ!』
『なんだなんだ!?内容は何なんだ!?』
『あの野郎やっぱり美女子さんと付き合ってやがったのか!?』って」

幼友「もう騒然したらしいのよ!」

幼友「で、結局勝手にメールを見たら」

幼友「なんと美女子と男が夏祭りに2人で行くという事が発覚して!」

幼友「でね、たまたま野球部の部室の近くにいた女テニの子がそれ聞いちゃってね!?」

幼友「もう一晩で一気に広がったのよ!」アハハハ

幼友「まさかあの美女子の相手が男とはねぇ~」

幼友「まさにダークホースってこの事よね」

幼馴染「・・・そうなんだ」

幼友「・・・おっ?」

幼友「あれっ?」

幼友「ちょっとショックを受けておられますか?幼馴染氏」

幼友「まぁそうよねー」

幼友「公認カップルなんてはやし立てられるくらい仲良いんだからビックリぐらいするわよねー」

幼馴染「まぁ・・・ビックリはしたかな・・・」

幼馴染「・・・」

幼友「まぁでも、周りがはやし立ててただけで、別にあんたら付き合うとかそんなんじゃないんでしょ?」

幼友「おふざけが止まるいい機会なのかもねー」

幼馴染「・・・」

幼友「まぁでも、あのだらしなかった男も」

幼友「今では""公立の雄・SS高校野球部・主将""だからねぇ~!」

幼馴染「えっ?」

幼友「もともと顔もスタイルも悪くない訳だし、美女子射止めても不思議じゃないかぁ」

幼馴染「・・・えっ、あの」

幼馴染「男っていま、キャプテンなの?」

幼友「えっ、そうだよ?知らなかったの?」

幼馴染「知らなかったし、男から報告も来てなかった・・・」

幼友「・・・」

幼友「なーんかあんたら、夏休みに入ってから距離出来たわね」

幼馴染「・・・」

キーンコーンカーンコーン、コーンカーンキーンコーン

幼友「おっ・・・」

幼友「よし、お昼休み終わりっ!」

幼友「残りの作業ちゃちゃっと済ませちゃおっか!」

幼馴染「・・・うん」

幼馴染「・・・」

・・・・・・・・・・・・・・・

いいいかんじ

すれ違いコワイ、コワイ、すれ違い

幼友「・・・よしっ」

幼友「これで全部ホチキス留めし終わったね」

幼友「・・・うん、しゅーりょー!」

幼馴染「うん」

幼友「まさか15時に終われるなんて!幼馴染のおかげだわぁ」

幼友「サンキュー、幼馴染!」

幼馴染「うん、・・・どういたしまして」

幼友「・・・はぁ」

幼友「どうしたのよ、急に元気なくなっちゃって」

幼友「そんなに男の話がショックだった?」

幼馴染「いや、そんな・・・」

幼馴染「別にそんなことないけど・・・」

幼友「・・・」

幼友「はぁ・・・」

幼友「私にはだいぶショック受けてるように見受けられますがね??」

幼馴染「・・・」

幼友「ちゃんと男と話してみたら?」

幼友「最近距離できてるんでしょ?」

幼馴染「・・・」

幼友「話さない事には何も分からないよ」

幼馴染「・・・うん」

幼友「このあと駅行って美味しいアイス食べに誘おうかと思ってたけど」

幼友「あんたには他にすべき事があるみたいね」

幼馴染「・・・」

幼友「私は先帰るから」

幼友「あんたはやるべき事をしなさい」

幼友「また今度誘うわ」

幼友「じゃあね」ガラガラッ

幼馴染「うん・・・」

幼馴染「・・・」

幼馴染「・・・」

幼馴染「どう・・・しようか・・・」

幼馴染「・・・」

幼馴染「話すって言っても・・・何話せばいいんだろ・・・」

幼馴染「・・・」

幼馴染「・・・付き合ってるのかな」

幼馴染「男と・・・美女子さん」

幼馴染「どうなんだろ・・・」

幼馴染「・・・」

幼馴染「・・・」

幼馴染「夏祭り・・・」

幼馴染「・・・誘えるわけ無いか・・・」

幼馴染「・・・」

幼馴染「やっぱ・・・」

幼馴染「話せないや・・・」

「・・・」

「・・・」

「・・・」

幼馴染「今日は・・・」

幼馴染「・・・帰ろう」

幼馴染「・・・」

幼馴染「・・・」ガラガラッ

・・・・・・・・・・・・・・・


グラウンド

\ハーイッ!/ \ナイスキャッチィー!/ \ザツニナルナヨー!/ \サードナイスボール!/

男「ハーイッ!オッケーッ!良い送球だァー!」

男「雑になるなよー!球捕ってからー!」

男「ハイオッケーッ!ナイスセカンd・・・ん?」

男「あれは・・・幼馴染だ」


校門前

幼馴染「・・・」テクテクテク...


男「・・・」

男「・・・あいつ、学校来てたのか」

男「・・・」

監督「ゴラァァァァァァアアア!!!」

監督「何よそ見してんだセンターァァァアア!!!」

男「はっ!?スイァセンッ!!!」

監督「男ォォォオオ!!!テメェキャプテンだろオがァァァアア!!!」

監督「キャプテンがノック中に気ィ抜いてんじゃねェェェエエ!!!」

男「スイァセェェェンッ!!!」

監督「オルァ行くぞッ!!!」

男「ハイッ!!!」

・・・・・・・・・・・・・・・

監督もコワイ、コワイ、監督

SS高校野球部にとっては怒涛のごとき毎日だった夏休みはやっと8月30日を迎え、この日をもって夏休みの練習納めとなった。


-8月30日 練習終盤 グラウンド-

監督「今日をもって夏休みの練習は最後となる」

監督「お前ら、ご苦労さんだった」

監督「お前らは本当に毎日よく頑張ったな」

監督「未だ自分ではなかなか成長を実感するのは難しいだろう」

監督「しかしお前らはこの夏、着実に成長を遂げた」

監督「お前らは身体に限って言えば今ではそこらの強豪校に引けを取らない」

監督「それほど強靭に鍛え上げられた」

監督「この夏してきた事は今後、秋から冬にかけて成果を挙げる土台となるだろう」

監督「お前らは本当によく頑張った」

監督「自信を持ってこれからも練習に臨んでくれ」ニカッ

全員「ハイッ!」

監督「俺からは以上だ」

男「アリァトゥゴザィアシタッ!」

全員「アリァトゥゴザィアシタッ!!」

・・・・・・・・・・・・・・・

-練習後 部室-

男「じゃ俺は先帰るから」

男「後は頼んだぞ」

部員達「うーい お疲れさーん」

部員達「キャプじゃあなー」

部員達「明日はデート楽しんでこいよキャプテン!」

部員達「夏休み明けたら腰痛で休んだりすんなよー!」

部員達「あ!それ気をつけねぇとな!」

部員達「キャプテン明日は2つの意味でお楽しみかぁー!」ハッハッハッ!

男「う、うるせえ!別に楽しみじゃねーよ!」

部員達「キャプテン顔真っ赤だぜー!」アーッハッハッハッ!

男「うるせえ!日焼けだ日焼け!」

男「だらだら喋ってないで早く帰れよ!」

部員達「おう!すぐ帰るぜー!」

男「・・・あ!」

男「お前ら夏休みの課題は済んでるよな・・・?」

部員達「あっ・・・」

部員達「やべっ・・・」

部員達「こりゃまずいぞ・・・」

男「・・・マジ・・・?」

部員達「・・・なーんて言うと思ったかー!?」

部員達「みんなちゃんとやってあるぜ!」

部員達「キャプテンが部活後に部室で」

部員達「『勉強もキチンとやってこそキャプテンだ』とか言ってカリカリ課題やってんだぜ?」

部員達「そんなん見せられたら俺らもやらない訳にはいかねーだろ?」ヘッヘッヘ

男「お前ら・・・!」ウルッ

部員達「キャプテン明日は保体のお勉強かー!?」

部員達「羨ましいなぁ!?オイオイ!」

部員達「俺達もその授業受けてぇー!」アァーッハッハッハッハッ!

男「テメェらァァァアア!!!」ゴゴゴゴゴ

部員達「やべぇ!キャプテンがキレた!」

部員達「やべぇ!早く!生け贄!生け贄出せ!」

部員達「よし!じゃあ今日はお前!」

部員達「え!?俺!?俺!?嘘だろ!?」

男「へっへっへっへっへ・・・」ゴゴゴゴゴ

ゲンコツゴチィィィーンッ!

男「お前らァ!さっさと帰れ分かったなァ!」

部員達「ハ、ハイッ!」

男「俺は帰るッ!じゃあなッ!」ガチャッ!

部員達「アリァトゥゴザィアシタッ!」バタンッ!

部員達「・・・」

部員達「・・・」

部員達「・・・ふぅ」

男「忘れ物をしたァァァアア!!!」ガチャァァァッ!!!

部員達「ギャーァァァアア!!!」

・・・・・・・・・・・・・・・

-男の部屋-

男「・・・」

男「・・・ついに明日か」

男「・・・夏祭り」

男「・・・美女子さんかぁ」

男「・・・何で夏祭りに誘った相手が俺なんだろう」

男「・・・」

男「・・・俺のこと好きとか?」

男「・・・んな事あるワケ無いか」ハハッ

男「女って本当考えてる事よく分かんねぇしな」

男「なんか用があって俺なんだろう」

男「・・・」

男「・・・幼馴染も来んのかな、夏祭り」

男「・・・会長と、か」

男「・・・」

男「・・・」

男「はぁ、関係ねーだろ俺には」

男「気にすんなよ俺」

男「俺はクラス一美人のあの美女子さんと夏祭り行けるんだぜ?」

男「最高じゃねーかよ」

男「そうだそうだ、幼馴染なんかよりもーっと良い女の子と夏祭り行けるんだ」

男「もっと楽しく考えようぜ」

男「な、俺」

男「もーっと良い女の子と・・・」

男「・・・」

男「・・・」

男「・・・はぁ」

男「・・・考えるのはやめよう」

男「寝て、起きて、そしたら明日だ」

男「明日になったら成るように成るさ」

男「今日はもう寝よう」

男「おやすみ」

男「・・・」

男「・・・」zzZ

-8月31日 午前 夏祭り-

ジリリリリリッ!

ポチッ .....

男「・・・ふぅ」

男「・・・朝か」

男「ついにこの日が来たな・・・」

男「・・・朝飯食うか」

・・・

男「こういう時って何持っていけばいいんだろうか」

男「財布にスマホ・・・だけでいいか」

・・・

男「髪型はどうしよう」

男「・・・って、坊主だったか」

男・・・5ミリに整えておくか」ジョリジョリジョリジョリ

・・・

男「服装は・・・」

男「そうだった、俺ジャージしか持ってなk・・・」

男「・・・幼馴染に選んでもらった服・・・があったか」

男「・・・」

男「・・・これ、着ていくか」

男「・・・」

・・・

男「・・・」

男「・・・行くか」

・・・・・・・・・・・・・・・

毎日楽しみにしてる

デートのテンションじゃないな

デート(苦行)

5ミリに整えるのはオシャレなのか

-午後 夏祭り-

男「『入り口の前で待ってて』って言ってたな」

男「ちょっと早く来すぎたかな・・・」

男「待つか・・・」

男「・・・にしても、結構混んでるな」

男「ちょっと気を抜いたら見失っちゃうかも」

男「気をつけないとな・・・」

オーイ!

男「・・・あっ」

美女子「おーい!」タタタタッ

男「!?」

美女子「ごめーん待たせちゃったね」ハァハァ

男「い、い、いや・・・大丈夫だけど・・・」

美女子「そう?なら良かった」フゥー

美女子「ん?・・・あっ!」

美女子「どぉー?浴衣着てみたのー」

男「す、すげぇ似合ってるよ・・・!」

美女子「ホントー!?ありがとー!」

美女子「褒めてもらえて嬉しい!」

美女子「着てきて良かったぁ」

男「・・・(今まで意識してこなかったけど)」

男「・・・(美女子さんってこれほどまでに綺麗だったんだな・・・)」

美女子「・・・男くんってこういう服着るんだね」

男「え!?あ、あぁ、そうだよ」

男「飾らない感じ凄く似合ってるよ!」

男「あ、ありがとう・・・」

男「・・・」

美女子「じゃ、行こっか!」

男「お、おう!行こう」

美女子「屋台いっぱいあるねー」

男「う、うん そうだね」

美女子「あ!射的あるよ!やろうやろう!」

男「お!?お、おう、やろうやろう」

射的屋店主「はーい、いらっしゃーい」

射的屋店主「お?カップルかい?若いねぇ~」

美女子「ちょっと店主さんやめてよ~」アハハ

射的屋店主「はっはっは!ごめんね」

男「(やべ・・・美女子さんの見れねえ・・・)」

男「(なんか今日の俺おかしいぞ・・・」

男「(なに緊張してんだよ・・・)」

美女子「じゃ私行くよ!」

男「おぉ!?う、うん 頑張れ!」

美女子「よーし!」カチャンッ

美女子「んー・・・」パンッ

射的屋店主「惜しい!外れー」

美女子「あー!外したー」

美女子「惜しかったなぁ~!」

男「ま、真横だったね」

美女子「次、男くん撃ってよ!」

男「俺!?う、うん 分かった」

男「よいしょ・・・」カチャンッ

男「んー・・・」パンッ

射的屋店主「はい命中ー!お揃いストラップー!」

美女子「キャー!すごーい!」

男「おお!当たった・・・」

男「狙ったのの二個右のに当たっちった・・・」

美女子「えーなにそれ」アハハッ

・・・

美女子「ストラップ可愛いねー」

男「あんま俺には似合わないキャラだな・・・」

男「良かったら、これ貰ってよ」

美女子「えー!ホント!?」

美女子「わー、ありがとう」

美女子「・・・んーでも」

美女子「だったら片方だけ欲しいな」

男「え?片方だけ?」

美女子「うん」

美女子「・・・男くんと、お揃いのストラップしたいなー、なんて」エヘヘ

男「え・・・!?」

美女子「いい・・・かな?」

男「こちらこそ・・・喜んで・・・」

美女子「やった!明日からバッグに付けていくね!」

男「う、うん・・・分かった」

美女子「わー、可愛いなぁ・・・」

・・・

その後も2人は色々な屋台を回り、楽しいひと時を過ごした。

・・・

夏祭り 夕方 休憩所のベンチ

美女子「いやー、色々回ったねー」

男「そうだな」

美女子「足疲れちゃったよー・・・」

美女子「男くんは野球部だけあって全然余裕そうだね」

男「ん、まあね」

男「ウォーミングアップくらいかな?」ヘヘッ

美女子「あははっ 凄いね」アハハッ

美女子「・・・」

美女子「・・・」

美女子「・・・あのね、男くん」

男「ん」

美女子「・・・私が男くんを夏祭りに誘った理由、分かる?」

男「・・・」

男「・・・何だろう」

男「・・・何?」

美女子「・・・」

美女子「・・・実はね」

美女子「もし、私が夏祭りに誘って」

美女子「男くんが来てくれたら」

美女子「私、男くんに」

美女子「・・・大事な話を伝えようと思ってたの」

男「・・・」

美女子「・・・それを、聞いて欲しいんだ」

男「・・・うん」

美女子・・・」

美女子「・・・私」

美女子「・・・一年の時、図書委員で男くんと一緒に図書室の受付した時から」

美女子「・・・男くんのことが」

美女子「・・・」

美女子「・・・ずーっと、好きだったんだ」

男「・・・えっ・・・・・」

美女子「高1の始めの頃、一度だけ2人で図書室の受付した事あるでしょ」

美女子「・・・男くんは覚えてないかも知れないけど」

美女子「あの日は図書室に来る人全然いなくて、ガラガラでさ」

美女子「男くん、ずっとうたた寝してた」

美女子「その横顔を見て、ずっと男くんが気になってたんだ」

美女子「でも男くんの横にはいつも幼馴染さんがいてさ」

美女子「・・・話しかける勇気出せなくて」

美女子「どうしようどうしようって、ずっと迷ってたら」

美女子「男くんが野球部で一軍になって」

美女子「図書委員に顔出しできなくなっちゃってさ」

美女子「結局、想いを伝えられなかった」

美女子「それがずーっと悔しくてさ」

美女子「そしたら、2年になって」

美女子「男くんと同じクラスになれて」

美女子「私、すっごく嬉しかったんだ」

美女子「実はこれまでずっと」

美女子「幼馴染さんと付き合ってるのかなって」

美女子「ずっと思ったけど」

美女子「今なら何のためらいも無く言える」


美女子「私、男くんが・・・好き。」


美女子「・・・その気持ちを伝えたかったんだ」

男「・・・」

美女子「・・・でも、告白ってワケじゃないの」

男「・・・?」

美女子「いきなりこんな事言われて」

美女子「男くんが返事しかねるのは、分かってる」

男「・・・うん」

美女子「それにね」

美女子「できれば、男くんから気持ちを伝えてほしいの」

美女子「・・・はっきりと、誰が好きか伝えてほしいの」

美女子「俺は、この子が好きなんだ・・・って」

美女子「だから」

美女子「・・・男くんの気持ちが決まったら、伝えてほしい」

美女子「・・・待ってるから」

男「・・・わかった」

美女子「それと、・・・これは私のわがまま」ギュッ

男「えっ!・・・」

美女子「・・・今だけ」

美女子「今だけでいいから、こうしていたいの」ドキドキ

美女子「やっと、想い・・・伝えられたから」ドキドキ

美女子「この想いが・・・成就してほしいから」

美女子「だから・・・私のわがまま」

美女子「今だけ、許してほしいな」ドキドキ

美女子「許してくれる?」ドキドキ

男「・・・」ドキドキ

男「・・・」ドキドキ

男「・・・分かった」ドキドキ

美女子「・・・えへへ」ギュー ドキドキ

男「・・・へへっ」ドキドキ

美女子「花火、見に行こっか?」ドキドキ

男「うん、行こう」ドキドキ

美女子「・・・うん」ドキドキ

テクテクテク.....

・・・

幼友「このお面可愛くない!?」ガヤガヤ

モブ女1「めっちゃ可愛いねー!」ガヤガヤ

モブ女2「ねー!」ガヤガヤ

幼友「買っちゃおっかなー」ガヤガヤ

モブ女1「買っちゃうのアリだねー!」ガヤガヤ

モブ女2「じゃ私色違いのこっち買おっかなー!」ガヤガヤ

幼友「えー!?みんな色違いの同じお面かぶるのー!?」

モブ女1「それ面白くない!?この集団みんな色違いの同じお面して歩いてるっていう!」アハハッ!

モブ女2「アハハ!ヤバいねそれ!」アハハッ!

幼友「えーなにそれー気持ちわるー!」アハハハハッ!

幼友「・・・」

幼友「・・・って」

幼友「幼馴染ー」

幼馴染「・・・え?」

幼友「あんた楽しんでんの?」

幼馴染「あ、うん・・・楽しんでるよ」

幼友「もぉー、全然楽しそうな顔してないじゃーん」

幼友「あんたが元気なさそうにしてたから来る事にした夏祭りなのに」

幼友「あんたが元気ないままじゃ意味ないでしょーが」

幼馴染「ごめんごめん・・・」

幼友「しっかりしてよねー」

幼馴染「もっとテンション上げなきゃね」

幼馴染「・・・ちょっとトイレ行ってくるね」タタタタ...

幼友「あっ、ちょっと!」

幼友「・・・もぉー」

幼馴染「結局夏祭り来たけど」

幼馴染「・・・」

幼馴染「テンション上がらないなぁ・・・」

幼馴染「全然楽しめないや・・・」

幼馴染「はぁ・・・」

幼馴染「・・・男の奴、どっかにいるのかな」

幼馴染「・・・」

幼馴染「はぁ・・・」

幼馴染「・・・変なこと考えず早くトイレ済ませて戻ろう」

幼馴染「・・・」テクテク

幼馴染「・・・ん?」

幼馴染「あっ、あれは男だ」

幼馴染「!?」

幼馴染「えっ!・・・」

幼馴染「あ、あっ・・・」

幼馴染「・・・男・・・と・・・」

幼馴染「美女・・・子・・・さん・・・が・・・」

幼馴染「・・・」

幼馴染「手を・・・繋いでる・・・」

幼馴染「・・・」

幼馴染「嘘っ・・・」

幼馴染「この2人・・・」

幼馴染「本当に・・・付き合っ・・・」

幼馴染「・・・」

幼馴染「・・・・・」

幼馴染「っ・・・」タタタタタタッ!


男「んっ?」

美女子「ん?どうかした?」

男「いや・・・今誰かに呼ばれた気がして」

美女子「・・・?」

男「・・・うん、気のせいだったみたい」

美女子「そっか」

美女子「・・・花火楽しみだね!」

男「おう 楽しみだな」

テクテク.....

・・・・・・・・・・・・・・・

-河川敷 花火会場-

ドーンッ! パラパラパラパラ...

ドーンッ! パラパラパラパラ...

ドーンッ! ドーンッ! ドーンッ! パラパラパラパラパラパラパラパラ........

美女子「・・・綺麗だね」

男「すっげぇ・・・綺麗」

美女子「・・・」

男「・・・」

美女子「・・・」ギュッ

・・・・・・・・・・・・・・・


-幼馴染の部屋-

幼馴染「・・・」

幼馴染「・・・」

幼馴染「・・・」ツー

ポタッ...ポタッ...

幼馴染「・・・ぐすっ・・・」

幼馴染「・・・うっ・・・うっ・・・」

幼馴染「・・・」

幼馴染「何でだろ・・・涙、止まんないや・・・・・」

幼馴染「・・・・・男っ・・・」

幼馴染「・・・」ポタッ...ポタッ...

・・・・・・・・・・・・・・・

美女子さんage

幼馴染超頑張れ

なんだよ美少女イイカンジじゃん

どうなる?

スレタイのおかげで安心して読めるわ

幼馴染みとずっと一緒にいられると思ってた時期が俺にもありました……

美女子「私のこと好き?」

男 「...好きだっての」

幼馴染「...聞こえなーい」
の可能性が微レ存

幼馴染なんて幻想
幼稚園から高校まで同じだけど口も聞かない

幼馴染スレに気持ち悪い自分語りが現れる確率は異常

妹スレにもよく沸く

-学校始業日 早朝-

ジリリリリリッ!

男「・・・ん・・・・・」ポチッ

男「ふわぁ~ぁ・・・」

男「今日からまた学校か・・・」

男「・・・朝練の準備しなきゃ」

・・・・・・・・・・・・・・・

-朝練後 ホームルーム前 教室-

男「・・・」ガラガラッ

男友「おっとこォォォーー!!!」ビョーンッ

男「うおぉ!?」ビクッ

男「おお!男友か!」

男友「久しぶりだなぁ!一ヶ月ぶりか!」

男「そうだなぁ確かに久しぶりだわお前の顔見るの」

男友「夏休み遊びに誘ってもずーっと練習なんだもんなぁ」

男「わりぃな 何度も誘ってくれたのに」

男友「いや、良いって事よ!男が頑張ってんだから!」

男友「それに!」

男友「俺が見ない間に野球部のキャプテンになっちゃって!」カーッ!

男友「さすが俺の親友だなぁ!?」セナカバンバンッ!

男「痛ぇ!強い!つよ、強いって!」

男友「あと噂で聞いたぞぉ~・・・」ヘッヘッヘ

男「・・・何だよ」

ガラガラガラッ

男友「・・・おっ!噂をすれば!」ケケケケケッ

男友「その話は後できっちり聞かせてもらうぜ!男!」クックックックッ

男「・・・はぁ、みんなにバレてる・・・」ハァ•••

美女子「男くん!おはよう」

男「ん、おう!おはよう」

男友「ヒューヒュー!夏は終わったのにまだまだ暑いぜぇー!」

男「うるせえ!!」

美女子「あははっ」

ガラガラッ

幼馴染「・・・」

男「あっ・・・」

男「・・・」

男「・・・・・・・・」


男友「男ぉ~!いつの間に美女子さん落としてやがったんだぁ!?」ガシィーッ!


幼馴染「っ・・・」


男「んぉ!?イテテッ!急に何すんだ!」

男「別にそんなんじゃねえよ!イテテテテッ!関節技痛え!痛えよ!」


幼友「幼馴染ぃー!おっはよー!」

幼馴染「・・・あっ、おはよう」

幼友「なによー、朝からテンション低いねー低血圧?」

幼馴染「そんな事ないよ!テンション上げてくかぁ~!」

幼友「おっ!調子出てきた」アハハ

会長「幼馴染いますかー?」ガラガラッ


男「!・・・・・」


幼馴染「あ、はーい」

会長「ちょっとお話が」

幼馴染「はいはーい」タッタッタッ...


男「・・・・・」

男「っ・・・」

男友「・・・んおっ」

男友「急にどうしたの?無言になって」

男「・・・何でもねえよ」

男「ちょっとトイレ行ってくる」テクテクテク ガラガラッ

男友「あっ、おーい!俺も連れション行くよー」タッタッタッ...

・・・・・・・・・・・・・・・

幼馴染が身を引くための「…聞こえなーい」かもな

>>173
・・・はっ!?

お前ら予想はそこまでだ
作者は意見に左右されず思い描いた結末を書いて下され

言論統制ニキが出現

でも予想厨ウザいからな

まー、俺らがあーだこーだ予想した所で無意味だしイチ読者ごときで自分に都合良いように言論統制するのもウザいだけだし
1個だけ気付いた事書いておくわ
>>60 会長「幼馴染さん」
>>172 会長「幼馴染いますかー?」
関係が進展したのは男と美女子だけじゃ無いのかもね?

作者が書きにくくなるから
予想はよそう

何でもいいから早く書いて欲しい。どうなるか不安で夜も8時間しか眠れない

>>180
目を覚ますほどのツッコミ入れたくなった
寝すぎやぁぁあ!!

ツッコミが寒い
sageもしない
なんなん

>>179
俺としてはもっとワイワイやってくれて良いというか、やって欲しいと思ってるよ
レスが付くと単純に嬉しいという気持ちがあるからね
それに、俺の中でもオチをどっちの方向にオトすかはまだ決めてないよ
タイトルで安心してる人がそこそこいるみたいだけど、オチの見えてる話なんて面白くないからね
もっとドキドキして欲しいし、もっとドキドキさせたいと思ってるよ
だからタイトルで安心してたら一杯食わされるかもね!

1がシャベッタァァァァァァ?
あとどのくらいで終わりそう?

>>184
いま6割~7割終わったくらい
あと何日で終わるかは俺のテンション次第
書き溜め0だから

では書いていくので暫しお待ちを。

6~7割りか、何はともあれ頑張れ

落ちきまってないんか
まぁ、どっちに転んでも面白そうだし文句ない
頑張れ

一回スレ落としてまた書き直します。
序盤から誤字等酷かったりオチが決まってなかったりしたので完成してから再投稿させてください。
今月か来月中には投稿します。
そんな感じでよろしくお願いします。
それじゃまたの機会に。

楽しみだよ楽しみだよ

マジか
待ってるぞ

下げ忘れ

タイトルは?まだ未定か

タイトルはこのままでまたスレ立てます。
このスレ見てくれた人にだけネタバレしますが、オチはどう転んでもみんなハッピーになるようにします。
創作の世界なんだからみんな幸せな物語を描かせろという筆者のたっての希望です。
胸糞悪いなんて現実世界だけで十分だという思想です。
もっと完成度高いものにしてきます。
ではまたの機会に!

まとめサイトの方は、>>194はまとめサイトに載せないでくれるとありがたいです。
元スレでレスをくれて見てくれた方だけに伝えたかった事です。
よろしくお願いします。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年01月22日 (木) 23:26:11   ID: VhI6JFuK

期待

2 :  SS好きの774さん   2015年01月25日 (日) 02:32:05   ID: 6wSVd48_

続きハヨ

3 :  SS好きの774さん   2015年01月25日 (日) 08:01:05   ID: V0kT68j0

続き早く、面白い。

4 :  SS好きの774さん   2015年01月25日 (日) 18:38:52   ID: 1uL0rcyI

続き早く書いて~、早くマギカ見たい!。

5 :  SS好きの774さん   2015年01月26日 (月) 20:19:52   ID: IKtE2Tfn

続き早く

6 :  SS好きの774さん   2015年01月26日 (月) 22:49:38   ID: IKtE2Tfn

面白い。続き期待してます

7 :  SS好きの774さん   2015年01月27日 (火) 01:55:15   ID: tvFUsa5n

続き早く~、見たい!

8 :  SS好きの774さん   2015年01月27日 (火) 21:57:20   ID: Fw57lVBB

面白い、頑張れ~、

9 :  SS好きの774さん   2015年01月28日 (水) 09:30:48   ID: lo5xMmxB

頑張れ!

10 :  SS好きの774さん   2015年01月30日 (金) 17:11:38   ID: HQzpAJVC

ハヨ続き見たい。

11 :  SS好きの774さん   2015年02月01日 (日) 02:53:53   ID: qqC98h_w

え、終わり?

12 :  SS好きの774さん   2015年04月08日 (水) 03:00:37   ID: q2auKYlE

つぅぅづきぃぃぃぃぃいいいは

まぁだかぁぁぉぁぉぁぁぁぁああ↑

13 :  SS好きの774さん   2015年06月05日 (金) 10:07:40   ID: i59v7PuX

ほんと幼馴染モノは男の鈍感さやヘタレさが溢れてて好き
できれば不幸になって悔やんでほしい

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