春香「私との約束だよ!」 (56)

ある小さな街の広場にて
1人のアイドルがライブを行っていた

「みんな盛り上がってるぅ!?」

「イェーーーイ!!」

広場に集まった街の人達は祭りのように騒ぐ
人里離れたこの街では、アイドルが来たりするのは珍しいことだった

人気のアイドルだったこともあり、
なかには、遠い所からわざわざこの街に来る人も居た

アイドルは片手を上げるとぐっと拳を握った

「次の曲、いっくよぉ!」

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親子連れで遠い所から来る家庭もあるなか、
小さな子供も一緒になって歌っている

歌詞は分からなくてもいるだけで楽しいのだ

アイドルは曲が鳴り出すと
声援に応えるように歌い始めた


………………

…………………………………

公園にて

ある少女が言った

「こうやって歌ってたんだよ!」

もう1人の少女は首をかしげる

「おうた…?」

「うん!こう…こんなふうに」

手を前に広げて歌ってみせ、
嬉しそうに笑う

ライブは終わり、時は次の日

広場の近くの公園で、
2人の少女が話していた

お互い会ったこともない2人は公園で偶然知り合い、1人の少女がライブのことを話していたのだ

2人とも親に連れられてこの街に来た、ライブを見ていた客の1人だった

1人は赤みがかった茶色の髪をぱっつんと前髪で切り揃え、1人は青みが強い黒っぽい長髪をしている

支援

元気に喋るのは赤みがかった茶色髪の少女だ

「お歌楽しかったね!」

「ふーん…」

対する青みがかった黒っぽい色の長髪をした少女は、とても静かだった

落ち着いているのはそれだけではない
遠方から来た疲労でライブ中眠っていたのである
はしゃぐ少女の話に、共感はできなかった

左耳から右耳へと話が流れていき、
退屈に思った少女は公園の中を見渡した







ぐるっと公園を一周させた少女の目がふと止まる

ライブの話より興味深いものが少女の目に映ったのだ

…それはそれは大きな猫が木影に座っていた
まるまるとした体に、銀色のフサフサした毛
ダルマのように怒った顔をしていて、猫も少女をじっと見ていた


…これは猫なんだろうか…


見たこともない猫に、少女の目は釘付けになった


「またお歌見たいね!」

「……」

「こう…わぁっと…」

元気に話す少女は暫く喋り続けていたが、やがて相手が話を聞いていない事に気がついた

「…ねぇ?」

「……」

返事もせず、ずっとそっぽを向いている少女に問いかけた

「…何見てるの?」

目線を追うと遠くに猫がいた

「…わっ」

遠くからでも分かる大きさだ
猫を見た少女はびっくりした

(あの猫が気になるんだ!)

そう思った少女は、
わざと気が付いたふりをしてみせた

「あっ…猫がいる!」

「………うん」

黙っていた少女も、返事をした

(やっぱりあの猫が気になるんだね)

少女は笑みを見せるとこう提案した

「もっと近くに行こ!」

「………えっ」

「ほら、行こうよ!」

少女は腕を掴むと、猫の方へと歩き出す

相手は会ったばかりの知らない人だった
猫が気になるなら猫の話をしよう

そう思ったのだ

腕に引かれて抵抗することもなく相手は着いてきた

やがて猫の側までやって来た

猫は依然としてまるまるとした体を座らせていた
その姿は、まるで腹を満たしたライオンのようだった

少女は、わぁっと呟きながら言った

「大っきいね!」

相手は黙ったままだった
聞こえたのか、そうでないのか目をまじまじと開いて、興味深そうに猫を眺めていた

繋いだ手は握ったままだ

反応がないので、少女は自分も一緒に猫を眺めることにした

良いね


猫は根元に体をもたらせ、
周囲に散る葉は家来のように囲っている

近くで見るとより銀色のフサフサした立派な毛で身を纏い、少女を上から見下ろすような目でじっと睨む


ダルマのように怒った顔は王様のようだ

少女も次第に興味が湧き始めた
フサフサした毛に自然と手が伸びていく

「…触ったら暖かそうだね」

…と、その時

「わっ!」


猫が物凄い勢いで立ち上がった


「フゥーー…!」

「うっわぁ…!」

少女は目を輝かせた
裕福な毛は、一変して針になった
隣の少女も驚いたように後退る

猫は尾を見せ、ゆっくりと走り出した

(こんな猫見たことない…!)

「行こ!」

「えっ……いい」

「なんで、逃げちゃうよ!」

「…お母さんが公園から出たらダメって、わぁっ!」


少女は繋いでいた手を引っ張る

青い髪がふわっと舞った
少女は手を強く握りしめ、猫を追いかけた


支援

一瞬QBを想像した自分を恨みたい…

ガンパレのブータを思い浮かべた自分はどうすれば良いのか

猫は公園の出口を出て行った

少女もそれに続く

「お母さん…」

振り返る少女の目先では、
母が知らない人と話していた

道に出ると、
猫は茂みへと入っていくのが見えた

「いいよ、少しくらい!」

元気に少女が言う

「すぐ戻るから平気だよ、猫見たくないの?」

「……」

少女は黙っていた
走る足が、少しずつ速くなる

元々猫が気になっていたのだ
今見失ったら二度と見れないかもしれない

そう少女の頭を過ぎった

「いこう!」

元気に少女が言った
目の前に茂みがあった

少女は頷いた
この時にはもう母のことも忘れていた

雑草を掻き分けて進む途中、
無口な少女は躓きそうになった

雑草は少女の頭まで届きそうな程伸びていた

手入れがされておらず、
自由に育った草葉が先に続いていた

少女は、やっとの思いで走った

茂みを抜けると足場は軽くなった

少し茂みを走っただけだが、
何度も躓きかけたせいか疲れたように少女はうな垂れる

それに気がついた様子もなく、元気に少女が言った

「猫、どこ行ったかな」

少女は全く疲れていなかった
立派な毛を逆立てる猫のことで頭はいっぱいだった

必死になって周りを見渡す

…が、次の瞬間、少女は身構えた








(………………迷路?)


先は一歩踏み出せば道を失いそうな草道が続いていた

高々と伸びた木々、生い茂る葉々
しーん…と静まり返った真夜中を思わせる静けさのなか、ポツ…ポツ…と水滴が落ちる音が聞こえる
陽は木に遮られ、中は暗い世界が広がっていた

少女はぶるっと身震いした

そのなかに、ポツリと遠くでこちらを睨むものが居た

「………あっ」

睨むものは、猫だった

銀色の毛は不気味に光り、
さっきまでとは違う雰囲気が漂っている様に見えた

少女は猫に向かって足を動かした


じわ…じわ…


「フゥー……!!」


……そのとき、

猫に近づく少女の腕を、
もう一人の少女が引き止めた

「えっ、どうしたの?」

「……もういい」

少女は泣きそうな顔で首を振る

「…お母さんのとこに帰りたい」

少女の力は強く、
なかなかその場から動こうとしなかった

少女は思った

(せっかくここまで来たのに?)

不満そうな顔で猫を見る

だが、その背景に広がる暗闇を見て
少女はまた、身震いした



暗闇は、まるで少女を迷路へと誘いこむように悶々と漂っていた
このまま歩いたら迷いそうだった

幼い少女にも、それが分かった

「…帰る?」

「……………うん」

二人はゆっくりと元来た茂みを歩き始めた

躓きかけた少女も、
今度は足場をしっかり保って歩く



その様子を見張るように
遠くで猫がじっと見ていた


…十年後、東京…
あるビルの3階、事務所にて




「こんな大きな門…亜美は見たことないよ」

「真美も見たことないよ」



二人の女の子がソファで肩を並べていた

お互い体を寄せあうようにして、
ひとつの書物を眺めているのだ

小難しい事が書いてある書物に、二人は眉をひそめた



「水難事故…凶暴動物による数々の襲撃の跡…遭難事件が後を絶たない…」

「物騒な街ですなぁ」

「亜美…読んでいて怖くなったよ」

「真美もちょー怖い感じ」

「読むのやめる?」

「でもまだ話続いてるね…」

カタンカタン…という物音に、
二人はばっと顔を上げた

「兄ちゃんが来た!」

二人は急いで書物を元あった場所に戻す

足音はどんどん近づいてきて、
ゆっくりとドアが開けられた

20歳を過ぎた男性が二人を見下ろした
眼鏡越しにじろっじろっと目を動かす

「二人とも大人しくしてたか?」

「うんうん…亜美、ちょー大人しくしてたよ」

「このソファに座ってたもんね!」

「そうか…」

男性は台の上に置いてある物を確認する

書類、それから書物を見て頷くと、引き出しを開けて新たに荷物をしまい始める

二人は顔を合わせてにやにやと笑った

日本の中心にあたる東京、

道に添え立つビルや建物に加え、周りを賑わせる雑音が響くこの街では、今日もいつものように空に陽が顔を覗かせていた

時間に追われるように道を忙しなく歩き行く人々や、大きな建物から流れる映像が街を覆い、朝から街は賑やかなのである

木から落ちる紅葉がビルや建物等を鮮やかに飾り、それを祝福するかのように眩しく陽が照らし、今日も一日の始まりに合わせて活動を始める街であったが、
そのなかに同じように活動を始める4階建てのビル、その3階にあたる事務所があった



アイドル活動を主旨とする芸能事務所
765プロダクション、通称765プロ

数々のアイドルがここに集まり
その名の通り、アイドルとして活動をするのである

アイドルというものは何なのだろうか

雑誌や写真集のための撮影を行ったり
会場で歌を披露したり、ダンスを踊ったりと、観客の前で自分を表現するのだ

世間の誰もが知っている名の高いアイドルが披露するステージは美しいものであり、それを見たものは見惚れるあまり、憧れも覚えてしまうのである

憧れがきっかけでアイドルになろうと思う人もいるだろう

アイドルというのは、とても鮮やかなものである




しかし、
その鮮やかさも、表だけの世界だ

数多くの人々が『アイドル』というものを目指すなか、実際に表の世界で活躍するのはほんの一握りなのだ

裏の世界では、全く人気が出ず、泣く泣くアイドルの世界から去っていく人々が殆どであり、残酷な世界なのである

アイドルになりたいという純粋な夢を抱き、アイドルの世界に身を投じる少女達が、アイドル事務所へとやってくる

その数々の事務所が存在するうちの一つが、この765プロだ

数ある事務所の中でも比較的小さな所であり、世間に名前も知られていない極普通の事務所である……

……………………











……1人の女の子がやってきた

ガチャッ…とドアが開いて女の子が顔を覗かせた


「おはようございます」


「あっ!」とソファに座っていた二人が立ち上がる

まるで誰かが来るのを今か今かと待っていたような反応だった

「はるるん!」

女の子は、くいっ…と首を傾けた

「はるるん…亜美、ちょー面白そうな話を知ってしまったよ」

「真美もね」

「えぇ?」

女の子は不思議そうに二人を見た

「どんな話なの?」

「んっふっふ…それはね、呪われた街の話だよ」

女の子の顔が少し険しくなった
髪を結んでいるリボンがふっと揺れる

「えぇ…何か怖そうだね」

「そうそう、とっても怖い街なんだよ。亜美が知る話だとね」


壁に掛けてある時計が、チクタク…と音をたてる

無邪気に話す二人は双海亜美、双海真美
双子の姉妹である

その二人を相手する女の子は、天海春香

三人とも765プロで活動するアイドルだ

「その街の入り口には門があってね。それはそれは大きな門なんだよ。故郷って文字が記されているんだけどね、ねぇ真美」

「うんうん、とにかく立派な門なんだよ。街には先祖代々伝わる物が沢山あって、世界中探しても見つからない物もあるんだって」

「へぇ……なんか、門に記されてる通り、古い時代を描いた落ち着いた街なんだね」


「そう思うでしょ?」と、
亜美が身を乗り出した

「実は全く違う物騒な街なんだよ」

「えぇ…なんで?」

興味深そうに問う春香を見て、亜美は嬉しそうに話す

「そんな貴重な物が街にあると知ったら、それを狙って泥棒しに来る人もいるんだよ。重要なのはそこじゃないんだけどね」

「うんうん、重要なのはその街にある大きな森なのさ」

「森が…どうしたの?」

「分からないかい、はるるん。森と言ったら一つしかないよ」

「森と言ったら……?」

亜美はすっと息を吸い込んだ
急に真面目な顔になったので、恐る恐る春香も息を潜めた

一瞬、車の走る音も聞こえなくなったような気がした

…少しの間を開けて、亜美がかっと目を開く


「入ったら二度と戻って来れなくなるのさ」


「わあぁっ」と春香が飛び上がった
亜美はニタニタと笑みを浮かべながら



「とっても深い森でね。入った人は、川に溺れたり、猛獣に襲われたりして御臨終を迎えることになるのさ」

「うんうん。観光しに来たお客さんが全員遭難したって話もあってだね」

「もう…やめてよぉ〜」

怖がる春香を見て、あっはっは…と亜美が笑った

真美は笑いを堪えながら、

「傑作だよ〜はるるん」

春香は怖がってしまったことを情けなく思った
「もう…」と、ケラケラと笑う二人にため息をついて、慣れたような仕草で腕を組み、顔をむすっとさせる


「朝から変な話聞かせないでよね」







亜美も真美も、春香とは何歳も離れているものの、年の差を感じない程には話せる仲だ

そのことを春香は快く思っているのだが、いかんせん亜美と真美は悪戯好きなせいで自分よりも年下の相手にからかわれるのが常だった


今日も二人にからかわれてしまい、
いつもからかわれてばかりの自分を情けなく思い、うな垂れるも、仕方のないことなのかなぁ…と自分で納得するのであった


「あ…プロデューサーさんは何処にいるの?」

春香が思い出したように聞くと、

「うーん、兄ちゃんなら社用車の所にいると思うよ」

「えっ…外に?」

「さっきから、こっちに来たりあっちに行ったりして、荷物を運んでるんだよ」

「あ、じゃあ私プロデューサーさんの所に行って来るね」


春香はスタスタと歩いていき、事務所のドアを開けた

「荷物って、何を運んでるんだろう」

さっきまで明るかった視界はふっと暗くなる

事務所は明るくても、ビルの中は暗い
悶々としている暗闇に、ぽっつりと蛍光灯が明かりを照らしているだけだった

土付いた植木鉢から茫々と生えた草が床まで垂れ伸びており、側に『故障中』と張り紙の貼られたエレベーターが置物のように設置されている

春香はエレベーターとは向かい側の階段に足を踏み出した

カタン…カタン…
段を降りるたびに音が響きわたる

(そういえば…あのエレベーター、いつから壊れてたっけ)

降りながら、ふと春香はひとりごちた

何かのきっかけで動かなくなってしまい、修理されるまで待つのが常々だった

少し待つくらいなら、と思っていたのだが、それから一向に修理されることはない

いつまで経っても使用できないエレベーターに不満を漏らす者も居たのだが、階段でも特に負担が掛かることは無かったので、階段での行動が当たり前となった

そのうち、エレベーターの故障については誰も何も言わなくなり、いつの間にか忘れ去られているのである

カタン…カタン…

長期に渡り使い古された階段であった

ビルは低賃金で賄われており、
使用者達が同意を得ればエレベーターも無理に修理はしないのであった

安ビルに拠点を置かざるを得ないほど、
765プロも低予算で活動していた

今もこうして春香が手伝いに向かうほど、人手不足なのである

しかし、事務所内では亜美、真美が血の繋がりのないプロデューサーを『兄ちゃん』と呼ぶくらいには、狭い事務所で皆広々と生活している


この事務所のことを、春香は誇りに思っているのだが……


裏口を開けると、ふっと視界が明るくなる

水面から顔を出したような気分だった

背後…表道では、朝を思わせる騒がしい雑音が一面を賑わせている

春香は思わず、すっと息を吸い込んだ

「……ふぅ」

数ある車を見渡すと、ふと良く知っている男性が、何やらごそごそと後車を探っていた



「おはようございます、プロデューサーさん」

男性……プロデューサーは、ぴくっと動くと車から顔を出す
眼鏡の奥から、春香を捉えた

「おっ…春香か」

黒髪を清潔に保った、まだまだ若い顔立ちだった

春香は近づいて、言った



「何してるんですか?」

「ちょっと、運び物があってだな…」

「運び物…?」

「あぁ。新しいコンピューターを買ったんだ」

「コンピューター…ですか」

車の中を覗くと、大きな段ボールが座席を埋めていた

「とうとう、事務所のやつが壊れてしまってな…」

もう少し長持ちしてくれると思ってたんだがなぁ…と、プロデューサーはため息をつく

「へぇ〜…」

段ボールは、ガムテープで封がしてあり、新品を思わせる香りがほのかに漂った

「早速、運びましょうよ」

すると、プロデューサーは困ったように眉をくにゃっと傾ける

「そうしたいんだがなぁ…」

プロデューサーは腕組みして、

「このコンピューター…重くてな。運べずにいたんだ」

「じゃあ、私も一緒に運びます」

春香は車に潜り込み、段ボールに手を添え、

「ほら、運びますよ」

「重いぞ…?」

大丈夫ですよ!…と、春香は笑った

「元々そのつもりで来たんですから」

困った顔をしていたプロデューサーだったが、それを聞いて、少しだけ表情が緩くなる

「そうか…。悪いな」

プロデューサーも車に乗って潜り込み、
段ボールに手を添えた

「俺から先に降りるぞ…!」

「はいっ…!」

プロデューサーはゆっくり車から降りていく

段ボールは、カタツムリのように、ジリジリと動いていった

「よし…。じゃあ、春香も降りてくれ」

「はいっ…………いきますよっ!」

春香も車から降りようと、地に足を伸ばす

片足………、ゆっくりと地に足を付ける

順調に段ボールは傾いていく
春香は内心、ホッとした

(重いけど、これならなんとか運べそうだね)

このようにして協力することを、春香は快く思っていた

今も、プロデューサーの段ボール運びを手伝い、春香は嬉しそうに顔を微笑ませるのだが…、


車から降りて両足が地についた時、

「……っと…お、おぉ!?」

春香の身にずっしりと重い物がのし掛かった

「ど、どうした春香!」

「お、おお…重いです!」

「重いって…一旦下ろすか!?」

「いえ…は、運びましょう、早く!」

「あぁ、分かった!」

動く度に、ずし…ずし…と、春香の腕に重くのしかかった

春香は、力士が四股を踏むようにガニ股になる

体の至る所に痛みが走る

「こんなに重いコンピューター、どこで買ってきたんですか!?」

「通りの電気店でな…偶々、安いのが見つかったんだ!」

(コンピューターくらい高い物を買ってもいいんですよぉ!)

春香は内心そう呟いた

開けっ放しだった裏口を入り、階段の手前まで来た2人は深くため息をついた

「エレベーター…これほど使えればいいなって思ったことはないです」

「あぁ、俺もだ…。春香、まだ大丈夫か?」

「はい…」

小さな返事だった。階段は果てしなく続いているように見えた

春香はぶんぶんっと首を振り、元気よく返事する

「はいっ!…気合い入れていきますよ!」


春香はずんっと足を踏み出していった


…無いな
1日足りとも無い

俺が意識していないだけで、
毎日必ずアイマスの事を、ふと考えている時がある

まるで人が喋るのと同じように、
それが当たり前になっている






…それは、ちょっぴり恐怖じゃないか?

誤爆した、スレ建て直す
てか見てる人いる?

また誤爆から

みてるよ

ありがとう

あげ

「………あっ」

睨むものは、猫だった。

銀色の毛は不気味に光り、
さっきまでとは違う雰囲気が漂っている様に見えた。

少女は猫に向かって足を動かした。


じわ…じわ…

猫が毛を逆立てて威嚇する。

「フゥー……!!」




……そのとき、

猫に近づく少女の腕を、
もう一人の少女が引き止めた

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