女「そうじゃなくても」

女「こんな細い体じゃ無かったら良かったのにね」

友「…細いのが好みの奴もいる」

女「大体の人は、細い体より肉付きの良い体の方が好みだって聞いたけど…」

友「………それは男の人限定だ」

女「そ、そうなんだ」

友「…別に男でも細い方が好きな奴は沢山いる」

女「………」

友「………」

女「……じゃあ」

女「例えば、誰…？」

友「…そうだな」

友「例えば」

友「………俺、とか」

女「………」

友「………」

女「友ちゃん、女の子でしょっ」

友「……例えばの話だ」

女「さっきと言ってる事が矛盾してるよー、もうっ」

友「そうか？すまん」

女「もーっ！」

友「女でも細いのが好きな奴もいる」

女「もういいよぉ、その話は」

友「そうか」

女「女でも男でも関係無くなって来てるもん」

友「………」

女「………」

友「……で、どうするんだ」

女「……うん」

友「………」

女「…やめとくよ、やっぱり」

友「………」

女「…言わないでおく」

友「………そうか」

友「…それで、いいのか」

女「………」

女「…あのね、友ちゃん」

女「私、怖くないよ」

友「………」

女「…だって、もう分かってるから」

女「ずっとずっと、知ってたもん」

女「だから、もう閉じ込めておくよ」

友「………」

女「………応援、してね」

友「……泣き虫」

女「………えへへ…」

友（悲しい、でも）

友（怖い、でも無くて）

友（ただただ、苦しい）

友（応援なんて）

友（俺なんて）

友（全部、消えてしまえば良いと思った）

ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ

ｶﾞﾀｶﾞﾀｯ

友「………」

女「友ちゃん、一緒に帰ら」

男「女」

女「男君、どうしたの？」

男「幼馴染みの見舞いへ行こうと思ってるんだが、お前も来てくれ」

女「え……」

友「………」

男「お前の幼馴染みだろ？お前が行かなくて誰が行く？」

女「……私、は」

女「………」

男「…？？」

男「どうした？」

女「………」

男「…体調でも悪いのか？もしかして幼馴染みの風邪が移ったんじゃ……」

女「ち、ちが……」

友「明日」

男「明日？」

友「明日行くから今日は良い、って」

男「お、そうか」

男「んじゃ、俺は今から行って来るから明日頼むわ」

友「………」

女「………ぅ、ん」

女「…友、ありがとう」

友「ああ」

女「………」

友「………」

友「無神経な男」

女「え？」

友「そう思ってる？」

女「…！」

女「そんな事、思ってないよ」

女「思っちゃ駄目なの。私に思う、権利が無い…」

友「……冗談だ」

女「友が言うと、冗談に聞こえないよ」

友「………」

女「帰ろっか」

友「…そうだな」

女（例えば）

女（男君が私なら）

女（彼はそれでも、私を羨ましいと思えるだろうか）

女（苦しい）

女（苦しい）


友「…あ、この道新しくなってるな」

女「ほんとだー、いつの間に」

女（そう言えばこの道、よく幼馴染みと通ったな…）

女「………」

友「………」

ｶﾞﾁｬｯ

女「…ただいま」

女「………勉強、やだなぁ」

女「………はぁ」

幼馴染み「もうすぐテストだもんねっ！」ﾋｮｺｯ

女「！？！？」ﾄﾞﾃﾝｯ

女「お、おさな…っ……」

幼馴染み「何々ーっ、そんな驚かなくてもよいではないかー！」

女「な、何で……」

幼馴染み「何で、ってあたし達幼馴染みなんだからお互いの家に居てもおかしくないでしょーっ」

女「そうじゃなくて…っ…あっ、そうだ！熱はっ！？大丈夫なの！？」

幼馴染み「うん、ぜーんぜん平気だよーん」

女「顔赤いけど……っ」

幼馴染み「女に風邪移しに来たんだよー！移した方が早く治るって言うし！にししっ」

女「え、えぇ……」

てな感じで片思い百合SS書いていく
今日の分は終わり

>>8
友ちゃんのちゃんが抜けてた
脳内修正よろ

期待

女「…ぁ、の」

幼馴染み「んー？」

女「………男君は、どうしたの」

幼馴染み「男？男ならついさっき帰ったよ」

女「そ、そうなんだ…」

幼馴染み「うん」

女「…男君、折角見舞いに私を誘ってくれたのに断っちゃった。ごめんね」

幼馴染み「何で私に謝るの？」

女「あ……」

幼馴染み「…？」

女「いや、その……」

女「それ、は……」

女（それは）

女「……幼馴染みと男君は」

女「恋人、同士だからに決まってるよ」

女（声が掠れる）

幼馴染み「えー、そんなの今は関係ないよー」

幼馴染み「確かに私達付き合ってはいるけど、お互いの代わりじゃないんだしさ」

女「……うん、そうだね」

幼馴染み「そうそう！悪いって思ってるならちゃんと本人に言わなくちゃね」

女「……ほんと、そうだよね」

幼馴染み「……女、何か元気ないね」

女「えっ！」

幼馴染み「声が沈んでるもん」

女「そっ、そんな事ないよ！全然…っ…」

幼馴染み「……」

女「って！幼馴染みは病人なんだから寝てなきゃ！ほらほら！私の布団貸してあげるからっ」ｸﾞｲｸﾞｲ

幼馴染み「もう分かったよ～」

女「ほらほら」

女「………」

ｸﾞﾂｸﾞﾂ

女「今お粥作ってるから、そのままおとなしく待っててよ？」

幼馴染み「分かってるよー」

ｸﾞﾂｸﾞﾂ

女「あちっ！」

女「ひゃぁっ」

女「あれ？ネギどこ？」

女「あちぃっ」

幼馴染み「……ほんとに大丈夫なの？」

女「もっ、勿論！」

ｸﾞﾂｸﾞﾂ　ｸﾞﾂｸﾞﾂ

幼馴染み「……男君ね」

女「…」ﾋﾟｸｯ

幼馴染み「見舞いなのに『大丈夫？』の一言も無いんだよ」

女「……」

幼馴染み「酷いよね」

幼馴染み「彼、私を病人扱いしないの。いつも通り、至っていつもと変わらなく接して来るんだ」

女「……」

幼馴染み「でもね」

幼馴染み「私、それが嬉しかったの。心地良かった」

幼馴染み「気付いた瞬間、やっぱり男君だなぁって」

幼馴染み「胸が熱くなった」

女「…そう、なんだ」

幼馴染み「うんっ」

幼馴染み「！」ﾊｯ

幼馴染み「私、とんだのろけを……」

女「…ううん、気にしてないよ」

幼馴染み「そ、そっか」

女「…うん」

女（幼馴染みが、男君の事を話す度に）

女（嫌な気持ちが、ドロドロと胸の奥底から溢れて来る）

女（ああ、やっぱり私は）

女（男君には勝てないんだって、思い知らされる）

女（男君の事を話している時の幼馴染みの顔は）

女（何度も、何度も、見ないようにそっと隠してきた）

女（見てしまえば）

女（きっと心が全て崩れてしまうから）

ﾄﾝｯ　ﾄﾝｯ

女「…良い、彼氏さんだね」

ﾄﾝｯ

幼馴染み「うん！」

ﾄﾝｯ　ﾄﾝｯ

女（痛い）

女（痛い）

女（…………痛いよ）

ｽﾌﾟｯ

女「っいたぁっ」ﾊﾟｯ

ｶﾗﾝｯ

幼馴染み「！！」ﾊﾞｯ

女（……やってしまった）

幼馴染み「ちょっと！大丈夫！？女！」

女「うん、平気」

幼馴染み「平気って結構深くまでいってるじゃん！！」

女「平気」

女「平気だよ」

幼馴染み「！！」

幼馴染み「何で、何で、女」

女「………」

幼馴染み「……泣いてるの」

女「………」

幼馴染み「………」

女「余りに痛くって、さ……それで……」

女（切れた指なんて、全然痛くなくて）

女（心がずっと、泣いてる）

幼馴染み「………女？」

女「………痛い」

幼馴染み「…ち、ちょっと待ってね！今、消毒するから…っ…」

女「………」

幼馴染み「消毒液…っ…消毒液…！」

女（私、ほんとに駄目だな）

女（熱が出てる幼馴染みに気を遣わせて）

幼馴染み「あれ？消毒液、どこやったっけ？」ｶﾞｻｺﾞｿ

女（それに怪しまれた、かな……）

女（もっと上手く隠さなきゃなのに）

幼馴染み「あれれ？」ｶﾞｻｶﾞｻｺﾞｿｺﾞｿ

女「幼馴染み、もういいよ」

女「舐めとくし」

幼馴染み「だっ、駄目だよっ！ちゃんと消毒しないと！」

女「大袈裟だなぁ」

女（男君なら）

女（こんな失敗しなかっただろう）

女（私、は）

み