キョン「青の腐れ縁」 (6)
朝倉涼子と俺の関係性を簡潔に表すなら、腐れ縁だ。
隣同士の家、同い年の俺達は。だから、幼稚園から小学校、中学校と同じように進んできた……一度も別のクラスになったことがないという、おまけ付きだ。
まあ、同じ地域。いや、隣同士に住んでいるから必然的に生活範囲というのは似てくる。
進学とならば尚更で、幼稚園、小学校、中学校と受験して小難しいところに行こうともしなかった俺達は必然的に同じ生活範囲で過ごすことになるのだ。
そして同じ中学校で同じような授業を受け(しかし学力にはそこそこ大きな隔たりがある)、同じ地域から、同じように「家から近い所に進学したい」と思えば、同じように必然的に。
朝倉「またね、キョン君」
と、同じ高校になるのだ。
しかし、クラス分けに関しては一度くらいずれたっていいと思うのだが。そこが腐れ縁の腐れ縁たるところなのかもしれない。
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期待
自己紹介という憂鬱さを理解できる人間は多いだろう。
やらなければならないが、やりたくない。
やるべきことはわかるが、どうやるべきなのかがわからない。
そういったジレンマを内包したイベントなのだ。
気分も沈む。
しかし、朝倉はそんなことを感じさせない折り目正しく爽やかな自己紹介を終えてみせた。
朝倉の万能さというか有能さというべきか、才能の差というものはこういった小さいことにも感じさせられる。
今も昔も。
そのように少しノスタルジィにメランコリィな気持ちでいるとやはり態度もアンニュイになってしまうようで。
俺の自己紹介は成功しなかった。
とはいうものの、成功しない自己紹介などというものは往々にしてありえることだ。
気持ちを切り替えようと、後ろのやつの自己紹介に耳を傾ける。
俺は人生ではじめて、失敗した自己紹介というものを聞いた。
なんだ、ブレイブルーの声ネタじゃないのか
期待
朝倉涼子さん!
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