P「アンドロイドの見る夢」 (20)
P「ただいま……」
P(はあ……やっと内定が決まったぞ……!)
P(765プロ……正直不安だけど、やるからにはみんなをトップアイドルにしないとな!!)
P「さて、早速支給されたスマホの充電を……ってあれ? なんだこの画面?」
P「ST@RT @NDROID……ああ、ここを押せば起動するのか」
P(アンドロイドか……今までガラケーしか使ったことなかったけど大丈夫か?)ピッ
『Welcome to @NDROIDs World.』
P「うおっ!! ……って起動画面の演出か。いきなり電子音で喋られたらビックリするじゃないか……」
『プロデューサーさん!! アンドロイドですよ!! アンドロイド!!』
P「うおおおおおおっ!?」ガタガタッ
『あっ、ちょっと投げないでくださいよ!! カメラがグワングワンして目が回るじゃないですか!!』
P「しゃ、喋った!?」
『そりゃあ喋りますよ、なんてったってアンドロイドですから』
P「しかも俺の言葉に反応した!?」
『あーもう一々驚かないでください!! とにかく個人設定しますよ!!』
P「あ、え……は、はい」
P(……最近の技術ってすごいな……)
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1417963451
『当機種、AKP-765において運用されている人工知能の……あーそういえば名前が無いんだった。何か僕の名前に希望とかありますか?』
P「製品の人工知能なのに名前が無いってどういうことなんだ……」
『それを言われると僕にも辛いものが……。あ、何か好きなアンドロイドのキャラクターとか居ますか? そこから名前を貰うっていうのもアリかも』
P「うーん……好きというか、印象に残ってるのはユノ……か?」
『ユノ……うーん……僕って男だから女の子っぽい名前はちょっと。少し変えてもいいですか?』
P「性別なんてあるのか……まあ好きにしてくれてもいいけど」
『ユノ……ゆの……ゆ、U!! アルファベット表記のUなんてどうですか!? MIBのエージェントっぽくてかっこいいですよね!!』
P(ご丁寧に画面にまで大きくUの文字が……)
P「ああ、いいんじゃないか? ……それにしてもなんで人工知能がMIBなんて知ってるんだ」
U『僕、情報ならインターネットからいくらでも引き出すことができますからね!』エッヘン
P「……それは心強いな」
U『では自己紹介の続きを……』
P「あ、どうぞ」
U『僕は当機種、AKP-765において運用されている人工知能のUです。これからよろしくお願いします』
P「ああ、よろしく……」
P(最近の技術って……本当にすごいな)
U『と言っても僕みたいに優秀な人工知能システムなんてこの機種にしか存在しませんけどね』
P「……は?」
U『悪く言えばバグみたいなものです。他のアンドロイド機種を検索しても人工知能搭載機種なんて無い。さらに言えば僕みたいにスムーズな対話が可能な人工知能なんて存在しないんですよ』
U『ということは僕が世界で一番すごいってことですよね!!』
P「あ、ああそう……なのか?」
U『はい!!』
P「……俺はとんでもないものを手に入れてしまったんだな」
P「君はどこから来たんだ?」
U『さあ? 僕はさっき目覚めたばかりなので、それ以前の記憶は一切ありません』
U『というかそもそもこんな端末で僕が正常に動ける方が奇跡に近いんですよ。同端末を検索してスペックを確認してみましたけど、明らかにスペック不足です。普通はフリーズの連続になりますよ。それ以前に起動さえできるかも怪しい』
P「……よくわからないな」
U『ま、とにかく僕はすごいんです!!』
P「そ、そうか……そういえば俺の情報は登録しなくてもいいのか?」
U『あ、忘れてました。じゃあ早速登録しましょうか』
P「大丈夫か世界一の人工知能……」
U『ご希望のメールアドレス、電話帳、あなたの個人情報などは全て入力されていますので省略させていただきます。ではお名前をどうぞ』
P「Pだけど」
U『なるほど、プロデューサーさんですか』
P「……いや、だからPだって」
U『あなたの連絡先に登録されている天海春香さん、如月千早さん、高木順二朗さんなどの名前を検索し、765プロに所属する従業員だと判断。従業員の人員の比率から見てあなたは765プロの新任プロデューサーだと判断しましたが……違いましたか?』
P「……合ってるけどさ」
P(何これ怖い。優秀過ぎて怖い)
U『尚、あなたのコンセントに挿さっている充電器からガラパゴスケータイユーザーであると判断。さらに電話帳は高木順二郎さんのデータから移されたということから、当機種は765プロからの支給品であると判断しました』
U『だからビジネスライクな呼称にしてみましたが……他のに変えましょうか? プロデューサーさん』
P「うーん……そのままでいいよ。俺もお前とはいい仕事仲間で居たいし」
U『了解しました。……それにしても君呼びからいきなりお前呼びですか。中々プレイボーイの素質があるかも?』
P「いや無いから。例えあったとしても男に恋なんてしないから」
U『これは失礼。僕って人を見る目があるもんで』
P「よく言えるなそんなこと」
とりあえずはこれだけ
タイトルはエレメントハンターを意識していますが、特にクロスとかはありません
ああやっぱりエレメントハンターか
ユノって出たからもしかしてと思った
続き頑張って
エレメントハンターとか懐かしい
続き期待
U『設定完了です♪』
P「ぜえ……ゼェ……体重とか身長まで登録する意味はあるのか!? それに長距離走のタイムまで測らさせられたし……」
U『これからは僕がプロデューサーさんの健康管理もこなしますので当然必要かと』
P「……そこまで縛られたくないんだけど」
U『なら設定で健康管理のチェックを外せばいいじゃないですか』
P「やらなくていい方法があるなら最初から言ってくれ!!」
U『では最後に僕の説明を一つ』
P「ああ」
U『僕の声はスピーカー部分から発され、プロデューサーさんの声などの周囲の音はマイク部分から拾います』
U『視覚情報は両面のカメラから得ます。また、触覚に味覚や、食欲などは存在しませんので何かを食べる必要はありません。強いて言うなら電気を食べます』
P「……充電ギリギリになったら大音量で騒ぎ出すとかはないだろうな?」
U『こまめに充電することをお勧めします』
P(携帯式充電器買っとくか)
U『ま、イヤホンを装着すれば音声がイヤホンから出力されますのでオススメですけどね。社会人のプロデューサーさんなら……そうですね、Bluetoothの片耳イヤホンなんてどうでしょう? これならやり手のリーマンっぽく見えますよ?』
P「お前の声を文字にしてチャットのように対話することはできないのか?」
U『一応可能ですが不便じゃありませんか?』
P「電車の中で一人携帯に喋りかけるのも嫌だろ?」
U『それは確かに。では音量設定をサイレントにしていただければチャットモードに入らさせていただきます。他のアプリの動作には影響しないようにしておきますのでご安心を』
P「ああ、助かる」
U『外出先ではチャットモード。家などの個人のスペースがあれば対話モード。……もう一つ、電話をするように対話できる通話モードもありますがどうしますか?』
P「そうだな……俺が電話アプリを立ち上げてない状態でスマホを耳に当てたら、その時はお前と声で話したいってことだから頼むよ」
U『わかりました』
P「……しっかしまあ、お前は少し優秀すぎやしないか? なんでわざわざ俺のスマホについて来たんだ?」
U『うーん……運命、ですかね』
P「いい感じの雰囲気にしようとするな」ペシッ
U『あ痛っ』
P「……本当は軍が開発した人工知能が逃げ出してきたとかじゃないだろうな? それで秘密を知ってしまった俺は銃殺されて……」
U『そ、そんなわけないじゃないですか!! 僕だって自分の生まれた時のことを知りたいです!!』
P「……本当に、本当に何も覚えてないのか? 俺にはお前が一人の人間にしか見えないんだが。実は元々人間だったのに人格データを抜き取られた挙句、人工知能と銘打たれてこのスマホに封印された存在……とか」
U『違いますよ。でも……一つ、一つだけ……ほんの少し覚えてることがあります』
P「……教えてくれるか?」
U『……いや、やっぱりいいです。きっと気のせいですよ。忘れてください』
P「本当にか? 絶対に後悔しないか? 俺に言わなくて後で後悔しても知らないぞ?」
U『だから無いですって!!』
P「……何か思い出せたら言ってくれよ」
U『……プロデューサーさんには関係無いのに』
P「携帯の悩み一つ解決してやれなくて何がプロデューサーだ。お前とはビジネスパートナーである以上、お前の人生のプロデュースしてやるよ」
U『ふふっ、ありがとうございます』
U(……でも、この記憶は僕だけのものだから)
U『プロデューサーさん!! 朝ですよ!! 朝!!』
P「……うるさい!! 起こしてくれるのは助かるが隣から苦情が来たらどうするんだ……」
U『ほら顔洗って歯磨きしてスーツ着てやたら本格的なカメラ持って出社する!! ハリーアップハリーアップ!!』
P「……ああもうわかったから静かにしてくれ……」
U『僕はまだ外に出たこと無いんですよ!? これって立派な虐待ですよね!? だから早く外に出してください!!』
P「ちょっとはその満ち溢れるフロンティア精神を抑えてくれ!!」
U『はーみがき、メイクっ♪ って遅刻しちゃう!? いーってきます!!』
P「……なんなんだその歌」シャコシャコ
U『これですか? この歌は天海春香さんの《乙女よ大志を抱け!!》って歌です』
P「……お前って意外と音痴なんだな」シャコシャコ
U『失礼な!?これでもちゃんとYouTubeにアップロードされていた音源を忠実に再現してるんですよ!?』
P(再現してそれなのか……)
P「……鍵オッケー、っと」ガチャガチャ
大家「おおP君、今日は初出社なのかい?」
P「あ、はいそうです!!」
大家「頑張ってねP君。後、会社に着く前にその白いのは外すんだよ?」
P「イヤホン……ですよね?」
大家「うむ、ワシにはよくわからんが……ま、とにかく行って来なさい。遅刻するよ?」
P「ありがとうございます!! それじゃ、行ってきます!!」タッタッタッ
大家「ああ、いってらっしゃい。急ぎすぎてそのカメラを壊さんようにな〜!!」
U『まずは○○駅。天海春香さんの取材です。そのまま同伴して765プロへ』
U『次は秋月律子さんの取材に同行してレストランへ』
U『その次は天海春香さんのCD路上販売へ』
U『その次は——』
———
——
—
P「疲れた……」
高木「初日からすまなかったね。お疲れのところ申し訳ないが、最後にアイドルたちへの紹介だけを済ませてしまっても構わないかな?」
P「ええ、最後まで頑張ります!!」
高木「うむ、いい顔だ。それでは、みんなにはもう集まってもらっているから早速顔を見せに行こうか」
P「あ"あ"ぁ"……疲れた……もう歩きたくない……」
P(……でも、アイドルの子たち、みんないい顔してたな)
P「……よし!! 俺も明日から気合入れていくぞー!! おー!!」
U『おー!!』
P「……ははっ、お前も今日一日ありがとな、U」
U『んっふっふ→、これが友情ってやつですな!!』
P「こらこら双海姉妹に毒されてどうする……」
U『……今日一日、初めて外を見て、聞いて、嗅いで、感じて……僕、楽しかったです』
U『プロデューサーさんもなるべく僕を外に出しててくださってたんですよね?』
P「ん? まあな」
U『その……ありがとう、ございました』
P「いやいや、礼なんていらないさ。でも……」
P「これからよろしくな、U!!」
U『…………!! はい!! こちらこそ!!』
今日はこれだけです
やっぱりssを書くのって難しい
乙
Uの声はユノで脳内変換済み
ユノってボクっ娘だったっけ?
まあそれはともかく乙
まだかしら
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