男「ラーメン屋の前」
メリー『いつ帰って来る?』
男「んー、20分後位」
メリー『そっか、じゃあ電話切るね』
男「うん」
友「誰からの電話?」
男「分からん」
友「えっ」
友「着信履歴は?」
男「非通知だな」
女の子の髪の匂いを一日中嗅いでたーいっ~♪
友「・・・電話鳴ってるよ?」
男「非通知からだな」
友「出ないの?」
男「いや、出る」
男「もしもし」
メリー『私メリーさん』
男「俺は男」
メリー『うん、知ってる』
メリー『あなたは今、何が食べたいの?』
男「今ラーメン食べたばっかりだから、特に」
メリー『分かった、電話切るね』
男「うん」
友「同じ人?」
男「多分そうだったな」
友「なんて言ってた?」
男「食べたいものはあるのかってさ」
友「・・・その人、君の奥さんじゃないよね?」
男「俺はまだ独身だし、それに」
友「それに?」
男「結婚するならお前に目一杯彼女を自慢してからするしな」
友「でも、僕は君より早く彼女を作る予定だよ?」
男「根拠は?」
友「勿論、無いけどね」
男「ダメじゃん」
女の子の髪の匂いを一日中嗅いでたーいっ~♪
友「今日3回目だね」
男「いや、ラーメン食べてる時に12回位かかってきてた」
友「・・・ストーカーかい?」
男「さぁ?」
友「僕が出てみても良い?」
男「良いよ」
友「もしもし」
メリー『私メリーさん、・・・男じゃない?』
友「うん、男の大親友の友だよ」
男(自分で言うか、普通?)
メリー『そっか、貴方があの友さんね』
友「僕を知ってるの?」
メリー『一応知ってる』
メリー『それじゃあ、・・・電話切るね』
友「うん、またね」
男「どうだった?」
友「声は可愛いね」
男「女ちゃんとどっちが可愛い?」
友「んー・・、僅差で女かなぁ」
男(良かったな、女ちゃん)
男「最近どうなの?」
友「女と僕?」
男「うん」
友「仲良くやってるよ」
友「今度一緒に鍋をつつく予定だしね」
男「ふーん、そっか」
友「男もどう?」
男「んー・・、いや、遠慮しとく」
友「なんで?寂しいじゃないか」
男「色々あって忙しくなる予定だから」
友「あぁそっか、塾の先生も大変だね」
大好きな君の髪の毛に一日中触れーてたーいっ~♪
友「まただね」
男「友が出るか?」
友「遠慮しとくよ」
男「もすもす」
メリー『私メリーさん、あなたは今、何が欲しいの?』
男「欲しいもの?」
メリー『うん』
男「あー・・・、俺に似合った奥さんかな」
メリー『・・・・・・』
男「どうした?」
メリー『ううん、なんでもない』
メリー『電話、切るね』
男「おう」
友「何を聞かれたの?」
男「欲しいもの」
友「お金とかじゃないんだね」
男「あり過ぎても困るだろ?」
友「そうかな?僕は少なからず欲しいけど」
男「第一、何に使うんだよ?」
友「新居とか車とか」
男「俺は今の家で満足してるし、車も今のままで充分だ」
友「じゃあ、世界旅行とか行くのは?」
男「一人では行きたくないし、俺の生徒も困るだろ?」
友「優しいね、男は」
男「うっせ、真顔でそんな事言うな気持ち悪い」
友「なのに、どうして彼女ができないんだろうね?」
男「知らん」
女の子の髪の匂いを、ずっと!ずっと!~♪
男「お、16回目か」
友「あえて出ないってどう?」
男「可哀想だろ」
友「じゃあ、早く出てあげなよ」
男「勿論」
男「もしもし」
メリー『私メリーさん、あなたは今、幸せなの?』
男「あぁ、結構幸せだな」
メリー『そっか、良かった』
男「お前は?」
メリー『え?』
男「お前は今幸せか?」
メリー『・・・・・分からない』
男「そうか」
メリー『電話、切るね』
男「ん、またな」
友「幸せねぇ・・・」
男「一部充実してないが、自称リア充だかんな、俺」
友「僕はもう少し仕事を増やしたいな」
男「収入が不安定だから?」
友「いや、この仕事が好きだから」
男「ワーカーホリックってやつか?」
友「僕に言えるなら、君にも言えるでしょ?」
男「そうなのか」
友「そうだよ」
友「あ、僕の帰り道、駅と反対側だからここでお別れだね」
男「良いな、家が駅に近いって」
友「少し電車の音がうるさいけど、良い所だよ」
男「じゃあまた今度お前ん家行くわ」
友「うん、いつでも来なよ」
友「じゃあねーっ」
男「またな」
くんかくんかくんかくんかくんっ!~♪
男「・・・17回目、か」
男「もしもし?」
メリー『私メリーさん、あなたは今、何を見てるの?」
男「忌々しい駅前のでっかいクリスマスツリーを見てる」
メリー『・・・そう」
男「お前は何を見てる?」
メリー『押入れの奥の宝箱の中身』
男「ちょ、やめろってそれは・・・」
メリー『時、既に遅し」
男「・・・・・感想は?」
メリー『センスは良い』
メリー『電話、切るね?』
男「あ、ちょっと待った」
メリー『?』
男「俺、今から少し電車乗るから電話は出れなくなるんだが・・・」
メリー『分かった、メールにする』
男「ん、助かる」
男「あと15分位でそっちに着くから待ってろ」
メリー『分かった、電話切るね』
男「おぅ」
男(今更だがこれって俺、誰かのイタズラじゃない限り、都市伝説ってのを体感してるんか)
男(案外、凄い事なのかもな)
ヴヴヴッヴヴヴッ!
男「お、早速メールだ」
メリー『私メリーさん、あなたは今、昔の夢を叶えているの?』
男「・・・ふむ」
男(叶えられてはいない、と送信っ)
男(夢かぁ・・・メリーさんのアドレス、登録しとこうか)
男(mary@dakgmkpmtpmjtpmdtm.cjgjtplsmって、これ最初の部分以外は意味不明だな)
男(でも、なんか都市伝説っぽくて良いな)
男(つーか、メリーさんの話って最後どうなるんだっけ?)
男(・・・・・ま、まぁ、死ななきゃ良いか)
鷲崎タケシのステマ?
誰だそれ
>>19
そう思えてしまったなら、少し反省します。
すいません。
つづきはよ
男「・・・・・・」
男(メリーさんって、確か人形なんだよな)
男(女の子がなんか色々あって、大切にしていた人形を手放しちゃって)
男(その人形に魂が宿って・・・みたいな)
アナウンス「間もなくー、○○、○○でございます」
男(・・・メリーさんとのご対面もそろそろか)
ヴヴヴッヴヴヴッ!
男(お、メール・・・友?)
友『今回の出来事、今週末の放送でネタにしても良いかい?』
男(・・・ラジオでメリーさんの実在を伝えるって事か?)
男(あまりして欲しくはないな・・・)
男(確かに、面白い話のタネにはなるだろうけど)
男(・・・・・・)
男(せいぜい、僕の友達が都市伝説に遭遇した、程度の話にしてくれ・・と書いとくか)
男(よし、送信っ)
ヴヴヴッヴヴヴッ!
友『ありがとう、助かるよ』
男(・・やっぱりお前、ワーカーホリックだよ)
男(休みの日くらい、仕事から離れりゃ良いのに)
ヴヴヴッヴヴヴッ!
男(・・メリーさんからか)
メリー『私メリーさん、あなたは今、いらないものを持っている?』
男(・・・いらないもの、か)
男(そういや、大学時代に使ってた壊れたペンケースがあったな、確か)
男(なんか捨てられないんだよな、アレ)
男(昔使ってたペンケースっと、送信っ)
男(あ、後10分で家に着く事も伝えた方が良かったかな・・・?)
支援ですぞ!!(`◇´.)
男(こっちの駅前にもクリスマスツリーがあるんだよなぁ)
男(所謂、クリスマスムード一色ってやつか)
男(当日まで、あと3週間あるってのに)
男(友の野郎はきっと、女ちゃんに予定を取り付けられるだろうな)
男(何が彼女ができる自信に根拠が無いだ、あの野郎)
男(道を歩いてたら稀にできる運命的な出会いとか、起きないかなー・・・割とガチで)
ヴヴヴッヴヴヴッ!
男(案外、メリーさんとくっついたりしてな、俺)
男(中々斬新な出会い方だし、ある意味運命的か?)
メリー『私メリーさん、あなたは今、恋をしていますか?』
男(・・・すっげえタイミングだな、この質問来るの)
男(残念ながら相手がいないから出来ない、と)
男(我ながら悲しい文面だ)
男(・・・さて、我が家に到着した訳だが)
男(・・・インターホンでも押すか?)
男(いや、ここは自分の家だろう、俺)
男(・・・なんか、見知らぬ人が留守番してる我が家って変だな)
男(無駄に他人の家みたいな雰囲気があるというか・・・)
男「・・・よし、入るか」
・・・・。
「・・・おかりなさい、男さん」
男「・・・た、ただいま?」
メリー「やっと、会えましたね」
男「おぅ」
メリー「・・・私が言うのも難ですが、どうぞ靴を脱いで」
男「・・・俺も色々と聞きたい事もあるし、疑問に思う事もある」
男「でも、それらは今は我慢する」
メリー「はい」
男「ただ、これだけは言わせてくれ」
メリー「?」
男「・・・服、着てくれないか?」
メリー「・・・すいません、私、裸族なもので」
男「分かった、だが少なくとも俺の前では服を着てくれ」
メリー「・・・しょうがないですねぇ」
男「自分の胸を持ち上げながら言うな」
男「つーか、まず恥じらいってのを少しは持ってくれ」
メリー「はぁ、・・・でも
この体はただの人形なので、私の体ではないんですよ」
男「・・・今の所、都市伝説通りだな」
しえん
メリー「というか、そもそも都市伝説というのは�・死者が生者にコミニュケーションをとるための手段�・ですよ?」
男「・・・は?」
メリー「つまり、人が信じる神様と意図的に流したデマ情報が都市伝説」
男「?」
メリー「さらに言うなら�・uma�・と言われるものもそうですね」
男・・・すまん、話の展開が急過ぎてさっぱり理科が出来ないんだが」
メリー「簡単に
すいません、推敲してる部分を間違えて投下してしまいました。
脱字や誤変換も結構多いから落ち着いて(^-^)
メリー「都市伝説、ですか・・・」
男「・・・もしかして、言われたくない言葉だったか?」
男(そもそも、初対面でいきなり裸を見ちまってるし、・・・理由はどうであれ失礼だよな、俺)
男「そうだったらすまん、あまりこういう出来事に慣れてなくてな」
メリー「いえ、そんな事は」
メリー「人形とはいえ、全裸の見知らぬ女性を目の前にして、普通に落ち着いていられる男性には私自身、少し引きますから」
男(・・・これは、ツッコミ待ちなのか?)
男「だ、だったら・・・えーっと、とりあえずこのtシャツでも着ておいてくれないか?」
メリー「あ、はい」
男「すぐ暖房を入れるから、寒いだろうが少し我慢をしてもらえると助かる」
メリー「・・・あの、私人形ですから、寒さとかは感じませんよ?」
男「あ、そ、そうか、すまんな、見た目普通の人間にしか見えないからか、つい」
メリー「・・・・・・」
男「あ、いや、そのー・・・」
男(どんな対応が正解か全っ然分からねぇ・・・)
メリー「・・少し、見ててくださいね?」
男「お、おう・・・」
メリー「よっ・・・と」
メリー「これで、良いですか?」
男「・・・!?」
男(首が・・・身体から離れた首が、喋ってる・・・!?)
メリー「・・・あの、いくら裸族で、見られて興奮するタイプの私でも、その目線はさすがに少し・・・」
男「・・・お、おぉ、すまん」
メリー「・・・怖い、ですか?」
男「いや、メールしてたおかげか、怖くはない」
男(本当はちょっと怖い)
メリー「そう、ですか」
男「・・・」
男(・・・なんか、なんでもアリって完全に思っちまえば割と落ち着けるかもな)
メリー「・・・そろそろ、私の存在についてと、ここに来た理由を話しても良いですか?」
男(・・・やっぱり、まだ落ち着けないかもしれんな)
メリー「あ、それから、あなたにして欲しい事もあります」
男「・・・ん、分かった」
メリー「では早速・・・」
男「・・・・・・」
メリー「抱いてくd」
男「却下」
メリー「・・・いけず、ですね」
男「まず俺はお前が人形だ、という事しか知らない」
男「それに、俺は付き合ってない女性とsexはしない」
男「そしてお前はtシャツを脱ぐのを今すぐ止めろ」
メリー「・・・でも、私の場合、sexじゃなくて実質オナn」
男「それでもだ」
メリー「そうですか・・・」
男「思ったんだが」
メリー「?」
男「もしかしなくてもお前さ、周囲から変態呼ばわりされてないか?」
メリー「・・・男さん」
男「あ?」
メリー「類は友を呼ぶんですよ」
男「とりあえずその殴りたくなるレベルのドヤ顔は止めろ」
メリー「・・・まあまあ落ち着いて下さいよ、3割は冗談ですから」
男(・・・割と本気だったんじゃねーか)
メリー「まず、あなたにして欲しい事ですが・・・」
男「・・・・・・」
メリー「私の作った料理を食べて下さい」
男「・・・は?」
すいません。
>>41本気→マジに訂正お願いします。
構わぬよ( ̄∇ ̄*)
男「料理って・・・あの料理か?」
メリー「どの料理かは分かりませんが、多分その料理です」
男「・・・あれ、確か俺、お前にラーメン食った事を言った気がするんだが」
メリー「はい、確かに言われました」
メリー「なので、あっさりとしたものを作ってみました」
男(・・・笑顔は可愛いのな、メリーさん)
メリー「台所に置いてあるので、ちょっと取ってきますね?」
男(すげーナチュラルに首を身体にくっつけてたな、メリーさん)
男(どんな仕組みになってんだろ?)
男「・・・料理、ねぇ」
男(自炊はよくしてるが、異性の手料理なんて大学1年目以来だ)
男(あの時は、それぞれの得意料理を作り合ったりした時もあったなぁ)
メリー「お待たせしました、男さん」
男「メニューは?」
メリー「私特製の雑炊ですね」
男「確かにあっさりして
みす。
メリー「台所に置いてあるので、ちょっと取ってきますね?」
男(すげーナチュラルに首を身体にくっつけてたな、メリーさん)
男(どんな仕組みになってんだろ?)
男「・・・料理、ねぇ」
男(自炊はよくしてるが、異性の手料理なんて大学1年目以来だ)
男(あの時は、それぞれの得意料理を作り合ったりした時もあったなぁ)
メリー「お待たせしました、男さん」
男「メニューは?」
メリー「私特製の雑炊ですね」
男「確かにあっさりしてるな」
メリー「あーんとか、した方が良いですか?」
男「いや、自分で食べるよ」
メリー「そう、ですか」
男「その代わり、君自身について説明してくれないか?」
メリー「私自身の説明ですか?」
男「あぁ、君がどんな存在かとか、ここに来た理由を知りたい」
メリー「・・・・・・」
メリー「分かりました、・・・ただ、一つだけ」
男「?」
メリー「この事は絶対に口外しないで下さい」
男「・・・おぅ、分かった」
メリー「まず、私自身・・・正確にはこのメリーの中にいる私について、ですね」
男「ん。・・・あ、これ美味いな」
メリー「あ、ありがとうございます」
メリー「それで、私ですが・・・」
男(なんか、食った事がある味な気がするんだよな、この雑炊)
メリー「名前は、少女と言います」
男「!」
メリー(以降、少女と書きます)「聞いた事ある名前ですか?」
男「大学時代、後輩に同じ名前なのがいたのを覚えてる」
男(思い出した)
男(これ、あの時大学で少女ちゃんの作ったやつに似てるんだ)
少女「覚えていてくれたんですね」
男「・・・へぁ?」
男「どーゆー事だ?」
少女「私は、紛れもなく男さんの大学の一つ下の後輩です」
少女「勿論、この身体の中身が、という話ですが」
男「待て、ちょっと待ってくれ」
男「ハッキリ言って、たちの悪い冗談にしか聞こえない」
メリー「なんなら、証拠として何か言いましょうか?」
男「仮にそうだとして、何故メリーさんとして俺の前に座っている?」
少女「察しはついているんじゃないんですか?」
男「何がーー」
少女「私は、去年のこの時期に、交通事故によって命を落としました」
男「ーーー!?」
少女「証拠なら、インターネットで《○○県□□市 *轢き逃げ》と検索してみて下さい」
少女「多分、事件の内容と、私の名前も出てくる筈です」
男「・・・だったら、だったら何故俺に連絡が来ないっ!?」
男「先輩達や同期男は何故俺に何も言ってくれないんだ!?」
少女「男さん、少し落ち着いて下さい」
男「~~っ!」
少女「まず、それに関しては、私達はあなたに謝る事から始めないといけないと思ってます」
男「何をだ?」
少女「事情も、何も知らずにあなたを貶し続けたことをです」
少女「前だけを見て努力を続けるあなたの居場所を作れなかった事を、彼らは罪に思っています」
男「・・・・・・」
少女「あなたをただ、現実を見ずに形の無い夢を掴もうとしていると、馬鹿にする事しか出来なかった私達はーーー」
男「その話はもう飽きたって言った筈だぞ?」
男「少女ちゃん」
少女「でもっ!」
男「その事は何度も言ったけどもう終わった問題だろ?」
少女「でも、あなたの努力の結果を私達は才能として妬み、そしてあなた自身を追い出した」
少女「間違いに気付いた時にあなたはもう、こっちに出て行ってしまっていました」
少女「彼ら、特に同期男さんは自分にあなたと話をする権利さえ無いと、多分今でも自分を攻めています」
男「先輩達や少女ちゃんから謝罪の言葉は貰った事あるし、俺も別に気にしていないと返した」
男「それで話は終わってる筈だ」
少女「・・・・・・」
男「それに、この話がお前が死んだ知らせが無い事に繋がりがあるとは思えない」
男「は?」
少女「彼らは、あなたに会うのが怖いんだと思います」
男「・・・」
少女「多分、あなたに何か言われたら、罪悪感に押しつぶされてしまうから、・・・怖いんだと、思います」
男「・・・分かった、じゃあ俺から乗り込んでやるよ」
少女「・・・はい?」
男「要はあの馬鹿達が俺から逃げてるって話だろ?」
男「だったらこっちからあいつらん所行って、言いたい事伝えて、一発ブン殴って、朝まで飲み会すれば良いって訳だ」
少女「男さん・・・」
男「本当は、少女ちゃんの事を伝えなかった事を一発の拳だけで済ます気は無いが、一応形はどうであれ俺は少女ちゃんと会って話せてる」
男「だから、残りの99発分は飲み会の奢りだけで許してやるだけだ」
少女「やっぱり、優しいんですね、男さんは」
男「俺の夢は、頼もしい親友が引き継いでくれてるし、今の生活に俺は満足できてるしな」
男「だから決して優しい訳じゃなくて、そもそもその事に関しては怒ってないだけだ」
少女「そうですか」
男「そーゆー事だ」
男「だから、この話題は終わりにしないか?」
少女「分かりました、じゃあ終わりです」
男「おぅ」
少女「では男さん、次の話に入る前に、お願いをしておきます」
男「?」
少女「私がこのメリーという人形に入っていられるのは、私の未練が無くなるまでです」
少女「そもそも、この世の都市伝説というのは、死んだ人の強い未練が生む奇跡なんです」
男「へぇ、じゃあさ、その未練が恨み辛みだったらどうなるんだ?」
少女「恨み辛みのような歪んだ未練は基本、あまり強くありません」
少女「それでも残る歪んだ未練は、多分怨霊や悪魔と称されるものになるのかと思います」
男「そうなのか」
少女「そうです」
少女「それでお願いですが、このメリーさんがただの人形になってもここに置いておいてくれませんか?」
男「お安いご用だよ」
少女「ありがとうございます」
男「それにしても、この雑炊は美味いな」
少女「そうですか?」
男「まず、女子の手料理自体久しぶりだからな」
少女「彼女とかはいなかったんですか?」
少女「この6年間に」
男「そんなもん、いないに決まってんだろ?」
男「大体、女の子との接し方でさえ、大学出てもまともに分からないままだったしな」
少女「へぇ、これはまた意外ですね」
男「だから、大学で少女ちゃんの鶏雑炊食った以来の異性の作った飯って訳だ」
少女「・・・そこまで覚えてくれているんですね」
男「男子って生き物は女の子との良い思い出を忘れないって特徴があるんだよ」
少女「あなたが優しいだけじゃないですか?」
男「優しい男はモテるからな、俺はモテてないから当てはまらない」
男(実際、友の野郎はモテるしな)
男「完食っ、と」
男「ごちそうさん、いやぁマジで美味かった」
少女「ラーメン食べたんじゃなかったんですか?」
男「大丈夫、魚介系スープのあっさりラーメンだったから」
少女「そう、ですか」
少女「では、そろそろ私の未練について話をします」
男「もうするのか?」
少女「はい、死んだ人の魂がいつまでもこの世にいるのはマズイですから」
男「そっか」
男「まー、ハッキリ言えば察しはついているんだけどな」
少女「じゃあ、話は早いですね」
少女「お別れです」
まずはあの時、見てる事しか出来なかった私を許して下さい。
臆病者で、自分の保身を考えてしまって、何も出来なかった私を・・・
男「だから、それは別に良いって」
ありがとうございます。
では、改めて・・・
私の未練というのは、私自身の気持ちの問題なんです。
それに巻き込んでしまった男さんには、本当に悪いと思っています。
では、私の気持ちを男さんに、伝えたいと思います。
私は、いつも優しくて、面白くて、一緒にいて楽しくて、少しドジな所もある男さんを・・・
自分の事にも、他人のことにも本気になって取り組んで、時には失敗して全ての責任を背負ったりして、いつでも自分に正直な男さんを・・・
男さんを、私は、愛していましたっ!
男「・・・汚い人形だな、これ」
男「しゃあない、洗うのも面倒だし、キッチンにでも飾っておくか」
男「・・・この歳になってマジ泣きってどうよ?」
男「・・・・・・」
男「あぁ、畜生、止まらないや」
・・・・・・。
『私メリーさん、あなたは今、いらない物を持っている?』
男「こんな壊れたペンケースで良いならくれてやるさ」
男「ま、間違いか何かでゴミにならんように花も一緒に置いといてやるよ」
男「・・・よし、じゃあ馬鹿どもを殴りに行きますかね」
ヴヴヴッヴヴヴッ!
『ありがとうございます、ずっと大事にしますね?』
終わり。
乙だった
一応、続きとかもあるんですが、気になります?
そんなことより最後のペンケースやらメールやらがよくわからん
>>64
私気になります!
>>65
一応、少女の行動は全てメールや電話の内容から取ったものになっています。
それで、男は最後に一つだけ、あるメールの内容から少女の望みを察したという事にしたかったんですが、自分の表現力ではまだまだだった様です。
少し考えればわかるしとっても面白かった
乙です
訂正
>>62の一つ目のメール内容を
『私メリーさん、あなたは今、いらないものを持っている?』にしといて下さい。
乙
良かったとしか言えない
乙
泣きそうになった
続きは?
>>72
男「朝起きたら朝飯が用意されていた、独身なのに」
男「朝起きたら朝飯が用意されていた、独身なのに」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1354551112/)
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