雪歩「こんなの絶対おかしいよ!!」(179)
雪歩「プロデューサーとアイドルがだなんて・・・」
真「そうかな」
雪歩「真ちゃん、目を覚まして。やっぱりおかしいよこんなの」
真「・・・そうかな」
雪歩「どうして・・・」
真「雪歩には分からないよ」
雪歩「そんな言い方・・・」
真「雪歩はいいよね。可愛らしくて」
雪歩「えっ?」
真「女のボクから見ても可愛いし、守ってあげたいって思っちゃう」
雪歩「・・・」
真「ボクもね、ほんとは雪歩みたいになりたかった。可愛い女の子に」
雪歩「真ちゃん・・・」
真「でもね、みんな笑うんだ。ボクがヒラヒラのドレス着ると、スカートをはくと」
真「やらされるのはいつも男役ばかり。王子様ばかり」
真「ううん、それに不満はないんだ。ファンが望んでるのは王子様のボクだから」
真「でもね、やっぱり憧れるんだ・・・」
雪歩「・・・真ちゃんは可愛いよ」
真「ははっ、ありがと。あんまり言われないけどね」
雪歩「・・・」
雪歩「でも、だからってプロデューサーと」
真「あの人だけはね、笑わなかったんだ」
雪歩「えっ?」
真「プロデューサーだけは・・・ボクを笑わなかった」
真「みんなの王子様じゃなくて、今日だけはお姫様でいられる」
真「あの人といる時だけ、ボクはお姫様になれる」
雪歩「・・・」
真「あの人に抱かれてる時、ボクも女なんだなって実感できるんだ」
雪歩「抱かっ・・・!?」
真「雪歩にはこの気持ち分かんないよ。でもそれは雪歩が悪いわけじゃない」
雪歩「そんなのっ・・・!」
真「・・・もういいかな。今日は早く帰りたいんだ」
雪歩「絶対こんなの間違ってる・・・」
真「そうかな?結構いるよ。プロデューサーと関係を持っちゃったタレントって」
雪歩「・・・やめてっ!」
真「あぁ、ボクたちのプロデューサーってことじゃなくってね」
真「まぁ、それに手を出しただの出されただのってなっちゃうと・・・」
真「ボクから無理やり?みたいなとこもあったし」
雪歩「聞きたくないよっ!」
真「そっちから話があるって言ったくせに?」
雪歩「うっ・・・」
真「まぁいいや。ボクもう帰るね。お疲れ様でした」
カチャ パタン
雪歩「・・・真ちゃんっ・・・」
雪歩「どうしよう・・・どうしよう・・・真ちゃんがこんな・・・」
雪歩「誰かに相談・・・誰に?こんなの誰にも話せない・・・」
雪歩「でも絶対こんなの間違ってるよ・・・」
雪歩「小鳥さん、律子さん、・・・駄目。問題が大きくなりすぎちゃう・・・」
雪歩「あずささん・・・も駄目。きっと同じことに・・・」
雪歩「春香ちゃん・・・言えるわけないよこんなの・・・」
雪歩「・・・貴音さんなら・・・駄目だ。今海外だし・・・」
雪歩「響ちゃん・・・無理。きっとパニックになっちゃう」
雪歩「千早ちゃんなら・・・」
雪歩「そうだ。真面目で口も堅そうで相談に乗ってくれそうな千早ちゃんなら・・・!」
千早「私がどうかしたの?」
雪歩「ひゃあっ!!」
千早「・・・驚かせてごめんなさい。私の名前が聞こえたものだから」
雪歩「うん、あの、ええとね、あの」
千早「落ち着いて、萩原さん。ゆっくりでいいわ」
雪歩「うん、あの・・・その、例えば、なんだけど・・・」
千早「例えば?」
雪歩「プロデューサー・・・でなくても、いいんだけど、その」
雪歩「プロダクションの社員と、所属タレントが、その・・・」
千早「・・・」
雪歩「関係を持ったら、っていうか、恋人ってわけでもないんだけど・・・」
千早「・・・」
雪歩「そういうのって、どうかなって・・・」
千早「憧れるの?」
雪歩「違う!全然!!・・・ただもしも、そんな人がいたら・・・どうなっちゃうのかなって・・・」
千早「・・・問題にはなるでしょうね」
雪歩「だよね!やっぱりまずいよね?おかしいよね?」
千早「問題にはなるでしょうけど、でもおかしいことかしら」
雪歩「えっ・・・?」
千早「マネージャーやプロデューサーと結婚しちゃうアイドルとかも、実際いるし・・・」
雪歩「でも・・・」
千早「お互いに一生懸命仕事していく中で、それで惹かれ合ってしまったのなら・・・」
千早「それは、おかしいことではない、と思うわ・・・」
雪歩「・・・」
千早「ごめんなさい。きっとこれは萩原さんが望んだ答えではないわね」
雪歩「あ、いいの、うん・・・。他の人の意見を聞いてみたかっただけ・・・」
千早「・・・ねぇ」
雪歩「な、なに?」
千早「例え話、なのよね?」
雪歩「う、うん。もちろん」
千早「そう。じゃあ私も例え話をするわ」
雪歩「え?」
千早「あるところに、一人の女の子がいました」
雪歩「千早ちゃん?」
千早「女の子は、何も持っていませんでした。可愛らしさも、スタイルも」
雪歩「・・・」
千早「女の子らしさ、可愛らしさ、そういったものは全て持てずに」
千早「その女の子が持っているのは、ただ歌が好きという想いだけでした」
千早「女の子はそれでも満足していました。大好きな歌が歌えるのだから」
千早「でも女の子の周りの環境は、それを許しませんでした」
雪歩「・・・どうして?」
千早「・・・女の子のお仕事は、アイドルだったから」
雪歩「・・・」
千早「露出の少ない衣装や、水着姿になったりしなくちゃいけなかった」
千早「女の子はそれが苦痛でした。嫌で嫌でどうしようもなかった」
千早「周りは可愛い女の子ばかりなのに、どうしてこんな格好をしなくちゃいけないんだろう」
千早「ただ歌を歌いたいだけなのに、どうして肌を見せなければならないんだろう」
千早「男性はみんな、その女の子を指差して笑いました。貧相な身体つきの女の子を」
雪歩「・・・」
千早「でも、たった一人だけ、笑わないでいてくれる人がいました」
雪歩「・・・」
真『あの人だけはね、笑わなかったんだ』
千早「女の子は泣きながらいいました。もうこんな仕事はしたくない。こんな格好はしたくないと」
雪歩「・・・」
千早「笑わないでいてくれたその人は・・・泣いている女の子にこう言いました」
千早「お前がどれだけ可愛いかは、俺が知ってる。笑ってる奴らには分からないんだ」
千早「・・・気休めでも、慰めでも、その言葉は嬉しかったわ」
雪歩「・・・その女の子は、どうしたの?」
千早「それから・・・女の子は、笑われても気にしなくなったの。やっぱり肌を見せることに抵抗はあるんだけど」
千早「それでも自分のことをずっと、ちゃんと見ててくれて、分かってくれる人がいる」
千早「それを知ったから、もう平気なのよ」
雪歩「・・・」
千早「ねぇ。私の身体って貧相だと思わない?」
雪歩「そんなこと・・・」
千早「ふふっ。いいのよ別に。スレンダーだとか、モデル体型だとかって言葉でごまかされるんだけど」
千早「自分の身体が誰よりも貧相なことくらい、自分が一番良く知ってるわ」
雪歩「・・・」
千早「料理が出来るわけでもない、可愛さや可憐さを持ってるわけでもない」
千早「おおよそ世の男性が好む“女性らしさ”ってのを、私は何一つ持ってないの」
雪歩「そんなことないよ!千早ちゃんは可愛いよ!ほんとだよ!」
千早「・・・ありがとう。だから萩原さんはみんなに好かれるのね」
雪歩「・・・えっ?」
千早「・・・私ね、別に自分の女らしさとかどうでもいいと思ってた」
千早「そんなもの、歌に必要ない。・・・馬鹿よね」
千早「でも変われたわ。あの人のおかげで私は変われた」
真『あの人といる時だけ、ボクはお姫様になれる』
雪歩「千早ちゃん、・・・まさか・・・」
千早「こんな棒っきれみたいな身体をね、愛しいって言ってくれる。抱きしめてくれるの」
千早「髪を撫でて、抱きしめてくれる」
雪歩「そんな・・・」
千早「あの人に」
真『あの人に抱かれてる時、ボクも女なんだなって実感できるんだ』
雪歩「やめてっ!」
千早「あの人に抱かれてる時だけ、私は女であることを実感できるの」
雪歩「・・・聞きたくなかった、そんな話・・・」
千早「そう。ごめんなさい。何か知っているようだったから・・・」
千早「これが萩原さんの望む答えじゃないと分かってはいたけれど」
雪歩「どうして・・・?こんなのおかしいよ!絶対間違ってるよ!」
千早「・・・萩原さんにはきっと、分からないと思うわ・・・」
真『雪歩にはこの気持ち分かんないよ。でもそれは雪歩が悪いわけじゃない』
千早「だって萩原さんは、誰からも愛される姿をしているもの」
雪歩「そんなことない!私なんか、私なんかっ・・・」
千早「ごめんなさい。もう帰ります。お疲れ様でした」
カチャ パタン
雪歩「・・・真ちゃん・・・私・・・どうしたらいいの・・・?」
雪歩「・・・真ちゃんだけじゃなかった・・・、千早ちゃんまでだなんて・・・」
雪歩「もう誰に相談したらいいのか分かんないよ・・・。もしかしたら他にも・・・」
や…やよいは流石に無いと信じる
ふんふむ
続きは今夜書きます
美希「ただいまーなの」
雪歩「みっ、美希ちゃん・・・」
美希「あれー?雪歩だけなの?」
雪歩「うん、さっきまで真ちゃんや千早ちゃんもいたんだけど・・・」
美希「ふーん、まぁいいの。プロデューサーいる?」
雪歩「えっ!」
美希「どうしたの?」
雪歩「ううん、なんでも・・・」
美希「明日の収録、直行なのか迎えに来てくれるのか聞きたかったのにな」
美希「もーいいや、帰るの。あとで電話しよっと」
雪歩「あ、あの、美希ちゃん!」
美希「なぁに?」
雪歩「み、美希ちゃんは、プロデューサーのこと、どう思ってる・・・?」
美希「プロデューサー?別になんとも」
雪歩「そ、そうなんだ・・・」 ホッ
美希「春香じゃあるまいし、別にあんなのなんでもないの」
雪歩「じゃあさ、その、プロデューサーと・・・こ、恋人になったりとか」
美希「変なの。雪歩なりたいの?」
雪歩「違う!全然!!私じゃなくって」
美希「・・・怪しいの」
雪歩「ほんとに、私じゃなくてその、あくまでも一般論!そう、一般論で」
美希「イッパンロンとかよく分かんないの。ミキあんまり興味ないな」
雪歩「そうなんだ・・・」
美希「ミキはキラキラすることの方がずっと大事なの」
雪歩「そうだよね」
美希「じゃあミキもう帰るの。バイバイ雪歩」
雪歩「あ、うん。バイバイ」
カチャ パタン
美希「・・・」 ポパピプペ
美希「もしもし?ハニー?あのね、さっきね・・・」
雪歩「・・・今日はもう帰ろう。あんまりみんなに聞き回るわけにもいかないし・・・」
雪歩「で、でも今日みたいに事務所であんな・・・」
雪歩「あれがバレたらどうなっちゃうんだろ・・・。やっぱりクビになっちゃうのかな・・・」
雪歩「でもプロデューサーが悪いんだ・・・、だってそうだよ・・・」
雪歩「・・・真ちゃんや千早ちゃんもクビになっちゃうのかな・・・」
雪歩「どうしよう・・・どうしたら・・・。止めさせなくっちゃ・・・あんな事・・・」
ドン
雪歩「わぷ!」
律子「ちょっと、気をつけなさいよ」
雪歩「はっ、ご、ごめんなさい・・・」
律子「春香じゃあるまいし、ぼーっとして転んだりしないでね」
雪歩「はい、ごめんなさい・・・」
律子「・・・」
雪歩「あの・・・なにか・・・?」
律子「何かあったの?顔色悪いわよ?」
雪歩「い、いえ!なんでも!」
律子「なんでもないって顔してないけどね。雪歩はすぐ顔に出るから」
雪歩「だ、大丈夫・・・です」
律子「・・・そう。相談したいことがあったらいいなさいよ。私は雪歩の担当じゃないけど、悩みくらいなら聞くわ」
雪歩「ありがとう、ございます・・・」
律子「プロデューサーには言えないことなのね?」
雪歩「・・・」 ビクッ
律子「・・・そう。それじゃ、気をつけて帰りなさいよ」
雪歩「はい、お疲れ様でした・・・」
カチャ パタン
律子「・・・」
律子「はぁ。顔にすーぐ出るんだから・・・」
律子「プロデューサー、ね」
翌日
春香「・・・」
雪歩「・・・」
亜美「・・・」
真美「・・・」
春香「ウノ!!」
亜美「あー!もー!!」
春香「イェイ!いっちばーん!!」
真美「ゆきぴょんもっと参加してくんなきゃー!」
雪歩「あ、ご、ごめんね・・・」
真「・・・」
春香「・・・」
律子「真、行くわよ」
真「はーい。じゃ、おっ先ーぃ」
春香「・・・」
真美「トイレー」
亜美「亜美もー」
真美「なんかさっきからねー」
亜美「ねー」
雪歩「・・・」
春香「・・・」
雪歩「・・・」
春香「ねぇ」
雪歩「へっ?なにっ!?」
春香「真とケンカした?」
雪歩「真ちゃんと!?別に!全然!」
春香「ふーん。今日は全然話さないからさ」
雪歩「そっかな・・・?さっきも一緒にトイレ行ったよ?」
春香「そうだよね(ただ鉢合わせしたようにしか見えなかったけど)」
千早「おはようございます」
雪歩「・・・」 ビクッ
春香「あっ!千早ちゃーん!おはよー!!」
千早「もう。朝から元気ね、春香は」
春香「元気パワーだー!おりゃー!!」
千早「ふふっ。はいはい、もういっぱいよ」
春香「まだなのだー」
千早「萩原さん、おはよう」
雪歩「はっ、ひっ、おはっよう、ございます・・・」
春香「・・・」
千早「・・・春香、萩原さんにそのパワーを分けてあげたら?」
春香「そーするー!」
千早「元気がないようだから」
雪歩「・・・」
春香「雪歩にうーりゃー!」
雪歩「わっ、ちょっと!あははっ、やめてよー」
千早「・・・」
春香「あ!そういや今日まだプロデューサーさんに会ってなーい!」
雪歩「・・・」 ビクッ
千早「プロデューサーなら午後からよ」
春香「どれどれ?あ、ほんとだ。よく知ってたね」
雪歩「・・・」
千早「えぇ・・・」
春香「午後かー。じゃあ今日も会えないなー」
千早「そうね」
春香「雪歩も会えないね」
雪歩「う、うん。残念だな・・・」
春香「・・・」
千早「・・・」
亜美「なにこの空気」
真美「・・・」
春香「さーって、ボイトレ行こーっと」
真美「んーふっふーん!行こーぜはるるん!」
春香「いえーい!とりゃあー!」
ガチャ バタバタバタ
千早「それじゃ、私たちも行きましょう」
亜美「いえーい!今日は!千早お姉ちゃんとだー!」
千早「うふふ。元気ね」
亜美「それが亜美の得意ワザなんだぜーい!」
カチャ パタン
雪歩「・・・」
雪歩「はぁ・・・気まずくなっちゃう・・・」
雪歩「千早ちゃんは普通に振舞おうとしてくれてるけど・・・」
雪歩「真ちゃんみたいに無視してくれる方がかえって楽だよぉ・・・」
雪歩「もう一度真ちゃんと話さなきゃ・・・」
雪歩「スケジュールは、と・・・。あぁ、真ちゃん直帰になってる・・・」
雪歩「・・・どうしよう」
伊織「何が?」
雪歩「ひゃあっ!!」
伊織「大声出さないでよ、驚くじゃない」
雪歩「こ、こっちのセリフだよぅ・・・」
伊織「で?なんで真とケンカしたわけ?」
雪歩「えっ!?」
伊織「あら、違うの?」
雪歩「う、うん・・・別にケンカは・・・」
伊織「ふうん、じゃあなに?」
雪歩「・・・」
伊織「言えないってこと?まぁいいけど」
雪歩「あ・・・ぅ・・・」
伊織「仕事に支障をきたさなければ別にいいわよ。でもま、早く仲直りすることね」
やよい「あ、伊織ちゃん!一緒に帰ろ!」
伊織「はいはい、じゃね、雪歩」
やよい「あ、雪歩さん。お疲れ様でしたー!」 ガルーン
雪歩「う、うん。またね」
オカシモッテカエッチャッテイイカナー
イイジャナイ イッパイモッテカエンナサイ
雪歩「よし・・・明日こそ・・・」
さらに翌日
雪歩「おはようございます」
春香「おはよう」
千早「おはよう」
雪歩「・・・あ・・・の、真ちゃんは・・・?」
春香「え?真なら学校だよ?」
真美「おんやー?ゆきぴょんまこちんとケンカしたってマジなんだねー」
美希「・・・」
律子「・・・」
千早「・・・」
雪歩「べ、別にケンカしてるわけじゃ・・・」
やよい「ケンカはダメですよー。仲直りしないとー」
雪歩「う、だから別に・・・」
伊織「いつもメールし合って予定合わせてべっとりだったのに、説得力ないわよ」
雪歩「う・・・」
律子「で?真とのケンカに、プロデューサーが何の関係があるのかしら?」
千早「!!」
美希「!!」
雪歩「ひぇ!プププ、プロデューサーはべべべべ別に」
真美「・・・」
春香「・・・別に、なに?」
雪歩「え、いや、あの・・・」
やよい「うー」
伊織「・・・」
美希「・・・」
雪歩(あれ・・・?なに、この空気・・・っていうか、なんでこんな・・・)
美希「・・・プロデューサーが、何なの?」
春香「真とどうしたって?」
千早「・・・」
律子「・・・」
雪歩「え、いや、別にプロデューサーはどうとかじゃなくって・・・」
真美「じゃなくって?」
美希「こないだ言ってた、アイドルがプロデューサーと恋人がどうとかってそれ?」
律子「あら、なにやら不穏な話題ね」
春香「へぇ。聞きたいな。雪歩」
雪歩(なにこれ・・・、なんなのこれ・・・、なんでこんなことに・・・)
やよい「うー・・・、よく分かりません」
伊織「・・・まぁ黙って雪歩の話を聞こうじゃない」
雪歩「は、話すことなんて別に・・・」
千早「・・・あら、そうなの」
真美「真美たちには話せないってことかぁ」
雪歩「こ、これは私と真ちゃんとの問題で・・・」
律子「プロデューサーは関係ないのね?」
春香「・・・」
雪歩「え、っと・・・その・・・」
春香「どうなの?」
美希「関係あるの?」
雪歩(・・・みんなの目が怖い・・・。どうしちゃったのみんな・・・)
千早「もう言ってしまったら?」
雪歩「・・・なに・・・を?」
千早「・・・まぁ何でもいいですけれど」
律子「・・・」
伊織「話せないんだったらいいわ、別に。アイツに直接聞くから」
雪歩「だ、だめっ!」
やよい「知られたくないことかもしれないよ、ダメだよ伊織ちゃん」
真美「ねぇ、ゆきぴょん。何をそんなに怖がってるのさ?」
雪歩「えっ?」
美希「まるで何かに怯えてるみたいに見えるの」
雪歩「・・・」
律子「埒が明かないわね。問題が大きくなりそうだったら直接プロデューサーに聞くしかなくなるわよ?」
雪歩「問題は大きくなりません!私が真ちゃんと話をします!!」
真「へぇ。雪歩がボクに何を話すってのさ?」
雪歩「っ!!」
春香「あれ?今日学校じゃなかったっけ?」
千早「春香、先月のスケジュールよ、それ」
春香「てへぺろ!」
雪歩「・・・」
真「で?何を話すのさ?」
雪歩「あ・・・ぅ・・・」
真「ここで話してもいいんだよ?ボクは構わない」
雪歩「そんなこと・・・出来るわけが・・・」
春香「・・・」
千早「・・・」
真美「・・・」
律子「・・・」
美希「・・・」
やよい「・・・」
伊織「・・・」
真「はぁ。はっきり言うよ。みんな知ってることだから、ここで話していいよってこと」
雪歩「っ!!」
真美「あーぁ」
美希「言っちゃったの」
雪歩「みんなって・・・どういう・・・」
春香「みんなはみんなだよ。雪歩。だって私たち、仲間じゃない」
律子「・・・」
なかなか興味深い…
待つということはなかなかつらいもんだな…
わたしま~つ~わ~何時までもま~つ~わ♪
これは良スレの予感
やよい「・・・」
雪歩「あ・・・ぁ・・・」
伊織「・・・」
真美「・・・」
雪歩「まさか・・・みんな・・・」
美希「勘違いしないでほしいの。最後までしてもらったのって千早さんと真クンだけなの」
雪歩「美希ちゃん、何を・・・」
美希「ミキ的には最後までしてもらって構わないんだけど、ミキまだ15だし」
律子「・・・今日、今ここにいるメンバーには、全員共通点があるのよ。雪歩」
雪歩「いや・・・、いやぁ・・・」
やよい「私はまだ・・・子供だから・・・ほっぺかおでこにチューしてもらうだけですよ」
伊織「ふん。まぁアイツに最後までやれる度胸があるとは思えないけどね!」
真美「おやおや?いおりんご立腹ですなぁ。さてはいおりんもチュ→だけですな?」
真「偶然、その共通点があるメンバーだけが今ここにいるんだよね、凄いよね。ね?雪歩」
雪歩「・・・ぁ」
春香「どうしたの?雪歩。顔、真っ青だよ?」
千早「大変だわ。プロデューサーに連絡した方がいいかしら」
雪歩「あぁっ!」
ガチャッ パタパタパタ・・・
真「少し、やり過ぎちゃったかな・・・?」
雪歩を犬にして飼いたいです!!!
あの・・・これ、エロないですからね
もしエロとか調教とか期待してるんならごめんなさいしますね・・・
そんなの絶対おかしいよ!
続きを書いてくれるだけで嬉しいから気にしないぞ
エロ無くていいよ!!
待ってるよー
私待つわ
お盆終わった
まっちょりますよ~♪
ガチャッ ガタンッ
雪歩「はぁっ、はぁっ、はっ・・・うっ、うぇぇぇっ!!」
雪歩「けほっ、けほっ・・・うぇぇっ・・・」
あずさ「あらあら~?大丈夫~?」
雪歩「けふっ・・・ごほっごほっ・・・」
あずさ「雪歩ちゃんだったのね。大丈夫?ほら、吐いちゃいなさい」 サスサス
雪歩「・・・うぇっ・・・っっ・・・!!」
あずさ「どこか悪いの?気分悪い?プロデューサーさんに」
雪歩「ダメですぅ・・・」
あずさ「え?」
雪歩「お、お願いします・・・大丈夫ですから、誰にも・・・けほっけほっ」
あずさ「そんな訳にもいかないわ~。顔が真っ青よ雪歩ちゃん・・・」
雪歩「あ、あずささん・・・。あずささんは・・・」
あずさ「なぁに?どうしたの?」
雪歩「あずささんは、アイドルとプロデューサーが関係を持つことについて、どう思いますか・・・?」
あずさ「え?アイドルと・・・?なにを言って・・・」
雪歩「私は真剣ですぅ!真剣に答えてほしいんです!」
あずさ「か、関係って、その・・・恋人同士とか、そういう」
雪歩「違います・・・」
あずさ「えっ?」
雪歩「そういうものじゃないんです・・・」
あずさ「・・・どういうこと?ちゃんと話してもらえるかしら~?」
ガチャッ
律子「おかえりなさい、あずささん。どうしたんですか?凄い顔ですよ?」
あずさ「・・・さっき雪歩ちゃんから聞きました」
律子「・・・あぁ」
あずさ「どういうことなの?今この事務所はどうなっているの!?」
律子「・・・別にどうにもなってませんよ」
伊織「私たち竜宮は変わらないわ。トップであり続ける。そうでしょう?」
あずさ「伊織ちゃん、あのね、そういうことじゃなくて・・・」
律子「・・・あずささんは、何か得体の知れない不安に襲われることはありませんか?」
あずさ「なにを・・・、今そういう話ではなく・・・」
律子「私は、しょっちゅうです」
伊織「・・・」
律子「はっきり言って竜宮小町は大成功です。ここまで計算通りにいくとは思いませんでした」
律子「アイドルとして三流の私が、アイドルを率いてトップに立てるだなんて思わなかった・・・」
律子「こんな小娘が・・・」
伊織「・・・」
あずさ「律子さん、私が聞きたいのは」
律子「でもね、怖いんです」
あずさ「・・・」
律子「何の実績もない私が、たまたまビギナーズラックで大穴を当てたようなものですから」
あずさ「そんなことないわ。アイドル時代の経験と、プロデュース業を一生懸命学んできたからこそ」
律子「竜宮が売れたのはひとえにタイミングです。トップ不在の空白地帯にすっぽりと入り込めた」
伊織「ま、それも含めて実力でしょ」
律子「ふふっ、そうね。でもやっぱり怖いのよ・・・」
あずさ「・・・」
律子「前だけ見て、がむしゃらに走ってきて、ふと自分の足元を見ると」
律子「そこにあるのは細いロープだけ」
あずさ「そんな・・・」
伊織「鉄の女に見えて、律子も弱いとこあんのよ」
律子「鉄の女は余計だわ」
伊織「律子のいい所は弱い所を見せないことね。そしてそれは律子の一番悪い所でもあるんだけど」
律子「急に怖くなって、その場にへたり込んで動けなくなった時に・・・」
伊織「優しくされたらコロッといくでしょ?」
あずさ「コロッとって・・・」
待ってる
律子「私、そこまで軽い女じゃないつもりなんだけど」
伊織「まぁコロッとはともかく、そんな時に優しくされたら、心が動いてもおかしくないでしょ?」
あずさ「そうだけど・・・そうかもしれないけど・・・」
伊織「大丈夫よ・・・。あずさが心配してるようなことにはならないわ」
あずさ「・・・」
律子「雪歩のことは任せていいですか?私たちが言ったところで、きっと聞き入れはしないでしょうし」
あずさ「だけど・・・」
律子「これで知らないのは亜美だけですか。まぁ知らなくていいでしょうし」
伊織「まだ子供だからね」
律子「アンタもよ」
伊織「ふん」
あずさ「私、やっぱり直接プロデューサーに聞いてきます」 クルッ タッタッタッ
伊織「・・・無駄なのに」
律子「っていうかプロデューサー、今下諏訪だし・・・」
伊織「・・・なんで?」
律子「温泉ロケ」
伊織「あぁ・・・、あずさが出る予定のね・・・」
律子「ふぅ。あずささんのあんな顔、初めて見たわ」
伊織「私もよ。直接話すって言ってたけど、まぁ徒労でしょうに」
律子「まぁ、初めて聞いた時は?そりゃショックだったけど」
伊織「・・・まぁ、ねぇ」
律子「優しいんだか甘いんだか、ただの優柔不断なのか」
伊織「それかただのゲスなのか」
律子「どっちかしらねぇ・・・」
貴音…(´・ω・`)
待ってました!!
響ェ・・・
もう少し・・・
数日後
雪歩「あずささん、あれからどうしたんだろう・・・」
雪歩「ちゃんと話してくれたのかな・・・」
雪歩「あ、噂をすれば・・・、あずささーん!」
あずさ「・・・」 ビクッ
雪歩「あずささん、どうでした?話してもらえました?」
あずさ「え、・・・えぇ」
雪歩「どうしたんですか?」
あずさ「あ、あのね雪歩ちゃん。私もう行かないと、その、ロケで・・・」
雪歩「わ、すいません、呼び止めちゃって・・・」
あずさ「いいのよ、じゃあね・・・」 ササッ
雪歩「あずささん、どうしたのかな・・・?様子が・・・」
雪歩「首筋のあれ・・・、虫刺されみたいだったけど」
雪歩「グラビアとかに響かないかな。大丈夫かな・・・」
雪歩「私が心配することじゃないよね・・・」
真美「・・・あずさお姉ちゃんも堕ちたようだね」
春香「くくく、奴は四天王の中でも最弱・・・」
千早「四天王の面汚しだわ(棒)」
真美「うあー、千早お姉ちゃんちゃんとやってよー」
千早「・・・いきなりこんなことやらせないでちょうだい」
真「なーにやってんのさ」
真美「うんとねー、あずさお姉ちゃんにもバレちゃったみたいなんだけどさー」
春香「雪歩がバラしたんだけどね」
真美「あずさお姉ちゃんがどーゆー行動取るかなーって話してたの」
真「でー?どうなったのさ」
千早「もう少し時間がかかると思っていたのだけれど・・・」
春香「早かったよねぇ。あはは」
真美「ちぇー。真美も早く大人になりたいなー。そしたら兄ちゃんと」
千早「少し、見境がないと思うけど、どうかしら・・・」
真「あとでお仕置きかなー」
まだー?
待って・・・今書いてる・・・
なかなか時間とれないんだ、申し訳ない
今日ちょっとだけあげます
雪歩「・・・」
美希「あ、雪歩なの。やほー」
雪歩「・・・美希、ちゃん・・・」
美希「今は会いたくなかったって顔なの」
雪歩「そんなこと、ないよ・・・」
美希「・・・」
雪歩「・・・あの・・・」
美希「なに?」
雪歩「美希ちゃんは・・・その、どうして・・・」
美希「あぁ、ハニーのこと?」
雪歩「ハニー?プロデューサーには興味ないって・・・」
美希「あ、あれウソ」
雪歩「・・・」
美希「ミキはハニーのこと大好き!ハニーのためなら何だって出来るの。何にだってなれるの」
雪歩「どうして、そこまで・・・?」
美希「うーん・・・」
真『雪歩にはこの気持ち分かんないよ』
千早『萩原さんにはきっと、分からないと思うわ』
雪歩「・・・」
美希「信じてくれるから」
雪歩「え?」
美希「ミキのこと、きっと世界中の誰より。きっとミキより」
美希「ハニーは、信じてくれるから」
雪歩「・・・たった、それだけ?」
美希「他に何がいるの?」
雪歩「・・・」
美希「ミキはハニーのこと信じてるの。ハニーもミキを信じてくれる」
美希「だからミキはハニーに恩返しするの」
美希「必ずトップアイドルになって、ハニーを超一流のプロデューサーだって、みんなに認めさせるの」
美希「そのためだったら、ミキは何だってやる。ドコにだって行って、何にだってなる」
雪歩(どうしてだろう。美希ちゃんがとてもキラキラしてるように見える・・・)
美希「それだけなの。ミキはそれだけ。でもそれでいいの」
美希「ミキが一番キラキラしてる時に、隣りにハニーがいてくれればいい」
美希「一番最初に見てくれるのは、ハニーがいいの」
雪歩「・・・分からないよ・・・」
美希「うん、そう思うな。雪歩には分からないの」
雪歩「・・・っ!」
美希「だって、雪歩認めてないんだもの。ミキたちのこと、ハニーのこと」
雪歩「あんなのっ!認められるわけがっ・・・!」
美希「・・・」
雪歩「・・・ご、ごめんなさい。大声出したりなんかして・・・」
美希「他の人にも聞いてみたら?」
雪歩「・・・」
美希「じゃね。もう時間だから」
雪歩「・・・」
真美「へぇ。それで真美んトコ来たんだ」
雪歩「・・・うん」
真美「兄ちゃんのことねー。兄ちゃんのこと・・・」
雪歩「・・・」
真美「うーん、・・・ま、いっか」
真美「あのさ、真美って陰でなんて言われてるか知ってる?ゆきぴょん」
雪歩「陰で?ううん、知らないけど・・・」
真美「双海姉妹のダメな方」
雪歩「っ!!」
真美「竜宮じゃない方。売れてない方。劣化亜美。かわいそうな方。他にもイロイロ」
雪歩「誰がそんなこと・・・」
真美「んー?ネットとか?セケン?」
雪歩「そんなの、一部だけで・・・」
真美「どーだろーねー?でも学校にいてもちょっと感じるよ。気を遣われてるなって」
雪歩「・・・」
真美「これ知った時さー、さすがにショックで・・・」
真美「部屋閉じこもってさー、亜美にも当り散らして・・・サイアクだったなぁ」
真美「そしたらさー、もーケッサクなんだよ!兄ちゃんがさーウチまで来てさ-」
真美「部屋にカギかけてたのにドア蹴破ってきたんだよ?もーほんと笑っちゃう!」
雪歩「・・・」
真美「悪いのは真美なのにね、いきなりドゲザだよ」
真美「俺の力不足ですまないって、ちょっと泣いてたかな。あ、これナイショね」
雪歩「・・・」
真美「真美さ、キビしーの嫌いだからさ。楽しーのは好きだけど、楽なのが好きだけど」
真美「悪いの、今までサボってた真美なのにね」
真美「亜美と一緒になってわんわん泣いて、スッキリしたから、もういいんだ」
雪歩「・・・」
真美「でもほんと笑っちゃう。うぷぷ!あん時の兄ちゃんの顔」
真美「お父さんとお母さんにもドゲザしてた!ドア壊しちゃったからね」
真美「・・・ほんと、笑っちゃう」
真美「真美ねー、かっこ悪い兄ちゃん見たくないんだ」
真美「あん時の兄ちゃんはサイコーにかっこ悪くて、サイコーにかっこ良かったけどね」
真美「スタッフさんたちの後ろで、『どうだ、うちの真美は』ってドヤ顔してる時の兄ちゃんが一番好きかな」
雪歩「・・・」
真美「あ!亜美のことももちろん好きだよ。ってゆーかみんなのこと好きだし!」
雪歩「うん」
真美「でもねー、まぁセケン様に認めさせるにはねー、まだちょーっと足りないけど」
真美「すぐに追いついてみせるよ。なんせ真美には兄ちゃんがついてるからね」
雪歩「うん」
真美「・・・何の話してたんだっけ?あれ?」
雪歩「プロデューサーのこと、好きなんだね」
真美「・・・うん。大好き」
真美「真美はね。必ずトップアイドルになるよ。なって言うんだ」
真美「どうだ、うちのプロデューサーは、って」
雪歩「・・・うん」
伊織「で、次が私なわけ?」
雪歩「うん・・・」
伊織「ふぅん。まぁいいわ、私の所に来るとは思ってなかったけど」
雪歩「・・・」
伊織「うーん、アイツとこんな風になったのはいつだったっけ・・・」
伊織「っていうかアイツ手ぇ出しすぎよ、全く・・・」
雪歩「伊織ちゃんは竜宮だから、プロデューサーとあまり接点がないって思ってた」
伊織「そんなことないわよ。竜宮の前はアイツが担当だったんだもの」
伊織「うーん、ほら、私ってさ、お嬢さまなわけじゃない?」
雪歩「う、うん」
伊織「自分で言うとすっごくバカみたいに聞こえるわ・・・」
伊織「まぁともかく。どこに行ったって、どこに居たって、“水瀬”の名前がついて回るのよ」
伊織「名乗れば必ずね。あぁ、もしかしてあの“水瀬”さん?って」
伊織「そういったのがうんざりでこの世界に飛び込んだけど、結局一緒でさ」
雪歩「・・・うん」
伊織「でもね、アイツだけだったのよ。私を・・・私の後ろの“水瀬”を見てないの」
伊織「水瀬サン、水瀬サン、うーん、言いにくいな。伊織でいいか?って」
伊織「初対面で図々しいと思ったわ。でも伊織って家族以外に名前で呼ばれるのは初めてだった」
伊織「馴れ馴れしいから嫌だって言っても、おーい伊織。どうした伊織。しつこいったら」
雪歩(どうしてそんなに嬉しそうに言うんだろう・・・)
伊織「・・・気がついたら、私は水瀬伊織じゃなくって、アイツの前でだけはただの伊織になれた」
伊織「すごく楽だと思った次の瞬間、なんでこんなくだらない事で悩んでたんだろうって思ったわ」
伊織「どこに行ったって、私は私よ。そんなことにやっと気付いた」
伊織「アイツがとぼけた顔して、私の名前を呼ぶの」
伊織「それがとても嬉しくて、誰よりもアイツに名前で呼ばれるのが嬉しくて」
伊織「・・・ってなに言ってんのかしら、こんなの私のキャラじゃないわ」
雪歩(すごく、今の伊織ちゃんは可愛く見える・・・。ううん、綺麗って言った方が合ってる・・・)
伊織「あー、やめやめ!こんな話。あ、アイツには絶対言わないでよ?からかってくるに決まってるんだから!」
雪歩「うん・・・」
伊織「・・・好きなだけ、他の連中に聞いてみなさいな。納得するまで、ね」
やよい「プロデューサー、ですか?」
雪歩「あ、言いにくかったら別にいいの・・・」
やよい「いいですよ?なにを話せばいいんですか?」
雪歩「その・・・やよいちゃんは、プロデューサーのこと、好き?」
やよい「・・・好きですよ。大好きです」
雪歩「・・・どうして?って聞いたら、変かな・・・」
やよい「・・・私の家、貧乏なんです」
雪歩「・・・」
やよい「少しでも生活の足しになればって、私この仕事始めたんですけど・・・」
やよい「最初は全然うまくいかなくって」
雪歩「でも今はレギュラーだっていくつも・・・」
やよい「はい。最初は伊織ちゃんと一緒に。全部プロデューサーがセッティングしてくれました」
やよい「バーター?っていうんですか?よく分かんないですけど」
やよい「今はバーターでも、必ずピンでいけるようにしてやる!って言われました」
やよい「本当は伊織ちゃんが竜宮で今忙しいからなんですけどね。えへへ」
やよい「私が今この仕事に集中できるのは、全部プロデューサーのおかげなんです」
やよい「私バカだから・・・難しいことあんまり分かんないですけど・・・」
やよい「お父さんの借金とか、一本化?してくれたりとか、えへへ、やっぱり分かってないですけど」
やよい「家族と・・・もめた時も、それ以外でも、全部プロデューサーが助けてくれたんです」
雪歩「・・・うん」
やよい「だから私、一生かけてでもプロデューサーに恩返ししたいんです」
雪歩(恩返し・・・、美希ちゃんも同じことを・・・)
やよい「だから私はトップアイドルになります。それが一番の恩返しになるから」
雪歩「でも、でもね、好きだとか、恩返ししたいとか、分かるけど、でもそれとこれとは・・・」
やよい「・・・プロデューサーは私たちに求めません」
雪歩「えっ」
やよい「私、分かります。きっとみんな、自分からだったんです」
雪歩「・・・そんな」
やよい「うー、でもちょっと増えすぎです。あとでメッ!てしておきます」
雪歩「あ、あはは・・・」
春香「ふふーん、それで最後に私のところに来たってわけだね!」
雪歩「・・・うん」
春香「大トリかぁ。照れちゃうなぁ」
雪歩「あの、真面目に・・・」
春香「真面目だよ」
雪歩「あ、うん・・・」
春香「ね、みんなに話聞いてどう思った?」
雪歩「・・・みんな、すごくプロデューサーを信頼してる」
春香「そうだね。雪歩は?信頼してないの?」
雪歩「私・・・は・・・」
春香「やっぱりまだ怖い?」
雪歩「それでも・・・他の人たちよりかは・・・」
春香「うんうん、頑張ってるもんね雪歩は。見てるからちゃーんと知ってるよ!」
春香「健気に頑張る雪歩。男の人は雪歩みたいな儚げで可憐な女の子がね」
春香「健気に頑張る姿が大好きなんだよ」
雪歩「そんな・・・私なんか・・・」
春香「それ、やめた方がいいよ。自分だけじゃなく、雪歩のことを好きだって人たちまでけなしてることになるから」
雪歩「そんなつもりじゃ・・・」
春香「うん、それも知ってる。雪歩はそんな子じゃないって。だからやめよ?」
雪歩「・・・うん」
春香「・・・雪歩はもっともっと自分に自信を持つべきだよ。難しいだろうけど」
雪歩「・・・うん」
春香「ほら!この本見て!このランキング!」
雪歩「お嫁さんにしたいアイドル・・・トップ100?」
春香「ちなみに私は62位です」
雪歩「・・・すごい」
春香「すごい?雪歩がそれを言っちゃうかぁ」
雪歩「え・・・?」
春香「あずささん12位。さすがだね。美希は、と46位だ」
春香「やよいがねぇ、ここ!31位!イェイッ」
雪歩「やよいちゃん、絶対いいお嫁さんになるもんね」
春香「で、雪歩がぁ・・・」
雪歩「私もいるの?」
春香「・・・」
雪歩「・・・春香ちゃん?」
春香「だららららららら、じゃん!8位だ!!」
雪歩「・・・えっ」
春香「ね?雪歩はもっと自信持っていいんだよ」
雪歩「私が・・・。あ、いや、でもこれと、今私が聞きたいのは・・・」
春香「まぁ私が言いたいのは、雪歩はすっごく可愛い子だってこと」
春香「そんな雪歩を大好きだって人が、いっぱいいるってこと」
雪歩「・・・」
春香「真は・・・、千早ちゃんもだけど、・・・コンプレックスがあったんだと思う」
雪歩「コンプレックス・・・」
春香「女の子としてというか、女性としてというか・・・」
春香「真はすっごい乙女チックなところがあるし、千早ちゃんだってすっごく可愛いのに」
春香「伝わりにくいんだなー、これが。まぁ真の場合は方針っていうかイメージの問題なんだろうけど」
雪歩(そういえば、真ちゃんも千早ちゃんも・・・私には分からないって・・・)
春香「美希ややよいは~、伊織や真美は~、律子さんはきっと~」 ペラペラ
雪歩「でも・・・やっぱり・・・」
春香「んー?」
雪歩「その・・・あーゆー事は・・・、恋人同士じゃないと・・・」
春香「・・・」
雪歩「・・・」
春香「ダメだよねぇ、やっぱり」
雪歩「えっ」
春香「・・・みんなね、分かってると思うよ。私もだけど・・・」
春香「いつまでも・・・このままでいられればいいんだけどね」
春香「いやぁ、でも本当に大変なのは最後までいっちゃった真と千早ちゃんだよ」
春香「どうするのかなぁ・・・」
雪歩「・・・分かっててなんで・・・」
春香「・・・だって、好きになっちゃったんだもん」
雪歩「・・・」
春香「あーぁ、普通に恋したかったなぁ」
春香「みーんなきっとそう思ってるよ。普通に恋したかったって。あはは」
雪歩「・・・」
春香「でもきっと、みんなプロデューサーさんのこと大好きなんだけど・・・」
春香「私もだけど、・・・きっとそれと同じくらい・・・みんなのことも好きなんだよね」
春香「よいしょ、っと。もう行くね。今日はコーラス撮りだし」
雪歩「・・・うん、ごめんね」
春香「・・・あのね、貴音さんとか、響ちゃんとか、亜美とかさ」
春香「普通に接してる人たちもいるから・・・。別に雪歩はそのままでいいんだよ」
雪歩「・・・」
春香「分かってほしいとか、言わないから」
春香「じゃあね」 キィッ バタン
今日はここまで・・・おやすみなさい
乙
乙
雪歩「・・・私は、どうしたいんだろう」
雪歩「真ちゃんとプロデューサーの関係をやめさせたい・・・」
雪歩「でも・・・」
やよい『私、分かります。きっとみんな、自分からだったんです』
雪歩「真ちゃんも自分からだと言ってた・・・」
美希『だって、雪歩認めてないんだもの。ミキたちのこと、ハニーのこと』
雪歩「だって・・絶対おかしいもん。こんなのは・・・私の知っている・・・」
春香『分かってほしいとか、言わないから』
雪歩「私の知っている男女の関係って・・・人を好きになるってのは・・・」
伊織『それがとても嬉しくて、誰よりもアイツに名前で呼ばれるのが嬉しくて』
真美『・・・うん。大好き』
やよい『・・・好きですよ。大好きです』
千早『それでも自分のことをずっと、ちゃんと見ててくれて、分かってくれる人がいる』
美希『ミキのこと、きっと世界中の誰より。きっとミキより』
春香『・・・だって、好きになっちゃったんだもん』
雪歩「みんなのやってることは絶対間違ってる」
雪歩「じゃあ私が今からやろうとしていることは?」
雪歩「本当に正しいの・・・?」
ガチャッ
真「・・・あっ」
雪歩「・・・真、ちゃん・・・」
真「・・・」
雪歩「あ、あの・・・」
真「・・・なに?」
雪歩「・・・人を好きになるって・・・どんな気分?」
真「はぁ?」
雪歩「・・・私、誰かを本当に好きになったことって、ない・・・かもしれなくて」
雪歩「あ、みんなのことは好きなんだけど、その・・・」
真「つまり、恋愛感情的な?」
雪歩「そう」
真「・・・すごく、つらいよ」
雪歩「・・・」
真「でもすごく、幸せな気分にもなれるんだ」
真「今なにしてるんだろうって、いつも考えちゃう」
真「メール送って、返事が早いとそれだけで嬉しくなっちゃうし」
真「ケータイが鳴った時、あの人からじゃなくってガッカリしたりするし」
真「ボクといる時はボクだけ見ててほしいのに、他の女の子見てたりするとムカつくし」
雪歩(これが普通の恋だったら・・・私は全力で応援するのに・・・)
真「夜寝る前に、いつも同じこと考えちゃう」
真「なに話したっけとか、メールなに書いたっけとか」
真「返事が来ないと不安になって、怒らせちゃったかな、とか、もう寝ちゃったのかな、とか」
真「あぁ、ボク今恋してるんだなぁって」
雪歩「歪んでるのに?」
真「・・・歪んでる」
真「イビツだよね」
真「でもね、麻薬みたいなものらしいよ。恋って」
真「なっかなか抜け出せないんだ。漫画のセリフだったけど」
真「このままだと、ダメになってくって分かってるのにね」
雪歩「・・・麻薬」
真「でも心のどっかで、ずっとこのまま続けられるんじゃないかって思ってる」
雪歩「そんなこと、できる訳が・・・」
真「それも分かってる」
真「でも・・・やめられないんだ。人を好きになるって」
真「ボクの、ボクたちのやってることは正しくないけど・・・」
真「ボクがあの人のことを好きだって気持ちは、愛してるって気持ちは、間違ってないよ」
雪歩「愛・・・?」
雪歩「これが、愛?」
真「・・・」
雪歩「私がっ!私が思っているのはっ!私が思い描いてたのはっ!」
真「・・・ごめんね雪歩。でも雪歩のカタチを、ボクたちに当てはめないで」
雪歩「私の・・・カタチ?」
真「恋愛はこうでなきゃいけない。人を好きになるってのは、こうじゃなきゃダメ」
真「愛し合うって、こうじゃないとダメ」
真「そう考える、雪歩のカタチ」
雪歩「私の方が普通っ・・・!!」
春香『みーんなきっとそう思ってるよ。普通に恋したかったって』
雪歩「・・・」
真「ボクだって、普通に恋したかった・・・」
真「プロデューサーが、千早ともう関係を持ってたって知った時、頭ん中真っ白になったよ」
真「でも千早が、プロデューサーのことを本当に大切に想ってるのは知ってた」
雪歩「・・・」
真「千早のことも、好きなんだ。もう苦しんでる千早は見たくないんだ」
雪歩「千早ちゃん・・・」
真「覚えてる?出会った頃の千早は、いつも真っ青な顔してた」
真「少ししか食べられなくて、いつもフラフラしてて、でも食べちゃってもすぐ吐いちゃう」
真「美希だってそうだよ。才能はあるのに、活かし方が分からなくて燻ってた」
真「どうすればいいのか分からなくて、レッスン放り出して、公園で泣いてた」
真「真美だってそうだ。亜美のお姉ちゃんってだけで、色んなこと言われてたんだ」
真「いつも亜美と比べられてた真美は、毎日どんな気持ちで過ごしてたと思う?」
真「みんな、雪歩が想像もつかないようなどん底にいたんだ」
真「そこから救い出されたら、王子様が現れたら、誰だって・・・」
真「ボクだって・・・」
雪歩「・・・真ちゃん、どうして泣いてるの?」
真「・・・」
雪歩「苦しいの?」
真「苦しいよ!苦しいさ!でもボクはあの人のことが好きなんだ!」
真「全部捧げたっていい!でもそれと同じくらい、みんなのことも好きなんだ!」
真「春香も!千早も!真美も!やよいも!美希も!伊織も!律子も!」
雪歩「・・・」
真「雪歩も・・・」
雪歩「・・・」
真「・・・ごめんね。ボクは・・・、ボク・・・は」
雪歩「・・・ううん。気持ちは、痛いほど・・・伝わったから」 ギュッ
真「あっ・・・」
雪歩「・・・もういいんだよ。私の方こそ、ごめんなさい・・・」
雪歩「真ちゃんが・・・心配だったの。それだけ・・・、本当にそれだけだったの」
真「・・・うん」
雪歩「・・・」
真「あったかいなぁ、雪歩は・・・。だから好きだよ・・・」
雪歩「ほんと?プロデューサーと、どっちが好き?」
真「・・・どっちも好き」
雪歩「・・・嬉しい」
伊織「・・・」
律子「・・・」
亜美「何やってんのー?早く入ろうよ」
今日はここまで
着地点が見つからない
本当はここで響を出すはずだったけど
出したら一気にギャグっぽくなってしまって
これじゃ響がかわいそうだしああああああ寝る
響なら俺の横でダンスしてるぜ
待つことに定評のある私は待つ…
伊織「しっ!」
律子「小鳥さんいなくて良かったわ。いたらいたでまた違う問題が・・・」
亜美「あれ?ゆきぴょんまこりん仲直りしたんだねー」
あずさ「どうしましょう?どこかで時間を潰しますか?」
律子「そうしますか。ファミレスにでも行って」
亜美「亜美パフェ食べたいなー」
伊織「ファミレスって不思議だわ。あんな冷凍食品が美味しく感じるんだから」
律子「まぁこれで一安心、かしらね」
伊織「あずさもなんだかんだで結局“こっち側”だしね」
亜美「ん?」
あずさ「わ、私は違います!」
律子「え?違ったんですか?てっきり・・・」
伊織「キスマークつけて帰ってきたくせに?」
あずさ「あれは本当に蚊に刺されただけだって何度言えば・・・!」
律子「ベタな言い訳だなぁとばかり」
亜美「なんのことー?ねぇー」
伊織「じゃ、行きましょか」
亜美「ねー!ねーってばー!」
律子「静かにしなさい。真と雪歩の邪魔しないで、ほら」
あずさ「一緒に行きましょう?ね?」
亜美「もー、なんだよー。亜美ばーっか仲間はずれにしてさー」
伊織「してないわよ。ほら、なに食べるか考えておきなさい」
律子「・・・経費で落ちるのかしら。そうだ、プロデューサー宛にしてしまえば・・・」
伊織「元々騒動の原因はアイツがだらしないからでしょ。いいじゃない、それで」
あずさ「わ、私はまだ納得してませんから。ちゃんと本人とお話を・・・」
伊織「はいはい」
律子「出発するわよ。シートベルト締めて、亜美」
亜美「オッケオッケ!」
あずさ「そうよ、ちゃんと本人と・・・」
伊織「はいはい」
律子「軽くにしときなさいよ。帰ったらご飯あるんでしょ?」
亜美「大丈夫だよー。ちゃんと食べるもん」 モグモグ
あずさ「いいわよね・・・。いっぱい食べても平気なんだから・・・」
伊織「・・・」
亜美「お、いおりん、メールだよ」
伊織「えぇ」
伊織「・・・」 ポチポチ
あずさ「このサラダを食べたら今夜はもう食べない。今夜はもう食べない」
律子「まぁ気持ちは分かりますが、こっちでもしっかり管理しますから」
亜美「大体あずさお姉ちゃん全然太ってないじゃん」
律子「亜美もあとちょっとしたら分かるようになるわよ・・・」
あずさ「痩せようと思ってダイエットするんじゃなくて、この体型を維持する為にダイエットするのよ」
亜美「ふーん。お、いおりんまたメール?」
伊織「えぇ」 ポチポチ
亜美「さっきからメールばっかじゃん」
伊織「・・・まぁね」
律子「・・・」
伊織「ごめんなさい。私先に帰るわ」
あずさ「一人で?危ないわよ~」
伊織「平気よ。“迎え”は来るから」
律子「そう。気をつけてね」
亜美「ちょ、ちょっとちょっと。イチオー亜美たちは売れっ子なんだからさー」
伊織「平気だってば。じゃあお疲れ様。明日は夕方からでいいのよね?」
律子「えぇ、お願いね」
カランカラン
亜美「・・・あれ?いおりんち、あっちじゃないっしょー?」
律子「・・・いいのよ。さ、それ食べたら私たちも帰りましょう」
あずさ「今夜はこれで最後・・・。最後・・・」
亜美「・・・なーんかさ」
律子「なに?」
亜美「隠し事してない?亜美に」
律子「してないわよ。どうして?」
あずさ「・・・」
亜美「いおりん、どこ行ったのさ?」
律子「帰ったんでしょう?迎えも来てるって言ってたし」
亜美「・・・最近さ、真美とかもさ、なんか変なんだ」
あずさ「変って?」
亜美「・・・最近真美がなに考えてるのか、あんま分かんないんだぁ」
亜美「前はさ、なんでも分かったんだけどさ」
あずさ「双子ってすごいわね~」
亜美「いおりんさ、今日すっごい高そうな下着つけてた」
律子「まぁあの子の家を考えるとねぇ」
亜美「いつもだけどさ、でもなんか今日は特別ってカンジ?」
律子「・・・」
亜美「真美もさ、なんか最近さ、ちょっと大人っぽい高いパンツとか買っててさ」
あずさ「あらあら、そういうのに凝りだしたのかしら。分かるわ~」
律子「亜美もそういうのに気を遣うようになるわよ」
あずさ「そういう年頃なのね~。思い出すわ~」
亜美「・・・真美、変わったなーって」
律子「双子とはいえ、別の人間よ?そりゃあ変わるでしょう」
亜美「そうだけどさ・・・。でもなんか・・・真美のことよく分かんなくなってさ」
あずさ「あらあら~、難しい年頃ね~」
亜美「ムズカシイトシゴロ?」
律子「そ。あんた達くらいの年の女の子って、色々、急に変化するものだからね」
律子「真美の方がちょっと先に、そういうのに興味持ち出したってことじゃないの?」
あずさ「亜美ちゃんももうすぐね~」
亜美「そっかな・・・」
亜美「なんか・・・真美に置いてかれてる気がする」
あずさ「・・・」
律子「そう感じてるのは真美だって、前に言ってたじゃない」
亜美「違うよ。アイドルとしてとかじゃなくってさ・・・、うーん・・・」
律子「・・・」
亜美「・・・よく・・・分かんないや」
あずさ「分かるわ~」
亜美「え?なにが?」
あずさ「いっぱい悩んじゃいなさい。それって大事なことだから」
亜美「そうなの?」
律子「そうよ。みんな通ってきた道だし、案外真美ややよいも同じこと感じてるのかもね」
亜美「そうなのかな」
あずさ「きっとそうよ」
亜美「そっか」
律子「さ、もう帰りましょう。送っていくわ」
あずさ「はーい」
亜美「はーい」
律子「領収書ください。宛名は765プロで」
真美「おー、おかえりー」
亜美「いぇーい、ただいまー」
真美「ご飯食べてきたの?」
亜美「ちょびっとだけだよ。ちゃんと食べるよー」
真美「そっか。真美もう食べちゃったから、先に部屋に戻るね」
亜美「うん」
トン トン トン トン・・・
亜美「・・・」
亜美「うん、今日のはまだお子さまパンツ」
真美「聞こえてるぞー」
亜美「あははー」
真美「変なこと言ってないで、さっさと食べてきなって。片付かないって怒られるよ」
亜美「あいあいー」
真美「・・・」 トントントン
亜美「うぃー、食った食ったー。真美ー、入るよー」 ガチャ
真美「・・・」 スッ バッ ヒュッ
亜美「おっと、練習中ですかい」
真美「・・・」 クルッ
亜美「あ」
真美「なーんだ。入ってきたんなら声かけてよー」
亜美「かけたよ」
真美「あはは、イヤホンしてたから気付かなかった」
亜美「見たことない振り付けだね。今度のやつ?」
真美「うん。もしかしたらはるるんと千早お姉ちゃんと一緒にやれるかもしれないんだ」
亜美「へぇー」
真美「だから練習しなくっちゃ。もっともっと練習して・・・」
亜美「・・・大変そうだね」
真美「なにそれー。亜美ほどじゃないよー。変なの」
亜美「・・・最近さ、兄ちゃん、どう?」
真美「どうって?」
亜美「あー、あんま会ってないから、さ・・・」
真美「んーと?フツー」
亜美「普通って、もっとないんかーい!」
真美「ないよ。普通。相変わらず。いつも通り」
亜美「・・・あんまさ、兄ちゃんの話、しなくなった・・・よね」
真美「えー?亜美が竜宮で忙しいからでしょー」
亜美(・・・ダメだ、やっぱり・・・分からない。何も見えない・・・)
真美「なんだなんだー?兄ちゃんが恋しくなったかー?」
亜美「だってりっちゃん厳しいんだもーん!」
真美「んっふっふー!まぁ一日ぐらいならー?真美が竜宮代わってあげるよー?」
亜美「ほんと!?」
真美「テレビで失敗しまくって逃げる。嫌だ!私は絶対働かないぞ!って叫んで逃げる」
亜美「おーい!マミサーン!!」
真美「兄ちゃんはいつも通りだよー。今度会えるんじゃん?」
亜美「そだっけ?スケジュール帳、どこやったかな・・・」
真美「えっと・・・、ほら、明後日インタビュー早く終われば、もしかしたら」
亜美「お、本当だ。なんかケッコー会ってない気がするよ」
亜美(真美、竜宮のスケジュールまでちゃんと書いてるんだ・・・)
亜美「・・・なんか、すごいな」
真美「なにがー?」
亜美「真美、なんか最近変わったよね」
真美「そう?そう?どう変わった?オトナなカンジ?」
亜美(あれ、今は分かる・・・。戻った・・・)
亜美「う、うん」
真美「いやーははは、分かっちゃったかー!ふっふふのふー!」
真美「・・・なんてね」
亜美(あ、また・・・)
真美「変わらなきゃいけないからね。真美は。もっと、もっと」
今日はここまで
今一番どうしようか悩んでいることは、響を出すタイミングを完全に失ったということ
それでは、おやすみなさい
確かに響のテンションはこの話自体を壊しかねない(笑)
ほしゅ
まだ待つさ!!
申し訳ないです
必ず続きを書きます
ひとつ片付いたので今度はこっちにかかります
もう少しだけ続くんじゃよ
ほしゅ
④
あれだけ悩んでこの体たらく・・・
くっ・・・
短いですが続き書きます
今サッと読んだが面白い
支援
翌日・レッスンスタジオ前
亜美「おーぅ、いおりんおっはー!」
伊織「あら、まだいたの?今日はもうあがりでしょ?」
亜美「まぁねーん。いおりんはこの後からでしょ?」
伊織「そうよ。今日はラジオゲストだから、ちょっと早めにね」
亜美「ったって夜までかかるっしょー。大変だねー」
伊織「別に、大変じゃないわよ」
亜美「ふぅん。ところでさ・・・、昨日あれからどこ行ってたの?」
伊織「あれから?普通に帰ったわよ」
亜美「・・・帰る方向違くない?」
伊織「方向?あぁ、“迎え”があっちにいたってだけよ。それがなに?」
亜美「うぅん、なんでもー。じゃあねーん」 タタッ
伊織「・・・」
律子「色々、勘付いてきたみたいよ。気をつけなさい」
伊織「・・・えぇ。で、今日の台本は?」
亜美「うぅーん、なんだろうな。最近のいおりんや真美って、やーっぱなんか違う」
亜美「ムズカシイトシゴロってやつなのかな・・・」
亜美「それだけなのかな・・・」 カチャ
亜美「ただいまぁーん」
響「おかえりー」
亜美「おっすおっす、ひびきんおひさー」
響「あはは、おひさー」
亜美「今日はもう亜美あがるけど、なんかあるー?」
響「んー?何にもないぞ。そろそろ貴音がロケから帰ってくるってくらい」
亜美「あー。お姫ちんよくアラスカなんか行ったよね・・・」
響「アイドルのやる仕事じゃないぞ。アラスカでラーメン修行なんて」
亜美「あ、あのさぁ。ひびきんムズカシイトシゴロって分かる?」
響「難しい年頃?なんだそれ?」
亜美「あずさお姉ちゃんが言ってたんだー。ムズカシイトシゴロねって」
響「あぁ、そういう・・・」
亜美「分かるの?」
響「つまり思春期、みたいな・・・?」
亜美「おう!なんか聞いたことあるな。それそれ!」
響「うんうん、で、誰がそうなんだ?」
亜美「へ?誰?」
響「んー?誰かがその難しい年頃って話じゃないのかー?」
亜美「あ、えっと、いおりんとか、真美とかさ」
響「あー、うんうん。分かるぞー、なーんとなく」
亜美「ね、ね、何なのかな、それって」
響「え?あー、うー・・・、うーん・・・」
小鳥「うふふっ、まだ分からないわよ。響ちゃんだって思春期だもの」
亜美「おー、ピヨちゃんいたのー」
響「そうなのかー?」
小鳥「えぇ。うちのアイドルはみーんな、まだまだ思春期真っ最中よ」
亜美「実はさぁ・・・」
響「へ、へぇぇ。可愛い下着とか・・・」
小鳥「高そうな下着、ねぇ。でも伊織ちゃんならそういうの、気を使ってそうよねぇ」
亜美「ねぇねぇ、二人はいつそうなったの?」
響「い、いつ?」
亜美「そうそう。なんか可愛いおパンツとかさ、高いやつとか」
小鳥「わ、私はもうずっと前だからぁ。おほほほほ・・・」 ショボンヌ
響「う・・・、いつ・・・、可愛い・・・?これ可愛いのかな・・・、どうかな・・・」 チラ
小鳥「で、でも、そういう女の子らしくあろうって気持ちは大事なのよ」
亜美「うんうん。で、いつから?」
小鳥「うぐ・・・、いつからだったかしら・・・。本当に思い出せないわ・・・」
響「可愛いのかどうかは分からないけど、自分で買うようになったのは中学ん時くらいかな」
亜美「ほうほう。メモメモ」
響「こういうのって美希に聞いた方がいいと思うぞ。あと春香」
小鳥「っていうか真美ちゃんに聞けばいいのに」
亜美「いいの!」
響「同じ年頃ならやよいはどうだ?」
亜美「もう聞いた」
響「そしたらなんて?」
亜美「暗ーい目で2枚980円で充分だって」
やよい『いいよ、別に・・・。高いのは買ってもらったけど穿くことなんかそうそう・・・』
やよい『なんであんな布切れがあんなに高いのか分かんない・・・。別にいいもん・・・』
やよい『・・・ロ・・・サーに買ってもらっ・・・いつ・・・穿けば・・・』 ブツブツ
亜美「みたいな感じだった」
響「へぇ。じゃあ一応持ってはいるんだなー」
小鳥「亜美ちゃんはどうなの?」
亜美「んー、今まで興味なかったからねー。あるの穿いてただけだし」
小鳥「じゃあこれから興味持っていけばいいじゃない。えっとまずは・・・」 カタカタ
響「んー?ネットカタログ?へぇ、こんなの見れるのかー」
亜美「あー、こーゆーのつけてるよ、亜美」
小鳥「成長期だからねー。そういったのを邪魔しないようなゆとりある云々――」 カチカチッ カチッ
真「・・・」
あずさ「どうしたの?早く入りましょう?」
千早「・・・」
律子「何やってんのよ。早く入ったら?寒いのよ、ここ」
真「くっ・・・」
千早「くっ・・・」
春香「はい雪歩、あーん」
雪歩「あーん」
真「・・・くっ」
千早「くっ・・・」
春香「それさえ言っとけばいいみたいな風潮あるよね」
雪歩「はい、春香ちゃん、あーん」
春香「あーん」
これ....ひょっとしてホラーじゃね?
亜美「ただいまー」
真美「おかえりちゃーん」
亜美「お?お風呂上がり?亜美も入る!」
真美「入って、どうぞ」
亜美「その前に髪、やったげよっか?」
真美「ほんと?よろしくー」
亜美「そん代わり、お風呂上がったら亜美のもね」 ブォォォォ
真美「おっけおっけ!ばっちし!」
亜美「最近それ気に入ってんの?」
真美「今日のゲスト、いおりんでしょ?楽しみでさ」 プチッ
ラジオ> モロボシキラリトー ミムラカナコノー キラリーン レボリューショーン ~♪
真美「始まった!」
亜美「・・・えい」 ガバッ
真美「にょわー!!」
亜美「おぉ、やっぱり可愛いブラ」
真美「なにすんのもー!!」
亜美「げへへへへ、どんなブラつけてんのかなーって」
真美「フツーだよ!フツウ!」
亜美「そっか、普通か」
真美「・・・そうだよ」
亜美「・・・はい、おーわり」
真美「えぇー?もうー?ちゃんとやったのー?」
亜美「やったよーん!じゃ、亜美もおっ風呂ーん!ラジオ録音しといてねー!」
真美「もー!」
バタバタバタ・・・
真美「・・・普通だよ、これくらい。亜美もすぐ・・・」
ラジオ> トイウワケデー サッソクー キョウノキラリーンパワー(ブツリ) ~♪
真美「・・・」
真美「いおりん出ないなぁ・・・」
ザパァ
亜美「・・・」
響『む、胸ならぴよ子に聞いた方がいいぞ。自分はその、あはは、減っちゃったから・・・』
小鳥『うーん、アドバイスしてあげたいけどもう1x年も前の話だし・・・』
亜美「・・・」
美希『ミキのおっぱい?小学生の時からおっきかったよ?』
春香『実は意外と胸が大きい雪歩に聞こう(提案)』
亜美「・・・」
律子『あずささんに聞いてみたいわ。個人的に』
あずさ『わ、私は別に~・・・』
亜美「・・・」
真『・・・やめてよね。そんな目で見るの』
千早『まぁ・・・なんでも・・・いいですけれど』
雪歩『泣くほど嫌ならやめればいいのに・・・』
亜美「・・・いいよ。すぐに・・・」
パシャア
亜美「そうだよ・・・。すぐ・・・」
真『追い越されたボクたちに対する嫌味なのかな?かな?』
千早『この役つらいからもう降りたいのだけれど』
春香『降りなよ・・・』
亜美「・・・すぅー」 ギュ
ザブッ
亜美「・・・」
律子『まだまだこれからだし、亜美は絶対将来美人になるわよ。私が見込んだんだし』
あずさ『えぇ。間違いないわ~』
真『こっち見て言ってくれませんかねぇ』
響『まぁまぁ・・・』
美希『真クンにおっぱいなんていらないと思うな』
真『いるんだよ!切実に!早急に!!』
雪歩『・・・あぁ』 ティン
ザバッ
亜美「っぷはぁ!」
亜美「・・・」
アミー! イオリンデター!
亜美「っ!うーん!今出るー!!」
バシャッ
亜美「・・・」
亜美「誘惑ポーズ」 クィッ
亜美「悩殺ポーズ」 クリッ
亜美「うん、まだまだこれから・・・」
亜美「すぐに追いつくよ」
亜美「せくちーぼでぃーになるんだもんね!」
亜美「真美と一緒に」
ガチャッ バタン
今日はここまで
いやもうほんと着地点がさっぱり見つからない・・・
あとようやく響出せた、ほっとした
でもやっぱり空気が変わってしまった・・・
>>119
ホラーというか、初期に書きたかったのは765プロの底にある
ひんやりとした狂気を書きたかった
とくに>>32の辺りで
うまくいかないなぁ・・・
ちゃんと面白いから頑張ってくれ
貴音を登場させたい
っていうか登場させるとこは出来てるんだけど
そこからどう話を膨らませるか・・・
もうひとつのssも滞ってるし、まいったなぁ・・・
数日後・国際空港ターミナル
貴音「ようやく到着しました。久方ぶりの日本ですね・・・」
貴音「ふふ。冬も本番でしょうに、あちらに比べると快適ですね」
千早「四条さん、こっちです」
貴音「まぁこれは・・・。あなたが迎えとは」
千早「えぇ、最初はあずささんが来る予定だったんですけどね」
貴音「わたくしの記憶では、如月千早は本日はお休みなはずでは?」
千早「そうなんですけど・・・、あずささんを寄越すくらいなら私が、と」
貴音「ふふ。確かにあずさでは少々、いえ、かなり不安ですね。それではよろしく・・・おや?」
千早「どうしました?」
貴音「その指輪・・・」
千早(しまった・・・。休日だからって油断していたわ・・・)
千早「ゆ、指輪くらいしますよ。私だって」 ハズシハズシ
貴音「・・・そうですね。女の子ですものね」 クスクス
千早「そうですよ。さぁ、律子が車を回してます。事務所に戻りましょう」
律子「おかえりなさい」
貴音「えぇ、ただいま戻りました」
律子「千早もごめんね。せっかくの休みを」
千早「いいわ。私も四条さんに会いたかったから。あ、荷物はこっちに」
貴音「・・・」
律子「シートベルトは?出すわよ」
貴音「えぇ」
千早「・・・」
貴音「・・・」
律子「お疲れ様でした。無事に終わってほっとしたわ」
貴音「ふふふ。ですがとてもいい経験でした」
千早「放送はいつに?」
律子「来月よ。年明けの特番になるわ」
貴音「・・・」
千早「・・・。・・・?」
千早「どうしました?」
貴音「いえ、なにかこう・・・。変わりましたね。如月千早」
千早「・・・そうですか?」
貴音「えぇ、近頃は特に。久しぶりに会ったせいもあるでしょうが・・・、とても柔らかく感じます」
千早「柔らかく?」
貴音「あなたを取り巻く、気のようなものが」
律子「それはまたスピリチュアルだわ」
貴音「そうですね。すぴりちゅあるにございます」
千早「・・・そうですか?自分では何も・・・」
貴音「心当たりは?」
千早「・・・ありませんよ」
貴音「ふふ。そうですか」
律子「オーラとか、そんな感じで見えるのかしら。まぁ見えてもあなたなら驚かないけど」
貴音「大したものは視えませんよ・・・」
千早「・・・」
事務所
響「おかえりー!会いたかったぞ貴音ぇー!」 ダキッ
貴音「まぁ、嬉しいことを。ただいま、響」
真「向こうもケチだよね。あれだけの大掛かりなロケだったら、最後まで面倒見てくれればいいのに」
律子「あのロケ隊、荷物だけ変えてあのままタイに飛ぶそうよ。お笑い系のロケで」
真「うげっ。なんて強行軍・・・」
律子「千早もお疲れ様。この穴埋めはさせてもらうわ」
千早「いいわよ、別に。それじゃあまた明日」
響「なーなー、土産話聞かせてよー」
貴音「ふふふ、いいですよ」
真「ちょっとは休ませてやんなよ。あ、雪歩いないから今日はボクがお茶淹れるね」
貴音「ありがとうございます」
貴音「・・・響」
響「なんだ?」
貴音「わたくしがいない間に、事務所で何かありましたか?」
響「えー?なんにもー」
貴音「そうですか・・・。気のせいだったのでしょうか」
響「どうしたの?」
貴音「・・・少し空気が、和らいでいるように感じたものですから」
響「久しぶりに帰ってきたからじゃないのか?」
貴音「・・・そうですね。きっとそうでしょう」
真「はい、お待たせ。雪歩には負けるけど」
貴音「いただきます。・・・ふふ、とても美味しいですよ」
真「よかった」
貴音「あぁ、帰ってきたと強く感じます。やはりここはいい・・・」
律子「真、そろそろ準備してね」
真「もう行けるよ」
貴音(菊地真の気も変わっている・・・。随分と華やいで・・・)
貴音(・・・少し、興味が湧いてきました)
亜美「お姫ちん帰ってきたってー?」
伊織「あら、本当だわ。久しぶりね」
あずさ「おかえりなさい」
貴音「なんと、竜宮の面々もいらっしゃるとは。ただいま戻りました」
亜美「お土産はー?ねぇお土産はー?」
伊織「ちょっと!」
貴音「ありますよ、期待してください」
亜美「やたー!!」
あずさ「元気に戻ってこれてよかったわね。すごく心配だったわ」
貴音「えぇ、過酷でしたが・・・それでもとてもいい経験だったと思います」
伊織「私なら御免だわ。過酷過ぎてとてもとても」
貴音(水瀬伊織の気も少し変わりましたね・・・。双海亜美の気も・・・。あずさはそのままですが)
貴音「ときに・・・少しお伺いしますが」
伊織「なによ」
貴音「わたくしがいない間に、事務所で何か変わったことはありませんか?」
伊織「・・・さぁ?思い当たらないわね」
あずさ「・・・特には。あ、亜美ちゃんがちょっと、おませさんになったくらいかしら。うふふ」
響「貴音、帰ってきてからそればっかり言ってるぞ。どうしたんだ?」
伊織「かなり長い間空けていたからね。そりゃあ気になるでしょう」
あずさ「そうね。これだけの長期ロケなんて、うちじゃ初めてだったかも・・・」
貴音「そういえばプロデューサーは?」
伊織「あぁ、あいつなら春香と一緒にレコーディングよ。真美も一緒」
貴音「そうですか、真美も・・・」
貴音(プロデューサーの名前を出した途端、水瀬伊織と三浦あずさの気が少し揺らいだ・・・?)
律子「さ、お話はこれくらいにして。明日はゆっくりしてちょうだい。明後日からまた忙しい日々が始まるわよ」
貴音「望むところです。わたくしはもっと高みに行かねばならぬ身ゆえ」
貴音「・・・あの方と共に」
伊織「・・・」
貴音「それでは、ごきげんよう」
貴音(・・・収穫はありました。あの方は一体何をしているのでしょうか・・・)
レコーディングスタジオ
真美「・・・」 メルメル
春香「なーにやってんの?なにやってんの?」 モグモグ
真美「お姫ちん帰ってきたって。食べながら喋んないでよ・・・」
春香「今日だったんだ。うわぁ、久しぶりに会いたいなぁ。明日会えるかな」
真美「明日は休みだから、明後日だね」
春香「そっかぁ、残念」
真美「・・・事務所で何か変わったことはないかって聞き回ったらしいよ」
春香「・・・そっか。そう・・・」
真美「お姫ちん、鋭いからね」
春香「そうだね」
真美「から揚げもらいっ!」
春香「あっ!ずるいっ!」
真美「だってずっと残してるんだもん。食べないのかなって」 モグモグ
春香「ぐぬぬ・・・、最後の楽しみにとっといたのに・・・!」
真美「あとはるるんさぁ、ここの音ハズしてるよ。ここもっと・・・」
春香「分かってるってばぁ。さっき散々言われたもん」
真美「全弾発射、のとこ。トン、トン、トォン・トって感じにいかないとさぁ」
春香「あー、お茶が美味しい」
真美「そんなんだから千早お姉ちゃんに叱られるんだよ・・・」
春香「あ、千早ちゃんからメールだぁ!」
真美「はぁ・・・」
春香「ふんふん、なになに・・・。私、どこか変わったかしら?だって」
真美「何それ?」
春香「変わったよぉ!超変わった!超可愛くなった!って送ろっと」 メルメル
真美「千早お姉ちゃんが迎えに行ってたんだっけ。あずさお姉ちゃんだとアレだもんねぇ」
春香「・・・貴音さんにそう言われたんだって。気が柔らかくなったって」
真美「へぇ・・・。やっぱ鋭いね、お姫ちん」
春香「・・・バレるのも時間の問題じゃないかな、これ」
真美「っていうかよく隠し通せてたよね、今までさ」
翌日・事務所
伊織「真のせいよ!」
真「えぇー?ボクぅ?」
伊織「そもそもこんなに話が大きくなったのは、アンタが事務所で・・・!」
律子「一番悪いのは自制しなかったプロデューサーだと思うけど」
伊織「じ、事務所で・・・その・・・、雪歩に見られたりなんかするから!」
真「いやぁ、あれは確かにマズったよ・・・。まさか雪歩がまだ帰ってないなんて思わなくって・・・」
伊織「仕事する場でいやらしいったら・・・。わきまえなさいよ!」
真「そんなこと言ったら千早なんかもっと・・・」
千早「こっちに飛び火させないでちょうだい」
春香「まぁまぁ・・・」
真美「コンサート会場でだっけ?あれは凄いよね。逆に武勇伝だよ、ブユーデン!」
千早「若気の至りよ・・・。もう赦してちょうだい・・・」
美希「千早さん10代なのに何言ってるの・・・」
やよい「うっうー!ワカゲノイタリですー!」
千早「あの頃はどうかしてたのよ・・・。もう治ったんだから赦して・・・」
伊織「ぐっ・・・。私が悪者みたいじゃない・・・」
律子「とにかく!今後は事務所内ではそういった行為は一切禁止!プロデューサーにもキツく言います」
美希「ミキはオッケーだよね?」
律子「ダメです!アンタも最近度が過ぎてるわ」
美希「外もダメここもダメったらどこでハニーとチュッチュすればいいの!?」
春香「どこでもダメだってば・・・」
やよい「おひざ抱っこ・・・」
律子「ダメ!」
やよい「うぅ・・・」
真美「おひざ抱っこもダメ・・・だと・・・」
律子「いい機会だわ。最近どうも緩んでると思うの。これを機に一旦ピッと締めましょう」
美希「そんな・・・律子、さん。そこをなんとか・・・。毎日ハニー分摂取しないとミキ生きていけないの・・・」
律子「シャラップ!!」
伊織「まぁ賛成だわ。真もいいわね?」
真「うん。ここではもうしないよ」
伊織(当たり前よ!事務所でするなんてもうムカムカする・・・!!)
真美「いおりんちょっと怖いよ。可愛い顔が台無しだよ」
春香「まぁみんなより一層気をつけるってことで、ね?」
千早「えぇ。異論はないわ」
美希「・・・はいなの」
やよい「はい!」
真美「おっけおっけ!ばっちし!」
伊織「ふん!」
律子「今夜私からプロデューサーにキツく言っておくわ。皆も気をつけるようにね」
伊織「そう言っておいてアイツと二人っきりになろうなんて考えてないでしょうね?」
律子「・・・勿論よ」
千早「・・・」
律子「トラストミー」
伊織「あ、これダメだわ」
コンコン
春香「しっ!・・・はぁい?」
カチャ
あずさ「・・・小鳥さんが戻ってきます。今日はそれくらいにしておいたらどうかしら」
律子「じゃあ今日はこれで解散。亜美が来たら竜宮はアー写の撮影に向かいます」
春香「千早ちゃんと真美は私と一緒にスタジオね」
やよい「私は今日はもう上がりますねー。お疲れ様でしたー」
千早「・・・」
真「ご、ごめんね千早・・・」
千早「・・・」 プイッ
真「ごめんー。ごめんってばぁー!」
真美「あーぁ、怒らせちゃった」
伊織「はいはい、行った行った」
美希「・・・明日からだから、そうだ、今日中なら・・・」 ブツブツ
律子「今日!たった今からだってのに!もう・・・」
今日はここまで
もう初期に書きたかったものの原型ねぇなこれ・・・
エロなしなんしょ?いったい何が行われてるのか…
乙
待っておりました
着地点をどう持って行くのか楽しみになってきた
>>142
エロは最初から書くつもりはないんだ
>>27-32辺りで、仄暗く漂う狂気みたいなものを書きたかったんだけど、真と雪歩が和解するところまでは予定通りだったの
で、亜美真美ちゃんの葛藤を書きたくなって、響と貴音を出してあげたいと思って、どんどん道から外れていって今に至るんだ・・・
今はギャルゲーでいう主人公不在のヒロイン達の視点みたいな物を書こうと思ってる
待っててくれる人たちには感謝してます
嬉しいもんだね、やっぱり
投げ出さないので気楽に待っててくださいね
書ききってくれるなら何時まで支援するぜ
うおおおおお!!
やよいのチキンライス聴いてたら泣きそうになったぞ!
ちょっと続き書きます!!
翌日・事務所
貴音「おはようございます」
小鳥「あら、おはよう貴音ちゃん。久しぶりね」
貴音「これは小鳥嬢。おはようございます」
小鳥「あれ?でも貴音ちゃんって今日はお昼からじゃ?」
貴音「いえ、みなの顔を見たかったものですから」
小鳥「うふふっ、久しぶりだもんね。みんな会いたがってたわ」
貴音「小鳥嬢も、・・・お変わりないようで」
小鳥「え?えぇ。元気元気!よ。うふふ」
美希「あふぅ。おはよーございまーす・・・」
貴音「おはようございます、美希」
美希「貴音!会いたかったのー!!」 ダキッ
貴音「えぇ、わたくしもですよ」
美希「あぁー、やっぱり貴音はふわふわでぽかぽかするの。ミキもうこのまま・・・」 zzz
貴音「これは困りました・・・」
貴音(美希も・・・変わったようには見えませんね。いえ、少し沈んで視えますか)
美希「zzz」
貴音(大事には至らないでしょうが、はてさて・・・)
真美「はよーんす」
貴音「おはようございます、双海真美」
真美「おっ!お姫ちん会いたかったze!!お土産あんがとね!亜美から貰ったyo」
貴音「喜んでもらえて何よりです」
貴音(・・・少し固い?・・・警戒しているように視えますね。やはり何かあった、と)
真美「あぁー、朝からボイトレなんて声出ないよー。」
貴音「ふふ。今日はれこぉでぃんぐですか?喉を開いておかなければなりませんからね」
春香「おはよーございまーす」
雪歩「おはようございます」
貴音「おはようございます、二人とも」
春香「あ!貴音さん!お久しぶりでーす!」
雪歩「四条さん、おかえりなさい」
貴音(春香は・・・相変わらずよく視えませんね。やはり春香は一筋縄ではいきません)
貴音(雪歩は・・・淡い色を放っていますね。何かあったようですが、こちらも大丈夫でしょう)
貴音(さて、少し仕掛けてみましょうか)
貴音「あの方は、プロデューサーはどちらに?」
ピリッ
春香「プロデューサーさんならずっとプリプロで篭ってますよ」
雪歩「まだ合わせの段階だって、ずっと忙しそうにしてました」
真美「はるるんのせいだかんね、歌録り始まんないの」
春香「うぐぅ・・・」
貴音(・・・やはりあの方絡みですか。これは決定的ですね)
貴音「残念です。会いたかったのですが・・・。めぇるだけでは寂しいですから」
春香「まだ時間大丈夫ですよね?来ます?スタジオ」
貴音「いえ、仕事に打ち込んでいる殿方を邪魔するつもりはありません」
春香「そう、ですか」
貴音「・・・えぇ。男を立てるのは女の仕事ですから」
美希「ふはっ!」 ガバッ
美希「ミキもう行くの!貴音、今度一緒にご飯行こうね!」 バタバタ
貴音「えぇ、必ず。気をつけて行くのですよ」
春香「私たちも行こっか、ね?真美」
真美「うん。じゃあね、お姫ちん」
雪歩「四条さん、お茶どうですか?淹れますけど」
貴音「まぁ、ありがとうございます。ときに、萩原雪歩」
雪歩「はい?」
貴音「わたくしがいない間に、何かありませんでしたか」
雪歩「え?うぅーんと、あっ、真ちゃんと初めてケンカしちゃった、くらいですね」
貴音「まぁ、それは珍しい」
雪歩「もう仲直りしましたけどね、えへへ・・・」
貴音「プロデューサーは、それに関係していますか?」
雪歩「っ!!」
貴音「・・・そうですか」
雪歩「あ、関係・・・しています、けど・・・、でももう解決・・・したことで」
雪歩(根本的には何にも解決してないんだった・・・、どうしよう・・・)
貴音「ふふ。雪歩は純粋ですね。申し訳ありません、驚かせてしまったようで」
雪歩「あ、いえ・・・。ど、どうぞ」 コトッ
貴音「いただきます」
雪歩「・・・」
貴音「美味しいですよ、とても」
雪歩「・・・」 ホッ
貴音「如月千早」
雪歩「・・・?」
貴音「菊地真」
雪歩「・・・」
貴音「水瀬伊織」
貴音「天海春香」
貴音「双海真美」
雪歩「・・・ど、どうしたんですか・・・?」
貴音「美希、律子、あずさ・・・」
雪歩「・・・」
貴音「まだ高槻やよいには会えていませんでした。会いたいですね」
雪歩「あ、あぁ、えっと、やよいちゃんはしばらく学校で」
貴音「・・・何があったのでしょうね。わたくしがいない間に」
雪歩「・・・」
貴音「響と亜美は・・・関係ないのですね。そうですか・・・」
雪歩「・・・な、何を・・・」
貴音「萩原、雪歩」
雪歩「は、はい・・・」
貴音「とても美味しいお茶でした。やはり雪歩のお茶はほっとしますね」
雪歩「・・・は、あ、ありがとうございます」
貴音「話してもらう訳には、いかないのでしょうね」
雪歩「・・・」
貴音「雪歩」
雪歩「は、はいっ」
貴音「申し訳ありません。帰ってきた早々、あなたにそのような顔をさせてしまって」
雪歩「・・・」
貴音「罪悪感が、湧きますね。あなたからだと。ふふ」
雪歩「・・・」
貴音「お茶、ありがとうございました。それでは」 スッ
雪歩「は、あ、いえ、お粗末さまでした・・・」
パタン
雪歩「・・・」
雪歩(まっ、まっ、真ちゃあああん!!無理無理無理私には無理ですうううう!!) メルメル
レッスンスタジオ
響「おーい、ケータイ鳴ってるぞー」
真「ありがと。あ、雪歩からだ。どれどれ・・・」
真「・・・あちゃあ、雪歩から攻めてきたか・・・」
真「・・・無理だなぁ、これ」 メルメル
真「気にしないで、と・・・」
真「・・・喋っちゃってこっちに引き込んだ方がよくないかな、これ」
真「伊織に聞いてみよっと」 メルメル
響「んー?何がー?」
真「なーいしょ」
響「なんだよーもー」
真「へへーっ、教えてあげないよーだ」
響「ハム蔵、真のお弁当食べていいぞ」
真「ちょちょちょ、ちょっと待ってよー!」
夜・事務所
律子「・・・はぁ?」
伊織「もうほぼバレてるって・・・どういう事よ?」
雪歩「わ、私何も喋ってないのに、どんどん言い当てられちゃって・・・」 メソメソ
真「表情読まれたからってこうも当てられるもんかなぁ・・・」
律子「そういえば・・・他人のオーラみたいなものが見えるとかなんとか言っていたわね・・・」
伊織「なによそれ・・・って言い切れないのが怖いのよね・・・」
千早「引っ掻き回される前に、全部話した方がいいんじゃないかしら」
伊織「それでもしもこっち側についたらどうすんのよ!これ以上増えるなんて御免だわ!」
律子「最悪の方向に転がることも考えられるわ」
春香「貴音さんがそんなことするようには思えないけど・・・」
真「ボクももういっそのこと話した方がいいと思うな。ね?千早」
千早「・・・」 ツーン
真「ぐはぁ」
春香「まだやってたの、それ・・・」
チョ、チョットマッテヨオヒメチン
ネ、マッテ?ムリヤリッテカンシンシナイナッテミキハミキハオモッテミル
律子「外が騒がしいわね・・・?」
ガチャ
伊織「あっ・・・」
貴音「こんばんわ」 ニッコリ
雪歩「・・・」
春香「こんばんわ、貴音さん。どうしたんですか?」
貴音「この事務所に漂う不穏な空気を察知したまでですよ。天海春香」
美希「はぁ、ちょっと待ってって言ったのにぃ・・・」
貴音「何を隠しているのでしょうか。わたくし気になって気になってらぁめんもろくに喉を通らないのです」
伊織(それは嘘でしょ・・・)
貴音「プロデューサーに直接聞いてもよかったのですが、わたくしとしてはみなの口から聞きたいのです」
千早(もう無理ね、これ)
真(顔は笑ってるのになんでこんなに怖いんだ・・・)
貴音「やはり響と亜美はいないのですね。あずさも」 キョロキョロ
貴音「高槻やよいは、しばらく学校でしたね。でも・・・そうでなければここにいたのでしょうか」
真美「・・・」
貴音「そうですか。彼女も・・・」
律子「あ、あのね、これは・・・」
貴音「春香、わたくし達は・・・仲間ではなかったのですか?」
春香「そうだね。仲間だもんね・・・」
伊織「春香?」
春香「でもね、仲間だからこそ、言えない事もあるんです」
貴音「・・・分かる話ですが・・・」
春香「話します。全部。包み隠さず。それからどうするか、・・・決めてください」
今日はここまでです
続きが気になりますな
なりますな。乙!
こんな時間になんですが、ラストの投稿になります
春香「・・・といった感じです。今のところは」
貴音「・・・なんと、ここまでとは・・・」
貴音「・・・如月千早」
千早「はい?わ、ちょ、ちょっと」
貴音「・・・さぞつらかったでしょうに」 ギュウッ
千早「いっ、いいえ、今となっては、もう・・・」
貴音「あなたがここまで苦しんでいたこと、わたくしは何も・・・」
千早「し、仕方ないじゃないですか。四条さんがまだ所属する前でしたし・・・」
貴音「この身ひとつで耐えてきたのですね。あなたは・・・」
千早「もう、大丈夫です。私はもう、大丈夫ですから・・・」
貴音「菊地真」 ギュッ
真「ふぁいっ!?」
真美「テンパりすぎ・・・」
貴音「わたくしは自分が恥ずかしい・・・。あなたが苦しんでいたことに気付けなかった」
真「いや、もうボクも平気っていうか、逆に今となってはオールオッケーっていうか・・・」
伊織「他人の気が見えるとかなんとか言っても、分からないもんなのね」
貴音「そこまで万能ではありません。わずかな、曖昧なカタチでしか視えないのです」
雪歩「それでも凄いと思いますけど・・・」
真美「ゆきぴょんは顔に出すぎっしょー」
律子「言えてるわ。最初に雪歩に当たったのは正解ね」
美希「貴音!ミキも!ミキもハグしてほしいな!」
貴音「まぁ、ふふ。望むところです」 ギュッ
美希「やっぱり貴音はふわふわで気持ちいいの。ミキもうこのまま・・・」 zzz
貴音「萩原雪歩、あなたもまた苦しんだのですね」
雪歩「いえ、私は全然・・・、みんなに比べたら・・・」
春香「・・・で、どうしますか?このあと」
貴音「どうする、とは?」
春香「・・・」
貴音「わたくしが、この事を高木殿に報告するかもしれないと?」
春香「・・・この状態が、この状況が異常だってことは、みんな分かってるんです」
春香「それでも・・・出来るならみんなこのまま・・・」
伊織「そりゃあ、本音を言えば最終的には選ばれたいわ。特別な一人にね」
千早「でも・・・それでは誰かが必ず諦めなければいけません」
雪歩(私は今でも真ちゃんを選んでほしいんだけどなぁ・・・)
律子「だから私たちは、いっそこのままの状況を維持することに決めたのよ」
真「ボクたちが乗ってるこの船は、いつか壊れるかもしれないけど、それでも、って」
真美「もし沈んじゃっても、このみんなで一緒に沈むんなら真美は別にそれでいいんだ」
貴音「それは・・・間違った覚悟だと思います」
雪歩(ですよねぇ・・・)
貴音「ですが・・・、最早引き返すことも叶わぬ道・・・と」
千早「後悔はしていないの。私も、真も。自分で選んだんですもの」
真「ブレーキなんて、とっくに壊れてるんだ。ボクたちのは特にね」
貴音「本当に何も知らないのは、響と亜美だけですか・・・」
伊織「雪歩とあずさは知ってるってだけだしね。今後この輪に加わることもないでしょうよ」
律子「逆に私たちの中から誰かが外れる可能性もあるんだけどねぇ」
春香「私は・・・外れる気なんてありません」
真美「真美もね。きっとやよいっちも」
伊織「私だってないわよ!もうすぐそこまできてるんだから!」
律子「アンタやっぱりあの時の“迎え”って・・・」
伊織「えぇそうよ!アイツの所で一晩過ごしたわ!はっ!悪い?(添い寝しただけだけどね!)」
律子「・・・いや、大体分かってたからまぁいいけど」
春香「ちょっと待って。初耳なんだけど」
伊織「あーらごめんなさい!でも全部報告する必要はないでしょう?」
千早(私の過去から何から全部バラされたのに・・・)
真(今みんなの前で説明させられたのに・・・)
真美「ちょーっと待って!お姫ちん置いてっちゃってるから!」
貴音「・・・こほん。みなが本気だというのはとても強く、その、感じました」
貴音「わたくしも事を荒立てるつもりはありません。胸の内にしまっておくことにしましょう」
真美「まぁそんだけデカけりゃしまえるよね」
千早「くっ・・・」
貴音「ただ、あの方とは一度きちんと話さなければなりません。それはいいですね?」
春香「そりゃあ別にいいですけど・・・」
雪歩(あずささんって結局プロデューサーとお話したのかな・・・。してないような気がする)
律子「じゃあひとまずこれで――」
貴音「数が多いのは少々気になりますが、あの方はいずれ四条の名を継ぐ者。多少の妾は許しましょう」
伊織「・・・はぁ?」
真美「メカケ?」
律子「ちょっ、なに言って・・・」
貴音「?」
真「いやなにキョトンってしてるのさ。妾ってどういう意味?」
貴音「わたくしは十人かそこらの妾なら許すと――」
伊織「だーから、なんでアンタに許してもらう必要があるワケ?」
貴音「それくらい許せなくて、あの方の妻が務まりましょうか」
千早「ツマ・・・?」
真美「真美知ってる!お刺身についてくるヤツだ!!」
雪歩(あぁ、貴音さんも“あっち側”なんだぁ・・・)
春香「ちょ、ちょっと待ってください。それは聞き捨てなりませぬ!」
真美「なりませぬって・・・。どしたん?りっちゃん」
律子「・・・こうなる気がしてたのよね。どっちかっていうと」
真「あー、こっちのパターンか・・・」
伊織「だっ、だから嫌だったのよ!これ以上増えるなんて!」
律子「しかも言うに事欠いて妻ときたか・・・」
貴音「英雄色を好むという言葉もあります。まぁ将来的にみなは四条家の後宮に入ってもらうとして」
伊織「勝手に話を進めるなっ!」
美希「ふはっ!」 ガバッ
真美「あ、起きた」
貴音「見たところ指輪まで貰っている如月千早がやや先んじてるとは思いますが、充分に挽回は可能かと」
真「は?指輪?」
千早「し、四条さん!それは・・・!」
真「ちょっと待って。それも初耳なんだけど」
美希「なになに?なんの話?」
真美「んーとね、お姫ちんがお刺身で、真美たちは高級なんだって」
伊織「指輪ってなによ!?いやそれも気になるけど、まるで自分が正妻みたいな顔をしてっ!」
貴音「?」
伊織「キョトンとすんなっ!」
真「どういうこと?千早。指輪って何?」
千早「・・・指輪は指輪よ。ただのアクセサリーだわ」
真「貰ったってどーゆーこと?そんなの聞いてないんだけど」
春香(実は知ってました)
雪歩(なんかもうメチャクチャになってきたよぅ・・・)
千早「いちいち全部言う必要はないでしょう?」
真「あっれー?なーんかカチンとくるな、その言い方」
美希「貴音がハニーのハニーになるの?ハニーはミキのハニーだよ?」
律子「収拾つかなくなってきたわ・・・」
美希「たまにならみんなに貸してあげてもいいけど、ハニーの一番はミキだって思うな」
わいわい がやがや あーでもない こーでもない
律子「静かに!」 バン!
ぴーちく ぱーちく ぺちゃくちゃ ぺちゃくちゃ
律子「しーずーかーに!」 バンバン!!
しん
律子「一旦まとめましょう」
雪歩「あ、私お茶淹れてきますね・・・」 ソソクサ
律子「貴音はこの件をバラすどころか、むしろ加わるってことでいいのね?」
貴音「構いません。プロデューサーと正式に話をしてからになりますが」
美希「ねぇもう響も一緒に――」
春香「貴音さん」
貴音「美希」 ギュウッ
美希「あふぅ」 zzz
真美「便利だなぁ、その技・・・」
真「ボクだ」
千早「私よ」
真「絶対ボクだね」
千早「真がそう思うんならそんなんじゃない?真の中でならね」
伊織「私を挟んで争わないでちょうだい・・・」
千早「もう隠す必要もないわ。着けちゃいましょう」 スッ
真「ぐっ・・・。なんだいそんなプラチナリングなんか・・・」
伊織「持ち歩いてんのね・・・。しかも薬指、いい度胸だわ」
真美「これさぁ、もう亜美も入れていい?入ると思うんだけど」
春香「やよいがいない状態で話が進むなぁ・・・。まぁやよいなら笑顔で受け入れるんだろうけど」
律子「明日あずささんになんて説明すればいいのかしら・・・。引っくり返らなきゃいいけど」
貴音「今さら一人二人増えたところでわたくしは構いません」
伊織「はん。なんなら私の稼ぎで全員入れるマンション建ててやってもいいのよ?水瀬の名前になるけどね!」
律子「まだ未成年の伊織に、そんなに稼ぎはないわよ」
伊織「えっ!?」
カチャ パタン
春香「はぁぁ、つっかれたぁ」
雪歩「まだお話中?」
春香「千早ちゃんと真が言い争ってて」
真美「お姫ちんといおりんがどっちの名を継ぐとかなんとかって争ってる」
雪歩「あはは・・・大変だぁ」
真美「大体兄ちゃんがセッソーナシだからこうなるんだよ」
春香「しょうがないよ。それでも好きになっちゃったんだもん」
雪歩「・・・そうなんだよね。真ちゃんも・・・、ううん、みんなきっと」
春香「ごめんね、巻き込んじゃって」
雪歩「・・・いいんだよ。それはもう、・・・いいの」
真美「兄ちゃんそろそろ帰ってくるんじゃん?ついでだからみんなの前に連れてこうよ!」
春香「・・・そうだね。そうしよっか!」
真美「いぇーい!みんなでぼっこぼこにしようぜぇ!」 パタパタ
春香「雪歩」
雪歩「うん?」
春香「・・・ありがとうね」
雪歩「・・・」
春香「・・・なんか、急に言いたくなっちゃった」
雪歩「いいんだよ、春香ちゃん。だって私たち・・・」
春香「なぁに?」
雪歩「仲間、だもんね」
end
終わりじゃい!!
夏から書いて冬になるとかもうすんませんでした!!
ほんの息抜きで始めたらこっちまで止まる始末・・・
じゃあもう次のssにかかりますね!待っていてくれた方々にはほんと感謝してます!
ありがとうございました!
ドッキリ企画オチかと思ったがそんなことなかったぜ乙
おつ
よくぞ完結してくれた、面白かった
最後の仲間ってどっちの意味の仲間なんだろう…?
普通の意味での「仲間」です
雪歩自身、この歪な輪に加わる気はありません
あれ、あげちった・・・
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