小鳥「一杯のかけそば」 (17)
少し前に書いた
P「やっぱり俺には……アナタしかいない」
の後日談みたいな感じのお話です。
恐らくは前作を読まなくても何となく内容は分ると思いますので
無理に読まなくても大丈夫だと思います
それではよろしくお願い申し上げます、
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とあるお蕎麦屋さん。
がら…
店主「いら~しゃいいら~しゃい」
P「ここでいいかな?」
小鳥「はい」
店員「いらっしゃいませ。お茶とおしぼりです」
コト…×2
P「あっどうも」
店員「それで…ご注文はもう、お決まりですか?」
P「う~ん。そうだな…じゃあ、俺はうどん定食で」
小鳥「私は…かけそばをお願いします」
店員「うどん定食と、かけそばですね。畏まりました」
ささっ…
P「いいのか?かけそばだけで?別にこれ位は俺が出すから、もうちょっとくらい頼んでも――――」
小鳥「ふふ…大丈夫ですよ。私…かけそば好きですし。今日はそういう気分なんです」
P「そうか。まぁ…小鳥がそういうのなら、いいけど……」
小鳥「はい」にこ
ずず…
P「はぁ…何かやっといろんな意味で落ち着いた気がするな……」ふー
小鳥「いろいろありましたからね」
P「はは…あれから、雪歩と千早に二股を掛けていたのが、事務所で明るみになって……」
P「ほかのアイドルから白い目で見られるわ。あの二人には思いっきり張られ、社長にはぶん殴られて……」
P「挙句に事務所に居られなくなったりで、大変だったよ」はは…
P「それから色々あって……正直…本当の意味で、俺このまま死ぬんじゃないかとすら思ったし……」
小鳥「ふふ…でも本当は…私を含めて三股も掛けてたんですけどね」
P「それは言わないでくれ……っそれは小鳥も知っての事だったじゃないか」
小鳥「ふふ…そうですね」
P「まぁ…全部自分の撒いた種というか…自業自得なんで文句の言い様もないんだけど……」
続きだって言うなら前作貼るんだよあくしろよ(期待)
期待するしかないじゃないか!
P[正直…あの頃は表沙汰にならない様に上手く立ち回っていた心算だったけど……」
P「どういう訳か…何時からか、所長に知られてしまっていて……それで呼び出されて……」
P「…………あの時の社長の顔を思い浮かべるだけで、今でも身震いするよ……」ブル…
小鳥「………………」
P「本当に…今回の件で、お天道様はすべてお見通しと言うか、悪い事は出来ないなって思ったよ」
小鳥「………………」
P「あれから…事務所の皆に糾弾されて…白い目で見られて・……」
P「あの二人には泣かれて、あんな事になって……それで初めて気付かされたよ。あの時の俺は本当に愚かだったって……」
小鳥「……………………」
P「でも…お陰で目を覚ます事が出来て、本当に良かったと思ってる」
小鳥「…………そうですか……」
P「ああ…本当にあの時の俺は大馬鹿野郎だったと反省してるよ……」
小鳥「あの時は本当に大変でしたね…あの子たちもアナタも……」
P「本当にあの二人には悪い事をしたと思ってる。未だに…どう償えばいいのか判らない位に……」
小鳥「でも…Pさんだって充分、責任を取ったじゃないですか?」
P「確かに事務所を辞めさるを得なかったけど。でも…そんな事務所に居られなくなった俺に社長が、新しい事務所を紹介してくれて……」
P「今じゃ、男性アイドルグループのプロデューサーだからな」
小鳥「ふふ…そうですね」
P「まぁ女性アイドルの二股なんかやってたヤツが。また女性アイドルの担当なんて任せられる筈もないし、実は最近では寧ろこっちの方が性に合
ってるじゃないかって思える様になってきたんだ」
小鳥「それは良かったですね」
P「ああ。本当に社長には足を向けて寝られないよ。それに――――」
P「こんな俺をまぁ…色々あったけど…最後には赦してくれた、雪歩と千早には、感謝してもし切れないし、あの二人にはアイドルとしてこれから更に飛躍してほしいと思う」
小鳥「そうですね…でも今では、二人とも大人気アイドルですもんね」
P「ああ。そうだな。ホントにあの件ついては、外に漏れずに内々の問題で済んで、本当に良かった」
P「俺はともかくあの二人がマスコミや世間に晒されて、致命的なスキャンダルになって、アイドルとしての道が閉ざされて終う事も無かったし」
小鳥「本当にそうですね……」
P「本当にあの二人には幸せになって欲しい……そう―――――」
P「俺みたいに」
小鳥「!!…それって―――――」
P「もちろん…君との事だよ……」
P「Pさん……」
P「……この事が事務所内で公になった時に、こんな事を言うのもなんだけど。それでも君の事まで明るみに出なくてよかった。もしそうなってい
たら事態はさらに混乱しただろうし……」
P「何より今、こうして君と一緒に居る事が出来なかったかもしれない」
小鳥「そうですね……」
P「あの時…君が俺を支えてくれなかったら、今頃俺はどうなっていた事か、本当に分からない」
小鳥「Pさん……」
P「あんな事があったのに、でも君は…君だけは、それでもこんな俺に付いて来てくれて…ずっと支えてくれて……本当に感謝してるし、俺には過ぎた話だと思ってる」
小鳥「ふふ…私だって、Pさんが私を選んでくれて嬉しいと思ってますよ。実際…私ももう年齢的にも崖っぷちですし」
小鳥「そろそろいい人を捕まえて。今まで居た巣を飛び出して、新しい巣を作らないといけないですからね」
P「ははは…」
店員「お待たせ致しました。うどん定食と、かけそばです」
ゴト…カタ…
P「あっ。どうも……」
店員「では。ごゆっくりどうぞ」
P「では。早速いただくかな」
小鳥「そうですね」
P・小鳥「「いただきます」」
小鳥「ねぇ…Pさん……」
P「ん?どうしたんだ?やっぱり、かけそばだけじゃ、もの足りなかt――――」
小鳥「違いますよ。私…いえ…これからの私とアナタ関係が…この一杯のかけそばみたいになったら良いなって思っているんです」
P「え?……ど…どういう事?」
小鳥「かけそばって、お蕎麦とおつゆが合わさって、初めて成立するものじゃないですか?」
P「ま…まぁそりゃそうだけど……」
小鳥「それで…私がお蕎麦で、アナタがおつゆになれたらいいなって」
P「?どうして俺がつゆで、君が蕎麦なんだ?」
小鳥「ほら…かけそばって、お蕎麦の方が先に食べ終わるじゃないですか?」
P「確かにそう言えばそうだけど……」
小鳥「ですから…このかけそばの様に…これから先…私よりもほんの少しでも、あなたに長く生きていて欲しんです……」
小鳥「アナタを失った悲しみに…挨拶なんてしたくないですから……」
P「小鳥……」
小鳥「ふふ…でも実は自分よりも長生きして欲しいっていうのは、私の従妹だった人からの受け売りなんですけどね」てへ
P「そうなんだ」
小鳥「ええ。その人…私の亡くなった従妹の兄の奥さんだったんですけど、別の方と再婚を決めた時に、その相手の方からのプロポーズを受けた際に、こう返事をしたそうなんです」
P「…………」
小鳥「その話をその人から聞いた時に…すごくいいなぁって思って……私もそんな人に、めぐり逢えたらって……」
P「小鳥……」
小鳥「ずっとそう願って…憧れて…………でもなかなか上手くいかなくて……」
小鳥「でも―――――」
小鳥「今私の目の前にはアナタがいる…やっと見つけた…めぐり逢えた。ずっと一緒に生きていきたいと思う私の大切な人……」
P「小鳥……」
小鳥「ふふ…ちょっと恥ずかしいセリフを言っちゃいましたか?//////」
P「そんな事ないよ…俺も君にそう言ってもらえて嬉しいし、俺も同じ気持ちだから……」
小鳥「Pさん……」
P「小鳥……」
じー
店員「……………あの…お茶かお冷の御替わりはいいですか………?」
P・小鳥「「!!!!!?////////////」」ドキッ!!!
P「あっ…じゃあいただきます……///////」
小鳥「わ…私も……///////」
店員「はい」
すっ…
店員「失礼しました。ではごゆっくり」
すたすた
P・小鳥「「………………………………」」
P「はは……恥ずかしい所を見られちゃったかな……//////」ずず…
小鳥「そ…そうですね……//////」ずず…
小鳥「でも…こんなイタいところも、なんかちょっと心地いいです」
P「……………そ…そうだな」はは…
小鳥「でも…私たちもいつか…このかけそばの様に、シンプルだけど、あったかい家庭なれたらいいなって……」
P「そっか…でもそれなら―――――」
すっ
小鳥「?」
P「こうやってうどん定食の、天ぷらをかけそばに乗せたら、ほら…シンプルな中に彩が出来ただろう?」
小鳥「…………!!これって……もしかして……」
P「うん。かけそばに…天ぷらと言う、俺と君から産まれた子どもを乗せる事によって、シンプルな家庭が、彩のある家族になるんだ」
小鳥「Pさん……」
P「もし君がシンプルな方がいいならそれでもいい。それはそれで一つの幸せの形だと思うし、君がそれを望むなら、俺はそれでも全然構わない……」
小鳥「ううん…私もアナタと彩のある家族を作っていきたい。この、かけそば…ううん天ぷらそばみたいな、あったかくて彩のある家族をアナタと
共に築いていきたい……」
P「そうか…そう言ってくれて、とても嬉しいよ……」
小鳥「私も……アナタにそんなに想われて…とても嬉しいです……」
P「これから、もしかしたら今までよりももっと大変な事が起こるかも知れない……それでも俺に付いて来てくれるか?」
小鳥「はい。だってどんなに大変な事があったとしても、それでもアナタと一緒に居られない方が私にとっては辛く悲しい事ですから……」
P「小鳥……」
小鳥「それに…たとえどんな事があったとしても、アナタと一緒に居られるだけで、私は幸せだって思うんです」
P「俺も同じだよ。それに君と一緒なら、どんな事でも乗り越えられると信じてる」
小鳥「はい」
P「小鳥……」
小鳥「はい」
P「だから―――――」
P「これから二人で―――――」
P「あったかい家族を作ろう」
おしまい。
どうしてこのお話を書いたのか自分でもよく分からないですが
どうにか終わらせる事が出来て良かったです
ありがとうございました
乙です
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