セレス「閉じ込められましたわ」田中「……」 (29)

>>1は遅筆です
・らーぶらーぶもえーろえーろな展開もありません
・キャラ設定がうろ覚えなので間違ったとこがあるかもしれません
・このスレをエタらせはしない…十神の名(を勝手)にかけて!

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フハハハハ!
期待だ!期待してやるぞ!

セレス「はあ……面倒ですわね」

セレス「なぜお昼過ぎに体育などしなければならないのですか。しかも1、2年合同で」

セレス「動くのは性に合いませんしどこかでサボれる場所でも探すとしましょうか」

セレス「あら?あれは体育倉庫でしょうか。ですがわたくしの記憶ではもう少し別の場所にあった気が……」

セレス「まあいいでしょう。ここで隠れていれば体育の授業の終わりまで過ごせそうですし」




セレス「随分ほこりっぽい所ですわね。腐っている部分もありますし……。管理者はきちんと掃除をしているのでしょうか」

田中「何者だ!」

セレス「あら、先客がいましたの」

田中「聞こえなかったのか。何者だと聞いている」

セレス「人に名前を聞くときは自分から名乗るのがマナーですわよ?」

田中「ほう……。この学園の者はみな俺様を知っていると思っていたがな……。いいだろう、教えてやる」

田中「俺様の名は田中眼蛇夢!今世紀最大の害悪、‘‘制圧せし氷の覇王''とはこの俺様のことだ!」

セレス「……?何ですの、そのイタいキャラ付けは」

田中「イタいキャラ付けだと……!この覇王を愚弄する気か!」

セレス「ああ。あくまで徹するのですね、分かりました」

田中「さあ、次は貴様の番だ。名を教えてもらおうか」

セレス「わたくしの名はセレスティア・ルーデンベルク。セレスと呼んでくださって結構ですわ」

田中「セレスか……。なかなか高貴な名前だな。だが俺様の目はごまかせんぞ!貴様が被っている偽りのベールがな!」

田中「貴様は生粋の日本じ……」

セレス「フランス貴族の父とドイツの音楽家である母のもとに生まれましたの」ニッコリ

田中「…………」

セレス「…………」

田中「なるほどな。役に徹するというわけか。見上げた根性だ」

セレス「ところで、あなたはどうしてこんな所に?今は1、2年の合同体育を行っているはずですけど」

田中「この怪鳥が発したオーラを察知したのだ。生憎、手当てに専念できる場所がここしか無かったのでな」

セレス「死にかけの鳥の鳴き声など聞こえるのですか?」

田中「フッ……。今から見る光景に魂を奪われるなよ?現れよ!破壊神暗黒四天王!」

四天王「チュー」

セレス「……ただのハムスターではありませんか」

田中「ただのハムスターではない!この者達がかの怪鳥のオーラを察知し、俺様の協力を欲したのだ!」

セレス「はあ……。どうやらあなたを理解するのは難しいようですわね。理解したいとも思いませんが」

田中「フン。貴様こそ何故ここに来た。貴様の言った通り今は‘‘聖戦の火蓋''が切られているようだが?」

セレス「わたくしは体が動かすのが嫌いなのです。ゆえにどこかでサボれる場所を探した所ここにたどり着いただけです」

田中「‘‘ランクアップのための鍵''を自ら捨てるか。理解しがたい行動だな」

セレス「単位が足りなくなったら仕方なく出ますわ。どこぞのウニ頭みたいにはなりたくありませんし」

田中「……俺様の本能も貴様のことを理解したいとは思わないようだ」

セレス「あら、どうぞご勝手に」





田中「…………」

セレス「…………」

田中「む。道具が足りんな。俺はこの怪鳥を治すために教室へ道具を取りに行く。貴様とは二度と話すことはないだろうな、‘‘偽りの黒き女王''よ」

セレス「…………」

田中「…………」ガタッ

田中「…………?」ガタガタッ

田中「………………」ガタガタガタガタ

田中「……こ、これは!?」

セレス「どうかしましたの?騒がしいですわね」

田中「扉が……開かない……!」

セレス「なんですって?」

田中「嘘ではない。試してみろ」

セレス「…………」ガタガタ

セレス「どういう……ことですの?」

田中「どうやら俺たちは何者かに閉じ込められてしまったようだな」

セレス「一体誰がこんなことを……」

田中「分からんな。だが焦っていては仕方ない、ここから脱出する方法を探すしかないようだ」

田中「幸いこの扉はわずかながらの隙間がある。よって空気の心配はしなくていいだろう」

田中「次は食糧だ。貴様、昼食はとったな?」

セレス「ええ。ちなみに食べ物は何も持っていませんわよ」

田中「ならばよくて3日持つかどうかか……」

セレス「そんなに長い間ここにいたら誰かがわたくしたちがいなくなったことに気づきますわよ?」

田中「分からんぞ。もし俺たちを意図的に閉じ込めたとしたら怪しまれないように情報操作などをするはずだ」

セレス「そんな可能性……」

田中「無いとは言い切れん。聞いた話では、この学園には超高校級の才能を持つ者を疎ましく思う輩もいるようだしな」

セレス「はあ……。まったくついていませんね。わたくしはただ授業をサボりに来ただけですのに」

田中「俺様など怪鳥を助けた上に手当てまでしていたのにこの始末だ……」

セレス「運がないなんて超高校級のギャンブラーとしてあるまじきことですわ……」

田中「ほう。貴様の才能はギャンブラーだったのか。さしずめ‘‘幸運を統べる偽りの魔女''といったところか」

田中「それでギャンブラーとはどういう生物なんだ」

セレス「あら、わたくしのことは理解する気はなかったのでは?」

田中「……俺様はギャンブルに興味を持っただけだ。お前のことではない」

セレス「……そうですか。ギャンブルとは賭け事。お金は当然、身につけている物や、果ては命までも取り合うのです」

田中「命だと?俺の知っているギャンブルはそこまで物騒ではないと思っていたが……」

セレス「ええ、その見解で間違いありませんわ。あくまで表の常識ですけど」

セレス「臓器というのは高く売れるのですわ。借金の果てに困った人は自らの臓器を賭けに出しますの」

田中「……それは心臓もか?」

セレス「もちろん。特に心臓は高く売れますわ。小さなお城が買えてしまうくらいに」

田中「そんな中で貴様は生きてきたというのか……」

セレス「わたくしにとってギャンブルは人生ですわ。それを今更誇るような真似も、とぼすような真似もしません」

田中「怖くないのか……負けることが……」

セレス「負けることに怯えていたら勝てる勝負も勝てませんわ」

セレス「わたくしには絶対的な運があります。神に与えられし絶対的な運が」

セレス「わたくしが負けるとき……それはわたくしの運をもしのぐ‘‘幸運''が現れた時ですわ」

田中「幸運か……。俺の‘‘同胞''にも以上に運のいい男がいたな。貴様のそいつの試合……是非とも見てみたいものだ」

セレス「わたくしのクラスにも幸運がいるのですが……あれは幸運というより不運ですわね」

セレス「ギャンブルの相手にふさわしいと思ったのですが、とんだ期待はずれでしたわ」

セレス「……ですがあんな彼でも、命を賭けた試合でしたら多少は面白くなれそうですわね」

セレス「少しおしゃべりが過ぎましたわ。ですがこのままあなたの才能も気になりますし、よければ教えてくださらない?」

田中「いいだろう。語りの礼だ」

田中「俺様の才能は超高校級の飼育委員だ」

セレス「飼育委員……?ああ、だからそんなに動物を連れているのですわね」

田中「お前がギャンブルを生きがいとするのならば俺様はこの魔獣たちを統べることを生きがいとしている」

セレス「ですが動物を飼うのは骨が折れませんこと?餌を与えなければなりませんし、勝手に部屋に侵入されて荒らされる時もありますし」

田中「ほう。その口ぶりだと貴様も魔獣との契約をしているようだな。問おう、貴様の誰のマスターだ?」

セレス「猫を飼っていますわ」

田中「猫か……。奴らは知能が高い分慣らすまで時間がかかる。飼い始めの頃は苦労するだろうな」

セレス「ええ。ですが不思議と嫌いにはなれませんわね」

田中「猫は愛玩目的で飼われることが多い。貴様がそう思っているということはすでにヤツの術中に嵌っているということだ!」

セレス「まあ、虜になっていることは否定しません。わたくしにはあなたが動物にかける情熱が分かりませんわね」

田中「人間は食を取り、体を操り、その一生を終えるとき永遠(とわ)の眠りにつく……。魔獣も同じだ。そして俺様は奴らがその全生命を使い果たす、その最期の瞬間までを見ていたいのだ!」

田中「生活を共にし、互いに支えあう。共に笑い、共に泣き、新しい生命の誕生に喜び、古き生命の別れを惜しむ……」

田中「そんな生命のサイクルの一端を担う、それこそが俺様の生きがいなのだ!」

セレス「あなたもわたくしと同じように幾つもの死を見てきたわけですか……」

田中「それが人かどうかの違いだな。俺様は命を簡単に賭けるようなやつは好きではない。生まれもった生命を無下にするということは、今を全力で生きている全生物への侮辱となる!」

セレス「あら、それではわたくしのことも嫌いなのですね。わたくしは命の賭けはギャンブルに付き物だと考えていますし」

田中「貴様を少々命を軽く扱いすぎではないのか……!」

セレス「この心臓はわたくしのものです、わたくしがどう使おうと勝手ですわ。あなたこそ命を少し重く考えすぎなのでは?」

田中「……俺と貴様はとことん相性が悪いようだな」

セレス「まったくですわ。共通点のかけらも見当たりませんわね」

セレス「あなたみたいな人と一緒にいるクラスメイトは大変ですわね。こんな難解な言葉を発する人を相手にしなければならないのですから」

田中「俺様が必要なのは……沈黙と無関心だけだ」

田中「だがこの覇王のオーラに惹きつけられる異物も存在するのだろう。俺の周りにいつもベタベタしてくるメス猫がいる」

田中「そしてそのメス猫に心酔している下等生物……。そこから様々な繋がりを経て俺様の‘‘同胞''が存在する」

田中「最近は‘‘特異点''の存在もできた。この俺様に触れることのできる唯一の存在だ」

田中「この世界はいずれ俺様が支配する!その時に築きあげた鎖が他の者を介し広まってゆく!そして全世界の人間が俺様を崇拝するだろう!フハハハハハ!」

セレス「最後のはよく分かりませんが、あなたは学園生活を楽しんでいるということでよろしいのですね?」

田中「違う!俺様は一人で過ごしたいのだが奴らが寄ってくるだけだ!」

田中「この溢れ出る魔力を抑えることができれば一人になれるというのに……。魔力が高すぎるのも厄介なものだな」

セレス「素直じゃありませんわね」

セレス「あなたみたいな人と〜相手にしなければならないのですから」

………タエコティア・ルーデンヤスヒロさんも人の事言えないだろうがッ!

田中「フン、貴様こそ共存している‘‘同胞''が大変そうだがな」

セレス「フフフ……。あなたは分からないでしょうが女性には女性のネットワークがあるのですよ。特に、このメイクと衣装はクラスでは高評価ですわ」

セレス「それに男性陣の方も少し恐か……頼みこめば言うことを聞いてくれる位には仲がいいですわよ」

田中「今、恐喝と言いかけなかったか?」

セレス「特にナイト候補の彼はお気に入りですの。あなたも顔立ちは悪くないのですが性格と言動がわたくしとは合わないのでナイト候補からは外させていただきますわね」

田中「ナイト候補だと?」

セレス「ええ。わたくしの夢なのです。ギャンブルで稼いだお金を使って西洋のお城を建て、そこでヴァンパイア風のイケメン執事達と退廃的な暮らしをするのですわ。もちろんわたくしはお姫様です」

田中「まさに‘‘夢''という言葉がふさわしいな……。本当に実現できるのか?」

セレス「もちろん。何があろうと実現させてみせますわ。そうでなきゃ夢を追う意味がありませんもの」

田中「ならば俺様からは何も言うまい。自分の夢のために全力をかけることも悪くはないからな」

貶す

×とぼす ○けなす

セレス「それにしても喋っていると喉が渇きますわね。わたくし、早く帰ってロイヤルミルクティーが飲みたいですわ」

田中「俺様も魔力の供給とこいつの手当てをせねばならん。おしゃべりはここまでにして、早く脱出口を探すか」





田中「クッ!木でできた倉庫の癖になかなか頑丈だな!」

セレス「わたくしもううんざりしてきましたわ。ここにいると灰かぶりならぬ埃かぶりになってしまいます」

田中「あれこれ試してみたがビクともしないな……。この俺様の魔力が万全ならばこの建物を焼き払えたものを……」

セレス「何をバカなことを。やはり誰かが気づくまでここで過ごさねばならないのでしょうか」

田中「俺様たちは3日ほどもつがこいつらはな……」

四天王「チュー」

セレス「そちらの鳥も明日までもつか怪しいですわね」

田中「俺様がいながら目の前の怪鳥一体救えんとは!」

セレス「もう、なぜあなたは携帯電話を持ち歩いていないんですの?」

田中「俺様はそんなものに頼りなどせん!俺様が言伝を頼めるのは大空を羽ばたく大怪鳥!ただそれだけだ!」

セレス「今時伝書バトっていつの時代の人なんですかあなたは……」

田中「そういう貴様こそなぜ持っていない!」

セレス「わたくしへの連絡及び報告は全て奴隷がすることです。故にわたくしは携帯電話など持っていなくとも連絡はとれるのです」

田中「俺様の怪鳥を人間に置き換えただけではないか……!」

セレス「ふう……少し熱くなりすぎましたわ。落ち着いた方がいいですわね」

田中「……なんか本当に熱くないか?」

セレス「確かに外は夕方を過ぎ、気温はそろそろ下がる頃のはず……」

セレス「……!アレを見てください!」

田中「なっ……!炎だと!

セレス「わたくしたちを閉じ込めた上で火をつけるなんて……犯人はよほどわたくしたちを憎んでるようですわね。早く消火器を探した方がいいのでは?」

田中「そ、それがこの倉庫を一通り調べたがそんな物は無かったぞ」

セレス「そんな!?ならばどうするのです!火はあまりまわっていませんが考える時間もありませんわ!」

田中「……クッ、方法は無いわけではない」

田中「あそこを見ろ、あの部分は腐っている。本来木製の家は火は燃えやすくとも芯まで燃えるのに時間がかかる。だが腐った場所は別だ」

セレス「なるほど、芯まで燃えやすく他の部分までもろくなっているわけですわね。そこに飛び込めば……」

田中「ああ、助かるかもしれん。まだ炎は完全にまわりきっていない、被害を最小限に抑えるのなら今しかないだろうな」

セレス「ですが、火が体に燃え移る可能性も0ではありません。特にストールやレースは燃えやすい物ですわ。そこから全身に火がまわったら大やけどでは済みませんわよ?」

田中「……飛び込むか飛び込まないか。貴様はどうする?」

セレス「あら、愚問ですわね。命を賭けた確率勝負……これはわたくしの求めているスリルですわ。あなたこそ足が震えて動けないなんて言う気ですか?」

田中「俺様を誰だと思っている?この‘‘制圧せし氷の覇王''田中眼蛇夢の前で生を諦めるなど許しはせんぞ!」

セレス「フフ……決まりですわね」

田中「おい、‘‘偽りの黒き女王''よ。この怪鳥を持ってもらえないだろうか。俺様は破壊神暗黒四天王の安全確保に神経を割かねばならんのでな」

セレス「わたくし動物はあまり好きではないのですが……。今は妥協も許されない状況でしたわね」

田中「助かる。俺様の合図で同時に飛び込むぞ。貴様その靴で満足に走れるのだろうな?」

セレス「もちろん無理ですわ。ですから脱ぎます。もとより炎に飛び込む時点でこの服はもう駄目ですし今更靴下が汚れても気になりませんわ。この落とし前は名もしれぬ犯人につけさせてもらいます」

田中「フッ、言うじゃないか。では……」



田中「行くぞ!」


セレス(目の前に炎の壁……。助かる確率は未知数……)

セレス(面白いですわね。生死を賭けた状況ほど面白く思えますわ)

セレス(わたくしはここで死ぬわけにはいきませんわ。わたくしには夢がある。何があろうと実現させる夢が)

セレス(わたくしは田中さんとは違うのです。わたくしはギャンブラーとしての人生をいつだってーー」

田中(破壊神暗黒四天王よ、心配するな。俺様は必ず生き延びる)

田中(まだ奴の手当ても終わっていない。奴にも生きてもらわねば)

田中(俺様はここで死ぬわけにはいかない。生きることを諦めるようなことなど絶対にするものか!)

田中(俺様はセレスとは違う。俺様は飼育委員というこの人生をいつだってーー」







「「全力で生きているから!!」」








田中「ハァ……ハァ……お、俺様は。四天王は!」

四天王「チュー」

田中「無事のようだな……。あの女は?」

セレス「わたくしならここですわ。はあ……すっかり洋服がススだらけになってしまいました。あなたが建物を焼き払うなんて言ったせいですわよ?」

田中「生きていたか。どうやら賭けには勝ったようだな」

セレス「当然ですわ。わたくしはギャンブラーですもの」

狛枝「アレ?そこにいるのは田中クン?そっちにいるのはセレスティア・ルーデンベルクさん……だっけ」

田中「狛枝!?貴様が何故ここに?」

狛枝「イヤ、ちょっと向こう側を散歩してたらさ、蜂に追いかけられちゃって」

狛枝「それでこの辺まで逃げてきたらなんと偶然!この体育倉庫に火がついてるのを見つけちゃって。急いで110番を呼んで待っていたら人が飛び出てきて。それがキミたちだったってわけさ」

田中「そ、そうだったのか。相変わらず変な所で運のいいやつだ」

狛枝「それにしてもなんで二人してこんな所に?」

セレス「わたくしたちは各々用があってここに来たのですが、急に閉じ込められてあげく火をつけられてしまいましたの」

田中「さすがに俺様も閉じ込められた時は焦ったぞ」

狛枝「超高校級の二人を閉じ込めた上に火まで……!決して許される所業じゃないよ!」

狛枝「アレ?でもここの倉庫の扉は鍵なんて無かったはずなんだけどな……」

田中「なん……だと……!」

セレス「では、何故扉は開かなかったのです?」



「それについては私が答えるわ」


セレス「霧切さん……!

霧切「話は聞かせてもらったわ。二人とも無事みたいで良かった」

霧切「この旧体育倉庫はもう何年も使われてないの。それ故に扉の立て付けが悪くなっていたみたい」

霧切「外からは普通に開けれるけど一度閉めたら中からは開かなくなるらしいわ」

田中「それで俺たちは閉じ込められたのか……」

セレス「迷惑な扉ですこと」

霧切「閉じ込められたのは偶然……。だから二人がここにいることを知ってる人物はいない」

霧切「つまり、この火は偶然ついたものと考えるのが妥当ね。火が消えてから周りを調べれば発火の原因が分かるかもしれないわ」

狛枝「つまり今回の事件に犯人なんていなかったってわけだ!いやーよかったよかった誰も悲しむ人がいなくて。さすがは超高校級の探偵だよ!」

セレス「犯人が……いない……?」

セレス「ざけんじゃねえぞ!わたくしは犯人にこの汚れた服と靴下を弁償させるつもりだったんですわよ!?それが犯人がいないで済んでたまるかっつーの!」

セレス「なんとかして探せねーのかよ!テメー超高校級の探偵だろ!?」

霧切「落ち着いてセレスさん。周りの二人がひいてるわ」

田中「…………」

狛枝「…………」

セレス「……コホン。それでどうなんです?」

霧切「やれるだけやってみるわ。あの時間外に出ていた人を特定するのは難しくないし」

セレス「それを聞いて安心しましたわ。吉報を期待してますわよ」

霧切「まったく調子のいい人。それじゃ私は今回のことを学園長に報告しなければならないから」スタスタ

狛枝「それじゃボクたちも帰ろうか。あ、ごめんボクみたいなゴミ虫がこの場を仕切っちゃって。そもそもボク火事の現場を見て110番しかしてないし結局全部解決したのは霧切さんのおかげだもんね。やっぱりボクみたいなゴミ虫は今ここで火の中に飛び込んで燃えカスに改名したほうが

田中「さて早く手当てをしてやらねばな」

セレス「それではごきげんよう。狛枝さん」

……大丈夫だよ!ボクはキミたち超高校級のみんなにお願いなんてされたら例え火の中水の中草の中森の中ブラックホールの中まで行けちゃうよ!あ、でもブラックホールは言いすぎたかなさすがに誇張が過ぎたね。ごめんよ期待してたはずなのに。ああ、キミたち超高校級の才能を持つ人間から希望を奪うような真似をするなんてボクはなんて





セレス「田中さん」

田中「なんだ」

セレス「わたくしが炎に飛び込んだ時、聞こえた気がしましたの。あなたの‘‘声''が」

田中「それは俺様も同じだ。貴様はあの時……」

セレス「…………」

田中「…………」

セレス「わたくしは最初はあなたを理解したいとは思いませんでした」

田中「俺も貴様のことを理解しようとは思わなかった」

セレス「そもそもわたくしとあなたでは命に対する価値観が真逆ですわ」

田中「……だが、そこに存在するたった一つの‘‘共通点''」

セレス「フフ……」

田中「フッ……」

セレス「ですがやはりあなたとは相性がいいとは思いませんわね」

田中「当然だ、この俺様と相性のいい人間など存在しない。人間風情が簡単に俺様に触れることができると思うなよ!フハハハハハ!」


「セレスさーん!」
「セレスティア・ルーデンベルク殿ー!」


セレス「おや、あちらでクラスメイトが待っているみたいですわ。それではわたくしはこれで。ごきげんよう」スタスタ

田中「…………」


「あ、あれは田中さん!」
「おーい、田中ー!」


田中「……奴らと過ごす日常も悪くない。この俺様が今ここで生きていることを実感させられる」

田中「怪鳥よ、貴様も……全力で生きろ!」


以上です
こんな稚拙で短い文章を読んでくれてありがとう

この二人の絡みが見てみたいという理由だけで書いてみました
見た目は厨二だけど考えることは真逆だよねこの二人
田中の厨二語って書くの難しいね

意味間違いの指摘感謝します

ここまで見てくださった皆様に再度感謝を
ありがとうございます


とてもよかった

乙でした
前のスレも読んでたけど今回も良かった
案外この二人、中二繋がりで相性いいな


面白かったっす
二人とも正反対の厨二だけど
根は似てるんだよな……

良いものが見れた。乙

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