――――アイドル研究部:部室にて
真姫(……あの二人って仲良いの?)
凛「……真姫ちゃん、どうかしたのかにゃ?」ヒョコ
真姫「ううん、別に。ただ……」
花陽「ただ……?」
真姫「あの二人、練習の後よく一緒に帰ってるなって思って……」
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にこ「今日はセールやってるみたいだからこっちの店まわってみようかしらね……」ガチャ
ことり「あ、だったらわたし、こっちの方もまわってみたいなぁ~」パタン
凛「にこちゃんとことりちゃんの事……?」
真姫「うん……」
穂乃果「なになに?何の話?」
花陽「あ、穂乃果ちゃん。実は……」
穂乃果「――フムフム。確かに、あの二人って練習の後に出かけること多いよね」
海未「次の衣装作りの参考に、いろんなお店をまわってるそうですよ?前にことりが言っていました」
希「そうなんや?まぁ曲によっては9種類の衣装を考えんとあかんから、デザイン考えるだけでも大変なんやろな~」
真姫「にこちゃん、ファッションのこととか詳しいものね……」
絵里「衣装の事なら、私も誘ってくれればいいのに……」
花陽「う~ん……きっと二人とも振り付け担当の絵里ちゃんにこれ以上負担かけないようにしてるんじゃないかな?」
絵里「別に気にすることないのに……」
穂乃果「別に一人で何でもかんでも抱えようとしなくでもいいんだよ!それぞれが与えられた役割をしっかりこなして、互いに補いあっていけば……皆仲間なんだからさ!」
絵里「穂乃果……」
海未「そうですね、与えられた役割はしっかりこなさないといけません――ね!」ドサッ
穂乃果「う、海未ちゃん!?」タジッ
希「これは……?」
凛「すっごい書類の山だにゃ~」
海未「先週、穂乃果にお願いしていた生徒会の書類です……見たところ全くの手付かずのようですが……」ジトー
穂乃果「どうしてその書類をここに……?やだな~海未ちゃん、締め切りは明日までだって――」タラタラ
海未「ほう……ではこの量を穂乃果一人で明日までに片付けられると……?」ニコッ
穂乃果「あ、あはは……ゴメンナサイ」シュン
海未「まったく……毎日少しずつやっていれば終わらない量ではないというのに……今日は練習も早く終わりましたし、二人で片付けていきましょう」
穂乃果「ええ~っ!?」
海未「ええ~じゃありません!!」
絵里「あはは……良かったら手伝うわよ?」
穂乃果「絵里ちゃん!あ、ありがと――」パアァ
海未「いえ、『それぞれが与えられた役割をしっかりこなして』……だそうですから」ニッコリ
穂乃果「そう……だね、うん……」ガクッ
凛「大変そうだにゃ~」
真姫「…………」
花陽「真姫ちゃん……?」
凛「またボーッとしてるにゃ?」
真姫「――!?べ、別に?ちょっと考え事していただけよ!」
花陽「考え事……?」
真姫「……にこちゃん達、どんな風にお店を見てまわってるのかなって」
希「……気になるんやら、こっそり後を付けてみればええやん?」
真姫「さ、流石にそれは……」
絵里「今なら走って追いかければ間に合うんじゃない?」
真姫「絵里まで!?」
凛「よ~し、そうと決まれば早速、いっくにゃ~!!」グイッ
真姫「ちょっ!?引っ張らないで~!」
花陽「わ、私も……凛ちゃん待って~」
穂乃果「いいなぁ~私も……」
海未「……」ジッ
穂乃果「……ってわけにはいかないよね」
絵里「まったく……こっちの書類を分類別に分ければいいのかしら?」スッ
海未「絵里!?お気持ちはありがたいのですが、それでは――」
絵里「いや~今日は亜里沙も帰るの遅いみたいで、暇で暇でどうしようかと思ってたのよね~丁度何か暇を潰せるようなものは無いかなって思ってた所なの♪」
海未「絵里……」
絵里「ねぇ海未、私を助けると思って――ね?」
海未「……全く、そういう言い方をするのは卑怯ですよ?」
絵里「ごめんごめん、生徒会を引退してからは頼られることも少なくなってきたから、たまにはいいじゃない?」
海未「そういうことでしたら……今回だけですよ?」
希「せやな~ウチも今日はバイトもないし……穂乃果ちゃんも、サボろうとした時にペナルティが有った方が捗るやろしな~」ワシワシ
穂乃果「ひっ!?……お、お手柔らかにお願い致します」
希「了解~」ニヤリ
――――数十分後:とあるブティックにて
真姫「――――というわけで、結局後をつけてきたわけだけど……いいのかしら?こんな事して」
凛「真姫ちゃんノリが悪いにゃ~、もうここまで来たんだから諦めるにゃ!」
花陽「なんだかドキドキするね~あ、ほらほら、何か話してるよ」
凛「もうちょっと近づいて聞いてみるにゃ!」テクテク
真姫「バ、バレないようにしなさいよ!?」
にこ「ん~やっぱりそれぞれのイメージカラーは入れたいわね……それと、今度花陽にはあえてメガネをかけさせようかしら?」
ことり「う~んあんまり激しい振り付けだと落ちちゃうから、絵里ちゃんに相談しないと……あ、にこちゃん。こっちのスカート、かわいいよ~」
にこ「……あんたって本当に左右非対称なデザインが好きね……これを作るとなると、ミシン入れるのも大変なんじゃないの?」
ことり「そうだね~でもそんなに苦じゃないから♪」
にこ「まぁ、あんたが良いなら好きにしなさい……あとは――」
凛「おお~結構まじめにアイディアを練ってるにゃ!?」フンスッ
真姫「当たり前よ……遊びに来てるんじゃないんだから」
花陽「二人ともすごいな~私アイドルは好きだけど自分でデザイン――っていうのは出来ないし……あ、でも私じゃ絶対ダンス中にメガネ落としちゃうから、後で考え直してもらわないと……」オロオロ
真姫「ま、それは明日でもいいんじゃない?」
凛「……あれ?でも今度はなんか揉めてるみたいにゃ……?」
真姫「えっ、本当!?」チラッ
にこ「だ~か~ら~!真姫ちゃんは露出多めの衣装にするべきだって!特に太腿!!」ガーッ
ことり「で、でも前に『あんまり肌を出すのは……普通のがいい』って言われてて……」オロオロ
にこ「『普通』って何よ『普通』って!?折角良いモノ持ってるんだから、アピールしないわけにはいかないでしょう!」
ことり「そ、そうかな……じゃあ真姫ちゃんは太腿を強調して――と」カキカキ
真姫「何の話をしてるのよ何のっ!」ググッ
花陽「ま、真姫ちゃん落ち着いて……」グイィ
凛「今出て行ったらまずいにゃ~さっき『明日でもいいんじゃない』って言ったのは真姫ちゃんにゃ~」ガシィッ
真姫「~~もうにこちゃんたらっ!ていうかことりももう少し粘ってよ!!何で素直に応じちゃうのよ!!」
花陽「まあまあ……」
にこ『凛は……』
真姫「あ~ほら、今度は凛の衣装の話みたいよ?」
凛「フッフ~ン!凛はもうミニスカにも抵抗無くなったし、どんな衣装でも構わないにゃ!」
にこ「――――ヘソ、かしらね?」
ことり「ヘソかぁ……凛ちゃんは『ヘソ』――と」カキカキ
凛「……」
花陽「……」ジー
真姫「……」ジー
凛「な、何にゃ!?何で凛のヘソを見つめるにゃ?今は別にへそ出ししてないにゃ!!」
真姫「『どんな衣装でも構わない』んじゃあ無かったの?」ニヤニヤ
凛「お、おヘソなんて今まで意識してなかった分、いざ注目されると恥ずかしいにゃ……」シュン
花陽「ははは……」
――――1時間後:とあるオープンカフェにて
凛「あ、二人ともあの端の席に座るみたいにゃ!」
真姫「流石に疲れてきたわね、追いかけるのも……」
花陽「うん……あ、あっちの席なら二人に気づかれないんじゃない?」
真姫「じゃあそこに座りましょうか?あ、スミマセン。ブレンド一つと――あなた達は?」
凛「ん~ラーメンはないのかにゃ?」
花陽「あの~おにぎりセットとかは……」
真姫「カフェよ、ここ……」
真姫「――あっちの二人はドリンクしか頼まなかったみたいね。あまり長居しないのかしら……?」
凛「ここのケーキうまいにゃ!かよちんも食べる?」
花陽「わぁ~美味しそう♪」
真姫「あんた達ね……」
凛「ご、ごめんにゃ、そんな怖い顔しないでほしいにゃ……」
真姫「別に怒ってないわよ……」
花陽「あ、見て。ことりちゃんがカバンから何か出して――」
凛「あれは……クッキーかにゃ?」
ことり「はい、にこちゃんどうぞ~」ススッ
にこ「ま~た持ってきたの?あんたも懲りないわねぇ~」
ことり「うん!さ、召し上がれ~」
にこ「しょうがないわね~ホラ、貸しなさい」
ことり「はぁい♪」
凛「美味しそうなクッキーだにゃ~ことりちゃんの手作りなのかにゃ?」
花陽「ことりちゃんが作ってくるお菓子、いつも美味しいものね♪いいな~」
真姫(『また』って……よく食べさせてるのかしら?)
にこ「……」モグモグ
ことり「どう……かな……?」
にこ「……悪くはないわ。ただ、シナモンの効かせ過ぎかしらね?私は嫌いじゃないからいいけど、スーッとするのが苦手な人にはキツいかも……」
ことり「そっかぁ……」シュン
凛「にこちゃんがなんか贅沢言ってるにゃ!いつもなら『わ~い、にこ、スイーツ大好き~』とか言ってなりふり構わずい~っぱい食べてるくせに!!」クネッ
真姫「いや、そこまでシナを作ってはなかったと思ったけど……」
花陽「だ、大丈夫かな……あの二人」
真姫「……」
にこ「でも――」
ことり「……?」
にこ「こっちのアイシングクッキーなんか手間かかったんじゃない?よく作ったわね、こんな細かいの……」
ことり「――!うん!!」パアァ
にこ「でもこの形って……?」
ことり「そう!うちの制服のリボンの形なんだぁ!それは緑だから、にこちゃんのと同じだね」ニコッ
にこ「ちょ、何いきなり恥ずかしいこと言ってるのよ!」////
ことり「ええ~恥ずかしいかなぁ?」
凛「おお!険悪なムードになるかと思ったらなんだか急に仲良くなってるにゃ!?わけがわからないにゃ!」
花陽「ま、まぁあの二人はいつもあんな感じだと思うけど……」
真姫「…………仲良いのよ、アレは……」ボソッ
凛「にゃ?」
花陽「真姫ちゃん……?」
にこ「――でもまぁ、はじめは驚いたけどね~『お菓子の試食と品評をしてほしい』――なんて」
ことり「あはは……そうかな?にこちゃんはお菓子が好きだって聞いたから……」
にこ「しかも『評価は厳し目に』だなんて……あんたそういう趣味でもあるの?」
ことり「趣味……?」
にこ「……なんでもないわ。まったく、間食はあまり美容に良くないっていうのに……」モグモグ
ことり「ゴメンネ、でもにこちゃんくらいしか頼める人いなかったから……」
にこ「ったく……別に私にばかりじゃなくて、穂乃果や海未に味見させればいいんじゃないの?」
ことり「う~ん、でも海未ちゃんは和菓子の方が好きだし、穂乃果ちゃんは……」
にこ「……ああ、カロリー制限されてたわね。忘れてたわ」
ことり「あはは……ダイエット騒動以来、海未ちゃんに釘刺されちゃってて……」
にこ「まったく……アイドルって自覚が足りないんじゃないの?」
ことり「そ、そんなことないよ~」
にこ「どうだかねぇ……」
ことり「……好きなものに夢中になれるっていうのは、穂乃果ちゃんのいいところだと思うんだ」
にこ「……アンタはホント人を褒めるのが得意よね……」
ことり「そう……かな?」
にこ「……私も見習うべきかしらね?」
ことり「……にこちゃんはそのままがいいと思うな。お菓子のことだって、にこちゃんが遠慮無く感想を言ってくれるのホントに助かってるし」
にこ「そういうものなの?」
ことり「うん!確かに『おいしい』って食べてくれるのは嬉しいんだけど、やっぱり悪い所は『悪い』って言って欲しいし……一人で作ってると、どうしても自分好みな物ばかりになっちゃうんだ。お菓子も――」
にこ「――衣装も?」
ことり「……うん」
にこ「だから『厳し目に』なんて言ってきたのね……まったく、物好きというか何というか……私、好きなものに関しては歯に衣着せないから、ホントに容赦しないわよ?」
ことり「えへへ、期待してます!……あ、ほらほら、どんどん食べてね」ニコッ
にこ「…………可愛いわね」ボソッ
ことり「うん。こっちのやつも作るの時間かかったんだ~でもね――」
にこ「……そうじゃなくて、アンタが」
ことり「えっ――私!?……そ、そんなことないよ~」フルフル
にこ「そんなことあるの!」ガタッ
ことり「にこちゃん……?」
にこ「…………今だから言えるけどね、アンタの事、正直苦手だったのよね……」
ことり「ええっ!?苦手って……私、何かにこちゃんに悪い事したかな……?」
にこ「ああ、そうじゃなくってね。こう……アンタを見てると、自分の小ささを思い知らされるというか……」
ことり「小ささ……?」
にこ「――――私よりきれいな肌、私より良いスタイル、周りに気遣いも出来て、お菓子作りも上手で、更にアキバのカリスマメイドで……そして何よりも、『アイドル活動で廃校阻止』なんて無茶を一緒にしてくれる仲間に恵まれてて……私が持ってないものを持ってるアンタが、正直羨ましかった……嫉妬してたの!」
ことり「……にこちゃんも、今はその仲間の一人だよ?」
にこ「……そうね。あ~あ、何でこんな話しちゃったのかしらね?誰にも言ったことなかったのに……忘れて忘れて」ヒラヒラ
ことり「ううん、忘れない……」
にこ「はぁっ!?ちょ、恥ずかしいからやめて欲しいんだけど……」ガタタッ
ことり「代わりに、私も内緒の話をするね……」
にこ「内緒の話ぃ?」
ことり「私も……にこちゃんのことが羨ましくて仕方なかったの」
にこ「――っ!……アンタも?」
にことり期待
ことり「うん……私って、一人じゃ何も決められない優柔不断な所があるから――『自分』をしっかり持ってるにこちゃんみたいな人がとっても羨ましいの」
にこ「……例えば穂乃果みたいな?」
ことり「うん、穂乃果ちゃんもそうだけど、海未ちゃんも凄いんだよ?穂乃果ちゃんが生徒会長になるって時、『お手伝いできる事無いかな?』って私が考えてたら、海未ちゃんは早々と副会長に立候補してるんだもの!凄い行動力だよね?」
にこ「……」
ことり「そんな二人と過ごしてる内に、いつしか私は一歩引いたところから周りを見るばかりの子になっちゃったんだ……」
にこ「まぁソレが一概に悪い事とは言えないけどね、海未もたまに暴走するし……」
ことり「フフッ、そうだね。でも、いつも後ろから付いていくばかりだった私から見れば、目標を持って、一人でも走れる強さを持った人が眩しくて仕方ないの……」
にこ「……」
ことり「……にこちゃんは、多分私達の――μ‘Sの中で『自分』を持ってる、行動力もある、自分に自信を持っている……私にないものを全部持ってる……だから――」
にこ「……?」
ことり「かっこ良くて好きだなぁ、にこちゃんのこと」ニコッ
にこ「なっ――バッ、バッカじゃないの!?何言い出すのよ突然っ!!」
ことり「何って――?」
にこ「……はぁ。アンタ、そういう事を自覚無しに言うのはどうかと……いや、アイドルとしては正しいのか……?」ボソボソ
ことり「にこちゃんみたいな子のことを『イケメン女子』っていうんだよね?」
にこ「それは……私の目指してるアイドル像と大分ズレてて素直に喜べないわね……」
ことり「???」
にこ「……まぁ何にしろ変な感じね、互いが互いを羨ましがってたなんてね……」
ことり「うんっ、似たもの同士だねっ!」
にこ「色々と正反対なんだけどね……」
ことり「あ、そうだにこちゃん!今度の衣装には、アルパカを取り入れてみようと思うんだけど……どうかな?」
にこ「アルパカぁ?あんな高い生地使ったら、部費無くなっちゃうわよ!?」
ことり「ううん、そうじゃなくてね……こんな感じで」ペラッ
にこ「もうデザイン画まで描いてきてあるの?どれどれ――って、これじゃあステージ衣装じゃなくてただの被り物じゃないの!宴会芸するんじゃないんだからね!!」
ことり「え~可愛いと思うのにぃ~」
にこ「ダ~メ、却下よ却下!!」ポイッ
ことり「そんなぁ~にこちゃん、試しに作ったのが有るから被ってみて~」ゴソゴソ
にこ「ぬぁんでそんなもの持ってきてるのよ!?か、被らないわよ絶対!!」
ことり「え~どうしても……ダメ?」
にこ「ダメったらダメ!!」
ことり「にこちゃん……お願ぁい」////
にこ「……海未じゃあるまいし、その手は効かないわよ」
ことり「ええ~じゃあどうしたら着てくれるの?」ギュッ
にこ「ああもうっ!そんなひっつくんじゃないわよ!!」
真姫「……そろそろ帰りましょうか?」
凛「ええ~もう帰っちゃうのかにゃ?」
真姫「だいたいわかったでしょ?あの二人がどんな風に過ごしてるのか」
花陽「あんまりついて回っても可哀想だし……ね、凛ちゃん」
凛「う~ん……わかったにゃ。じゃあこの後三人でラーメンにでも――」
真姫「今軽く食べたばかりでしょ?それに明日も朝練で早いんだし、帰って宿題しなくていいの?」
凛「はっ!?そうだったにゃ!?かよちん、写させてほしいにゃ!」
花陽「ええ~自分でやらなきゃダメだよ~」
凛「じ、じゃあ真姫ちゃん!」
真姫「ダ~メ。さ、行くわよ」スタスタ
凛「ええ~」
真姫「……それと、くれぐれも、今日聞いたことは全部内緒にしておくのよ?ちょっとデリケートな話も効き過ぎちゃったし。じゃあね……」
花陽「真姫ちゃん……」
凛「なんだか、元気なさそうだったにゃ……」
――――次の日:アイドル研究部部室にて
ことり「じゃーん!今日はクッキーを作ってきましたぁ~」
穂乃果「うわ~美味しそう♪」
海未「いつもながら、ことりはお菓子作りが上手ですね」
ことり「えへへ~ありがと。そういえば穂乃果ちゃん、あの書類の締め切り今日だよね?良かったら私も手伝うけど……」
希「それならば~」ヒョイ
絵里「心配いらないわよ~」ヒョイ
穂乃果「あぁっ!穂乃果のクッキー!?」ガーン
絵里「ごめんごめん。でもいいでしょ?昨日手伝ってあげたんだから~」
希「おかげで締め切り、間に合ったやろ?」
穂乃果「そうだけど……穂乃果のクッキー……」
ことり「まあまあ、他にもいっぱいあるから……絵里ちゃん達もありがと。いっぱい食べてね!」
絵里「それじゃあ遠慮なく~」ヒョイヒョイ
希「いただきま~す!」パクッ
穂乃果「ああっ!?取り過ぎだよ~っ!!」
海未「三人共!お行儀が悪いですよ!」
ことり「あはは……あ、凛ちゃん達もどうぞ~」
凛「いただくにゃ!」
花陽「ありがとう、ことりちゃん」
凛(おおっ、昨日見たやつとおんなじやつにゃ!)ヒソヒソ
花陽(うん。でもそれ言っちゃうと昨日のことがバレちゃうから……)ヒソヒソ
にこ「な~にコソコソ話してるのよ?」
凛「な、なんでもないにゃ~」
花陽「あはは……」
ことり「にこちゃんも、はいどうぞ~」
にこ「わぁ、可愛いクッキー!早速写真とってブログにアップしなきゃ~にこぉ、美味しいお菓子が食べられてぇ、幸せぇ~」クネッ
凛「ブフォッ」
にこ「ヒッ!?な、何いきなり吹き出してるのよ!!いいじゃないの、アイドルだし女の子なんだからお菓子が好きでも……」
凛「だ、だって……昨日と全然反応が――」
花陽「り、凛ちゃん!!」ガシッ
凛「~~ッ、――ッ!」モガモガ
にこ「……?」
真姫「何してるのよ全く……」
ことり「あ、真姫ちゃんもどう?自信作なんだぁ~」
真姫「……そうね、いただくわ」ヒョイッ
サクッ
真姫「……」モグモグ
ことり「どう……かな?」
真姫(サクサクしてて美味しい……ほんのりシナモンの風味がして……)
ことり「真姫ちゃん?」
真姫(こっちの模様だって全部手作りみたいだし……私も手先は器用な方だけど、こんな細かいのとても――)
ことり「あの……お口に合わなかったかな?よかったら今度真姫ちゃんの好みの味を教えて?頑張って作ってくるから」
真姫「あ、ううん美味しいわ。ただ――」
ことり「ただ……?」
真姫「…………負けないから」ボソッ
ことり「???」
おわり
おまけ
真姫「…………」
にこ「何よ、シケた面しちゃって……」
真姫「別に……」
にこ「そう……」
真姫「……」
にこ「……」
真姫「…………私もさ――」
にこ「……え?」
真姫「もっと女の子らしさとか磨いた方がいいのかな?お淑やかになったり、料理とか……」
にこ「はぁ?今になってキャラ替えするつもり?」
真姫「キャラ替えって……にこちゃんじゃあるまいし」
にこ「どういう意味よ!……なんにしろ勿体無いわねぇ、アンタのそのクールさとたまに見せる笑顔のギャップ、好きだったんだけどね……」
真姫「にこちゃん……」
にこ「……アンタは今でも充分魅力的なんだから、自分に自信を持って行けばいいんじゃない?次の曲にも期待してるわよ!」
真姫「…………うん、アリガト」
にこ「ま~あ?お淑やかでぇ、料理もできるぅ、スーパーアイドルのにこにーに憧れる気持ちはわかるけどぉ~グループ内でキャラ被っちゃうしぃ~真似をしようなんて、どぅめどぅめどぅめよ~」シナッ
真姫「……はいはい」フッ
にこ「ちょ!?何よその投げやりな返事は!!」
おわり
以上です。
ことりちゃんとにこは決して仲悪くなんかない!……ということを主張したいがために制作いたしました。初のラブライブ!物です。
基本はアニメの世界観ですが、にこがことりちゃんのスタイル云々の辺りはSIDから設定を拝借した感じです。
実際この二人は共通点も多くて仲良いのではないかと思います。
面白かった乙
でも渋で見たことあるような内容だった
乙乙乙
見たことあるようなっていうかさっき上がったばっかのやつというか
乙
渋にも同時投稿していたもので ^^;
エリチの誕生日の所為か、多くの作品が作られてて嬉しい限りですね。
乙
面白かった。ことにこいいね。
乙
ことにこもっと流行れ
ことにこいいよね
このSSまとめへのコメント
よかった
百合とかネタだけじゃなくて
こういう感じのも増えて欲しい
ことにこの仲の良さをかくのはいいと思ったけどだったらまき→にこはいらなかったかも…
真姫ちゃんに嫉妬させたいなら友情としての嫉妬でも充分ことにこの仲の良さが分かって良かったと思うんだよなぁ…
真姫ちゃんの嫉妬結構いい演出じゃね?
なににせよにことりは良し