穂乃果「絵里ちゃん、希ちゃん、あのね」 (28)
穂乃果の日常if
書き溜めなし
短い
3年生の教室――
希「なあ、今日は寒いしコンビニで肉まん買って帰らん?」
絵里「そう言って、一昨日も食べてたじゃない」
希「そやったかなあ?」
絵里「私は別に構わないけど……」
さすさす
希「ちょ、ちょっと……えりち、何お腹触っとん?」
絵里「スカートきつくなっても知らないわよ」ニヤ
希「えりちのいじわる……」
ダダダダ――
絵里「うん?」
ガララ!
穂乃果「絵里ちゃあああん、希ちゃあああん!!」
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希「また、面白い顔して来たなあ」
絵里「穂乃果、廊下は走らないこと。危ないでしょ」
穂乃果「だ、だって、緊急事態で!」
希「どうしたん? パンでも食べられたん?」
穂乃果「ち、違うよッ、違いますぅ! ことりちゃんとポッキーゲームしてたら勢い余ってキスしちゃって……それで怒ちゃったのッ」
絵里「ポッキーゲーム? 希、何それ?」
希「簡単に言えば、二人で口にポッキー加えて両端から食べ始めるっていうやつなんやけど」
絵里「どうやって勝敗を決めるの?」
希「うちもよくは知らんのやけど、先に口を離したら負けだったような」
穂乃果「新発売のポッキーでね、美味しくてついつい食べ進めちゃって……」
絵里「つまり、穂乃果の食い意地が原因ってことね」
希「ことりちゃんが怒ったんは、もっと別の理由やと思うけど」
絵里・穂乃果「?」
希「まあ、分からんよ?」
コンコン――
ことり「あのぉ……」
穂乃果「げえッ、ことりちゃん!」
ことり「ひ、ひどいよ穂乃果ちゃん……ファーストキスだったのに……」
絵里「ああ、そう言うこと」
穂乃果「そ、そうだったの!? わ、私も初めてだったからお互い様だねッ」
希「それは、フォローになってないで」
ことり「ち、違うの……そういうことじゃ」
絵里「あ、でも女の子はノーカウントって言うじゃない」
穂乃果「だ、だよね!」
希「あー……」
ことり「そ、そういうことじゃないもんッ」
パンパンパン(ことりが穂乃果の頬を平手打ちする音)
穂乃果「ぶッ、ぐッ、ぶへッ」
絵里「ちょ、ちょっと、ことふんがッ」(流れ弾に当たる)
ことり「……ふう」
希「気は済んだ?」
ことり「あ……うん」
絵里「……なんで、私まで」
穂乃果「ご、ごめんねことりちゃん、絵里ちゃん」
ことり「あ、海未ちゃん達待たせたまんまだったッ……行こ、穂乃果ちゃん」
ズルズルズル――
穂乃果「あ、いたッ、ことりちゃん? 太ももが、廊下に擦れて、摩擦が、いた、あいたッ」
希「えりち……」
絵里「希……痛い」
希「よしよし」
サスサス
次の日――
3年生の教室
お昼休みにて
希「昨日の新発売の角煮豚まんは最高やったなあ」
絵里「やーね、お昼ご飯食べながら思い出すだなんて」
希「それと、流れ弾食らってた時のえりちの呆けた顔も面白かったなあ」
絵里「なんで、私一緒に叩かれたのかしら」
希「さあ?」
絵里「そう言えば、穂乃果はあの後ことりと仲直りできたのかしら」
希「穂乃果ちゃんなら、大丈夫やろ」
ポンポン
希「うちの肩を叩くんは誰や?」クル
生徒「あの、二年生の高坂さん来てるよ」
絵里「穂乃果?」
希「穂乃果ちゃん?」
見ると、入口に穂乃果が泣きそうな顔で立っていた
期待
希「どしたん、穂乃果ちゃん」
穂乃果「希ちゃああん、絵里ちゃああん……」ダキッ
希「おっとと」
絵里「今度は何?」モグモグ
穂乃果「海未ちゃんが……」
希「海未ちゃんが?」
穂乃果「風邪引いちゃったのおおお!」
絵里「……」モグモグ
希「ふーん」
絵里「お昼休み、終わっちゃうわね」モグモグ
希「せやな」
穂乃果「二人とも、なんでそんなに冷たいのおお!?」
絵里「風邪引いたのは心配だけれど、それ私たちに言わなくてもいいのよ?」
希「教えてくれるんはありがたいんやけどなあ」
穂乃果「い、一緒にお見舞いに行って欲しくて……」
絵里「ことりは?」
穂乃果「まだ、仲直りしてない……です」
希「海未ちゃんが仲裁してくれんといかんわけやね」
穂乃果「ごもっともです……」
絵里「情けないわよ、穂乃果。女なら土下座の一つくらいしてきなさい」
希「土下座はどうかと思うけど、お見舞いには一緒に行こっか」
穂乃果「……希ちゃん」ゴロニャン
絵里「の、希……甘やかしていいの?」
希「まあ、たまにはええやん」
絵里「……希が言うなら、まあいいけど」
穂乃果「ありがとうッ……大好き!」ダキッ
絵里「高くつくわよ?」
希「肉まん一個分でええよ」
穂乃果「うんッ、また放課後に正門で待ってるね!!」
ダダダ――
絵里「まったく」
希「元生徒会長、後輩に頼りにされてまんざらでもない感じですなあ」
絵里「こんなプライベートな事までは面倒見切れないわよ」
希「と言って、ついつい手を貸すえりちであった」
絵里「希が言うからよ、もおッ」
放課後――
海未の自室にて
穂乃果「海未ちゃーん?」
絵里・希「お邪魔します」
海未「穂乃果……と、絵里に希まで?」ガバッ
絵里「ああ、寝てなきゃダメよ」
海未「穂乃果、あなたもしかしてまだことりと……」
穂乃果「何を言ったら許してくれるか分からないんだもん……」
希「海未ちゃんがおらんとやっぱりダメなんやって」
海未「もお、子どもじゃあるまいし……ごほッ」
穂乃果「あ、押しかけてごめんね……早く元気になって欲しくて、お饅頭作ってきたの」
海未「え? 手作りですか……」
穂乃果「ご、ごめんね、私のじゃ嫌だった?」
海未「そういうことじゃありません……気を遣わせてしまったみたいですね」
絵里「味わって食べてね」
希「潰れたんは、えりちのやで」
絵里「ちょっと!」
穂乃果「二人も一緒に作ってくれたの」
海未「絵里、希……穂乃果がお世話になりました」
穂乃果「ええ、なんでそうなるのお?」
希「海未ちゃんとことりちゃんがおらんと、穂乃果ちゃんは穂乃果ちゃんとして機能できないみたいやで」
絵里「それは……確かにそうね」
穂乃果「ど、どういうことなの?」
海未「ぷッ……ごほごほッ」
穂乃果「わ、大丈夫?!」
海未「いえ……」
海未(希と絵里が穂乃果を挟むと、安定感がありますね)
海未「穂乃果、ちゃんとお礼は言いましたか?」
穂乃果「やだなあ、お母さんみたいなこと言って」
希「ほんま、それ……くすくす」
絵里「海未の中では穂乃果はそういうポジションよね」
穂乃果「二人ともッ……むう」
希「あら、ほっぺたハムスターみたいにして」ぷにぷに
穂乃果「……むぅ」ぷしゅッ
絵里「さーて、ことりとのことは私たちは手伝うつもりはないからね」
穂乃果「そ、そんなッ」
海未「当たり前です……穂乃果、自分のことは自分で」
穂乃果「……わ、分かってるよ」
希「愚痴くらいは聞くから、頑張り」
穂乃果「うん、ありがとうッ」
絵里「よしッ、その意気よ」ナデナデ
海未(もうすぐ卒業だから、甘えたいんでしょうね……その気持ちは分かりますよ)
次の日――
放課後
屋上にて
穂乃果「ことりちゃん……」
ことり「……」
穂乃果「……」ガサガサ
スッ
ことり「なあに?」
穂乃果「ほのまん……」
ことり「くれるの?」
穂乃果「うん」
ことり「……」
カサカサ
ことり「ご?」
お饅頭の前面に文字が焼印してある。
カサカサ
ことり「め?」
カサカサ
ことり「ん」
カサカサ
ことり「ね……」
コソコソ――
希「結局、アイデア出しとセッティングまで手伝ってしまったな」
絵里「私たちって、つくづく後輩に甘いわね」
希「えりちは穂乃果ちゃんに甘いだけやん」
絵里「そんなことないわよ」
希「妬けるなあ」
絵里「もお、ばか」
希「お、二人抱き合いよるで」
絵里「無事に仲直りかしら」
希「あれ、でもことりちゃんがなぜかポッキー取り出して」
絵里「口に咥えたわね」
希「……」
絵里「……リターンマッチ?」
その日の夜――
とある屋台のラーメン屋にて
穂乃果「……」
希「ファーストキスならぬセカンドキスまで奪われしまった穂乃果であった」
絵里「変な解説入れなくていいわよ。ほら、穂乃果味噌ラーメン冷めちゃうわよ」
凛「いただきまーす」
穂乃果「あの」
希「なに?」
絵里「……あ、味玉美味しい」モグモグ
凛「うみゃああ…‥」ズルズル
穂乃果「なんで、凛ちゃんがここにいるの?」
凛「ラーメン屋ある所に凛ありにゃ」ズルズル
絵里「そんなことより、仲直りできたのになんでそんなに暗い顔してるのよ」
希「あれやん、友達の仲は修復できたけど新たに芽生えた感情にどきどきしているとかそういう」
穂乃果「……」ボンッ
絵里「え、うそ、ホントに」
凛「穂乃果ちゃん、めんまちょっともらうね」ぽりぽり
希「……図星かあ、参ったわ」
絵里「ちょっと、希が掘り下げたんでしょ」
凛「とんこつ、ネギ・背脂多めで」
おいちゃん「あいよ!」
穂乃果「……どうしよう」
希「……悩んでもしゃーないし、まあ食べえ」モグモグ
絵里「穂乃果も罪な女ね」モグモグ
凛「……穂乃果ちゃん、味玉もら」
がしッ
穂乃果「それはだめ」
凛「……にゃあ」
絵里「凛、私のあげるわ」
凛「やったッ」
希「ここのスープ、ほんま美味しいなあ」
穂乃果「心に染みるよおお……」
次の日――
3年生の教室
絵里「今日は平和ね」
希「穂乃果ちゃんがまだ来てないからやんな」
絵里「来なくなったら来なくなったで寂しいものがあるわ」
希「そう頼りにされっぱなしなんも、教育上良くないやん」
絵里「たまには自分で乗り越えないとって?」
希「そうそう。自分の気持ちのことやもん」
絵里「そうね……」
希「二年生の教室覗いてみる?」
絵里「心を読んだのかしら?」
希「えりちの考えてることなんてお見通し」
二年生の教室――
コソコソ
希「お、海未ちゃんが復活しとる」
絵里「あら、治ったのね良かったわ」
希「穂乃果ちゃんは、なんか固いなあ」
絵里「ことりもどこかぎこちない空気を読み取って、ぎくしゃくしてるわね」
希「海未ちゃんだけが平静やんな」
絵里「鈍感だからね……あ、穂乃果がこっちに気がついたわよ」
希「手、振っとこか」
絵里「あの顔は、また泣きついて来るかしら……」
希「せやな」
絵里「世話が焼けるわね」
希「可愛い後輩を持つと苦労するな」
絵里「ほんとにね」
『絵里ちゃん、希ちゃん、あのね――』
おわり
読んでくれてありがと
のぞえりを頼る穂乃果を書きたかったので満足です
おつ
乙です
良かったです
おつ
面白かった、いい関係性
>>1の関係解釈がキモかったが、まぁ満足したなら良かった
乙
良かった
乙でした
ほののぞえりはもっと評価されるべき
ああ、>>24という存在がいなければ最高だったな
このSSまとめへのコメント
流石だな、にこいれないとこがいい。あんな池沼でにこまきとか糞きもカップリングのやつは死んでくれ、でも希ちゃんに頼られるssも書いてほしい
よいぞよいぞ〜
>>1
キャラdisすんな馬鹿
※1
荒らしは死んでどうぞ