提督達と艦娘たち (30)

・提督と艦娘が話し合ったり馴れ合いしたり傷に塩塗ったりする話

・安価で提督と好きな艦娘を選んでもらうだけ。あとは自由気ままに書く予定

・提督は以下の3人から
1.男提督
2.女提督
3.じじぃ提督
もしかしたら途中で増える可能性もあるけど、取り敢えずこの3人。全員が同じ鎮守府で仕事してる。

↓提督と艦娘選択

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2比叡

選択:女提督-比叡



H26 10/22 AM01:00 第2執務室

女「……」カリカリ

女「……」カリカリ

女(うーん。昼間にちょっと気抜きすぎたのが良くなかったね。書類片づけるのだけでここまで時間かかっちゃうとは)

女(学生時代みたいに適当に書いて提出、みたいなことして本部に揚げ足を取られるのは嫌だからなぁ。みんなにも迷惑かかっちゃうし)

女「大体、後10枚かー」チラッ

女(明日は上層部からの定期連絡の担当の当番私だし、その前日に書類提出遅れましたとか笑えないしなー)

女「頑張ろう……」カリカリ

間違えてageちゃったごめん


比叡「提督!失礼します!」ガチャ

女「ノックしないで入らない。やり直し」

比叡「あ、はい!」バタン!

比叡「金剛型戦艦2番艦、比叡です。入ってよろしいでしょうか?」

女「うん、いいよ。入って」

比叡「失礼します……提督、まだ仕事をなさっていたのですか?」

女「んーまあそうだね。私、みんなの中じゃドンくさくってさ。何時ものことだよ。比叡はどうしたの? こんな時間に」

比叡「私、今日はなんだか眠れなくて。寮から提督室の明かりが見えたので、まだ起きてるのかな~と」

>>1は別にあげてもいいと思う

女「なる。ところでその夜食用のおせんべい美味しそうね。ありがとう!」

比叡「先にお礼言うのって反則じゃないですか?」

女「赤城直伝のお菓子おねだり術よ。提督という立場の高いものからのお礼の押し付けには逆らえまい」

比叡「そんな変なこと仰らなくても差し上げますよ……って、この書類は…………」

女「あぁ、それね。大本営からのお早いクリスマスプレゼントだってさ」

女「宮崎港の鎮守府壊滅による艦娘の異動命令。あなた達も多分噂には聞いてるでしょうけど、今まで活動が小さかった日本海付近で戦艦クラスの深海棲艦が夜に奇襲かけてきたのよ」

女「深海棲艦は自分たちから拠点を狙うことは少ないから、油断しきってた部隊は壊滅。鎮守府も全焼。本部の増援が行ったら、残ってたのは消し炭だけって話だったはずでしょう」

>>5 分かった。そうしよう


女「ところがどっこい当時運よく出してた遠征部隊がひょっこり帰って来たのよ。駆逐艦4隻のチームらしくて」

女「で、その放蕩娘たちをまあ適当に管理しやすくてあまり火種にならなそうな鎮守府にバラバラに異動にした。まあようは邪魔になるから追い出したってわけね」

比叡「邪魔って……そんな言い方しなくても」

女「本部からすれば直属の部隊は少なければ少ないだけ管理しやすく、また意識も統制がしやすい。そこまで資材を必要としてないからね。外から来た異分子の上に戦闘で役に立たない駆逐艦を置いておく理由もないわよ」

比叡「はぁ~上の人たちってなんかこう、冷たいですね」

女「まあそうだけど、駆逐艦達にとってもそれが幸いだったでしょう。北極海に4人身を寄せて共倒れするより分かれて安住の地を見つける方が百倍マシってものだわ」

比叡「ところで、その駆逐艦ってどなたなんですか? 仲良く出来る方だといいんですけどね~」

女「……雪風よ」


比叡「――――――――――そう、ですか」

比叡「雪風、が。来るんですね」

女「……ええ。そうよ」パリッ

女「予め言っておくわ。もしあなたが彼女をどう思うが、どう待とうが、私はそこに介入しない」

女「あなた達がかの事実に対して何かしらしがらみを抱え続けていようとも、当時を知らない、というより当事者でない私が口を出す意味がないからね」

比叡「わ、分かっています!ただ、私は!」

女「あなたがお姉さんが大好きで、お人よしで、そして誰よりも優しい心を持っていることを私は知っているわ。過去のことで恨んでるような、そんな矮小な子じゃないもの」

女「誇り高き、御召艦。金剛型2番艦。そうでしょう?」

比叡「提督っ……」フルフル

女「比叡、私の書類ももうすぐ片付くわ。もう夜も更ける。明日も早いのだから、もう寝なさい」

比叡「グスッ……はい、失礼いたします…………」ガチャン


女「はー疲れるわね」

女(艦娘は彼女たちが普通の艦船だった時の御霊……すなわち、船全体に宿った付喪神)

女(彼女たちはその時の記憶や換装を元にこの世に艦娘として生を受けている。だから、彼女たちの終わり……死の時は深く記憶に刻み込まれているはず)

女(とりわけ彼女は操舵が難しい状況だったとはいえ、未だ機関室は動ける状態だった。当時妹を託されていた彼女からすれば心残りも多かったでしょうに)

女「まあいずれ来るとは分かっていたのだけれどね」ペラッ

女(雪風……雷撃処分したのは彼女。それを分かってて引き取りを申し出たのは私だ)

女(あの子が雷撃処分した艦船は多い。他の艦からも嫌われることが多い立場上、私が居場所を作ってあげたいとは思う。でも、それは私が出来ることじゃない。彼女本人の問題だ)

女(……比叡、頼んだわよ)

この先の展開が思いつかないから、今日は一旦ここまでで。

ある程度他の艦娘の話題も投下したいから内容は詰め込みぎみなのはすまぬ。

おつおつ
普通に史実を微量混ぜ込みした感動モノでもいいのよ?
そうすれば神通さんや時雨を狙いやすく…ゲフンゲフン

乙 雪風となら坊の沖組じゃね


史実神通さんとかただの戦闘狂やないか……

おはよう。そしてコメントありがとう。


H26 10/25 AM:09:00 艦娘寮廊下

女(今日、雪風がこの鎮守府まで異動してくる)カツカツ

女(私は以前、本部への出頭の際に一度だけあの子に会ったことがある。礼儀正しくて、愛想が良くて、そして可愛い。年相応の子としては出来すぎたくらいだ)カツカツ

女(まあ恐らくは仮面でしょう。あの子の本質は負の気質。私には到底理解できないけれど、味方が沈むのは自分のせいだと捉えてしまうきらいがあるらしいみたいね)カツカツ

女(……バカな子。沈んだ責任は沈めた人と、私たちに司令官にあるというのにね)カツカツ

女「あ、榛名おはよう」

榛名「提督、おはようございます! 朝にこちらにいらっしゃるだなんて、榛名、嬉しいです!」

女「そ、そう? まあ確かに珍しいとは思うけどさ。榛名はもう朝食は取り終わったの?」

榛名「ええ、霧島と一緒に。ただ、比叡お姉さまがなかなか起きてこなくて……」

女(たしか金剛はじいさんと一緒に呉の鎮守府に向かったはず。今いる唯一のお姉さまがこれじゃあ榛名も心配でしょう)

女「分かったわ、向かいましょう」

榛名「はい、榛名でいいならご案内しますっ」

女(可愛い)




榛名「提督、誤解なさらないようにお願いします。お姉さまがこんなに遅くまでお眠りになられるなんて、本当に珍しいんです」

榛名「毎日私たちの姉妹の誰よりも早く起きて、掃除に洗濯、朝食のお手伝いまでしてくれて……」

女「ええ、そうね。榛名の、自慢のお姉さんだもの」

榛名「……はい。今日は体調が良くないから先に朝食を済ましてくれ、ということでした」

女「そう。分かりやすい嘘をつくものね」

女(比叡、バカな子)

女(あなたは知っているはずよ。過去は逃げない。そこにあり続ける。影のようにね)

女(ただもう少し時間が欲しかっただけなんじゃないかしら。でも、それを永遠に続けることは出来ないのだから)

女(比叡、覚悟を決める事ね)


金剛型寮室前


女「―――――――――」

比叡「……提督、榛名、おはようございます!」

榛名「おはようございます、お姉さま。体調はもうよろしいのですか?」

比叡「うん、もう大丈夫よ。ごめんね、心配かけちゃって」

榛名「いえ、そんなことありません。榛名、安心しました」

女「比叡……」

多くは語る必要はないと思った。
比叡は朝の光を浴びて、その瞳は輝いて見えた。もうそこに迷いや困惑などなく、まるでダイアモンドの純石のような、そんな美しさが宿っていた。
きっとこの何日間。彼女は悩んだはずだ。どうすれば雪風と、そして自分自身が納得いくにはどうすればいいのかと。
そして今。
彼女はきっと答えを出したんだ。

比叡「提督、ありがとうございます」

比叡「私、ずっと迷ってました。私は雷撃処分のことを恨んでなんかいません。確かに残念ではありましたが、彼女の責任なんかじゃないことだってわかります」

比叡「ただ私は、ずっと雪風に言いたかったんです」

比叡「強く生きてほしいと。私たちの死を乗り越えて、この戦争を生き抜いてほしいって」

比叡「ただ、私が彼女にもたらしたのは、死神だなんて不名誉な二つ名だけ……そんな私があの子に言う資格があるのかずっと分からなかったんです」

女「……そう、だったんだ」


女(ああ、なんだ。結局の話、比叡も雪風も、似た者同士だったんだ)

女(雪風は比叡が沈んだ原因は自分の責任だと思い、比叡は雪風が不名誉な綽名を付けられたのが自分の責任だと思ってしまった)

女(だから、すれ違ってしまう。考え方がずれてしまう。それじゃあ駄目だ。比叡は優しいけど、難しいことをそんなに考えられないタイプだ。だから、彼女のなりの結論はきっとすぐに出たんだろう)

女(……どうやら、杞憂だったようね)

女「そっか。ごめんね比叡。あなたの上に立つ者なのに、あなたを信用してあげられなくて。これじゃ司令官失格だわ」

比叡「そ、そんなことありません!私だって、司令から励まされてなかったら、どうすればいいか分かりませんでしたし……!」

比叡「だから、司令にはご迷惑はもうおかけしません!」

女「ええ、そうね。ここから先は私が入る余地はない。どんな結果になろうとも、あなたが決着を付けなさい」

比叡「はい! 私! 頑張るから! 見守っていてください!」

比叡はそうニッコリと笑って駆け出していく。
その顔がまた、まるでこの後には楽しいことしかないような顔で。誰しもが死と隣り合わせの戦いに渦中に巻き込まれているのに、この子はそんな顔で笑うのだ。
それがおかしくて、バカみたいで。

榛名「……よく分からないですけど、お姉さまがご無事で安心しました!」

それがどこか、羨ましくて仕方なかったのだ。


女(後日談。まあ結果から言うと無事雪風はこの鎮守府に着任。所属部隊は哨戒部隊への配属、つまり私の管轄になった)

女(所属に関しては一悶着あったけど。というのも男提督が彼女の性能を見越して水雷戦隊の候補者として推薦したところを、作戦会議に乱入した比叡がこれまでにない必死な形相で文句を言い始めたからだ)

女(……まあ結局私が9割ほどフォローしたわけなんだけど)

女『雪風にこれ以上の前線行動は難しいでしょう。彼女はかの宮崎港での奇襲後での心身的ショックから立ち直っておらず、また前線活動の経験もほとんどないと聞きます』

比叡『そ、そうですよ!実戦未経験者にいきなり水雷戦隊の前線艦隊に加われなんて悪魔の所業です!』

男『そんなわけあるかポンコツ女。元から即戦力としてなんて期待してねーし、さっきの姿を見たけど、前に貼って背中で語れるような奴でもないことなんざとっくに知ってる。ただ、あいつには才能がある』

じじぃ『そうじゃの。まあ、今は戦えなくても何れ現実と向き合わなくてはならんじゃろうし、ここは女提督に一旦引き取ってもらい、そこで演習を積んだ後、彼女の希望に沿ってある程度戦線に参加してもらう形で良かろう?』

男『まあそれが一番妥当だろーな。実際、戦いたくない奴を実戦で使えるわけがねぇ。おい、女』

女『……分かっています。確かに彼女には圧倒的な幸運という他の艦船にはないものを持っている。立派に育てます』

男『ああ。お前が雪風にどう思っていようかは関係ない。お前がやることは、アイツに現実を教えるだけだ。それだけでいい。それからは、本人次第だ』

比叡『じゃ、じゃあ! 雪風は!』

男『雪風は女提督の管轄にて、哨戒・または遠征部隊に入ってもらう。それと比叡、お前、今度俺の机の上に乗ったら、ハチの巣になる予定の演習用の標的艦はスイカの代わりにおめーがやることになるからな』

比叡『ず、ズミマセンデシタ!』


鎮守府裏格納庫 11/01 PM01:00

女「あら」

比叡「おや」

雪風「あ、司令!おはようございます!」

女「ええ、おはよう。またあなた達一緒なのね。仲がいいことねぇ」

雪風「はい!比叡さんに今艦装修理を教わっていました!とても丁寧で助かりますっ!」ガチャガチャ

女「へー、すっかりお姉さんね、比叡。普段可愛がられているあなたがこうやって後輩を育てていくことほど私にとって嬉しいこともないでしょう」

比叡「そ、そんなこと……比叡には勿体ないです」

女(榛名かよ)

雪風「早くみんなのために役立ちないので、私、頑張りますから!」

女「頑張りなさい。この鎮守府の誰もがあなたに期待しているでしょう。あなたの頑張りはみんなの努力に繋がり、いずれ結果をもたらすはずです」

雪風「はい! 今から付近哨戒に行ってきます!それでは!」タタタタ...


女「行っちゃったわね。なに、元気にしてるみたいで安心したわ」

比叡「はい、とっても素直でいい子だし、何より私と違って覚えが早いですから」

女「あら、そんなことないわよ。あなただって優秀だったわ。流石は金剛お姉さまの妹分」

比叡「そ、そんなことありませんよ」///

比叡「……本当に良かったです。今、雪風はこの艦隊のために一生懸命に頑張ってくれている。そして艦隊のみんなも雪風のためにフォローしてくれている。みなさんには頭の下がる思いです」

女(雪風が来た当時、彼女のことを快く思わない者は多かったはずだ)

女(だけど、雪風が着任したと同時に色んな子が……特に艦船時代に雪風と一緒に出撃していた子たちが多かっただろうか。彼女の着任を祝福していたのを覚えている)

女(私は比叡が一体彼女に何をしたのかは知らないし、今から聞こうとも思わないけど)

女「それはね、比叡。あなたのおかげなのよ。みんなあなたに感謝してるわ。当然、私もね」

比叡「え、ええ!? そうなんですか?!」

女(そうでしょうとも。あなたは個人の問題で雪風と話したんでしょうけど、それはとても勇気ある行動だってこと、あなたは気付かないでしょう)

女(不器用で、バカみたいにまっすぐで、それなのにみんなに慕われるあなたを、私がどれ程誇りに思っているか)

女「頑張ってね、私の自慢のお姉さん!」バン

比叡「ひ、ひええええ! そんなに強く肩たたかないでください!」



終わり

完全に詰め込みになっちゃった。時間ないのだすまん
↓次の提督と艦娘

3じじい提督+島風

おっけー。取り敢えずストーリー考える。更新は10:00くらいからで


じじし「復讐である」

じじぃ「そう、復讐である」

じじぃ「俺を動かすものは復讐にほかならぬ」

じじぃ「肉を砕き、血にまみれ、同期のうちに涙した過去を憎むすべてである」

じじぃ「常にこの世は善に満ち、同等に悪に満ちている」

じじぃ「ことごとく悪とは豚にあることに尽きる。彼奴等は人を形取った豚だ。あるものを食いつくし、蹂躙し、価値も分からぬうちに貪りつくす豚に過ぎぬ」

じじぃ「それは人の想いすら食いつぶす」

じじぃ「許せるはずもない」

じじぃ「俺は、醜悪に、厳かに復讐を執り行う。これは悪の儀式である。死をもった死者への手向けである」

じじぃ「故に――――――――」

じじぃ「吾輩は悪である」


H24 08/16 AM11:00 東京大本営に向かう車内

じじぃ「あ・ぁぁ……それにしても暑かったのぅ。鎮守府周りと違ってアスファルトはまるでフライパンの上のようじゃな」

男「そんなもんか?俺はそんな気にならねーけど」

じじぃ「そういえばお前さんは元は工場長だったと聞いていたが、熱加工があったようなところなんじゃろ?熱に慣れてると見える」

男「あーそうかもな。金属加工の部署があって、そこでの熱気がすごくてさ」

じじぃ(ワシがここに来るのはおよそ5年ぶりだろうか。ワシが以前来たときはここまで東京は蒸し暑くなかった)

じじぃ(今では娯楽施設が押し並び、人がせわしなく動く無機質な街のようにも思えるのぅ。以前も確かにせわしない連中が多かったが、ここまで目に活気がない連中が歩き回っているのは少し不気味じゃわい)

じじぃ(かくして、5年というときは人間の質をも変えてしまうのかと思うと時代とは恐ろしいものよ)

男「なあ、じいさん」


じじぃ「なんじゃ? ワシは今外のエロイお姉ちゃん探しに夢中なんじゃけど」

男「夕立、こいつの粗チンを二度と上を向かないように丁寧に叩き切れ」

夕立「ぽい? 提督さん、『そちん』って何?」

じじぃ「これこれ、汚い言葉を使うでないわ。まあ夕立ちゃんに搾り取られるのならわりかしイイかもしれんのぅ」

男「いい年こいてマスこいてんじゃねー死ね。唾付けるならお前の管轄内にしろ」

じじぃ「そう怒るな。お前が憂いているのはあのお達しじゃろ? えっーと」

男「『ケッコンカッコカリ』」

じじぃ「そうそれじゃ。とんでもないネーミングじゃの、覚えるの拒否しちまったわい」

男「まったくの同感だ。発案者の脳みそにネギぶっ刺したい気分だぜ」


じじぃ(ケッコンカッコカリ。そのシステムの通知が来たのはワシらが東京へ出向く前の2週間前ほどになる)

じじぃ(艦娘の能力のある一定の上限値……確かに人間の力を超越した艦娘ではあるが、その存在にもやはり無限というわけにはいかぬ)

じじぃ(しかし、その限界を突破させるシステムを内蔵した指輪が大本営の方で開発されたらしい。しかし、そのような指輪が量産できぬはずもない)

じじぃ(故に必要書類を用意し、大本営の方へ手続することによって、その指輪を1つだけ貰うことができる)

じじぃ(ただ一つの指輪。エンゲージーリング。故に、仮結婚と揶揄されたわけじゃな)

男「ったく、どこのファッキン提督だか知らねーけど、この契約がどれほど危なっかしいか理解してねぇ」

じじぃ「そうかの? お主は危険性というが、ワシはそうは思わぬ。これは相互理解への一つの妥協案じゃよ」

男「理解? 艦娘と人間のか?」

じじぃ「まあそうじゃな」


じじぃ「結婚とは男女の関係の問題ではない。言えば、愛という絶対的な無償の絆を結ぶ契約なんじゃよ」

じじぃ「そこには双方に差別がない。双方が番になるということは、双方が並びあうこと。対等になるということなんじゃ」

じじぃ「大本営の中でも若手が艦娘との恋愛沙汰を起こして問題となった事件があったじゃろ? 覚えちょる?」

夕立「夕立、知ってるっぽい! 私、その艦娘さんと会って話したことあるのよ?」

男「まあこいつの言う通り会ったこともある。俺の親父、なんて言ったか知ってるか? モンキーは鉄に恋してるってよ。あれには爆笑だ」

じじぃ「男も親父さんも揃って口が汚いのぅ」

男「うるせーぞじいさん。で、あのノータリンがなんだって?」

じじぃ「まああの男がきっかけになったんじゃよ。」

じじぃ「実際に現代になって艦娘の召喚は大きく安定し、今のところ多くの艦船の付喪神が表れておる。お前も知っての通り、今までの固い信念を持つ大本営の意向に逆らう生きのいい若手がこの他にもどんどん多くなっての」

じじぃ「結果的に、艦娘を預かっている若手の多くが艦娘との恋愛関係を正当化する要望書を叩きつけたんじゃよ」

じじぃ「で、あまりにも鬱陶しいが若手の数も多くなってきた。しかし、大本営としては艦娘は人間ではないという定義に綻びを入れるわけにもいかん」

夕立「まあそーよね。実際私もそう思うし」

じじぃ「じゃろ? で、そこで提案したのが(仮)ってわけじゃよ。ほれ、ここ面白いところじゃぞ?」

男「オールファッキンアーメンハレルヤだ。そのネーミングは大本営の自演だな?」

じじぃ「まぁ十中八九そうじゃろうな。ケッコンネームに若手のほうも大満足。恋する艦娘も大満足」

男「アホらしすぎて涙が出るね」

じじぃ(男の言うことは何時も辛辣じゃのう)



いったん中断。

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