後輩「先輩! 死んでください!」男「え」 (27)

後輩「お願いします!」

男「いや、お願いしますって」

後輩「死んでください!」

男「やだよ」

後輩「どうしても死んで欲しいんです」

男「いやー、結構いい先輩のつもりだったんだけどなぁ」

後輩「お願いします!」

男「無理だって」

後輩「………」ムーッ

男「………」

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後輩「お願いします!」

男「なんでそんなに必死なんだよ……」

後輩「どうしても死んで欲しいんです」

男「せめて理由を教えてくれよ」

後輩「理由なんてどうでもいいんですよ!」

男「どうでもいい理由で死ぬのか俺は」

後輩「じゃあ、何で死にたくないんですか!?」

男「いや、だってキスもまだだし」

後輩「キスですか!?」チュッ

男「」

後輩「これで死んでくれますか!?」ハァハァ///

男「なんで興奮してるんだよ」

後輩「さぁ! 死んでください!」

男「やだよ」

後輩「先輩の詐欺師!」

男「ひどい」

後輩「私のファーストキスを奪っておいて死なないなんてずるいです!」

男「俺のファーストキスが奪われたんだよ!」

後輩「えっ、先輩もファーストキスだったんですか?」ニンマリ///

男「そんな可愛い顔してもやってることは犯罪スレスレだからな」

後輩「か、可愛い……」

男「もう帰っていいか?」

後輩「冥土にですか!?」

男「行ったこともねぇよ!」

後輩「フロンティア精神ですよ!」

男「死後の世界を開拓する気はねーよ!!」

後輩「先輩のひきこもり!」

男「外にいるんだけどなぁ……」

後輩「とにかく死んでくださいよ」

男「だから理由を言え」

後輩「理由を言ったら死んでくれるんですか?」

男「お前の命が後三日で無理心中したいっていうのなら付き合ってやるが」

後輩「は? 人を勝手に殺さないで下さいよ」

男「納得いかない」

後輩「理由を言ったら死んでくれるんですか!?」

男「たぶん死なない」

後輩「じゃあ言いません」

男「じゃあ死なない」

後輩「先輩の分からず屋!」

男「後輩の分からんちん!」

後輩「むぅ……」

男「……帰りたい…」

後輩「死んでくれたらすぐに帰ってもいいですよ」

男「俺はゾンビか」

後輩「もしかしたらゾンビかもしれませんね! 試してみましょう!」

男「嫌だよ!」

後輩「人類の未来のために!」グッ

男「逆に人類に終末が訪れるよ!」

後輩「はぁ……」

男「お前な、いい加減にしろよ」

後輩「いい加減にするのは先輩です!」

男「………」

後輩「………」

男「おっけー、分かった」

後輩「ほんとですか!」

男「じゃあ一つだけ聞かせてくれ」

後輩「いいですよ! 何でも聞いてください」

男「俺が死ぬことはお前にとって絶対に必要な事なのか?」

後輩「はい!!」

男「……分かった」

後輩「ほんとですか!」

男「……死に方に指定はないのか?」

後輩「はい!」

男「………」

男「睡眠薬だったら楽に死ねるかな」

後輩「はい! 楽に死んでください!」

男「ああ」

男(まぁ、どうせ家族もいないし誰も悲しまないだろ)

後輩「………」

男「最後に電話してもいいか?」

後輩「え?」

男「駄目か?」

後輩「……いい、ですけど…」

男「?」ピッ


trrrrrrr



男「……あ、義姉ちゃん」

後輩「!!」

男「あの……」

男(いや、今から死ぬっていうのに俺は何を伝えようとしてるんだ!?)

後輩「………」

男「ああ、いや、夕ご飯はいらない……うん、うん…」

後輩「………」

男「わかった。……うん、じゃあね」ピッ

後輩「………」

男「……よし、死ぬか」

後輩「ちょぉっとまったぁああああ!」

男「え?」

後輩「今の人、先輩の下宿先に住んでいる人ですよね」

男「ああ、そうだよ」

後輩「どういう関係ですか」

男「えっと、家族みたいな人だけど?」

後輩「異性としての感情は?」

男「え?」

後輩「その人のこと異性として好きなんですか!?」

男「いや……そ、それは…」

後輩「………」

男「………」カァ///


後輩「!!」


男「解放された……いったい…」

男(俺の好きな人と死ぬことが関係あるのか?)

男「ただいまー」

義姉「お帰りなさい男君」

男「うん」

義姉「ねぇ男君、さっそくなんだけど」

男「嫌な予感」




義姉「死んでくれない?」




男「」

男「部屋に逃げ込んできたけど……」

<ネェアケテ!シンデチョウダイ!

男「一体みんなどうしたんだ?」

男「とりあえず幼馴染に聞いてみよう」ピッ


trrrrrr


幼馴染『はーい』

男「あ、幼馴染!?」

幼馴染『あ、男!? ちょうどよかったよー、今私も電話しようとおもってたんだ』

男「嫌な予感……」


幼馴染『急な話なんだけど、死んでくれ――』ピッ


男「な、何が起きてるんだ……」ハァハァ


prrrrrrr



男「!?」ビクッ

着信:幼馴染

男「だ、だれが出るか!」

男「……一晩中義姉ちゃんがドアをたたいてた」

男(窓から逃げ出そう……)ガラッ



後輩「あ、先輩! おはようございまーす」ニコッ



男「」

男「今日は死ななくていいのか?」

後輩「そうですね。今日も死んで欲しいですけど、今はそれより重要なことがあります」

男「?」

後輩「エッチしましょう」

男「無理」

後輩「エッチ、したくありませんか?」

男「いや、そりゃあまぁ……」

後輩「じゃあしましょう!」

男「お、お前俺のこと好きなのか!?」

後輩「は? 当たり前じゃないですか」

男「うぇ!?」

後輩「さ、行きましょう」

男「な、何が起きてるんだ……」

男「してしまった……」

後輩「よし!」

男「お前……アグレッシブだな…」

後輩「はい! それが取り柄ですから!」

男「じゃあ、俺は学校へ……」

後輩「何言ってるんですか? エッチしたんですから死んでくださいよ」

男「………」

後輩「はい、昨日の睡眠薬です」

男「……まぁ、いいか」ポリポリ

男「眠くなってきた」

後輩「遅行性なので、もうすぐ死ねますよ」

男「……なんで」

後輩「……それは、言えません」ナデナデ

男「……そ……か…」スゥ…

後輩「………」




パパパパパパパッ



男「………ん…」

男(俺は……死んで……ない?)

男「………ここは…」



パパパパパパパパッ



男「なんだ……この音…」

男(ここは……後輩の部屋か? 一度だけ来たことある……)

男「音は外か……」ガラッ



モヒカン「ひゃっはーーーー!」パパパパパパパッ

青年「くっ………」パパパパパパパッ



男「………」ピシャッ

男(窓を開けたら、そこは焼け野原で人々が戦争してました……)

男「な、なんで戦争が!?」

男(もしかしてこれが死後の世界ってやつか!?)

男「と、とりあえずニュースを」ピッ


TV「ざぁぁぁぁぁぁぁぁ」


男「砂嵐……」

男(外では銃声が鳴り続けている……俺はいったいどうすれば…)

男「携帯は………もちろん…駄目か」ハァ…

男(家の中は安全なのか?)カチャッ



後輩(裸)「……は?」



男「」

後輩「ななな、何で先輩生きてるんですか!?」

男「そ、その前に服を着てくれ!」カァ///

後輩「無理ですよ! 裸じゃなきゃ力使えませんもん!」

男「力?」

幼馴染(裸)「後輩ちゃん! 何かあった……え?」

男「」

幼馴染「な、ななな、何で男が生きてんのぉ!?」カァ///

男「もうわけがわからない……」

わけがわからないよ…

義姉(裸)「まったく……ちゃんと死んだか確認しておけとあれほど言ったのに……」

後輩「すみません……」

男「説明をください」

幼馴染「一言で説明するとね」

男「………」ゴクリ



幼馴染「裸族と人類の戦争よ」



男「………」

後輩「義姉様、少し加勢に行ってまいります」

義姉「ええ」

後輩「……先輩」

男「?」

後輩「……またあえてうれしいです。……すこしだけ」モジモジ

男「……それは…よかった」

後輩「行ってきます!」シュンっ

人間「裸族だ! 裸族が出たぞーーー!」

後輩「………」

人間「撃て! 撃てぇええええ!」パパパパパッ

後輩「人間どもめ」ブゥン



――ドゴォォォォォンッ



信者達「裸族様……」カンドー

後輩(先輩……あのまま死んでてくれれば…)

男「じゃあ、裸族っていうのは人間じゃないのか?」

義姉「ええ、裸族は人を超えた種族。家畜にとっての人間が人間にとっての私達よ」

男「……納得いかない」

幼馴染「納得いかなくてもそれが事実よ」

男「だから殺そうとしたのか?」

幼馴染「ちがっ「幼馴染」

幼馴染「義姉様……」


男「俺が人間だから死んでもいいっていうのか」


幼馴染「………」クッ

男「……くっ」ダッ

幼馴染「男!」

義姉「待て!」

幼馴染「くっ……」

義姉「我々がなぜ殺さなかったか……いや、殺せなかったか分かっているだろう」

幼馴染「……男…」

くだらない戦争起こるなよ…まったくわけがわからないよ

こういうヒリヒリするようなすれ違い好き
みっちりやってくれると嬉しいが…

いや待てよ
戦争だとかすれ違い好きだとか言う前に何かもっと言うことあるだろ

全然シリアスじゃねえからな!!

シリアス予納な気がしてきた……!!

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