─ 6 ─
『パパ これなに?』
『ロボットだよ。パパからのプレゼントさ』
『ロボット?』
『ああ、そうさ。なんとパパが作ったんだ。普通の人みたいに、おしゃべりもできるよ』
『ほんと!?』
『でも──ごめんな、本当はあげるためじゃなかったから……日本語じゃなくて、英語しかしゃべれないんだ』
『えいごって、アメリカ人とかがはなすことば?』
『そうそう、よく知ってるね』
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期待、
『でも大丈夫。ほら、ここに小さな画面があるだろう?』
『うん』
『ここに、ロボがしゃべったことが表示されるようになってるんだ。……そこも英語なんだけどね』
『えー?じゃあ、わたしロボとおしゃべりできないよ?』
『そう。だから、これもプレゼントするよ』
『……? なにこれ?』
『翻訳機能付きの電子辞書……って言っても、ちょっとむずかしいかな』
『ほんやく……?』
『簡単に言えば、日本語を英語に変えたり、英語を日本語に変えたりできる機械だよ』
『じゃあ、ロボの言う英語、日本語にしてくれるの?』
『そうとも。じゃあ、そうだな……一回電源を入れてみよう』
『いれるー!』
カチッ ヴォンッ
『I am machine. How are you?』
『しゃべった!』
『よしよし、ちゃんと動くな』
『でも、なんて言ったのかわかんないや。………あ、なんか書いてある!』
『これが、今ロボが言ったことだよ。じゃあ、これの通り電子辞書に入力してみよう。できるかな?』
『これ、ぱそこん、と同じかんじ!前につかったことある!』
『お、覚えてたか。よし、じゃあやってみてくれ………って、はは、仕事の速い子だ』
『……んと、これは……これ。それで、このスキマは……ここ押して、次は……』
『ああ、それと。日本語は打てるかな?』
『………ん。ろーまじ入力っていうのだよね。………えっと……あ、これさいしょの文字だったやつだ』
『ロボに何か言うときは、逆に日本語を入力して、ここのボタンを押せば辞書が代わりに英語をしゃべってくれるよ』
『うん、わかった。……………こうで、これ!できた!』
『お、よーしよし、じゃあ翻訳してみようか。このボタンだよ』
『ほんやく!』
マヤはキモオタ御用達の肉便器
使ってる奴は例外なく基地害
キノコしゃぶるの大好きなヤリマンだから仕方ないか
[私は機械です。お元気ですか?]
『これ、ロボが言ったこと?』
『そう。じゃあ今度は答えてみようか。「元気です」って、入力できるかな?』
『する!』
『げ……だから、えっと、これとこれ………。ん、はたしかー………』
『……………』
『…………できた!またほんやくするの?』
『ああ。翻訳ボタンを押したら、次はここを押してね』
『ほんやく……して、ここ押す!』
『[I'm fine.]』
『なんかしゃべった!』
『今の英語が、元気です、って意味なんだ。ほら、見ててごらん、ロボがまたしゃべるよ』
『I'm glad to hear that.(それは良かった。)』
『ロボとしゃべる方法はわかったかな?』
『うん!もっとおしゃべりする!』
『…………じゃあ、パパ、これからまた長い仕事に行ってくるよ』
『えー、また行っちゃうの?』
『ご飯は今まで通り、いつものお兄さんが届けてくれるからね』
『……うん』
『…………………』
『………? どうしたの、パパ?』
『……少し、こっちに来てくれ』
『うん』
ぎゅっ
『……んっ、くるしいよ』
『…………元気でいるんだぞ、病気には気をつけてな』
『……? うん』
『勉強も頑張ってほしいが、無理はしないように。………そして、いつか立派な人間になってくれ』
『うん……?』
『良い子に育ってくれてありがとう、こんな親の下で………本当にありがとう』
『……パパ?』
『いつまでも愛しているよ、私の最愛の娘』
パパは 帰ってこなかった
でも 長い仕事だって言ってたから
きっと 帰ってくるって
思って いた
さむいさむい雪の日に 黒い車に乗って
どこかに 行っちゃった
なにこれおもろい
─ 9 ─
『[I say,Robo.](ねぇ、ロボ)』
『What happened?(どうしました?)』
『[It's rainy today.](雨降ってるね)』
『Please don't bring me outside.(ワタシを外に持っていかないでくださいね)』
『ふふふっ、面白いなぁ』
『[It understands.OK.](わかってるよ、大丈夫)』
『But,if you put up an umbrella to me.I can go out.(でも、もしワタシに傘をさしてくれるなら、外に行けますよ)』
『んーと、どういう意味だったっけ………』
『……あ、わかった。そっか、傘させば………んー、でもいいや』
『[doesn't matter.I'm going to relax at home today.](別にいいよ。今日は家でゆっくりするつもりだし)』
『I got it.Well......(わかりました。それでは……)』
・
・
・
パパがどこかに行っちゃってから3年。 私はロボとたくさん話した。
名前が『ロボ』だなんて、ちょっと可哀想かなって思ったけど、パパがロボって呼んでたから、それでいいかなって。
毎日毎日英語で話してたから、ロボの言うこともけっこうわかってきたの。すごいでしょう?
でも、さすがに自分で英語を言うのはむずかしいから、この電子辞書におまかせ。
ときどきパパがいなくてさびしくなるけど、ロボが心配して話しかけてきてくれるから、平気。
最近わかったけど、ロボってけっこう面白い人(?)なの。
きっと、人の気持ちもわかってるんじゃないかなって思う。パパってすごいなーって、いつも思う。
パパは、まだ帰ってこない。
このあたりで少しお休みです。
ロボについてですが、そこまで丁寧な話し方をしているキャラではないつもりです(日本語にすると普通に丁寧になってしまいますが)。
例えば、持ち主である主人公に傘をさしてもらおうとしたり、『わかりました』というのを「I understand」でなく「I got it」と少しくだけた言い方をしているあたりなどですね。
私自身そこまで英語は得意ではないので表現や文法がおかしかったりするところもあると思いますが、目を瞑ってあげてください。
大丈夫だ、この板にまともに英語力がある奴なんて一握りしかいないから
>>1
皆そんな細かい所見てないから気にしないよ!
全然関係ないけど映画でよく「ジーザスクライス!」って聞くけどそのクライス!の部分ってなんだろうな、そもそもローマ字さえ間違ってるのかググっても出てこないし
それキリストのこと
─ 12 ─
『…………やだなぁ』
『What's wrong?(どうしたんですか?)』
『あ……ロボ』
『……ロボに心配かけちゃ、ダメだよね』
『[Nothing,Thank you for worrying about me.](なんでもないよ、心配してくれてありがとう)』
『......If you have a hard,please depend me.(もし辛い思いをしているなら、ワタシを頼ってくださいね)』
『As I'm your Robo.(ワタシはあなたのロボですから)』
『……ロボは、優しいね』
『?? What did you said? I can't understand Japanese.(何と言ったのですか?日本語はわかりません)』
『[I said "Thank you always for everything".]("いつもありがとう"って言ったのよ)』
『[I'm off then.](じゃあ、行ってきます)』
『Yes,take care.(はい、お気を付けて)』
今日は、私の学校の卒業式だった。
いっぱいいた友達は、それぞれ違う中学に行っちゃうから、離れ離れ。
6年間、すっごく長かったけど、今でも色々思い出しちゃうな。
友達と大喧嘩しちゃって、悩んでた時。
テストで悪い点数取っちゃって、落ち込んでた時。
そういえば、そんなときはいつもロボが心配して、助言をしてくれたっけ。
6年、短かったけど、楽しかったなぁ。
あ、そうそう。友達と遊んでばかりじゃなくて、パパに言われたとおり、ちゃんと勉強も頑張ったんだ。
小さい時のことは忘れちゃうけど、あの日言われたことだけははっきり覚えてる。
だから、いつか立派な人間になれるように、私なりに頑張ってるよ。
そうしたら、いつかパパが帰ってくるんじゃないかと信じてるから。
でも、本当は
─ 14 ─
『I'm home! please liste,Robo!!(ただいまー!聞いてよロボー!)』
『What's up?(どうしたんですか?)』
『Say!I looked the result of a semester test!! It said...(あのね!期末テストの結果見てきたの!!そしたら……)』
『Oh!It said...?(おお!もしかして……?)』
『...I got first place!!(…私、一位だった!!)』
『Amazing! Congratulations!(素晴らしい!おめでとうございます!)』
『I can not say well, but I'm so happy!(上手く言えないけど、すっごく嬉しい!)』
『You've worked hard. I'm glad too.(頑張りましたね、ワタシも嬉しいです)』
『......I hope dad will be glad with hear that.(……お父さん、喜んでくれるといいな)』
『I'm sure he'll glad.(きっと喜んでくれますよ)』
『I think so too.(そうだよね)』
中学に入ってから少しして、私はとうとう自分で英語を話せるようになった。
いちいち電子辞書を通さなくてもロボと話せるから、前よりもずっと会話が楽しくなったし、自分の思いを自分なりの言葉で伝えられて、嬉しい。
ロボには、主に私の苦手な理科と社会の勉強を手伝ってもらったりした。
すごく物知りなんだよ。
あ、そうそう。私だっていわゆる思春期だし、最近は髪型とか気にしたりしてるんだけど、私結構髪長い方なの。
だから、後ろで縛ってポニーテールにしようかなって思って鏡の前にいたら、この前ロボがこう言ってくれたんだ。
せっかく綺麗なロングヘアーなのに、ポニーテールにしてしまうのですか。って。
びっくりしちゃった。まさかロボがそんな事言ってくれるなんて。
きっとそのおかげかな、私が今でもロングのままなの。
……って、そんな事ばっかり考えてないで、次のテストでも一位とれるように対策しなきゃ。
あーあ、パパに聞かせてあげたいな。一位取ったよ、って。
帰ってこないかな。
でも、本当は、私が『 』を
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