若林智香「ファイト」 (20)
・モバマスSSです。
・智香ちゃんお誕生日おめでとう!!
では、よろしくお願いします
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すげえなまたか!
期待してるぜ
智香「……んん~~っ!! 今日も一日頑張ったなぁ!」
智香「明日は午前レッスンで、午後はお休みっ☆」
智香「ストレッチして早めに休もうっとー☆」
智香「あ、そうだ紗南ちゃんに教えてもらったあれ……」
智香「えっと、確かファイト応援…………」
智香「………………え」
・ ・ ・ ・ ・
P「智香がまだ来てない?」
ちひろ「そうなんですよ……。 家の方に電話しても、寮のみんなに聞いてみても知らないって……」
P「もう少しでレッスンなんだけどな……。 あいつがレッスンをほっぽり出すなんて有り得ないし……」
ちひろ「もっ、もしかして事故……!?」
P「いや、その可能性は……」
ちひろ「じゃあ誘拐!? い、いいいい今すぐ警察に電話を! ご家族にも!!」
P「お、落ち着いてください!! 大人の我々が冷静さを欠いては元も子も無いです!!」
ちひろ「で、でもぉ……」
紗南「っんー……?」
P「……? どうした、紗南。 心当たりでもあるのか?」
紗南「いや、あるにはあるんだけど…………」
P「もったいぶらずに教えてくれ、智香が危険な目に合ってるかもしれないんだぞ」
ちひろ「やややや、やっぱり警察に!?」
P「ちひろさんはもう少し落ち着いて!!」
紗南「……あたしが原因かどうかは解んないんだけどさ、昨日智香さんと話してて」
P「それのどこがおかしいんだ?」
紗南「この前対戦ゲームの攻略法検索しに、インターネット使ってたときにさ」
P「おいおい、うちは評判とか見ない為にインターネットは……」
紗南「Pさんはあたしがネットの評判に負けると思う? そういうの見てアイドルのやる気が無くなったら困るから禁止してるんでしょ」
P「そりゃ、まぁそうだが。 ……ハッ、てことは智香は!?」
紗南「智香さんもそんなんでメげるような女の子じゃないと思うけどね」
P「んむ……。 万が一という可能性も考慮してだな……。 ……ん?」
紗南「どうかした?」
P「インターネットの心無い言葉に傷ついたんじゃないならなんなんだ?」
紗南「それを説明しようとしてたんだってば!!」
P「す、すまん……」
紗南「もうちょいPさんは[気遣い]にステータス振った方が良いね」
ちひろ「ダメですよ、Pさん? 私なんてさっきからちゃんと黙って聞いてたんですから」
P「ちひろさんは会話に入り込めなかっただけでしょ!!」
紗南「……でね? この前ネットでさ、凄い動画見つけて。 智香さんも見てみたらどうだって言ったの」
P「ほうほう」
ちひろ「凄い動画?」
紗南「うん。 甲子園? かな、凄い声おっきい応援しててさ、智香さんならもっと気になるんじゃないかーって」
ちひろ「……んん~? 関係あるようには見えないですけど……」
P「……………………」
紗南「えーと、なんだっけな。 ファイト応援団? とかいう応援団だったっけ」
ちひろ「なんという安直な……。 名前聞いても関係あるようには思えないですねぇ……」
P「……………………」
紗南「…………Pさん? フリーズした?」
ちひろ「……もしかして、何か解ったんですか?」
紗南「え、マジ?」
P「? いえ、なんにも?」
ちひろ・紗南「「えー」」
P「解んないんで、智香の行きそうな場所を今絞り込んでるんです。 兎に角行きながら考えます」
紗南「いってらっしゃーい」
P「……あ、すいませんちひろさん。 智香宛てのファンメール出してくれます?」
ちひろ「え?」
P「多分、必要かなって」
ちひろ「…………解りました!」
P「すいません」
ちひろ「大丈夫です、今度奢ってくれれば♪」
P「……恩に着ます!」
・ ・ ・ ・ ・
智香「…………アタシ、何やってるんだろ……」
智香「レッスンも無断で休んじゃうなんて……。 みんな怒ってるかな……」
智香「初めてだよ……。 休んじゃうなんて……」
智香「明日Pさんに、どんな顔して会えば良いんだろ……」
智香「今からでも、遅くないかなぁ……。 でも…………」
ザッ
P「…………こんな所に居たのか」
智香「…………え」
P「青春にはつきものだよな。 夕焼けの映える砂浜って」
智香「ぷ、Pさん…………」
P「そこら中探し回ったよ。 思い知らされた、智香の事あまり知らないって。 どこに行くか全然見当つかなかった」
智香「………………」
P「なんか、あったのか?」
智香「……ごめんなさい、レッスン休んじゃって……」
P「……そんな時もあるさ、他の事務所にレッスンどころか仕事すらサボろうとするアイドルが居るらしいしな」
智香「でも……!!」
P「でも、って。 そう思うんなら休んだ理由を聞かせてくれないか?」
智香「………………」
P「……俺にも話せないことか?」
智香「……実は、この前紗南ちゃんと話してて」
P「あぁ、そこらへんは紗南に聞いた。 ファイト……、応援団だっけ?」
智香「はい。 ……それで、検索したんです」
P「うん」
智香「沢山記事とか動画とか一杯出てきて……。 けどその中に酷いものも混じってたんです」
P「酷いもの?」
智香「「うるさい」とか、「周り観戦してる人たちは迷惑してる」……、とか」
P「…………現地の声か。 そういうのは一定数あるもんだ」
智香「……でも、ちょっと考えたんです」
P「…………?」
智香「アタシ、いっつも周り見えてないから、本当は周りもそんな風に思ってるのかなぁ、とか……」
P「そんな事無い。 周りが見えてないのだって、目の前のものに一生懸命なだけさ」
智香「でも!!」
P「…………」
智香「でも……。 もしそうだとしたら、今までアタシがやってきた事ってそんなに良い事じゃなかったのかなぁって……。
無駄、なのかなぁって思えてきちゃって……」
P「…………智香」
智香「……ア、アタシ馬鹿ですよね! みんなを応援したいって、喜んでもらいたいなんて言って…………」
P「智香」
智香「どうすれば良いのかなぁ…………」
P「…………」ザッ
智香「……Pさん? どこに…………」
P「………………」
智香「……行っちゃった。 …………そうだよね、当然だよね。 アタシなんて」
智香「…………アイドル失格だぁ。 うぅぅ……っ」
智香「アイドル辞めなきゃいけないのかなぁ……。 みんなとも会えなくなっちゃうのかなぁ……!!」
智香「アタシ、アタシ…………!!!」
P「智香」
智香「…………!? ぷ、Pさん……?」
P「これ読んでみろ。 今すぐ」
智香「…………これ、アタシ宛の手紙……?」
P「何通あると思う? 数十じゃ足りないぞ」
智香「………………」ペラ
智香「…………「いつも頑張っている智香ちゃんに元気貰ってます」」
智香「「智香ちゃんのグッズ買ったよ! そのお陰で母も智香ちゃんのファンになりました!!」」
智香「「この前娘が、若林智香さんのダンス見て真似してました。 未来のアイドル誕生かも?」……ッ」
智香「「今怪我で入院してるけど、智香ちゃんを見習ってがんばってます!☆」…………!!」
智香「とも、智香…………ッッ。 …………Pさん、読んでください……ッ」
P「…………「智香ちゃんの大ファンです。 これからも応援してます、がんばってください」」
智香「…………ッッ! うぅ…………っく」
P「…………俺さっき言ったな。 智香の事あんま知らなかったって。 けど、一つだけ確かに知ってることがある」
智香「………………っ、うううぅ……!!」
P「智香。 お前は世界で誰よりもみんなのことを応援してる」
智香「ううぅうううう……っっ!!」
P「だから無駄なんていうな。 無駄じゃないって事を、今教えてもらったろ。 他でもない、お前に元気を貰った人たちに」
智香「…………はい!! はい…………!!」
P「ちゃんと解ってる、皆。 だから智香」
智香「はい…………!」
P「午後はオフだ。 思う存分泣け」
智香「………………ッッ!!」
智香「う゛あぁああぁあああぁぁぁああぁぁ!! ああぁあ……」
・ ・ ・ ・ ・
智香「…………よしっ!」パシンッ
P「もう、大丈夫か?」
智香「はいっ! 若林智香、完全復活です☆」
P「……忘れんなよ、今日言ったこと」
智香「…………絶対忘れません。 みんなの言葉、絶対」
P「よし、じゃあ帰るか!!」
智香「…………あ、あの」
P「ん? どうした?」
智香「けど、それでも、もし忘れちゃったときは……。 またPさんが思い出させてくれますか……?」
P「…………もしかしたら、その時は俺はおじちゃんになって物忘れ激しくなってるかもしれないぞ?」
智香「えへへっ、その時はアタシもおばさんですっ!」
P「……そうだな。 じゃあ忘れないようにしないとな、俺も」
智香「はいっ☆」
P「……なんて良い話で終わらせないぞ? 今日のレッスンの穴埋めに、明々後日までレッスン時間増やすからな?」
智香「望むところですっ! 頑張っちゃいますからねんっ☆」
P「うし、その意気だ!! えい、えい」
P・智香「おーーーーっ!!!!」
P「じゃあ車までダッシュ!!」
智香「負けませんよーっ!!!」
智香(負けない。 もう自分にも、絶対に負けない)
おしまい
これにて終了です、ここまで読んでくださって有難う御座いました。
いつも元気なあの子も、見えない涙があるんじゃないか。
いつも元気なあの子も、辛いときはあるんじゃないか。
そう思い書きました。 既出ネタでしたらすいません。
元気智香、最高やな!
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