ココア「コーヒーメーカーだよ!」(35)

書き溜めてあります。
原作ネタ等ネタバレ含みます。
一部ファンタジー要素も含みます。

ラビットハウス

チノ「はぁ・・・」

リゼ「どうしたチノ?今日はいつにも増して眠そうだな」

チノ「はい・・・夏休みに入ったせいか最近カフェとしてのラビットハウスへの来店者も増えてきまして忙しく、夜は溜まった洗濯物や掃除に夕食も作らなくてはいけませんしどうしても寝るのが遅くなってしまって」

リゼ「たしかに最近若いお客さんも増えて忙しいな。私に出来ることがあればなんでも言ってくれ!」

チノ「ありがとうございますリゼさん。でも大変ではありますが辛いわけではないのでもし手が回らなくなってしまったら頼らせてください」

リゼ「くれぐれも無理はするなよ?」

チノ「はい。心配していただいてありがとうございます。」

チノ「あ、そろそろココアさんが休憩から戻ってきますね。私がため息吐いていたことはココアさんに内緒でお願いします。心配掛けたくないですから」

リゼ「了解した。ココアはチノのことになると一生懸命になりすぎるからな」

チノ「ココアさんは何事も真面目で一生懸命ですがしでかすんです。この前もシャンプーとリンスを間違えて入れたり洗剤を持ったまま滑って脱衣所が泡だらけになったり他にm」

リゼ「チ、チノも大変だな!ココアに悪気はないのは間違いないんだが・・・」

チノ「そうなんですよ・・・ココアさんに悪気はありませんがとりあえずしばらくははココアさんに一生懸命になって欲しくないので・・・」

リゼ「そうだな・・・余計な仕事増やしたら体がもたないからな・・・」

チノ「で、でもココアさんには悪気は本当にないんですよ?」

リゼ「落ち着けチノ、私だってちゃんと分かってるから平気だ」

チノ「す、すみませんリゼさん。ちょっと熱くなってしまいました」

リゼ「気にするな。チノは本当にココアが好きなんだな」

チノ「べつに嫌いではないですがそんな大好きではないです」

リゼ「フフッ。さ、仕事に戻るか!」

チノ「そうですね。やることはいっぱいです」

ココア「チノちゃんリゼちゃん戻ったよ!」ガラガラ

リゼ「戻ったかココア・・・ってその台車と荷物はなんだ?」

チノ「おかえりなさいココアさん。その荷物がなんだかわかりませんがそこだとお客さんの邪魔になってしまいますし一旦奥まで持っていってください」

ココア「そ、そうだね!すぐ移動するよ!」ガラガラ

リゼ「しかしずいぶん大きいな・・・」

チノ「もしかしてココアさんその中には年下の女の子を」フルフル

リゼ「なぁチノ、警察って119番だっけか?」

チノ「落ち着いてくださいリゼさん。警察は177です」

ココア「二人とも落ちついてね!?チノちゃんそれは天気予報の番号だよね?あとリゼちゃんケータイしまってね?」

チノ「落ち着いて・・・はっ!?通報の前に早く箱から出してあげないとです!」

ココア「冷静な判断ではあると思うけどまずはその前提を冷静に見直してね!?」

リゼ「いつかはやると思ってはいたが一友人として止められなかった私も同罪だ・・・一緒に償おう」

ココア「前からそういう風に思ってたの!?私ショックだよ!」

ココア「論より証拠だよね!箱の中身を見せたほうが早いね!」

ココア「箱の中身はなんと・・・じゃじゃーん!」

ココア「コーヒーメーカーだよ!」

リゼ「どうしたんだそんなもの!?本格的だしすごく高いんじゃないかこれ!?」

ココア「さっきね、休憩中に千夜ちゃんのとこ行って借りてた英語のノート返してきたんだけど、その帰り道でおじいさんが行き倒れてて」

リゼ「」

ココア「ノートのお礼にパンをプレゼントしたんだけどそのお礼にって千夜ちゃんから貰った千夜月(栗羊羹)をわけてあげたの」

リゼ「ふむ」

ココア「そしたらお礼にってくれたの」

リゼ「待て」

ココア「台車もね」

リゼ「そこじゃない」

ココア「?」

リゼ「不思議そうな顔をするんじゃない。行き倒れているところを助けたのは分かったがそのお礼にとコーヒーメーカーをプレゼントするっておかしくないか?」

ココア「そうだよね。冷静に考えてみれば物資が溢れてる今時行き倒れなんておかしいね」

リゼ「そこじゃない」

ココア「?」

リゼ「コーヒーメーカーをプレゼントできるような財力を持った人なら飲食店にでも入って食事できるだろ」

ココア「おお!リゼちゃん探偵みたい!」

リゼ「怪しいな」

ココア「曇ってきたし一雨来そうだね」

リゼ「コーヒーメーカーくれた人のことな」

ココア「えー。別に怪しくはなかったよ?黒い鍔が円形で広くて天辺がとんがってる帽子を目深く被って、黒いコート着てたから暑そうではあったけど」

リゼ「」

ココア「杖持ってたし、何よりやさしそうな声だったよ!」

リゼ「どう見ても怪しいがコスプレかもしれないしな・・・念のため私がチェックする。もしかしたら爆弾や盗聴器が付けられてるかもしれないからな」

ココア「爆弾はさすがに大袈裟だと思うけどたしかに用心に越したことはないね」

数分後

リゼ「ふむ。おかしいところはなにも無かったな」

ココア「良かった~。あのおじいさんに感謝だね!」

リゼ「しかしなんでコーヒーメーカーなんだ・・・」

ココア「えっとそれはね」

チノ「・・・アさ・・・なんて・・・知りません」

ココア「チノちゃん?」

チノ「ココアさんのことなんてなんてもう知りません!」バッ

ココア「チノちゃん!?待って!」

注文お願いします

ココア「あっ今行きます!」

こっちも注文いいですか?

リゼ「はい!少々お待ちを!」

ココア(チノちゃん・・・)

甘兎庵

千夜「あらあら可愛らしい格好したお客さんだと思ったらチノちゃんだったのね」

チノ「制服のまま来てしまいました・・・」

千夜「気にしなくてもいいのよ。ピークは過ぎてお客さんも減ってきた時間帯だから間違えられることもないでしょうしね」

チノ「すみません突然押しかけてしまって」

千夜「ココアちゃんのことね」

チノ「!?」

千夜「そんなに驚くことかしら・・・」

チノ「千夜さん相談に乗ってもらえませんか?」

千夜「いいわよ。でももう少しで上がりだからこれでも食べて待っててね」

チノ「黄金の鯱スペシャル・・・ご馳走にもなってすみません」

千夜「気にしなくていいのよ?親友のココアちゃんの妹のチノちゃんのためですもの」

チノ「ココアさん・・・」

千夜(しまった!?)

千夜「甘いもの食べると元気が湧くものよ。それじゃちょっと待っててね」

しばらくして

千夜「お待たせチノちゃん」

チノ「いえいえこちらこそお忙しいときに・・・パフェごちそうさまでした」

千夜「気にしなくていいのよ。それで相談ってなにかしら?」

チノ「はい・・ココアさんのことなんです」

千夜(そうよね)

青山(そうですよねぇ)

チノ「ココアさん、人助けしてそのお礼にコーヒーメーカーを貰ってきたんです」

千夜「」

チノ「なんで私が居るのにコーヒーメーカーなんて貰ってくるんですか・・・私の淹れたコーヒーじゃダメだっていうんですか?」

千夜「落ち着いてチノちゃん」

チノ「す、すみません・・・今日はよく取り乱します・・・」

千夜「そういう日もあるし私はチノちゃんの淹れてくれたコーヒーとても好きよ?」

チノ「ありがとうございます//」

千夜「さっきの話、ひとつ気になるところがあるのだけれど」

チノ「コーヒーメーカーくれた人のことならよくわかりません。怪しい格好をしていたというところまで聞いて飛び出してきましたから・・・」

千夜「そ、そう・・・よほどのお金持ちの様ね」

シャロ「ちーやー居るー?」

千夜「あらシャロちゃんどうしたの?」

シャロ「あ、チノちゃんここに居たのね」

チノ「シャロさんこんばんは」

シャロ「こんばんは」

シャロ「ココアから電話来て、チノちゃんも千夜も電話繋がらないしチノちゃんどこ行ったかわからないしお店離れるわけにはいかないから探しに行けないしって」

千夜「シャロちゃん、ココアちゃんにチノちゃんは大丈夫って連絡返しといてもらえるかしら?」

シャロ「わかったわ。ココアも心配してるしチノちゃんもあんまり遅くなっちゃだめだからね?」

チノ「シャロさんすみません」

シャロ「いいのよ。じゃ私はあいつに噛み付かれる前に帰るわね」バタン

千夜「ありがとうシャロちゃん」

千夜「それじゃ相談に戻りましょうか」

千夜「コーヒーメーカーだけれども、ココアちゃんはチノちゃんの淹れたコーヒーが嫌だから貰ってきたとは思えないの。これは断言できるわ」

チノ「では一体なぜ貰ってきたのでしょうか?」

千夜「そうね。例えばどうしてももらってくれ!って言われて断りきれずに貰ってきたとかかしら?」

チノ「ココアさんは箱を開けるときにじゃじゃーんって驚かせるように開けたので断りきれずに貰ってきたわけではない気がします」

千夜「あとは・・・」

チノ「ふわぁ・・・すみません欠伸が出てしまいました」

千夜(なるほどね)

青山(そういうことですか)

千夜「チノちゃんお疲れのようね。今日はどうする?うちに泊まっていってもいいのよ?」

チノ「いえ、大丈夫です。ちょっと気まずいですけど家に帰ります」

千夜「わかったわ。それじゃチノちゃんちょっと待ってね」

チノ「?」

千夜「親戚のお土産でね、逃げ出したくなった時に食べると素直になれるチョコレートなの」

千夜「もしココアちゃんと顔を合わせるのが辛かったらこれを食べてみて?きっと背中を押してくれるわ」

チノ「千夜さん・・・ありがとうございます」

千夜「大したアドバイス出来なかったけど、きっとココアちゃんと話せば分かり合えると思うわよ」

チノ「そんなことありません。頑張ってココアさんと話してみます。それでは」バタン

青山「チノさんならきっと大丈夫ですよ」

千夜「ふふふ。そうですね」

ラビットハウス

ココア「お店はだいぶ落ち着いたけどチノちゃんから何も連絡こないよ・・・」

リゼ「千夜のところに居るって分かってるんだからそう心配するな」

ココア「そうは言っても・・・私何かチノちゃんを怒らせることしたかなぁ」

リゼ「憶測だが」

リゼ「コーヒーメーカーをもらって来たことでチノはココア、お前は自分を必要としていないと思ってると思ったのではないか?」

ココア「私そんなつもりじゃ・・・」

リゼ「ココアがそんなこと思ってないのを私はわかってるしチノも恐らくわかってると思うんだ」

ココア「私チノちゃんの淹れてくれたコーヒー好きだよ・・・」

リゼ「私だってそうだ。チノの腕は確かだからな」

ココア「うわあああんチノちゃああああん」

リゼ「落ち着けココア。カフェのラビットハウスももうそろそろ閉店だ。チノの親父さんにバトンタッチしたら迎えに行こう」

ココア「そうだね・・・ちゃんとお仕事しないとチノちゃんにまたサボってるって怒られちゃうからね!」

リゼ「その息だ。お、3番テーブルのお客さんがお帰りだぞ」

ココア「私お会計してくるね!」

リゼ「了解だ!」

ラビットハウス前

チノ「帰って来ましたがやはり入り辛いです・・・」

チノ「そうだ、千夜さんにもらったチョコレートを食べ・・・!」

ココア「それじゃ私甘兎庵にチノちゃんを迎えに行って来ます!」

リゼ「私も行くぞ」

タカヒロ「すまないねココアくんにリゼくんまで」

ココア「元は私のせいなんです。だからちゃんと仲直りして連れて帰って来ます!」

タカヒロ「任せたよ。あと傘を持って行きなさい」

ココア「はい!行って来ま・・・チノちゃん!?」

チノ「」ダッ

ココア「待ってチノちゃん!」ダッ

リゼ「この様子じゃ私は大丈夫そうだな」

毛玉「やれやれじゃ」

リゼ(今この毛玉喋ったか!?いやチノの親父さんだよな・・・)

公園

チノ「つい咄嗟に逃げてしまいました・・・」

チノ「一度ココアさんときちんとお話したいだけなのに・・・」

チノ「チョコレート・・・私を元気付けるために千夜さんが魔法が掛かっているような効果を言っていましたが」

チノ「魔法があるなら今すぐにでも素直になってココアさんと仲直りしたいです」パクッ

チノ「ビター味ですね。普段は食べませんが大人の味ということで千夜さんはこれをチョイスしてくれたんですね」

ポツポツ

チノ「あ、雨が降って来てしまいました・・・傘は無いですし家に帰って・・・ココアさんと」

チノ「お話して・・・仲直りしたい・・・」

チノ「嫌だよ・・・要らない子だなんて思われたく無いよ・・・」ポロポロ

チノ「もっとバリスタとして上手くなるから・・・嫌いにならないで・・・」

チノ「ココア・・・お姉ちゃん・・・」

ココア「チノちゃん!」

チノ「お姉ちゃん!?」

ココア「びしょ濡れじゃない!風邪引いちゃうから一緒にラビットハウスに帰ろ!」

チノ「なんで・・・」

ココア「チノちゃん?」

チノ「なんでコーヒーメーカーなんてもらってきたの?私じゃだめなの?」

ココア「そうじゃないよ!」ガバッ

チノ「お、お姉ちゃん?急に抱きついてきたって誤魔化されないもん」

ココア「最近忙しくてチノちゃんちゃんと休めてないでしょ?」

チノ「そんなこと・・・ないもん・・・」

ココア「一緒に暮らしてればわかるよ!チノちゃん疲れてるもん!」

チノ「私が疲れてるからってコーヒーメーカーと何の関係が・・・あっ」

ココア「私の腕じゃまだまだお客さんに出せるほど上手に淹れられないから・・・コーヒーメーカーがあれば少しでもチノちゃんの負担が減ると思ったの」

ココア「そんな時にね、たまたまコーヒーメーカーをくれるって言われてね、もちろん最初は断ったよ。こんな高価なものもらえませんって」

ココア「でもその人占い師みたいでね、私が今自分のためじゃなくて他人の為になにかしてあげたいのが伝わってくるからそのお手伝いをしてお礼にしたいって」

ココア「その占い師さん曰くお手伝いに必要なのがコーヒーメーカーだっていうからお借りしたの。『不要になった時』に占い師さんが引き取りに行くからってことで」

ココア「悪いからお返しするときは私が持っていきますって言おうとしたんだけど気づいたらその人もういなくなっちゃっててね」

チノ「ごめん・・・なさい・・・」ポロポロポロ

ココア「こっちこそごめんね!いきなりコーヒーメーカーなんて持ってきたらチノちゃんを否定してるみたいで傷つくよね・・・」

ココア「あはは・・・チノちゃんのことを想ってチノちゃん傷つけてちゃお姉ちゃん失格だよね・・・」

チノ「ひっく・・・そんなこと・・・えっく・・・ない・・・」

チノ「ココアお姉ちゃんは・・・ひっく・・・わたしの・・・自慢のお姉ちゃんだもん!」ギュッ

ココア「チノちゃん・・・ありがとう」よしよし

ココア「さ、風邪引いちゃうから帰ろ?」

チノ「ぐすっ」コクコク

ヒュー

チノ「うっ」バタリ

ココア「空からあんこが!?そしてチノちゃんの頭に直撃した!?」

ココア「チノちゃんしっかりして!チノちゃ~ん」

帰り道

チノ(あれ・・・ここは・・・ココアさんの背中?)

チノ(はっきりとは覚えてないですがココアさんに本音を話して・・・たくさん泣いてしまいました)

チノ(恥ずかしい)

チノ(でも仲直り出来て良かったです。これで明日からもまた頑張れそうです)

チノ(ココアさんありがとうございます)

チノ「お姉ちゃん大好きです」(お姉ちゃん大好きです)

ココア「チノちゃん!?いきなりお姉ちゃんのこと大好き呼ばわりされても照れちゃうよ~」

チノ「かぁぁぁ//」バシバシ

ココア「いたたチノちゃんストーップ!」

END

これキャラスレの方で言ってた奴か


やっぱりココチノはこういうのが素晴らしく良いね!

おつ

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom