穂乃果「ふあぁっ……ことりちゃんの匂いと汗が染み込んだタオル、とてもいい香りだよ…んあぁっ…」クチュクチュ
ガチャ
ことり「穂乃果ちゃん!私のタオルと穂乃果ちゃんのタオル、取り違いで持ってっちゃってたから返しにー」
穂乃果「ことりちゃん……だいしゅき…」プシャ
ことり「えっ」
穂乃果「ぁ…ことり…ちゃん…」ビクビク
俺には此処までが限界…
腕に自信がある人、続きを頼む
ことり「……」
穂乃果「…あ、ああ…ことり…ちゃん…」
ことり「…穂乃果…ちゃん…?」
ことり「何…してるの…?それ、私の…だよね…?」
穂乃果「ちっ、違うの!これは、えっと、その、とにかく違うの!!」
ことり「何が違うの?」
穂乃果「やっ、だから…えっと…」
ことり「私たち…友達だと思ってたのに」
穂乃果「…!」
ことり「穂乃果ちゃんは私のこと、そんな風に見てたんだね…」
ことり「もういや、穂乃果ちゃんなんて大っ嫌い!」バタン
穂乃果「…!!」
穂乃果「ど、どうしよう…ことりちゃんに嫌われちゃったよお…」
穂乃果「せっかくμ’sがまた9人に戻ったのに、このままじゃ…」
ことり『穂乃果ちゃんなんて大っ嫌い!私、やっぱり留学する!』
穂乃果「なんてことに…!」
穂乃果「どーしよおおおお!!μ’sがまた私のせいでばらばらになるのも嫌だし、」
穂乃果「何よりことりちゃんに会えなくなるのなんて嫌だよおおおおお!!」
穂乃果「と、とにかく…私が悪いんだから、ちゃんと謝らなくっちゃ…」
穂乃果「ま、まずはメールしてみよう」ポチポチ
穂乃果「えっと…」ポチポチ
ことりちゃんだいすきことりちゃんだいすきことりちゃんだいすきことりちゃんだいすき
ことりちゃんだいすきことりちゃんだいすきことりちゃんだいすきことりちゃんだいすき
ことりちゃんだいすきことりちゃんだいすきことりちゃんだいすきことりちゃんだいすき
ことりちゃんだいすきことりちゃんだいすきことりちゃんだいすきことりちゃんだいすき
ことりちゃんだいすきことりちゃんだいすきことりちゃんだいすきことりちゃんだいすき
穂乃果「えへへ…ことりちゃあん…」
穂乃果「…って!何考えてるの、これじゃ逆効果だよ!」
穂乃果「ま、真面目にやらなくちゃ…真面目に…」ポチポチ
私、全然気付いて
なかった…
私が夢中過ぎて
ことりちゃんの気持ちとか
全然見えてなくて
だから
ことりちゃん ごめんね
穂乃果「なんだか初めて打った気がしない内容だけど…こんなもんでいいかな」
穂乃果「よし、送信!」ポチッ
穂乃果「……」
穂乃果「……」ソワソワ
穂乃果「…まだかなあ、ことりちゃんからのメールまだかなあ…」ソワソワ
穂乃果「はうぅ、ことりちゃんのこと考えだすと止まらない…」
穂乃果「…も、もう一回、もう一回だけ…」スッ
穂乃果「ことりちゃん…ことりちゃん…」クチュクチュ
穂乃果「あぁんもう、ことりちゃんらいしゅきぃ…しゃいこう…あんっ」クチュクチュ
穂乃果「ことり、ちゃあああん…!!」プシャアアアア
ガチャ
海未「穂乃果!ことりが泣いていましたよ、いったい何が……」
穂乃果「」
海未「…穂乃果…?」
穂乃果「あ、えっと…海未ちゃん…ど、どうしたの?」
海未「あ、いえ…私は、次の曲の歌詞について相談しようとして穂乃果の家に来たんです」
海未「そしたら途中でことりがものすごい速さで走ってきて、顔を見たら泣いていて…」
海未「私には目もくれず走り去っていってしまいました…ですから、穂乃果と何かあったのでは…と」
穂乃果「へ、へえー…そうなんだ…」
海未「というか、穂乃果こそ…今のはいったい…」
穂乃果「えっ?ううん、別に何も?」
海未「嘘です、ただごとではないというか、気持ちよさそうな表情でした!」
海未「…まさか、あなた…」
穂乃果「……」
海未「…話してください」
穂乃果「…へ?」
海未「そ、その…誰のことを考えて、その…あ、あんなことをしていたのか話してください!」
穂乃果「え…?う、海未ちゃん…?」
海未「き、気になるんです…は、話してください!」
穂乃果「軽蔑、しないの…?」
海未「してほしいんですか?」
穂乃果「そそそ、そんなことない!全然ない!」
海未「でしたら、早く話してください」
穂乃果「でも、どうしてそんな…」
海未「いいから!」
穂乃果「はひっ!!」
穂乃果「えっと…その…恥ずかしいけど…」
穂乃果「こ…ことりちゃんの、こと…」
海未「…ことり?」
穂乃果「う、うん…」
海未「よく見たら、そのタオルことりの…」
海未「…そうですか、うすうす感づいてはいましたが…」
穂乃果「…へ?」
海未「…穂乃果はことりのことが…す、好き…なんですか?」
穂乃果「やっ、その……」
海未「…誰にも言ったりしませんし、軽蔑したりもしませんから」
穂乃果「…うん…ことりちゃんのこと、大好きなの…」
穂乃果「友達としてじゃなくて…」
海未「そうですか…やはり…そうなんですね…」
穂乃果「……」
海未「…この際ですから、私も言いましょう」
穂乃果「えっ?」
海未「私は…私は、私は穂乃果のことが好きです!」
穂乃果「えっ…えっ?」
穂乃果「ええええええ!!?」
海未「…そんなに驚くようなことですか?」
穂乃果「お、驚くよ…だだだって、海未ちゃんまでそんな…!」
海未「気づいていなかったのですか…まあいいですが」
海未「とにかく、私も穂乃果と同じです…ただの友達以上にあなたが大好きです」
海未「…ですが…先程も言いました通り、うすうす感づいてはいたんです」
海未「穂乃果は、ことりのことが好きなんじゃないかってこと」
穂乃果「…うん」
海未「だって穂乃果は笑顔を見せるとき…いつだって楽しそうで」
海未「誰とでも分け隔てなく、勢いだけで仲良くなってしまいます」
海未「それでも…ことりと一緒にいる時だけは、その時の笑顔だけは…普段と比べて一際輝いていましたから」
穂乃果「で、でも…私!海未ちゃんと一緒にいるときだって、とっても…」
海未「やめてください!」
穂乃果「…!」
海未「いいんですよ…穂乃果が、私を親友どまりにしか思っていなくても」
海未「私は、穂乃果のわがままに振り回されて」
海未「迷惑かけられっぱなしで…でも、いつしかそんなところにも惹かれていって」
海未「…穂乃果と一緒に、私たちの知らない場所へ行くことができたなら」
海未「それだけで十分なんです」
海未「穂乃果のいちばん幸せそうな笑顔を見るのが、私にとっても幸せなんです」
穂乃果「海未ちゃん…」
海未「というわけですから、ことりと何があったのか教えていただけますか?」
穂乃果「…わかった…ありがとう、海未ちゃん」
穂乃果「…かくかくしかじかで」
海未「なるほど…ことりは女の子同士はダメみたいですね」
穂乃果「それが普通だと思うけど…」
海未「それで、どうにかして仲直りしたい、と…」
穂乃果「うん」
海未「そして、あわよくば想いを伝えたい、と…」
穂乃果「うん…ってちょっと待ってよ!そんなこと言ってないよ!?」
海未「だってことりのことが好きなんでしょう?」
穂乃果「やっ、うーん…それはそうだけど…」
海未「でしたら、きちんと想いを伝えなくては!」
海未「私だって、さっきはかなり勇気を振り絞って言ったんですからね?」
穂乃果「わっ、わかったよお…」
海未「ふふ、そう来なくては」
海未「さて…仲直りしたいというからには、ちゃんと謝るべきだと思いますが」
穂乃果「あっ、そういえばメールでごめんねって送ったんだった」
海未「おお!それで、返事は?」
穂乃果「うーんと…あっ!ことりちゃんから来てる!」
海未「よかったじゃないですか、内容は?」
穂乃果「えっとー…」ポチッ
穂乃果ちゃん最低
穂乃果「……」
海未「……」
穂乃果「…文面が悪かったのかも…」
穂乃果「追加でメール送ってみようかな…」
海未「あまり効果があるとは思えませんが…」
穂乃果「だよねー」
穂乃果「…どうしよう」
海未「こうなったら、直接会って話すしかないでしょう」
穂乃果「ええっ!?で、でも…」
海未「何を尻込みしているんですか!穂乃果らしくありませんよ」
海未「ことりだって案外、穂乃果のことを心底嫌いになっているわけじゃないかもしれないでしょう?」
海未「あの時と同じ…穂乃果にわがまま言ってもらいたいんじゃないかと」
海未「…いえ、穂乃果のわがままを聞きたいんじゃないかと」
穂乃果「そうかなあ…」
海未「穂乃果!」
穂乃果「うう…わかった!頑張ってみるよ、私!」
海未「はい、そっちのほうがあなたらしいです」
海未「…あ、でも、その前に…作詞の相談、乗ってください…」
―――――
海未「はじめてー出会ったとーきからー」
穂乃果「予感にさーわぐー心のメーロディー」
海未「とーめーらーれない、止まらーなーい、」
穂乃果「なーぜー…」
海未「…穂乃果のおかげでだいぶ出来上がってきましたが…」
海未「ここから先がなかなか思いつかないんですよね」
海未「下手をすれば冬ごろまで完成しないかもしれません…」
穂乃果「えー、そんなにかかるの?」
海未「できるだけ早く完成するようにはしたいと思いますが…」
穂乃果「そんなこと言ってる間に着いちゃったあ…ことりちゃんの家」
海未「頑張ってください、穂乃果!」
穂乃果「えっ、海未ちゃん一緒に来てくれないの!?」
海未「だって…私が行ったらお邪魔でしょう?」
穂乃果「そんなことないよおー一緒に来てよ海未ちゃあああん!!!」ガシッ
海未「ああん穂乃果に抱きしめられてしまいました…しあわせ…」
穂乃果「海未ちゃーんおーねーがーいーっ!」
海未「わ、わかりましたから…一緒に行ってあげますから」
穂乃果「本当!?嬉しい!ありがとー!海未ちゃん大好きだよおー!!」
海未「…やっ、やめてください!諦めきれなくなるじゃないですか…!」
穂乃果「行こう、海未ちゃん!」
海未「…まったく、あなたって人は…!」
ピンポーン
穂乃果「ことりちゃーん、いるー?」
海未「声色は明るいですが、手足が震えていますね」
穂乃果「だ、だってやっぱり不安なんだもーん…」
海未「しっかりしてください」
穂乃果「うう…」
ガチャッ
ことり「……」
穂乃果「あっ、ことりちゃ…」
バタン
穂乃果「……」
海未「…今まで一度も見たことのないような、心からの軽蔑の目をしていましたね…」
穂乃果「…私自信無くなってきちゃった…」
海未「私がついていますから、頑張って!」
穂乃果「うう…」
ピンポーン
穂乃果「…次にドアが開いたら、その隙をついて強行突破だ!」
海未「はい!」
穂乃果「……」
海未「……」
穂乃果「……」
海未「……」
穂乃果「…開けてくれない?」
海未「やはり本気で嫌われているのでは…」
穂乃果「うう、どーしよー…」
海未「…あまりやりたくはなかったのですが、かくなるうえは…」
穂乃果「?」
ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポーン
穂乃果「う、海未ちゃん!迷惑だよ!」
海未「ことりが強情なのがいけないんです!さあ、出てきなさい!」
穂乃果「うっ、海未ちゃん!」
ガチャッ
ことり「…海未ちゃん、うるさい…」
海未「ごめんなさい…」
ことり「もういやなの、帰ってよ…」
ことり「穂乃果ちゃんなんて大っ嫌い…顔も見たくない」
穂乃果「……」
海未「私より友達としての付き合いが長いあなたなら知っているはずです」
海未「穂乃果は、こんなことで諦めたりはしません」
穂乃果「…そうだよ」
穂乃果「私、ことりちゃんのこと大好きだもん!」ガッ
ことり「いやっ!入ってこないでよ!」
穂乃果「ことりちゃん、ごめん!私が悪かったの!」
穂乃果「あの時もそうだし今回もそう!やってることは全然違うけど、」
穂乃果「私、ことりちゃんのこと全然考えてなかった!」
穂乃果「私、もう…あの時の二の舞にしたくない!」
穂乃果「ことりちゃんと離れ離れになりたくないの!」
穂乃果「心も、体も!」ガッ
ことり「ほ、穂乃果ちゃん…!」
穂乃果「…ごめん、ことりちゃん…!」
穂乃果「もう二度とあんなことしないから」
穂乃果「軽蔑してくれてもいいから」
穂乃果「だから…もうどこにも行かないで、ことりちゃん!」
ことり「…行かないよ」
穂乃果「…え?」
ことり「私…穂乃果ちゃんがあんなことしてて嫌だったけど」
ことり「あんな態度にもなったけど…やっぱり、穂乃果ちゃんのこと」
ことり「嫌いにはなりきれなかった…あんなこと言っておいて、都合がいいかもしれないけど」
穂乃果「ことりちゃん…」
ことり「ごめんね…私、あのときから何にも変わってないや…」
ことり「あのときも…ううん、昔からずっと…穂乃果ちゃんに依存してばっかりで」
ことり「自分から何かを変えたこと、一度もない…」
海未「いいんですよ、それでも」
ことり「…え?」
穂乃果「そうだよ、満員の講堂でライブしてからまだそんなに経ってないんだから」
穂乃果「今はダメでも、そのうち…ことりちゃんのやりたいことをやって」
穂乃果「変わりたいように変わっていけばいいんだよ」
穂乃果「だから…お願い、これからもそばにいて?ことりちゃん…」
ことり「うん…えっと、それなんだけど」
穂乃果「?」
ことり「実は、私…」チラッ
海未「…?…ことり?」
ことり「えっと、その…」
穂乃果「…あれ、もしかしてことりちゃん…」
ことり「っ!!…な、なんでもない、ナンデモナイノヨナンデモ」
海未「…どうかしたんですか?」
穂乃果「ことりちゃん、海未ちゃんのことが好きなんだって!」
ことり「そっ、そんなこと言ってない!穂乃果ちゃんやめて!」
海未「えっ…!?だっ、だって…ことりは穂乃果に依存…って!」
ことり「ち、違うの!それとこれとはまた別なの!」
穂乃果「あ、今遠まわしに認めたなあ~?」
ことり「うう、違うのー!」
海未「…こ、ことり…私は…」
ことり「あ…ううん、その先は言わないでいい!」
ことり「私も、わかってるから…」
海未「…そう、ですか…」
穂乃果「…え、えーっと…」
穂乃果「私はことりちゃんが好きで」
穂乃果「ことりちゃんは海未ちゃんが好きで」
穂乃果「海未ちゃんは私が好き…」
海未「…三角関係、というんですかね?こういうのは」
ことり「これじゃあ、みんな成就しないねえ…」
穂乃果「あはは、なーんだ!だったらさ、私…今までどおりでいいと思うなあー」
穂乃果「誰のことをどういう風に好き…とか言っても、結局私たち三人、友達なのは変わりないでしょ?」
海未「…そうですね、色恋沙汰の話はいっそもうやめてしまいましょうか」
ことり「三人でずーっと一緒にいられたら、それでいいかもね」
穂乃果「うん!私たち、友情ノーチェンジ、だね!」
―――――
絵里「さあ、今日も練習始めるわよ!」
穂乃果「はい!」
海未「はい!」
ことり「はーい!」
希「…三人とも、いつになくやる気やなあ」
花陽「というより、いつになく仲良し…って感じ…」
凛「凛とかよちんみたいだにゃ~」
真姫「なんだっていいわ、それより練習よ練習」
にこ「そうね、さっさと始めましょ」
穂乃果「はい!それじゃあ、合図は…!」
「μ’s!ミュージックスタート!」
終わり
正直すまんかった
いや割りとよかった
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