男「見事な肉付きだ」(31)

男「締まったハリのある脚」

男「岩のように硬い拳」

男「某大怪獣のような胸筋・・・」

男「俺の筋肉は何て美しいんだ」

男「鍛えたぜ、鍛えまくったぜ・・・」

男「学校行かずに鍛えたぜ・・・」

男「おかげで世間からはただのバカと言われているぜ・・・グスッ」

男「慰めてくれるのは妹だけだ・・・」

妹「お兄ちゃん」

男「妹・・・」

妹「お兄ちゃん、何で泣いてるの」

男「そんな風に心配してくれるのは妹だけだ」

妹「また自分は筋肉以外とりえの無いダメ男だとか考えてたの?」

男「うん」

妹「妹ね、お兄ちゃんの上腕二頭筋の腕枕好きなんだ」

男「そうなのか?」

妹「高さが丁度いいの」

真人「」ガタッ

男「なんて事だ」

男「誇れる範囲が、全身から右腕に絞られてしまった」

男「俺は腕以外魅力のない男なんだ」

男「家の風呂に入れない、自転車に乗ったら壊れる、着られる服はパンツだけ・・・」

男「しかも小学校の最初らへんしか行って無かったからバカだ」

男「そう・・・あの日から俺の運命は変わったんだ」

男「あのダンベルを拾った日から・・・」

~数年前~

男「はあ・・・風邪ひいちまった・・・」

男「夕べは全裸で2時までゲームやってたからな・・・」

カタン

男「・・・今のは新聞をうちのポストに入れた音だな」

男「取りに行くか・・・最後から二番目のページの左上も気になるしな」

男「うっ・・・立った瞬間に目まいが・・・」

男「これは家が元々傾いてるからだけじゃないな」

ガラッ

男「頭痛てえ・・・」

男「ん?あれは何だ」

ダンベル~ン

男「ダンベルが落ちてる」

◆おとこはダンベルをひろった!◆

男「暇だから筋トレでもするか」

男「イッチニ、サーンシ!」

男「ゴーロク、シーチハーチ!」

母「うるさっ!」

男「キュージュー、ジュイチジューニ!」

母「ちゃんと寝てる?」ガラッ

男「zzz」

母「寝言か、うるさいな。てかどんな夢見てんの」

男「ニヒャクロクジュ、ニヒャクロクジュイチ!」

男「ダメだ、もう腕が上がらない」

男「しかも急激に喉がかわいた」

母「男、ちょっと熱計って」ガラッ

男(結構上がってそうだぞ)

ピー、ピー、ピー♪

男「44.6℃・・・」

母「ょんじゅぅよんッッッッ!?!?!?」

母「今ありったけのアイスノン持ってくるからそこで寝てろ!」

ょんじゅぅよんwwwwwww

~数日後~

男「どうやら熱は下がったようだ」

男「10日ぶりの学校だな」

男「行ってきま ガンッ

男「あ、あれ・・・」

男「嘘だろ」 ガンガン

男「玄関から出られない」

男「力ずくで出てやる!」 バキメキゴガッ

パリーン

母「」ガタッ

母「地震!?」

男「玄関壊れたァァァ・・・」

男「まあいいやァァァ・・・♪」

妹「今の音何ー?」

母「ああ神よ・・・私の約40年の人生はここで絶たれてしまうのでしょうか?」

妹「地震が来たのか・・・」

妹「大丈夫ー?地震あったみたいだね」

母「また寿命が5年縮んだ」

妹「このボロ家もいつ崩れるかわかんないもんね」

母「さっき玄関の方からすごい音がしたんだけど」

妹「見てくる」

妹「!」

妹「奇跡だ!」

妹「家の傾きが直ってる!」

母「ドアの立て付けもよくなった」

男「サーンジュ、サーンジュイチ、サーンジュサン!」

男「よし、今日は合計756回上げたぞ!」

男「だが授業の内容は全く頭に入っていない!」

男「まあ、過ぎたことじゃないか。気にしてはいない」

男「イーチニ、サーンシ、ゴーロク、シーチハチ!」

男「ハッハッハ、今日も快調、甲斐町会長!」

男「ハッハッハッハッハッハハハハハ!」

男「ただいま∀」

母「誰ッスか?」

男「えっ?どうしたんだい?」

母「何そのしゃべり方・・・きもいよ」

男「酷いなキミ、僕は君の愛する息子だよ」

母「はアー?」ホジホジポリポリ

男「何を疑うかッ!」

妹「お兄ちゃんお帰りー」

男「ただいm ゴキャ

男「ゴフッ」

男「何をするんだキミ!」

母「気安く人の娘に触るな!」

男「彼女は僕の妹だ!」

母「死ねよこのロリコン!」

妹「え・・・どゆこと?」オドオド

男「よく見ろ、ちょっと体はマッチョだけど、顔は男君だ」

男「着てる服も男のだし、パンツだって同じだ」

母「何脱いでんだ!」

男「ハハハすまんすまん!」

母(1,1,0)ウシロデケータイ

男「何をしているんだい?母さん?」

母「110番通報します」

男「なぜだ!僕はキミの息子じゃないか!」

母「もしもし、変質者が現れたのですが」

~数日後~

”変態マッチョ男は実の息子だった!!”

母「まさかあいつが男だったなんて・・・」

妹「妹は最初から気づいてたよ」

母「顔だけ見れば男なんだけどね・・・話し方も性格も変わってたから・・・」

妹「うん、やけに陽気だったよね」

母「ちょっとああいう男は・・・無理」

母「ゴリマッチョだしハキハキしすぎだし馴れ馴れしいし」

妹「言い方ひどいね」

母「とにかくあいつだけは性的対象外」

妹(そこまで言わなくても・・・男可哀想だよ)

男「イーチニ、サーンシ!」

母「うるさいうざい死ね!」

妹「」ビクビク

男「=”-□<ιち,、-ち・・・」

妹「お兄ちゃん・・・」ガラッ

男「妹・・・実は俺、男なんだ・・・」

妹「うん」

男「信じてくれるか?」

妹「うん」

男「母は何か言ってたか?」

妹「うん、言ってた。いろいろひどいこと」

男「そうか・・・板挟みにしてしまって申し訳ない」

妹「でも、妹はお兄ちゃんのこと大好きだよ」

男「本当か?」

妹「うんっ!大好きぃ」ギュ

男「妹、もう夜遅いから寝ろよ」

妹「お兄ちゃんと寝る」ギュー

男「マジかよ」

妹「おやすみーzzz」

母「・・・見ましたよ・・・フフ」

母「町中のガソリンを買い占めた」

母「これで家を炭にしてしまおう」

母「キモいゴリ男と、添い寝する淫乱女・・・どちらも私の人生には必要ない」

チャポチャポポ

母「シネ」

ゴゥッ

妹「うーん・・・あっつい・・・」

男「暑い?あれ、何か焦げ臭い・・・」

妹「お兄ちゃん、火が出てるよ!」

男「クソ、妹!逃げるぞ!」

妹「あっ、階段が外れてる!」

男「何だと・・・!」

妹「早く、窓から逃げよう」

男「待て、ここは3階だぞ!落ちたら死ぬ!」

妹「どうしよう・・・」

男「よし、俺がクッションになろう」

ヒィユゥゥゥゥ・・・

バキ!!

男「痛っ!」

妹「お兄ちゃん!?」

男「片足が折れちまった・・・」

母「・・・トドメだ。こっち向け」

男「お前のせいだったのか・・・」

母「殺す。八つ裂きにする」カチャ

ヴイイイイ・・・

妹「チェーンソーだ!」

男「ああ!妹!」

ギュィイイイイイイイ

妹「助けてー!」

男「待ってろ、妹!今行くぞ!」ピョンピョン

母「チ!」ポイ

妹「わっ!」ドサ

男「うおおおおおおおおおお!」

母「シネやああああああああ!」

ギュイン

男「しまったあああああもう一本の脚がああああああ!」

母「食らええええええええ!」ギュギュギューゥィーーン

ザク・・・

母「ぐはっ・・・!」

母「手がすべってしまったァァァ・・・」





男「という過去があったのだ」

妹「そんなこともあったねー」

男「いたのか」

妹「その時のお兄ちゃんの姿は情けなかったけど・・・」

妹「でも結果二人とも生きてるから結果オーライだよね」

妹「じゃあ妹学校行ってくるねー」

男「なんて事だ」

男「妹にまで呆れられてしまった」

男「ああ、どうせ俺はダメな奴だ・・・」


                                   END

えっ。

え?

真人「はっ?」

えっ…

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