にこ「私の居場所」 (59)


※多少の性的表現があるかもなので注意


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ーーー



『にこ...パパと約束してくれないか.....?』


『エグッ...グスッ...なに...パパ...?』


『どんなときも....きっと...明るい笑顔でいてくれる、と...』


『うん...わかった...にこ、なかなかいよ...だから...!』


『....パパ...?どうしたの、おきてよ...ねぇ、ほらにこないてないでしょ...?...なんで...』



ーーー
ーー

真面目そうなタイトルなのに……
また多少か

真面目そうなタイトルなのに……
また多少か


にこ「っ!?」バサッ


にこ「...はぁ...朝からこんな夢見るなんて...疲れてるのかしら?」


まったくよりにもよって私の誕生日の日に...いや、誕生日の日だからこそ見たのかも知れない。だって...今日はパパの命日でもあるのだから...




こころ「お姉さま!?どうかされましたか!?」ガチャ


にこ「こころ...ごめん、何でもないわ。怖い夢を見てびっくりしただけだから...」



こころのほっとした顔を見て安心する。私はまだ笑顔のままでいられているみたいだ。



こころ「いよいよ今日はお姉さまの誕生日ですね!今夜はお祝いしましょう」


にこ「ふふっ、ありがと」ナデナデ


こころ「あっ、そういえば、ママは...今日も遅いみたいですね...お仕事が忙しいみたいです...」


にこ「...仕方ないわよ、大丈夫!気にしてないわ。毎年こんな感じでしょ?」



そう、毎年こんな感じだ。ママは仕事が忙しいから私の誕生日をお祝いしてくれたことがほとんどない。でも、それは私たちの為だから仕方がないことだ。そう思っていつも通り偽りの仮面をかぶる。


こころ「...ねぇ、お姉さま?」


にこ「ん?どうかしたの、こころ?」


こころ「なぜウチにはパパがいないんですか?」


...ああ、困った...今も上手に笑えているのだろうか?何故よりにもよってこんな日にそれを聞くんだ...なんて思ってしまう。


にこ「なんで急にそんなこと...」


こころ「...他の人の家には必ずいるのに、もしいたら...きっとママだって家に居られるのに...」


にこ「...そういうものよ、それより早く小学校行きなさい」


こころ「は、はい...行ってきます、お姉さま」



つい、言葉が荒くなってしまった....こころは悪くないのに、そう誰も悪くない...ならこの感情はいったいどうすればいいのだろう?

憂鬱な気持ちを抱えながら、しかし今日も練習があるので学校にしぶしぶ行くことにした。



にこ「....誰かいるー?」ガチャ



あれ?誰も居ない...いつもなら放課後は大抵の場合穂乃果や凛が真っ先に部室に来ているのに。なんとなく気の抜けた私はとりあえずいつもの席に座った。



にこ「...ひまねー」



ここに1人でいると嫌なことばかり思い出してしまう...早く誰か来ないかな、なんて思っているとふと、机の上に何かがあるのに気付いた。


にこ「これ...石?」



そう、きれいな石だった。見ていると思わす吸い込まれてしまうと錯覚してしまうほどに。そんな石の横には紙が置いてあった。説明書らしい。



にこ「えーとなになに...『持ち主の心の祈りを叶えます』...はぁ、また希のオカルトアイテムね」


なんて言いながらも私はすっかりその石に気を奪われてしまっていた。こんなあからさまに置かれるとつい使ってしまいたくなるのは仕方ないと思う。いや、普段の私なら見向きもしないはずだ。しかし、今日はダメ。今日だけは祈らずにはいられない。



にこ「...叶えられるもんなら叶えてみなさいよ」




...あれ?寝不足だろうか?突然眠くなってきた...みんなが来るまで少し仮眠を取らせてもらおう...


ーーー
ーー




こころ「ーお姉さま!早く起きて下さい!」


にこ「...あっ、こころ...うーーん、よく寝たわー」


こころ「はぁ、まったく...やっと起きてくれました。主役が居ないとお祝いが始められないですが」



にこ「はぁ、お祝いね....?」


だんだん寝ぼけた頭が覚醒してきた...そういえばここはどこだろう?私は部室にいたはずなのに...そして何故こころがここに居るんだろう...



にこ「ねぇ、こころ?ここって何処なの?」


こころ「お姉さま...まだ寝ぼけてらっしゃるんですか?ここは我が家ですよ」


にこ「...えっ、ええっ!?」

無論そんなはずがない、まずここは一軒家だし、それに家が綺麗すぎる...こころが騙しているのか?なんて思ったが、こんなあからさまな嘘をこころがつくはずない...とりあえずこころにもう一度聞いてみることにした。




にこ「こころ?本当にここってウチなの....?」


こころ「...頭でも打ったんですか?もういいから来て下さい!パーティーを始めますよ」グイッ


にこ「ちょ、こころ!?どこ行くの!?」


こころ「いいから、来て下さい!」

こころに引っ張られるままついて行くとダイニングルームらしき場所にはここあに虎太郎、それにママまで居た。



にこ母「やっと起きたの?ほら早く座りなさい」


にこ「な、なんでママがここに居るの?」


にこ母「なんでって...どういう意味?」


にこ「いや、だって仕事はどうしたのよ...」


ママ「仕事?にこ...寝ぼけてるの?」


こころ「お姉さま、また変なこと言って...いいから座って下さい!始めますよ」


ここあ「姉ちゃん遅いよー、料理冷めちゃうじゃん!」


虎太郎「...はやくー...」




私の頭の混乱もピークに達した時、玄関でチャイムが鳴った。




ここあ「あ、ひょっとして...帰って来たんじゃない!?」


こころ「遅くなるって言ってたのに...早めに切り上げて来たんですね!」


にこ「えっ....だ、誰が帰って来たっていうのよ、全員居るじゃないの!」



そう言いながらも私は何となく気付き始めていた...しかしそれは....まさか本当に叶ったとでも言うのだろうか?



にこ「ッ!」ダッ



逸る気持ちを必死に抑えながら、私はゆっくりドアの鍵を開けた...震える手を懸命に動かして。




にこ「....あ....うそ....」


にこ父「....ただいま、にこ」




....そこには紛れも無く、確かに亡くなったはずのパパがいた。

続きは明日書きます

乙ー
切ない予感するが注意書きが気になってしまう

ま、多少はね?

この展開で多少があるかもしれないのかよwwww

おつ
あるかもだから

こんな良い話なのにあるかもなのか
逆にすごいな

にこ母とにこ父がいるじゃないか
5人目ってことだよ

お前の多少は0か100のどっちかしかないから絶対信用しない

嫌な予感しかしない

IDバラバラだな

投下します


これは果たして現実なのだろうか?けど目の前には確かにパパがいて...私の目頭が熱くなってくる。



にこ父「にこももう18かぁ...まだ小学校に通ってるもんだと思ってたのにな...」


にこ母「それはにこが小さいからそう見えてるだけよ、けど確かに小学生でも通るわね」


にこ「ちょっと、ママもパパもバカにし過ぎじゃない!?私そんなに小さくないわよ!」


ここあ「でも姉ちゃんと私の友達の身長は同じくらいだよ」


こころ「それにそろそろ私の身長もお姉さまと同じになりそうですしね」


にこ「あんた達まで...今日の主役は私なのよ!?私で遊ばないでよ!」



にこ父「ははははっ!」


にこ母「ふふふ、」


こころ「くすくす...」


にこ「もう...ふふっ、」



ああ、懐かしい...こうしてまたパパと会えるなんて、そしてこういう風にまた家族皆で笑いあえるなんて...もう絶対ないと思ってた。

今の私の祈りはたった一つ...


にこ「この瞬間が永遠に続けばいいのに....」ボソッ



ーーー

翌日、私はいつも通り午前5:30に起床した。朝ごはんと私のお弁当を作るには早起きしないといけないからだ。しかし今日の朝はいつもと違っていた。


にこ「あれ...何かいい匂いがする...?」



味噌汁だろうか?いったい誰が....?そこまで考えて思い出す。そうだこの世界にはパパが居るんだ、ならこの味噌汁を作っているのは....



にこ「...ママ、おはよう」


にこ母「あら、おはよう。にこがこんなに早く起きて来るなんて珍しいわね」


にこ「ふふっ、そう?たまには私だって早起きするわよ」



朝にママが朝ごはんを作ってくれている...ただこれだけの事がこれほど嬉しいものだとは思わなかった。私が望んだ日常がここにはある。そう私が諦めていたはずのモノが、今ここに。....だから、その時まで私はある大切なことをすっかり忘れてしまっていた。

や~ん(´;ω;`)


にこ父「あれ、にこがこんな早く起きてるなんて...今日は雨でも降るのかな?」


にこ「もうパパ!それはバカにし過ぎじゃない?...あっ、そうだ今日は部活の朝練もあるから早めに家を出ないといけないのよ」


にこ父「あー、知ってるよ。スクールアイドルやってるんだろ?確か...A-RISEだったか?」


にこ「へ?それはUTXのスクールアイドルだよ....」


にこ父「?...なら合ってるじゃないか」


それを聞いて、私はある事実に気付いてしまった。私がUTXに行かずに音ノ木坂に入ったのはお金が無かったから...だけど、このきれいな家からも分かるとおり我が家はそこそこ裕福みたい、たぶんパパがいるからだろう。つまり、この世界では私は音ノ木坂ではなくUTXに入ることが出来てしまったのだ。



にこ「ね、ねえママ?音ノ木坂って高校知ってる?」


にこ母「ええ、知ってるわよ?確か今年で廃校になるらしいけどね.
...それがどうかしたの?にこはあの高校あんまり好きじゃないんでしょ?」


にこ「い、いや...何でもないの...」



考えてみれば当たり前のことだった...パパが居るということが私にそしてこの世界に影響がないはずがない。このまま音ノ木坂は廃校になってしまうのだろうか?いや、私がいなくても穂乃果達がきっとなんとかしてくれる...そんな無責任なことを思ってしまうのは、やはり長年夢見てついに手に入れたこの家族というぬくもりを手放したくないのだろう。


こんな未練がましい自分に心底嫌気がさしたが、それでも私は流されるように学校に向かった。


私のUTXでの扱いはまるで本物のアイドルにでもなったのかと思ってしまう錯覚する程のモノだった。廊下を歩くたび握手をお願いされ、サインまで要求されることもあった。


ただ、それでも私の気分は晴れることなく、μ’sのメンバーだけが気になっていた。いったい皆はどうしているのだろうか...そんな勝手なことを考えてしまう。これは全部私の責任なのに...


そして放課後、私は音ノ木坂に来ていた。もちろん、皆の様子を確認するためだ...今のμ’sはどうなっているんだろう?とりあえず誰かに聞いてみるのが早いと考え、近くの子に声をかけてみた。



にこ「あのー、すみません。ちょっといいですか?」


花陽「ふぇっ!?...な、何でしょうか...あ!あ、あなたは...ひょっとしてA-RISEの矢澤にこさん!?」


にこ「そういうアンタは...花陽!?」



花陽「えっ、な、何で私の名前を....」



まさか適当に声をかけた人がメンバーとは...これはラッキーかもしれない。


にこ「...ねぇ?この学校のスクールアイドルにμ’sって有るわよね?」


花陽「スクールアイドル...?そんなのウチにあったかなぁ....そ、それよりサインして下さい!この色紙に!」


にこ「わ、分かったから!なら高坂穂乃果って子は知らない?その子がやってると思うんだけど...」


花陽「...うーん、ごめんなさい。私は知らないですね」



にこ「....分かったわ、ありがとう....じゃあね」


私が居ない、それだけなのにμ’sが存在しなくなってしまった...おそらくは私がいない影響で希が動き出さなかったのではないか?それなら絵里もきっとスクールアイドルにはならない。
...いや、その前にまず私と穂乃果との最初の出会い...あれが穂乃果をアイドルの世界に導いたのかもしれない...それがなかったということはそもそもこの世界で穂乃果はスクールアイドルを目指していないのかも。


もちろんこれは全部私の勝手な推測でしかないが、一つだけ確かなことがある。それはμ’sがあの9人全員揃わないと成立しないということだ。きっとこのままだと音ノ木坂は廃校になるだろう。


私はもう、どうしたらいいのかまったく分からなくなってしまっていた...


家に帰るとすでにパパが帰って来ていた。しかし、今はパパの姿を見ても喜べない。むしろ罪の意識にさいなまれるくらいだ



にこ父「にこ...?どうした顔色が悪いぞ?」


にこ「...大丈夫よ、何でもないわ...」


にこ父「...ふぅ、よし!にこ、少し外に散歩に行かないか?」


にこ「えっ?」


にこ父「悩んでる時は動いてた方が気分も紛れていいだろ?」


にこ「...確かにそうかも、なら行くわ」


ーー
ーーー




こうして、パパと歩くのもずいぶんと久しぶりだ....私がまだ小さかったころ、保育園に迎えにきてくれたパパに肩車されて一緒に帰ったのをふと、思い出してしまった。




にこ父「...にこはすっかりパパに似ちゃったなあ、お母さんみたいに背が高ければアイドルとしてもよかったんだけどな」


にこ「....そうだね、でもパパに似て良かったこともあるんだよ」


にこ父「....」


にこ「パパからもらった笑顔が皆も笑顔に出来るから、私は今まで頑張ってこれたんだもん」


にこ父「そうか...なら良かったよ...にこは笑顔でアイドルになるんだもんな」


にこ「うん!この笑顔を日本中、いや世界中...ううん、宇宙いっぱいに振りまいて、私は宇宙No.1のアイドルになるのよ!」



にこ父「...ならこんな所で立ち止まって、過去を振り返ってる暇はないんじゃないか?」


にこ「...!」


にこ父「にこのアイドルになる夢はもうにこだけのモノじゃないはずだろ?今のにこには一緒に競い、励まし合う仲間がいるんじゃないのか?」



にこ「な、なんでそれを...」


にこ父「いつでもにこのそばにいてくれる仲間達。それはにこにとってやっと手に入れた大切なものだから、もう失くしたくないから、だからこそそれに頼るわけにはいかなくて...そしてつらくなって、パパの所に逃げてきてしまったんだろ?」



にこ「....だって仕方ないじゃない!?前にアイドルをやろうとした時には...結局最後には皆居なくなっちゃったのよ!?もう誰も信じたくても信じ切れないのよ!」


にこ父「...でも、今の...μ’sは違うんじゃないのか?」


にこ「...でも...」




にこ父「なら...にこと仲間達との絆はその程度のものなのかい?」


にこ「そ、そんなことないよ!!私たちμ’sは一心同体!9人揃ってこそのμ’sなの!私達の絆は絶対よ!」



にこ父「そうか....なら、もうパパに頼らなくても大丈夫だな?」


にこ「うん.....仲間達をμ’sの皆を頼る、そして信じる。それでいいのよね、パパ?」


にこ父「ああ....、大丈夫、心配しなくてもにこが笑顔でいる限りパパもきっとにこの側に居られるから。...さあ、にこの本当の心の祈りを叶えなさい」

にこ「ねえパパ...?最後に、私達のテーマソング...一緒に歌おう?」


にこ父「そうだね、歌おう」





『にこにーにこにーにっこにっこにー!』


『にこにーにこにーにっこにっこにー!!』


『明るい笑顔のにっこにっこにー♪』


『おひさま笑顔のにっこにっこにー!』


ーーー
ーー




穂乃果「にこちゃーーん!起きてーーー!!」


にこ「....もう何よ、耳元で騒がないで」ムクリ


凛「あー!やっと起きたよ、にこちゃん!」


海未「驚きました、まさか部室で寝ているなんて....早くしないとお祝いの開始が遅れてしまいますよ?」


にこ「....お祝い?」


真姫「...ひょっとして自分の誕生日すら忘れちゃうほどにこちゃんってバカなの?」


にこ「うるさいわよ...そっか今日誕生日だっけ」


穂乃果「早く行こうよ、にこちゃん!料理冷めちゃうよー」


にこ「行くって...どこに?」


海未「にこの家ですよ、実はにこの妹さん達と計画していたんです」



凛「ああもう説明はいいから早く行くにゃー!」


にこ「り、凛!?引っ張らないでよーー!!」


ー『矢澤家』




こころ「あっ、やっと帰ってきました!」


絵里「にこったらどこ行ってたの?遅いじゃない」


にこ「いやまあ、ちょっといろいろあってね...」


絵里「いろいろ?」


希「そんなことより今日は肉たくさん有るんよ、にこっち!肉好きやろ?」


花陽「もちろん、お米もあるよ!」


ことり「ふふっ、お祝いのケーキはチーズケーキだけど良いよね?」






にこ「...ははは...」


真姫「?どうかした?」


にこ「やっぱりここが、μ’sが私の居場所なのね...」


真姫「はぁ?当たり前じゃない、今更そんなこと気付いたの?にこちゃんはとっくに私達の仲間よ」


にこ「そうね....もう寂しくなんかないのよね」



そう、もう1人じゃない...パパには心配かけちゃったみたいだけど、もう大丈夫!みんなとならきっと....



にこ「そうだ!ねぇ、皆で写真撮らない?記念にさ」


穂乃果「あっ、それいいね!」


真姫「そう言うと思ってカメラマン雇っておいたわ」


絵里「ハラショー...」


海未「いつの間に...」


にこ「ありがと、よーしみんなーー!撮ってもらうわよー、せーの...」






『にっこにっこにーーー!!』




おわり

なんか勢いだけで書いたらめちゃくちゃになっちゃいました、所々おかしいかもしれないけど許してね。要はにこちゃん誕生日おめでとうって言いたかっただけです。


にこちゃんおめでとう

多少もないじゃないか(安堵)


素晴らしい読了感でした

おつ!
にこちゃん誕生日おめでとう!!


良い話だった
にこにー誕生日おめでとう!

乙!
そしてハッピーバースデー!

良かったにこ

イイハナシダッタナー

おつ
今回も多少だった

乙乙
にこちゃんおめでとう

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年07月22日 (火) 22:31:52   ID: uDujAnkS

性的…

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