希「穂むらで働くことになった」 (76)

ラブライブSSです。
時系列は2期の8話から10話の間をイメージしております。
初めてなので、どうぞよろしくおねがいいたします。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1405655259

年末も近い頃

~土曜日。部室~

希(…まずい)

希(今月の仕送りが底を尽きそう…)

希(年明けまであと一週間と少し。電気代ガス代諸々を合わせると…これだけじゃ絶対に足りない…)

希(しかももうすぐ冬休み! ますますかさむ!!)

希(お菓子とか、色々買いすぎちゃったかなぁ…)

希(巫女さんのバイトだけだと…足りないよね? バイト増やすかなぁ…)ハア

ガチャ

穂乃果「おはようございまーす」

希「穂乃果ちゃん。おはよう、今日は早いんやね」

穂乃果「えへへ…実は、希ちゃんにお願いしたいことがあって」

希「ウチにお願い?」

穂乃果「うん。希ちゃん、一人暮らしでしょ?」

希「そうよ? お父さんもお母さんも、違うところに住んでるの」

穂乃果「それでさ、希ちゃん…失礼だけど、今月、お金に困ったりしてない?」

希「えっ!?」

希(えっ、なんで穂乃果ちゃんが知って…)

穂乃果「うちって和菓子屋やってるでしょ? それで、毎年年末は大忙しなんだけど…今年は注文がいつもよりすっごく多くて、アルバイトをお願いしたいなって」

希(ああ…なるほどね)

希「それで、なんでウチなん?」

穂乃果「朝がとっても早くて、だから住み込みで働いてほしいの」

希「なるほどなぁ。それで一人暮らしのウチやと、何かと自由が効くからってことやね?」

穂乃果「ご飯もお風呂も寝床もついてて、バイト代も弾むよ! …どう?」

希(これは…願っても無いチャンス?)

希(穂乃果ちゃんのおうちなら、前に行ったときにご両親に会ったこともあるし、お願いしやすいかもしれへん)

希(あんまりこういうの考えたくないけど…食費も浮くし)

希(なにより、ウチを頼ってくれる大切な後輩を見捨てられへんよ!)

希「それなら…是非とも引き受けさせてもらえる?」

穂乃果「よかった! ありがとう希ちゃん!」ダキッ

希「わわっ! …ふふっ」ナデナデ

穂乃果「さっそく今日の練習終わったら、荷物作ってうちに来てね!」

希「えっ、今日!?」

ほののぞ期待!

~穂むら~

希「よ、よろしくお願いします」ペコリ

ほのママ「ごめんなさいね、希ちゃん。こんなことお願いしちゃって…」

希「いえ、こちらこそすみません…」

ほのママ「希ちゃんの部屋は、客間に用意してるからね」

希「ありがとうございます」

穂乃果「えー! 私の部屋じゃダメなの?」

雪穂「お姉ちゃん…」

ほのママ「あんた…あの部屋じゃ狭いでしょ。それに希ちゃんにもプライベートな空間が必要じゃない」

穂乃果「ああ…そっかぁ…」シュン

希「まあまあ穂乃果ちゃん。すぐ会えるんやし、そんな落ち込まんといて?」ニコッ

穂乃果「うん!」

雪穂「お姉ちゃん…精神年齢がゲージ振り切ってるよ…」

穂乃果「なにおぅ!?」

~のぞ部屋~

希「よいしょっ…と」ドサッ

希「さすがに結構な荷物やなぁ」

希「まあ何かあれば、取りに帰ればいいよね」

コンコン

希「ん、はーい」

穂乃果「希ちゃん」

希「およ、どしたん?」

穂乃果「私の部屋、階段登って奥の部屋だから」

希「え? うん」

穂乃果「それじゃっ」パタン

希「…来いってことなんかな?」

~ほの部屋~

コンコン

希「おじゃましまーす」

穂乃果「希ちゃん!」

希「ふふふ、来たよー」

穂乃果「待ってたよ~! ほらここ、隣に座って!」

希「うんっ」ストッ

穂乃果「えへへ、希ちゃーん」ギュッ

希「どうしたん? 随分と甘えん坊さんやね」

穂乃果「希ちゃんと二人になることなんてなかったから~」スリスリ

希「もう…穂乃果ちゃんったら」ナデナデ

穂乃果「あ、そうだ! ねえ希ちゃん! お腹減ってない? おかし食べようよ」

希「あ、うん。ええの?」

希(お店の和菓子かな? 実は食べてみたかったんよね…ふふふ)

穂乃果「すぐ持ってくるから! おかーさーん! お茶とお菓子ちょーだーい」バタバタ

希「忙しないなぁ…ふふふっ」

希(でも意外と楽しんでる自分がいるわけやし、おっきな妹が出来たみたいな感じかな?)

雪穂「あの…」コソッ

希「雪穂ちゃん?」

雪穂「えと…これからしばらく、お姉ちゃんがご迷惑をおかけすると思うんですが、どうか大目に見てあげてください」ペコリ

希「ふふふっ。…お姉ちゃんのこと、好きなんやね?」

雪穂「ぅぁ…あ、あんなのでも…姉ですから」

希「うん。任されたよ、雪穂ちゃん」ニコッ

雪穂「ありがとうございます!」

ドタドタ

穂乃果「あれ、雪穂。なにしてるの?」

雪穂「お姉ちゃんが迷惑かけてないか見に来たんだよ」

穂乃果「むう…誰もそんなことしないよぅ」ムスー

雪穂「あはは、それじゃね。また晩御飯のとき呼びに来るから」

穂乃果「はーい」

穂乃果「さて希ちゃん。持ってきたよ、ポテトチップス!」

希(お店のお菓子やと思ったのに…まあいいか。ウチもポテトチップス大好きやしっ)

希「…もうすぐご飯の時間やし、少しだけにしようね」

穂乃果「はーい」モシャモシャ

希「そんな勢いよく食べんと…ほら、カケラがほっぺたに飛んでるよ」フキフキ

穂乃果「んゅ…」

希(おっきな妹みたいやね…ほんま。いや、むしろ子供か…)

オネーチャーン、ノゾミサーン
ゴハンデキマシタヨー

穂乃果「あれ、もうこんな時間だ」

希「お話ししてたらすぐに時間経っちゃったみたいやね」

穂乃果「ご飯食べたらお店、案内するね! 色々とやること教えてあげるから」

希「うんっ」

~リビング~

希「改めてよろしくお願いいたします」ペコリ

ほのママ「こちらこそよろしく、希ちゃん」

雪穂「よろしくお願いしますー」ペコリ

ほのパパ「…」ウム

穂乃果「希ちゃん、私の隣でいい?」ガタッ

希「うん、ありがとうね」

希(ひとりじゃない、ご飯…)

穂乃果「よしっ、みんな揃ったね! それじゃあ…ん、希ちゃん?」

希「…あ、うん?」

穂乃果「どうしたの?」

ほのママ「何か苦手なものとかあった?」

希「あ、いえ…すいません、なんでもないんです。ごめんなさい」ペコリ

穂乃果「ん、じゃあ気を取り直して、せーのっ! いただきまーす!」

みんな『いただきます!』

希「…ふふっ」

穂乃果「?」

希(いただきます…か。うん)

希「いただきます」パクッ

希「おいしい…おいしいです!」

ほのママ「そう? よかったわぁ」

穂乃果「希ちゃん、こっちも食べて食べて!」

希「あはは、ありがと」モグモグ

~日曜日。早朝~

ほのママ「希ちゃん、小豆茹で上がったらこっち!」

希「は、はい!」パタパタ

穂乃果「うわっ! おもち熱っ! あっつ!!」アチチ

雪穂「なにやってんのお姉ちゃん!! 手袋してよ!」

ほのママ「もうこの子は…」

希「お父さん、小豆仕上がりました!」

ほのパパ「…」コクン

穂乃果「うわ、取り餅粉つけるの忘れた!」

雪穂「何年この手伝いやってんの…」

希「ウチが変わろうかー?」

穂乃果「おねがいしますぅ…」メソメソ

~月曜日~

のぞほの『いってきまーす』

ほのママ「いってらっしゃーい」

穂乃果「ふんふんふふ~ん」

希「ご機嫌やね、穂乃果ちゃん。さっきまで疲れたーって言ってたのに」

穂乃果「だって、希ちゃんと一緒に登校だよ? これから毎日一緒なんだもん、楽しくもなるし疲れだって吹き飛んじゃうよ!!」

希「そ、そう…? なんや…恥ずかしいね…///」

穂乃果「そう?」

~三年教室~

先生「プリント配るよー」

希「すぅ…すぅ…」

絵里(…希?)

~お昼休み~

希「んん…んっ…」ノビ

絵里「よく寝てたわねぇ…どうしたの? 珍しい」

希「昨日からちょっと早起きが続いてて…めっちゃ眠たいんよ…」ゴソゴソ

絵里「昨日から? 練習はなかったわよね…何かあった?」

希「うん…ちょっとね」コトッ

絵里「あら? 希、そんなお弁当箱持って…」

希「え? あっ! これ穂乃果ちゃんのやん」

絵里「穂乃果? なんで穂乃果が…」

ガラッ

穂乃果「のぞみちゃーん!」

希「ごめんな穂乃果ちゃん…お弁当間違えちゃったみたい」

穂乃果「ううん、最初に持ってったの私だから気にしないで! ほら、こっちが希ちゃんのお弁当だよ」

希「ありがとー。せっかくやし、ここで一緒に食べへん?」

穂乃果「いいの?」

希「うん! ええやんね、えりち?」

絵里「もちろん構わないけど…どういう状況?」

カクカクシカジカ

絵里「穂乃果のお店でバイト…しかも住み込みでねぇ…」

穂乃果「すごいんだよ希ちゃん。私よりも手際良くて、お母さんも大助かりだって言ってたもん」

希「そんなん…ウチは言われたことをやっただけやで?」

穂乃果「…私は言われたことすら出来てないって怒られたんだけどね」モグモグ

絵里「大変ね」

絵里「…あれ、そういえば穂乃果、いつもパンじゃなかった?」

穂乃果「ん…あのね、ちょっとしばらくパンはお預けにしようと思って」

絵里「どうして?」

穂乃果「ストイックに頑張ってみようと思って」

絵里「そう…リーダーって顔になってきたわね、穂乃果」ニコッ

穂乃果「ふぁ?」モシャモシャ

絵里「ふふっ」

希「頼もしいよ、お店の手伝い以外では」

穂乃果「ちょっとのぞみちゃーん…」ガックリ

希「ふふっ、バイトのウチに負けてるようじゃあかんよー?」ナデナデ

穂乃果「頑張ります…」

~練習。休憩時間~

希「すぅ…すぅ…」

穂乃果「くかー…」

真姫「…珍しいコンビね」

花陽「二人で肩を寄せて寝ちゃってるね」

凛「仲良しにゃ~」

海未「二人とも、穂むらのお手伝いで朝から疲れているみたいなんです」

真姫「希も手伝ってるの?」

海未「穂乃果が、アルバイトをお願いしたんだと言っていました」

真姫「ふうん…まあ…あんまり無理はしないでほしいわね。私には関係ないけど」カミノケクルクル

海未「ふふっ、そうですね」

海未「…ただ、練習の休憩時間はまだしも、授業中の居眠りだけは見過ごせないですがね」

ことり「あ、あははは…」

・・・。

穂乃果「さ、希ちゃん帰るよ!」

希「ちょっと待って~」

海未「私たちもご一緒してよろしいですか?」

ことり「いいかなっ?」

穂乃果「もちろんだよっ! ほらーのぞみちゃーん!」

希「ま、待ってよ~」

希「よし、ごめんお待たせー」

穂乃果「さ、帰ろう!」

希「うん!」

・・・。

穂乃果「えへへ~」ニッコニッコ

ことり「穂乃果ちゃん、どうしたの?」

穂乃果「今日は希ちゃんもいるんだよ~? 楽しいよね!」

ことり「そうだねっ」

希「穂乃果ちゃん、朝からずっとこんななんよ…? ウチがいて、そんな変わるかなぁ」

穂乃果「もちろんだよ!」

希「あ、あははは…///」

希(あんまり面と向かって言われると照れるわ…)

海未「希が照れるなんて珍しいですね?」

希「えっ…そ、そう?」

ことり「うんっ! 普段、希ちゃんってお姉さんみたいな雰囲気だから、ちょっと新鮮かも!」

穂乃果「だよねだよねっ!」

希「ウチはいつでもこんな感じやけどなぁ」

ことり「となるとお姉さん…じゃなくて、お母さん? かも」

希「ふーむ…それならウチのスピリチュアルな手料理を振る舞ってあげようやん?」

穂乃果「あー、ことりちゃんいいなー! 私も食べたいよー!」

海未「あ、わ…私も…少し興味があります」

希「みんなおいで~」

希(なんや、怖いくらいにモテモテやね…)

海未「あ。それでは穂乃果、希。私たちはこっちなので」

ことり「もうすぐ冬休みだし、明日も頑張ろうね!」

穂乃果「うん! それじゃ、またねー」

希「またね~」

穂乃果「…さ、希ちゃん。私たちもお手伝い頑張ろうね!」

希「穂乃果ちゃんこそね。…ウチはまた小豆と格闘しなきゃやなぁ」

穂乃果「取り餅粉が私に牙を…」

希「穂乃果ちゃん…得意料理はおまんじゅうじゃなかったん?」

穂乃果「おまんじゅうとお餅は別なの…たぶん」ガックリ


~お風呂~

希「はふぅ…」チャプン

希「今日も大変やったなぁ…小豆茹でて穂乃果ちゃんのフォローしておもち丸めて…」パシャ

希(…ほとんど穂乃果ちゃんのフォローやん。いや、嫌じゃないんやけどね)

コンコン

希「!」

『希ちゃん、湯加減どうかな?』

希「穂乃果ちゃん? ちょうどええよー」

『そう? よかった~! それでは失礼して…』モゾモゾ

希「えっ」

ガラガラ

穂乃果「私もはーいるっ!」

希「ちょっ!?」

ざぱーん!

希「ああ、お湯が…もったいない…」

穂乃果「あははっ」

希「も、もう…いきなりはびっくりするやんか!」

穂乃果「えへへ、ごめんごめん」

希「…ま、いいけどね」ナデナデ

穂乃果「んん…」

希「綺麗な髪やね」

穂乃果「希ちゃんの髪も長くて綺麗だよ?」

希「ふふっ、ありがとう」

穂乃果「それに…こっちもおっきぃ…」

希「ちょっとした自慢やねぇ」ポヨン

穂乃果「なに食べたらこんなに大きくなるの…」

希「それは知らへんけど…揉まれたら大きくなるって聞いたことあるで」

穂乃果「ほんと?!」

希「ほんとよ~? だからウチがワシワシしてあげる!」ワシワシ

穂乃果「あ、あーーっ!!」

・・・。

希「ふんふ~ん」ゴォー

穂乃果「んふふ」

希「ん?」

穂乃果「誰かに髪乾かしてもらうの久々で」

希「ウチも一人になってしばらく…誰かとお風呂なんて久々やったよ~」

穂乃果「楽しかった?」

希「うん、楽しかったよ! ありがとうね、穂乃果ちゃん」ナデナデ

穂乃果「えへへっ」

ちょっと休憩します

おもろいでー
頑張りやー

>>4
>>21
ありがとうございます
初めてなので緊張すごいですわ

見てるぞ
ほののぞ久々だから期待

ほののぞいいね

ご飯食べてた
そろそろ再開いたします

>>23
>>24
ありがとうございます

~ほの部屋~

早朝

穂乃果「くかー…」モゾ

穂乃果「すぴー…」

バァーン

希「穂乃果ちゃん起きやー!」

穂乃果「むにゃ…んむぅ…」

希「起きてーよー!」バサッ

穂乃果「ぬぁっ!? さむっ!! さむっ!!」

希「ほーらー!」

穂乃果「もう…今日から冬休みだよぉ…?」

希「ウチらの仕事に休みはないんよ!」

穂乃果「ぇぇぇ…」

希「ほら、はよ起きて下行って準備して! お仕事するよー!」

穂乃果「きがえさせて…」

希「あのねぇ…」

雪穂「ごめんなさい希さん…」

希「ううん、ええんよ」ニコッ

希「ちょっとおっきな妹が出来たみたいで楽しいからね」

雪穂「すいません本当に…」

穂乃果「お姉ちゃんは私なのに…」

雪穂「もう…」

希「私がお姉ちゃんやで~」ナデナデ

穂乃果「ちーがーうよー…」

雪穂「お姉ちゃん、いっそのこと本当に希さんの妹になったら?」

穂乃果「たのしそう…」

希「それやったら、雪穂ちゃんもウチの妹になっちゃうよ~?」ニコリ

雪穂「あ…ほんとですね」クスッ

希「さて、ウチらも準備しよっか」

雪穂「はい!」

穂乃果「あと五分…」モゾモゾ

希「二度寝はあかんよー!」バサッ

穂乃果「うわーん!」

~お昼前。店番~

希「ありがとうございました」ペコリ

prrrrr

希「あ、でんわ…」

ほのママ「ごめん希ちゃん出てくれるー?」

希「は、はい!」

ガチャ

希「ぁ…い、いつもありがとうございます、穂むらでございます!」

・・・。

ハイ、ハイ
オセワニナリマス!

穂乃果「さすが希ちゃん…初めての電話なのに普通に対応してる」

ほのママ「ちょっと穂乃果」

穂乃果「?」

ほのママ「あんた、本当にあの子の妹になったら?」

穂乃果「お母さんまで!?」

ほのママ「それにしても、よく出来た子よね…希ちゃん。うちのバカと入れ替えてほしいくらい」

雪穂「ほんとだよねー」

穂乃果「…わ、私ってそんなに不出来な子…?」

ほのママ「あら、さすがに言い過ぎたわ。ごめん」ナデナデ

穂乃果「うえーん…」

雪穂「泣いてる暇があったら手伝ってよ不良債権」

穂乃果「お母さん雪穂がいじめる!!」

ほのママ「…ファイトだよっ!」

穂乃果「」

希「お母さん、ご注文入りました! …って、穂乃果ちゃん、どうしたん?」

穂乃果「不良…債権…」ガクゥ

希「?」

ほのママ「注文聞くわよ~」

希「あ、はーい」

希「またのお越しをお待ちしております~」ペコリ

希「ふぅ…少しひと息つけそうかなぁ」

穂乃果「もうすぐお昼ご飯だし、少し暇になるかもね」

ウィーン

穂乃果「! いらっしゃいま…あっ!」

絵里「ハロー」

ことり「来ちゃったっ」

海未「こんにちは」

希「えりち! 海未ちゃんにことりちゃんも!」

絵里「様子を見に来たわ」

海未「ちゃんと仕事は出来ていますか?」

穂乃果「また海未ちゃんは…もう、しっかりやってるよぅ!」

海未「ならいいんですけど?」

穂乃果「その目は何さ…」

海未「別になんでもありませんよ」

穂乃果「むぅ…」

絵里「そのエプロン、なかなかにあってるわね」

希「あはは、ありがとえりち」

絵里「希はなにを着ても似合うわね」クスッ

希「えりち…ここはそういうお店やないんよ?」

絵里「わ、わかってるわよ!」

ことり「穂乃果ちゃんも希ちゃんも、仲良さそうでよかったねっ」

絵里「ふふふ、そうねっ」

希「なにー? ウチらが仲悪いと思ってたん?」

ことり「そ、そういうわけじゃなくて…」

絵里「珍しい組み合わせだからってだけ。あんまり深い意味はないわよ」

希「心外やねぇ…ね、穂乃果ちゃん? 言ったげてよ、ウチらがどんなに仲良しか」

穂乃果「うん! 私たち、一緒にお風呂入ったりしてるんだよ!!」

希(こ、これを言うとは思ってなかった…!!)///

海未「どういうことですか!?」

ことり「ホノカチャン!?」

絵里「…まあ、仲がいいなら…うん」

希「うぅ…///」

ほのママ「…あのさ、あなたたち、部屋に上がったら?」

~ほの部屋~

海未「」

穂乃果「海未ちゃん? なんで固まってるの?」

海未「…ここは、本当に穂乃果の部屋ですか?」

穂乃果「えっ」

ことり「すごく綺麗になってる…」

絵里「本棚もきちんと整理されてるわね…」

穂乃果「えー? あ、ほんとだ」

海未「ほんとだ…って、自分でやったのではないのですか!?」

穂乃果「そんなめんどくさいことするわけないよ…」

ことり「じゃ、じゃあ…誰がやったのかな…穂乃果ちゃんのお部屋の掃除」

希「ウチやで~」

穂乃果「希ちゃんが?」

希「うん。…迷惑やった?」

穂乃果「そんなことないよ! ありがとう希ちゃん」

希「うんっ」

絵里「…この数日で、二人の仲が急接近したみたいね」

ことり「単に穂乃果ちゃんが希ちゃんに甘えているだけのような…」

絵里「それはそうかも…しれないわね…」

海未「希…あまり穂乃果を甘やかしてはいけませんよ?」

希「そんなつもりないんやけどねー」

穂乃果「お母さんにはバカと言われ、雪穂には不良債権と言われ、友達には散々言われ…希ちゃーん」メソメソ

希「よしよし、泣かんでええよ。穂乃果ちゃんの頑張りはウチがよく知ってるからね」ナデナデ

海未「早速ですか!」

絵里「…ああ、なるほど。なにか違和感がある気がしてたけど、姉妹にしか見えないんだわ」

ことり「なるほど…」

穂乃果「あはは、おねーちゃーん」スリスリ

希「ほ、穂乃果ちゃん…///」ナデナデ



海未「それでは、私たちはこれで」

絵里「また練習の時ね」

穂乃果「もう帰っちゃうのー? まだ来たばっかりなのにぃ…」ブー

ことり「お店のお手伝いもあるでしょ? また遊びに来るからっ」

穂乃果「お手伝いつまんなーい」

希「こーら」チョップ

穂乃果「ぐあ!」

希「ウチも頑張るんやから、穂乃果ちゃんも頑張らんとね?」

穂乃果「むう…わかった」

希「えらいえらい」ナデナデ

穂乃果「えへへ…」ニンマリ

ことうみえり(仲良いなぁ)ホンワカ

~ゆきほ部屋~

希「ここは分かる?」

雪穂「えっと…」ンー

雪穂「あ…これ、さっきのと同じ形ですよね」カリカリ

希「そう! 回りくどい書き方してるけど、さっきのと同じ形の問題なんよ。よく気づけたね」

雪穂「えへへ…希さんの教え方が上手いだけですよ」

希「そんな謙遜せんでええのに~うりうり」グリグリ

雪穂「あははは、もう…やめてくださいよぅ」

希「えへ、ごめーんっ」

穂乃果「むー…つまんない」

雪穂「お姉ちゃんも宿題やったら?」

穂乃果「私は最後まで貯める派なんだもーん」

希「分からんとこならウチが教えてあげるよ。だから頑張ろ?」

穂乃果「ん…わかった。雪穂、一緒に数学やろっか」

雪穂「いらっしゃいー」

雪穂(お姉ちゃんが言うこと聞いてる…さすが希さん…)

穂乃果「希ちゃん…ここわかんない」

希「ここはねぇ…」

雪穂(希さんが来てから…お姉ちゃん、ますます子供みたいになったよね…)

雪穂(それだけ甘える対象が出来たのは、大きいのかな)

雪穂(…いつもダラけてることに変わりはないけど)

穂乃果「なるほど…すっごく分かりやすいよ希ちゃん!」

希「ほーん? なら、同じやり方の問題やってみよーか」

穂乃果「了解であります!」

雪穂(本当に姉妹みたい…嬉しそうだな。でも、私はなんか寂しい…)

雪穂(私も…甘えてみよっかな…)

穂乃果「で、ここをコレで解くと…」

希「そうそう! 大正解やで穂乃果ちゃん!」ナデナデ

穂乃果「私にかかればこんなものだよっ! …なんちゃって、てへへ」ムフフ

雪穂「…あの…お姉、ちゃん…」

穂乃果「ん、どしたのー?」

雪穂「ここ教えてほしいな…なんて」

穂乃果「えー? わかるわけないじゃんそんなの、希ちゃんに聞いてよ」

雪穂「も、もう…バカッ!」

穂乃果「なっ!?」

雪穂「もういいよ! 希さん、ここ教えてください」

希「う、うん」

希(雪穂ちゃん…かわいそうに)


~クリスマス~

ほのママ「さすがに今日は夜の仕事は休みます。その代わり、盛大にパーティよ!」

ほのパパ「…」クラッカーパーン

ほのママ「ちょっとお父さん早いわよ」

穂乃果「やったよ雪穂! パーティだよパーティ!」

雪穂「やったねお姉ちゃん!」

ヒシッ

ほのママ「まったく…毎年こんなののよ…ごめんね、騒がしくて」

希「いえ…楽しみになるのは私も同じですから」

ほのママ「でも、今年は一番盛大なパーティにするからね」

穂乃果「えっ」

ほのママ「この前の最終予選のお疲れさまも込めて…ね?」

穂乃果「お母さん…」ウルウル

希「…」ジワッ

ほのママ「ほーら、そのために料理手伝ってもらうからね! 穂乃果も希ちゃんも!」

穂乃果「うんっ!」

希「はいっ!」

ほのパパお茶目でわろた

・・・。

ほのママ「これもってって~」

希「はーい」パタパタ

穂乃果「おお、すっごいごちそう!!」

希「穂乃果ちゃん…料理の手伝い逃げてどこにおったん?」

穂乃果「うぐっ…!?」ギクッ

ほのママ「穂乃果ァ…」ゴゴゴゴ

穂乃果「こ、これ! クリスマスケーキ買いに行ってたの!!」バッ

ほのママ「あ…そういえば買うの忘れてたわ」

穂乃果「でしょ? 希ちゃんに私のオススメ食べてほしかったし!」

希「穂乃果ちゃん…」

ほのママ「あらあら、私たちはオマケってこと?」

穂乃果「そういうわけじゃなくて! …希ちゃん、クリスマスケーキ、久々じゃない?」

希「…うん、もう何年ぶりやろね」

穂乃果「でしょ? そうだろうと思って、おいしいの買ってきたんだ~」

希「ありがとう…穂乃果ちゃん…」ウルウル

雪穂「いいとこあるじゃん、お姉ちゃん」

穂乃果「せっかくだもん、喜んでもらいたいでしょ?」

雪穂「うん、そうだね!」

ほのパパ「…」ヒョイパク

雪穂「ちょっとお父さん! つまみ食いしちゃだめ!」

ほのパパ「…」スマヌ


クリスマスパーティは、とっても楽しかった。

ケーキも料理もすっごくおいしくて…本当に、いい思い出になったよ。

ありがとう穂乃果ちゃん、雪穂ちゃん、お父さんにお母さんも。

・・・。

年明けが近づくにつれ、ますます穂むらのお仕事は大変になる一方。

これは想像通りやけど、毎年大晦日まで働きづめなんやって。

穂乃果ちゃんも「もうやだー!」と毎日言ってるけど、それでもウチと一緒に頑張った!

そして…

~ほの部屋~

希「もう明日でお手伝いも終わりかぁ…」ボフッ

穂乃果「やっとだね……」ポフッ

希「うん…自分でもあんなに頑張れるとは思わんかったよ」

穂乃果「あはは…私も…」

穂乃果「…今更だけど…いきなりお願いして、ごめんね?」

希「ううん、むしろ助かった。お金に困ってたのは本当やからね」

穂乃果「でも、住み込みはびっくりしたでしょ?」

希「それは…ちょっとね」クスッ

希「でも、楽しかった」

穂乃果「そう?」

希「うん! ほら、ウチの両親って遠くに住んでるやん?」

希「だから、こうやって家族とご飯食べたり一緒にテレビ見たりクリスマスを過ごしたり…もうずっとしてなかったの」

希「それが…ここで出来た」

希「お母さんと一緒にお料理したり、お父さんのお手伝いしたり、雪穂ちゃんに宿題教えてあげたり、穂乃果ちゃんとお風呂入ったり」

希「暖かくて、とっても嬉しくて、心地よかった。こんな安心した気持ち…本当に何年ぶりなんやろね…」

希「穂乃果ちゃん…ありがとうね。すごい楽しかった」ギュッ

穂乃果「私も…すっごく楽しかったよ」ナデナデ

穂乃果「お姉ちゃんが出来たみたいで、本当に楽しかった。色々甘えちゃって、迷惑もかけたかもしれないけど…こちらこそありがとね、希ちゃん」


希「あ…あははは、なんだかしんみりしちゃったね」

穂乃果「えへへ」ニコリ

希「…穂乃果ちゃん」

穂乃果「なーに、お姉ちゃん?」

希「ふふっ…もう一度、ぎゅってしてもいい?」

穂乃果「もちろん、何度だって!」

希「…うん」ギュッ

穂乃果「ん~?」ギュウッ

穂乃果「…ねえ。こっちももう一度だけ、お姉ちゃんにお願いしていい?」

希「…うん。なーに、穂乃果ちゃん?」

穂乃果「今日…一緒に寝ない?」


・・・。

穂乃果「あったかいね、希ちゃん」モゾモゾ

希「穂乃果ちゃんもね。抱き枕にちょうどええかもね~」クスッ

穂乃果「もう、あからさまに胸押し付けながら言わないでよぉ」

希「ふぅーん…そんなこと言うなら、ウチにもやり方があるよ?」ワシワシ

穂乃果「ちょ、だめっ、あっ…あー!」


・・・。

穂乃果「希ちゃん、もう寝た?」

希「…起きてるよ。どうかしたん?」

穂乃果「…明日のお仕事が終わったら帰っちゃうんだもん…寝れないよ」ギュッ

希「初詣のときみんなで会う約束してるやん」ナデナデ

穂乃果「でも…ちょっと寂しくなっちゃうよ…」

希「…ありがとう」

穂乃果「…今度は私が希ちゃんのとこに遊びに行くよ」

希「うん、待ってる」

穂乃果「えへへ、楽しみっ」

希「ウチも楽しみやで」

穂乃果「…おやすみっ」

希「うん…おやすみ、穂乃果ちゃん」ギュッ

~大晦日。全ての仕事が終わり…~

希「お世話になりました」ペコリ

ほのママ「こちらこそありがとう、とっても助かったわ」

希「お母さん…本当に…ありがとうございました」

ほのママ「晩御飯も食べて行けばいいのに…」

希「そうしたいのはやまやまなんですけど…神社のお手伝いが夜に入ってるんで」

ほのママ「そっか…なら仕方ないわね…まあ、またおいで」

希「はい…また…!」

雪穂「希さん、色々ありがとうございました! お姉ちゃんが二人になったみたいで楽しかったです」

希「うん…こっちこそありがとう雪穂ちゃん…」ナデナデ

ほのパパ「…」グッ

希「…ありがとう…ございました、お父さん」ペコリ

ほのパパ「…」ブワッ

穂乃果 「希ちゃん」

希「ほのか、ちゃん…」

穂乃果「希ちゃんは、私のお姉ちゃんだからね」ギュッ

希「ちょ、ちょっと…恥ずかしいやん…みんなおるのに!///」

穂乃果「だから、寂しくなったらいつでも来ていいんだよ? …もう家族みたいなもんなんだからね」

希「うん…。ありがとう、穂乃果ちゃん」

穂乃果「私こそ、ありがとう希ちゃん」

希「…それじゃあね」

穂乃果「うん…」

希「…」

希「…」クルッ

ほのファミリー『…』フリフリ

希「…」ジワッ

希(…家族、か…)フルフル

希「ぅ…く、ぅぅ…っ…!」ポロポロ

~のぞホーム~

ガチャ

希「ただいま…っと、ウチひとりやったね」パタパタ

希「ここしばらく誰かが迎えてくれたから…ただいまが癖になってもうたなぁ」

希「…やっぱり…ひとりは寂しいなぁ」

希「ウチの部屋って…こんなにおっきかったんかな?」

希「穂乃果ちゃんのおうちは…ここと比べたら狭かったように感じたけど、窮屈と思ったことはなかったなぁ」

希「過ごしやすい空間やった…ってことなんかな」

希「…さて、今日の夜ご飯…どうしようかな」

希「穂乃果ちゃんのお母さんの…ご飯、美味しかったなぁ」クスッ

希「ウチもあんな美味しい料理…できるかな…?」

希「今度穂乃果ちゃんも遊びに来るんやし、練習せんとなぁ」

希「…」

希「お母さん…」

希「…」

pipipi

prrrrr...

pi!

希「もしもし、…お母さん? 私…希」

おしまい

これにて完結となります

読んでくださった方々、本当にありがとうございました


面白かった

>>48
ありがとう
最後駆け足気味になってしまい、申し訳ない

乙乙ほんとおもしろかった

最後に一言

のぞほの最高

>>50
マジありがとう

久々にキャラ崩壊してないエリーチカを見た



すごい良かったからまた何か書いてくれー

初めてでこれはすごいな
おつ


百合もいいけどこういうほんわかした家族愛ののぞほのもええな


素晴らしいのぞほのだった

貴重な上に面白くて良かった
次も書けたら頑張ってください

ほんわかした

1です
HTML化? というものをすべきなのですか?

完結したらしなくちゃダメ

面白かった。久しぶりにほのぼの系で全部読めたわ

■ HTML化依頼スレッド Part20
■ HTML化依頼スレッド Part20 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1403870615/)

ここに行って依頼する

>>61
>>62
ありがとうございます
すぐいってきます

個人的には百合よりこういう方が好きだからとても読みやすかった。
本当乙

ほのパパおちゃめでワロタ
面白い、次もあったら読みたい

乙ー
なんか、見ててウルルン滞在記思い出した

久々にキャラ崩壊してないエリチには同意だけど、「ハロー」って言ってる時点でかしこくないww
ほのパパ可愛かった

ほのパパに萌えた


ものすごく良かった

このクオリティで初めてとは有能過ぎる


貴重なほののぞ分をありがとう

絵里のハローの時点で隠れPKEだったわw

作品はものすごいよかった

乙乙でした
最後の電話したくだりもよかった
後日談とかあったら読みたいです

ほのパパが一番可愛い

最高だった

良かった
おつ

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年07月18日 (金) 21:01:33   ID: VuAijpHU

なんか最後の切ないな、穂乃果ちゃんと暮らせばいいじゃん、のんたん可哀想。

2 :  SS好きの774さん   2014年07月19日 (土) 02:32:58   ID: 3ydR_viF

ほののぞ?のぞほの?ええぞぉ
SID思い出した

3 :  SS好きの774さん   2014年07月19日 (土) 05:44:28   ID: hiB4ojVl

これはなかなか…良かったです(`・ω・´)

4 :  SS好きの774さん   2014年07月19日 (土) 10:29:38   ID: 3vvcVLKd

良かったヽ(;▽;)ノ

5 :  SS好きの774さん   2014年08月11日 (月) 02:23:46   ID: u4pU2DJO

おお~♪久々に良いSSに会えたよ
凄くよかった!

6 :  SS好きの774さん   2015年01月23日 (金) 04:22:26   ID: 1pac_3aZ

ガッツリしたやつも良いけど、こういうホンワカ日常的なのも好きだぜ!
続編もあるみたいだから、そっちも読ませてもらいます^^

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