エレン「ヤキュウ?」(81)
立
アルミン「そう、ヤキュウ。昔の人類はね、ヤキュウっていうスポーツをしていたらしいんだ。」
エレン「なんでそんなこと知ってるんだ?」
アルミン「…それがね、ここ二日連続で、そのヤキュウって遊びをしている十三人組の夢を見てね。その夢の中で、十三人組が僕に
野球の遊び方とかを教えてくるんだ。」
エレン「随分具体的な夢を見るんだな。」
アルミン「うん。…ていうか、夢なのかなぁ。まるで現実で話をしているかのような感覚なんだよ。」
エレン「ふぅん、そういえばなんで昔の人類だってわかるんだよ。」
アルミン「夢の中で、カントクって立場のダイジョーブって人が言ってたんだ。未来の人間と干渉することに成功シマシータ、
ってね。」
エレン「はは、アルミンは頭が良すぎるからそんな変な夢を見るのかもな。」
アルミン「もうエレンたら、真面目に聞いてよ…」
ミカサ「エレン、アルミン、休憩時間は終わり。話してると教官に怒られる。」
アルミン「あっ」
エレン「おう。アルミン、続きはまた今度聞くな。」
アルミン「う、うん。」
ミカサ「? 何の話をしてたの?」
エレン「うーん、ヤキュウ?」
ミカサ「???」キョトン
-その夜-
アルミン「zzz」
アルミン「zz…」ホワンホワン
-------
アルミン「…はっ!?」
アルミン「また、この夢だ。今までどおり、グラウンドっていうところからのスタートだ。」
???「お、アルミン。待ってたよ」
アルミン「や、やぁ。昨日ぶりだね、パワプロ君。」
パワプロ「今日は練習に参加してもらおうと思ってな、アルミンにもっと野球を知ってほしくてさ。」
アルミン「練習?!あ、あのさ、練習とか以前に聞きたいことがあるんだ。」
パワプロ「なんだよ?」
アルミン「これって、夢だよね?…いや、夢の中の人物に夢だよねなんて聞くのもおかしい話だけどさ。」
パワプロ「夢とは違うかな、俺たちがアルミンの意識の中に入り込んでるんだ。」
アルミン「!!?」
パワプロ「監督のダイジョーブ博士の発明で、寝ている人の意識の中に入り込めるようになったんだ。」
アルミン「なんだそれ…ごめん、わけがわからない…」
パワプロ「色んな人の意識の中に入り込む実験を繰り返しているうちに、ふとした拍子に時空を超えてね。君の夢に
俺らが現れたってわけ。」
アルミン「ってわけ、って言われても…何の目的で?僕大丈夫なの??」
パワプロ「ああ、心配しないで。俺らは野球選手のサンプルデータが欲しいだけなんだ。ダイジョーブ博士の研究の発展の
ためにね。」
アルミン「研究?」
パワプロ「ダイジョーブ博士の夢は世界一の野球選手を自らの手で作りあげることなんだ。そのためには数多くの人間の
データが欲しいところなんだけど、現代の人間はあらかた調べ終えたんだ。けど、それでも究極の選手を作るには
データが物足りなかった。そこへきて、時空を超え、君の夢に現れることに成功した。俺らは、未来の人間のデータを
是非記録したいんだ。」
アルミン「突拍子もない話だけど、僕もいつまでもその、意識に入り込まれてるのはあまり良い気分ではない。協力することは
協力するから、実験材料になるのを辞めさせてくれないかな。」
パワプロ「もちろん。データの収集さえ終われば俺らは出て行くよ。そのためにもアルミン、君には頑張ってほしい。
ここ二日間話しただけで、君はルールや各ポジションでの身体の動かし方をとてもよく理解してくれた。今日練習する分も
含めて、それを君の仲間にも伝えて欲しいんだ。」
アルミン「え、何で伝えるの?」
パワプロ「何でって、おかしなこと聞くね。いいか、前に話した通り野球は最低9人いないと出来ないスポーツなんだ。
9人揃わなかったら試合が出来ないじゃないか。」
アルミン「いやいや何もおかしく…って、し、試合?!それこそどうやってするんだよ?!」
パワプロ「寝ている君の意識の中に、君がルールや動きを教えた人間の意識を呼び寄せるのさ。」
アルミン「な…なにを…」
パワプロ「不思議とね、未来の人たちの意識全てには自由に出入り出来なくとも、君という媒体があればそこに
君以外の人間の意識を集めることくらいなら出来そうなんだ。科学って不思議だね、ダイジョーブ博士は天才だね。」
アルミン「」
パワプロ「さ、そういうことだから早速練習しよう!全ポジションね」
アルミン「ちょ、ちょ!待ってよ、なら、ほかの人の意識の中にも入りこんで、せめて一人一人個別に教えていけば
いいじゃないか!」
パワプロ「何せ未来に干渉出来ただけでも物凄い偶然だったからね、君以外の意識に入り込むことは成功していない。
君だけが頼りなんだ、アルミン。」
アルミン「(あ、胃が…)」キリキリ
アルミン「ぐ、ぅぅ…じゃ、じゃあ、せめてさっき言ってた寝ている僕の意識の中に他の皆の意識を呼び集めて、皆合同で練習ってことに
しようよ…」
パワプロ「なるほど、アルミンは本当に頭が良いね、そうしよう。じゃあ、明日の夜から練習開始だから、最低9人に
この話をして、夜は同じ時間から寝るように伝えてくれ。頼んだよ。」
アルミン「(そんな…なんで僕が…あぁ、胃が痛い……)」キリキリキリキリ
-次の日-
アルミン「おはよう皆、実は聞いて欲しいことがある。いや、何も問わずほんと聞いて。」
エレンミカサコニージャンサシャマルコユミルクリスタアニライナーベルトルト「??」
アルミン「あのね」
-その日の夜-
アルミン「(はは、僕は変人扱いだよ、そりゃそうだ…でも、皆最後はわかってくれた。あまりのストレスに吐血
したのが幸いだったんだろうね、説得力的に。はは、ははは)」キリキリキリキリ
アルミン「(さて、そろそろ寝付かないと。早くこのよくわからない現象を終わらせるんだ…!)」
アルミン「(はや、く…)
アルミン「zzz」
-アルミンの夢の中-
アルミン「…ハッ!ぐ、グラウンド…」
パワプロ「やあ、アルミン。」
アルミン「! や、やぁ。」
パワプロ「さすがだよ、君の呼んだ人たちは皆来たようだ、今ロッカールームに集まってもらってるよ。」
アルミン「そ、そうかい…(突拍子もない話だったけど、やっぱ本当なんだなぁ…)」
パワプロ「さぁ、皆と一緒にユニフォームに着替えて、グラウンドに出てきてくれ。待ってるよ」
アルミン「あぁ…わかった」
-ロッカールーム-
ジャン「おいおいマジかよ、アルミンの奴本当のこと言ってやがったんだな。」
コニー「俺は未だに状況がよくわからん。けど、面白そうだと思う。」
サシャ「不思議とお腹が減りません、本当に夢の中なのかも…。この何枚もある同じ服は何でしょう?」
クリスタ「同じじゃないみたいだよ、背中に番号が書いてあるもの」
エレン「アルミン…ちゃんと話聞いてやってなかったことあやまらなきゃな…」
アルミン「皆…」ザッ
一同「アルミン!」
アルミン「とりあえずその服…練習着を着て、グラウンドに集合。」
一同「いや、その前に色々質問が」
アルミン「ゴチャゴチャうるせぇ!四の五の言わず早くしろ!!!」
一同「!?は、はい…」
アルミン「…僕も正直よくわかんないことだらけなんだ、巻き込んですまないとも思ってる、ごめん。じゃあ、僕は先に
外で待ってるね。」
一同「…」
-グラウンド-
パワプロ「やぁ皆、よく集まってくれたね。今朝アルミンから基本的なルール等は聞いたと思うけど、これから
さらに詳しいルールや、身体の動かし方を練習していくからね。期間は三年。」
一同「サ、サンネン!!!???」
パワプロ「そう。俺らの世界では、三年あれば飛躍的な成長を遂げる。三年後の君たちと試合をすれば、
良い勝負が出来て良い試合にもなり、良いデータがとれるってわけだ。」
一同「(絶句)」
アルミン「(…皆絶句してる、無理もないよね、僕も開いた口がふさがらないよ・・・)」
パワプロ「心配しなくていい、アルミンの意識を操作して、時間の流れを変えたからね。この夢の中の三年は、
現実では約7時間程だから、明日の朝目覚めればいつも通りの日常が始まるって寸法さ。精神と時の部屋理論だね、うん。」
アルミン「はは、は」
パワプロ「それじゃ、始めるよ。」
--三年後--
パワプロ「やぁ皆。よくここまで厳しい練習に耐えてくれた。皆の成長速度には正直俺も驚かされっぱなしだ。
今までの練習と練習試合の成果を存分に発揮してくれ、良いデータがとれそうだ。」
マルコ「ほんとに三年経ったんだね、今でも信じられないよ…」
ベルトルト「この苦しい練習の日々もついに終わるんだ…本当に良かった。」
ユミル「掌の豆カッチカチだ、ほんとやってらんねー。」
ライナー「知れば知るほど奥の深いスポーツだった。ホームランは美しい。だが、しかし…」ブルブル
コニー「盗塁最高、セーフティーバント最高!!」
サシャ「練習よりも食べ物がないことの方が辛かったです…お腹減らないけど食べる楽しみがないのは悲しいです。」
クリスタ「私はあんまり上手になれなかったなぁ。。」
ジャン「なぁアニ、お前…」
アニ「早く試合したい早く試合したい早く試合したい…ブツブツ」
エレン「何だかんだ楽しかったよな。」
ミカサ「うん。私のスプリットは誰にも打てない。」
アルミン「野球の時間だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
審判(鮫島)「プレーボール!!」
パワプロ一同「しゃっす!!!」
エレン一同「しゃっす!!!!」
パワプロ「(うんうん、このプレーボールの瞬間。野球最高。
さて、オーダーと各個人のデータをおさらいしとくかな…パワプロ風に)」
ジャイアントイェーガーズオーダー
(打順、背番号、守備位置、選手名、ミート、パワー、走力、肩力、守備力、エラー回避、弾道、特殊能力順)
1番 7 セカンド コニー ceaecd弾1 バント○、内野安打、盗塁○、チャンス×
2番 9 センター マルコ fdecbb弾2 流し打ち、送球○、バント◎、対左×
3番 4 キャッチャ ライナー dafbdd弾4 パワーヒッター、プルヒッター、チャンス○、怪我○
4番 1 ピッチャー ミカサ abaasa弾3 青特全て
(投手能力 コントロールa スタミナa 球速172キロ スプリット7、カット7 青特全て)
5番 2 ファースト エレン cbcccd弾3 チャンス○、対左○、広角打法、ヘッドスライディング
6番 3 サード アニ bdcdba弾2 チャンスメーク、アベレージヒッター、走塁○
7番 8 ショート ベルトルトecccbe弾2 チャンス×、意外性
8番 6 レフト ジャン eebecb弾2 チームプレー○
9番 5 ライト サシャ dfdcde弾1 体当たり
控え セカンド クリスタ ffeeef弾1 ムード○
控え ピッチャー ユミル cfedee弾1 チームプレー×
(投手能力 コントロールc スタミナe 球速136キロ シンカー3、カーブ2 ピンチ○)
監督 アルミン gggggc弾1 怪我×
パワプロ「(…よくぞここまで)」ニコ
ダイジョーブ「良いデータが取れそうデース。」
パワプロ「(ていうかミカサ打てるかな…)」
アルミン「よし皆、しまってこー!!」
一同「おーー!!」
--
ミカサ「私達が守り。思いっきり投げるから、ライナー。」
ライナー「あ、ああ…」ガクガクガク
ミカサ「1ポロにつき1肘鉄、10ポロで防具没収」
ライナー「あうあう…」ガクガクガク
ミカサ「逃げては駄目。あなたは兵士。」
ライナー「!!…そう、俺は兵士。兵士には、ひいてはいけない時ってもんがある…!」
ライナー「それが、今だ。」
ミカサ「安心した。さよなライナー。」ボソ
ライナー「」
アナウンス「1番、センター、矢部」
矢部「格の違いってもんを見せてやるでやんす!」
ミカサ「ふっ!!」ブオオッ
矢部「え、たま、消えっ…?!」
矢部「うぎゃァァァァァァァァァ!!!!!!」ドゴオオオオオオオオ
ミカサ「あ」
ライナー「(眼鏡の破片が宙を舞う・・)」キラキラキラ
ミカサ「手が滑った」ペロ
ライナー「審判、危険球退場になっちまうか?」
審判(鮫島)「ふ、そんな無粋な真似はせん」
アルミン「(なるほど、データ収集しなくちゃいけないもんね)」
矢部「ガンダー、お迎えがきそうでやんす…」
ランナー1塁
アナウンス「2番、ショート、パワプロ」
パワプロ「どれ、お手並み拝見…」
ミカサ「ふっ!ふっ!ふっ!」ズバズバズバーン
審判「ストライク、アウト!!
パワプロ「(なんだこの球、鋭く曲がるし速い…こりゃそうそう打てないな)」
ライナー「ブルォッ」ゴボ(吐血
パワプロ「(もう既に2球腹で受けた、彼は無事ゲームセットまでプレー出来るかな…)」
ベルトルト「(ライナーの人生がゲームセットしそうだね…)」
矢部「(こ、こいつぁただ事じゃないでやんす…せめて足でかき回さなければ…!)」
矢部「りーりーりー!!」
ミカサ「そんなものに私は動じない…」
矢部「りーりーりー!!」
ミカサ「! そこっ」シュバッ!
矢部「おっとそうはいかな…眼前にボール?」ゴオオオ
矢部「ウギャアァァァッァァァァァァァァァァ!!!!!!!」ドゴオオオオオオオオオ
ミカサ「失敗、牽制難しい」ペロ
9回裏
ジャイアントイェーガーズ 4-5 パワフルズ
アルミン「ああ、ついに最終回だ…」
ライナーらしきもの「」ピクピク
エレン「(原型を留めてない…)」
アニ「失点は全部パスボールによるものか、このカス。」
ライナーらしきもの「ンゴ…」ピクピク
アルミン「ともかく最終回だ、気合入れていくよ!」
一同「おー!!」
ああ、満喫退店時間になっちゃった。
誰も見てないだろうけど続きはまた今度書きます。
…土曜日に続き俺の日曜日が終わり、ついに月曜日だ…
皆さん、御身体に気をつけて…
期待してる
-パワフルズのベンチ内-
パワプロ「いやほんと驚いちゃうね、マンツーマン指導したとはいえズブの素人だった彼等がここまで…」
矢部「何も見えない、何も聞こえない…やんす…」ボロボロ
パワプロ「矢部君は音と光を失ったけど、無駄なんかじゃないよ。あれだけ高性能なミカサがボール操りきれないのは、公式戦初登板の緊張感によるものだろう。あんな超人でもやはり緊張はする。良いデータだ」
猪狩兄(投手)「ふん、ミカサとアニ…まったく、今まで練習試合で投げなかった僕のライジングキャノンを初見でほぼ完璧にとらえるなんて、まだまだ改良の余地があるな…」
猪狩弟(捕)「それには僕も驚いたよ兄さん。」
猪狩兄「少なくとも完封する予定だったが、完投すら出来ずここで交代か。ふ…これだから野球は面白い。クローザー、後は任せたよ。」
山口(抑)「任されよう。」
駒坂(二)「セカンドどんどん打たせちゃって良いですからね♪」
-ジャイアントイェーガーズのベンチ内-
エレン「デッドボールはわざと!?」
ミカサ「しっ、エレン…」
エレン「なんだってそんなことしたんだよ」
ミカサ「矢部、目障りで…やんすとか、何…」
エレン「うん、まぁ、うん…」
アニ「何こそこそしてるんだい。打順はマルコからだよ、死んでも私まで回しな。」
ベルトルト「な、何だか一番楽しそうだね、アニ」
アニ「うんうん、もう打ちたくて打ちたく…ハッ! う、うるさいよ…」プイッ
クリスタ「二回もタイムリー打ってるもんねアニ、内野抜けた時目が輝いてたよ♪」
アニ「き、気のせい!」プイッ
ジャン「ホームインした時は塁上で万歳しながらピョンピョン跳ねてたのも見たぞ」
アニ「」クワッ ガシ
ジャン「アニ、お前何俺の肩掴んで、ちょ、…」ズルズル
アニ「いいから来なよ」
ウオオオオオオオオ…!!!ズガーン
アニ「…」スッ
ユミル「あれ?ジャンはどうしたんだよ。」
アニ「この回はもし打順来たら代打。スタンバっときな」
ユミル「お、おう」
アニ可愛い
サシャ「野球も良いですけど、私は先日に香本さんが教えてくれたタケノコニョッキの方が好きですねぇ。」
コニー「あれはまるよな、過去の人間の方が遊びが洗練されてる!」
ワイノワイノ…
審判「とっくに試合再開だ、早く打席入れ!」
マルコ「は、はい!」
アルミン「まずは確実に塁に出よう、なんとしても一点取るんだ。頼んだよマルコ!」
マルコ「あ、ああ!」
アニ「」クイックイッ
マルコ「(ん?指で僕にクイクイ…)あぁ来いってことか、何アニ」スタスタ
アニ「」首ガシッ
マルコ「?! ど、どうし…」
アニ「絶対出塁」ボソ
マルコ「え?うんなるべく僕もそうしたい…
アニ「出塁しないマルコは」ボソ
アニ「食っちゃうぞ」ジッ
マルコ「」ゾッ
アニ「頑張って」
マルコ「え、…う、うん」 ガタガタ
審判「プレイボール!」
山口「舐めるような真似はせん、全身全霊で叩き潰す」
マルコ「ゴクッ(ぼ、僕はこれでも死線を幾つか潜り抜けてきた(訓練)。その兵士としての勘が僕に言う…)」
ビュッ ストラーイク!
マルコ「(僕は、ここで死ぬ…)」ガクガク
ストラーイク!ストラーイク!アウトォ!!
アルミン「一球も振らずに三振…なんてことだ」
マルコ「」シロメ
アニ「」ガシッ ズルズル…
………
ジャン「…ハッ。ここは、ぐっ」ズキ
ジャン「俺は…何て格好でひっくり返ってやがる…くっ、そ」スクッ…
ジャン「ここはベンチ裏の給湯室、だよな。試合は、皆は…」ヨロヨロ
ジャン「ん、そこに何か」クルッ
ジャン「っ」
マルコっぽいもの「」
ジャン「マルコ…なのか…」
マルコ「」
ジャン「マルコ、さっきから見ねぇと思ってたらこんな…縦半分が何も身に付けてない、髪や眉、陰毛に至るまで片側だけツルツルだ…」
マルコ「」
ジャン「センターマンかよ…それにしても何て表情してやがる…死んでると勘違いされてもおかしくねぇ」
マルコ「」涙ツゥゥ
ジャン「野球ってやつは、誰しも劇的な活躍が出来るもんじゃないらしい」
ジャン「なぁマルコ、俺は…決めたぞ」
ジャン「俺は…代走専門になる」
マルコ「」涙ツゥゥ
ストラーイク!アウトォォ!!
ライナー「ハヒュウ…ハヒュウ…」
猪狩弟「(虫の息じゃないか…)」
ミカサ「ライナー、おいで」肘シュッシュ
ライナー「ヒュ…ヒュウ…」クビブンブン
アニ「」ガシッ
ライナー「(羽交い締め…!!)」ヒュヒュヒュ…
ミカサ「シッ」ドムス!
ライナー「ンッ」シロメ
ライナー「」ガクッ
ミカサ「ライナー、貴方の頑張りは無駄にはしない。勝つために闘う。」
エレン「野球って過激なスポーツだよな、でもライナーのこんな姿見せられちまったら…ここで燃えなきゃ男がすたるぜ!!」
アルミン「(全然よくわからないけど、この世界は…何て残酷なんだろう…」
ミカサ「いざ…」スッ
山口「ミカサ…相変わらず北の侍の全盛期を彷彿とさせるフォームと圧倒的威圧感…」シュッ
ワンボール!
ミカサ「…」
ミカサ「…」ギュッ ジッ
山口「(いかん打ち取れる気がしない。ライナーの、乳製品戦士の和製大砲を彷彿とさせるフォームを見たときは何とも無かったのに…)」
山口「っふ!」シュッ
ビューッ カクッ
ミカサ「…」ピタ
ツーボール!
山口「(俺のウィニングショット…ストライクゾーンからボールになるフォークだぞ、なぜそうも易々見切れる…!!)」ダラダラ
ミカサ「…」ギュッ
山口「う、ああ!」ビュッビュッ
ボールボール!フォアボール!
ミカサ「…」テクテク
山口「(あと一人なんだ…立て直せ…!)」
エレン「ミカサ、よくやった!」
コニー「よっっしゃあぁエレン!どでかいので決めちまおうぜ!」
クリスタ「ドキドキするっ!!」
サシャ「あぁ、こんな良い試合なんだからこそ何かつまみたいのに、口寂しいです…」
アニ「まぁ、エレンが決めるんなら、それはそれで文句は1つもない。」
エレン「お前ら、絶対勝って帰ろう!!」
一同「おー!!」
山口「(エレン…こいつは今日1安打か。全方向に強い打球を飛ばす、甘く入ったらやられるぞ。集中だ。)」
香本(三)「(サード慣れないから、絶対こっちに飛ばして欲しくないんだな…)」
松倉(右)「ヘーイピッチャー、ビビっちゃだめよー!」
パワプロ(遊)「そうだ、俺らがついてる」
山口「(そうだ…こいつらがついてる!)」カッ
山口「いくぞエレン、いざ尋常に勝負!!」
エレン「こい!」
山口「ぬんっ!」バヒュッ
エレン「(インハイ、腕畳め…!)」ブンッ
カーン
山口「っ!?」
アルミン「大きい!ホームランか、ポールぎりぎりのとこ目掛けて飛んでく!」
エレン「入っちまえ!!」
ヒュー …ファール!
エレン「うああー惜しい!!」
山口「(のけ反らせるためのインハイをあそこまで持っていくとは…元某三冠王のフォームは伊達ではないということか…)」
エレン「さぁ…こい!」
ライナーニキは恵体糞打なのか
>>46 先攻の一回以外だとボロボロだからな…
山口「(大した連中だ…俺に出来ることは渾身の球を投げ続けることだけだ、ミカサには遅れをとったがエレン、お前には易々とは打たさん!!)」ビュッ
ズバーン ストラーイク!!
エレン「は!?遠くねぇか??」
審判「見事なアウトロー目一杯のストレートですね。僕はね、アウトローが好きで好きでたまらないんですよ…」
猪狩弟「(…あれ?何か崇高な生き霊が憑依してない…?)」
審判「インハイ見せられた後のエレン君には、さぞ遠く見えたでしょう。150キロなんていらないんです、ピッチャーはコントロールが命ですよ」
エレン「な、なるほど…」
審判(鮫島)「…ハッ!?こら何を無駄話している、プレイボール!!」
エレン「おっと」ギュッ
今なんか元・巨人のエースがいたぞ
山口「(これで終わりだ…ぬっ?!)」シュッ
ビューーー カクッ
エレン「(やべ、フォークだった!でも…!)」ザッ
山口「(引っ掛かりすぎた!!)」
エレン「(あんま落ち…ねぇ、当たれ、当たれ当たれ!!)」ブン
ガキィ ボテボテ
エレン「(ぐあーーーボテボテのサードゴロ!!とにかく走れ…!!)」ダッ
山口「やった…!」
香本「オーライなんだな…」スッ
スルッ
香本「」
山口「!!?」
パワプロ「(トンネル?!カバーに…!)」
十一郎(左)「やっぱ俺の出番だよな~」ポス
パワプロ「なっ、なんでお前その位置に…!」
十一朗「公式戦で初めてボール触ったよな~。やっぱこれは記念だから」スッ
十一朗「内野席で応援してる兄ちゃん達へのプレゼントかな~」ポイ
一同「」
-スタンド-
二郎「わ~い」
四郎「さすが十一郎、わかってるよな~」
十郎「だよな~」
----
審判「え、エンタイトルツーベース!ミカサ三塁、エレン二塁走者となり、試合再開!」
山口「」
ダイジョーブ「oh…ガッデム、とんだクソボーイデース…」ガタガタ
パワプロ「(ドラフ島の最後でこの兄弟どもがスタメンにならざる得ない時みたいなメンツの集まり方だったんだ…仕方ない、切り替えるしか…)」
山口「…」
パワプロ「山口、切り替えていこう。あと一人だ。お前の球はキレてるぜ。
山口「あ、あぁ…仕方のないことだ、ミスは誰にだってある。残り一人を確実に仕留める。」
駒坂「(ミスとかってレベルじゃないんだよなぁ…)」
松倉「(ほんとほんと)」
駒坂「(こいつ直接頭に…?!)」
山口「(公式戦であるとかないとか関係ない、俺のプライドにかけて
どんな理由があろうとこいつらに負けるなどということは許されない。)」
山口「パワプロ、バックアップ頼むぞ。」
パワプロ「おう、どんどん打たせてけ」
山口「香本、お前のことも信じてる。次は頼んだ。」
香本「わ、わかったんだな!もうヘマしない。」
山口「十一郎・・・もうスタンドに投げ入れるなよ。」
十一郎「だよな~やっぱマズイよな~…わかった、気をつけるよ。」
山口「・・・。次の打者は。」
アナウンス「6番、サード、アニ」
アニ「…」ギュ
アルミン「(単純に打つのが上手なのはエレンよりアニだ。最高のタイミングで回ってきた、正直アニで決めたい…!)」
コニー「アニー!ラッキー生かそうぜ、このまま逆転勝ちだー!!」
サシャ「これ勝ったら祝勝会する勢いですよね!アニ!!貴女の手に私の満腹がかかってますよー!!!」
ユミル「うーるせぇなぁ!アニの集中力切れちまうぞ、ほら、あんなにこっち睨んでら…お前ら試合後生きてらんねーぞ」ケラケラ
アニ「(あんたら…)」ギロ
アニ「(…。私は今、楽しい。あんたら一人一人が何に重きを置いて応援してるとかなんて関係ない、この野球という遊び自体もさることながら、この緊迫した状況が…)」
エレン「アニ!一打逆転だ、頼んだぞ!!」
ミカサ「多分野球で活躍したからといってエレンの心は動かない、だからアニ、どうせだから打つ確率の高い貴女で決めなさい…」
アニ「(チームで作ったチャンスを、一人に託して他は打順が来なければ一切手を出せない団体球技…)」
アニ「(不思議なルールだが、しかし決して個人プレーではない…皆で作り上げたチャンスを物にしなければならない使命感…)」
アニ「(ゾクゾクするよ…)」ギュッ
山口「(アニか…ここにきて絶好調の打者とは。思えばこの三年、一番野球を好きになったのはこの子だろうな)」ギロ
---
アニ「(単独行動の格闘術も確かに、決して嫌いではなかった。正直この世の仕組みや、自分の使命にがんじがらめになっていて、何をするにも楽しむ余裕がなかった。)」
アニ「(だけど…苦楽を共にした彼等とチームを組み、皆が一丸になるフォアザチームの精神を強く要求されるこのスポーツ、何だか心地いいんだ。)」
アニ「(巨人の私でも、あなた達と一つになれる気がするから。)」
アニ「(お父さん…格闘術以外で楽しいこと、やっと見つけたの。)」
アニ「(今この瞬間だけは、世界中で味方はきっと、お父さんだけじゃないはずだから)」
アニ「(私も…こんな私の味方で居てくれる人の力になりたい)」キッ
マルコ「いけ…いけ、アニ…!!」
ユミル「お、今更戻ったか、マル…コ!?あんたその姿…」
マルコ「アニに蹴りをくらって動けない間にアルミンにやられた…彼はキース教官より鬼だ…」
アルミン「マルコ…何かを変えられる人はね、大事なものでも捨て去ることの出来る人なのだよ…」
エレン「アーニ!アーーニ!!」
アニ「っ…//たくやかましいよ!」ギュッ
山口「(…大した威圧感だ。フォームは正に世界のaoki…重心が低く、捉えた際にはいかにも球に力が伝わりそうだ。)」
猪狩弟「(タイムリー二本はまぐれじゃない、アニは…兄を完全に攻略した打者…!!)」
猪狩兄「(守、発言が事故ってるぞ)」
猪狩弟「(!??// 頭に直接…)」
山口「(さぁ、初球は何で入る…)」
猪狩弟「(フォークは決め玉にしたい。かといってストレートを決め打ちされるのも怖いし、仕方ない…ここは今日見せてないションベンカーブから…)」バババッ
山口「(サインじゃなくて手話だと…ションベンカーブとかうるせぇ!!)」バババ
猪狩弟「(ちょ、山口さんから手話返さないで下さいよ、万が一読めればアニにバレます!冗談ですよ、流派なカーブです…)バババ」
山口「(俺のカーブを打てるかなっ…いけぇぇぇ!!)」ヒュッ
ピュー…ヘナヘナヘナ
猪狩弟「(こ、こいつぁ…全米が泣くレベルのションベン具合…!!!)」
アニ「ふん!!」ヵキーーン!!
山口、猪狩弟「」
青木フォームのアニ想像したら笑いが止まらなくなった、訴訟
パワプロ「何て速さの打球だ、右中間真っ二つ…!!ヤバイぞ松倉、早く!!!」
アニ「(やった…1日腹筋3000回の効果だよ!!)」ダダダッ
アルミン「ミカサ、エレン!回れ回れぇぇーー!!!!」腕グルグル
ミカサ「余裕…!」ホームイン!
ミカサ「エレンは…!!」クルッ
エレン「(三塁回った、一気にホームだ!!)」ダダダッ
矢部「松倉!バックホーム早くでやんす!!」
松倉「サヨナラなんて冗談じゃねえ、ぞっっ!!」ビュッ
ゴォォォ
駒坂「(良い送球だ、カット必要ないな…間に合え!!)」
アルミン「エレン…いっけぇぇぇ!!!!」
ビューン パシッ
猪狩弟「(クロスプレーだ…間に合え!!)」クルッ
エレン「うおおおおおっっ!!!」ズサァァッッ
…………
アニ「…ほぼ同時、判定は…!?」
猪狩弟「(際どかった、どうだ…!?)」チラ
審判「…セェェーフ!!!!」ババッ
エレン「!!ぃぃぃやったああぁぁぁっっ!!!!」
猪狩弟「…」ガクリ
山口「…」
アルミン「エレン!!アニ!!!僕らの勝ちだよ、サヨナラ勝ちだぁぁ!!!」ダッ
サシャ「うほーい最高ですぅー、皆、エレン達のとこ行きましょう!!」 ダッ
一同「ひゃっほーー!!」 ダッ
ミカサ「(抱きつくチャンス!)」
ミカサ「エレン…!」スッ
エレン「アニ!!」ダッ
ミカサ「!?」
エレン「アニ、よくやった、偉いっっ!!♪」ダキッ
アニ「あっ…//」
ミカサ「」
エレン「♪♪……うわ、すまん、つい!」バッ
エレン「って、アニ、涙…」
アニ「え…あ、あれ…?…!!見るな馬鹿っ!!//」プイッ ゴシゴシ
エレン「嬉しい時くらい素直になれよ、チーム一丸で掴んだ勝利だ!」
アニ「…う、うん。」ゴシ…
エレン「その中で、お前がmvpだしな!」ニコ
アニ「!……うん//」ニンッ
コニー「あ、アニが微笑んでるとこなんて初めて見た…」
クリスタ「(遠慮がちだけど優しげな泣き笑い…どこか儚い感じ、アニ凄く可愛い)」ウルッ
ライナー「ハニ、ほまえふぁほくはっは…(アニお前はよくやった)」
サシャ「エレンもミカサもナイス走塁でしたよ!」
マルコ「僕のこの惨状が無ければ僕自身もっと喜びが増すのに…でも、良かった!」
ジャン「悪かねぇな野球ってのも。」
ベルトルト「(チーム一丸…僕らは、仲間…なんだよな。)」
ミカサ「エレン、アニに近い」ズイッ
アルミン「皆最高だよ、最高のものを見せてくれてありがとう!!」
ワーワー
ワハハハハ
ガヤガヤ…
パワプロ「…お疲れ、良い勝負だった。」
山口「………すまん」
猪狩弟「配球誤りですよ、気にしないで山口さん。それに、相手も手強かったです。」
パワプロ「俺達も更に練習しなきゃな。またいつか対戦出来たときに負けないように、さ。」
矢部「あっしはあのピッチャーとは二度とゴメンでやんす…ふブルブル
パワプロ「あはは、さぁ皆、整列だ!」
審判「ゲームセット。5-6でジャイアントイェーガーズの勝ち。両チーム、礼!」
一同「ありがとっした!!」ペコッ
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ダイジョーブ「皆さん、ご協力感謝しマース。トッテモ良い試合でシタ。良いデータもトレマシタ。」
パワプロ「アルミン、君とコンタクト出来て本当に良かったよ。他の人間だったらこうは上手くいってなかったかもしれない。ありがとう。」スッ
アルミン「いや、こっちこそありがとう。正直ここまで熱中出来るようになるとは思わなかった。」ガシ
パワプロ「約束どおり、アルミンの夢に出るのはこれで終わりだ。君達は目覚めたら、夢に集合してから七時間後の朝だ。」
アルミン「…何だか、ほんとにただの夢なんじゃないかって思うよ」クス
パワプロ「はは!また対戦する機会があったときは負けないよ、それじゃ元気で!」
アルミン「うん、ありがとう!ばいばい!!」ブンブン
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チュンチュン
アルミン「…ん。う…?寮…男子部屋だ、戻って来たんだ。」
エレン「おう、おはようアルミン。」
アルミン「エレン!あのさ、エレン…野球、好き?」
エレン「はぁ?」
エレン「当然だろ!なっ、お前ら!」
コニーライナーベルトルトジャンマルコ「おう!!」
アルミン「そうだよね…僕もさ!」ニコ
アルミン「やっぱり夢じゃなかった、皆覚えていた。あっという間だったなぁ三年間。」
エレン「今日は休日だけど、野球づけだったせいか、何か手持ちぶたさな感覚になるな。」
アルミン「はは、いえてる。」
アニ「あんたら」
エレン「お、アニ。おはよう」
アルミン「おはようアニ。あのさアニも夢のこと覚えて…」
アニ「ちんたらしてない。ほらあんた達、さっさと行くよ。」スタスタ
アルミン「え、なに何処か行くの?」
アニ「あぁ行くさ広場に。なぁアルミン、皆呼んできなよ」スタスタ
アルミン「??アニ?」
アニ「だからさ…」クルッ
アニ「野球、しようよ//」ニコ
完
サシャ×ベルトルトのssに続き
二作目だけど…ss難しい。
皆さんよくあんなにしっかり書ける、
そのスキル羨ましいです。
今回も俺の駄文を読んで頂いた方々には本当に感謝です。ありがとうございました!
最近は気象変化激しいですが、皆さん風邪などひかぬようお過ごし下さいm(__)m
乙
>77
本当にありがとうございますm(__)m
書こうと思って忘れてたことが一つあった、各選手の参考フォーム。あくまで俺が適当にイメージしたものですので、皆さんのイメージと違ってたらゴメンナサイ!
コニー…石井琢
マルコ…シェフィールド
ライナー…畠山
ミカサ…小笠原道(打)、リンスカム(投)
エレン…落合
アニ…青木宣
ベルトルト…鳥谷
ジャン…ミレッジ
サシャ…中島
クリスタ…井端
ユミル…高橋由(打)、入来弟(投)
でした。
野球選手はぜんぜんわかんないけど面白かった
乙
>ユミル…高橋由(打)
これは天才ですわ
乙乙乙
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