男「巷では俺らがデキてるように見えるらしい」 友「へえ」 (22)

友「つまりそれは……」

友「僕らが所謂『おホモ達』って、思われてる、と?」

男「そうだ。まったく、馬鹿馬鹿しい」

友「僕らはただ、仲が良いだけだろうに」

男「まったくだ、まったく」

男「『同性愛者』がそうそう身近に居るわけがなかろう。ましてや、学生に」

友「ああ、その通りさ」

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男「更にだな、友」

友「なんだい」

男「俺らがこうして二人で『遊んでいる』というのも、その噂を裏付けているらしい」

友「なんだ、それは……」

友「休日を友人と過ごすことさえ、許されないのか」

男「どうやらその通りのようだぜ、友」

男「近年、同性愛は一般化してきた。そこらの小学生でも『ホモ』だとか『レズ』を知っている」

友「うん」

男「だが、それは必ずしも『理解』されているとは、言えない」

友「……そうだね」

男「不潔だとか、悪臭が立ち込めるだとか」

友「うん」

男「良いイメージではない。嫌悪感を露にし、こういった人達を差別する事例さえあるようだ」

友「僕らは決してホモじゃないけど、それは悲しいね」

友「人類は、種の壁を越えてわかり合える信じてたけど」

男「ああ、悲しいな」

友「……と、そんなことより」

男「どうした」

友「『喉』……渇かない?」

男「あ、ああ。そうだな」

男「朝からゲーム三昧で、こうして語らって。喉が渇かない道理など無いな」

友「何飲む?」

男「カルピスとか、あるか?」

友「分かった。すぐ、持ってくるよ」

男「ありがとう。頼んだ」


男「……」

男「他人の部屋に、己が一人。更に主は席を離れた」

男「部屋を探索しない道理もまた……無いだろう」

男「ふっ。友め、よもや色本などを床の下に貯蔵してるのでは、あるまいなあ」

がさごそ


男「……おや」

男「この『日記』とただ書かれたノート……不自然な位置にあったな」

男「まるで、人の目に『触れない』よう、持ち主が隠したかのように」


男「まだ、来ないか。……よし」

男「読もう」

パラッ

男「なるほど。日付を鑑みるに」

男「2012……まだ、入学したてであり、俺らが初めて『友人』と呼べるようになった日か」

男「ここから、現在の昨日にいたるまで、一日も欠けることなく書かれている」

男「……さすが、友だ」

男「どれどれ、書かれている内容も」


2012 4/3 入学

"僕は興奮している。胸の鼓動が、睡眠を妨害する。
だから、ペンを手に取った。高校デビューだ。仕方ない。
だが、それとは別に……。"


男「意味ありげだな、友」

男「次は……」

パラッ

友人(友人とは考えてない)

友(女)

お ま た せ
アイスティーしかなかったけどいいかな?

男(女)

あっ(察し)

コメントが予想通り過ぎた

コメント()

コメント(ここではレスポンス)

細けえことはいいんだよ!

いや良くないよ
郷に入りては郷に従えよ

やれやれ幾ら郷だからってそこまで口を尖らして言うもんでも無いだろう?頭がチタンで出来てんのかね、次から気を付けるよ今日はしゃぶってやるからさ

(ボロン)

全く、お前は人の話を聞かないからな……
お前の為に言っている部分も二割方あるというのに、今日はしゃぶられてやるよ

2012 4/4

"今日は委員をそれぞれ決めた。自分は無論、学級委員だ。
同じ中学の奴から推されたのもあるが、
何より、仕事が欲しかった。因みに彼は風紀委員になったようだ。"


男「……彼?」


2012 4/5

"授業が始まったが、期待していたほどではない。
応用のようなものばかりで、目新しいものは何もない。
だが、楽しかった。授業中、彼から丸められた手紙が飛んできた。
嬉しい。"


男「彼っていうのは、俺のことか」

男「ははっ、友め。なかなか可愛いじゃないか」

男「……ふむ」

パラパラッ

男「4,5月は特に無いな……っと、ん?」

2012 6/12

"女子から告白された。高校に入ってからでは、始めてだ。
僕はこの度に、顔を歪めてきた。苦痛なのだ。
悲痛な表情を、僕は崩さない。さすがに、
そんな僕の面持ちで相手は察したらしく、応えを受け入れるため、構えた。
ごめんなさい。そう言うと、彼女は笑顔で去った。"


男「ほう」

男「友は意外とモテるようだな。この後、何回も『女子』或いは『男子』に愛を告げられている」

男「その度に断っているようだが……もしや」

男「意中の相手が居るのか。それは、どこかに書いてないものか」パラパラ

ガチャッ!

男「!」

友「おまたっ……せっ」

男「あ、ああ」

友「……何を、見てるんだい?」

男「ええと、これはだな。友の『日記』のようだ」

友「そんなの分かってるさ!」

友「だから、何で見てるのかって!」

男「……」


友「はぁ、もう仕方がない。どうせ、読んだんだろう?」

男「あ、ああ。俺のことをえらく気に入ってくれてたようで、嬉しかった」

友「う、うん、それもあるけど」

男「?」

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