プロローグ
AM3:14
-VIP高速都心環状線-
ここは大都会VIP市の中に張り巡らされている人と物を繋ぐ都心の大動脈。
常に交通量は多く、ピーク時である早朝から夕刻にかけてはおよそ2千台もの通行車両が行き交う程。
なお、最高速度は70?だがそんなものは無視も当然。およそ120?ぐらいが列を乱さない速度だろう。
なら夕刻から深夜にかけてはどうだろうか?
確かに交通量はピーク時程では無いものの、それなりに車両は行き交う。
深夜となれば行き交う車両の速度も気持ちあがっていっている。
しかしその中に"それ"達とは違うスピードで走っている影がいる。
「あいつ、ほんと飛ばしすぎじゃないかい?」
「彼は今最高速トライアル中なんだお。最近またエンジンに手を入れたみたいなんだお」
「そんなこと言ったってねぇ… 僕にはこんな荒れた路面で飛ばす事が無謀だと思うよ」
「この都心環状は走り屋達の永遠のステージだお。今までどれだけの走り屋達が伝説を作ってきたかと思うとゾクゾクするお」
「お、来たお! 名物75度右コーナー?」
明らかにそれ達とは違うスピードで駆け抜けている影は、体制制御の為ブレーキをかける。
「ブオン?ブォーーー?」
スロットルを軽くオンにしギアダウン。
そしてすばやく体制をコーナーに合わせる様、右にフルバンク。
「ブァァァァアアアアアンッッ!!!!」
立ち上がりとともに一気にスロットルオン。
咆哮にも似たその排気音はか細いボディからは想像もつかない音を奏でる。
空冷直列四気筒DOHC2バルブ。
現代の二輪車ではない旧スペック。
赤と黒に塗られたボディとサイドカバーにはきらりと誇らしくエンブレムが輝いていた。
「YAMAHA XJ400D」
('A`)「んーまぁまぁって言ったとこか…
中速のトルクが足りねーかな」
ライダーはトライアルに一旦見切りをつけスピードを落としながら高速の降り口に向かう。
今、鉄馬の走りに魅せられた男達の新たな伝説が始まろうとしてる。
('A`)は風切りイタチのようです。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1403435060
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('A`)の顔が変なのは仕様?
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