男「あっけない」(18)
男「はあ...あっけない」
男「この缶コーヒー、上手いのに量が少ない」
男「家に帰って何をしようか」
男「まあ大体酒飲んで、眠くなって気づけば朝」
男「ああ、仕事行かなきゃ...」
男「...の、繰り返し」
男「...あっけない」
男「ただいま」バタン
男「...」
男「...あっけない」
男「ただいまからのおかえり」
男「学生時代は当たり前のように感じていたのに」
男「しかし、そう思えた俺はなんて贅沢だったんだろう」
男「言葉のキャッチボール」
男「言葉のキャッチボール」
男「あっけない」
男「..そうだ」
男「絵を描こう」
男「そうだ..趣味でも持とう」
男「...」
男「...」
男「あっけない」
男「大体絵なんてうまく描けない」
「練習すればうまくなるさ」
「努力は報われるさ」
男「あっけない」
男「大体そういう奴らのいうことは九割自慢さ」
「そんなことはない」
男「ふーんそうですか」
男「きっと自分の経験を他の人に教えて」
男「成功者が一人でも多く産まれればいいという」
男「素晴らしいお考えをお持ちのようです」
男「ですから彼らは、それを綴り、本にして」
男「全世界の人々に発信するのです」
男「有料でね」
男「ああこの本は読んで為になった」
男「私も明日から実践しよう」
男「素晴らしいですね、尊敬します」
男「ま、変われた人が何人いるかだけが楽しみですが」
男「はーい、変われなかったみなさーん」
男「残念でした、他のやり方探しましょー」
男「...これが経済か」
男「あっけない」
「しかし失敗は必ず成功へつながるのさ」
男「あ、はい、それには賛成です」
男「ではこのニュースを見てみましょう」
男「あらら、小学生の行列に車が...」
男「きっと逝ってしまった数人の中にも」
男「勉強が出来る子、はたまたスポーツが出来る子」
男「逆に出来ない子」
男「おっと失礼、まだ可能性がある子...」
男「色々いたでしょう」
男「彼らは成功と失敗を繰り返し」
男「これから大きくなるはずだった子らです」
男「..」
男「残念、冒険の書は無くなっちゃいました」
男「お父さんお母さん、作り直してね」
男「あっけない」
人の命を粗末に扱うな!!!!!
男「それは地球と神様に是非大きな声で言ってやって下さい」
男「あなたの宗教なんて知りませんが」
男「あっけない」
男「さあてお酒でも飲もう」
男「量には気をつけて」
男「急性アルコール中毒で逝っちゃう子とかいるからね」
男「ああ、あっけない」
男「救急隊員にこんなことで迷惑をかけてまで」
男「まあ、何もせずただ死ぬよりはいいんでしょうか」
男「彼らにとっては」
男「ホント、見栄を張るやり方で」
男「馬鹿かそうでないかが分かりますねぇ」
男「一気飲みが見栄を張るということと、どうつながるのかは理解出来ないけど」
男「...ふう」
男「一日分のお酒おしまいっと」
男「ああ、気持ちいい」
男「あと20分後には寝ているだろうな...」
男「しかしきっと、こんなアパート暮らしの俺を」
男「家族持ちで一軒家に住む人々はどう見るだろうか」
男「本人がいいならそれでいいと思いますよ」
男「まあこんなところだろう」
男「ストレートに言う人もいるだろうけど」
男「あっけない」
男「言ったところで変わらない」
男「思っても変わらない」
男「そんな日常が最高だ...」
男「まあ押しかけ妻が来れば分からなくなるけど」
女「こっ、こんにちはっ!!」バタン!!!!
男「...」
男「むぅ...」パチ
男「残念朝でした」
男「あっけない」
男「夢の中の女は」
男「たった一行で現によって殺されたのだ」
男「あっけない」
男「さて、仕事に行かないと」
男「そう言えば私は」
男「朝食はきちんととっている方である」
男「なぜ?と思った諸君」
男「特に理由はない」
男「あっけない」
男「おっといけない」
男「行ってきます」
男「...」
男「あっけない」バタン
男「私はパソコンを叩いている仕事はしない」
男「パソコンが羨ましくなってしまうのだ」
男「今日は○○公園の木の手入れか」
男「そう…何気なく見ている木も」
男「僕とかが手入れしてるんだ」
男「まあ木からすれば余計なお世話ですね」
男「あっけない」
男「きっと今日も暑くなるだろうな」
男「しかしあの公園はだいぶ遊具が古くなっているんだよな」
男「結構前からあったし...
キーッ、ドン
残念、あなたの人生は前方不注意の
営業マンの運転する車に轢かれ死んでしまった
コンティニューボタンとかもないんで
悪いけど諦めてね
プレーヤー「はあ、あっけない♡」
完
もう終わったか
あっけない
あっけない(褒め言葉)
あっけな乙
あっけなく終わりたいよね
あっけない
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