モバP「卜占の代償」 (67)
モバマスSSです。
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お久しぶりです。古典シリーズです。
少し副業の関係で書けていませんでした。
ちなみに、これともう一つくらい書いたら野球の方でも進めます。
すみません。
事務所
小梅「おー…」
幸子「なんだか、こう体を動かしたくなりますね」ソワソワ
P「ん?何か見てるのか?」
蓮実「あ、おはようございます」
P「映画か?」
幸子「卓球の映画です。i can fly!って叫ぶ奴です」
P「あー、あれか。結構好きだったよ」
蓮実「いいですよね」
P「それにしても小梅はこういうのも見るんだな」
小梅「たまたま…ですけど…ね」
幸子「ボクもヒーローみたく華麗に参上したいですね」
P「空から降りるか?i can flyって言って」
幸子「…遠慮しておきます」
ちひろ「寝不足ですか?」
P「よく気づきましたね」
ちひろ「まぁ、長い付き合いなんで」
P「まぁ、確かに長いですね」
ちひろ「まさか、お仕事のせいですか?」
P「いや、実はですね…野球が」
ちひろ「なるほど…」
P「テレビ中継だったんで、途中で終わるかなって思ってたのに最後までやりきっちゃいまして」
ちひろ「でも、惜しいですね。九回までノーヒットノーランしてたのに」
P「そういうめぐり合わせなんでしょうかね」
ちひろ「悲しい星の下に生まれましたね。えーと、分かってるとは思いますが、無理はしないで下さいね」
P「はい。ありがとうございます」
P(惜しかったなぁ…)
事務所
蓮実「なにしてるんですか?」
小梅「えっと…こっくりさん?」
幸子「なんですそれ?」
小梅「う、占い…かな?」
幸子「占いですか?」
文香「占い…?」
小梅「えっと…ダメ?」
文香「ダメと言うわけでは…」
蓮実「あ、そう言えば、ちょっと前に流行りましたよね。今思い出しましたけど」
文香「そうでしたっけ…?」
蓮実「少なくとも私の所はですけどね」
小梅「えっと、こうやって『はい』と『いいえ』書いて…」
幸子「それでこっちに五十音を…と」
杏「なにしてんの?」
小梅「こ、こっくりさん…です。どうですか?」
杏「ふーん。杏は見てるだけでいいよ」
蓮実「なんだか昔に戻った気分です」ワクワク
小梅「えっと…何を聞こう…か?」
幸子「そうですねぇ。あ、そうだ。凛さんの好きな人は誰ですか?」
杏「なんでわざわざ聞くの?」
幸子「ほら、信憑性を確認しないといけませんから…」
蓮実(周知の事実みたいになってるんだけどいいのかな…)
小梅「えっと…それじゃ、皆で、コックリさん、コックリさん、おいでください…って念じます」
幸子「分かりました」
蓮実「はい」
杏「面倒だなぁ…」
小梅「…せーの」
コックリサン、コックリサン、オイデクダサイ
グググ
幸子「あ、動き出しました! 動き出しましたよっ!」
小梅「あ…」
蓮実「凄いですね!」
杏「手品に使えそう」
幸子「えっと…ぷ、ろ、で、ゆ―」
杏「もう良くない?」
幸子「そ、そうなんですけど、なんか指が動かな…あっ、動きました」
蓮実「大丈夫ですか?」
幸子「はい。平気みたいです」
幸子「と言うかこっくりさんは本物みたいですね」
小梅「それじゃ、次は…」
蓮実(何にしようかなぁ…)
蓮実「えっとそれじゃあ…」
ワイワイガヤガヤ
ガチャ
P「そろそろしご――何やってるんだ?」
幸子「な、なんでもないですよ」
幸子(さ、流石に凛さんの好きな人を占ってPさんが出たとは言えないですよね…)
小梅「…うん。気にしないで」
蓮実「お仕事ですか?」
P「おう。幸子と小梅のな」
幸子「あ、はい」
小梅「はい…」
蓮実「無理しないで下さいね」
P「ありがとな」
事務所
ちひろ「そう言えば文香ちゃん」
文香「…はい」
ちひろ「こっくりさんって本当に効果があるんですか?」
文香「さぁ…どうでしょうか。やったことないですから」
文香「それに、私の周りで成功した人もいないみたいですし…」
ちひろ「占いの一種ですよね?」
文香「そう…だと思います」
ちひろ「文香ちゃんは占いとか信じるんですか?」
文香「わ、私は…その…えっと、良い時だけ…信じます」
ちひろ「ですよねー。なんにせよ文香ちゃんが安心って言うなら問題ないんですかね」
文香「そ、そこまで信頼されても…」
P「二人してなんの話をしてるんですか?」
ちひろ「占いの話ですよ」
P「そうですか…。それじゃ営業に行ってきます」
文香「…行ってらっしゃい」
文香「でも…一つ気になることがあります」
ちひろ「なんですか?」
文香「こっくりさんの正体は低級霊だと言われています」
ちひろ「あー、妖精さんですよね?」
文香「…まぁ、そんな感じです」
文香「何が目的なんでしょうかね…?」
ちひろ「目的ですか?」
文香「えぇ。わざわざ使役される意味です」
ちひろ「呼ばれたから応えたってことじゃないんですかね?」
文香「それはそうだと思いますが…」
ちひろ「どうかしましたか?」
文香「いえ、やっぱり、何でもありません」
ちひろ「そうですか」
文香(使役した代価は何を支払うことになるのでしょうか…?)
テレビ局前
P「…いい天気だな」
ポツ…ポツ
P「ん?え、雨?」
ザー
P「参ったな…」
P「晴れてるから平気だと思ったんだが…」
P「と言うか、晴れなのに雨って面白い天気もあるもんだな」
P「狐の嫁入りとか言うんだっけか」
ゾクッ
P「ん?急に寒気が…」
P「どうしたんだろ…気のせいか」
P(お、止んできたみたいだし、帰るか)
事務所
蓮実「それじゃ、お疲れ様でした」
ちひろ「お疲れ様でしたー」
杏「おつかれー」
ちひろ「あれ、杏ちゃんレッスンは?」
杏「杏の心の中で済ませたよ」
ちひろ「…是非体の方でもお願いします」
杏「しょうがないなー」
ちひろ「ほら、飴あげますから」ヒョイ
杏「ん。うまうま。それじゃ、行ってくるね」
ちひろ(最近杏ちゃんの扱いが分かってきた気が…)
駅
トントン
蓮実「えっ…」
蓮実「あ、プロデューサーさん。今から事務所に帰るんですか?」
「まぁ、そんな感じかな」
蓮実「お疲れ様です」
「ちょっと、話さないか?」
蓮実「え、あ、構いませんが、事務所まで戻った方がいいですか?」
「いや、歩きながらで」
蓮実「分かりました」
蓮実(なんだか雰囲気が違うような…)
「最近どうだ?」
蓮実「えっ、あ、はいっ。楽しいです」
「ならいいが」
蓮実「あの…お話ってなんですか?」
「唐突な話で申し訳ないが」
「…もし、俺についてきてくれって言ったらどうする?」
蓮実「え…?」
「あー、えっと、あの事務所を抜けて、マンツーマンでプロデュースしたいと言ったらどうする?」
蓮実「どうするって…他の皆さんは?」
「まぁ、当然プロデュース出来ないことになるな」
蓮実「そうですか…」
蓮実(いきなりどういうことでしょう…?)
「もし、受け入れてくれるなら、この手を取ってくれ」スッ
「俺は蓮実となら一番を目指せると思うんだ」
蓮実「…意外ですね。そういうことを言うなんて」
「そう感じたからな」
蓮実「どういうことですか?」
「そのままの意味だよ」
蓮実「そのままの…」
蓮実(もしかして…)
蓮実「さっきの占いの内容でも聞いてたんですか?」
「どうだろうな」
蓮実「だとしたらプロデューサーさんらしくないですね」クスッ
「ん?」
蓮実「今の私がいるのは皆さんのおかげなんですよ」
蓮実「皆がいてこその私なんです」
蓮実「だから…その申し出は受けられません。そもそもそんなこと考えられません」
蓮実「今の事務所のままで頑張ります」
「そうか。悪かったな」
蓮実「いえ…。あ、でも、いつかは私のことだけ…なんて言いませんが、しっかり見て下さいね」
「あぁ…」
蓮実「夢見る少女が夢を見せる少女に変わるその時を」ニコッ
蓮実「そういえ――」
蓮実「…あら?」
蓮実(プロデューサーさんはどこに…?)
蓮実「用事でもあったんでしょうか…?」
蓮実「だけど…こっくりさんって本当に効果あるんですね」
蓮実(思うことと、実際に言われるのとだとやっぱり違いますね…)
蓮実(分かってたことでしたけど)
蓮実「私はやっぱり、抜け駆けとかしないで、皆でトップに立ちたいです」
蓮実「さてっ、帰りますか」
レッスン室
幸子「あ、どうも。珍しいですねこっちに来るなんて」
「ちゃんとやってるか気になってな」
幸子「杏さんじゃありませんし、しっかりやりますって…」
「そうかそうか」
幸子「そうですよ。それで、どうかしたんですか?」
「実は相談ごとがあってな」
幸子「ボクにですか?」
「そうなんだ」
幸子「事務所の方に行きますか?」
「いや、ここでいい」
幸子「そうですか。こんな恰好ですけど、許して下さいね」
「あぁ」
幸子「それでなんですか?」
幸子(ボクに質問なんて珍しいですね…)
「凛が俺のことを好きだって噂を聞いたんだが…」
幸子「えっ!?」ブッ
「大丈夫か?」
幸子「だ、大丈夫なワケないじゃないですか…思わず、ジュース吹いちゃいましたよ…」
「モップ掛けしとくな」
幸子「…すみません。って、そうじゃなくて!」
幸子(噂ってことは本人から聞いたってワケじゃなさそうだし、ってことはもしかして…)
幸子「あ、あれはですね!あくまで噂ですよっ!」
「そうなのか」
幸子「そ、そうですよ」
幸子(と言うか、誰でしょうそんな噂流したの…凛さんに怒られますよ)
「そう言えばさ、幸子」
幸子「なんですか?その話はただの噂話ですよ?」
「幸子はどうなんだ?」
幸子「え?ボクですか?」
幸子「えっと…ボクの話ってことは…えーと、ボクがPさんを好きかどうかって?」
「そういうことになるな」
幸子「え、ええっ!? いきなり何を聞いてるんですかもう…」カァァ
幸子(なんで、なんでこんな話になってるんですか?)ドキドキ
「悪い悪い」
幸子「いや、悪い訳じゃないんですけど…」
「例えばさ」
幸子「は、はいっ」
「俺が今すぐ幸子と二人でどこかに行きたいって言ったらどうする?」
幸子「りょ、旅行ってことですか?」
「まぁ、近いかな」
幸子「それは願ってもな…じゃなくて、ボクは明日も仕事があるってことは知ってますよね?」
「そうだな」
幸子「全く…Pさんらしくもないですね」
「それじゃ、今からどこかに行こうって言ったらどうする?」
幸子「な、なんだか珍しく積極的ですね」
「どうする?」
幸子「ど、どうって…まだレッスンだってありますし…」
「いいじゃないかそんなの」
幸子「そんなの…?」ピク
「どうかしたか?」
幸子「らしくありませんね。Pさんの口からそんな言葉が聞けるとは」
幸子「練習が、基本が大事って言うアナタらしくないですね」
「……」
幸子「そりゃ、確かに、ボクを誘ってくれるのは嬉しいですけど…ですけど!」
「ですけど?」
幸子「ボクがPさんの隣に立つにはまだ足りないんです」
幸子「その時になったら、また誘って下さい」
幸子「その時は、喜んでついていきますから」
幸子「な、なんだか、恥ずかしいですね…」ポリポリ
「悪かったな。それじゃ頑張ってくれ」
幸子「い、いえ…あ、誘ってくれたのは嬉しかったです…ホントですよっ?」
幸子「そう言えば、凛さんの噂はどこで聞いたんですか?」
「どこだったかな…」
幸子「もしかして…占いをやってた時に聞いたんですか?」
「そうだったかな」
幸子「なるほど、ようやく合点がいきましたよ…」ハァ
杏「誰と話してんの?」
幸子「え?Pさんとですけど」
杏「どこにもいなくない?」
幸子「え?さっきまでここに…」
幸子(あれ…?)
杏「まぁ、用事でも思い出してどこかに行ったのかもね」
幸子「杏さんはどうしてここに?」
杏「なんとなく?あ、杏も用事思い出したから…」
幸子「一緒にレッスンしましょうよ」
杏「えー」
幸子「いいじゃないですか」
杏「なんだか、積極的だね。いいことでもあったの?」
幸子「えっと…強いて言えば、目標の再確認が出来たことでしょうか」
杏「?」
幸子(いつか、占いに頼らず聞きますね)
幸子(『プロデューサーさんは、ボクのことが好きですか』って)
住宅街
小梅「め…珍しいですね…」
「そうだな」
小梅「……?」
「どうかしたか?」
小梅「…誰?」
「おいおい。プロデューサーの顔くらいは覚えていてくれよ…」
小梅「アナタは…違います」
小梅「…どちら様?」
「ま、そんなことはどうでもいいじゃないですか」
小梅「……」ジー
小梅「えっと…あれ、どこかで…?」
「どうです、あなたもこっちに来ませんか?」スッ
小梅「こっち?」
「想像の通りですよ」
小梅「えっと…」
「きっと、楽しいと思うんだ」
小梅「……」
「どうだい?」
小梅「い、いや…です」
「どうして?」
小梅「き、きっと…昔の私だったら、そっちに行ってました…楽しそうだなって。今がつまらないって…」
小梅「で、でも…今は、そっちと同じくらいワクワクすることを見つけた…の」
小梅「そ、それに…そっちに皆はいません…。Pさんも含めて」
小梅「ま、まだ…見て見たいの…。わ、私が変わるのを…」
小梅「陽の下で…踊って…みたいんです」
小梅「だから…その、ごめんなさい」ペコリ
「…変わりましたね」
小梅「…え?」
「あなたは以前もあの占いをしたことがありますよね?」
小梅「い、一回だけですけど…」
「その時の雰囲気とは全く違います」
小梅「そ、そうですか…?」
「えぇ。何というか…人間っぽくなりました」
小梅「も、元々人間…です」フンス
小梅「あ、あの…!」
「ん?」
小梅「一つ質問していいですか…?」
「元々そういう存在ですから」
小梅「わ、私は、ア、アイドルとして…頑張れますか…?」
「……」
小梅「あ、あの…」
「その答えは自分の目で確かめてみると良いと思いますよ」
小梅「あっ…はい。ありがとう…ございました」
小梅「きっとPさんが見てても…占いの結果で…満足するな。って言われそう」
小梅「ん?うん。そうだよね…」
小梅「もし…何かに流されたままだったら…私はここにいないよね」
小梅「明日からも…頑張らなきゃ」
小梅「え?なに…? うん。え、えっと…えいえいおー?」
P「…何してるんだ?」
小梅「…え?」
P「うん?」
小梅「…本物?」
P「ん?本物もニセモノもないと思うんだけど…」
小梅「え?え?」
小梅「な、なんで、こんな所に…?」
P「たまたまな」
小梅「あう…」
P「なんか元気そうだったから声掛けたんだけど邪魔だったか?」
小梅「そ、そういう…訳じゃないです」
小梅「あ、少し、お話しませんか?」
P「あぁ、事務所戻るだけだし、いいぞ。車乗ってくれ」
小梅「…はい」
車内
P「それで、どうかしたか?」
小梅「ちょっと…お話したいなって…思っただけ…です」
P「そうなのか」
小梅「…はい」
小梅「……」
P(なんか、気まずいな…)
P「そう言えば、ユニットでの仕事はどうだ?」
小梅「楽しい…です」
P「楽しいか。良かった。そう言ってくれると組んだ甲斐があったよ」
小梅「い、今は…何でも楽しいです」
小梅「な、なんでかな…?」
P「小梅が一歩踏み出した結果じゃないかな?」
小梅「…Pさんがいるからだと、思い…ます」
P「え?」
小梅「だって…Pさんがいなかったら、きっと…こんな風にはなってないです…」
P「まぁ、確かにな」
小梅「アイドル…っていう、新しい風景を見せてくれたのもPさん…です…」
P「そうだな」
小梅「だから…責任、取って下さい…ね?」ニコッ
杏宅前
杏「お、早いね帰ってくるの」
「まぁな」
杏「杏は寝るから」
「おやすみ」
杏「やけに物分りがいいね。Pさんらしくない。いつもだったら色々言うのに…あ」チラッ
「そうか?」
杏「うん。あ、それと、普通の人には影が出来るから。それじゃ杏は寝るね」バタンッ
「……」
事務所
P「ただいま戻りました」
ちひろ「お疲れ様です。遅かったですね」
P「ちょっと小梅を送ってましたんで」
P「そう言えば、さっきあいつらは何をしてたんですか?」
ちひろ「あいつらって…幸子ちゃん達ですか?」
P「そうです」
文香「こっくりさんです」
P「そんなのやってたのか」
ちひろ「あ、危なくないですよね?」ソワソワ
P「ただの占いでしょうし、そこまで心配は要らないと思いますけど」
ちひろ「な、なら、いいんですけど…」ホッ
文香「あ、そうだ。一つお聞きしたいんですが」
P「どうした?」
文香「幽霊が報酬に何かを要求するとしたらなんだと思いますか?」
P「まぁ…定番だけど、魂とかか?」
文香「…ですよね」
ちひろ「え?え?」
P「そう言えば、あいつらは何を占ってたんだ?」
文香「それは…本人に聞いてみてはどうでしょうか」
P「答えてくれるとは思わないけどな」
文香「確かにそうですね…」
翌日
事務所
幸子「Pさーん」
P「どうした?」
幸子「ボクの為にカワイイ仕事一杯取ってきて下さいね」
P「あぁ」
幸子「昨日の答えは、時間はかかりますけど、いつかしますから。覚悟しておいてくださいね」
P「……ん?」
P(何の話だ?)
幸子「それじゃ、レッスンに行ってきますね」
蓮実「あ、おはようございます」
P「おはよう」
蓮実「昨日はちょっとだけ生意気な口を聞いてしまってすみません」ペコリ
P「ん?そうだっけか」
蓮実「はい。ただ、私はこれからもこの事務所で頑張っていきたいと思います」
P「そうだな。皆と一緒に頑張っていこう」
蓮実「えぇ。やっぱり、プロデューサーさんはこうでないと」
P「俺はいつもこんな感じだと思うけど…」
蓮実「あはは。そうですね」
蓮実「当面は皆さんと同じ土俵に立てるように頑張りたいと思いますので、よろしくお願いします」
小梅「ちょっと…いい?」
P「あぁ」
P「どうした?」
小梅「えっと…」ジー
P「何かゴミでも付いてるか?」
小梅「べ、別に…そういうわけじゃない…です」
P「それじゃ、何か憑いてるか?」
小梅「そ、それも違います…本物だよね?」
P「本物?昨日も言ってたな」
小梅「き、昨日よく似た人に会ったんです」
P「そっくりさんか」
小梅「そういう…感じじゃない、です」
P「違うってことは幽霊にでも会ったか?」
小梅「た、多分…えっとですね――」
P「そんなことがあったのか」
小梅「…はい」
P「お疲れ様」
小梅「驚かない…んですか?」
P「単純に理解が追いついてないだけだよ」
小梅「あ、えっと…噛み砕いて説明すると…」アタフタ
P「あ、内容は分かったからいいよ」
小梅「な、ならいいです…けど」
小梅「も、もし…」
P「うん」
小梅「あのまま…手を取ってたらどうなってたんだろ…?」
P「ここにはいないだろうな」
小梅「そう…なのかな?」
P「だろうな。もし、その俺によく似た人がこっくりさんで降りてきた幽霊だったんだったらね」
小梅「な、なるほど…」
P「そう言えば、小梅はどうやって断ったんだ?」
小梅「えっと…嫌ですって」
P「そういうの好きそうなのに」
小梅「で、でも…」チラッ
P「でも、どうかしたか?」
小梅「…むぅ」ペシペシ
P「ど、どうしたんだよ」
小梅「Pさんなんて…爆発しちゃえ」
小梅「あ、えっと、今のお仕事は楽しい…です」
P「それは良かった」
小梅「えっと…まだまだ、だと思う…けどお願いします」ペコリ
P「こちらこそ」
小梅「……」ジー
P「ど、どうした?」
小梅「あ、えっと…その、Pさんとだったら、あっち側に一緒に行ってもいいかなって」
小梅「どこに、行っても私を…さ、支えてくれそう…だから」
P「小梅…?」
小梅「や、やっぱり忘れて…!」カァァ
小梅「でも…いつも、見てくれると嬉し…いです」
P「あぁ」
事務所
ちひろ「それじゃ皆平気だったんですね」
P「えぇ、なんら問題はありませんでしたよ」
ちひろ「インターネットで調べたんですけど、こっくりさんって狐狗狸さんって書くみたいですね」
P「そうなんですね」
ちひろ「そういう風に書くとちょっと怖いですよね」
P「まぁ、確かに言われてみれば」
ちひろ「こうやって何でも、インターネットで検索すれば出てくるって便利ですよね」
P「そうですね。だから、こっくりさんのようなものがいつ時代でも、時代を超えて流行るのかもしれません」
ちひろ「もし、インターネットで呪いのビデオみたいなのが流行ったら一瞬で全世界が感染しちゃいますね」アハハ
P「流石にそれはフィクションだと思いたいですけどね」
ちひろ「自分で言っててもそう思います…」
P「しかし、狐狗狸って書くんですね」
ちひろ「みたいですよ」
小梅「た、ただいま…」
P「おかえり」
小梅「…うん」
P「俺のニセモノには遭わなかったか?」
小梅「は、はい…」
小梅「い、今は何をしているんですか…?」
P「ん?見ての通り資料の整理だよ」
小梅「そ、そうですか…し、失礼します」ポフッ
P「どうかしたか?」
小梅「えっと…その、ここが落ち着くなって」
ガチャ
ちひろ「ただい―。なにしてるんですか?」
小梅「あ、えっと…その…」カァァ
P「ちょっと打ち合わせをですね」
ちひろ「そうですか。隣に座ってるもんだから何ごとかと思いましたよ」
小梅「その…ありがとうございます」ヒソヒソ
P「気にするな。実際仕事の話もあったわけだし」
小梅「あ…これ…」
P「次の仕事なんだが、衣装はどっちの方がいい?」
小梅「えっと…私は…涼しい感じの方がいい…です」
P「分かった。そうしておくな」
小梅「ありがとう…ございます」
事務所
小梅「その…ありがとうございます」ヒソヒソ
P「気にするな。実際仕事の話もあったわけだし」
小梅「あ…これ…」
P「次の仕事なんだが、衣装はどっちの方がいい?」
小梅「えっと…私は…涼しい感じの方がいい…です」
P「分かった。そうしておくな」
小梅「ありがとう…ございます」
事務所
ちひろ「ちょっと出てきますね」
P「どうぞー」
P「…静かだな」
P(こんな時間に事務所にいるのも久々だし、やれることはやっておかないと…)
小梅「……」フラー
P「どうした?」
小梅「…ぴたり」ピタ
P「大丈夫か?」
小梅「…えへへ。あったかい」
P「小梅はひんやりしてるな」
小梅「ゆ、幽霊みたい?」
P「そこまでではないけどな」
小梅「私の…心臓の音聞こえる?」
P「いや、流石に聞こえないな」
小梅「とっても…ドキドキしてる」
P「そうか」
小梅「毎日がキラキラしてるのも…胸がドキドキするのも…Pさんのおかげ…かな?」
P「どうだろうな」
小梅「…む」ペシペシ
小梅「や、やっぱり…爆発しちゃえ」
終わりです。
見て下さった方ありがとうございました。
ああああああああああ小梅可愛いよおおおおおおおおおおおつ!
乙
杏の神経の図太さというか、リアクションの少なさに笑った
それでは解説です。
と言ってもこっくりさんは、年代を問わず流行っている占いみたいなものですね。
漢字で書くと狐狗狸さんと書きます。原因としては、幽霊だったり、潜在意識だったり、筋肉疲労だったりと諸説あるようです。
場所によってはエンジェルさんと呼んでいる場合もあるそうです。
別件で、余り関係ありませんが、このシリーズの動画みたいなものを作成中だったりします。
https://www.tumblr.com/blog/tatara0202
作り始めたばかりで至らない点も多数あると思いますが、応援してくれると幸いです。
何かあればどうぞ
>>53の動画の見方がわかんないです
tumblrで更新教えてくれるのは嬉しい
乙でした
古典シリーズのメインと外伝がよくわかんなくなってきたんだけど
これは外伝でいいのかな?
ここの杏いいなぁ、達観してるって感じ
動画か、立絵支援したいが1体しか居ないんだよなww
tumblrとやらはパス要求されて見れなかったが
あらら、すみません。
tumblrのURL違いましたね…。
これなら見れると思います。
動画はこれからも増やしていけたらなと思います。
見れました!わーい!ありがとうごぜーます
表情変化ありのFlashに登場してれば立絵はすぐ揃うんだよね
小梅の同人誌でこれと似たの読んだな
おつでした
こっくりさんって無意識レベルで腕を動かすから勝手に動き出す様に見えるって、前に読んだ心理学をテーマに扱った小説に書いてた
あとこっくりさんと低級霊って聞くとぬ~べ~を思い出す
小梅ちゃんは爆死者製造機ですねwww
別名がエンジェルさんですから、本物と自称がコラボしたわけですな今回(笑)
>>63
「此岸に咲く」って同人誌じゃないですか確か?
>>65
そうです
小梅が可愛くていい作品でした
乙。
本物か精神病の類なのかはわかんないけどたまにマジに取り憑かれちゃったという話聞くよね
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