瞳子「魔人偶像高峯のあ」 (40)
前回の続き
注意点
・シンデレラガールズのメンバーでネウロやってみた
・キャラ崩壊あり
・元ネタの都合上、アイドルが死んだり、犯人になったり、這って動くことあり
・地の文が混ざることあり
捕捉
この中に出てくる『輝』『偶像』の読み方は特別な場合を除き、『かがやき』『アイドル』に固定されています。
特別な場合の例:星輝子
これまで
みく「魔人偶像高峯のあ」
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SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1401530891
拓海「魔人偶像高峯のあ」
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アナスタシア「魔人偶像高峯のあ」
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拓海「…そんな! ここまでかよ!?」
みく「あーっはっはっは! 貴様らプリチアも、我々の前では手も足も出まい!」
アーニャ「希望は今ここで消す…! 我々の未来に栄光あれ!」
のあ「罪無き者に死を…! 勇気あるものに絶望を…!」
みく「我らブリュンヒルどぅえが…」
スタッフ「はーい、カット入りまーす」
拓海「…」ジー
アーニャ「…」ジー
のあ「…」ジー
みく「そんな冷たい目で見ないでほしいのにゃ…!」
スタッフ「はい、終了! お疲れさまでした!」
みく「ふにゃあ、まさかちょっぴりとはいえ劇場版プリチアに出演させてもらえるとはにゃ」
アーニャ「ダー、のあは優秀です」
のあ「ほんの端役に過ぎないけど…それでも私達の道を切り開くイデアとなるわ」
拓海「待て、アタシが口聞いてやったこと忘れたのかオマエ等」
みく「…いや、正直なところ拓海ちゃんがプリチアのオーディション受かるとは思ってなかったのにゃ」
アーニャ「でも、拓海サンは声もはっきりとしています、天職だと思いますよ」
拓海「ヘッ、ありがとな、アーニャ。みくは後でシメる」
みく「にゃ!? ひどくない!?」
のあ「…さて、無駄話はそこまでにしなさい。帰るわよ」
私の名前は前川みく。まだ駆け出し中のアイドルだ。そして私は、もう一つ、別の顔を持っている…
みく「のあにゃん…何してるにゃ?」
のあ「見てわからないかしら…情報を集めているの」カタカタ
事務所の一番日の当たる場所にデスクを構え、大量の資料を読んでいる女性。何にも違和感のないはずの光景。
彼女の髪の毛を視神経のようにして、房の先に目玉がついていなければ。
この化け物の名前は高峯のあ、私を探偵みくにゃんという人形にして、その影で人の持つエネルギー、行為のベクトルを全て食欲に向けた『輝』を食らうという『魔人』だ。
みく「まあ、それはともかく」
のあ「どうしたのかしら、みく」
みく「このカルトなサイト、どうにかならないかにゃ?」
のあ「…我が探偵社のホームページに不満があるの?」
みく「いや、不満しかないにゃ! 特にここ! みくに魚を食べさせるゲームってなんなのにゃ!」
のあ「鮪は特に会心の出来映えよ」シュルン
のあにゃんが髪をしまうと同時にドアが開く。
アーニャ「ダー、ついにモバイル版、ハイスコア達成です」
拓海「テンション下がるの見計らって、ハンバーグ食わせろってのが面倒くせえな、あ、逆ギレして前川さんモードに突入した」
みく「あ、お帰りにゃ、二人とも。…って遊んでんじゃねえにゃ! のあにゃん、百歩譲って探偵やるとしても、こんなページ見て誰が来るのにゃ」
のあ「…その心配は無用よ、みく」カチリ
のあ「このサイトには『輝』に訴えかけるサブリミナルが仕込んである…『輝』を身近に抱えた人間がこれを見れば、引き寄せられるように…ね」
のあにゃんが開いた画面にはよくわからない記号の羅列。…開店準備は万端ってわけか。
みく「にゃあ…。といっても、私は探偵として有名になる気はないからね。あくまでアイドルみくにゃんなのにゃ」
のあ「もちろんよ、付加価値によって生まれた『輝』なんて、養殖臭く、食べられた物じゃないのだから…」
???「…」カツカツカツ
拓海「…お、そろそろ時間だ、アーニャ、テレビ点けてくれよ」
アーニャ「了解、です」ピッ
テレビから綺麗な歌声が流れ出す。映っているのは、綺麗な女性。
みく「…にゃ? この声、マナミ・ヴィーチェさんかにゃ」
のあ「…噂には聞いていたのだけど、見るのは初めてかしら」
拓海「ちょっと待て化物、…マナミを知らねえのか!?」
のあ「知らないわ」
拓海「マジかよ…、仕方がねえなあ、説明してやるよ」
拓海「あのな、マナミは日本が誇る歌姫だ。日本語の歌詞にも関わらず、世界中にファンがいる。アルバムもミリオンなんてチャチなモンじゃねえ。それに、これ見てみろ! 観客が一体となって完璧な動き作ってんだろ! コイツらはここで初めて会った同士なんだぜ!」
画面には一つの狂いもない、パフォーマンスかと思えるような観客の動き。
アーニャ「拓海サン、大好きなんですね」
拓海「ま、社長に無理矢理付き合わせてライブ行ったこともあるからな」
のあ「…興味深いわ、人間にはこんなことができる者もいるのね」
みく「うん、色々大変だったみたいだけどにゃ」
のあ「…?」
拓海「ああ、マナミを担当してたプロデューサーとマネージャーが相次いで不可解な自殺をしてるんだ。それもあって、しばらくは活動を休止してたんだが、最近復活宣言してな」
のあ「…そう、確かに素晴らしい『輝』ね。…なるほど」
みく「でもここまで有名になるってどんな気分なのかにゃあ」
のあ「…いずれ貴女の通る道じゃない」
みく「いや、でもにゃあ。何をしたって騒がれて、福を買うのも食べ歩きも、何にもできなくなっちゃうにゃ」
???「そうでもない、サングラス一つで結構バレないものだよ」
みく「いやいやいや! オーラがバリバリ出てるにゃ!」
???「そうかい?」
みく「もう、バレバレ! だってホラ、テレビと全然変わんないにゃ…」
???「なかなか簡素な事務所だね」
え。
???「ほら、気づくのに時間がかかっただろう?」カチャ
真奈美「人はそう簡単に、自分の意識に他人を入れないものさ」
自分の眼を疑った…。世界中の人間を虜にする歌姫が…気がついたら目の前にいたのだから。
のあ「(…あら)」
真奈美「突然邪魔をして済まないね。君が…探偵さんかい? 表には芸能プロダクションらしい看板がかかっていたが…」
みく「あ、は、い、いえ…」
のあ「ようこそ、前川探偵事務所へ。色々とあって、みくにゃんはアイドルと探偵を兼任しているの…。さあ、座って。捜査の御依頼だと思うのだけど」
拓海「…!?(感動のあまり動けず言葉も出ない)」
アーニャ「イズヴィニーチェ、…えっと、事務員サンが不在です。…ので、ここへどうぞ」
真奈美「済まないね。…ドアの前で話を聞かせてもらったよ。私のことも知っているようだし、早速だがお願いできるかい」
真奈美「調べてほしいんだ、私の大切な人達の死因について」
みく「!!!」
アーニャ「エット、プロデューサーさんと、マネージャーさんの、二人ですよねそれはたしか…」
真奈美「警察は自殺と断定したよ。でも…」ギュッ
真奈美「未だに私は納得できない…だから、誰かにもう一度調査をしてもらいたくてね。…『なんとなく』この事務所を選んだんだ」
真奈美「どうだろう…? 私の依頼、聞いてくれるかい?」
みく「(のあにゃん! 服部刑事達に頼むにゃ! お願いすれば調べ直してくれるかも…グヘッ」(首の骨が回転する音)ゴキッ
のあ「(馬鹿なことを言うのね…知名度を上げるにはまさに理想とすべき客よ)」
みく「…回った、今首が一回転したにゃ」プラーン
のあ「(あとは…彼女の持ち込んだ『輝』の難易度(カロリー)も高ければ、…言うことはないのだけども」
のあ「さあ、…座ってちょうだい、貴女はこの「前川探偵事務所」の第一号の御客様なのだから…」
???「ああ、マナミ。…君の輝きはそんなものじゃないはずだ。…まだまだ君は高みへと行けるハズさ、もっとも、死んだ二人にはその力はなかったみたいだけどね。…次の曲は、ボクがプロデュースしてあげるよ」
今日はここまで。
少し忙しくなってきたので次回は未定。
乙。おひさしぶり
木場さんがアヤポジションか
ちょっとだけ更新。
のあさん探偵がかぶるとは思ってなかったあの頃。
魔人のあにとっては…釣糸を垂らした瞬間に大魚がかかった気分なのだろう。探偵業を初めて最初に訪れたのは、およそこの空間には不釣り合いな世界的超大物。
神秘の歌姫、マナミ・ヴィーチェ。
みく「…」ポヤン
真奈美「…? どうしたんだい、探偵さん…いや、名前で呼ばせてもらってもいいかな。堅苦しいのは嫌いでね」
みく「え、いや、もちろん、滅相もないです」
のあ「どうしたのみくにゃん、言葉遣いが変よ」ゴキッ
みく「…何でみくの顎に指をめり込ませているのにゃ?」
のあ「…さて、ではみくにゃんに事件の顛末を話してくれるかしら? …その前に、貴女のことは何と呼べばいいかしら。マナミ・ヴィーチェ、というのは芸名でしょう?」
真奈美「ああ、本名は木場真奈美、マナミで構わない」
のあ「…ではマナミ、貴女は疑っているのね? 貴女と共に輝きを求めた同行者が相次いで変死した…その真相について」
真奈美「ふふ 、詩的な表現だね。…その通りだよ。始まりは3年前だ。世界7か国を巡るツアーの最終日、…東京」
プロP『マナミ! 頑張れよ、これが終わったら長期のオフだ。稼いだ金でウサミン星にでも連れてってくれ』
真奈美『…ああ、それにしても君は冗談が古いね、何十年前の話だい?』
私が無名…いや、表舞台に立つことなんて考えたこともなかったころからのパートナー、所属事務所のプロデューサー、プロP。彼無しでは今の私は無いだろうな…その日もいつものように、ステージへ向かう私の背中を押してくれたものだよ。
ライブは大成功。そのあと、楽屋に彼の姿は無かった。そして、待っていたら突然大きな音がしたよ。咄嗟に駆けつけたら…彼は『地面に体を叩きつけて死んでいた』。
…ああ、もちろん私も疑われたさ。だが彼が落ちたときに私はメイクさんと話をしていてね。で…自殺以外の証拠も無く、警察は自殺として捜査を打ち切った。
二人目はそれから2年後、これもデビュー依頼の付き合いで、同じ事務所の社員、東郷あい。
あい『マナミ、今日のレコーディングは5時までだ、次の仕事があるからな』
真奈美『ああ』
あい『時間はないが気合いを入れていこう、2年ぶりの新作でもあるんだからな』
友人、と呼ぶにふさわしい関係で、プロPを失い、失意にくれていた私を…辛抱強く励ましてくれた。
新作のアルバムのレコーディング、その日の分を終わらせて、控え室に戻ると、彼女がいない。…ああ、流石に嫌な予感がしたさ。そしてそれは的中した。…彼女もまた、『地面に体を叩きつけて死んでいた』。
今回も私にはアリバイがあり、捜査の結果はまた、自殺。こうして私は大切な人間を二回も失った。そこの助手くんの言葉を借りるなら…私が『輝いた』直後にね。
のあ「…2人ともが貴女の一番大切な時期に自殺している。それも全く同じ方法で。…不審に思うのも当然ね」
真奈美「…ああ」ブブブ
真奈美「電話か…少し失礼するよ」
真奈美「もしもし…ああ、新人Pか。…今かい? 外に…」
のあ「このゲストを逃すわけにはいかないわ、みく。…有名人である彼女の事件を解決したという看板は、…貴女の名前を知らしめる切欠になる。…この事件を解いたとき、貴女は『輝』を引き寄せる格好の誘蛾灯になるわ」
みく「…」
真奈美「どうしたものかな…少し用事があることを失念していたよ。事務所に戻らなくてはいけないんだが…」
のあ「もちろん同行させてもらうわ。…そっちでも話の続きは出来るでしょう? アーニャ、留守番お願いできるかしら」
アーニャ「ダー、ちひろさんと社長にも言っておきます」
のあ「お願いね…さて、行きましょう、みくにゃん」(頭を掴む)
みく「にゃあぁぁぁぁ…」ズルズル
拓海「…ハッ! マ、マナミは!? 神秘の歌姫は!?」
アーニャ「アー、もう出ていきましたよ?」
車内
真奈美「…しかしスゴいな、みくくんは」
みく「にゃ?」
真奈美「その歳でアイドル業をこなし、加えて探偵事務所を作るだなんて、私も無茶をした方だと思っていたが、マネできないな」
みく「いや、違(のあが額に書かれた文字を指差す)…あたぼうよ」
みく「で、でもマナミさんの方がスゴいじゃないですか! 20代半ばで何億のCD売り上げたのに…。しかも日本語の歌詞なのに世界中で売れるって、どうすればそんなことできるんですか?」
真奈美「…歌詞は国産で十分だよ。大切なのは音さ」
真奈美「人間は国や人種を超えて…必ず何処かで一つに繋がっている。…私の曲は、その繋がりへ共鳴させているんだ」
みく「…?」
真奈美「この繋がりに深くリンクしている人間は、特定の波長に強く共鳴する。つまり、その波長を含んだメロディー、コード、リズム、音色、そしてこの声と歌唱法。それらを組み合わせることで、私は彼等の脳を一時的にリンクさせることが出来るんだよ」
のあ「…」
みく「ふにゃあ…そんなことできちゃうんですか。どおりであんなに一体となるわけだにゃ」
みく「…ん? じゃあ、その深くリンクする人間って…具体的にはどんな人たちなんですか?」
真奈美「…それはね。どこにもいない、誰でもない、誰かのためでない、『偶像』に憧れた人間だよ」
『偶像』…。
真奈美「そういった人間が世界には何億人といる。…それだけのことさ」
今日はここまで。
次回は未定。一週間以上空くかもしれません。
もう少しかかります。申し訳ない
おつかれ
久々に投稿します
新人P「マナミさん! 何してたんですか! もう警察の人来てますよ! ストーカーの件で呼ぶって言ったじゃないですか」
真奈美「いや、すまない」
新人P「…? 誰ですか、その人達」
真奈美「探偵さんだよ、こっちは現在のマネージャー件プロデューサーの新人P君」
みく「あ、どうも…」
新人P「…! まさか、まだあの事件を?」
真奈美「…すまない、どうしても気になってね」
みく「…ストーカー?」
真奈美「…!」パシャッ
忍「うわっ、本当のマナミ・ヴィーチェ! まさか本当に会えるなんて! あ、すいません、いきなり写真撮っちゃって!ガマンできなくって…」
みく「あ」
忍「よければ握手も…!」ヒョイッ
瞳子「はい、没収」
忍「ああっ!」
瞳子「すいません、警視庁の者です」
真奈美「…どうも」
みく「服部さん!」
瞳子「…はぁ、ウワサは聞いてるわよ、みくちゃん。もうここまで来たらさすがに諦めるわ」
みく「あ、名前で」
瞳子「前川さんより呼びやすいもの、それに、もうよく知った仲だものね」
忍「じゃあ、先輩、アタシも名前で」
瞳子「公私の区別はつけなさい、工藤」
みく「ところで、ストーカーの件って…?」
瞳子「あら、そっちはその件で来たんじゃないの? ここ最近、付きまといや嫌がらせが見過ごせないところまで来ているらしいの、それでマネージャーさんが警察に相談して、お客さんが相当だからって私達が寄越されたの」
真奈美「そういうことだ…色々あってね」
様々な思惑が…この場所に渦巻いている。私はそんな空気を感じずにはいられなかった
真奈美「さあ、入ってくれ、みくくん。こっちの件が済んだら…話の続きをさせてもらうよ」
みく「のあにゃん…なんか色々大変そうな事件だにゃ」
のあ「…」
みく「…?」
のあ「人の脳を繋げる音楽…興味深いわ」
みく「のあにゃん…?」
のあ「『輝』の住まう脳…そのストラクチャーは『輝』以上に複雑で…緻密」
のあ「魔界生物の私でも…人間の脳を自らの意に導くことは、未だに至難の業よ」
のあ「地上の人間が…よくその地平まで達することができたものね」
そして驚いた…『輝』以外に何の興味も持たなかった高峯のあが、一個の人間にこれだけ興味を示したのは…初めてかもしれないと
忍「うえぇ、何ですか、これ?羽を千切られた鳥? で、この英文は…」
瞳子「『Breaking The habit』…日常を壊せとでも言ったところかしら」
新人P「熱狂的なファンは多いから、こういったのは時々届くんですが、最近のはハッキリ言って異常です」
忍「というと?」
新人P「量もそうなんですが…私達の予想もつかないようなところから仕掛けてくるんです、誰もいないはずの倉庫や、侵入できないはずの屋上や…まるでこちらを嘲笑うように」
瞳子「なるほど、それは警察を呼んで正解ね」
のあ「…灯りに目を眩ませた羽虫も引き付けてしまう、因果ね、ここまで絶大な輝きを持つと」
真奈美「そんな大げさなものじゃないよ」
瞳子「工藤、捨てる嫌がらせの品も証拠品だから車に運んでおいて」
忍「はい! じゃあその前にサインを」
瞳子「ダメ」
のあ「…ところで、服部刑事」
瞳子「何?」
のあ「この事務所の自殺騒ぎの捜査…貴女は詳細を知っているかしら?」
瞳子「いいえ…私の担当じゃなかったから、…なるほど、あの事件を調べてるのね。基本的には終わった捜査だから…資料は取り寄せられるけど私は協力できないわよ」
のあ「構わないわ…私達が徹底的に調べ直すことで、彼女に平穏が訪れるのなら…」
瞳子「…そう、ちょっと待っててね、今取り寄せるから」
瞳子「彼女の仕事仲間が相次いで自殺した事件…その当日の現場写真と関係者の行動よ。見ての通り、どちらの件も死亡時刻はハッキリしている。さらにその時間、被害者を殺害できる人物、第一発見者が現場に到達するまでに逃げられる人物はすべてアリバイがある。おまけに不審者の情報もなし、…自殺と判断する以外ないわね」
のあ「…さあ、みくにゃんは何と言うかしら」
真奈美「ところで大丈夫なのかい? 捜査に参加しなくても」
のあにゃんがこの人に関心を示すのも…
みく「あー…調べ事はのあにゃんに全部任せてるんで」
考えてみれば当然かもしれない。
マナミ・ヴィーチェはアイツの求める絶大な知名度と魔人の理解も超えた力を併せ持っている
みく「(…かたや私は頭がいいわけでもないのに脅されて探偵役。なんだかにゃあ…)」
真奈美「どうしたんだい? 何か気にさわることでも言ってしまったかな?」
みく「あ、いや、そんなんじゃなくてやっぱりすごいなあって。…でも、いつ気付いたんですか? そんな能力、脳をリンクさせる能力があるって」
真奈美「…みくくん、君は私の歌を聞いて脳が繋がった感覚はあるかい?」
みく「…うーん、CDも持ってるしスゴい曲だなあとは思ったけどにゃあ、脳が繋がるっていうと…?」
私の答えに、マナミさんは少し、表情を変えた気がした…そう、まるで
真奈美「誰のものでもない『偶像』を通じる曲を作るにはね、私も…"誰かのものであってはならない"んだ」
みく「…」
真奈美「私はただ、私一人であり続けるだけ。…そうすれば、…それを望む人達は繋がっていくから。…きっと君は誰かと繋がり、絆を育んできたんだろうね、羨ましいよ」
みく「マナミさnフッ!(のあがソファーごとひっくり返す)」バタァン
のあ「みくにゃん…、早速この資料を持ち帰り、貴女の推理を聞かせてちょうだい…」
真奈美「みくくん、大丈夫かい?」
のあ「ええ、みくにゃんはいつもこうやって頭を働かせるの…」
みく「(何にゃ…)」
のあ「(資料を見て大体の筋道を理解したわ…この『輝』はすでに私の『物』よ)」
のあ「…でも、少し考えがあるの、『輝』を喰べるのは少し我慢ね」
みく「…考え?」
真奈美「…?」
のあ「ええ、まずは…目障りな毛虫を潰しておきましょう。…強力な芳香に誘われた、愚かな害虫を」
今はここまで、できたら今日の深夜に。
無理なら今週中には。
待ってた
更新久しぶりすぎ
深夜には少し早いですが投稿していきます
駐車場
車「」キキッ,バタン
真奈美「…」カツカツカツ
???「…」
真奈美「…!?」
???「マナミ…ムダさ、警察なんかに頼ったって。彼らは権力に魂を売った狗に過ぎないんだから」
真奈美「…!」
???「どうしてここに? って顔をしているね、その疑問は非常にマトモだよ、恥ずかしがることはない。…でもボクはその常識を越えていける、君の死角を、この街の日常を知っているからね」ハラリ
飛鳥「だから、一緒に抜け出そう、…ボクと一緒に」
真奈美「…!!!」
飛鳥「ボクはね、気がついたんだ、こんな世界は誰かの意思に操られてるんだって。抑圧され、押し込められて、まるで窒息しそうじゃないか。だからさ、ボクと一緒にこの日常を脱け出そう? 君の無能な仕事仲間には見せられなかった非日常を見せてあげるよ」
真奈美「…っ」
飛鳥「その為の用意はしてきたんだ、ドラッグでも、アブノーマルな趣味嗜好でも、君が望む非日常はすべて叶えてあげる。そうすれば…ボクらで最高の曲が作れるハズだよ…」
真奈美「やはりね…」
忍「捕まえたよっ!」ガッ
飛鳥「…!?」
のあ「(ウィッグを外す)協力感謝するわ、工藤刑事。…さて、貴女は常識がお嫌いのようね」
みく、瞳子、真奈美「…」
飛鳥「…な!?」
のあ「一連のストーカー行為を分析したところ…貴女はあえて他人の予想しない場所、時間を狙って行動している」
飛鳥「…!」
のあ「ならば対策は簡単よ…あえて可能性の高い場所を囮に油断させ、…低い場所を狙わせる。…近いうちに現れると思っていたのだけど、まさか初日にくるとはね」
瞳子「こんな若い子だったの、見落としもあったんでしょうね…、ともあれちょっと署までご同行お願いするわ、工藤、手を離さないで」
忍「ハイッ! さっさと来なさい!」
飛鳥「…クッ」グイッ
忍「おわっ!」
飛鳥「マナミ! ボクと逃げよう! ボクならこの下らない日常から翔んでいける!」ガッ
みく「!」ビクッ
真奈美「みくくん、後ろに」
忍「ちょ、なんて力ッ!?」
飛鳥「ボクだけがッ! ボクだけが君の翼になれるッ!」
瞳子「…仕方無いわね、工藤、そのまま」
忍「へ?」
瞳子「こういうのは(鮮やかな延髄蹴りが決まり飛鳥が吹き飛ばされる)」バキッ!
瞳子「早めに黙らせるべきよ、あんまり言わせておくと被害者にアレだものね」
忍「すっ…」
瞳子「でもって確保…」
忍「スッゴい! 先輩あんな素早く動けたんですね!?」
瞳子「…聞いてる?」
飛鳥「ハア、ハア、…マナミ、ボクの」
のあ「たいしたものね…一人の音楽がここまで人を魅了するなんて」
飛鳥「マナミ…ボクの、マナミ…」
のあ「でも…、貴女は邪魔、『輝』を解いている最中に乱入でもされたら、せっかくの時間が台無しになるわ…。ここは彼女に倣って…最高の音色で平穏を授けましょう。喜びなさい、…魔界交響楽団のフルハーモニーよ」
飛鳥「!?」
のあ『魔界楽団「腐射・破門丹」(イビルオーケストラ…)』ピコピコピコ
のあ「人に寄生する楽団…しかし彼らは自分の楽器を持ち合わせていないの。…その代用に」
楽団「ウィー」ズプジュル
飛鳥「!? イギャァァァァァァ!!!」
のあ「持ち主の神経繊維や骨髄組織、筋組織を引きずり出して楽器にする」
楽団「ワンッ、ツー」♪
飛鳥「ヤメっ…ガ、イギャ、グガアアアァァァァッ!!?」
のあ「…落ち着くでしょう、自らの身体で奏でられる音色は」
忍「何かまたテンション上がってる…」
瞳子「…一応薬物検査もお願いしておきましょうか」
みく「(…またエグい能力使ってんだろうにゃー)」
真奈美「…君が私を連れ出せる?」
みく「…?」
真奈美「…君では無理だ、何故ならば、君が私と共にいたところで…、私は歌えるからな」
みく「(………………え?)」
飛鳥「…」ピクピク
瞳子「一体どうしたのかしら、この子」
のあ「さあ…、生で憧れの彼女を見て感極まったのかも、ね」
忍「先輩、でもこの子さっきの言動聞いてたら、もしかして…」
瞳子「…可能性は低いと思うけど、どのみち事情は聞かなくちゃいけないものね、行くわよ、工藤」
忍「ハイッ!」
のあ「みく…邪魔は消えたわ。あとはじっくり…『輝』を喰べる舞台を探しましょう」
私の脳内はまだ混乱している…だけど多分確かなのは、この事件は彼女を捕まえて終わるようなものではない事。
のあにゃんの言葉、そしてマナミさんの陰…、絡み合う思念の闇の中で…、『輝』は静かに待っているのだろう…
警察署
飛鳥「お、音楽なんて、一生聞きたくない、じ、自分だけの五線譜を綴っていただけなのに、旋律の中に戦慄を感じてしまうんだ…」ガタガタ
忍「…」
飛鳥「…だから空も翔べるって、つ、翼をもがれているからって」ガタガタ
忍「どうですか、先輩、せっかく少年課に無理言って聞きに行きましたけど…」
瞳子「…自分の空想の中に閉じ籠ってるだけね、とてもじゃないけど二人の人間を殺せるようには思えないわ」
忍「…じゃあ、あの事件、結局自殺で?」
瞳子「…さあ、どうかしら」
のあ「『戦慄! 恐怖の学園ゾンビ地獄! 七不思議に隠された悲しい過去、暗躍する魔女、弾け飛ぶメガネ、真実は誰の手に!』…この業界にいて思うのだけど、地上の特番は実に欲張るわね」
みく「…」カタカタ
のあ 「魔界のはいたってシンプルよ…全員が前半5分で爆発オチ、あとはそれのダイジェストを延々と…」
アーニャ「みく、これ頼まれてた資料です」
みく「ごめんね、あーにゃん、手伝わせちゃって」カタカタ
アーニャ「いいんですよ、友達だからもっと頼ってくれても」
のあ「もちろん十時をまたいでも飛び交う肉片と…みく?」
気になることを頭の中で整理して、答えとなる情報を探してみた。
みく「…!」
疑念が…確証へと変わっていく。
私は、私なりにかすれていた今回の『輝』が徐々にその光をハッキリと見せていくのを感じていた。
のあ「言ってみなさい」パチーン
みく「ポベッ! な、何を…」
のあ「私のTV談義を無視してまでの考え事、この『輝』に思い当たることでもあるのでしょう…?」
みく「…のあにゃんはもうこの事件の犯人、分かってるんでしょ?」
のあ「ええ、当然よ」
みく「…犯人は、…マナミさんだよね、違う?」
のあ「…! …黒目に確信の色が映っているわ。手段はどうあれ、『輝』の形を捕らえた場合のみの目…」
みく「でも、私はその資料見てないからにゃ…マナミさんにもちゃんとしたアリバイがあるんでしょ?」
のあ「…貴女にそれを崩すことまでは望まないわ。…でも」
のあ「…少し貴女を見くびっていたようね、鯖缶程度かと思っていたけど、…喜びなさい、蟹缶に昇格よ」
みく「いつから私、魚介の缶詰と張り合うところまで堕ちたんだろうにゃあ…」
アーニャ「ニエット、そんなことないです、みく。みくはオイルサーディンです」
みく「ゴメン、あーにゃん、基準がわからない上に加工されちゃったにゃ」
みく「(そーいや、拓海ちゃん何処行ったのかな…、ちひろさんも最近出張が多いし…まあ、ちひろさんはのあにゃんの働きのおかげなんだけど)」
のあ「…さて、行くわよ、みく」
みく「にゃ? どこに…?」
のあ「飛びきりのステージ、一世一代の『輝』の舞台よ…」
TV局
新人P「おや、探偵さん…いや、前川さん、どうしてここに?」
みく「あ、新人Pさん、…? どうして私の名前」
新人P「ハハハ、一応これでもこの業界にいるんです、この前は思い出せませんでしたけどね」
のあ「…みくにゃんが一度彼女の歌を聞いてみたいと言ったの、そこで私の伝手を使って無理矢理に…全く、浅ましいわ。ほら、みくにゃん、謝って」
みく「…浅ましくってごめんなさい」
新人P「は、はは…まあ、何にせよ、世紀の歌姫、マナミ・ヴィーチェ、その歌声、圧倒されていってください」
群衆「ワァァァァァァ!!!」
みく「ねえ、のあにゃん…何か企んでるでしょ? マナミさんの出演番組まで調べて」
のあ「…何の事かしら? 純粋に聞いてみたいとは思わない? 人の脳を繋げる彼女の歌声を」
みく「…」
司会「さて…、二時間近く前座でならしてまいりましたが、最後(メイン)はいよいよこの方! 久々の登場です! 世界を繋げる奇跡の歌姫! マナミ・ヴィーチェ!」
観客with拓海「ウオオオォォォ!!!」
真奈美「…!」♪
彼女の歌が響く、彼女が作り上げ、響かせる曲は、今の私では、全く手の届かない領域にある。アイドルとしても、一人の人間としても、彼女は尊敬するべき存在なのだと、心から思う。
だからこそ、彼女の歌が進むにつれ、私の眼に滲んできた涙は、彼女の歌にリンクしたからではない。彼女自身を思ったからだ。
私の考えが間違っていなければ、マナミ・ヴィーチェ、木場真奈美は、私がのあにゃんと今まで会ってきた犯人の中で、最も残酷で、…"最も哀しい人"だ。
のあ「…」
真奈美「…、…」♪
TV『マナミさん、ありがとうございました! 今回も失神してる人がたくさん…あ、時間の方も残り僅かに』
忍「やっぱりいいですね! マナミは! あの時もっとちゃんと見とくんだったなぁ…」
瞳子「…」
忍「もー、ちゃんとカメラ写してよ! あ、そうそう、写っ、(カメラに入り込む落下するみく)!?」ドガジャーン!
瞳子「!?」ブッ
観客「…!?」ザワザワ
真奈美「…! みく…くん?」
状況を把握するまでに数秒かかった。そして分かったことは、今私はのあにゃんに投げられ、全国生放送のカメラの前にいる。それだけだった…。
みく「(ちょ、のあにゃん!? まさか、まさか"ここで"!?)」
のあ「(もう分かっているでしょう、みく、…すでに運命は収束した、貴女はもう選択肢は無い。…そう、"あの言葉"以外には…!)」
腕が、自然に動く。あの言葉を、私は。
みく「は…」グ…
観客「…」
みく「はん…」ググッ…
真奈美「…!」
みく「犯人は…」グググッ…
のあ「…」
みく「お前だ!」
…その指先は、確かにマナミさんを捕らえていた。
TV『…ご覧の放送は、明るい明日の櫻井カンパニー、おもちゃの棟方堂、ぐるぐるソーセージのマルメターノ精肉、?ご覧のスポンサーで…』
忍「え、ええええええー!?」
今日はここまで。
上手くいったら今週中に終わりそうです。
今週中とは何だったのか
見てる人いるかは分かりませんが、エタらせるのは趣味ではないのでもう暫しお待ちを
はいはいほー
待ってるよ
もうしばらく…! もうしばらくお待ちを…!
あと暗殺教室アニメ化、実写化おめでとうございました
みく(い、言っちゃったにゃぁ…、こんな公衆の面前で…)
新人P「」クラッ
スタッフ「こっ、このガキ何てことを!! 放送事故おこしやがって、捕まえろ!」
みく「にゃっ!」
真奈美「待ってくれるかい?」
スタッフ「!」
真奈美「本気かい、みくくん…? それは、私があの2人を自殺に見せかけて殺した…と?」
のあ「…それについては私がみくにゃんの推理を説明するわ。…これほどの視線を受け、さすがのみくにゃんも口が回らないみたいね」
みく「…」
のあ「この二つの事件…一見したところ死に方、職業以外に共通点は無いように見える。…しかし、実は多くの共通点があるの」
のあ「…例えばマナミ、どちらの事件も貴女は現場に登場するのは最後。そうね?」
真奈美「…ああ、そうだね。でもそれが何だというんだい? 彼らが落下した時刻、私にはアリバイがあるんだよ?」
真奈美「それに私は鍛えていようと仮にも女だ。相手が眠っていたならともかくこの腕で大の大人を突き落せるかい?」
みく「…!」
のあ「ええ、それこそが貴女の計画…、その理由があったから警察は貴女に手を出せなかった」
のあ「…共通点はまだ存在する。第一に、貴女の楽屋が殺人現場にほど近い真下の部屋、ということ」
のあ「第二に、現場の手すりに残っていた指紋は全て屋上側から掴むようについていた」
のあ「そして、これは決定的な違和感。…一回目の事件も二回目の事件も貴女の楽屋には窓があった」
のあ「…さあ、解いてしまいましょう、貴女の殺人計画の全貌を」
ディレクター「…」ハフゥ
スタッフ「デ、ディレクター! 死んでる暇はありませんよ! 局に問い合わせが殺到してるんですから!」
ディレクター「な、何の…?」
スタッフ「最後に出てきたあの子は一体誰なのかって! マナミが稼いだ視聴率分、アレを見てた人間も半端じゃないですよ!」
すいません、生存報告も兼ねて一レスだけ。
完結はさせますので気を長くして待っていただければ、と。
どこにでもいてどこにもいない
誰でもあって誰でもない
乙
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