由比ヶ浜「アルバイトしようよ!」 (91)
比企谷「…………は?」
雪ノ下「……」
由比ヶ浜「だーかーらー、アルバイトしようよアルバイト!」
比企谷「……いや、部室に入っていきなり何言ってんのお前?」
由比ヶ浜「あ、挨拶忘れてたね。やっはろー!」
比企谷「いやそうじゃねえよ。どうして『アルバイト』なんて急に言い出したのかって話だろ」
由比ヶ浜「あ、うん。実はね」
比企谷「いや、やっぱ説明しなくていいや」
由比ヶ浜「なんで!?」
比企谷「いいから、いつも通りケータイポチポチやってろって」
由比ヶ浜「いつもケータイやってる訳じゃないし!」
雪ノ下「あら、いつも他に何かしていたかしら?」
由比ヶ浜「ゆきのんまでひどい!?」
比企谷「…………」
雪ノ下「……」
由比ヶ浜「何もなかったかのように本を読み始めないで! お願いちょっとでいいから話きいて!?」
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比企谷「だいたいなんで『しようよ』なんだよ。決意表明なら『させてください』だろ?」
由比ヶ浜「決意表明なのに許可が必要なんだ!? いや違うよヒッキー、『しようよ』であってるよ! みんなでやろう、って事だよ」
比企谷「みんな……そうか、精々頑張れよ」
由比ヶ浜「みんなに自分をカウントしようよ!」
雪ノ下「……由比ヶ浜さん、やるかどうかは置いといて、まず何のアルバイトなのか教えてほしいのだけれど」
由比ヶ浜「そうそう、この募集紙なんだけど……」
雪ノ下「今時ずいぶんとアナログな募集ね」
比企谷「”こども林間学校引率サポーター募集!”……」
由比ヶ浜「そう!」
比企谷「……」
雪ノ下「……」
比企谷「前に似たような事を無償でやらされた気がするが、気のせいか?」
雪ノ下「いえ、比企谷君の記憶に肯定するのは大変遺憾なのだけれど、以前平塚先生に依頼されたことがあったわね」
比企谷「遺憾ってなんだよ。わざわざ俺を否定しないで普通に肯定しろよ」
由比ヶ浜「とにかく! 前やった事とほとんど一緒の内容でバイト代まで出るんだよ! もうやるしかないよね!」
比企谷「それを聞いた誰が『もうやるしかないよね』って考えるんだよ。絶対にお断りだ」
由比ヶ浜「えー、なんでー?」
比企谷「これ、土曜日から1泊2日って書いてあるじゃねえか。貴重な土日休みを労働でつぶすなんてまっぴらごめんだ。土日まで働くなんてどこの社畜だっつーの」
由比ヶ浜「キャンプだと思えば労働じゃないじゃん! 前も結構楽しかったし。ねえゆきのん?」
雪ノ下「残念だけれど、私もお断りするわ」
由比ヶ浜「ゆきのーん……」
雪ノ下「由比ヶ浜さん、これはあなたの為でもあるのよ? 一週間の休みをアルバイトに充てるより、勉強に充てたほうがいいんじゃないかしら。とくに由比ヶ浜さんは」
由比ヶ浜「勉強ならそこでもできるよ、一拍だし。ゆきのんに勉強教えてもらえれば一石二鳥!」
雪ノ下「あなた、一石二鳥の意味知ってるのかしら? 労働した後に由比ヶ浜さんに勉強教えるのでは、どこにも私に得がないのだけれど」
比企谷(お前らどっちも自分視点じゃねえか)
比企谷「ちなみに、バイト代いくらだ?」
由比ヶ浜「ええっと、……”交通費支給、1万2千円”だって!」
比企谷「学校の募集にしては高いな。……いや、土曜日の朝9時から日曜の午後4時までだから、時給換算でえーっと……」
雪ノ下「約390円よ」
由比ヶ浜「うわぁ……そう考えるとすっごい安く感じる……」
雪ノ下「この募集は拘束時間でなく実働時間で計算してあるようね。昨今の労働問題の縮図だわ」
由比ヶ浜「でもでも、前は時給0円だったと考えれば結構高いじゃん!」
比企谷「前は強制参加だったから仕方なく行っただけだ。そうじゃなかったら絶対に参加しねえよ、日雇いのバイトの方が稼げるしな」
由比ヶ浜「……ゆきのん!」
雪ノ下「いえ私は」
由比ヶ浜「お願いゆきのん、また3人でこういう事したいの!」
雪ノ下「でも」
由比ヶ浜「一緒に行ってくれたら何でもするから!」
雪ノ下「……」
……………………
ー次の土曜日ー
比企谷「甘えよ……前から思ってたがお前由比ヶ浜に甘すぎんだよ……」
雪ノ下「ちょっと静かにしてくれないかしら喧し谷くん」
比企谷「なんにも上手くねえよ。つーかなんで俺も強制参加なの? 由比ヶ浜に丸め込まれたのお前だけじゃねえか」
雪ノ下「失礼なこと言わないで貰えるかしら、私は丸め込まれてなんていないわ。ただ、由比ヶ浜さんの言うことも一理あると思って参加しただけよ」
比企谷「そういうのは丸め込まれたって言わないんですかね……」
雪ノ下「言わないわよ」
比企谷「あ、はい」
雪ノ下「それにこの状況、あなただけ逃げられると思っているのかしら? いえ、絶対に逃がさないわ」
比企谷「何それ怖い」
比企谷「そういやその元凶はまだなのか? 参加する小学生共は集まって来てるみたいだが」
雪ノ下「さっきメールで、『少し遅れる』という旨の内容が来ていたわよ」
比企谷「まさか遅刻したりしないよな……?」
雪ノ下「まだ集合時間まで15分あるし、遅れてもバスの時間までに間に合えば問題ないんじゃないかしら……いえ、来たようね」
比企谷「あ、走ってきたな。……あれ?」
由比ヶ浜「2人ともお待たせー!」
比企谷「……お前だけか?」
由比ヶ浜「え? どういう意味?」
比企谷「いや、てっきり葉山&有象無象も誘ってると思ったんだけどな。あと戸塚とか戸塚とか戸塚とか」
由比ヶ浜「彩ちゃんだけ言いすぎ! アタシが誘ったのはゆきのんとヒッキーだけだよ? もともとそのつもりだったし」
比企谷「なんだよー戸塚来てないのかよー……もう俺帰るー……」
由比ヶ浜「彩ちゃん次第なんだ!?」
雪ノ下「逃がさないわよ比企谷君。それにしても、葉山君あたりは誘わなくても参加すると思っていたのだけれど、少し予想外ね」
比企谷「今回は林間学校といっても有志で行われる”子供会”みたいなもんだからな。成績に反映される訳でもないのにこんな安時給で参加するモノ好きはいねえよ」
由比ヶ浜「なんか馬鹿にされてる気がする……」
雪ノ下「”子供会”、ね。通りで小学生にしては静かだと思ったけれど、そういう事だったのね」
比企谷「ああ。ここら周辺の学校から有料参加で集まった4~6年だからな。知り合いが少なけりゃ猫かぶる奴ばっかだろうよ」
由比ヶ浜「ヒッキー卑屈すぎ……緊張してるだけだよきっと」
比企谷「ま、大人しいのは最初のうちだけだろうが……!?」
由比ヶ浜「どうしたのヒッキー? あっ……」
雪ノ下「あそこにいるのは……」
比企谷「あれ、平塚先生だよな? ……こんなとこでなにしてんのあの人?」
雪ノ下「どこか不機嫌そうに見えるわね」
比企谷「あ、こっちに気付いたみたいだぞ。なんかすっげえ嬉しそうに歩いてくるんだけど」
雪ノ下「知っている人を見つけて安心したのね」
比企谷「子供かよ」
平塚「誰が子供だって? 比企谷」
比企谷「ハハハ子供ならそこにたくさんいるじゃないですか何言ってんすか」
平塚「……まあいい、口には気をつけたまえよ」
比企谷「それより、なんで平塚先生がここにいるんです?」
平塚「今日は引率役としてタダ働きだよ。君たちと違ってバイト代も出ない」
比企谷「……なんでそんな面倒なことに?」
平塚「聞きたいのかね? いいだろう、教えてやろう」
平塚「昨日、知り合いの独身男性教員からメールが来てね。”土曜日暇?”って。それで私は意気揚々と”すっごい暇!”って返したわけだよ。そしたらこの林間学校の手伝いをしてくれと頼まれてね……暇と答えただけに、断ることができなかったよ。ハハッ、私はまんまと釣られた訳だ……この愚かな私を笑い飛ばしてくれて構わないぞ比企谷」
比企谷(笑えねえよ! そんな卑屈な理由だと思わなかったよ! 頼むからだれか貰ってあげて!?)
平塚「比企谷、君たちは実に楽しそうで何よりだ。うむ、青春はこうあるべきなんだろうなぁ?」
比企谷「い、いや」
平塚「いやー私はタダ働きだが君たちはバイト代を貰いつつ十分楽しんでいくといいぞ」
比企谷「あ、あの」
平塚「私は忙しいかもしれないが休日は楽しんでこそだからな!」
比企谷(誰か助けて! 雪ノ下でも由比ヶ浜でもいいからなんか話題ふれ!)
雪ノ下「……」
由比ヶ浜「……」
比企谷(露骨に目をそらしてんじゃねえよ……)
係員「平塚せんせー。そろそろ出発なんで準備おねがいしまーす」
平塚「あ、わかりましたー」
比企谷(助かった)
平塚「比企谷、バスで私の隣に座ってくれると嬉しいな。ぜひ話し相手になってくれたまえ」
比企谷(逃げられねえ……)
雪ノ下「……行ったわね」
由比ヶ浜「まさか平塚先生がいるとは思わなかったねー」
比企谷「おいお前ら……」
由比ヶ浜「ゆきのん、バスでは一緒に座ろうね!」
雪ノ下「ええ、是非そうしましょう」
比企谷「……俺に選択の余地はないのか?」
ここまで
ルミルミはよ
乙
ルミルミって何年生だったっけ?
5年かそこら、高学年だったはず
るみるみはこういうのに参加しそうに無いけどな
親が参加させるかもよ
心配してるみたいだから
ルミルミ9巻のラストで他の子供達と混じってワイワイしてたみたいだからもう大丈夫だろう
糞ガハマ
比企谷(だがあれから結局、平塚先生は一番後ろの3人掛けの席で雪ノ下、由比ヶ浜と同席することになった。教員とバイトの席はもともと決まっていたらしい。ざまあみろ、俺に平塚先生の対応を押し付けようたってそう上手くいかないぜ)
比企谷(そんでもって俺は一番前の席に割り振られたが、隣に座っているのが……)
留美「…………」
比企谷「……よう」
留美「……うん」
比企谷(割と知ってる奴だった。すごい偶然もあったもんだな。”鶴見留美”で合ってるよな? 確認はしないけど)
比企谷「お前がこういうのに参加してるって事は、また母親に言われてきたのか?」
留美「うん、だいたいそんな感じ」
比企谷「そうか」
留美「……」
比企谷「まあなんだ、経緯はどうあれせっかくのキャンプだ。肩の力抜けよ」
留美「八幡っていつも抜けっぱなしなきがする」
比企谷「いやいや抜けっぱなしじゃねえよ。ただオンオフの切り替えが多いから、オンの時期が目立たないんだよ」
留美「ふーん。まあ、どうでもいいけど」
比企谷「……さいですか」
比企谷(いろいろ気になる事もあるが、こいつが何も相談してこないなら俺は何も聞かないさ。ま、何かあったらこいつから言うだろ)
比企谷「……」
留美「……」
比企谷「…………」
留美「…………」
比企谷「……………………」
留美「……………………、なにか話してよ」
比企谷「何? 寂しくなったの?」
留美「……違う、暇なだけ」
比企谷「じゃあ暇を満喫しようぜ。暇ってのは実は結構貴重な時間なんだ。実際忙しくなってからじゃないと実感できないけどな」
留美「八幡っていつも暇そうに見えるんだけど」
比企谷「たとえ俺がいつも暇だからといって、暇を満喫しちゃいけない理由にはならん」
留美「暇なのは否定しないんだ……」
比企谷「まあ、暇なときは窓の景色をぼーっと眺めるのも結構乙なもんだぜ?」
留美「だって窓際じゃないし……」
比企谷「仕方ねえな。代わってやるからそこ空けろ」
留美「うん」
比企谷「いたっ……ナチュラルに足踏むんじゃねえ」
留美「あ、ごめん」
比企谷「ごめんで済んだら……うんやっぱいいや。じゃあお休み」
留美「寝ちゃうの?」
比企谷「俺はお前らと違ってバイトだからな。今のうちに休んどくさ」
留美「ふーん」
比企谷「…………」
留美「……お休み」
………………
比企谷(…………う、うーん…………なんか寝苦しい)
比企谷「…………」
留美「スー…………」
比企谷(なんでこいつは俺の胸部にもたれて寝てんだよ。俺はお前のとーちゃんか)
比企谷「おい起きろ、もうすぐ着くぞ」
比企谷(たぶん)
留美「……うーん」
比企谷「うーんじゃねえよ起きろ」
雪ノ下「楽しそうね、比企谷君」
比企谷「!? ……何だお前か」
雪ノ下「あなたに『なんだ』と言われる筋合いはないのだけれど。もうすぐ到着するわよ」
比企谷「わざわざ起こしに来たのか?」
雪ノ下「平塚先生に起こしに行けと頼まれただけよ。……お楽しみの最中だったようだけれど」
比企谷「そうかい。……いや、これが楽しそうに見えるか?」
雪ノ下「本当に楽しんでるようなら、警察に連絡したほうがいいのかしら。そうね、知り合いに犯罪者がいるなんて思われたくないから他人のふりをさせてもらうわ」
比企谷「そのマジっぽいトーンやめてくれませんかね……」
留美「うー……あっ、……」
比企谷「やっと起きたか……重いから早くどいてくれ」
留美「あ、おはよう」
比企谷「せめて起き上がってから言えよ……」
雪ノ下「起きたならもう用はないわね。精々平塚先生の話のネタになってもらうから」
比企谷「おいやめろ……って行っちまった」
比企谷(絶対バイト中このネタで弄られるぞ……。俺の財布の中身全部賭けてもいい。300円しかないけど)
留美「八幡ごめん、寝れなかった?」
比企谷「いや、寝れはしたが胸部を圧迫すると悪夢を見やすくてな。昔のトラウマを思い出しただけだ、気にすんな」
留美「……トラウマなんてあるの?」
比企谷「……いや、むしろ現在進行形でトラウマしかなかったわ」
由比ヶ浜「やっと着いたねー……疲れたなぁ……」
雪ノ下「本当ね……」
比企谷「あ? お前らこれからバイトだってのにだらしねえな」
由比ヶ浜「……ヒッキーはゆっくり休めていいよねー」
雪ノ下「私たちは延々と平塚先生の愚痴を聞かされてて全く休めなかったのよ」
比企谷(うわぁ、俺平塚先生の隣じゃなくてマジで助かった)
比企谷「まあ元気出せよ、せっかくの休日なんだから楽しんでこそだぜ?」
由比ヶ浜「…………ヒッキーなんか笑ってない?」
雪ノ下「あなただけが元気なのはとても不愉快だし不快ね」
比企谷「不愉快はともかく不快ってなんだよ。それただの悪口じゃねえか」
雪ノ下「それだけ元気なら、私たちの分まで頑張って貰う事にするわね?」
由比ヶ浜「あ、それ賛成!」
比企谷「おいお前が言うとマジっぽく聞こえるからやめろ」
ここまで
ルミルミ天使
ルミルミ天使
ルミルミ天使
ルミルミ天使
餓鬼にようはねぇ
とっとと戸塚出せ
ルミルミ天使
ルミルミ正妻
もしもし警察ですか
小学生は合法ですよね?
ルミルミ、晴ちんは合法
バイトと言えばさきさきなのにいないのはおかしい
ルミルミと古町は太陽、エンジェル
けーちゃんもセーフだよな
>>35
小町な
ここからルミルミルート直行ってことですね、わかります
比企谷(それにしても、久々の山だな。前の時と場所は違うが、こういう景色に触れるのも悪くない)
平塚「おーい雑用、仕事だぞ」
比企谷「さっそくお呼びか。つーか平塚先生がバイトに指示出すんですか?」
平塚「細かいことは聞いてないから知らんな。まあ問題ないだろう。アルバイトをこき使って悪い訳もあるまい」
比企谷「おい、この人に任せて大丈夫なのか? ちゃんとバイト代出るんだろうな?」
由比ヶ浜「うーん、係員さんは別のバイトの人に付きっきりだね」
雪ノ下「そこはかとなく不安ね……」
平塚「ごちゃごちゃと往生際の悪い。いいから荷物をもってついて来たまえ」
比企谷「あれ? 俺たちは他のバイトと別行動なんですか?」
平塚「あっちは小学生の誘導だけだから、バイトは数人で事足りる。こちらは一足先に昼食の準備をし始めるぞ」
雪ノ下「つまり、飯盒炊飯係ですね」
由比ヶ浜「お料理係! 頑張ろうねゆきのん!」
雪ノ下「え、ええっと……」
比企谷「お前が料理するには、今回は被害者が多すぎるんじゃないか?」
由比ヶ浜「被害者!? ヒッキー言いすぎ! そんなにひどくないもん!」
雪ノ下「あのね由比ヶ浜さん、あのね……」
比企谷「無理にフォローすんな、辛くなるのはお前だけじゃないんだぞ」
由比ヶ浜「ゆきのんに気を使われてる!?」
平塚「君達、盛り上がっている所悪いが飯盒担当ではないぞ」
比企谷「え? さっき昼食の準備って言いませんでしたっけ?」
平塚「何も、作ることだけが昼食の準備ではないだろう?」
由比ヶ浜「……?」
比企谷「……なんかいやな予感がするんだが」
雪ノ下「……最初から力仕事、なんてことはないと思っていたのだけれど」
由比ヶ浜「え? どういうこと?」
平塚「昼食はバーベキューだ。そして、君達の役割は鉄板の組み立てと燃料の準備だよ」
比企谷「うへぇ……モロ力仕事じゃねえか……」
由比ヶ浜「バーベキューだって、楽しみだねー!」
比企谷(……こいつのポジティブが今は凄く羨ましい)
雪ノ下「あの、平塚先生? 私には小学生の引率のほうが向いていると思うのですが」
比企谷「おいこら、何自分だけ逃げようとしてんだ」
雪ノ下「に、逃げようとなんてしていないわよ? 適材適所で動いたほうが効率がいいと考えただけじゃない」
比企谷「『適材適所』だぁ? 嘘つけ、お前が小学生の引率に向いてるわけねえだろ」
雪ノ下「……やってみないと分からないわよ」
比企谷「いーや分かるね。小学生相手に論理展開して困惑させる姿が目に浮かぶね」
雪ノ下「その腐った眼に何が浮かんでるか知らないけれど、勝手に決めつけないで欲しいわね」
平塚「雪ノ下」
雪ノ下「! 何でしょう?」
平塚「諦めろ」
雪ノ下「……はい」
平塚「無理をしたくないという気持ちもわからないでもないが、たまには力仕事をやったほうが健康的だぞ?」
雪ノ下「別に、”無理をしたくない”と思った訳では……」
平塚「昼食までまだまだ時間はある。ゆっくり談話でもしながら準備しようじゃないか」
比企谷「そうですよね、無理をせずゆっくりやった方がいいっすよね」
平塚「……君はその都合のいい解釈をやめたまえ」
由比ヶ浜「ゆきのん」
雪ノ下「え、えっと、何かしら?」
由比ヶ浜「一緒に頑張ろうね……!」
雪ノ下「……!」
由比ヶ浜「よーし頑張るぞー!」
雪ノ下「……ええ、そうね。頑張りましょう」
平塚「よし比企谷、さっそく倉庫から鉄板を持ってきてくれ。もちろん機材もな!」
比企谷(おい、さっそく無理させる気満々じゃねえかこの人)
………………
平塚「……よし、一通り終わったな」
由比ヶ浜「終わったああああ! 疲れたああああ!」
雪ノ下「やっと終わったのね……」
平塚「ふむ、どうやら想定より早く終わったようだな。バスの中に缶ジュースがいくつかあるから、好きなのを飲んで来なさい」
由比ヶ浜「先生気前いい!」
雪ノ下「じゃあ早速行きましょうか。早く休憩したいわ」
由比ヶ浜「うん! ……あれ? ゆきのん、ヒッキーはどこ?」
雪ノ下「あら? さっきまでそこで馬車馬の如く働かされていた気がするのだけど、気のせいだったかしら?」
比企谷「ぜえっ……気のせいじゃっ……ハア……ねえよ……」
由比ヶ浜「うわっ! ヒ、ヒッキー大丈夫?」
比企谷「『うわっ』ってなんだよ……」
雪ノ下「あら、生きていたのね」
比企谷「死にそうなほど仕事させられてた俺を労う気はないのかお前は」
平塚「死にそう? これでも手加減したはずだぞなんだがな」
比企谷「これが『手加減した』ってレベルかよ……機材を一人で運ばされるとは思わなかったぞ……。こんなんだからいつまでたっても結――」
平塚「ああ?」
比企谷「――結構仕事ができますよね。仕事ができる先生って素敵だと思います」
平塚「ほう、ならば比企谷には私を見習ってこの後も頑張ってもらうことにしよう」
比企谷(やめてよ、俺死んじゃう)
由比ヶ浜「ヒッキー、ジュース持ってこよっか?」
比企谷「……いや、後で自分で取りに行くわ。飲みたいジュースは自分で選びたい派だからな」
由比ヶ浜「そっか。じゃあ行こっかゆきのん」
雪ノ下「そうね」
比企谷(これだけやってもまだ後半日も残ってるとか、全く割に合わねえな……)
雪ノ下「……お疲れ様、比企谷君」
比企谷「え? お、おう」
比企谷(……行ったか。最後のは何だったんだ?)
平塚「何とも言い難い顔をしているな、比企谷」
比企谷「! ……ほっといてください、元からこんな顔ですよ」
平塚「そういう事を言ってるのではないよ、分かっているんだろう?」
比企谷「…………」
平塚「やはり君が、いや君たちが奉仕部に入ってから、彼女は変わりつつあるんだろうな」
比企谷「……さあ、どうなんでしょうね」
平塚「ふむ、君も素直じゃないな」
比企谷「……」
平塚「それならば、『こればかりは素直に認めざるを得ない』という事を教えてあげよう」
比企谷「あまり聞きたいとは思えませんね」
平塚「いや、勝手に言わせてもらうぞ。『変わっているのは彼女だけではない』、という事さ」
比企谷「……由比ヶ浜のことですか?」
平塚「君の事だよ、比企谷」
ここまで
乙!
おつ
比企谷「はい? 俺っすか?」
平塚「そう、君だよ」
比企谷「そりゃ、変わらない事に定評がある俺としては聞き捨てなりませんね」
平塚「まあ、君がそういう考えの持ち主だと言うことは十分知っているつもりだよ。そう知った上でもはっきりとわかるさ、君は間違いなく変わりつつあるとな」
比企谷「……どうしてそう言い切れるんですか」
平塚「簡単なことだ」
比企谷「……?」
平塚「君が今、そうやって仕事をしているからだよ」
比企谷「……は?」
比企谷「いや、いやいや。俺だってバイトくらいちゃんとやりますよ。それに、仕事を強制したのは他ならぬ先生じゃないっすか」
平塚「ふむ。確かに仕事を強制したのは私だな」
比企谷「はあ?」
平塚「だがね、比企谷。そもそもこのアルバイト自体、強制ではないだろう?」
比企谷「……!」
平塚「確かに、以前の夏休みでは私が君に対して強制したこともあった。主に、学業で圧力をかけた覚えがあるな」
比企谷「その件に関してはよーく覚えてますよ」
平塚「まあその話はおいとこうか」
比企谷「自分から降っといてそれですか……」
平塚「問題は、今のことだよ。君は今回、奉仕部として参加したわけではないのだろう?」
比企谷「それは……」
平塚「いや、そもそも奉仕部にそんな権限はないからな」
比企谷「……。俺はあいつらに強制的に――」
平塚「つまり君は”奉仕部として”ですらない、彼女達の”強制”に従ったということかね?」
比企谷「っ……」
平塚「違うよ、比企谷。君は”強制に従った”のではなく、”頼みごとを引き受けた”のさ」
平塚「君個人が、彼女達の頼みを引き受けた。奉仕部の依頼でもないのにそうするということは、君の中で彼女達の存在がそれだけ大きくなっているということだ」
平塚「本当は、自分でも分かっているんだろう?」
比企谷(わかんねえよ、全然)
平塚「ふむ、少し喋り過ぎたかな? 十分休憩になったことだし、そろそろ私は小学生達を迎えに行くとしよう。君も今のうちに休憩したまえ」
比企谷「……そうっすね」
平塚「比企谷、別に答えを急ぐ必要はないよ。自分で納得できるまで、たくさん考えるといい」
平塚「そしていつか自分の考えがまとまったら、またこうやって雑談に付き合ってくれたまえよ。君との会話は、結構楽しいからな」
比企谷「…………考えときますよ」
比企谷「できれば、どっちの意味でも」
平塚「それで十分だよ」
……………………
由比ヶ浜「あ、ヒッキー! もう大丈夫なの?」
比企谷「あ、ああ」
比企谷(なーにを意識してんだ俺は……平常心、平常心)
比企谷「MAXコーヒーはあるか?」
由比ヶ浜「疲れててもMAXコーヒーなの?」
雪ノ下「発想が乏しいのね」
比企谷「うるせえ、飲みたいもん飲んで何が悪い。……あ、ないのか?」
由比ヶ浜「あるけど」
雪ノ下「なんであるのかしら……」
比企谷「千葉だからな」
比企谷「それはともかく、疲れたから昼までバスで寝るわ。時間になったら起こしてくれ。起こさなくてもいいけど」
由比ヶ浜「どっちでもいいんだ!?」
雪ノ下「ちゃんと起こすから寝てなさい。午後からはもっと頑張って働くんでしょう? 使えなくなったら困るわ」
比企谷「『使う』ってなんだよ怖ええよ。つーかこれ以上頑張ったら確実にくたばる自信があるぞ」
雪ノ下「線香くらいはあげてあげるわよ」
比企谷「俺が死ぬ前提で話すのはやめてくれませんかね……まあいいや、寝る」
由比ヶ浜「ヒッキー寝てばっかだなぁ」
比企谷(俺だってこんなに寝ることになるなんてビックリだよ)
由比ヶ浜「……行っちゃった。ゆきのん、お昼までどうする?」
雪ノ下「私たちは先に昼食の準備を手伝いに行きましょうか。炊飯は係員の人がやっているはずだけれど、自分たちが食べる分くらいは確保して置きたいわ」
由比ヶ浜「そうだね! ヒッキーの分も取っとこうね!」
雪ノ下「ついでに、ね」
比企谷(……なんで俺は聞き耳立ててんだ、早く寝れ)
比企谷(……寝れねえ)
比企谷(考え過ぎて寝れなくなるってのは、小学生が明日の遠足が楽しみで寝れなくなるってのに似てる気がする)
比企谷(まあ俺の場合、その遠足は終始ぼっちで終わるんだけどな)
比企谷(つまり、考えるだけ無駄ってことだろう。……それがわかっていても考えちまうんだけどな)
比企谷(俺は本当に変わったんだろうか。いや、正直変わったかどうかは関係ないか)
比企谷(問題なのは、”変わったとしても問題ない”って考えちまってる俺がいるってことだ)
比企谷(それは、俺の中の芯を無視してる事になるんじゃないか? 自分の信念を曲げてることになるんじゃないか?)
比企谷(いや、べつにたいした芯なんてないし、拘るほどの信念でもない。あるのは捻くれた思考回路だけだ。別に変えたいと思って変わった訳じゃないし、変わったこと自体が悪いわけでもないのかもしれない)
比企谷(……なら、なんでこんなに落ち着かないんだろうか)
ここまで
おつ
乙
乙です
追いついた
キャラ崩壊もなく、読みやすく、先が気になる展開なのに…
るみるみ成分が足りない
>>1は市んだか…
同じく、追いついた
たしかに先が楽しみ
留美「あれ? 八幡まだ寝てるの?」
比企谷「……!」
比企谷(もう小学生達の昼食時間か。なら俺はもっと後で食いに行こう)
比企谷「『まだ』じゃねえ『また』の間違いだ。さっきまで馬車馬の如く働いてたんだぞ」
留美「…………」
比企谷「なんだその冷めた目は……言っとくが嘘じゃねえからな?」
留美「ふーん」
比企谷(あ、絶対信じてないわこいつ)
留美「ま、どうでもいいけど」
比企谷「お前そればっかだな……」
比企谷「つーかお前、こんなとこで何やってんだ?」
留美「え?」
比企谷「昼飯の時間だろ、食いに行かないのか? バーベキューらしいぜ」
留美「……別に、興味ないし」
比企谷(なんだそりゃ?)
比企谷「昼飯食うのに興味も糞もないだろ」
留美「……」
比企谷「腹減ってないのか? それともバーベキュー嫌いか? 俺はバーベキューなんて滅多にやらんから楽しみだけどな」
留美「別に、そういう訳じゃないけど」
比企谷「……?」
比企谷(なんか要領得ないな。さっきまでの時間でなんかあったのか?)
留美「八幡は食べにいかないの?」
比企谷「俺は疲れたから寝る。人が空いてから残り物漁るさ」
留美「なら、私も後でいい」
比企谷「…………」
比企谷(これはどう判断すべきなんだ? こいつに限って、『八幡と一緒に食べたい!』とかいうかわいらしい考えじゃないだろうな)
比企谷(やっぱりさっきの時間で小学生の中でなにかあって、そんで気まずいから抜けてきた、みたいな感じか?)
比企谷「まあ、そうしたいなら好きにすればいいんじゃね?」
留美「……」
比企谷「でも、今日出会ったばっかの他人に対して気を使う必要もないと思うけどな」
留美「……気を使ってるっていうか、気を使うのが面倒だから近付かないだけ」
比企谷(『近付かない』?)
比企谷「もしかして、さっきまでの時間誰とも喋ってないのか?」
留美「……うん」
比企谷(気まずいとか、そういう話以前の問題だったのか。そもそも誰とも関わってないんだな)
比企谷(いや、こいつがそれでいいと思ってんなら問題って訳じゃないか)
留美「どうせ明日で終わりなんだから、別に仲良くしなきゃいけない訳じゃないし」
比企谷「……!」
比企谷(そういえば)
比企谷(夏休みの時に、俺がこいつにそんなような事言った気がする)
比企谷(つーか、今のこいつの行動はまるで俺じゃないか。初めから人と仲を持つことを諦めて、避けてる)
比企谷(俺自身を否定することになるかもしれないが、こいつは本当にそれでいいのか?)
比企谷(『こいつがそれでいいと思ってんなら』)
比企谷(そうじゃない。こいつがそういう考えでいるって事がそもそも問題だろう)
比企谷「……いや、違うか」
留美「……?」
比企谷(『無理に仲良くしなくてもいい』って考えは、否定すべき考えじゃない。俺も間違ってるなんて思ってない)
比企谷(でも、無理にそう考える必要もないんだよな。『仲良くしちゃいけない』って訳でもないんだ)
比企谷(すこし、肩の力を抜いてもいいんじゃないだろうか)
留美「八幡……?」
比企谷(こいつも、……俺も)
比企谷「なあ、昼飯食いに行かないか?」
留美「え?」
比企谷「いや、そのな」
比企谷(なんて言ったら良いんだ? どんな言い方しても引かれそう)
比企谷(いや、理由なんてなんでもいいか)
比企谷「喋ってたら腹減ったんだよ。行こうぜ?」
留美「……べ、別にいいけど」
………………
由比ヶ浜「あれ、ヒッキー来たの?」
比企谷「来ちゃいけないのかよ。『呼んでもないのに来るんじゃねえよ空気嫁』的なやつか?」
由比ヶ浜「そんなこと言ってないし、ヒッキー卑屈すぎ」
留美「……」
由比ヶ浜「あ、留美ちゃんと一緒だったんだ?」
比企谷「まあな」
雪ノ下「あら、警察呼んだ方がいいのかしら?」
比企谷「なんの事案も発生してないからやめろ。つーかいたのか」
雪ノ下「いたら悪いのかしら。『あなたの前に姿を見せるのは恐れ多い、死にます』的な事?」
比企谷「そんな事言ってねーし、俺視点のお前は神かなんかなのか」
雪ノ下「私視点の比企谷君はゴミね」
比企谷「聞いてねえし、まったく上手くねえからそのドヤ顔やめろ」
雪ノ下「ドヤ顔なんかしていないわ、人の表情をねつ造しないで頂戴。比企谷君の分の昼食を確保しておいたけど、あなたにあげる
わ」
留美「あ、ありがとう」
比企谷「あ、俺の昼飯」
由比ヶ浜「ヒッキー大丈夫! まだあっちの方で焼いてるよ!」
比企谷「あの小学生の群れに突入しろってか」
由比ヶ浜「群れって……」
比企谷「ま、背に腹は代えられんな。いっちょ行ってくるわ」
留美「あ、八幡!」
比企谷「ん? どした?」
留美「あ、ええっと……」
比企谷「……」
比企谷「さっき言ってたことだけどよ」
留美「……?」
比企谷(『どうせ明日で終わりなんだから、別に仲良くしなきゃいけない訳じゃないし』)
比企谷「どうせ明日で終わりなんだから、失敗してもダメージは少ないって考えもあるんじゃねえか?」
留美「……!」
比企谷「その気があるなら、って話だ」
比企谷「ま、この2日間をどう過ごすかはお前の自由なんだけどな。自分が楽しめる過ごし方をすればいいさ」
比企谷「別に楽しまなきゃいけないって訳でもないけどな」
由比ヶ浜「なにそれ? 楽しめるなら楽しんだ方が絶対得でしょ!」
比企谷(……何の話かわかってんのか?)
雪ノ下「……」
比企谷(なんか知らんが雪ノ下の視線が痛い。さっさと逃げよう)
比企谷「んじゃ、今度こそ食ってくるわ」
ここまで
乙
乙
ルミルミかわいい
ルミ天
生存戦略
はよ
2か月たったから間に合わんかもしれんけど
今週中に更新します
おお
今日で一週間になる訳だが
もうちょっとまって
遅れた上に短いけど投下
………………………………………
平塚「ちょっと、それどういうことですか!?」
係員「いやだから、こちらも人出が足りなくてですね……」
比企谷(ん? 平塚先生と、係員か? 何話してんだ)
平塚「こっちのバイトは私一人で十分監督できます」
係員「いや小学生のほうに、女性の引率が足りないんですよ。バイトの監督は私共でもできますが、小学生の引率のほうは少なからず女性引率要員が必要なので……」
平塚「それは、……そうですが」
係員「お願いします、平塚先生! 先生の生徒たちの事はこちらの係員が責任を持って監督しますので!」
比企谷(……なるほど、平塚先生は俺らの監督から外れる感じか)
比企谷(これはチャンスじゃないか? 平塚先生より係員のほうが手加減してくれる気がする)
平塚「うーん」
比企谷「いいんじゃないですか?」
平塚「! 比企谷?」
比企谷「平塚先生がいなくても俺らは俺らでちゃんとやれますよ」
平塚「……聞いていたのか」
係員「おお、ありがとう君! そう言ってくれると助かるよ!」
平塚「いやでも」
係員「それじゃ報告してくるので平塚先生、お願いしますね?」
平塚「あ、ちょっと!?」
比企谷(……よし)
平塚「…………比企谷君」
比企谷「あ、俺ちょっと用事思い出したんでそれでは」
平塚「待ちなさい」
比企谷「あ、はい」
比企谷(肩痛いんで掴まないでくださいあくりょくすごいつよい)
平塚「私はな、比企谷。君らの監督なら楽ができるから、こっちの仕事をやっていたんだよ」
比企谷「あ、はい」
比企谷「……いやそれはちょっと、先生の発言としてどうなんすかね」
平塚「正直ものだろう?」
比企谷(面倒くさがりの事を正直者と言っていいなら、正直者の価値が大暴落だな)
平塚「というか、さっきの君は”平塚先生がいなくても”って言ったよな? 私がいると何か不都合でもあるのかな?」
比企谷(痛い痛い痛い肩痛い)
比企谷「はは、まさかそんな」
平塚「もしや、私がいなければ楽できるとでも思っているんじゃないだろうな?」
比企谷「ハハ、マサカソンナ」
比企谷(鋭い)
平塚「まあ、過ぎたことは仕方ないが比企谷。君は雪ノ下と由比ヶ浜の事も、ちゃんと見ているんだぞ?」
比企谷「……なんすか改まって。そんな子供じゃあるまいし……」
平塚「君だってまだまだ子供だろう? 子供である内は子供でいるべきだ」
比企谷(……まあ、平塚先生を見てると間違っても大人ぶりたいとは思えないしな)
平塚「何か言ったか?」
比企谷「な、何も」
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由比ヶ浜「えー!? 午後からは担当さん平塚先生じゃないのー!?」
比企谷「ああ、そうらしい」
由比ヶ浜「平塚先生のままがよかったなーよく知ってる人のほうが安心するし」
比企谷「平塚先生のままだったら俺の体が持たねえよ」
由比ヶ浜「……そういえばヒッキー、もう大丈夫なの? 疲れてない?」
比企谷「……まあ、大丈夫だ。それに、平塚先生じゃなかったら多少仕事も加減してくれんだろ」
雪ノ下「ずいぶん楽観的ね」
比企谷「ん?」
雪ノ下「平塚先生だったからこそ、1日の仕事配分もしっかり計算できてたんじゃないかしら? 午前中の仕事内容を知らない他の係員では、疲れを計算に入れずに仕事をさせる可能性もあるのよ?」
比企谷「いや、それを差し引いても俺たちを手荒く使うことはないと思うぜ」
雪ノ下「……なぜかしら?」
比企谷「次の担当は男。そんでこっちには女子が二人いる。後はわかるな?」
雪ノ下「……私たちをだしに使う気?」
比企谷「いーや何も言わなくても絶対に軽い仕事になるね。男ってのはそういうもんだ」
雪ノ下「…………」
比企谷(一理あるっていう顔と呆れ顔の混じった何とも言えない表情だな)
由比ヶ浜「……ヒッキーってすごいけど、しょうもないよね」
比企谷「おいそこ、しょうもないじゃなくて正直者と言え」
ここまで
次は早めに更新します
おつ
待ってる
乙です
このSSまとめへのコメント
るみるみかわいい
期待支援
すごい期待してる。
ルミルミのサルベージ
続きはよー
おもしろいわ
続きはよはよ
早めに更新します(5ヶ月後)
お前と俺等では早さの流れが違うんだな。
期待はしてないが待つさ。
おお
もう8ヶ月たったわけだが。。