八神マキノ「食べちゃうわよ?」 (52)
のんびりと書いていきます
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---事務所---
P「よし、こんなもんか、おーいマキノ...あれ?」
ちひろ「マキノちゃん?さっきまでその辺にいましたけど、どうかしたんですか?」
P「今度の映画撮影のことで打ち合わせがしたかったんですけど...」
ちひろ「確か学園ホラーものでしたよね、今度の映画」
P「ええ、ゾンビとかそういうのが出てくるらしくて...」
ちひろ「どうしたんですか?なんだかトーンが暗いですけど...」
P「いえ、実はホラー映画とか苦手で...」
ちひろ「あら、意外ですね」
P「で、でもプロデューサーとして仕事は選り好みしてられませんからね!なんと言っても映画だし!」
ちひろ「うんうん、プロデューサーの鑑ですね、その姿勢は」
P「ありがとうございます、それにしてもマキノはどこに行ったんだ...」
マキノ「.....」カチカチ...
P「おっ、こんなところにいたのか」
マキノ「P、どうしたの?」
P「今度の映画の事で打ち合わせをな」
マキノ「そう...ちょっと待ってて...」カチカチ
P「なにやってるんだ?」
マキノ「私も映画の事でデータを集めてたのよ」
P「データ...」
マキノ「今度の映画はゾンビとかが出てくるホラーものでしょう?だからそういう映画の事を調べてたの」
P「なるほど、マキノは熱心だな」
マキノ「当然よ、情報はお仕事に一番必要だもの」
P「ちなみにどんな感じのデータだ?」
マキノ「こういう映像や写真よ」
P「うわぁ...」
マキノ「なに?」
P「いや、実はこういうの苦手でさ...」
マキノ「ふむ、Pはホラー映画が苦手なの?」
P「だ、だってなんだか怖いじゃないか...不気味だし得体の知れない感じがするし...」
マキノ「論理的じゃないわ、ゾンビや幽霊なんて非科学的よ」
P「それはわかってるつもりだけど...」
マキノ「超常現象なんて大体科学で説明がつくものなの、怖がることなんてないわ」
P「だ、だけどなぁ、やっぱり世の中には人間の理解を超えた物が...」
マキノ「まったく、度し難いわね貴方は...」
P「わ、悪かったな!怖がりで!」
マキノ「そうね、Pは怖がりだわ...」
マキノ「でも大丈夫よ、私がついてるいるわ、どんなときだって、ねっ?」
>>5 訂正
○ マキノ「でも大丈夫よ、私がついているわ、どんなときだって、ねっ?」
× マキノ「でも大丈夫よ、私がついてるいるわ、どんなときだって、ねっ?」
P「マキノ...」
マキノ「ふふっ♪Pは危なっかしいもの、いつも見ていないと心配だわ」
P「俺は子供かよ...」
マキノ「あら、そう聞こえたの?ということは自覚があるのかしら?」
P「こいつめ、年下のくせに生意気だぞ」
マキノ「年上のくせに、だらしないわよ♪」
P「はぁ...わかったわかった、降参だ」
マキノ「ええ、それで打ち合わせというのは?」
P「ああ、今度の映画なんだけどさ...」
ガチャッ
小梅「あっ...マキノさん...いた...」
P「どうした小梅?マキノに用か?」
小梅「う、うん...マキノさんにこれ...貸す約束だったから...はい...」
マキノ「ありがとう小梅、助かるわ」
P「なんだそれ?」
マキノ「ゾンビ映画よ、役作りのために見ておこうと思ったの」
いつもの人妻マキノンの人?
>>9 そうです でもこのマキノは前のとは関係がないマキノです
マジか期待
おお、いつもの人か
期待してる
この作者の話、今回みたいに別の話とか言うから、同一作者としてまとめられないんだよな………
P「ぞ、ゾンビ映画?」
小梅「うん...プロデューサーさんは、見たこと...ない?」
P「あ、あんまりないな...」
小梅「これ、結構オススメ...古いけど...おもしろい...」
P「ど、どんな内容なんだ?」
小梅「あ、あのね...主人公たちがゾンビたちと戦って、ショッピングセンターに立てこもるんだけど...」
P「ほ、ほう...」
小梅「仲間がゾンビになったり、他の生き残りの人たちと...戦いになったりして、それで...」
P「わ、わかった!おもしろそうだな!」
小梅「うん、よかったら...プロデューサーさんも観て...」
P「まあ、そのうちな...」
マキノ「それじゃ借りるわね、役作りの参考にさせてもらうわ」
小梅「う、うん...あと、できたら感想も聞かせて...」
マキノ「ええ、必ず」
小梅「それじゃ...レッスン行ってきます...」
P「ああ、気を付けてな」
小梅「はい...」バタン
やはり来たかwwwwww
新規マキノが出たから期待してたぜ!
>>1じゃなくて運営への文句だが、真面目キャラにはオカルトを批判させとけって風潮はどうかと思うなぁ
本当に科学的視点ってのはまず中立の立場で入って、とりあえず証明しようとしてみるものだが
その真面目キャラが実はこっそりと膝をgkbrさせていたとしたら・・・
まあ分からんでもないけど愚痴スレあるんだからそっちで言おうな
マキノ「さて、参考資料が手に入ったわね...」
P「み、観るのか?」
マキノ「ええ、もちろんよ、小梅に感想も聞かせないといけないし」
P「そ、そうか...」
マキノ「Pも一緒に観る?」
P「えっ?だ、だから言ったじゃないか、俺はそういうの苦手で...」
マキノ「でも、次に私が出演するのはホラー映画よ、少しくらい態勢を付けておかないといけないのでは?」
P「ま、まあ間違ってはいないが...」
マキノ「大丈夫よ、所詮は映画だわ、現実じゃない」
P「うーん、そう言われるとなんだか...」
マキノ「じゃあ決まりね、ふたりで観てみましょう」
>>16
その子がいざホラー物を見た時涙を堪えながら虚勢を張るのがいいんじゃないか
------
ギャアアアア!
ウオオオオ...
P「うわっ、食われてる...」
マキノ「ふむっ、身体を食べられてる人間はああいう表情と声を...」
P「おぉ、グロいな...」
マキノ「なるほど、あんな動きで...」
P「おえっ、内臓が...」
マキノ「P、大丈夫?」
P「なんだか気分が悪くなってきた...」
マキノ「もう...」
ギュッ
P「あっ....」
マキノ「ほら、手を握っててあげるわ」
P「い、いいよ別に...」
マキノ「無理しなくてもいいわ」
P「別に無理なんか...」
マキノ「そう、でも手が汗ばんでるけど?」
P「うっ...」
マキノ「本当に苦手なのね、こういう映画」
P「わ、悪かったな...」
マキノ「でも今はわたしがいるでしょ?安心して」
マキノ「この映画みたいにゾンビに襲われても、私がなんとかするわ」
P「なんとかできるのか?」
マキノ「ええ、私に任せなさい、いろいろとお世話をしてあげる♪」
P「....」
マキノ「どうしたの?」
P「いや、違う!違うぞ!」
マキノ「は?」
P「そういう非常事態になったらだ、俺がマキノを助けるんだ」
マキノ「貴方が?」
P「ああ、俺はマキノのプロデューサーだぞ?助けなくてどうする?」
マキノ「ゾンビやホラー映画が苦手なのに?」
P「うっ...そ、そうだとしてもだ!」
マキノ「助けてくれる?」
P「当たり前だ、なにがあろうとも必ず助けるさ!」
マキノ「そう...」
マキノ「ふふっ♪」
P「なんだよ、ニヤニヤして?」
マキノ「なんでも♪」
P「あっ、ひょっとして俺なんかじゃ守れっこないとか思ってるのか?」
マキノ「そんなことないわ、私、Pを信じてるもの」
P「そ、そうか...」
マキノ「そうよ、だから...なにかあったら助けてね?」
P「ああ、もちろん」
マキノ「たとえゾンビに囲まれていてもよ?」
P「お、おう...」
マキノ「ふふっ、やっぱり怖いのね?」
P「こ、怖くないぞ!」
マキノ「ウソ言ってもダメよ?怖くないようにもっとしっかりと手を握っててあげる♪」ギュウウウ
P「やっぱりバカにしてるな!」
マキノ「してないわ、それよりほら、またゾンビの群れが出てきたわよ」
P「うわっ、本当だ!」
------
オーイ!コレモッテクレー!
ウシロキヲツケロー!
マキノ「結構雰囲気あるわね、このセット」
小梅「うん...なんだか...わ、ワクワクする...」
マキノ「あの映画、とってもおもしろかったわ」
小梅「ほ、ホント?」
マキノ「ええ、すごく参考になった」
小梅「え、えへへ...それなら、嬉しいな...」
マキノ「ねえP、おもしろかったわよね?」
P「えっ?あ、ああ...そうだな...」
小梅「どこが一番...おもしろかった?」
P「えっと...その...」
マキノ「ゾンビが襲いかかってくるところよね?」
小梅「私もそのシーン好き...暴走族とゾンビが戦って...」
P「ま、マキノ!」
マキノ「なあに?ふふっ♪」
「それでは撮影始めまーす!」
マキノ「あら、もう時間みたいね、行きましょう小梅」
小梅「う、うん...それじゃプロデューサーさん、行ってきます...」
P「ああ、がんばれよ、ふたりとも」
マキノ「もちろんよ、しっかり見ててね」
------
「はい、休憩でーす!」
マキノ「ふぅ...どうだった?」
P「ああ、いい感じだったな」
小梅「ま、マキノさん...演技上手...」
マキノ「当然よ、演技のプランは完璧だったもの」
小梅「そうなんだ...」
マキノ「小梅が貸してくれた映画のおかげよ」
小梅「あ、ありがとう...」
マキノ「さて、次はいよいよゾンビになった状態のシーンね」
P「そ、そうだな...」
マキノ「P、どう?ゾンビに見える?」
P「あ、ああ...なんか迫真すぎて怖い...」
あれ、今回のイベントってジャパニーズホラーじゃないの?
マキノ「なあに?そんなに怖いの?」
P「い、いや...」ズズッ
マキノ「後ずさりしちゃって...ふふっ♪」
P「だ、だってなんかマキノの表情が真に迫ってて...」
小梅「マキノさん...上手...」
マキノ「P...アナタヲ...タベル...」
P「お、おいマキノ...」
マキノ「まるで子供みたいね、怖がっちゃって♪」
P「ば、バカにしてるな?」
マキノ「そんなことないわ、ただ可愛いって思っただけよ」
P「可愛い?」
小梅「う、うん...怖がってるプロデューサーさん...なんだか可愛い...」
P「小梅まで...」
マキノ「マダ...ワタシニイシキガアルウチニ...ニゲナサイ...」
P「だ、だから怖いって...」
「危なーい!倒れる!」グラッ
マキノ「えっ?」
P「マキノっ!」
ドンッ!
マキノ「きゃっ...」
ガシャーン!!
「おい!セットが倒れたぞ!」
「バカヤロー!なにやってんだ!」
小梅「ま、マキノさん!大丈夫!?」
マキノ「え、ええ...」
マキノ「私よりPが...」
マキノ「っ!!」
P「うぅぅ....」
「おい、誰か下敷きになってるぞ!」
「救急車だ!救急車呼べ!」
マキノ「P...大丈夫?起きて...」
P「うっ....」
小梅「プロデューサーさん...血が...」
マキノ「いや...」
マキノ「いやあぁぁぁ!!!」
------
P「んっ...」パチッ
P「あれ?ここは....」
P「確かマキノたちの映画撮影に行ってて...それで...」
P「そこから記憶が...」
ガチャッ
「P?」
P「んっ?」
マキノ「P...」
P「マキノ、俺...」
ダキッ!
マキノ「よかった...起きたのね...」ギュウウウウウ
P「ま、マキノ...」
マキノ「よかった...本当によかった...」
P「お、おい...」
マキノ「ゴメンなさい...私のせいで...」
P「マキノ...苦しいって...ちょっと離れてくれ...」
マキノ「あっ...ええ...」スッ
P「ふぅ...とりあえず聞いていいか?」
マキノ「ええ、なんでも」
P「ここはどこだ?」
マキノ「病院よ」
P「病院?」
マキノ「Pが私をかばってセットの下敷きになったの、それでここに運ばれたの」
P「下敷きに?」
マキノ「そうよ、なかなか眼を覚まさないから心配したわ」
P「本当だ、もう夜になってる...撮影は?」
マキノ「今日は中止になったわ、ケガ人が出たんだもの」
P「俺のせいで撮影に穴を開けちまったのか...」
マキノ「貴方のせいじゃない、全部私のせいよ...」
P「自分を卑下するなよマキノ、別にお前のせいじゃ...」
マキノ「いえ、私がもっと周りに気を配っていればこんなことには...」
マキノ「それに、貴方がケガをすることも...」
P「だから別に...」
マキノ「だって、貴方が頭から血を流してたのを見て、私ゾッとしたわ...」
マキノ「もしかしたら死んじゃったんじゃないかって...」
マキノ「私、取り返しのつかないことを...」
P「ちゃんと生きてるじゃないか」
マキノ「でも、打ち所が悪かったりしたら、もしかして...」
P「考えすぎだよ、大げさだな」
マキノ「大げさじゃないわ、貴方にもしものことがあったら...」
コンコン ガチャッ
「すみません、そろそろ面会時間は終わりですので...」
マキノ「あっ、はい...もう帰ります...」
P「明日も撮影だろ?」
マキノ「そうよ、でも心配しないで、お仕事はちゃんとこなしてみせるから」
P「ああ、がんばれよ、俺も現場に...」
マキノ「ダメよ!無理しないでゆっくりしてて!」
P「お、おう...」
「あの、病院の中なので大声は...」
マキノ「す、すみません...」
P「気を付けて帰れよ、マキノ」
マキノ「ええ、ちゃんと休んでね?」
P「わかってるって、じゃあな」
マキノ「じゃあね...」バタン
「はい、お熱測りますね」
P「ええ、お願いします、ところで俺いつまでここにいればいいんですか?」
「まあ、大事を取って二、三日というところでしょうか」
P「二、三日か...」
「今の面会の子、あなたの事すごく心配してたんですよ」
P「そうなんですか?」
「ええ、なんでも夕方くらいからずっとあなたの傍を離れずに、付きっきりで様子を見ていたんだそうで...」
P「ずっと...」
「だから、無理せずにちゃんと治してくださいね?」
P「...はい」
------
ガチャッ
小梅「あっ、プロデューサーさん...」
P「よう小梅、今日の撮影はどうだった?」
小梅「うん...すごく楽しかった...」
P「そうかそうか、俺も明日には退院できるって話だからな」
小梅「そ、そうなんだ...よかった...」
P「ああ、これでようやく撮影を見に行けるよ」
小梅「よかった...」
P「小梅もそうだけど、マキノが心配でなぁ」
小梅「マキノさん?」
P「あいつがさ、撮影が終わると毎日お見舞いに来るんだよ」
P「気持ちは嬉しいけど、早く帰って休めって言ってもきかないんだ」
小梅「そ、そうなんだ...」
P「ああ、面会時間の終了まで必ずいるんだよ、撮影で疲れてるだろうから休んでほしいんだけど...」
小梅「でも、マキノさん...プロデューサーさんのこと...すごく心配してたから...無理ないと思う...」
P「マキノが?」
小梅「あのね...プロデューサーさんが下敷きになった時...マキノさん、泣いてた...」
小梅「『どうしよう...Pが死んじゃう、Pが死んじゃう!』って言いながら...」
小梅「プロデューサーさんが運ばれる時も、スタッフさんに...抑えられてたよ?」
小梅「『ゴメンなさい、ゴメンなさい...』って何度も謝りながら...」
P「そんなことが...」
小梅「あんなに大声出して、泣いてるマキノさん...初めて見た...」
小梅「た、多分...自分のせいでプロデューサーさんがケガしたって...思ってる...」
P「ああ、そうかもな...」
小梅「だからね、きっと...責任を感じてる...」
小梅「...プロデューサーさん、マキノさんに怒ってる?」
P「そんなわけないだろ、アイドルを守るのはプロデューサーとして当たり前だから」
小梅「...そっか、よかった」
P「もちろん、小梅のことだって守るからな」ナデナデ
小梅「う、うん...ありがと...」
ガチャッ
マキノ「あら小梅、来てたの?」
小梅「うん、でも...今帰るところ...」
マキノ「そう、気を付けてね、明日も撮影なんだから」
小梅「わ、わかってる...それじゃ...プロデューサーさん、さよなら...」
P「ああ、今日はありがとな」
小梅「マキノさん...明日も...がんばろうね...」
マキノ「もちろんよ、それじゃあね」
小梅「うん、バイバイ...」バタン
マキノ「遅くなってゴメンなさい、ちょっと買い物してたから...」
P「別に気にしてないよ、それより明日には退院できるってさ」
マキノ「本当に?よかった....」
P「ベッドでじっとしてるってのもなかなか退屈だったからな、これでやっと仕事ができる」
マキノ「そうね、でも休養だって必要よ、Pは働き過ぎなくらいだから...」
P「わかってるって、でもマキノたちの撮影がどんな感じなのか気になるからな」
マキノ「順調よ、全て滞りなく進行してるわ」
P「そうかそうか、ならよかった」
マキノ「ええ、心配しないで頂戴、今リンゴ剥いてあげるわね」
P「ああ...」
ショリショリ...
P「あのさマキノ」
マキノ「なあに?」
P「ありがとな」
マキノ「どうしたの急に?」
P「いや、この三日間撮影が終わったら必ずお見舞いに来てくれるから、お礼を言っとこうと思って...」
マキノ「そんなこと気にしてたの?いいのよ別に、私が好きでやってるんだもの...」
P「それでも感謝してるんだ、お礼くらい言わせてくれよ」
マキノ「まったく、どこまでお人よしなのかしら...」
P「それに、俺がセットの下敷きになった時もものすごく心配してくれたらしいじゃないか」
マキノ「それは...」
P「マキノはクールに見えるけど実際のところはすごく優しいな」
マキノ「元はといえば...私が原因で...」
P「自分を向上させる事も怠らないし、本当にえらいとおも...」
マキノ「.....やめて」
P「えっ?」
ポタッ
マキノ「やめて...それ以上言わないで...」ポロポロ...
P「ど、どうしたんだ?」
マキノ「私は...そんなことを言われる資格がない...」
P「資格がない?」
マキノ「私、Pがセットの下敷きになった時...なにもできなかった...」
マキノ「頭から血を流してる貴方を見たら...頭が真っ白になって...」
マキノ「ゴメンなさいって謝るだけ....」
マキノ「いつも貴方に偉そうなことを言っても、肝心な時にはなにもできない...」
マキノ「Pは...自分がケガしても私を助けてくれたのに...」
マキノ「私は...」
P「マキノ...」
マキノ「私、偉くなんかないの...」
マキノ「貴方に褒めてもらうような人間じゃない...」
マキノ「優しくもないし...お礼を言われるような事も...」
ナデナデ...
マキノ「あっ...」
P「そんなことないぞ、マキノ」
マキノ「P...」
P「誰だって目の前でケガしてる人がいたら慌てるだろ」
P「それにお前はまだ18歳の女の子なんだぞ?その歳で冷静な対処ができる方がどうかしてるよ」
マキノ「でも...」
P「確かにあの事故の時にはなにもできなかったかもしれないけど...」
P「だけどその後には、わざわざこうして毎日お見舞いに来てくれるじゃないか」
マキノ「だって、私にはそれくらいしか...」
P「それだって誰にでもできる事じゃないさ、今もリンゴを剥いてくれるしな」
P「自信を持てよマキノ、お前は充分優しくて褒められるにふさわしい子だ」
マキノ「そんな...」
P「それに、アイドルを守るのもプロデューサーの役目の一つだ」
マキノ「もう...なによそれ...」グスッ
P「文字通り、身体を張って自分のプロデュースするアイドルをだな...」
マキノ「そんなの論理的じゃないわよ...」
P「なに言ってるんだ、マキノがケガでもしたら...」
マキノ「貴方がケガしたら誰が私のプロデュースをしてくれるの?」
P「まあ、最悪病院のベッドから...」
マキノ「ダメよそんなの、絶対にダメ」
P「ダメかぁ...」
マキノ「本当に...度し難い人...」
P「でも、やっぱりマキノが危ない目に遭いそうになったら俺はお前を助けると思うぞ」
マキノ「はぁ...お人よしにも程があるわ...」
P「そうかな?」
マキノ「そうよ、そんなんじゃいつか本当に取り返しのつかないことになるわ...」
P「だとしてもなぁ...」
マキノ「まったく...」
ギュッ
マキノ「これじゃ、私がずっと貴方を見てないといけないじゃないの....」ギュウウウウ
P「そうか?」
マキノ「ええ、Pは危なっかしいもの...」
P「マキノが見てくれるなら、安心だな」
マキノ「バカ...」ギュッ
P「そうそう、やっぱりマキノはそうやって生意気言ってるのが似合うな」
マキノ「もう...すっかり元気になったみたいね...」
P「ああ、お前がお見舞いに来てくれたおかげだ」
マキノ「そう...」
P「元気出たか?」
マキノ「グスッ...ええ、もう大丈夫」
マキノ「今度貴方に何かあったら、必ず助けるわ」
P「よかった、これでまた事故にあっても安心だな」
マキノ「ダメよ、事故に遭わないように気を付けなさい」
P「わかったわかった」
マキノ「本当に?」
P「本当だって」
マキノ「きっとよ?」
P「ああ...」
マキノ「P...」
P「マキノ...」
「ウオッホン!ずいぶんと良くなったようですねぇ...」
マキノ・P「っ!!」ビクッ!
「ですが、他の患者さんもいらっしゃいますし...」
マキノ「ぴ、P!私そろそろ帰るわね!」
P「あ、ああ...」
マキノ「いい?ちゃんと治しなさい!でも無理はしないでね!?」
P「わ、わかったよ...」
マキノ「じ、じゃあね!」バタン
「はい、お熱測りますねー」
P「はぁ...」
「元気なのは結構ですけど、時間と場所を弁えていただかないと...」
P「す、すみません...」
「まあ、この様子なら明日には問題無く退院できますね」
P「助かります...」
「続きは治ってからお願いしますね?」
P「はぁ...」
------
「それじゃ本番行きまーす!」
「よーい、スタート!」
P「へぇ、小梅はやっぱりノリノリで演技してるなぁ」
マキノ「そうね、きっと嬉しいのよ、念願だったホラー映画に出れて」
P「マキノのゾンビの演技もかなり良かったと思うぞ」
マキノ「そう、ありがとう♪」
マキノ「ところで...平気なの?」
P「なにがだ?」
マキノ「ゾンビ姿の私を見て、怖くはないの?」
P「いや、全然平気だ」
マキノ「耐性がついたのかしら?」
P「それもあるかもしれないけど...」
P「ゾンビになってもマキノはマキノだからな」
マキノ「どういう意味?」
P「格好は怖くても、中身は優しいマキノだと思うと不思議と怖くないんだよ」
マキノ「なるほどね...」
P「むしろ、ちょっと可愛いと思えるようになったな」
マキノ「可愛い?これが?」
P「ああ、そんなに怖い恰好をしてても、俺の病室で泣きながら謝ってたマキノだと思うと...」
マキノ「むぅ...」
P「どうした?」
マキノ「...あんなに泣くつもりはなかったのに」
P「恥ずかしいのか?」
マキノ「Pに...あんな姿を見られるなんて...」
P「照れるなよ、お前だって女の子なんだからあれくらい...」ナデナデ
マキノ「...もう!」ガシッ
P「えっ?おい、ちょ...」
カプッ
P「っ!!」
マキノ「んんっ...」
P「ま、マキノ...ゆ、指を噛むな...」
マキノ「Pのくせに...はむっ...生意気よ...」
P「お、おい...誰かに見られたら...」
マキノ「大丈夫よ...あむっ...ちゅううう...」
P「こ、こら!」
シュパッと感染・シュパッと籠絡…マキノン
マキノ「ぷはっ...」
P「ふぅ...ビックリした...」
マキノ「P...」グイッ
P「な、なんだよ...」
マキノ「昨日は確かに泣いてしまったけど...」
マキノ「だからと言って、私をバカにするのは...許さないわ」
P「別にバカにしてなんて...ただ...」
マキノ「ただ、なに?」
P「年相応に可愛いところもあるなって思っただけで...」
マキノ「またバカにして...」
P「だから...」
チュッ
P「んっ...」
マキノ「主導権を握られるのは...嫌なの...」
マキノ「今度は...絶対に私が貴方を助けるんだから...」
P「....」
マキノ「P?」
P「可愛いなぁ...」ナデナデ
マキノ「ちょっ...」
P「そうやってムキになるところが、年相応で可愛いんだよ」ナデナデ
マキノ「もう...調子に乗ってると...」
マキノ「ガブッと...食べちゃうわよ?」
おわり
駄文失礼しました~
マキノの新規カードキター
でも正直Hのマキノの顔は迫真の演技過ぎて怖いです...
眼がイッちゃってるよ...
あと今回のセリフで高校生である事がわかりました
個人的にはかなり重大な情報です
ではまた~
おつー
おつおつー
まきのんやっぱりかわいいの~
乙ー
次からでいいからトリップ付けてくれると嬉しい
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