提督「海域調査したら変な艦娘を拾って母港を襲撃された」(79)


提督「調査任務?」

上司「最近深海棲艦がいないにも関わらず遠征部隊がロストする事件が多発している」

提督「どうして私が選ばれたのでしょうか?」

上司「くじ引きと俺の推薦」

提督「そうですか」

上司「今まで類を見ない任務だ。原因が究明できれば本部から特別な報酬があるだろうな」

提督「この任務、喜んで遂行させていただきます」

--------------------

【穏やかな海】

天龍「…つってもなぁ…」

龍田「何もないわねぇ」

不知火「辺りに敵がいそうな遮蔽物は無いですね」

叢雲「風も気持ち良いぐらい凪いでいるわね」

木曾「おーい。もぐらー、海底はどうだー?」

まるゆ「もがががもががががが! もがががが!!!」ブクブク

木曾「しゃべるなら浮上しろよ」

まるゆ「もぐらじゃないもん! まるゆだもん!」バシャン

木曾「そんなことを言うために浮上すんじゃねぇ」

まるゆ「うー…」チャポン

天龍「…」

龍田「ふふふ♪」

まるゆ(木曾さんはひどいです。いっつもまるゆで遊んで…)ゴポゴポ

まるゆ(りふ…りふ何とかってやつです)ゴポゴポ

まるゆ(まるゆだって一生懸命…あれ?)ゴポゴポ

まるゆ(これ…主砲?)ゴポゴポ

まるゆ(轟沈した艦娘さんのものでしょうか? とにかく浮上して木曾さんに知らせましょう)ゴポゴポ

まるゆ(き~そ~さ~ん~!」

木曾「浮上するな、まるゆ!」

まるゆ「えっ…ふわ~!?」ドカーン

木曾「大丈夫か!」

まるゆ「何とか~…。今のは?」

天龍「敵襲だ!」

まるゆ「へっ!?」

叢雲「完全に囲まれているわね」

不知火「いつの間に…」

龍田「叢雲ちゃん、どのぐらいいるの?」

業雲「電探によると…ざっと50前後ね」

天龍「ごじゅっ!?」

まるゆ「あわわわわ」ブクブク

木曾「任務放棄、これより一点集中突破する。遅れんなよお前ら!」

天龍「おうっ!」

木曾「俺の相手にしては弱すぎるっ!」ドカーン

天龍「天龍様の攻撃だ。うっしゃあああああ!!」ドカーン

不知火「沈め…!」ドカーン

龍田「肉を切らせて骨を断つ…ふふふ♪」ドカーン

叢雲「何で被弾してるの!?」

木曾「よし…これなら……!」

まるゆ「みなさーん、まってくださーいっ!」テトテト

天龍「!」

木曾「あのもぐらっ!」ダッ

天龍「木曾!」

軽巡ヘ級「…」ロックオン

まるゆ「ひっ!」

木曾「ぐうっ!?」ドカーン

まるゆ「あ、き、木曾さん…」

木曾「ふん…。ちっとばかし涼しくなったぜ」

軽巡ヘ級「…」ロックオン

天龍「俺も…!」

龍田「ダメよ天龍ちゃん!」

不知火「戻っても犬死です」

天龍「黙ってみてろっていうのか!?」

叢雲「ん…電探に反応。浮上…?」ビーッビーッ

木曾「くそ…足が…航行できねぇ…」

まるゆ「まるゆは大丈夫ですから―」

木曾「うるせぇ! まだこれからだっ!」

軽巡ヘ級「」バン

天龍「木曾…っ!」



ドカーン




木曾「この木曾を沈めたこと、誇りに―」

まるゆ「木曾さん、まだ沈んでないですよ!」

木曾「は?」

軽巡ヘ級「」プスプス

??「…メイチュウ…カクニン…」

まるゆ「艦娘さんなのですか?」

敵艦「」ドォンドォン

謎の艦娘「…コウセン…カイシ」ヴォン ヒュン

敵艦「」ドォンドォン

謎の艦娘「ホウゲキ…カイシ…」ガチャン バンバン

敵艦「」ドカンドカン

木曾「強い…」


謎の艦娘「テキタスウ…コウクウブタイ、ハッシン」ビュンビュン

木曾「艦載機…だと!?」

謎の艦娘「…酸素魚雷一斉発射…」ボシュボシュボシュボシュ

ドカンドカンドカンドカン


………………………



木曾「…」

まるゆ「…」

謎の艦娘「…チンモク…カクニン…シュウリョウ…」


天龍「おい木曾!」

木曾「大丈夫だ…おまえらは?」

叢雲「あんたよりは無事よ。それより…」

龍田「なんなのかしらねー。この子」

不知火「私と同じぐらい強いですね」

叢雲「助けてくれたの?」

龍田「助かっただけかもよー」

まるゆ「あ、あの!」

謎の艦娘「?」

まるゆ「助けていただいてありがとうございます」

天龍「おい、うかつに近寄るなよ!」

謎の艦娘「…」ナデナデ

叢雲「敵意…はないみたいね」

龍田「天龍ちゃんおっかなーい♪」

天龍「…わりぃ…」


不知火「不知火は敵ではないと思ってました」

謎の艦娘「」ムニー

まるゆ「くすぐったいです~♪」

木曾「助けていただき感謝する。俺は旗艦を務めている木曾だ」

謎の艦娘「」プニプニ

木曾「俺たちは遠征部隊がこの海域で轟沈するという報告を受け調査していた。何か知っているか?」

謎の艦娘「?」

天龍「おい、何か話せよ」

龍田「話せないのかもよ~」

叢雲「あんた、声、出せないの?」

謎の艦娘「」コクコク

不知火「天龍ちゃんは野蛮ですね」

天龍「てめえ…」


木曾「どこの艦娘なんだ?」

謎の艦娘「?」

龍田「分からない?」

謎の艦娘「」コクコク

木曾「…良かったらでいいが一度俺らの母港に来ないか? 礼もしたいし、俺らの指揮官ならお前の母港も調べられるかもしれない」

謎の艦娘「」コクリ

天龍「いいのか、木曾」

木曾「お前は命の恩人をおいそれと放るみみっちぃやつなのかー」

不知火「天龍ちゃん、さすがですね」

天龍「俺をここまでコケにするとはねぇ…主砲持って表出ろ! 不知火ぃ!」ガチャン

不知火「既に海上ですが?」スチャ

まるゆ「もぐもっぐ~♪」

謎の艦娘「♪」


--------------------

【司令室】

木曾「艦隊が帰港したぜ。ったくちゃっちゃとやれよー」

天龍「それ、俺―」

提督「第二艦隊は別命あるまで待機。あと龍田と天龍は入渠しろ」

龍田「天龍ちゃん一緒に入ろ~」

天龍「くそっ、なんであいつあんなに強いんだよ…」

不知火「不知火になにか落ち度でも?」

叢雲「少し服が汚れたわね…」

ガチャ バタン

提督「この度は我が艦隊を助けていただき感謝する」

電「ありがとう、なのです」


提督「はい、フリップとペン。話せないんだろ」

謎の艦娘「」コクコク

提督「君はどこの鎮守府の娘なんだ?」

謎の艦娘「…」

提督「分からない?」

謎の艦娘「」コクリ

提督「名前は?」

謎の艦娘「?」

提督「分からない?」

謎の艦娘「」コクリ

電「フリップとペン使えよ」


提督「…とりあえず補給をしてくれ。お礼だ遠慮しなくていいぞ。電?」

電「案内するのです」

謎の艦娘「…」コクリ

--------------------

【廊下】

響「ん? 誰だい?」

電「木曾さんたちを救った艦娘さん、なのです」

謎の艦娘「」コクリ

響「そうか。Спасибо」

響「…それにしても……黒いね」

電「そうなのです。黒ずくめなのです」

響「髪の毛と肌が白い分、服の黒さが際立つのかな」


電「響ちゃんも補給に?」

響「ウォッカが切れたから、エチルアルコールを飲みに」

電「大丈夫なのです?」

響「大丈夫。アルコールだから」

電「ここが私たちの食堂なのです」

【補給所・食堂】

鳳翔「あら、お客さんですか?」

足柄「提督は若い子がいいんだ…。どうせアラサーの私なんて」

飛鷹「じ、需要はきっとあるわよ」

隼鷹「そんなときはぱーっと呑むんだよ。ぱーっとなぁ!」

足柄「足柄一気飲みいたしぇますぅ!」

那智「ほどほどにしろよ」

イッキイッキイッキイッキ


鳳翔「…本当にすみません」

電「補給をお願いするのです」

鳳翔「はい、提督から話は聞いていますよ。すぐ準備しますね」

謎の艦娘「」オジギ

夕張「おじゃましまーす」

響「待ってたよ、メロンちゃん」

夕張「メロンちゃん言うなー!」

電「それでは電はお仕事があるので先に帰るのです」

夕張「今日の秘書艦がんばってねー」

電「はい、なのです」

鳳翔「はいどうぞ。おかわりは遠慮せずにどうぞ」

謎の艦娘「」イタダキマース


響「メロンちゃん。工業用アルコール持ってない?」

夕張「だからメロンは…。はい、どうぞ。整備?」ゴト

響「そんなところだ」

謎の艦娘「」モグモグ

響「美味しそうに食べるね」

夕張「…黒い」

響「メロンちゃん、それ、2回目」グビ

夕張「だから…。もういいわ」

謎の艦娘「」ゴチソウサマデシタ

夕張「武装の割りに少食なのね」

響「一度司令室に戻る?」

謎の艦娘「」コクコク


鳳翔「誰か一緒に連れて行かせましょうか?」

赤城「食事中」モグモグ

加賀「ここは譲れません」モグモグ

那智「私が行こう」

飛鷹「それじゃ那智の分も呑んでおくわねー」

隼鷹「ひゃっはー!」

足柄「…ぇた狼…ってのはぁ…」スピー

那智「程度をわきまえて置けよ。さ…行こうか」

謎の艦娘「」コクコク

夕張「じゃあね」

鳳翔「またお越しくださいね」

謎の艦娘「」バイバイ

響「」グビグビ


鳳翔「誰か一緒に連れて行かせましょうか?」

赤城「食事中」モグモグ

加賀「ここは譲れません」モグモグ

那智「私が行こう」

飛鷹「それじゃ那智の分も呑んでおくわねー」

隼鷹「ひゃっはー!」

足柄「…ぇた狼…ってのはぁ…」スピー

那智「程度をわきまえて置けよ。さ…行こうか」

謎の艦娘「」コクコク

夕張「じゃあね」

鳳翔「またお越しくださいね」

謎の艦娘「」バイバイ

響「」グビグビ

【司令室】

提督「んー…」

電「どうしたのです?」

提督「さっきの艦娘。名前何なんだろうね」

電「何を読んでいるのですか?」

提督「世界の軍艦決定版」

電「辞書みたいなのです」

提督「もちろんみんな大好き角川書店だ」

電「じゃあさっきの艦娘も分かるかもしれないですね」

提督「そーなんだけどねー。適合する船が見当たらないのよ」

電「司令官さん…実は電はあの艦娘怖いです」

電「あの黒いセーラー服と白い肌、まるで…」

提督「深海棲艦みたいだよねぇ」


コンコン

提督「どーぞー」

那智「失礼する」ガチャ

提督「ご苦労那智。補給は済んだかい?」

謎の艦娘「」コクコク

提督「何か思い出せた?」

謎の艦娘「」ブンブン

提督「そっか…ま、本部にも捜索願出てないか聞いてみるよ。それまでゆっくりどうぞ」

謎の艦娘「」ペコリ

電「司令官さん。それまでこの人の部屋はどうしましょう?」

提督「モガミンの隣はどうだ? 兵装的にも」

那智「…」ピクッ


提督「…なんだ、何か言うことでもあるのか?」

那智「……昨夜ばかりは飲ませてもらいました」

提督「那智?」

那智「…那智船隊! 出撃するぞ!」ガチャ バタン

チョナチナンナノ!?

ヒャッハー!?

提督「ちょーっと待っててくれ。すぐ部屋は準備できるから」

電「暇なら母港を適当に回ってくるのもいいかもしれないのです」

謎の艦娘「」コクン

提督「迷ったりしたら適当な艦娘捕まえていいからな」

【射撃場】

謎の艦娘「」テクテク

叢雲「5連続ミス…」

五月雨「ごめんなさい…」シュン

叢雲「動いている敵ならまだしも」

叢雲「止まっている的に魚雷が当たらないってどういうこと?」

五月雨「まだまだこれからです!」フンス

業雲「落ち着きがないわね。大丈夫?」

謎の艦娘「」ジー

業雲「ああ…あんた、どうしたの?」


謎の艦娘「」ツカツカ

五月雨「え? もっと腰を落として…こうですか? で腕を伸ばして…」グイグイ

謎の艦娘「」コクコク

叢雲「悪くないわ」

謎の艦娘「」OK

五月雨「たぁーっ!」

チュドーン

五月雨「やったぁ! 叢雲さん、見ててくれました!?」

叢雲「まぁ、当然の結果ね。あれだけ練習したんだから」

謎の艦娘「」バイバイ

五月雨「ありあとうございましたー」バイバイ

五月雨「って…あの方誰でしょうか?」

業雲「まるゆと木曾さんの恩人よ」


【改装室前廊下】

謎の艦娘「」テクテク

漣「こんな感じですね。やってみてください」

不知火「……」

漣「不知火ちゃん落ち度無いんですよね?」

不知火「はい、ありません」キリッ

漣「なら何やってもくぁいいですよ」

漣「鏡に出来なきゃ、ご主人様にも見せられませんよ?」

不知火「…では参ります」

青葉「何々、なんですk―」ガチャ

不知火「ご主人様のためにヌイヌイの愛情ケチャップ注―♪」

謎の艦娘「」

青葉「」パシャ

漣「」●REC


不知火「…」スッ

謎の艦娘「」

青葉「」パシャシャシャシャシャシャシャ

漣「」●REC

不知火「…」



青葉「…青葉、見ちゃ―」

不知火「○す」ダッ

青葉「」ダッ

謎の艦娘「…」

漣「こんにちは。貴方が噂の艦娘ですか?」

謎の艦娘「」コクコク


漣「ここは改装部屋です。主に兵装を整える部屋です」

漣「さっきのは近代化改装の一つで、奉仕の心を知りたいとの事でしたのでまずは形から入り

ました。メシウマ」

謎の艦娘「」ジロジロ

漣「改造前の衣装とか、宴会用のコスチュームとか、プレイ用などいろいろあります」

謎の艦娘「…」ピタッ

漣「あ、…その一番端のハンガーは欠番です。ご主人様の命令でそこには何もかけるなと…」

謎の艦娘「…っ」ズキッ

漣「いえ、貴方のせいじゃありませんから」

漣「そ・れ・よ・りどうです貴方もどうですか。この甲冑とか似合いそうですね」

漣「姫を助けるために醜い魔物に捕まって『くっ、殺せ』とか言っちゃって。でも悔しいけど

感じちゃうテンプレパターンwww。そして最後に駄目押しで姫様が目の前で―」

漣「…いない…放置ktkr」


【入渠ドック前】

衣笠「青葉、がんばってるなぁー」

最上「ボクもメイド服があんなに軽快だなんて思わなかったよ」

謎の艦娘「」テクテク

最上「怪我したのかい?」

謎の艦娘「?」

最上「ここは入渠ドックだよ。ちょっと財政難でぼろいけど」

衣笠「でも今はちょっと止めたほうが…」

謎の艦娘「?」ノゾキ


天龍「俺をここまで追い詰めるとはな…褒めてやるよ」

龍田「あら天龍ちゃん。まだ終わりじゃないわよ~」

天龍「もういいだろ! 体洗ったし、髪も洗った!」

龍田「あら~。天龍ちゃん、デリケートなところそんな適当に洗っちゃダメよー」

天龍「やめろ…来るな。お前に任せるとろくなことにならない」

龍田「ふふふ…怖いの~?」

天龍「…コワイ」

ヤメッ! ヘンナトコロサワルナッ! アッ…

謎の艦娘「///」

衣笠「……ね」

最上「ボクらも急いで出てきたところだよ」

【司令室】

提督「…いい仕事してるじゃないか」

青葉「恐縮ですっ♪」

提督「無表情だが顔真っ赤にして迫り来るメイド服の不知火。全て買い取ろうか」

コンコン

提督「誰だ?」

謎の艦娘「」ドウシヨウ

電「どなたなのです?」ガチャ

不知火「」スタッ

謎の艦娘「」ビクッ

不知火「沈め」ダッ

青葉「」ダッ パリーン

不知火「」パリーン

提督「最後のガラスをぶーちやーぶれー」

電「窓を持ってくるのです」トテトテ


謎の艦娘「」ボーゼン

提督「ん? 君か。早かったね。って見るところはほとんどないから当然か、hahaha」

提督「まだ部屋の準備は終わってないみたいだ。ソファーにでも座ってくれ」

謎の艦娘「」ボフンッ

提督「お茶でいいかな?」

謎の艦娘「」コクリ

提督「といっても粗茶しかないんだがな」

謎の艦娘「」キョロキョロ ソロー

提督「その連装砲には触らないでくれ」

謎の艦娘「」ビクッ

提督「それは轟沈した艦娘の装備なんだ」コトッ

謎の艦娘「…」


提督「レベル38。旗艦なのにな」トクトクトク

提督「結構ショックでな、未だに建造も出撃も出来ないよ。同じ顔したやつが現れるかと思うと、なhahaha」

謎の艦娘「…」

提督「すまない。重い空気にしてしまったな」

謎の艦娘「」ゴメン

提督「ここの茶は冷めると不味くなるぞ?」ズズズッ

コンコン

電「大変なのです!」ガチャ

提督「どうした」

電「響ちゃんの目が見えなくなったのです!」

【艦娘寮・航巡艦棟】

電「ここが謎の艦娘さんの部屋です」

謎の艦娘「」ペコリ

電「何かあったら司令室か隣の艦娘さんに頼んでくださいです」

謎の艦娘「」コクコク

電「おやすみなさいなのです~♪」

謎の艦娘「」バイバイ

バタン

謎の艦娘「………」

謎の艦娘「…ィ……」

ズキッ

謎の艦娘「っ―!?」ズキッ

謎の艦娘「…ッ…ぅァ…!」ズキズキッ

謎の艦娘「ぁ………」

謎の艦娘「」バタンキュー


「………」

「提督さん私結構がんばったっぽい。ほめてほめてー!」

「この調子ならイベント海域も楽勝っぽい?」

「さぁ素敵なパーティしましょう」

「もう…ばかぁ…これじゃもう戦えないっぽい…」

「提督さん、大破しちゃったっぽい。」

「…進撃…っぽい…?」

「 でも……そうだね、後一戦だけだもんね。いつもどおり避ければ良いだけっぽい」

「避ければいい…」

「!? タービンが…」

「ダメ…避けれないっぽ―」


「………」

「ふふっ…これでもっと戦える」

「え? 電探外すの?」

「ちょっと主砲も外しちゃったら攻撃できないじゃない」

「……出撃…!? ばかね、これじゃ戦えないじゃない!」

「この艦全部も…装備が…ないわよ…」

「……私たち…壁…?」

「旗艦を守るための…沈んでもいい……どうでもいい…艦娘…?」

「いや…出撃したくない! …いやぁ…」

「いやああああああああああああああああああああああああああ―!」


「………」

「なぁ提督うちもうぼろぼろやし、艦載機も減ってるから帰らへん?」

「そりゃうちまだ大破いうても体力の多いほうやけど…」

「わかったわ…がんばってみるわ」

「ふー…ふー…」

「ああー…がんばったけどもう限界やわ…」

「え!? 提督、進撃するん?」

「でもうちもう…」

「そうか…主力が残ってるからか……」

「ほんまは気づいとったわ……最近正規空母ばっかり出撃して」

「ここは資材も豊富やさかいに…なぁ…」

「久しぶりにうちを呼んだと思ったらそういうことかいな………!」

「そりゃ正規空母には勝てへんもんな」

「……ほな、いくわ提督…」


謎の艦娘「」ハッ

謎の艦娘「」キョロキョロ

謎の艦娘「っ――!?」ズキッ

「司令官。私は大丈夫です! 進撃しましょう!」

「大丈夫です! いつもみたいに避ければいいんですから!」

「ここまで来たんですよ後一回でいいんです。後一回進撃すれば完全制圧ですよ!」

「それに…旗艦は沈みませんから!」

「…もういいです!」

「………第一艦隊進撃します!」

(私が頑張れば司令官は喜んでくれた)

(私が頑張れば司令官はほめてくれた)

(私はずっと司令官の秘書官だった)

(私が応えないで…誰が応えるんですか!)


「いっけー!!!」

「やった、やりました! 私―」ビーッビーッ

(アラート!?)

「」

「」

「…司令官…私やりました…」

「旗艦を倒しましたよ……」

「これで…新しい海域に進めますよ……」

「笑ってくださいよ…何、で……?」

「司令官が……笑ってくれないと…私…」

「大丈夫です。…すぐに新しい…私が……現れますから…」

「…だから…なかないでください…よ…」


謎の艦娘「……」

謎の艦娘「…レ…カン…」

ドガァンッ

謎の艦娘「!?」

【司令室】

提督「高速修復剤は惜しむな!」

加賀「一般人のシェルターへの避難しました」

提督「空母たちは戻ってくる艦娘の入渠、補給の補助を頼む」

加賀「分かりました」

謎の艦娘「」ガチャ

提督「ああ…起こしてしまったか…」

提督「敵襲だ。深海棲艦が押し寄せてきた」

謎の艦娘「!?」


提督「なんら不思議じゃない。母港襲撃なんて普通にありえる話だ」

提督「もっとも、こんな辺鄙な場所を狙う理由が分からんけどな」

響「とはいえ…量がすごいね」

提督「叢雲の電探によるとエリート級の軽巡と駆逐が約200隻らしいぞ」

響「すまない…出撃できなくて…」

提督「まったくだ。エチルアルコールは飲み物じゃないだろうが」

提督「こっちは1隻でも欲しいってのに」

響「やっぱりダメだ。妨害電波で救援信号、送れない」

提督「……すまないな、こんなことに巻き込んで」

謎の艦娘「…」

(……せる…)


響「提督、どこだい、あんまり移動しないで欲しい」テトテト

(今なら…)

提督「おとなしく座ってろ」ムギュ

(ほかのかんむすを犠牲にする前に)

響「…すまない…」ドサッ

(私たちを…ものとしか…扱わない提督を…)

提督「君は一度自室に戻り、出撃準備をしておいてくれ」

(私ではなク…他ノ秘書艦と一緒にいる司令官ヲ…)

提督「いざとなったら―」

(今ナラ…!)ガチャン


提督「逃げろ」

謎の艦娘「…」

提督「何きょとんとしているんだ? 戦わせるわけないだろ」

提督「LV68まで大切に育ててくれた提督がお前を待っているんだ」ナデナデ

響「そうだ、司令官、ウォッカないかい?」

提督「今足手まといって事忘れてねぇだろうな」

響「ウォッカさえあれば何とかなるかもしれない」

提督「……」

響「司令官、信じて」

提督「…足柄の二段目の引き出し〔酔いたいとき用〕の中にあるかもしれない」

響「ураааааааааааааааа!」ダッ

提督「とにかく、君は自分の部屋で出撃の準備はしていてくれ」

謎の艦娘「」コクコク

提督「ま、その前に俺の艦娘は負けないけどな」

【母港・港】

鳳翔「これより私たちは固定砲台による砲撃を行います」

赤城「一航戦の誇り…!」ギリッ

加賀「頭にきました」

鳳翔「聞き分けが悪い人はご飯抜きです」ニコ

隼鷹「ひゃっはー!」ゴクゴク

飛鷹「なになになんのお酒それ?」

鳳翔「まじめにやらない人は酒抜きです」ニコ

鳳翔「よろしいですね」ニコ


赤城「…はい」

隼鷹「…ひゃっはー」

飛鷹「…あれ? 誰か出撃した?」

鳳翔「いえ、水雷船隊は出払っているはずですが…」

【母港・西部海域】

天龍「おらおらぁっ!」ドカーン

木曾「ちっ…いくら出てくるんだ」

叢雲「東部の川内はコレを一人で捌いているのね…」


不知火「不知火も出来ますが…」

天龍「ならやってくれよ、不知火先生!」イラ

龍田「天龍ちゃーん。苛立っているからって八つ当たりはダメよ~」

まるゆ「…ぃ~な~さ~ん!!」

木曾「うるせぇ! もぐらはもぐってろ!」

まるゆ「だからもぐらじゃないもん! まるゆだもん!」

不知火「何か用ですか?」

まるゆ「そうです、まるゆの伝達略して―」

木曾「そういうのいらねぇからさっさとしろ」


まるゆ「むぅ~…。読みますね、水雷船隊は第三防衛ラインまで戦線を後退せよ」

木曾「敵艦を前に引けってか!?」

まるゆ「ひっ!?」

天龍「落ち着け。戦術的後退ってやつだ」ガシッ

龍田「あらー難しい言葉知ってるのねー天龍ちゃん」

叢雲「全体的にも戦況は芳しくはないってわけね」

木曾「…第二艦隊っ! 後進開始!」

【母港・西部沿岸部】

扶桑「はぁ…空はあんなに青いのに」

山城「姉さま!? しっかりしてください! 夜ですよ!?」

扶桑「ふふふ」

那智「青葉、見えるか」

青葉「青葉何もみていません。青葉何も見ていません」

足柄「まさか、陸から砲撃するとは思わなかったわ」

那智「全艦! 後進する水雷船隊を援護せよ!」


山城「主砲、ってぇええええ!!」

扶桑「山城? 勝手に突撃しちゃだめよ」

山城「姉さま!? 私はずっとここにいますよ!?」

扶桑「そ、そう…じゃあ今のは誰かしら…?」

【母港・正面海域】

夕張「みんな。機雷の設置を急いで!」

五月雨「きゃっ」ドカーン

夕張「…」

衣笠「衣笠さんにおまかせ♪」

最上「ボクもがんばるぞ!」

漣「メロンさんこの数で足りるんでしょうか」

夕張「足りるわけないわ」キッパリ

五月雨「きゃぁあ!」ドカーン

夕張「夜明けまで持たせるのよ。空母が使えればなんとかなるかもしれないわ」

漣「なんとかなる←な ら な い」

夕張「あとメロンっていうなぁあああ!」

【深海棲艦、中心部】

姫「…砲撃やめ」

謎の艦娘「…」

姫「ようこそ。貴方とはこれで三回目ね」


姫「早速提督の所に案内してもらえるかしら?」

姫「それとももう殺してしまった?」ニコ

謎の艦娘「…」ガチャン

姫「…その主砲は何かしら?」

謎の艦娘「テキ……ハイジョ…!」バン

姫「何言っているのかしら」ヒョイ

姫「貴方も深海棲艦よ」

姫「しかも、こいつらとは違う鬼クラスのエリートよ」

謎の艦娘「…っ」バンバン

姫「ねぇどうして提督を庇うの?」スッスッ


姫「たった一回勝つために一隻を簡単に見捨てる」

姫「改造装備を剥げば捨て艦として利用する」

姫「下位性能の船は切り捨てる」

姫「結局艦としてしか使わないあのころと同じ軍人よ」

謎の艦娘「…!」

姫「…ベースの人格が色濃く残っているみたいね」

姫「ならなおさら憎いと思うはずよね?」

姫「旗艦は沈まない? 馬鹿よね、旗艦ほど価値のある的はないわよ」

姫「ずっと秘書艦だったんでしょ。大切にしてもらったんでしょ? ずっと一緒にいたんでしょ

?」


姫「旗艦は沈まない? 馬鹿よね、旗艦ほど価値のある的はないわよ」

姫「ずっと秘書艦だったんでしょ。大切にしてもらったんでしょ? ずっと一緒にいたんでしょ

?」

姫「でもその次の日から何も無かったことにして違う艦が隣にいるのよ。ねぇ、どんな気持ち

?」

姫「今だって秘書艦は、貴方じゃない」

謎の艦娘「…関係ありマせン…」

姫「強がっちゃって~」



姫「貴方は深海棲艦、彼は提督」


姫「彼は貴方だと分かったの?」


姫「貴方だってすぐに彼だとわかったの?」


謎の艦娘「…マ…レ…!」

姫「認めなさいよ」




姫「貴方は深海棲艦だとばれることが怖かった」






姫「ダカラ貴方は話せないフリをしていた」




姫「それが何より自分のことを―」




謎の艦娘「ダまりなさイっ!」

姫「…教えてあげる」

姫「貴方が救われる方法は一つだけ…簡単よ?」


姫「奪うのよ。貴方ほどの力があればここの艦娘は一蹴よ。弱っている今がチャンス」


姫「まぁ…私の提督には上手く言っておくわ」

謎の艦娘「…」

姫「そうすればあなたと二人っきり、遠いところにでも逃げればいいじゃない」


謎の艦娘「それは、私のたった一人の願望…」

謎の艦娘「…私の中ニは…ひどい司令官ノ記憶もたくさんアるケド」

謎の艦娘「私の司令官ハ覚えてイテクレた。アノ人はワタシのために泣いテクレた」

謎の艦娘「ワタしの司令官の艦娘ハ二度ト沈ませナイ」

姫「そう…貴方は自分自身を否定するのね」

謎の艦娘「…艦娘ハ深海棲艦を倒すタメニ存在シてイマす」

姫「…分かったわ。黒いセーラー服の艦娘さん」ガチャン

姫「もう一度フカーイ海ノソコニ沈ミナサイッ!」キュイン

謎の艦娘「…司令官、私頑張ります」ガチャン

謎の艦娘「ゼンブ、ワタシガ、ヤッツケチャウンダカラッ!」


【母港・東部海域】

電「はわわ! 空が白んできたのです!」

川内「zzz」

電「川内さん! 寝たらだめです! まだ敵は目の前にいますよ!」

川内「zzz」

電「…もし沈んでもできれば助けてあげますからね」ロックオン

赤城「第一攻撃隊! 全機発艦!」フォンフォン

鳳翔「間に合ったようですね」

飛鷹「…何してるのよ」

電「目覚まし魚雷なのです」

飛鷹「…」

鳳翔「い、電ちゃん。川内さんを曳航してくれるかしら?」

電「はい、なのです!」

赤城「皆、準備はいい?」

加賀「鎧袖一触よ。心配要らないわ」

隼鷹「いっけーっ!」


天龍「ふぃー…」

龍田「私たちボロボロねぇ」

叢雲「…空母たちが来てくれなきゃ…考えたくないわね」グッタリ

まるゆ「木曾さん、大丈夫ですか?」

木曾「こんなの唾付けとけば直る」

夕張「提督。報告したいことがあります」

【司令室】

提督「敵の行軍が遅くなった?」

夕張「はい。想定より30分ほど会敵が遅れていると思われます」

Вер「妙だね。比較的ここの海域は穏やかだから」

提督「敵側の不具合、潮の流れ、沖合いの荒れ具合とか、いい具合に重なったんだろうな。う

ん」

Вер「希望的観測はどうかと思うよ」

提督「うるせぇ。疲労がすごいんだよ! 徹夜でテンションマックスだぜひゃっはー!」

夕張「後日調査書として提出しますが、一応お耳に」

不知火「司令官。客室にこれが」

提督「ご苦労さん。あの子は?」ナデナデ

不知火「いませんでした」

提督「逃げてくれたか。どれどれ」ペラッ

提督「…」

Вер「司令官?」

夕張「歪んだ字ね」

不知火「とてもじゃないが読めません」

提督「…そうだな」


提督「はい。今日の戦いの話は以上! 夕張消費資材は明日までに報告よろしく」

提督「他はゆっくりと骨を休めてくれ。間宮は五枚まで使ってよろし」

<ヤリマシタ

提督「今日は出撃もないものだと思ってほしい。それじゃ、解散!」

バタバタ ガチャ バタン

提督「………」

提督「……」ペラ

提督「…逃げたんだよなー。きっとそうだ。うん」






『メイれ、イ、い、ハン、ゴメ、ん、ぁ、さ、い』


提督「…おまえ…だったんだな…」









猫「にゃー」






―通信エラーが発生しました。再読み込みをお願い致します―

【穏やかな海上】

(あれは……舟…?)

「………」

(私…沈んでない?)プカー

エラー娘「っべーよ。旗艦を沈めちゃったよ。まじっべーよ。轟沈前の状態にもどしたけど、バレテナイヨナ?」

(女の子と…猫…)

エラー娘「っ!? 横須賀がっ! 戦場が私を呼んでいるわ!」

(行っちゃった)


(………)

(…暁の水平線…)

(朝…なんだ…)

(怒られるかなー…)

(でもいつまでも青空見てるのもなんですよね)バシャン

「……帰ろう…」

【母港・港】

(今日は誰ともすれ違わない…。どうしたんだろ…)

??「ちょっと…」

「…?」

??「あなた、ここの提督には会わないほうがいいわ」

「……」

??「新造艦かドロップかは知らないけど…ここの司令官は貴方と同じ艦を失っているから…」

??「貴方が悪いわけじゃないんだけどね…」

「心配ありがとうございます。メロンさん」

??「メロンっていうなぁああああああ!」

??「あれ? 名乗ったかしら?」

【司令室】

「………」

コンコン ガチャ

提督「…響か? 秘書艦の仕事は今日はいいや。とりあえずこのままで机で睡眠を―」

提督「…すまない。出て行ってくれ。君が悪いわけじゃない。ただ君と同じ艦娘を轟沈してしまってな、新造艦でもドロップでも君を―」

「レベル38の新造艦がありますか?」

提督「…」

「最初は私と二人しかいなかったこの鎮守府のことも、私の改造祝いに酸素魚雷を開発してくれたこともばっちり覚えていますよ」

提督「…お前…」

「ちょっと遅れましたけど命令通り帰投しました!」

「お久しぶりです司令官! 私、―――」


【上司の司令室】

コンコン ガチャ

上司「ご苦労」

姫「あのまま攻撃してたら勝てたわよ?」

上司「それじゃ味気ない。あいつの艦娘があいつを殺す様を見たかったんだ」

姫「何十もの艦を轟沈させて、怨念を込めたのに無駄骨だわ」

上司「ずっと秘書艦だったから恨みも強いと思ったんだがなぁ」

姫「見たことない逸材でしたわ。あれなら私みたいに姫にも成れるかもしれないですわ」

上司「姫はお前だけで十分だよ」

姫「ふふ…うれしいですわ」

姫「30分ほどかかりましたがしっかりと」

上司「上出来だ」

姫「さてどうしましょうか?」

上司「そうだな…もう全艦堕としてしまってもいいかも知れないな」

姫「ふふ、それならいい考えはありますわ」

上司「…どうする?」

姫「女の子の感情は深海よりも冷たくなるのよ」

上司「…ぐっちゃぐっちゃにしろよ?」

姫「ふふ。貴方も鬼ですわね」

上司「わたしは人間だよ。お姫様…」







青葉「あ………青葉…見ちゃいました…っ!」





姫「まず手始めに…」




姫「そこの覗き魔なんてどうでしょうか?」

青葉「ひっ…!?」

to be continued ?


以上です。

誰も見て無いようですので次回は別のスレで書こうと思います。

駄文失礼しました。

フブキハカワイイ

今さっき見つけて全部読んできた面白かった

続き読みたくなる終わり方…
立ったら読みにいきます

見てる見てる
投下中は間にレス入れないように気を遣っただけなの!

支援なのね!

面白かったわ、乙ん

何隻もの轟沈艦娘を吹雪を中心に悪魔合体したってことか
艦載機が使えて魚雷も打てるってことはレ級っぽいけどセーラ服らしいしオリジナルなのかな?

あと姫の30分ほど掛かったってセリフが何のことか分からんのだけど
これってレスが抜けてたりはしないんだよね?

続き発見
第二部
提督「ある艦娘が既成事実を作ろうとして大変なことになった」
提督「ある艦娘が既成事実を作ろうとして大変なことになった」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1398241913/l50)
第三部
提督「…朝、艦娘たちを奪われそうになった」
提督「…朝、艦娘たちを奪われそうになった」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1398508516/l50)
第四部
提督「残り5名の艦娘を救うため、死にそうになった」
提督「残り5名の艦娘を救うため、死にそうになった」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1398933477/l50)

続きがあったのか、見てこよう

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