モバP「四方山話」 (54)
短いのを幾つか
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期待
P「……」カタカタ
文香「……」ジーッ
P(さっきからやべえ睨まれて怖えな。何だこれ、何だこれ)
文香「……」ジーッ
P(シャツ湿ってない? あ、これ冷や汗か)
凛「はよございまーす」
P「お、おはよう(メシア、メシア北)」
文香「……オハヨゴザイマス」ジロッ
凛「うわっ」
文香「……」
凛「……」
凛「じゃ、私レッスンあるから」
P(メシア逃げた)
P(機嫌が悪い説)
P(そんな露骨に顔に出る子じゃない、はずなんだけど)
P(でもあの人相は髪型も相まって正直かなり凶悪DEATH)
P(あー訊きてー、『何かあった?』って訊きてー、でも俺チキンー)
千枝「おはよーございまーす」
P「おはよー(エンジェル光臨)」
文香「……ハヨザイマス」クルッ
千枝「ひえっ?」
文香「……」
千枝「え、えと、その」
P(頑張れ! 頑張れマイエンジェル!)
千枝「あ、ち、千枝、ちょっと学校の宿題終わらせてきます、ね」
P(エンジェル真っ面目ー)
真奈美「おはよう」
P「木場さんおはよー(マッソー! きーんにーくマッソー!)」
文香「……ザイマス」ジロッ
真奈美「文香くんもおはよう。しかし挨拶はもっと溌剌とな。さーて、レッスンの前に軽く(8km)走ってこようか。プロデューサー君も一緒にどうだ?」
P「じゃ、ジャージ無いから! 今日は! うん!」
真奈美「そうか残念だな……」
P(あっぶねー!)
森久保「……」ガチャ
P「あ、乃」
森久保「……」バタン
P「々」
P「……」
~一時間後~
P(何のアクションも無いとかおかしくないっすか?)
P(やっべーなやっべーな文香さんの印象変わるわ。心底嬉しそうな頼子並に怖い)
朋「おはよー」
P「ふ、ふじともっ! ちょ、ちょいこっち!」
朋「え、何。てかその『ふじとも』止めてくんない? なんか深夜アニメのタイトルみたいでやだ」
P「いいから!」
朋「何、何、なーにーよー」
P「あれ、あれ」
朋「文香? が、どしたの」
P「いや、なんか朝からすっげ睨んでくるのよ。ぶっちゃけ怖い。ちびりそう」
朋「年下の女の子に対して怖いって……情けないなー」
P「どう言われようと構わん。お前ちょっと何とかしてこい」
朋「人にものを頼む態度じゃない」
P「お願いします何とかしてください」
朋「ふふん」
朋「ちょろっと今日はどうしたのか訊けばすぐ解決でしょ? じゃ、行ってくる」
P「お、おう」
P「大丈夫か、大丈夫かな」
朋「おはよー、ふみ」
文香「……」ジロッ
朋「目つき悪っ!」
P「朋さん! 正直! 正直すぎるから!」
文香「?」
P「もういい もどれっ ふじともっ」
朋「怖かった」
P「だろ」
朋「中途半端に前髪の隙間から見えるからさらに怖いのよね。つーかさっさと髪型変えさせたら?」
P「まだそこまでは抵抗があるみたいでな……」
朋「とりあえず……」
P「うん」
朋「占いの出番ね!」
P「うん……うん?」
朋「まず取り出したりますはー」
P「手品?」
朋「王道、水晶玉!」
P「おおー……待って、その水晶玉透き通ってなくない?」
朋「間違えた、これゾンビボールだ」
P「手品?」
朋「ユッコちゃんに貸してくれって頼まれてたのよねー」
P「超能力はどこ行ったんだよ」
朋「定番、タロットカード!」
P「はて、色が赤と黒の二種類で成り立つタロットカードなんてあっただろうか」
朋「あれ、レナさんに借りてた仕込みありのトランプが何で鞄の中に」
P「これもユッコに?」
朋「いや、地味なのはあんまり好きじゃないみたい」
P「てか朋さん、最近手品ハマってたりするの」
朋「占う前にこういうのやるとお客の食いつきがいいらしいのよ」
P「いつのまにそっち方面へ……」
朋「なんたって今はパフォーマンスする側ですからねオホホホホホ」
朋「最後は変わり種遁甲盤!」
P「あ~昔漫画で見たような……」
朋「まずは水に浮かせないとだから」
P「ほー」
朋「あんた洗面器持ってない?」
P「ねえよ」
朋「やる気ないわねー」
P「うん……」
朋「しょうがない、給湯室で試してくるから待ってて」
P「え、ちょ」
バタン
P「行っちゃった」
P「何故私はこんなことに時間を費やしているのだろうか……」
ガチャ
P「早くね?」
春菜「おはようございます!」
P「何だかみじょーか」
春菜「プロデューサー? そんなところで何してるんです?」
P「いやちょっとね」
春菜「あ、文香さんもいらっしゃったんですね。おはようございます」
文香「……オハヨウゴザイマス」ギロッ
春菜「わわっ」
P(あちゃー)
文香「……」
春菜「ふむ……」
春菜「ズバリ、眼鏡ですね!」
P「ぶれねえなお前」
文香「あ、はい。そうです」
P「マジかよ」
文香「最近視力ががたっと落ちてしまって……」
P「そらそんな視界狭い髪型で本ばかり読んでたらそうなるよ」
春菜「でも最近なんですね」
文香「前から良くはなかったですけど、最近それが不便に思えてきて……色々外に出たり人に会ったりする機会が多くなったので尚更」
P「なるほどなー(ちょっと考えたらすぐわかることだったな)」
ガチャ
朋「分かったわプロデューサー! 『双眸に難あり』、つまり視力の問題よ!」
P「ちょっと遅かったね」
春菜「兎にも角にも眼鏡の話ですよね!」
P「え、うん、まあ。文香がコンタクトとか考えてなければ」
文香「私はどっちでも」
春菜「眼鏡ですよね!」
文香「は、はい」
P(押し切りやがった)
春菜「じゃあ今日の帰りに私が贔屓にしてるお店に行きましょう! そこでたっぷり眼鏡の魅力についてレクチャーを……ふふふふふふ」
朋(怖い)
P(安心しろ、俺もだ)
P「そういえば」
文香「はい?」
P「ずっと俺の方見てたのは何で?」
文香「それは……」
P「溢れる大人の漢オーラにキュンキュンだったりしちゃったり?」
朋「ないない」
P「ないかー」
文香「あの、シャツの襟に何か付いてて、それが気になって」
P「え、何、何だろ。見て見て」
朋「うーんと? あら、あんたこれタグにクリーニングの紙が付いたまんまじゃん」
P「うっそマジで!? 俺これで今日出社して仕事してたの!? はっず! てか誰か言ってよ!」
春菜「やっちゃいましたねー」
朋「襟からちょろっとだけ頭出てるくらいだから、気づかないままだったんでしょうねー。ま、今日営業無くて良かったね」
P「それでも恥ずかしいことには変わりないわい」
朋「はい取れた」
P「サンキュー」
文香「これだったんですね……」
春菜「プロデューサーさんもお茶目なところあるんですね」
P「何を言う、俺は年中お茶目BOYだよ」
朋「可愛くない」
P「こんにゃろめ。はー……次から気をつけるわ」
朋「だから受け取りも私がやるって言ったのに」
P「いや時間的に俺の方が都合がいいかなーって……」
春菜「……」
文香「……」
P「……」
朋「……」
春菜「え?」
文香「え?」
P「え?」
朋「え?」
end
凛や楓さんと怪しい関係醸し出しつつちゃっかりふじともと同棲してたい
次
朋「あのさー」
P「なんすか」
朋「今朝占いで今日の運勢めちゃくちゃ良いって言われたの」
P「まあもう夜だけど良かったね」
朋「雑誌の今週の占いコーナーでも良かったの」
P「ほほう」
朋「自前のタロットカードでもネットの誕生日占いでも今日は最高の運って言われたのよ」
P「茄子さん並すな」
朋「で、実際デパートのくじ引きで3等の目覚まし時計当たったり道で500円拾っちゃったりして」
P(そこで激運とはならないあたり朋らしい)
朋「ここまで占い通り、うん、占い通りなの」
P「はいはい(いつもの占い自慢か)」
朋「……」
P「どした」
朋「この状態でさ」
P「おう」
朋「その、最高の運気で?」
P「???」
朋「……無しでシちゃったら、どうなるのかな……とか」
P「」
~アット(Pの)自宅・オンザベッド~
孕むと思います
P BEEP! BEEP! BEEP!
P SHUTDOWN...
朋「……」
P REBOOT,REBOOT,
P(……は!)
P(え、待て確かにいつもの流れではこの後ふんわりトーンが貼られてゴーアンドインサイトだがこのタイミングでどういうことだこれは大吉がどういう関係にあるんだ無し、無しってなんだつけないってことか淫乱かどうなるんだろうってそらお前大当たり~つって鬼が両手を上げて縁日かよ)
P(いや、運が良ければ外れるという可能性もあるんじゃないかてかそうなると当たるのと外れるのとどっちが『運が良かった』て話だよもしかしてそれが聞きたいのか? そしてどう答えればいいんだ? そもそも今日ヤっちゃっていいのか? 自分の年収やら今後の貯蓄を考えるべきなのか? 朋のアイドル活動はどこで区切りを? 正直言えばさっきの台詞と朋の表情でマイスタがボルテージMAX? 助けて、助けて僕のストロング・ザ・武道ー!!)
ストロング・ザ・武道『惑わされるなと言っておるーっ!!』
P(ありがとうストロング・ザ・武道!)
P「……さ」
朋「さ?」
P「三年、待ってください……」
朋「……言質取ったからね」
P「はい」
朋「まあいっか。その言葉が聞けただけでも今日は収穫って考えれば十分幸運ね。じゃ、おやすみー」
P「え? あの、付けてシないの……?」
朋 zzZ
P「……」
P「不運だわ……」
end
乙
ふじとも! 一緒に男根信仰スポットとか巡ろ!? な!?
次、唐突な星新一パロ
男が一人、バーで飲んでいた。
彼はマスターに話しかけた。
「何か気の晴れるような話はありませんか」
「どうしました」
「どうにも、就職が上手く行きませんでして」
「ふむ、それならこの近くになんでも霊媒師がいるらしいですよ」
「霊媒師?」
「ええ、路上で霊を呼んで占い師まがいのことをしているとか」
「へえ」
「行ってみるのもいいんじゃないですか」
「ありがとうございます」
はたして霊媒師はとあるビルとビルの隙間にひっそりといた。
男は驚いた。霊媒師が年端も行かない少女だったからだ。
「あの、ここで霊が呼べると聞いたのですが」
「は、はい、はい。呼べます。霊、呼べます。誰を呼びましょうか」
「いえ、霊と話せれば十分ですので誰でもいいです。できますか?」
「でき、できます……少々お待ちください」
少女はそう言うと俯き、しばらくすると体がびくんと震えた。
「ほう、良い顔つきをしている若者だ」
少女の声が中年男性のそれに変わった。
霊が降りたのだろう。
「一つ、やってみないかね?」
「何をです?」
「賭けさ。駅前にあるパチンコ屋。そこの入り口から見て右に三番目の通路の左側、手前から五番目の台で遊んでみるといい」
「分かりました」
男はさっそく言われたパチンコ屋の台の前に座った。
ダメでもともと、そう思いながら男はゲームを始めた。
するとどうだ。出るわ出るわの大当たり。
結局手持ちの資金が何倍にもなった。
「これは本物だ。と、なると一応報告はしておいたほうがいいだろうな」
男はもう一度あの霊媒師を訪ねて霊を呼んでもらった。
「おかげさまで大当たりでした。何かお礼をしたいのですが」
「別に礼はいらんのだが……」
「この勝ったお金で供養とかしたほうが」
「いや、君の好きに使うといい」
言われたとおり、男は手に入れた金でしばらく遊んで暮らした。
しかし数ヶ月経つとその金も無くなり、自然とあの霊ことを思い出した男は再び彼の元へ訪ねていた。
するとこんなお告げがあった。
「ここから数駅離れた競馬場で今度開かれるレースに出る○○という馬の馬券を買ってみるといい」
ここまでくると男は疑わない。
貯金の半分をその馬につぎ込んだ。
レースは波瀾の展開の末、やはりあの霊の言うとおりになった。券は万馬券へと変わった。
「○○が勝ちました。して、この配当金はいかがなさいましょう」
「好きに使って構わんが……」
「何かご要望がありそうですね。仰ってください」
「余分が出たらでいいんだが……××プロダクションという芸能事務所の株を買ってくれないか」
「××プロダクションですね。了解しました」
××プロダクションは規模も小さく歴史も浅い新興の芸能事務所だった。
当然、所属しているのは無名の新人ばかりで、上昇の気配は見えない。
しかし男は競馬の利益を全て使ってこの事務所の株を買った。
すると、その直後に新人の一人がブレイク。株価はあっと言う間に上がった。
男は文字通り桁違いの金を手に入れた。何年かは働かなくてもすむような金額だ。
それでも男はあの霊のもとへ向かった。
「利益が結構なものになりました。これをどうしましょうか」
「君が儲けたものだ。どう使おうと私が文句は言えんよ」
「何かお考えが?」
「……良ければ、あそこのビルのテナントを一室借りてほしい。大した額にはならないだろう。残りは、君に任せよう」
さっそく男は手続きを済ませた。
ここからさてどうしようかと、男がビルの前で悩んでいると、スーツ姿の見知らぬ青年が男に話しかけてきた。
「あの、もしかしてこのテナントを借りた方でしょうか」
「はい、そうですが」
「なんと……あの夢のお告げは本当だったのか」
「お告げ?」
「少し前起業のことで悩んでいた私に、ここにいる男性に相談しろと夢の中で言われまして……お告げの主は暗くてよく見えなかったのですが」
「なるほど」
「失礼ですが、何か事業計画がおありで?」
「あー……」
男は今まで霊に言われてきたことと、その結果を思い出した。
男は言った。
「よろしければ、あなたの事業に一枚噛ませてもらえませんか。提供できる資金もそれなりにあります」
「本当ですか!? ありがとうございます!」
「ところで、何の事業を始めるつもりで?」
「芸能事務所です!」
こうして男が借りたテナントに新たに芸能事務所が出来た。
やはりこれも霊に報告した。
「結局、独断ですがそういうことになりました。次に何をすれば?」
「なにもない。これでいいよ。おかげで私も満足した。もう心残りはない」
少女が顔を上げた。
「……き、消えちゃいました。成仏したみたいです」
「……そうですか。ところで君、アイドルとか興味ありません?」
「ふぇっ!?」
…………
……
…
男はビルを見上げていた。
件の事務所がある窓には、ガムテープで社名を表す数字が書かれている。
男はそれを見ていた。
「この小さな小さな芸能プロダクションは、言わばあの男の碑というやつだ。同時に俺の碑とも言える」
「俺の人の良さと欲のなさ……いや、欲のありすぎかな」
──とにかくそれを表しているのだ──
元ネタ 星新一『凶夢など30』より【指示】
おもしろい
当たり前だが元ネタはもっとすっきりしていて面白い
次、星新一『風味』
私の一日はテレビを点けるところから始まる。
画面からは天気予報士系アイドルが自分が出す新曲をBGMに、今週末の首都圏の天気が大荒れになることを伝えていた。
それを受けてニュースキャスター系アイドルが「出かける予定のある方は気を付けてほしいですね」と語り、コメンタリー系アイドルが続いて頷く。
レポーター系アイドルは今年30を越えるベテランだ。昔からアイドルがレポーターをすることもあったのでその名残とも言える。
朝食に菓子パンを一つ胃に入れた後、私は仕事用の鞄の中身をチェックした。
テレビはCMを放送している。
どのCMも自社で抱えているアイドルか、もしくは大手アイドル派遣業者から雇ったアイドルを起用している。
そのおかげでいつ、どんなタイミングで見ても、テレビには比較的若い女性が映っている。
扇情効果は高いらしく、どの企業も採用している。
私は軽くシャワーを浴び、スーツに着替えた。テレビも消した。
新聞はざっと一面とアイドル面だけ読み、鞄にしまった。私は家を出た。
通勤の途中で昼食を買うためにコンビニに寄った。
例によってコンビニ店員系アイドルのCMソングがBGMとして流れている。
レジに立っているのはどうやらご本人らしい。
レジの横にCD売場が設置されていて、彼女はそのジャケットと同じ笑顔を浮かべている。
宣伝される前に、私はさっさと会計を済ませた。
最初はオタク系アイドルだった。
単に可愛いだけのアイドルに飽きてきた大衆は、次第に尖ったキャラクターに食いつくようになった。
だが、半端なキャラ付けではかえって反発を受けてしまう。
実際そのオタク系アイドルもバッシングを受けすぐに消えた。
するとその二番煎じとして出てきたアイドル達は、先達より隙のない知識や立ち振る舞いが求められる。
その中で要望に見事応えたアイドルは一気にスターの道を駆け上がった。
『アイドルなのにこんなことも出来る!』という謳い文句はたちまちのうちに広がった。
サブカル、芸術系はもとより農業やら漁業やらの職種など、アイドルに付加するキャラの種類は増えに増え、同時にハードルも上がっていった。
それこそ本職と差し支えないほどに。
今ではアイドルがいない業種を探す方が難しいだろう。
見渡せばすぐそこにアイドル、アイドル、アイドルだ。
そんなことを考えているうちに職場に着いていた。
すれ違うスタッフに挨拶する。
「おはようございます」
「あ、○○さんおはようございます! 今日もよろしくお願いしますね!」
私は若干うんざりしながら、スタジオ入りした。
ああ、また今日も『くたびれたOL系アイドル』としての一日が始まる……
end
その昔、VIPで新ジャンルスレが流行っていた頃
「死刑台妹」という最高にロックなSSがあった
それを思い出しながら書いた
というわけで今宵、もといこのスレはここまでにしとうございます
ありがとうございました
おつ
おっつし
おつ
ストロング・ザ・武道こそ真の完璧超人
えらいもんで1,2レス見ただけで元ネタを思い出すもんだな
読んだのは10年以上も前なのに
このSSまとめへのコメント
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