さやか「いつになったらなくした未来を私ここでまた見ること出来るの?」 (160)


---某所---

さやか(ソウルジェム、早く浄化しないと……駄目だ…体が動かない)

さやか(今度こそ…今度こそ本当にもう駄目なのかな)

さやか(私って本当…ば……か…)

さやか(きょ……う………)


――病気屋上――

QB「さあ 受け取るといい それが君の運め…キュップイ!」

さやか「ちょ、ちょっと!?…これはどういう状況? 」

QB「?…君は何を言っているんだい?」

QB「たった今上条恭介の腕を治す代わりに君を魔法少女にする契約を交わしたばかりじゃないか 」

QB「訳が分からないよ」

さやか「!!」

QB「君からソウルジェムを取り出す行程で一瞬違和感を感じたけど…どうやら問題なか…」

さやか(恭介…!)タタタタタタ

QB「訳が分からないよ…」


――上条病室――

さやか「恭介!腕の調子はどう!?」

上条「…さやか、君に八つ当たりしたのは悪いと思ってたし謝ろうとも思ってた。 けど…こんな仕打ちはあんまりだ!」

上条「出て行ってくれ!!」

さやか(そんな…腕が治って無い…? )


さやか(ティヒヒ、凄い剣幕の恭介に言い訳する暇もなく部屋を追い出されたさやかちゃんです☆)

さやか(…現実逃避しても仕方ないか。状況を整理しよう)

さやか(恭介とアイツの発言を鑑みるに恐らく時間が巻き戻ってる。 多分恭介が私のお節介に怒った直後)

さやか(…でもおかしいんだよね。 だって私がアイツと契約したのはもっとずっと後の筈だし、そもそも私の願いは"恭介の腕を治すこと"じゃなくて…)

QB「そう拗ないでくれさやか。今回の件は完全にボクの不備だ。時間は掛かるかもしれないけど原因が分かり次第…」

さやか「悪いけど、アンタとは話したくないの黙ってて」

QB「随分と嫌われたものだね」

さやか(とにかく、私が知っている世界とこの世界とは微妙にズレがある。 今回はなにかと…)

QB「イレギュラーだ」

支援



さやか「!?…ア、アンタまさか人の心が読めるの?!」

QB「本当に今日の君の言動は理解しかねるよ。」

QB「イレギュラーというのは暁美ほむらのことさ」

さやか「転校生がどうかしたのさ?」

QB「彼女が尋常じゃない速度で移動しているのが気になってね…大変だよさやか」

さやか「だから何なのよ」

QB「まどかがいる場所…丁度暁美ほむらが向かっている場所で魔女の反応があった」

さやか「ふぅん…」(あぁ…あのマミさんですら魔力を惜しんでキメ技を使わなかった激弱魔女か)

QB「意外な反応だね。 君の親友の大ピンチだよ?」

さやか「転校生が向かってるんでしょ?大体まどかだってあれくらい一人で…」

QB「彼女は恐らく間に合わない。ここから君が向った方が圧倒的に早いし、いくら素晴らしい素質を持っていてもまどかは飽くまで一般人だ。一人じゃ出来ることに限界があるよ」

さやか「ちょっと待ってよ。まどかは…」

QB「それにまどかだけじゃない。君の友人の志筑仁美もそこにいる」

さやか「嘘?仁美が!?…分かったよ。すぐに行こう!最短ルートを教えて!」


――廃墟――

まどか(罰なのかな、これって。きっと私が弱虫で嘘つきだったから、バチが当たっちゃったんだ。 )

Elly(Kirsten)「wふfcyでゅcぐしふじこfygc」

さやか「…そいや」グサッ

Elly(Kirsten)「」


まどか「さ、さやかちゃん!?その格好…「そんなことよりさ」」

さやか「まどかはさ…どうしてQBと契約しないの?ちょっとそれを聞かせてよ」

まどか「え?」

QB「キュップイ!」

まどか「だって…そりゃ…本当は私だってさやかちゃんやほむらちゃん…マミさんの時だって役に立ちたかったよ。 自分でも情けないよ…」

まどか「さやかちゃんは本当にすごいよ。 でも…マミさんのあんなの見たら私怖くて…どうしようもなくて」

さやか「?マミさんがどうかした…グブフゥゥ!?」

まどか「さやかちゃん!?」


ほむら「…美樹さやか、あなたが愚かなのは充分分かっていたつもりだけど、ここまで底知れない馬鹿だとは思わなかったわ」


さやか「おいコラ!転校生!可愛い女の子の顔を殴る何てどんな神経してるのさ!あたし親にも殴られことないのに!」

ほむら 「私の方こそあなたの神経を疑うわ…巴マミはあなたたちの目の前で死んだ筈よ」

まどか「うっ…」

さやか「何だ。マミさんもう死んでたのか」

まどか「え?さやか…ちゃん?」

さやか(なるほど…マミさんは既に死んでいて、それを見たまどかは契約を躊躇っている訳か。都合が良い。それにしても… )

ほむら「…どういうつもりかしら?人の忠告を無視して勝手に契約しておきながら、まどかの…彼女の優しさに漬け込んで仲間を増やそうって魂胆?」

ほむら「正義がどうとか抜かしていた癖に、随分と落ちぶれたものね」

さやか「とほほ…まるで転校生とまどかが入れ替わった気分だよ。まぁまどかはここまで性格キツくは無かったけどさ」

さやか「ただまどかの事になるとムキになる性格は変わってないみたいだねぇ」

ほむら「あなたが何を言いたいのか全く理解出来ないわ…」

さやか「あ!ごめんごめん!こっちの話!あまりのギャップについ、ね?」


ほむら(この子…もう駄目ね。この時点で既に精神の均衡を崩してる。さっきから言っていることが支離滅裂)

ほむら(それに…まどかに詰め寄っていた所を見るに放っておいたらまどかに危害を加えないとも言い切れない。)スッ

まどか「ほむらちゃん?…銃なんて出してど」

さやか「ちょ…転校生何を」キーン

__時間停止___

ほむら(魔法少女同士の縄張り争いで相手を殺してしまうことも少なくない。だからQBにも怪しまれることもまずないでしょう。まどかには恨まれるでしょうけど、構わない。 どんなに恨まれようが私はまどかが無事ならそれでいい。むしろ魔法少女への恐怖の念をより強めることが出来るのは利点よ。 だから…)

ほむら(美樹さやか、あなたには悪いけど…今ここで死んで貰うわ。 )バンッ


キーン

さやか「せいや!」サッ

ほむら「!?」スッ

ほむら(素早く正確な突き!後一瞬でも反応が遅れていたら死んでいた…! けど何故?あの子は魔法少女になったばかりの筈! いやそれよりも…)

まどか「さやかちゃん!? ほむらちゃんはさやかちゃんにお話してただけなのに何でいきなりそんなこと!」

ほむら(そう…私は確かに美樹さやかを撃った筈…! これじゃまるで…時間が逆戻ったような…)

さやか「…あんたには戻ったのが分かるんだ。不思議そうな顔してるよ」

ほむら「……あなたは何者なの?」

さやか「それはこっちの台詞だよ。あたしの知ってる暁美ほむらは少なくともこんな芸当出来なかったよ。」

さやか「本来ならこんなことされて見逃すさやかちゃんじゃないんだけど。まぁ…相手の手札が分からないし、今回は大人しく引くとしますかね」

さやか「あ、まどか!ちゃんと仁美を送って行ってあげてね! 今日は色々とごめん!明日ちゃんと説明するから!」ピョン

まどか「さやかちゃん…」

ほむら(……………どこかで聞いた台詞ね)

________________________________

さやか「ありゃりゃ…もうソウルジェム真っ黒になりかけてるよ。帰ったらせっかく手に入れたグリーフシード使わないと」

さやか「くそぅ転校生め…何がしたいのさ!まさかあいつに殺される羽目になるとは」

QB「おかしいな」

さやか「??」

QB「君達の会話から、君の能力の目星はついた。だけど君の願いの性質からすると本来こんなことは…」

さやか「あはは、QBも意外と抜けてるね。そもそも私の願いが叶ってないんだから性質も何もないでしょ。
そんなのさやかちゃんでも分かる簡単なことだよ」

さやか「そうは思わない?インキュベーター?」ザク

QB「美樹…さやか…君は……一体…」

そろそろ寝ます
未だに映画見てないにわかだから矛盾とか変な所あってもスルーしてやって


――翌日(通学路)――

まどか「なるほどね…さやかちゃんは魔法少女の契約をQBと結んだのに結局は上条君の腕が治らなかったことにショックを受けて…」

さやさ「そうそう!不甲斐ない話なんだけどさ!だからテンパってよく分からないことを口走っちゃったんだ、ごめんよまどか」

まどか「そんな全然気にしてないよ!」

さやか「その上転校生の奴、あたしがちょっと茶目っ気出しただけで偉そうに説教始めるからさ…ついカッとなって…余裕が無かったとは言えやり過ぎたかな」

まどか「それにしても…酷いよQB!さやかちゃんは魔法少女にさせられたのに願いは叶わないなんて!こんなのってないよ!」

QB「…それについては僕からは今の所何とも言えないな。どうやら原因が僕にあるとは限らないみたいだからね」

さやか「何それ!昨日と言ってること全く違うじゃん!」

QB「………………」

まどか「そうだよ!現にさやかちゃんは魔法少女に…うぅ…」

さやか「まどか…」

QB「そうだね…上条恭弥の腕について原因が分かるまでは僕もどうしようもない」

QB「ただ…他の方法を提案することは出来るよ」

まどか「他の方法…?」

QB「まどか、君が僕と契約して上条恭弥の腕を治せば良いのさ。君ならそれと同時に美樹さやかを魔法少女から普通の人間に戻すことも造作ない。この方法なら原因が何にせよほぼ確実に問題は解決するよ」

さやさ「……アンタとにかくまどかと契約を結びたいんだね。驚いたよ」

QB「随分と聞こえが悪い言い方をするね。ボクは現状を打破出来る方法の一つを提案してるだけだよ」

映画だとほむらが円環の理に導かれる様に
みせかけて概念まどか捕まえて一部をさいて
世界再構築して悪魔化して終わるよ
まあ簡単に言えばほむらはレズから
クレイジーサイコレズにレベルアップした


まどか「QB…何が原因か分かってないってことは下手をしたら私の願いも叶わないってことだよね?そんなこと知ってて契約する人はいないよ?」

QB「原因の目星は付いてるんだけどね」

まどか「それにさやかちゃん、QBが私に強引に契約を迫ってくるのはいつものことだよ…?やっぱりショックで…」

さやか「へぇ…あ!うっかりうっかり!忘れてただけだよ!何はともあれ変に気を遣うのは無し!…ね?」

まどか「うん…」

さやか「あーもう!…そんなことより、QBの口車に乗せられて契約なんてしちゃ駄目だぞ?もししたら、さやかちゃんからの熱いお仕置きが待ってるんだからね!」

まどか「…ティヒヒ、分かってるよ。私もお仕置きは受けたくないし!」

さやか「約束だからね!」

>>16
クレイジーサイコレズにレベルアップしたまでは読んだ

――学校――


さやか「仁美と転校生が休み…ね」

まどか「そっか…仕方ないよね昨日の今日だし」

さやか「そういえばさ…昨日仁美の様子、どうだった?」

まどか「ごめんねさやかちゃん。昨日はほむらちゃんが到着する前に救急車を呼んでたみたいで運ばれてからどうなったかは知らないんだ」

さやか「なるほど…それはしょうがないよ。」
(やっぱり…ほむらにしてはやけに冷静な判断だな)

__授業中__

さやか『ねぇインキュベーター』

QB『何だい?さやか。ちゃんと授業を聞かなくてもいいのかい?尤も…君には既に必要無いことかもしれないけど』

さやか『余計なことばかり喋ってるとさやかちゃんまた張り切ってアンタの肉切り刻んじゃうぞ~?』

QB『それで、要件は何だい?』

さやか『アンタがそれを言うか…暁美ほむらについて分かっていることを教えて』

QB『それは出来ないな』

さやか『…アンタが誰かを贔屓するなんて珍しいことあるんだね』

QB『それは誤解だよ、さやか。僕は彼女と契約した覚えが無いんだ』

さやか『でも、飽くまでアンタと契約を結んだのは確かなんでしょ?』

QB『その通りだ。彼女についてはっきり分かっているのは彼女が君と同様とびっきりのイレギュラーであるということだけさ』

さやか『…なるほどね』

ちょい夕方頃まで離脱

さやカス支援

さやかちゃんと和子ちゃんのおっぱい揉みたいです

__放課後__

さやか(さて…どうしようかな)

さやか(そろそろ動きたい所だけど、まだ色々と分からないことが多すぎる)

さやか(特に…ほむらの奴は本当何がしたいのさ!)

さやか(ぐぬぬ…全く分からない。あたしって本当バカだなぁ…)

さやか(まぁ状況だけ見ると順調過ぎて怖いぐらいだし。しばらくは様子見といきますかね!)

まどか「さやかちゃん?放課後はパトロールに行くんじゃなかったの?」

さやか「ん…ごめんごめん!ちょっとボーっとしてたよ!それで…まどかも追いて来てくれるんだっけ?」

まどか「うん…役に立てないかもしれないけど私だけじっとしてるなんて出来ないよ!いいかな?」

さやか「勿論だよ。まどかが側に居てくれるだけでさやかちゃんげんき100倍だよ!」

まどか「ティヒヒありがとう。さやかちゃん」

さやか「ただ私もペーペーだし、いざという時は覚悟しといてね。例えば、使い魔がまどかの方に撃ち漏らしたり…とか、するかもしれないしさ」

まどか「…うん。」

QB「大丈夫さまどか。いざという時は僕と契約すれば君なら問題無いよ」ピョン

まどか「居たの!?」

さやか「………ま!私も全力で戦うからさ!泥舟に乗ったつもりで安心してついて来なよ!」

まどか「二人ともどこから突っ込めば良いのか分からないよ!」

――街中――

さやか「お!反応があった…って何だ使い魔か」

まどか「さやかちゃん!使い魔も人を襲うんだよ!?」

さやか「え…あぁ、うん。そうだね!つい拍子抜けちゃったけど。気引き締めてちゃちゃっとやっつけてくるよ!」タタタタ

まどか「ちょっと待ってさや…」


――路地裏――

さやか「そい」グサ

使い魔「グギャァァァ」

さやか(これでよし…と。)



杏子「ちょっとちょっと、何やってんのさ。あんた」


さやか(…まだ会うつもりは無かったんだけどなぁ)

さやか「?何ってどういことよ?」

杏子「見て分かんないの?ありゃ魔女じゃないだろうが、グリーフシード持ってる訳ないじゃん?」

さやか「それで?」

杏子「チッ…だからさぁ卵産む前の鶏殺してどうすんのさって言ってんだよ。あんた随分とムカつく奴だね」

さやか「アンタ…私よりもばかだったんだね」

杏子「はぁ?」

さやか「そんな方法じゃグリーフシードは手に入らないよ…そんなことにも気付けなかったの?」

さやか(使い魔放っておいてもグリーフシード落とさないハズレ魔女になって後々面倒になるだけだからね。じゃなきゃこんな弱いの放って置くっての)

杏子「何言ってやが…」

まどか「そんなのって…そんなのって無いよ!」ハァハァ


杏子「何だよさっきから次から次と」

まどか「使い魔は人を襲うんだよ?それをわざと放って置く何て…酷過ぎるよ!」

杏子「…ちょっとさ、やめてくれない?」

杏子「遊び半分で首突っ込まれるのって本当ムカつくんだよね」ジャキ

杏子「正義ごっこのつもりなら他所でやりな。今なら大人しく引けば見逃しあげるけど?」

さやか「それはこっちの台詞だよ。今ならアンタに免じて特別に許してあげてもいいけど?」スッ

まどか「さやかちゃん!?」

杏子「へぇ…後悔しても知らないよ!」ザッ


杏子(右!右!左!右!…っ!)ズガガガガッ

杏子(何だこいつ…!?明らかに新米の動きじゃない! 話が違ぇぞ!?)

杏子(それに…さっきからフェイントが全く通用しない。どんなに強い魔法少女でも反応しまいって素振りすら見せないのはありえねぇ!私の考えが透けてる!? 何でだクソっ!)

さやか「そら!」

杏子「チッ…!」スカッ

さやか(私は杏子が戦う所を何度も何度も飽きる程間近で見てきた。癖もやり口も知り尽くしてる。逆に向こうは私のことなんて何も覚えていやしない。いくら杏子が強いとは言っても…勝ち目は無いよ。)

杏子「クソっ…クソっ!」

杏子(こいつ…さっきから一切の躊躇無く攻撃仕掛けて来やがる…!このままじゃやばい…!)

杏子(負けるのか…よりによって、やれ人助けだの正義だの抜かして戦う奴に…?
でも、それじゃあ…私が今までやって来たことは……)

杏子「うぉぉぉぉぉぉ!」

杏子(私は…あの日!徹頭徹尾自分の為だけに戦うって誓ったあの日から…くたばる訳には行かなくなったんだよ!)

さやか「!?」

さやかちゃんが活躍するSSです?さやかちゃん頑張って―!!
支援支援


まどか「二人とももう辞めて!」

杏子「おら!おら!そこ!」キン!キン!キン!

さやか「っ~~~!?」サササッ

さやか(取り乱してるように見えてかなり冷静だね…流石だよ。敵わないと見るや否や私にダメージを与えることはあっさり諦めて、全力で退路を確保することに指針を変えたのか)

さやか(このままじゃ、逃げられる。……やっぱり杏子は強いよ)

さやか(だから…一発だけくれてあげる)フラッ

杏子(隙が出来た…!? 今なら逃げられるが…こいつを潰すチャンスなんて恐らくもう滅多に無い!)

杏子(ここで畳み込む…!)

杏子「そりゃぁぁぁ!」グサ

キーン

まどか「二人とももう辞めて!」

ほむら「!?」

杏子「おら!おら!そ…え?」スカッスカッス…

杏子(嘘…!?何で!?何であそこまで動きを読め…)

杏子「待って!おねが」パリーン

さやか「バイバイ杏子」

まどか「さ…さやかちゃん!?」

あっ…杏さやフラグかと思ったのに


ほむら「あなた!?自分が何をしたのか分かってるの!!?」タタタタ

さやか「お!やっと出て来たんだ転校生?」

ほむら「駄目…完全に砕けてる」

さやか「というか昨日私を殺した奴が何言ってんのよ。そもそも私らの戦い見物して手を出さなかったのはアンタじゃん? それで、何か分かったことあった?」

まどか「そ、そんなことより…どうなってるの!?何でその娘は倒れて…これじゃまるで」

QB「佐倉杏子は既に死んでるよ?魂が砕かれたんだから当たり前だよね」

まどか「な…何を言って…!」

QB「ソウルジェムは魔法少女の魂の入れ物さ。それが砕かれれば肉体も動かなくなる。簡単な理屈さ」

まどか「そんな!でもそれって…」

ほむら「なんてことっ…彼女の力無しではワルプルギスの夜を倒せないのに…!」

さやか「ねぇ転校生。ワルプルギスの夜って…」



さやか「なにそれ?」

>>34お疲れ。でもさやかちゃんが主人公ってだけで嬉しい!

ちょっとだけ投下


QB「暁美ほむらが何故ワルプルギスの夜の出現を知っているのかも引っ掛るけど…まあそれについては予想がつく。
だけどそれ以上にさやか、君がワルプルギスの夜を知らないのは意外だな」

ほむら「…釈だけどこいつの意見に同感よ」

さやか「だからワルプルギスの夜って何なのさ!いや…それよりも転校生!えとその…頼みが…あるんだけど…」

ほむら「…何?」

さやか「その…グリーフシードを一つ貰えないかな?ほらソウルジェム濁っちゃってさ…魔女化になっちゃうよ」ヘヘヘ

ほむら「やっぱり分かった上で殺したのね………構わないわ。丁度私もあなたと話がしたかったし、私の家に来てくれないかしら?」

さやか「え!?転校生まどか以外にも興味があったの…?いやでも私に は恭介が…」

さやか(危なっ…!手持ちのグリーフシードがないこと完全に忘れてたよ!もしほむらに断られてたら襲いかかってグリーフシードを奪いにかかるしか無かったよ。というか9割以上そうなる覚悟をしてたんだけど…)

ほむら「…冗談はその武器を下ろしてから言いなさい」


――ほむホーム――

~ワルプルギスの夜の説明中~

さやか(ああ、なるほど。大災害の魔女か。あの時私は契約して無かったから戦わなかったんだよなぁ…あの頃はマミさん達かっこよかったなぁ)

さやか「それで?他に話すことは?」

ほむら「何の話かしら?」

さやか「アンタが話たいことがあるってあたしをここに呼び出したんだろ?」

さやか「お互いもう察しがついてるだろうし、下手な探り合いは良さない?」

ほむら「…それもそうね。全て話すわ」




さやか「なるほど…やっぱりアンタも時間戻してたんだ。」

ほむら「ええそうよ」

さやか「話をまとめると、まどかは素晴らしい魔法少女の素質を持っているけど、その反面世界を滅ぼす程の力を持った魔女になる」

さやか「しかし、ワルプルギスの夜を倒せない限りは結局まどかは契約してしまう」

さやか「実際今まで何度繰り返してもまどかはインキュベーターと契約して魔女化した」

さやか「それを防ぐ為に私と一緒にワルプルギスと戦って欲しい、これで合ってる?」

ほむら「ええ…そうよ」

ほむら(今回のこの子はほぼ間違い無く私と同じくタイムリープしている。それは分かる。だけど得体が知れない…目的も分からない。だけど…戦力になるのも確か。今回は何としてでもこの子の手を借りるしか道はない!手段は選ばないわ。そう…全てはまどかのため)

さやか「うんこれでアイツがまどかに執拗に契約を迫る理由がわかったよ…そもそも私もまどかが魔女化するのは困ると思ってたんだ。でもさ…」

_______________________________

まどか「ほむらちゃんはさやかちゃんとお話があるから家に帰れ、心配するなって言ってくれたけど…」

まどか「事故だとは言え人を殺しちゃったんだもんね……」

まどか「大丈夫かな…さやかちゃん」
_________________________________

さやか「それならまどかを殺せばいいだけだよね?」

青い子は許されたんや・・・

たくみなむちネキの薄い本見て以来付き合ってやってもいいとおもってる


さやか「っ……!?」

ほむら「言ったわよね?…冗談はよせと」

さやか「いや今は武器持ってないし、冗談でもな…イテテテテ!?」

さやか(一瞬で組み伏せられた…!?何あいつ瞬間移動でもできるの??)

ほむら「あなたはこの時間軸では治癒の代わりに時間を戻す能力を得たみたいね」

ほむら「ただし、恐らくそれは貴方が死なないと発動しない上に戻せるのは数秒。しかも時間は戻せても魔力はしっかり消費されて燃費が非常に悪い」

ほむら「まどかに手を出すというのなら…私に逆らう気を失くすまでこのまま死ぬより酷い目に合わせてあげてもいいけど?」


さやか「ギブ!ギブ!分かったから離してよ!」

さやか(その気になれば痛覚遮断出来るんだけど…まどかのことになるとそんなことにも気付けない程冷静じゃなくなるんだね)

ほむら「……」スッ

さやか「…ったく。本当酷い目に合ったよ。まあグリーフシードのことは礼を言うけどさ」

さやか「細かい作戦会議とかはまた後日!今日はもうそういう気分じゃないや」スタスタ

ほむら「待ちなさい!」

さやか「何?言われなくてもまどかに手は…」

ほむら「そうじゃないの…あなた、何があったの?私の知るあなたはまどかに危害を加えるような人間ではなかった。むしろ逆だった筈よ」

さやか「全部まどかが基準なんだね…何であたしが転校生にそんなこと教えなきゃいけないのさ」

ほむら「あなたが下手な探り合いはよせと言い出したのでしょう?それにあなたの目的が分からないと信用出来ないわ」

ほむら「佐倉杏子とだってあんなに仲が…」

さやか「…どうでもいいんだよ、もう。恭介以外どうなろうが」ボソ

ほむら「何を…」

さやか「ちぇっ!分かったよ!いいよいいよ!こうなったらさやかちゃんの秘密特別に全部教えてあげる!」

さやか「えっとね…」


――翌日(通学路)――

まどか(さやかちゃん今日はいつもの場所にいなかったな…仕方がないよね)

まどか(魂が身体から切り離されて…あんな小さい物に入れられて)

まどか(その上人を殺しちゃったんだもん)

まどか(でも…いやそんな訳ない!)

まどか(そう…さやかちゃんは今苦しんでる筈なのに…何で私昨日から…"さやかちゃんはわざとあの娘を殺したんじゃないか?"なんて考えてるんだろう…)

まどか(私…最低だ…)

まどか(うぅ…さやかちゃん…)

さやか「まーどか!置いてくなんて冷たいぞ!」

まどか「さ、さやかちゃん!えと…大丈夫なの?」

さやか「あたしもさ…色々思う所もあるし踏ん切りがつかないところもあるけどさ。私は私!魂の場所なんて関係ない!」

さやか「だからまどかも気にしないで!ね?」

まどか「!…うん!勿論だよ!」

さやか「くぅ~さやかちゃん感動したよ!やっぱりまどかは私の嫁だ!」ギュウ

まどか「ティヒヒ、さやかちゃんってば!苦しいよ!///」

さやか「ウリウリ可愛いのぉ~…」

まどか(良かった…さやかちゃん。空元気かもしれないけど……一応は思い詰めてないみたい)

まどか(本当に良かった…だから…)

まどか(まるでさやかちゃんがあの娘のことを気に掛けてないように見えるのは、私が悪い子なだけだよね?さやかちゃん)

ちょい離脱


美樹さやかはもっと万民に支持されてもいい娘

3レス投下


――学校――

仁美「美樹さん…放課後に二人っきりお話が」

さやか「んーいいよ!放課後校舎裏で待ってて!」

まどか(お話ってなんだろう?)


ほむら「……狂ってる」ボソ


__放課後(校舎裏)__

まどか(えへへ、二人に見つからないように校舎裏に来ちゃった)

まどか(さやかちゃんを疑ってる訳じゃないけど…それ抜きにしても最近のさやかちゃん本当に色々苦しんでたし)

まどか(やっぱり気になるよ!)

まどか(ただ、何話してるのか聞こえにく…!?)

さやか「なるほど…仁美は恭介のことが好きで明日告白する…それをわざわざ伝えに来てくれたんだ?」

仁美「ええ…あなたは私にとって大事な友人です。どのような結果になるにせよ私はあなたと友人のままでいたい。それに…あなたは上條君を私より長く見守って来た。抜け駆けはしたくありません。」

さやか「うん!私も仁美と同じ気持ちだよ!伝えに来てくれてありがとう」

仁美「それだけ…ですか?」

さやか「それだけって?」

仁美「いえ…それでは」スタスタ


まどか「さやかちゃん!?」

しえ

メモ帳からコピペしようとしたら内容が全部消し飛んだ…
そんで書き直してコピペしようとしたらまた全部消し飛んだ…

何を言ってるか分からないと思うがちょっと時間空く

待っているぞ
いつまでも

さやか「まどか…あちゃ~見られちゃったか」

まどか「いいの!?このままだと上條君とられちゃうんだよ!」

さやか「うん、いいのいいの。仁美なら安心して恭介を任せられる」

まどか「そんな、良い訳ない…良いないよ!だってさやかちゃんは上條君の為に契約をしてあんなことになったのに…報われないなんてあんまだよ!」

まどか「それにさやかちゃん朝言ってたじゃない。魂がどこにあろうがさやかちゃんはさやかちゃんだって!だから…今すぐ一緒に上條君の所にいこう?」

さやか「あ~いや…私の身体がゾンビだから引け目があるとかそんなんじゃないんだ」

まどか「じゃあ何で…?」

さやか「私より仁美の方が恭介の支えになる。ただそれだけ!他に理由はないよ」

まどか「嘘だよ…そんなこと上條君以外誰にも分かる訳ないよ!それに仁美ちゃんにはちょっと悪いけど…幼馴染で長く上條君を見て来たさやかちゃんの方が絶対支えに…」

さやか「分かったようなこと言わないでよ!!」

まどか「!」ビクッ

さやか「…ごめんまどか。何だかんだ言ってあたし気持ちの整理付いてないみたいだわ」タタタタ

まどか「さやかちゃん…」

面白い支援


仁美については伏線らしきものが張ってあったな

しえん


待ってるぞ


______ほむホーム_______

さやか「私が初めて逆行して真っ先にやったことは
魔法少女の魂はソウルジェムに入れられていること
魔法少女はやがて魔女になること
この二つを皆に伝えることだった」


_________________________________

マミ「魔法少女が魔女になるなら…皆死ぬしかないじゃない!」

_________________________________

ほむら「ごめんなさい…美樹さん……どうにか頑張ろうとしてみたけどあれが元は仲間だとわかってから…いざ魔女の前に立つと震えて……戦えない…ごめんなさい」

________________________________

杏子「正直ちょっと…しんどいけどさ。少し休めばどうにかなんだろうよ…ウザい!引っ付くな、離れろ!」
________________________________

さやか「結果はアンタ…転校生のお察しの通り…散々だったよ」

さやか「伝え方を変えたり、段階踏んで説明してみたりと色々工夫したけど結局大差無かったね」

さやか「私馬鹿だからさ!何十回も仲間を殺すまで気付けなかったんだ。」

さやか「皆に真実をひた隠しにしたままにするしかないってことにね」

さやか「ただこの頃はまだ良かったんだよ」


まどか(あれから数日が経って…結局上條君と仁美ちゃんは付き合うことになったと噂で聞いた)

まどか(その後さやかちゃんは仁美ちゃんに良かったね!って心底嬉しそうに笑いかけてたけど…)

まどか(私にはさやかちゃんが何を考えてるのか…全然分からないよ)

――魔女結界――

さやか「よっしゃ!一丁あがり!」

ほむら「………」

ほむら(ワルプルギスの夜と戦う前にグリーフシードの確保とお互いの息を合わせる為の訓練を兼ねてここ数日一緒に闘うようにしてるけれど…予想以上に順調に進んでいる)

ほむら(それだけこの時間軸の美樹さやかの戦闘能力は高い。このままいけばワルプルギスの夜を倒すのに充分な戦力の筈…)

ほむら(ただ…気掛かりなのは彼女が何故正体を馬鹿正直に明かしたのかということ……あんなのを聞かされれば警戒するに決まってるのに…)

QB「チームを組んでいるのに…君はどうやら彼女を信用出来ていないみたいだね、暁美ほむら」

ほむら「……あなたには関係ないことよ。黙りなさい、インキュベーター」

QB「確かにそうだ。ただどのような経緯で君と彼女が組むことになったのか。彼女は一体何者なのか。興味が湧いてね」

ほむら「教えると思う?」


QB「まあおおまかな当たりはついているよ。君も美樹さやかもタイムトラベラーなんだろ?」

QB「 そして今の美樹さやかがこの時間軸に跳んで来たのが僕との契約の最中…上條恭介の腕が治らなかったのもその為だろうね。何故なら美樹さやかは別の時間軸で既に僕と契約を交わして別の願いを叶えていたのだろうから」

QB「所で君は気付いているのかい?美樹さやかは戦闘中も時々君の様子を伺って…」

さやか「おいおい!何二人で盛り上がってるのさ!あたしも混ぜろー」グニャリ

QB「キュップイ!……いきなり横から蹴りを加えるなんて。君はいつもそうだ。訳が分からないよ」

さやさ「だってアンタ良い声で鳴くんだもん。うーん、気分良いわ~爽快爽快!」グニャッグニャッグチャッ

ほむら(確かに…美樹さやかは戦闘中時折不審な素振りをみせる。私も薄々それには気付いてたけど…)

さやか「転校生!どうしたのさ?さっきから珍しく考え込んじゃって」

ほむら「いえ、何でもないわ。それとあなたみたいな馬鹿と一緒にしないで。心外だわ」ファサッ

さやか「何さらりととんでもない毒吐いてんのよ!私の可愛い三つ編み眼鏡のほむらちゃんはどこ行っちゃったの!?」

ほむら「あなたがいた時間軸でも私とはそこまで親密でもなかったでしょ?」

さやか「え?何で分かるの!?」

ほむら「例えどんな時間軸に移動したとしても、私とあなたが上手くやれるとは思えないもの」フフッ

さやか「割と本気で傷付いた…」

ほむら(今はただ…何事もなく終わることを祈るしかないわね)

見てるぞ
面白い


____ワルプルギスの夜前日_____

まどか 「つまり…明日ワルプルギスの夜っていう強力な魔女が来るけど、ほむらちゃんとさやかちゃんが協力して倒すから私は何と言われてもQBと契約しちゃダメってことだね?」

ほむら「ええ、そうよ」

さやか「その通り!このさやかちゃんに胸を貸すつもりで安心して待ってなよ!」

ほむら「あなたはどこまで愚かなの…美樹さやか」

まどか「ティヒヒ…二人共随分と仲良くなったみたいだね?」

さやか「え?どういうこと?」

まどか「え?」

ほむら(まさか素で言ってたの…?)


さやか「そういえばさ…仁美と恭介どう?」

まどか「え?」

さやか「いや…ほら、最近魔女退治が忙しくさ。中々会う機会もなくて…特に…恭介の奴、はたから見て何か悩んでる様子じゃなかった?」

まどか「えと…私から見て…落ち込んでいるようには見えなかったけど…でも、内心はさやかちゃんにも会いたいって思ってるはずだよ!」

さやか「そっか…つまり特に悩んでる様子じゃ無かったんだ?」

さやか「良かった良かった!本当。最近何かと思い詰めてたみたいだからさ。可愛い彼女が出来て上手くストレス発散出来てるならあたしとしても嬉しいよ!」

まどか「さやかちゃん…」


さやか「あ~それとまどか…この前のこと何だけどさ…えっとその。ごめんね?ちょっとパニクって強く言い過ぎたよ」

まどか「ううんいいの。でもね…」

さやさ「?」

まどか「いつか…さやかちゃんが隠してること私に教えて?」

さやか「!それは…!」

まどか「今すぐじゃなくてもいいの。さやかちゃんが何を隠しているのかは分からないけど、それはきっと大切なことなんだろうなっておもうから。」

まどか「けどね…いつか、気持ちの整理が付いて…さやかちゃんが教えてくれる気になったなら…それはとっても嬉しいなっとも思うんだ」

さやか「…うん。分かったよ」

ほむら(いつか…ね)

_____翌日(ワルプルギスの夜出現地)
_____

ほむら「今から15分後、ここから約100m程先…丁度あのビルの隣にワルプルギスの夜が出現するわ」

さやか「その後は手筈通りやればいいって訳ね?」

ほむら「ええ」

さやか「…あのさ、ほむら」

ほむら「何よいきなり…どうしたの?少し気色悪いわよ?」

さやか「本当はさ…何度か魔女との戦いの最中アンタを殺そうか迷ったんだよ…」

ほむら「………分かってたわ」

さやさ「あはは、やっぱりバレてたか流石だね。でも、都合が良いかもしれないけどさ…恭介の為にも私自身の為にも今は目の前の敵に後悔が無いように全力尽くしたいんだ。だから…」

さやか「今だけでもいいから私を信頼してくれないかな、ほむら?」

ほむら「馬鹿は本当に自分の都合が良いことしか言わないわね」

ほむら「そろそろよ…気を引き締めなさい、さやか」

さやか「…ありがとう」

さやか「でもまだ10分以上時間があるよ?何々?もしかして柄にも無く照れてんのほむら?」プププ

ほむら「っ…慣れてないのよこういうの」


ほむら「……そういえば、あなたが居た元の時間軸では丁度二日後でしたっけ?」

ほむら「上條君が自殺するのは」

ちょい離脱



____ほむホーム____

さやか「正直、マミさん達のことより恭介のことの方がしんどかったよ」

さやか「元々私のタイムリープは大災害があった翌日…つまり、マミさん達がワルプルギスの夜を倒した翌日を起点としてるんだけどさ」

さやか「ボーッとしてたらタイムリープした次の日…つまり大災害の二日後には自殺しちゃうんだもん」

さやか「天才故の苦悩って奴なのかね…凡人の私には未だによく分からないけど」

さやか「私がいくら上手く立ち回っても中々安定して恭介の自殺者を食い止めるのは難しくてね…」

さやか「まぁ偶に成功しても必ず3人の内誰かが魔女化してもイチャイチャタイムを邪魔されたんだけどさ」

さやか「一番辛かったのはやっぱり…」

さやか「私よりも仁美を焚きつけて付き合わせた方が恭介の精神が安定するって分かった時だね」

さやか「それってつまり恭介はわたしより仁美を必要としてるって訳じゃん?最初はちょっと凹んだし妬んだよ」

さやか「だけど恭介が死ぬことなくどこかで幸せに生きててくれるならそれで良いって本当に心の底から思えるようになったんだ」

さやか「だからそんな目で見てくんのはやめろよ。転校生」

さやか「………へぇ、こっちの時間軸では仁美からそんなアクション起こしてくれるんだ。教えてくれてありがとね!転校生!」


――ワルプルギスの夜出現地――

ーーー5ーーー
ほむら「来るわよ…今度こそ本当に気を引き締めなさい」

―――4―――
さやか「おっけー!任せてよほむら」

―――3―――
さやか「……ほむらはさ。このループを抜け出せたらどうするつもりなの?」

―――2―――
ほむら「……今の私にとってははそんなことどうでもいいわ。とにかく今はワルプルギスの夜を倒すのが先決よ」

―――1―――
さやか「そっか……そうだね。チャチャっと倒しちゃおうか!」


ワルプルギスの夜「アハハハハ!ウフフフフフ!」



さやか「話しには聞いてたけどでかいなぁ…本当に結界もはらないんだ…」

ほむら「怖気付いたの?」

さやか「いや?結界を張らないで暴れ回る魔女とは前周回で戦ったって言ったでしょ?」

ほむら「………そう。そろそろワルプルギスの夜が所定の位置に移動するわよ」

さやか「あいよ!」


さやか「そらそらそら!」ガガガガガッ

ワルプルギスの夜「アハハハハ!アハハハハ」

さやか「ねぇ!全然効いてないようにみえるんだけど!?」

ほむら「そんなことは無いわ!何度もこいつと戦ってるから分かる」パンパン

ほむら(やっぱりね…ワルプルギスの夜はあくまで魔女。だから私の近代兵器よりもさやかの魔力で作り出した武器の方がダメージが通るみたい)

ほむら(私達の作戦は簡潔に言うとさやかがワルプルギスの夜の削り役で私が使い魔の駆除や回避を補助するサポート役に分かれて戦うこと)

ほむら(さやかは私と違って戦闘用の能力…つまり魔力で剣を作りだす能力は燃費が良い。その分火力は低いけど彼女はそれを圧倒的な手数でカバーしている)

ほむら(このままいけばいける…!)

ワルプルギスの夜「アハ!アハ!アハ!アハ!アハ!」

真司「変身!」
ファイナルベント
ワルプルギスの夜「ぐはああああああ」


ほむら「!…来るわ一旦離れて!」

さやか「チッ…!」ササッ

ワルプルギスの夜「キャハハハハハハハハ!」ゾゾゾゾ

さやか(…ほむらの指示が無かったらあの十数本の黒い触手に串刺しにされてたな)

ほむら(けど…これで終わりじゃない。あれは…)

使い魔「「「「アハハハ…」」」」ピッピッ…

ドカン!!

ほむら(強力な使い魔になる。だから避けるだけでは無くこうして処理しなくてはならない)

さやか「そりゃあああ!」ズバババ

ワルプルギスの夜「アハハハハ!アハハハハ!」

ほむら(一回使い魔を産んだ後は一分程インターバルがある。だからその間は障害物を使った攻撃とワルプルギス夜自身による直接攻撃だけに気を付ければいい)


ほむら(ただ…近接して戦っているさやかに黒い触手と直接攻撃を目視で回避するのはほぼ不可能。だから…私が攻撃を事前に察知し続けるしかない。)

ほむら(けど、いくら私がワルプルギスの夜と戦い慣れているといっても全ての攻撃を完全に予知するのも不可能。だからそこは彼女の逆行能力でカバーする)

ほむら(事前に入手出来たグリーフシードの数は12個。その内11個は彼女に譲渡済み。つまりミスできるのは11回…!)

ほむら(正直言ってこれでも苦肉の策…本来なら遠距離から攻撃出来る巴マミと私が削り役。さやかと杏子には使い魔の駆除等のサポートをして貰うのが理想的だったのだけど…)

ほむら(…泣き言を言っても仕方ないわね。グリーフシードが尽きるのが先かワルプルギスの夜が倒れるのが先かの勝負。大丈夫…勝算は充分ある!)

さやか「きゃあぁぁぁぁぁ」グサグサグサグサ

ほむら「!?」

ちょっと離脱

なかなか面白いよ

アニメ化希望



キーン

さやか「ほむら!ソウルジェムを浄化するから一回時間を止めて!」

ほやか「っ………」(私の…私のくだらないミスのせいでまた仲間が死…)

さやか「…反省会なら後でいくらでも付き合ってやる!まどかを救うんだろ!しっかりしろ!」

ほむら「ええ…取り乱してごめんなさい」ファサッ

ワルプルギスの夜「アハ!アハ!アハ!…キャハハハハ!」ゾゾゾゾ

さやか「くっ……」サササッ

ほむら(そう…今は立ち止まってる場合じゃないわ!)

ほやか(私がまず今やるべきことは時間を停止して使い魔の出現地周辺に複数の時限爆弾を設置…そしてさやかに接触して彼女が浄化し終わったのを確認した後時間を再び動かして使い魔を爆破すること…!)





QB「……………………」


ほむら(ワルプルギスの夜との戦闘が始まってから40分以上の時間が経過した)

さやか「そりゃそりゃそりゃあぁぁぉぁぁぁ」ズガガガガガガッ

ほむら「すぐに上に跳んで!そこから離れなさい!」

さやか「あいよ!」ササッ


ほむら(この時点で私の分も含めて残るグリーフシードは3つ。ミス出来るのは残り2回だけ)

ほむら(決して余裕があるとは言えない。けれど…)


ワルプルギスの夜「アハハ!アハ…アハッハハ… ハ!アハハハハ…」

ほむら(私達の勝利は目前だった)


____ほむホーム____

ほむら「ワルプルギスの夜というのは古代から存在する魔女の名称よ」

ほむら「コイツは他の魔女と違って具現する際に結界を張らない。何故なら結界で身を守る必要がない程の強さを持っているから」

ほむら「それでも相変わらず大半の人には見えないから地震とか嵐とか大災害として認識されるようね」

さやか「つまり滅茶苦茶強い魔女ってことだろ」ヘラヘラ

さやか(あの時の魔女か…さやかちゃん完全に忘れてたよ)

ほむら「………ええ。その通りだけどあなたの態度がむかつくからもう話たくないわ」

さやか「小学生かアンタは!」

ほむら「チッ…ただし、コイツは決して無敵という訳でもないの。現にワルプルギスの夜を複数の魔法少女が協力して撃退したという記録はいくつも残ってる」

さやか「舌打ちされた…」

ほむら「まあ倒した所で数百年すれば再び具現するらしいし、私が単独で挑んだ所で録にダメージを与えられないくらいの強さはあるのだけど」

さやか「まあでも確かに倒せないってことはないだろうね」

さやか(現にマミさん達倒してたし)

ほむら「ただ……ある資料によると、ワルプルギスの夜が反転したした時、暴風のような速度で飛行し地表の文明を滅ぼしてしまう……のだそうよ」

さやか「それ昔の人絶対盛ってるって転校生!だってそんなの倒せる訳ないじゃん!?」

ほむら「確かにそうね」

ほむら「けどワルプルギスの夜の撃退記録を整理していく内にある仮説を立てることが出来たわ」

さやか「どういうこと?」

ほむら「ワルプルギスの夜との交戦時間が一時間以内の記録は腐る程あるのに…何故か交戦時間が一時間を超す記録が一つも無いのよ」

ほむら「恐らくワルプルギスの夜は具現してから約一時間後に…」

ほむら(反転するまで後約20分)

ワルプルギスの夜「アハハハ…アハハハハ…アハ…」

ほむら(今回は制限時間の方よりもグリーフシードの心配をした方が良さそうね)

ほむら(だからアイツのどんな些細な予兆でも見逃す訳にはいかない……今回こそ確実にあいつを倒す!)

さやか「そらそらそらぁぁぁぁ」グガガッ…

ほむら「!……くっ」(ビルが上から…二棟も…!?)サササッ

┣¨┣¨┣¨┣¨・・・

ほむら(攻撃を事前に察知するには、ワルプルギスの夜の行動全て一挙一足に細心の注意を払わないといけない)

ほむら(今回誤算だったのは、その反動で今までは容易に避けられていた障害物の回避が困難になり危ういギリギリの回避を強いられたこと…)

ほむら(けど…もう関係ないわ。だって…)




ワルプルギスの夜「ア…アハ…ア…ハ…アッ…ハ」




ほむら(ワルプルギスの夜はあと30秒ともたない。恐らく今の攻撃が最後の足掻き。これ以降は大した攻撃もないはず)

ほむら(まどか…やっと……やっとあなたを永遠の迷路から救い出せる。そう…これで…)

キーン

ワルプルギスの夜「アハハハ…アハハハハ…アハ…」



ほむら(何が起きたの!?)

ほむら(上から…ビル!?嘘…間に合わな…!)

ほむら「さや…」




┣¨┣¨┣¨┣¨・・・








さやか「バイバイほむら」

離脱しま


さやか「ソウルジェムを浄化浄化…っと!」

さやか「これで手持ちのグリーフシードは残り一つか」

さやか「ま、あとやることは虫の息の魔女に止めを刺すだけだし…お釣りがくるね!」

QB「最後の暁美ほむら動き…明らかにおかしいとは思ったけど。やはり君の仕業か、さやか」ピョコ

さやか「うんそうだよ!ほむらの奴何でか知らないけど私が死ぬ以外の方法じゃ時間を戻せないと思い込んでたみたいでさ」
(…どの道戻せるのは数秒だけど)

さやか「ワルプルギスの夜前の魔女戦でもあまりにも隙だらけなもんだから、つい何度も手を出しそうになっちゃった」

QB「自分の意思で時間を逆行出来るならこの戦いの間もいくらでもチャンスはあっただろ?何故わざわざあのタイミングまで待ったんだい?」

QB「やっぱり君は訳が分からないよ」



さやか「理由は二つあるよ」

さやか「まず一つはほむらの力無しじゃワルプルギスの夜を倒せなかったから」

さやか「それともう一つはあたしも鬼ではないからね」

QB「?…そもそも君がワルプルギスの夜にこだわる理由は何なんだい?」

さやか「ん~…正直"あたしは"ワルプルギスの夜がどんだけ暴れ回って街を壊そうが構わないんだけどね…」

さやか「今の所はとりあえず…そうだな」

さやか「恭介の精神状態に少しでも影響を与えたくないから…とでも言っておくよ」

さやか「恭介だって住み慣れた街や家や病院が壊されたら陰鬱な気分になっちゃうだろうしね」

QB「随分と含みがある言い方だね」

さやか「へへ…まあ嘘は吐いてないよ。あんたと同じで余分なことは喋ってないだけ」

QB「ふむ…けどそれにしたってもう少し前の段階で暁美ほむらを始末しても君一人でワルプルギスの夜は倒せた筈だし、そのチャンスもあったと思うけど」

さやか「だからあたしも鬼畜でも悪魔でもないって言ったじゃん」

QB「?…分からないな」


さやか「どうせ死ぬなら、ちょっとでも幸せな気分で死にたいでしょ?」

さやか(杏子に対して手動で時間を逆行させないで、わざわざ一回殺されてあげたのもそう)

さやか(ま、杏子も最期はそのことを覚えていやしなかっただろうし、ほむらもそれを見て私の能力を勘違いしたんだろうけどさ)

QB「感情ありきの思考という奴かい?やっぱり僕には君達のそういう所が理解出来ないよ」

さやか「あはは、そりゃそうだろうね!だってアンタ感情無いし、いくら潰しても死なないし」


QB「さて…さやか。実は本当に聞きたいことは次の質問なんだ」

さやか「ん~?何でも聞いて!さやかちゃん今気分良いから何でも答えちゃうよ!」

QB「君とほむら…君達の正体と目的を教えて欲しい」

QB「そこに君が杏子達を殺害した理由も隠されてるんだろ?」

さやか「あ~…ほむらの方はあたしも本人から聞いただけだから詳しいことは分からないけど…まあ先に分かる範囲で話すよ」

さやか(本人がもういないしね)

さやか「そんでそんで!その次はさやかちゃんの壮絶な半生を…」

QB「その前にいいかな?」

さやか「……何?」

QB「ワルプルギスの夜に止めを刺さなくも良いのかい?弱っているとはいえアレは危険だ」


さやか「…へぇ、どういう心境の変化?アンタがこの手の忠告をして来るなんて未来永劫絶対に無いと思ってたんだけど」

QB「いくら君でも考え無しに伝説の魔女を放置したまま僕と話し込んだりはしないだろうからね」

QB「それをするってことは何か意図がある筈だ。だから僕はそれを先に君から聞き出そうとしているだけだよ」

さやか「…何か言い方に若干悪意を感じる」

QB「僕は感情がないからね。悪意を感じたのだとしたらそれは君の気のせいさ」

さやか「う~ん…ま、"念の為"って所かな?」

QB「それはどういう…」

さやか「……おっと!あいつまたビル投げて来やがった」ヒョイ

QB「キュップイ!…君が僕を助けるなんてね。君こそどういう心境の変化があったんだい?」

さやか「……ま、話し相手がいないと寂しいでしょ?」

さやか「時間が無いからとっとと話しちゃおっか。えっとね…」

離脱

見ているぞッ!

さやかちゃんのフツーのパンツ見たい


____別の時間軸(さやかが元々居た時間軸)____


上條「さやかは僕を虐めて楽しいのかい!?」


さやか「ご、ごめんね…恭介。本当に…ごめん」

さやか(あたしがQBと契約すればほぼ間違い無く恭介の腕が完治する)

さやか(けど、無理だ…どうしても怖い。)

さやか(ごめんね。恭介…)

_________________________________

まどか「さやかちゃん?また凹んでるの?」

さやか「だってさぁ…」

まどか「全く…駄目だよ!上條君は自分の為にさやかちゃんが犠牲になっても喜ぶような人じゃないでしょ!」

さやか「でもまどか達は…」

ほむら「まどかの言う通り…きっと大丈夫だよ、美樹さん。上條君もつい強くあたっちゃっただけだよ…」

杏子「そうそう!というか、この街の魔法少女は私とまどかとほむらとマミで充分過ぎるぐらいなんだっての。その上さやかまで契約したらグリーフシードが足りなくなるし、足手まといが増えるだけだっつーの」

さやか「ちょっと…!人がショゲてるんでるからって何調子に乗って好き勝手言ってんの!?」ウガーッ

マミ「ふふふ、どうやら元気が出て来たみたいね」

マミ「どうかしら美樹さん?気晴らしに私の家で皆でお茶でも飲まない?」

さやか「マミさん…」

まどか「いいですね!賛成!」


_________________________________

さやか「杏子が大怪我!?」

まどか「ううん…怪我自体は魔法で治してあるんだけど精神的なダメージがね…」

さやか「っ…杏子に直接あってくる!」タタタタ

ほむら「ちょ…美樹さん!?」



さやか(よりによってあいつが精神的にダメージで?)

さやか「……いつも好き勝手言われてる分こっちも言いたいこと言って目ぇ覚めさせてやる」タタタタ


――マミ自宅――

杏子「ヒッ……よ…よお!、さやかか。どうした…そんなに慌てて」

さやか「ア、アンタ…」

マミ「美樹さん…ちょっと外について来て貰って良いかしら?」



さやか「何があったんですか!?何であいつは…あんなに……」

マミ「…昨日の大災害の魔女のことは貴方も知ってるわね?ソイツが予想以上に強力でね」

マミ「佐倉さんには前衛を務めて貰ったんだけど…戦闘中7回。短い間に致命傷を受けたのよ」

さやか「何で!?そんなに…!」

マミ「仕方が…なかったのよ」

マミ「彼女以外に前衛を出来る人がいなかった。だから彼女が傷付く度に私が回復魔法で治療して戦線復帰して貰ったわ…」

マミ「……身体の傷は癒えても短い時間に致命傷を何度も負ったショックは流石の佐倉さんにも耐えられなかったみたいね」

マミ「ただ…分かって欲しいのはそうでもしなければ倒せない程強力な敵だったのよ」

さやか「そんな…」

マミ「彼女が立ち直るまで私達も全力でサポートするわ。だからあなたも佐倉さんを支えてあげて?」

さやか「っ……はい!」

全員が仲間という胸熱展開

_________________________________

さやか「おっす!おはよー仁美」

仁美「っ!……美樹さんは知らないんですか?上條君のこと…」

さやか「何言ってんの?そりゃ恭介とは毎日会ってるし知らない訳が…」

仁美「!!あなたが…!あなたが一番上條君の近くにいたのにっ…!」

仁美「どうして…!?どうして気付いてあげられなかったの! あなたがそんなんだから上條君が~~~~~~!」

さやか「嘘……恭介?」

しえん

_________________________________

さやか(私は恭介が自殺した後もQBと契約を交わす踏ん切りが付かず出来ずにいた…杏子の変わり果てた様子が目に焼き付いて……怖くて怖くてどうしようも無かったから)

まどか「さやかちゃん…大丈夫?」

さやか「ん…あぁ。大丈夫だよ。最近ようやく立ち直って来たよ。まどか」

まどか「さやかちゃん…」

さやか「私何かよりさ…大丈夫なの?魔女退治…グリーフシード集まってないんでしょ?」

まどか「うん…最近はハズレ魔女ばかりにあたるから中々グリーフシードが集まらなくて困ってるんだ」

まどか「私達は魔女を狩る為にどうしても魔力が必要となるから…杏子ちゃんにはちょっと申し訳ないけど…少しの間ソウルジェムの浄化は我慢して貰ってるんだ」

さやか「そっか…うん!久しぶりに杏子に顔出すか!」

まどか「うん!それがいいよ!さやかちゃん!ティヒヒ、杏子ちゃんも喜ぶよ~?」


QB「大変だよまどか。マミの家から魔女の反応だ」

_________________________________

――マミ自宅前――

パンパン??

さやか「っ…銃声? マミさんが戦ってるの!?」ハァハァ

まどか「さやかちゃんはここで待ってて!」タタタタ

さやか(そんなこと…そんなことい出来る訳ないでしょ!)タタタタ



マミ「嘘…どうして…さくらさん…どうして」

ほむら「まどか……助けてまどかぁ…」

まどか「二人ともどうしたの!?しっかりして!」

さやか「魔女は!?…杏子はどうしたの!」

ほむら「そ…それ…」

さやか「グリーフシード…?」

まどか「QB…説明してよ。これはどういうことなの!」

QB「キュップイ!」

_________________________________

さやか(一度崩れ始めると後は早かった)

さやか(紆余曲折あって、結局残ったのはあたしとまどかだけになった)

まどか「二人共…魔女になっちゃったね」

さやか「…………」

まどか「はは、私もいつかそうなるのかな?」

さやか「……………」

まどか「あーあ…私がもっと上手く立ち回ってたら…杏子ちゃんもほむらちゃんもマミさんも魔女にならなくて済んだのかなぁ」

さやか「…あんまり自分を責めても仕方ないよ、まどか」

まどか「えへへ、でも私どうしても考えちゃうんだ。過去に戻ってやり直せたらなって」

まどか「そしたらね。皆でマミさんの家で集まって…紅茶を飲んで美味しいケーキをご馳走になって……さやかちゃんはいつもみたいに杏子ちゃんと喧嘩して…それでそれで…うぅっ…」

さやか「まどか!」

まどか「へへ…ごめんね。嫌な気分にさせちゃったね。」

まどか「そろそろ行かなきゃ…」

さやか「待って!…一人に……しないで」

まどか「ティヒヒ、さやかちゃんは大袈裟だなぁ…大丈夫、すぐ戻ってくるよ」

さやか(その時間軸でまどかと会ったのはこれが最後だった)

さやか「ほむら、マミさん、杏子、まどか……恭介」

さやか(ごめんね皆…何もしてあげられなくて…本当にごめんね)

さやか「皆に会いたいなぁ…」

さやか「もう………死のうかな」ボソッ

QB「会えるよ」

さやか「え?」

QB「簡単なことさ。僕と契約して彼等に会いたいと願えばいい」

QB「ただそれだけで君の望みは叶う。君だってただ死ぬくらいなら望みを叶えた上で死にたいだろう?だから…」

QB「僕と契約して魔法少女になってよ」

さやか「……ふ…ふはははは!そこまで行くといっそ清々しいよ!QB!!」

さやか「いいよ!…また恭介に…皆に会えるならあんたの口車に乗ってあげる」

(まどか『あーあ…私がもっと上手く立ち回ってたら…杏子ちゃんもほむらちゃんもマミさんも魔女にならなくて済んだのかなぁ』)

さやか(違うんだよ…まどか。まどかは何も悪くない。悪いのは…ずっと怯えてばかりで結局何もしなかった私だ)

さやか(罪滅ぼしになるか分からないけど…まどかの夢は代わりに私が叶える!)

さやか「けどね…先に言っておくけど、私は絶望なんかしない!魔女になんかならないし誰もさせない!」

さやか「アンタの思い通りになんか絶対ならない!」

さやか「あたしの願いは…過去に戻って佐倉杏子、暁美ほむら、巴マミの魔女化を防ぐこと…!

さやか(いや…)

……そして、上條恭弥の自殺を回避することだ!」

さやか「さあ叶えろ!インキュベーター!」

胸熱


――ワルプルギスの夜出現地――

QB「なるほど、そういうことか。これで君のこれまでの行動の大半に合点がいったよ」

さやか「え~?つまんない」

QB「?」

さやか「私最初は杏子達を救おうとしてたんだよ?なのに私が今やってる事は真逆じゃん?…っと」ササ

さやか「嘘でもいいからそこに驚けよ!」ピョンッ

QB「訳が分からないよ」

QB「……今の君の話を聞けば、その後どういう経過を辿って今に至ったのか容易に予想がつく」

QB「君が契約によって得た力はおそらく…」

QB「
①上條恭介が自殺する
②ほむら、マミ、杏子の誰かが魔女化する
この二つの内どちらかの条件を満たした場合…タイムリープが起こる」


QB「大体こんな所だろ?」

さやか「…なんか腹立つけど正解だよ」ヒョイッ


QB「僕は今まで何人もの少女が希望を抱いて魔法少女になり絶望に身を委ねて魔女となる所を見て来た…だからこそ分かる」

QB「ほむら、マミ、杏子の三人の全員を魔女化させない状態を維持するのはまず不可能だ」

QB「それこそ…殺してしまわない限りはね」

さやか「ご名答!まさにその通り!」

さやか「いやぁ…三人には悪いんだけどさ、ぶっちゃけもう同じ時間を繰り返すのにはさやかちゃん飽き飽きしてるんだよね!」

さやか「だから三人には死んで貰う方針に変えたんだけど…おっと」ススッ

さやか「これはこれで中々難しくてね…逆に何度も殺されかけたよ」

QB「なるほどね…ただ一つ気になることがあるんだ」

さやか「?」

QB「君の願いの中に『まどかの魔女化を回避すること』が入っていないのは何故だい?」

さやか「あ~…いや、契約の時はまどかの言葉をなぞっただけだから…まぁ…その」

QB「契約内容をうっかり間違えた魔法少女は君が始めてだよ。さやか」

さやか「あの時は余裕無かったんだから仕方ないだろ!…って危なっ」サッ

さやか「ただ…そのおかげであたしはまどかを…大切な友達の一人を殺さずに済んだ」

さやか「結果的にあたしは救われてたんだよ……前週回まではね」

QB「前週回に何があったんだい?」

さやか「へへへ、秘密だよQB!今日はもう既に色々と話してあげたでしょ!」

QB「まあそうだね。ありがとうさやか」

QB「君のおかげでまどかが契約してくれる気になったみたいだ」


QB「まどかはこちらに向かっている所だ。数分もしない内に到着するんじゃないかな」

さやか「…………」

QB「君には悪いが、今の君の話はテレパシーでまどかに送信させて貰っていたんだ」

QB「君達がそこまで苦しんでいると聞けばまどかはどうするか」

QB「彼女の性格を考えれば簡単に分かるだろ?さやか」

さやか「……あんたやっぱり何だかんだ言って人間くさいね」

QB「?なにを…」

さやか「不思議に思わなかったの?」

さやか「私が何でわざわざアンタ何かにペラペラと自分の正体を話したと思う?」

QB「!…まさか!そんなはずは…」

さやか「正直ここまで上手くとは思わなかったよ」

さやか「欲に目が眩んでこんな簡単なことにも気づけなかったの?インキュベーター」

QB「…まどかをここにおびき寄せて殺すつもりかい?さやか」


QB「まどかは君のリープ条件外だろ?」

QB「それに暁美ほむらと共闘関係にある間にまどかに手を出せなかったのは分かるが…」

QB「でも…君がまどかも殺す気だったのなら、暁美ほむらと組む前にいくらでもチャンスはあった筈だ」

QB「仮にほむらからまどかの素質を聞いて心変わりしたのだとしても」

QB「ほむらを始末した後直接まどかに会いに行って殺害すればいいだけのことだ」

QB「わざわざ僕に正体を明かしてここにおびき寄せるなんて非合理…」ザクッ

さやか「アンタも馬鹿だね…アンタがまどかをここに呼び出した時点で質問タイムは終わってんの」

さやか「ま、強いて理由を言うなら私だって情けは掛けるんだよ…どうせアンタには理解出来ないだろうけど」

QB「美樹……さや…か」

さやか(…私の知るまどかは他人が深く傷付いているのを見れば必ず駆け付けて助けようとする…人の痛みがよく分かる優しい子)

さやか(それは自信を失くした今の時間軸のまどかも同じ。根っこは変わらない。仁美の件で詰め寄られた時に思い知らされた)

さやか(だから私の正体を知ればまどかは絶対じっとなんてしてられない…)

さやか(必ず私の元に来てくれる)

さやか(まどか…約束通り、ちゃんとあたしの秘密教えたよ)

さやか(だから……次はあたしのお願いを聞いて欲しいんだ)

さやか(死んで?)ジャキッ

まどか「…さやかちゃん!!」タタタタ

パンッ

____ほむホーム____

さやか「…以上!さやかちゃんの時間漂流記でした!」

ほむら「なるほど…貴方が杏子を殺した理由は分かったわ。」

ほむら「でもあなたがまだ…まどかと私を殺すつもりなら……こちらもまどかの身を護る為応戦させて貰うわ」ジャキッ

さやか(…完全に自分をまどかを護衛する道具としてカウントしてるよ)

さやか「……ってないない!今はアンタらに手を出す気は無いって!」

ほむら「何故?」

さやか「…恐らくあんたの力無しじゃワルプルギスの夜は倒せないから。それにあたしも無駄な殺生はしたくないしさ」ヘヘヘ

ほむら「…………」

さやか「ワルプルギスの夜を倒したい理由は恭介の精神状態の影響を少しでも抑えたいから…それだけ」

ほむら「…分かったわ」スッ

さやか「え?…信用して…くれるの?」

ほむら「いいえ、全く信用出来ないわ」

さやか「流石に即答は凹む…」

ほむら「けど私にはあなたに頼るしかもう道がないの。ならあなたがどんなに怪しかろうがわたしはあなたと組むわ」

さやか「じゃあ…万が一あたしが裏切って転校生を後ろからぐっさり殺しにかかって来たらどうするのさ?」

ほむら「…あなたに裏切る気が無いならその質問は無意味だと思うのだけど」

ほむら「そうね……例え腕がもげようが、細切れにされようが…絶対に這い上がってあなたを殺してまどかを救い出すだけのことよ」

しばらく離脱

>>106

さやか「ワルプルギスの夜を倒したい理由は恭介の精神状態の影響を少しでも抑えたいから…それだけ」

さやか「まどかが魔女化するのは恭介の身に危害が加わるようだから困るけど、そこは転校生がどうにかしてくれるんでしょ?」

さやか「あ…ただ、転校生がいつの日か魔女化する兆候が見えたら…その時は大人しくソウルジェム渡してね!あたしもう繰り返したくないからさ」

が抜けてたm(_ _)m

本当に離脱

見てるぞ
期待

キーン

QB「美樹……さや…か」

さやか(これは………!)

さやか(……やっぱり)スッ

パンッ

さやか(浄化…と)シュウウウ

さやか「…アンタか」

さやか「何となく……こうなる気がしてたんだ」


ほむら「まどかには…まどかには指一本触れさせない…!」フラッ


まどか「ほむらちゃん…!?」


まどか「な、なんで…ほむらちゃんは死んだって…QBが!」

さやか「…ねーねー!ほむらやっぱり怒ってる?私が裏切ったこと!」

ほむら(これで美樹さやかの残りグリーフシードはもう無い)

ほむら(つまり…もう一回さやかを殺して、強制的に逆行させてしまえば、それによって溜まるソウルジェムの穢れを取り除く術を持たない彼女は録に身動き取れなくなる筈)

さやか「そりゃそうだよね!でも…」

ほむら(…さっきのビルの衝突は時間を停止してギリギリで回避することが出来た)

ほむら(だけどその際左腕と右脚を負傷して今はほとんど動かせない)

ほむら(…それでも時間停止を使えば美樹さやかを殺すぐらい他愛もないわ!)

さやか「私が死んだら誰がワルプルギスの夜に止めを刺すの?」

ほむら「っ……」

みてるぞ


ほむら(確かに…今回私が用意したのはほとんど対使い魔用の武器のみ。元々ダメージが通りにくい近代兵器で以手負いとはいえワルプルギスの夜を手持ちの武器で倒せそうにない)

ほむら(…仮に武器が揃っていたとしてもこの身体じゃ時間停止を駆使してもワルプルギスの夜の攻撃を恐らく回避し切れない)

ほむら(どうすれば…いやどうにかしてさやかにワルプルギスの夜を倒させるよう仕向させないと…!)


さやか(この反応…やっぱりまどかが危険に晒されて反射的に出て来ただけか)

さやか(考えがあっての行動じゃない)

さやか(だったら冷静さを取り戻す前に揺さぶりを掛けて…隙を作る)

ほむら(確かに…今回私が用意したのはほとんど対使い魔用の武器のみ。元々近代兵器では奴にまともなダメージを与えるのは難しい。…いくら手負いとはいえワルプルギスの夜を手持ちの武器で倒せそうにない)

文が変だったんで訂正しますm(__)m


ほむら「……確かに…私があなたを殺せばワルプルギスの夜は倒せない。けどだからといってこのまま膠着状態が続けばワルプルギスの夜はあと数分でひっくり返るわ」

ほむら「そうなったら誰も止められない」

ほむら「……あなただって…ワルプルギスの夜を倒せなきゃ困るんじゃないかしら?」


さやか「なになに?ちょっとの間見逃してやるからその間にワルプルギスの夜を倒して来いってこと?」

ほむら「ええ…お互い利害は一致するはずよ」

さやか「ばーか!その後殺されると分かってて誰が倒すか!」

さやか「まあ確かに恭介の精神状態を考えれば街はなるべき壊されたくないよ?」
(だからアンタが出てこなかったらまどか殺して即ワルプルギスの夜を倒すつもりだったし)


さやか「でもね…アンタ達を殺すことに比べたら優先順位が断然低いんだよ」

さやさ「最悪恭介と仁美だけでも連れて街を脱出すれば問題無いんだ、本当はさ」

さやか「だからあたしは膠着状態が続いても構わない。ただ…」

さやか「"あたしは"ワルプルギスの夜がどんだけ暴れ回って街を壊そうが構わないけど…"ほむら"は違うだろ?」

さやか「さあどうする?」


ほむら「このっ…!」

ほむら(まさかこの状況を作り出す為にわざわざワルプルギスの夜を生かしてまどかをここに呼び出したというの!?…どうすれば)

さやか(あたしがワルプルギスの夜前の魔女戦でほむらを殺さなかったのは"ワルプルギスの夜を倒すこと"よりも"万が一不意打ちが失敗した時に身を守る手段がないから"…って側面が大きかったんだけど…)

さやか(それが功を奏したみたいだね)


さやか(ほむらの動きは封じた…問題なのは…)

QB「まどか!この状況を打開出来るのは君だけだ!君ならどんな不条理な状況でも覆せる!」

QB「さあ、僕と契約して…」

ほむら「…っそいつの言う事に惑わされてはダメよまどか!」

さやか「ねぇほむら…余所見しててもいいの?」

ほむら「くっ…」

さやか「あはは、安心してよ!あたしはまだ動く気ないからさ」

さやか「まあでも仕方ないか…まどかが契約したら世界を滅ぼす魔女になる!」

さやか「ほむらはそれを防ぐためだけに何回もループして来たんだからさ…!」

QB「!」

まどか「え…」

さやか(やっぱりあの詐欺師…都合の悪いほむらの正体は適当にぼやかして、あたしの正体の説明だけをテレパシーでまどかに聞かせてたんだな…!)

さやか(けど勝った…!)


さやか(ほむらは私を撃てばワルプルギスの夜を倒せずに詰む)

さやか(かと言ってこのまま膠着状態を続けてもワルプルギスの夜がひっくり返って誰にも手を追えなくなり詰む)

ほむら「っ……どうすれば…!」
ほむら(後一押し…ほんの一押しでワルプルギスの夜を倒せるのに…!)


さやか(冷静に考えれば今周回は捨てるしかないとすぐに分かるのに……それを受け入れられない…周りへの注意力も散漫)



さやか(まどかも…自分が世界を滅ぼす程強力魔女になると聞いたショックから立ち直れていない)

まどか「…………」

さやか(当然それを理解した上で、すぐにアイツと契約する人間はまずない。だから放って置いても問題ない)


さやか(今この場は一種のパニック状態…そこを突かない手はない…!)



さやか(まずは身の安全の確保と時間軸を移動される前にほむらを殺す)

さやか(次にQBと契約して手が付けられなくなる前にまどかを殺す)

さやか(そして最後にワルプルギスの夜を倒せばパーフェクト!)



さやか(さやかちゃんの一人勝ちだ…!)

さやか(今度こそ本当に…さよならほむら)ジャキッ





まどか「QB!私の願いは…」

さやか「嘘!何で…」クルッ



ほむら「……まどかには指一本触れさせないと言ったでしょ」スッ

さやか「しま…!」



パンッ


キーン

まどか「え…」

ほむら「……」スッ

さやか(…ほむらの奴。今ので冷静さを取り戻したか)

さやか(私がちょっとでも不審な動きを見せれば時間を止めて撃ってくるだろうね)

さやか(あはは…グリーフシードが無いから…この濁ったソウルジェムを浄化することも出来ないな)

さやか(魔力が無ければ殺されても時間は逆行しない)

さやか(…完全に詰み、か)

まどか「QB!私の願いは…」

さやか「ねぇまどか」

まどか「さやか…ちゃん」ビクッ

さやか「あんた…分かってんの?あんたがQBと契約したら世界が滅んじゃうんだよ?」

まどか「分かってるよ」

さやか「じゃあ…どうして…!」


まどか「ティヒヒ、心配しないでさやかちゃん。私は絶望なんかしない!魔女にもならないよ!

まどか「さやかちゃんは…私のわがままを叶えてくれようとして……その結果嫌々皆を殺さなくちゃいけなくなったんだよね…?でも…」

まどさ「もうさやかたちゃん達だけに重荷を背負わせたりなんかしない!」

まどか「私の願いで絶対にさやかちゃん達を救ってみせる!」

まどか「だから…信じて…!」



ほむら「…一つ覚えて起きなさい美樹さやか」

ほむら「まどかはああ見えて一度決めたらとことん突き進む芯のある人間よ」

ほむら「あの程度の脅しで一度すると決心した契約を躊躇するような子なら……私はここまで同じ時間を彷徨うことはなかったでしょうね」


さやか「……たのに」

まどか「え?」

さやか「やっと…やっと…抜け出せると思ったのに!!」

まどか「さやか…ちゃん?」

さやか「何で!?何であんたはいつもいつも最後の最後で全部ぶち壊していくのよ!!」

さやか「許さない…絶対に」

さやか「まどかぁぁぁぁぁぁ」ダッダッダッダッ

ほむら「!」

まどか「ほむらちゃんお願い待って!」


パンッ


_______別の時間軸(前週回)______

さやか(あれから……百数十回とループを繰り返してそれと同じ数だけ仲間が絶望して死んでいく様を見て来たけど…)

さやか(もう…誰も傷付く所は見たくないのに……多分これから何百回も延々と仲間が死んでいく様を見届け続けなくてはならないんだろうなぁ)

さやか(頭がおかしくなりそう…)

さやか(とはいえ…恭介の自殺を仁美とくっつけて楽に阻止することが出来るようになってからは比較的気持ちは楽になったんだけどね)

さやか(最初は…多少辛かったけど、それ以上にもう恭介が死ぬ所をもう見なくて済むという安心の方が強かった)

さやか(これで杏子達のケアだけに専念出来るって喜んだりもしたなぁ…最初はね)

さやか(事実…1日~数ヶ月スパンでループを繰り返してたのが数年単位まで延びたよ)

さやか(でもそれと同時にこれが限界だということに気付かされた)

さやか(どんなに上手く立ち回っても効率良く魔女を倒しても……いずれはグリーフシードが足りなくなるんだ)

さやか(ちょっと考えれば誰にでも分かる簡単なことだったんだけどね)

さやか(そもそも魔法少女が魔女になることによって生じるエネルギーをインキュベーターが摂取する…その為だけに魔法少女は作られた)

さやか(だから魔法少女が魔女に殺されることなく生き残り続ければ絶対に魔女化する)

さやか(元々そういう風に出来ていたんだ)

さやか(私が馬鹿だから気付けなかっただけで…)

さやか(その事実に気付いてからは、延びたループのスパンが逆にあたしを苦しめた)

さやか(どんなにたくさん話しても、思い出を積み重ねても…数年経てば無かったことになる)

さやか(そしてあたしはまた皆に何食わぬ顔で再会して…誰かが絶望して死んでいくのを見届けなくてはならない)

さやか(もう散々なんだ…)

さやか(だからあたしは…)

_________________________________

――魔女結界――


マミ「ふふふ、そういえば美樹さんと二人っきりで組むのは始めてね」

さやか「ええ…そうですね」

マミ「さあ!来るわよ…!気を引き締めて!」ザクッ


マミ「……え?」バタ



さやか「ごめんなさい…本当にごめんなさい……もう誰も苦しむ所なんてみたくないんです」

マミ「何を……言って」ゴボッ

さやか「…これで最後にしますから」ザグッ

_________________________________


さやか(ほむらに杏子にマミさん…皆死んじゃったなぁ)

さやか(まぁ全員あたしが殺したんだけどね…ははは)

さやか「うっ…ヒッ……グ…」


さやか(最初はこんなはずじゃ…無かったのに…どうしてこんなことに…)

さやか(どうして…)

さやか(…いやもう考えるのはよそう)

さやか(三人は死んだ。恭介も思い詰めてる様子はない…だから、もうタイムリープは起こらない)

さやか(全部終わったことなんだ)

さやか(こんなあたしでも…まどかと恭介だけは救えたんだ)

さやか(やっと掴んだ未来を目一杯味わおう)



まどか「………」フラフラ

むむ

_________________________________


QB「やあ、さやか調子はどうだい?」

さやか「…何?アンタとは話たくないっていつも言ってるでしょ」

QB「君は本当に僕を毛嫌いしするよね」

QB「…大変だよさやか。魔女の反応だ」

さやか「はぁ…今さやかちゃん、そんな気分じゃないんだけどなぁ。どこ?」

QB「まどかの自宅だ。急いだ方が良い彼女は結界も張らないで暴れているようだ」

さやか「嘘……でしょ?」



_________________________________

魔女(まどか)「イヒヒヒヒ!イヒヒヒヒ!」

さやか「っ…!」ガッ

さやか(もう7回も殺された…!グリーフシードも残り一つ。後がない…!)

さやか(強過ぎる…!?何で?まどかは元々特に才能がある魔法少女でも無かったはずなのに…!)


魔女(まどか)「イヒヒヒヒ!イヒヒヒヒ!」

さやか「うぐぅ…!」バタン


さやか(ソウルジェム、早く浄化しないと……駄目だ…体が動かない)

さやか(今度こそ…今度こそ本当にもう駄目なのかな)


さやか(……そりゃ……そうだよね)

さやか(まどかの夢は……マミさん杏子…ほむらを……救うこと…だもんね)

さやか(まどかも怒るわな)ハハハ

さやか(そもそも…無責任に他人の夢を叶えようってのが間違い…だったんだ)

さやか(私って本当…ば……か…)

魔女(まどか)「イヒ!イヒ!イヒ!イヒ!イヒ!」ゴゴゴゴ


上条「さやか!」タタタタ

さやか(きょ……う………)

_________________________________


さやか(まどかが結界を張っていなかったとはいえ一般人に見えない筈の魔女が何故恭介に見えたのか?)

さやか(今になって思えば私が何度もタイムリープを繰り返す内に恭介に莫大な因果の糸がまとわりついてしまった影響なのかもしれない)

さやか(何でタイムリープが発動したのか?)

さやか(私を庇う為に飛び込んだ恭介の行動が自殺と判定されたのかもしれない)

さやか(他の時間軸から影響を受けていたと思われるまどかの魔力にタイムリープが影響を受けて誤作動を起こしたのかもしれない)

さやか(実際に何が起こったのかは分からない)

さやか(ただ、一つだけ確かなのは)

さやか(私が自分の夢…恭介に生き延びて貰うこと以外の理想を追い求めることはもう二度と無い)

落ちたな

ほしゅ

ほしゅ


――ワルプルギスの夜出現地――

さやか「う…ぐ」

まどか「ほむらちゃん!」

ほむら「脚を撃っただけよ。命に別状はないわ」

まどか「さやかちゃん」

さやか「あたしは…こんな所で立ち止まる訳には行かないんだ…!もう…何百回も仲間を見殺しにして…何の成果もあげられなかったで済ませる訳には…いかないんだよ…!」ググッ

さやか「だから…絶対に恭介と…生きてループを抜け出してやる…そして」ググッ

まどか「ループを抜け出してどうするの?それが本当にさやかちゃんが過去を何度も繰り返してまで見たかった未来なの?」

さやか「っ……」

まどか「違うよね?救えるなら…皆救ってあげたかったんだよね?」

まどか「本当は…こんなことしたくないんだよね?」

まどか「ごめんね…さやかちゃん。私のわがままでこんなに苦労させちゃって」

さやか「あんた…ちゃんと分かってんの?…私、あなた達を何回も…」

まどか「今まで何回も諦めずに助けようとしてくれてありがとう、さやかちゃん」

さやか「…違う……違うんだって!…まどか…私はあんた達を見捨てて自分の夢さえ叶えば良いって…ただ自分勝手に」

ほむら「ねぇさやか」

さやか「…何よ」

ほむら「本当に上条恭介の生存以外を諦めていたのなら…何故あなた、廃墟でまどかに最初にあった時何もしなかったの?」

さやか「それは…」


さやか「あの時点でまどかが契約していなかったから…ただ……それだけだよ」

さやか「契約しなければ…魔女にもならない。もし…魔法少女になったらその後殺せばいい」

さやか「あの時はまどかの素質のことなんて気付かなかったしね…」

ほむら「それでも…上條恭介のことを一番のことに考えるならやっぱりあの時点でまどかを始末すべきだったんじゃないかしら?」

さやか「…………難癖だよ」

ほむら「それに、私や杏子に初めて会った時の対応もやや不自然よ」

さやか「どこがだよ!?」

ほむら「あなた杏子にこう言ったわよね?今なら見逃してる、って。上條恭介を救う上で絶対に殺さなくてはならない相手に向かって」

ほむら「それに私に相対した時もやけに諦めが早かった」

さやか「何が言うたいのさ、ほむら!」

ほむら「まどかだけならともかく…さやか、あなたは標的である私達まで殺すのを躊躇った……出来る限り先延ばしにしようとした」

ほむら「何だかんだ言って…あなたは自分が思っているほど非情にはなりきれないのよ…私と違ってね」


ほむら「だってあなた馬鹿だもの」


さやか「何で!?……何であんた達はこんなに…!」

さやか「お願いだからやめてよ…そんなことは言われたら……」

まどか「ううん、あまり自分を責めないで?いいの。さやかちゃんはもう充分頑張ったよ。安心して」

まどか「私が全部終わらせるから」


まどか「…いいかな?ほむらちゃん?」

ほむら「………ええ構わないわ」

ほむら(もう…タイムアップみたいだしね)

ワルプルギスの夜「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」

ほむら(だからまどか…せめて最後にあなたの願いを見届けてから……またあなたを救いに行くわ)

QB「キュップイ!待っていたよまどか」

QB「君は一体どんな願いを望むんだい?」

まどか「私が魔女にならなければほむらちゃんはQBと契約することはなかった」

まどか「皆が魔女化しなければ…さやかちゃんもここまで多くの重荷を背負うことはなかった」

まどか「だから…私は…」

_________________________________
_________________________________

――魔女結界――

ほむら「そっちに行ったわ!まどか!」バンッ


魔女「わ¨あ¨あ¨あ¨あ¨あ¨あ¨あ¨あ¨あ¨あ¨あ¨あ¨!!」


まどか「えい!」ズガガガガッ


魔女「い¨あ¨あ¨あ¨あ¨あ¨あ¨あ¨あ¨あ!!」







さやか「止めはあたしに任せてよね!」グサッ


魔女「う¨し¨て¨ェェェ……」


――病院敷地内――

さやか「いやぁ…それにしても今回は楽勝だったね!」

まどか「そ、そうかな…?まだ慣れてないから緊張しちゃって上手く動けなかったよ」

さやか「まどかは魔法少女になっても控え目だねぇ…大丈夫!上手く出来てたよ!さやかちゃんが言うんだから間違いない!」

ほむら「ええその通りよ。遠距離から的確に素早く連続で敵を射抜き続ける技量と集中力は素晴らしいものがあるわ。だって私その華麗に闘うまどかの姿に思わず見惚れてしまったもの」

ほむら「今回は9割以上あなたの功績と言っても過言ではないでしょうね」キリッ

まどか「ほむらちゃん………」

さやか「ちょっとちょっと!それは聞き流せないね!MVPはこのさやかちゃんだ!誰が止めを刺したと思ってんの!?」

ほむら「?あら……あなたが今回やったことなんて、意地汚い乞食みたいに良い所を掻っ攫っていっただけでしょう?」

さやか「あんたは本当にブレないね…」

まどか「ティヒヒ…何だかとっても楽しいな


??「お…さやか達やっぱりもう来てたのかよ」


さやか「おーす、杏子!もう魔女は倒しちゃったよ」イヒヒ

杏子「チッ……んだよ…無駄足かよ!来てるなら来てるって先に言えっての。」

マミ「ふふ、病院には鹿目さん達が既に向かってるって何度も言ったのにこの子行くと言い張って聞かなかったのよ?」

杏子「ちょ…!何で言うんだよ馬鹿!」

さやか「へぇ~?なになに?あんたまさかこのツヨカワイイさやかちゃんに会いたかったの??」

杏子「何訳分かんないこと言ってんだ!」

さやか「照れるな照れるな。可愛いのぅ~ほれ!ウリウリ~」ダキッ

杏子「ちょ…まっ……いきなり何すんらよ!」

杏子「あっ……!」///

さやか(何これホントに可愛い)


ほむら「!」ハッ

ほむら「まどかっ…!」クルッ

まどか「やめて」




マミ「さてと…そろそろ家に行きましょうか?いつも通り美味しい紅茶淹れるわよ」

杏子「…もう、マミの家に集まるのが当たり前になってんな」

さやか「!…ごめん!皆ちょっと先に行っててあたしはちょっと用事があるから!」タタタタ

杏子「?」


――病室――

さやか「恭介…!」

上條「!…やあ、さやか。久しぶりだね」


仁美「ごんばんは。美樹さん」

さやか「…仁美」

上條「最近は中々見舞いに来てくれないからちょっと心配したよ」

上條「もしかして何かあった…?」

さやか「…な~にすっとぼけちゃってんだか。この色男め!」

上條「!?…さやか…何を……!」

さやか「図々しいさやかちゃんも流石に馬に蹴られたくないからね!」

上條「さやか………」

上條「自覚あったんだね」

さやか「おい」


仁美「上條君。ちょっと美樹さんと二人で席を外してもいいですか?」

上條「え?」

仁美「久しぶりに二人っきりで話たいことがあるので」

上條「いや…君達は学校でいくらでも話せるだろ?それに僕だって会うのは久しぶりだし、もっとさやかと…」

仁美「数分で終わりますから」

上條「…そこまで言うなら何か理由があるんだろうね。うん、分かったよ」

ちょい離脱


――病室前――

さやか「…仁美」

仁美「美樹さん」

仁美「ごめんなさい!」

さやか「!?」

仁美「私…美樹さんが上條君のことをお慕いしてること、知っていました」

仁美「なのに…横から掠め取るような真似を…私ずっとこうして謝りたいと」

さやか「いいんだよ」

さやか「私だって馬鹿じゃないんだ。仁美の気持ちに前から気付いてた」

仁美「っ…………」


さやか「でも他の奴ならともかく、仁美なら…安心して恭介を任せられる」

さやか「だからこれからも恭介を支えってやってね…仁美」

仁美「もちろんですわ!」

さやか「よしよし…じゃ!そろそろ恭介の…あ…」

仁美「?どうしました?」

さやか「え…あ、いや」

仁美「さ、上條君もお待ちしてますわ。中に…」

さやか「ごめん!急用を思い出しちゃった…!」タタタタ

仁美「美樹さん!?」



仁美「……ありがとう」


――川原――

まどか「えへへ…さやかちゃんごめんね?」

さやか「許さないよ!何であんたらが病院に居たの?マミさんの家に行ったんじゃないの!?」

ほむら「杏子達には先に行って貰ったわ」

さやか「あ¨~くそぅ。小っ恥ずかしい所見られたぁ」

ほむら「そうね。何が『あたしも馬鹿じゃないんだ』よ。あなたから馬鹿さを取ったら何も残らないじゃない」

さやか「そういうことじゃないっての!」

さやか「前々から思ってたけどあたしに対してだけ異常に冷たいのは何でなのさ?!喧嘩売ってんなら買うぞ!?」

ほむら「あなたとは色々あったのよ」


まどか「さやかちゃん…辛い?」

さやか「…いや?恭介が取られて辛いとか、そういうのはもうとっくの昔に卒業したよ」

まどか「…………うん」

さやか「本当に本当だから心配しなくていいんだよ?むしろ、長い悪夢が終わったみたいでホッとしてるんだ」

さやか「未だに信じられないよ…ループから抜け出せたなんて」

__________________________________________________________________

まどか「私の願いは…」

まどか「巴マミ、佐倉杏子、美樹さやか、暁美ほむら、鹿目まどか……この五人を過去、現在、未来において魔女化しないようにして欲しい…!」

QB「君は…因果律の一部を改竄するつもりなのか!?」

QB「そんな願いが叶ったとすれば……君達は魔法少女ではない…理から外れた存在となる!」

QB「その意味を理解しているのかい?!」

ほむら(…!)

ほむら(この願いは…何が起こるか分からない!)

ほむら(この世界が改変される前に…時間を逆行するなら今が最後のチャンス…!)スッ

まどか「ほむらちゃん……お願い、信じて」

ほむら「っ!………分かったわ」

まどか「私は…さやかちゃん、ほむらちゃん、マミさん、杏子ちゃん」

まどか「もう…誰にも絶望して欲しくないの!さあ、叶えてよ!インキュベーター!」

__________________________________________________________________


さやか(まどかの願いの影響で…あたしとほむらの願いが変化したのか能力も大きく変化した)

さやか(そもそも杏子達が魔女にならなかったらあたしはQBと契約したかも分からないし、少なくとも契約内容は違っただろう)

杏子「おい、おせーぞ!お前ら!」

マミ「待ちきれなくてつい迎えに来ちゃったわ」

まどか「あ!杏子ちゃん!マミさん」

さやか(QBは今の私達のことを魔法少女ではない理から外れた存在だと言っていた)

さやか(このソウルジェムが浄化しきれなくなった時。恐らくあたしは魂と一緒にこの世から完全に消滅するということなのだろう)

さやか(そしてきっといつか…その日はやってくる。でも…)

ほむら「さあ……行きましょうか」

さやか「…………うん!」

さやか(あたしは今最高に幸せだ)

さやか(見たくて見たくて仕方がなかった未来をここで皆と見ることが出来るのだから)


くぅ~w

支援と保守してくれた人ありがとう!
後半はグダッて済まんかったm(__)m

乙でした!面白かった!

おつかりー


もう一波乱くらいあるかと思ったが
あっさり終わったな

見直して思ったけど…そういえばほむらはまどかが魔女化したから契約したんじゃなかったわ
ミスった
適当に脳内で補完しといてくださいorz









乙なのん!

おつー

おっつんb

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年04月11日 (金) 17:48:17   ID: QKpJIsAp

良かった

2 :  SS好きの774さん   2015年11月15日 (日) 20:08:22   ID: FSXs8op8

映画化してもいいレベル

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