モバP「天使かと思ったら智絵里だった」 (38)

―――


智絵里「ら~らら~ら~♪」


P(智絵里はかわいい)

P(ぴょこぴょこ揺れるツインテール)

P(白くて細い指、心地よい歌声)

P(とてとてと歩く姿は儚くも愛らしい)


智絵里「――ふぅ。Pさん、どうでした……? わたしの歌……」

P「あぁ、声もよく出てたし音程もばっちり、それに笑顔もあって良かったぞ」

智絵里「ほんとですか? えへへ……」

P「よし、もう一回だ智絵里!」

智絵里「はいっ、頑張ります……!」ニコ


P(なにより、この微笑みは……もう、人間のそれではない気がする。もちろん良い意味で)

P(智絵里こそ、まさに天使なんじゃなかろうか!)

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わかるわ

―――


P「さーて今日も仕事仕事っと」カタカタ…


智絵里「あの……Pさん」トテトテ


P「ん? どした智絵里」

智絵里「えと……わたし、お茶淹れてみたんです……いかがですか?」

P「おーありがとな。今日はレッスンだったっけ」

智絵里「はい。ちょっと早く来ちゃったので、ここで過ごそうかと……」

P「そっか、時間までゆっくりしててな」

智絵里「えへへ……Pさんのお仕事姿、観察してますね」

P「え、そりゃ恥ずかしいよ……まぁいいけど」

智絵里「ふふ……♪」

P「んー……よし、じゃあ始めるかな」カタカタ…

智絵里「…………」ジー

P「ずずず……うん、美味い」

智絵里「……♪」

P「ふんふん、来週のオーディションはっと……」カタカタ…


智絵里「…………」ジー

P(……視線が気になる)チラッ

智絵里「あ……」

P(あ、目が合っちゃった)


智絵里「……えへ……♪」ニヘ

P「」


P(俺に向かってえへって、えへってええええ!)

P(天使だよ智絵里ぃ!)

期待

―――


智絵里「わぁ……! こ、こんなにたくさんファンレターが……これ全部、わたし宛て……!?」


P「もちろん! ちゃんと緒方智絵里さんへ、って書いてあるだろ?」

智絵里「は、はい……な、なんだか信じられなくて……」

P「ふふ、智絵里のことを応援したいって人がたくさんいるんだよ」

智絵里「嬉しい……えへへ……♪」

P「もっともっと、ファンを増やしていこうな」

智絵里「はいっ。だ、ダンボール箱をいくつもいっぱいに出来るくらいに……!」

P「お、言うなぁ智絵里」ナデナデ

智絵里「ふゎ……ふふ、今の量でも読み切るのに時間掛かりそうですけど……」

P「あはは、じっくり読みな」

智絵里「はい、大事にお家へ持って帰りますね……ふふふっ」


P(一応、中身は検めさせてもらったけど……みんな優しい人たちばかりだ)

智絵里「えへ……ひとつ、ふたつ、みっつ……まだまだたくさん……♪」


P(どれにも『天使』って単語が入ってたのには驚いた。まぁ……)

智絵里「これからも、頑張ろー……おーっ♪」ニコニコ

P(そんなの当然だ!)

―――


P「もうすぐ開演だな……どうだ、智絵里?」


智絵里「はっ、はぃ……だ、大丈夫、です……!」プルプル


P「大丈夫じゃなさそうだな……リラックス、リラックス」

智絵里「すぅー……はぁー……っ」

P「そうそう、深呼吸深呼吸」

智絵里「はふ……ら、LIVE直前は、さすがに緊張します、ね……」

P「うん、俺も緊張してるけどな……」

智絵里「プロデューサーも……?」

P「ほら、手汗でびっちょり」

智絵里「あ、……ふふ。プロデューサー、リラックスです」

P「すぅー、はぁーっ。……こんな感じ?」

智絵里「ふふっ、そんな感じです……♪」

P「おっし。行けるか、智絵里」

智絵里「はい。プロデューサー、わたしのステージ……見ていてくださいね」

P「ああ。ここでしっかり見てるよ」

智絵里「…………」ニコ


智絵里「――緒方智絵里、行ってきますっ!」


たたたっ……!


智絵里『みなさーん、今日のLIVEに来てくれて、ありがとうございまーす……!』

智絵里『ぜひ、楽しんでいってくださーい! ……いぇいっ♪』

わぁぁぁぁああああああ……っ!!


P「……うん」

P「天使だ……!」

スタッフ「天使っすね……!」

P「うおっ、びっくりした」ビクッ

―――


智絵里「…………」クゥ…クゥ…


P「……智絵里が寝てる」


智絵里「すや……」

P「おーい、智絵里ー……?」ボソ

智絵里「……んゅ……」モゾ

P「…………。可愛いぞー智絵里ー」ボソボソッ


智絵里「ふ、ゃ…………ぇへぇ……♪」

P(天使か)

智絵里「…………」スー…

P「……この前のLIVE、頑張ったもんな。お疲れさま、智絵里」ポフ

P「歌もダンスも、完成度高くて……見惚れちゃったよ」

智絵里「すぅ……すぅ……」スピー…

P「俺、智絵里のプロデューサーで良かった」ナデナデ

智絵里「んぅ……」

P「ありがとな」

智絵里「…………くぅ……」

P「こんなこと、起きてたらこっ恥ずかしくて言えないなぁ……はぁ」ナデナデ

智絵里「むにゃ」

P「…………」ワーシャワーシャ

智絵里「ぅゅ……すぅ……」

P「……ぐっすりすぎる。そこは起きるとこじゃないかな智絵里」


智絵里「……P、さ……」

P「!」

智絵里「ず、と……いっしょ……ぇへ、へ……♪」ムニャ…

P「」


P(ああああああああああああああああああああああああ)


智絵里「す…………きぃ……」

P「きっ…………!!」





P(きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!)




これはノックアウトですわ

―――


P「……ふむ。4G出るのか……発掘はもうやだなぁ」カチカチ…


智絵里「Pさん、何を調べてるんですか?」


P「わっ、あぁなんだ智絵里か……いや、ちょーっとな……あはは」

智絵里「あ……それ、ゲームのホームページ……?」

P「ち、ちひろさんには内緒な……って、このゲーム知ってるのか?」

智絵里「ふふ、はい。学校で流行ってるみたいで……CMも見たことあります」

P「どこでも流行ってるんだなぁ……智絵里はやったことある?」

智絵里「いえ、あんまりそういうの得意じゃないから……」

P「そっか。ま、なかなか女の子はやんないよな」

智絵里「Pさんはやってるんですか……?」

P「ああ、ちょくちょくな」

智絵里「……それなら」

P「ん?」

智絵里「わたしもやってみたいかも……なんて。えへへ」

P「智絵里も?」

智絵里「Pさんと一緒なら、きっと楽しめると思うし……ダメ、ですか?」

P「い、いや全然! むしろ仲間が増えて嬉しいというか」

智絵里「えへ、良かった……♪」


P(智絵里と一緒に狩り、か……)

P(と、なると……うーん……)


P(……オトモチエリー?)

智絵里『ご主人さま、ご主人さま……』チョコチョコ

智絵里『新しい依頼、きました……行きましょう?』


ぱーぷー


智絵里『うーんと……わたしの直感からすると、この地点にいると思います……』

智絵里『あっ、見つけました……! 勇気を振り絞って、さ、サポートしますっ……!』


智絵里『えいっ、えいっ……! ちょ、チョップですっ! えいっえいっ』

智絵里『あ、だ、ダメっ、全然効いて……あっ、ご主人さまっ……!?』


智絵里『回復、回復しなきゃ……ぷー、ぷーっ!』

智絵里『回復の笛、練習しといて良かったぁ……こ、このまま一気にいきましょうっ』

ちょっとちえり守りながらミラバルカン狩ってくる

智絵里『よいしょ、うんしょ……!』ゴソゴソ


ぴこーんぴこーん


智絵里『シビレ罠、置きました……こっち、こっちですっ』

智絵里『誘導して……っ、きゃあっ!』


智絵里『だ、だいじょう、ぶ……です。えへ、へ……ちょっと、休んでます』

智絵里『わたし、土の下で応援してます……ご主人さまなら、勝てます、から……』

智絵里『きっと、いい素材も……手に……入、る……』パタリ


きらーん(落とし物)

P「ダメだあああああああああっ!!!」ガターンッ


智絵里「っひゃぁぁあああ!?」ビックゥ!

P「ダメだ智絵里ぃ! お前を置いて先生が狩れるかぁっ!!」

智絵里「え、な、ななっなんですかPさ、ダメ、なんですかっ……!?」

P「ダメじゃないけどネコじゃダメだ! しっかりした装備で行こうな!」

智絵里「は、はいっ! なんだか良く分かりませんけどっ、分かりましたぁ……!」


P(智絵里エンジェル装備ください)

ちひろ(フロンティアでなら出せます)

P(!?)

―――


P「んー、絶好のお散歩日和だなぁ」ノビー


智絵里「ありがとうございます、Pさん……貴重なお時間頂いて」トテトテ

P「いいっていいって。智絵里と一緒に過ごせるなら、どんなに忙しくても時間空けるよ」トコトコ

智絵里「あぅ、そんな……」カァァ

P「へへへ、照れちゃって」

智絵里「うぅ……Pさんのばか」

P「ふふ。ちょうど桜も見頃だし、来て良かったな」

智絵里「そうですね……。こうしてのんびり歩くのも……久しぶりな気がします」

P「智絵里が頑張ってる証拠だよ」

智絵里「えへ。ありがとうございます」


P「なんだか、時間の流れが早く感じるよ。このあいだ年が明けたと思ったのに、もう春だ」

智絵里「色んなことがありましたから……。でも、だからこそ……」

智絵里「Pさんと過ごすこの時間が、とっても愛おしいんです……」

P「…………」

智絵里「な、なんて……」

P「智絵里は……」

智絵里「は、はい?」

P「なんか、こう……大胆になったな、発言が」

智絵里「はうっ、い、いえっそんなことないです……! どちらかと言えば、Pさんのせいですっ」

P「なんと!」

智絵里「なんとじゃなくって、うぅ……もう……!」

P「智絵里はほんと可愛いなぁ」

智絵里「し、知りません……! あうぅ、せっかくのデートなのに……」

P「え、デートだったの?」

智絵里「そ……そうです。だ、男女が出掛けるなら……それだけでデート、なんです……」

P「そうなのか……。そう言われると……俺もドキドキしてきた」

智絵里「ですから……エスコート、お願いします。ね?」スッ…

P「……ん、分かった」スッ


ぎゅっ

智絵里「…………」トテトテ

P「…………」トコトコ


智絵里「……最初は」

P「うん?」

智絵里「最初は、貴方に……手を引かれるままでしたね」

P「…………」

智絵里「今こうやって、並んで手を繋いでいると……わたし、成長できたのかな、って思うんです」

P「うん」

智絵里「わたし……もっと成長していきたい」

智絵里「Pさん、貴方と一緒に……ずっと。だから……」



智絵里「これからも、わたしの隣で――」

智絵里「手を繋いで、歩いてくれますか?」



P「……もちろんだよ。智絵里となら、どこまでも……。一緒に歩いていこう」

智絵里「……はいっ。えへへ……♪」

P「……さて、もう少しこの辺見て回るか。な、智絵里?」

智絵里「はい、Pさん……♪ ……あっ」

P「ん?」

智絵里「あそこ、クローバーがたくさん……! 行きましょうっ」タタッ

P「うぉわっ! ちょっ、智絵里そんなに引っ張らなくても……!?」


P(桜に負けないほどの笑顔を咲かせる彼女は……天使と見紛うほど可憐だ)


P(でも……)


智絵里「Pさん、早く、早く……♪」

P「はいはい、分かったよ……ったくもう」


P(握ったこの手は、紛れもなく)

P(大切な、大切な……智絵里の手だ)


智絵里「ふふっ、いっぱいの幸せ、見つけましょうねっ♪」



おわり

というお話だったのさ
春は智絵里の季節だと思うんだってことでひとつ

緒方智絵里(16)
http://i.imgur.com/m3Ik4aK.jpg
http://i.imgur.com/lO5YzeV.jpg

乙!ちえりは天使!可愛いなあ!

乙…鼻血止まんね…

おつ
クソかわいい

>>31
おー、画像ありがとなのん!
ちえりんがシンデレラガールになったらいいなぁ

乙乙すぎぃぃい!智絵里天使すぎぃぃい!!


智絵里は天使これは真理
投票したいが資金が足りず券が尽きた不甲斐ない私を許してくれ…

乙乙
心が洗われるようだ……

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