男「女先輩って、煙草吸うんですね」 (44)

とある大学のとある文芸部にて

男「女先輩って、煙草吸うんですね」

女先輩「うん。あ、消そうか?」

男「いや、嫌いじゃないので平気です」

女先輩「そうか」フー

男「ええ」

*初SSです。特にオチもヤマもありません。煙草好きなだけです。
ゆっくりやっていきます

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機体


墜落

女先輩「……あ、お湯沸いてる?」

男「沸いてますよ。コーヒー淹れましょうか?」

女先輩「お願い」

男「はい」ガチャ

男「どうぞ」

女先輩「サンキュー。砂糖は?」

男「無しですよね?」

女先輩「そーそー」

男「……寒いと更に美味しいっすね」

女先輩「そうね。本当はコタツ入りたいけど」

男「部室入らないんすか?」

女先輩「まだこれ吸ってるからね」フー

男「流石に部室じゃ吸えないっすからね…」

女先輩「それねー」

男「甘い匂いですね、それ」

女先輩「キャスターはねー。吸ってる方はそうでもないよ。吸う?」

男「いらないっす」

女先輩「そうか、残念」

男「ズズッ……あったけー……」

女先輩「…………」フー

男「…………」

女先輩「あ、もう3限始まるじゃん。行かなきゃ」

男「何の授業っすか?」

女先輩「物理学実験」

男「へー難しそうっすね」

女先輩「楽だよ。怠いけど。男君は?」

男「4限で民2です」

女先輩「うわ怠そう」

男「怠いっす」

女先輩「まー頑張れー。んじゃ」

男「お疲れ様です」

女先輩「ん」

男「……コタツ入ろう」

男先輩「よっ!お疲れー」

男「あ、先輩!お疲れ様ですー」

男先輩「おろ?お前1人なん?」

男「そうですよ。ってか殆ど俺位しかここ来ないじゃないですか…」

男先輩「早く新入生入れろよ。飲めねーじゃねーか」

男「そんなこと言われたってこのご時世文芸部に入ろうなんて人いないでしょ」

男先輩「まーな。今はネットであげた方がなんぼかいいし」

男「そんな身も蓋もない…」

男先輩「物書きしたい奴はいいんだよ。それよりも飲み仲間集めろ」

男「それって文芸部である必要が無いのでは」

男先輩「まぁ、そこは突っ込むな。コーヒーくれ、ミルクオンリーで。俺外に居るわ」

男「はいはい」

男先輩「サンキュー」ガチャ

女「先輩お疲れ様ですー」

男先輩「おー女さんじゃん。冊子仕上がりそう?」

女「ええなんとか。量もなんとか水増しできましたしって、また煙草吸ってるんですか?」

男先輩「いいじゃんか。この寒い中態々外出てんだから」フー

女「そういう問題じゃないです。健康に悪いし匂いつきますよ?」

男先輩「いいんだよ。俺は太く短く生きるの。匂いとか知らんよ」

女「女性に嫌われますよ。女性は敏感なんですから。…今日のは特に煙草臭いですね…」

男先輩「女なんかより就職先が欲しいわ。まぁ今日は久々にハイライトだからかな」フー

女「なんかおじさん臭いパッケージですねそれ…」

男「否定しない。でもラムの香りが癖になるんだよな。吸うか?」

女「吸いませんよ。早く辞めて下さい。そうすればまだマシな顔偏差値してるんですから」

男先輩「あいあい」ガチャ

男「あれ、先輩まだ吸ってるんですか。もう4限始まりますよ」

女「男君居たんだー。へい!」

男「コタツで温んでましたー。へい!」

男先輩「なんだそのノリ…てか、そんな時間か。これ吸ったら行くわ」

男「遅刻しますよ」

女「そして単位足りなくて留年しますよ」

女先輩「そして就職先無くてニートになるわよ」

男先輩「わーったよ!行くよ!俺を虐めんな!」タバコグリグリ

男「てか女先輩いつの間に…」

女先輩「実習タル過ぎ抜け出した」

男「それいいんすか?」

女先輩「よくないんじゃない?でもあの教授出席取ったら帰っちゃったし」

女「なんでこの人主席なの…」

男先輩「わからん。俺人生最大の謎」

楽しみ

ーーーーーーーーーー

女先輩「ふー…たるいなぁ」

女「先輩さっきからそればっかですね」

女先輩「昨日寝てないからさー」

女「実験ですか?」

女先輩「そうそう。終わったのは20時くらいだったんだけどそのあとラボメンと飲んでてね」

女「そういえば先輩がアルコール飲んでるとこ見たことないですね…」

女先輩「あれ、そうだっけ?新歓の時とか…私居なかったわ」

女「確かに居ませんでしたね。なにしてたんですか」

女先輩「いや普通に家に居たよ。私コミュ障だからさ」

女「何いってるんですか…めっちゃ交友広いじゃないですか!」

女先輩「あれは形だけだよ。みんなレジュメとか過去問とかレポート貸てほしいだけさー」

女「先輩優秀ですからね。でも実際コミュ障に見えないんですけれど」

女先輩「実際コミュ障って最初の時はぼっちにならないように頑張るのよ。でも其の後面倒になって離れてく感じ」

女「あー…なんかわかります。大学って最初に仲良くなった人と離れるっていいますよね」

女先輩「そうそうそれ。それが面倒だから最初の一見さんの集まりには行きたくないのよね」

女「なるほど。でも文芸部の人にはフツーに接してますよね」

女先輩「まぁ、ここ来る人たちって結構似た様な人ばっかだからね。今は評論とかミステリやる人用のサークルあるから、ただ本が好きって人くらいしかここに留まらないのよね」

女「ここって短編長編って区切りを除いたら、他に冊子とか出してませんし、元々部員数に対して書く人少ないですよね」

女先輩「私も本当はあんまり書く意欲は無いのよ。ただ実験してる間暇だったりする時に浮かんだ話を適当に書いてるだけだし」

女「にしては結構量多いですよね。というか殆ど女先輩だったりした冊子もチラホラありましたし」

女先輩「それなのよねー。真剣に書くなら大学に放置される冊子じゃなくて投稿するし、読み専の人がそもそも多いし」

やべsaga忘れてた

女「でもなんやかんや書いてるとこみると先輩も男先輩も物語書くの好きなんじゃないですか?」

女先輩「うーん…どうなんだろ。でもあいつは元々読み専よ」

女「え、そうなんですか?結構文章上手だと思うんですけど…」

女先輩「それがね、私達が1年の冬に冊子が発行出来なくて部室が没収されそうになったのよね」

女「そんなことがあったんですか」

女先輩「ええ。私達の上の代が皆幽霊部員になっちゃって、其の上の代は就活で書けなくてね。そこで私とあいつでP.Nを複数作って慌てて作ったのよ。結局その後の1年間も新入生が少なくて文系で暇なあいつが殆ど書いてたの」

女「へぇ、だから見かけに寄らず面白い話を書けるんですね」

女先輩「ふふっ、見かけに寄らずとは酷いこと言うのね。でもあの才能は元からみたいよ。1年の冬の冊子で既に私なんかお呼びじゃなかったわ」

女「えっ、そうなんですか!?あの人に文才って…神様は才能与える人を間違えたんじゃないですか」

女先輩「まーでも、今の彼の容姿を思い出してみてみなよ」

女「…無精髭に伸ばしっぱなしの髪」

女先輩「煙草をふかして授業終われば酒を飲む文学部生」

女「なんか昔の売れない作家の様ですね」

女先輩「売れないとはまた手痛い。私はあいつの書く話好きだけどなー」

女「ああいうのが好きなんですか?太宰と三島と村上からいいとこ取りしたような作品ばかりじゃないですか」

女先輩「確かに否定は出来ないねー。でもなんか綺麗な堕落を書き表せる人って貴重な事だと思うんだよね」

女「それは同意しますけど、なんか男の癖に女臭い表現が多すぎて…」

女先輩「女さんはああいうの嫌い?」

女「嫌いとまでは行きませんけど、苦手ですね。文字なら余計」

女先輩「そうかー。好きな作家を考えると…これをあげよう」

女「なんですかこれって…煙草じゃないですか!いりませんよ!」

女先輩「まぁまぁ、そう言わずに。多分この歳なればいつか必要になる時があるよー」

女「ありませんよ!お返しします」

女先輩「いやー実は私それ嫌いになっちゃったから要らなかったら捨てていいよ」

女「なら自分で捨てればいいじゃないですか…」

女先輩「あ、やばっ自分の切れてた…ごめん一本頂戴!これ吸って帰るから」

女「いりませんから全部持ってって下さいよ…」

女先輩「ありがとーじゃねー」

女「はぁ、お疲れ様でした」

女「…バージニア・エス・ロゼ?メンソール?ロゼって薔薇のこと?…どうでもいいや」

女先輩「…ふぅ…久しぶりに吸うなーこれ」フー

女先輩「…ミーハーな女子大生って感じは嫌だったけど、女性用煙草じゃなきゃ怖かったから結構悩んだ結果だったのになぁ」

女先輩「昔は1m以外嫌だったのに…染められちゃったのかなぁ…」フー

ーーーーーーーーーー

女「……」ガチャ

女「……」キョロキョロ

女「誰も居ないよね…えっと灰皿良し、ライター良し、煙草良し。ってなんで部室に揃ってんのよ…」

女「えっと確か少し吸い混みながらライターの火をあてて…スー…???」

女「ケホッケホッ??な、なにこれ…って手ぇ熱!あ、落としちゃった!」

女「なんなのよ煙草って!ただの煙じゃない!…でも勿体無いわね、折角着けたんだし」

女「…この一本だけ…一本だけ…スー…ケホッケホッ??やっぱやめ!無理よこんなの!」

男「お、女さん?」

女「えっ?」

男「」

女「」←拾い煙草を涙目になりながら吸い続けて何故か1人で怒ってる可哀想なJD

男「お、お疲れ様~じゃ、じゃーね…?」

女「ちょ!違うの!これは…って熱い!なんなのよ2度も!」

男(女さんがあれだけ嫌がってた煙草を吸っている?男先輩の影響だろうな…)

女「待って!待って!違うのこれは先輩が…ああ灰皿が!」

男(やっぱりそうか…女さんは変わろうとしてるんだ…なのに俺は…)

女「もう煙草なんて2度と吸うかー??」

あ、小文字の感嘆符連続が疑問符になってしまうのですね。すいません。

問題ない、続けろ

期待

男「先輩、お疲れ様です」

男先輩「おーお疲れさん。今日は終わりか?」

男「終わりです。先輩は?」

男先輩「俺は次パンキョーあるからゼミ抜けて来た」

男「えっ、ダメですよそれ!しかも先輩まだ一般教養取ってるんですか?」

男先輩「いいのいいの。今日はあとディスカッションしか残ってないから居なくておっけー。パンキョーは今年足りないことに気づいてよー。怠い。怠すぎる」

男「ディスカッションなら尚更居なきゃいけない筈なんですけど…一般教養何取ってるんですか?」

男先輩「宇宙の成り立ち」

男「うわぁ…つまらなそう」

男先輩「実際、文系の俺らにゃ訳わかめな話ばかりだよ」

男「単位認定楽なんですか?」

男先輩「普通じゃね?出席すれば後は3回のレポートだけだし」

男「レポート3回って面倒じゃないですか?」

男先輩「ところがどっこい、あいつにレポート原稿売ってもらったんよ」

男「女先輩ですか?しかも売ってもらったって…」タメダコイツ

男先輩「おい引くなよ。ただ生協で新しく出たスイーツ奢っただけだ。200円」

男「安い…でもわざわざ生協のスイーツに200円かける気はしないですよね」

男先輩「しねーな。大体買うのは売れ残りで安くなった弁当かエナジードリンクだし」

男「後はルーズリーフかシャー芯か」

男先輩「テスト直前に買う教科書か」

男「それは最初に買うでしょ!」

男先輩「必要無いと思っていた」キリッ

男「これだから就活しながら授業取らなきゃいけないんですよ…」

男先輩「就活のことは言うな。現実なんて見たくない!」

男「ダメだこの人」

男「そういえば女さんに煙草勧めたの先輩ですか?」

男先輩「は?知らねーぞ」

男「え?だって先輩がどうのこうのって…」

男先輩「俺は知らね。あいつじゃねーのか」

男「ああ、女先輩ですか。なんだ、僕はてっきり男先輩かと」

男先輩「俺はあんま女性の煙草すきじゃねーからな。更にあいつ自体煙草嫌いみたいだし、無理矢理勧める気なんかしねぇよ」

男「そうなんですか。一見強制的に煙草を流布させる癌みたいなものかと思ってましたが」

男先輩「いい加減俺も怒るぞ?」

男「すいません。でも女さんが吸うとは…」

男先輩「確かにな。これで現役の大半が吸ってるし、文芸部も末か」

男「現役というか部室に来る人限定ですけどね」

男先輩「そんな君にこれをあげよう」

男「ピース?って煙草じゃないですか。僕は吸う気なんかありませんよ…」

男先輩「まぁまぁ持っとけって。男なら必要な時は多いぜ」

男「いつですか」

男先輩「そりゃ勿論、ヤり終わった後の暇なピロートークを潰すためだ!」

男「彼女居ない歴

男先輩「まぁ真面目な話もあるぜ。やっぱり俺らの上の世代にはタバコミュニケーション必須だからな」

男「まぁ否定はしませんけど…」

男先輩「就活アドバイスくれるOBさんが煙草だしたらすかさずライターを出して火を付ける。これで相手は「お、すまないねぇ」と気分が良くなる」

男「えー」

男先輩「まあ聞けって。そしてそのあと親父向けのハイライトとかエコーとか取り出す訳だ。そうすると相手さんは「おお、君若いのに渋いの吸ってるねぇ」と更に上機嫌になる訳だ」

男「エコーってなんすか」

男先輩「くっせぇジジィ煙草だよ。松田優作が吸ってた事で有名かな」

男「松田優作…?」

男先輩「…これがジェネレーションギャップか。それはいいや。そこで相手さんの仕事の愚痴を驚き交じりに聞いて、就活の実を聞きだす、と。これで採用待ったなしだぜ」

男「なお」

男先輩「卒業できるかわからない奴のために席は確保して貰えない模様」

男「ダメじゃ無いすか…」

男先輩「俺も何も言えなかったぜ…」

男先輩「ところで女のやつが吸ってた銘柄わかるか?」

男「えーっと…なんだっけ」

男先輩「思い出せないならいいか。とりあえず外行こぜ。コーヒーよろ」

男「えー、寒いじゃないっすか…」

男先輩「しょうがないだろ今日は授業詰まってて吸って無いんだよ」

男「このヤニ厨めが」

男先輩「なんとでも言え」

男先輩「いやー浸みるわー」フー

男「うーん…」

男先輩「何悩んでんだ?それとも溜まってんのか?」

男「うるさいっすよヤリチ○。女さんが吸ってた銘柄思い出してるんですよ」

男先輩「だから思い出せないならいいって、ふと思っただけだからよ」

男「ですが…確かピンクの箱でしたね」

男先輩「…ふーん。VかPかわかるか?」

男「文字ですか?それならVですね」

男先輩「あーエスロゼか」

男「分かったのに、なんかどうでもよさそうですね…」

男先輩「女煙草なんてどれもこれもエセ煙草だよ。それ吸ってる女なんてお察し下さいって感じさ」フー

男「酷い言い方ですねぇ」

男先輩「大体、女が煙草吸おうって時点で間違ってんだよ。香水つけたって煙草の匂いなんかバレるっつの」

男「そんなもんですか?女先輩なんか部室に居てもあんまり匂いしないっすよ」

男先輩「別に平時なんてどうでもいいんだよ。もっとあるだろそういう匂いが邪魔になる時」

男「…?わからんとですよ先輩」

男先輩「アホ。ベッドの中だろ。フィニッシュ前に煙草の匂いしたら萎えるだろ?」

男「そんなさも当然のように語られても童貞には困るんですけど…!」

男先輩「えっ、お前まだシたことないの?だってもう2年だろ?大学1年とか同世代に年上に年下に選り取り見取りじゃんか!」

男「死ね。マジでいっぺん死んでくれイケメン死ね」

男先輩「いや、割と顔とかよりも身分でヤレるだろ」

男「うるせー!そんな無精髭生やして髪ボサボサでヘビスモの癖に彼女居る人から言われても何も信憑性ないんですよ!」

男先輩「ちなみに今彼女いねーぞ。お前が見たの多分セフレだ」

男「余計死ね!やっぱりお零れ下さい!」

男先輩「可愛い1年連れて来てくれたら考えてやろう」

男「そんなの1年が毒牙にかかるだけじゃないですか!」

男先輩「バレたか」

男「もう嫌だこの人」

男先輩「んじゃ俺帰るわ」

男「結局3本も吸って…寒いって言ってるじゃないすか」

男先輩「といいながらコーヒーお代わり淹れてまで付き合ってくれるお前はツンデレの才能あるぜ」

男「男のツンデレとか気持ち悪いだけですから…まぁこう駄弁ってるのも嫌いじゃないですからね」

男先輩「おうおう、嬉しいこと言ってくれるじゃねーか。今度また飲もうぜ」

男「いいですよ。先輩の奢りで」

男先輩「無理無理。説明会の交通費がバカにならなくて金ねーんだよ」

男「ならバイトすればいいじゃないですか」

男先輩「あのなぁ、授業もあるのにどこにバイト入れろと…」

男「まぁ出来るだけ1年生連れてきますよ。多分この時期入る人は絶対居ますし」

男先輩「何故か文芸部って後期に入るやつ多いんだよな。焦る前に何処か所属すればいいものの」

男「でもなんとなくわかりますけどね。大学生活半年以上過ぎてなにもサークル入ってないってよくわからない焦燥感でますからね」

男先輩「それな。…んじゃ戸締りはよろしく」タバコケシー

男「わかりました。それじゃあお疲れ様です」

男先輩「おう。おつー」

男先輩「あいつ、なんで女のやつに限ってあんなん勧めんだ」

男先輩「ったく、思い出したくねぇことばっか思い出しやがる。夜勤前にもう一本吸っとくか」

男先輩「……久々にこっち吸うか」

男先輩「一度出したタバコ引っ込めるとないつ振りだよ」

男先輩「…………」フー

男先輩「似合わないから惹かれるもんなんか?人間って」

男先輩「…………マズっ。やっぱり後味最悪だなキャスターって。あとで捨てよ」

男「先輩じゃ無かったんだ。ってなんで安堵してんだ俺」

男「でも女さんが煙草かー…あ、でも案外似合うかも」

男「…なんかイライラしてるOL姿を思い浮かべてしまったけど」

女「誰が更年期障害患ったババアだって?」

男「うわっ!?女さん居たの!?」

女「今来たの。言っとくけど私煙草嫌いは変わってないわよ」

男「でも好奇心に負けたでしょ」

女「?っ…それは言わないで。割と後悔してるから」

男「りょーかい。それよりどうしたの?こんな時間に」

女「財布忘れてね」

男「あれかな?テレビの上に置いておいたよ」

女「それ!ありがとう男君。てか男君ももう10時だけど帰らないの?」

男「僕は一人暮らしだからね。あんまり早く帰ってもやること無いし」

女「なるほどね。でも一人暮らしいいなー、私も家出たい」

男「色々面倒臭いよ?家事全部やらなきゃならないし、お金もかかるし…」

女「でも自由なんでしょ、羨ましいよ」

男「自由過ぎて暇だけどね。というか女さん家事できるの?」

女「な、なによ。私にだって夕飯の一つや二つ作れるわよ!」

男「それ以外にも色々あるけどね…」

女「知ってるわよ!洗濯だってできるわ!しょ、証明してあげてもいいわよ!」

男「えっ、しょ、証明って…」

女「えっ?あ、あの、それは…」

男「……」

女「……」チラッ

男「……」

女「……」ウワメヅカイ

男「?っ…あ!洗濯物溜まってた!ごめん帰るね!女さんも帰り道気をつけてね」

女「ああ…うん。お疲れ様ー。ありがとう」

男「ありがとう!じゃーね!」ガチャ

女「じゃーねー…はぁ。まぁ別にさみしい訳でも無いんだけどね…」

男「ううっ…ダメです先輩…アパートに呼ぶとか無理ですから!無理ですから!」

男「はぁ…でも女さんには惹かれないんだよな。惹かれないというかこう下半身に来ないというか…ってダメだ!何言ってんだよ俺」

男「その点女先輩は…あーダメだって考えちゃダメだろ失礼だ。…こういう時に吸うのかな?」

男「ピース…うーん…とりあえずライター買わなきゃな。コンビニ行くか」

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