アニ「…別に何でもいいよ」

ミーナ「よくないよ」

アニ「…あっそう」ｽｸｯ

ミーナ「アニ。どこ行くの？」

アニ「…どこでもいいでしょ？」ｽﾀｽﾀ

ミーナ「待って…」

アニ（誰もいないね）

アニ（ここなら教官に見つかったところで、自主練習をしていたと言い訳ができる）

アニ（…とりあえず何か蹴ろう）

エレン「…アニ？」

アニ「…エレン」

アルミン「アニ？」

アニ「…アルミン？」

>>3はなかったことに

はよ

アニ「…」

ｻﾞｯｻﾞｯｻﾞ…

エレン「…アニ？」

アニ「…エレン」

アルミン「アニ？」

アニ「…アルミン？」

アルミン「アニ、こんな所でどうしたの？」

アニ「…特に何もないけど」

アルミン「そう…」

エレン「珍しいな。お前がここに来るなんて」

エレン「筋トレにでもしにきたのか？」

アニ「はっ 馬鹿言わないで」

アニ「私はただ暇つぶしにきただけ」

アルミン「暇つぶし？」

アニ「そうさ」

アルミン「アニが暇つぶしでこんなところに来るなんて、珍しいね」

エレン「だよな。こんなとこで暇つぶす って柄じゃねえのに」

アニ「…珍しい珍しいって、私は絶滅危惧種みたいな存在か？」

アルミン「あ、ごめん。そういう意味で言ったんじゃないんだ」

エレン「悪いアニ。深い意味はないんだ」

アニ「…ちょっとした冗談だよ」

アニ「…アンタら仲いいよね」

エレン「そうか？」

アルミン「そうかな？」

アニ「そう見えるよ」

エレン「小さい頃から一緒にいるしな」

アルミン「まあね」

アニ「…」

アニ「それで？　あんた等は？」

エレン「え？　俺はアルミンを鍛えに来たんだ」

アニ「アルミンを？」

アルミン「珍しいかな？」

アニ「…さあ？」

アニ「あんたの行動なんて見ていないからね」

アルミン「…」

エレン「アニ、そんな言い方ないだろ」

アニ「…そうだね」

エレン「物の言い方ってもんが―――」

アニ「いちいちうるさい」

エレン「なんだと？」

アニ「…文句があるならかかってきな」ｽｯ

エレン「………望むところだ」ｽｯ

アルミン「エレン」ﾎﾞｿｯ

エレン「わかってる」ﾎﾞｿｯ

アルアニですよね

エレン「ただの挑発だろ？」

アルミン「…怒ってないならいいんだけど」

エレン「大丈夫だ」

アニ「何話してるんだ？」

アニ「来ないならこっちから行くよ」

エレン「かかってこいよ」

アニ「―――ふっ！」ﾋﾞｭｵｯ

エレン「ぐっ！」ﾊﾞｼｯ

ﾍﾞｼｯ　ﾄﾞｺﾞｫ　ﾊﾞｷｯ

エレン「ぐわっ！」ｽﾞﾀﾎﾞﾛ


アルミン（エレンもアニも凄いな…）

アルミン（僕もあんな風に格闘ができたら…）

アルミン（もっと強かったら…）

>>12
いちいちカップリングがどうこう言うなよ

アニ「っ！」ﾊﾞｼｯ

エレン「―――っ！？」ｸﾙｸﾙ　ﾄﾞｻｯ

アニ「ふぅ…」

エレン「いってぇ…」

アニ「もう終わりかい？」

エレン「まだだ…」ｸﾞｸﾞｸﾞ

アニ「…」ﾎﾟﾘﾎﾟﾘ

>>12
アルアニの評判下がるからやめて

アニ「…」ﾁﾗｯ

エレン「もう一回だ」

アニ「…そういやアンタさ」

エレン「何だよ？」

アニ「アルミンを鍛えに来たんじゃなかったの？」

エレン「あ」

アニ「…目的を忘れるなんて最低だね」

エレン「う、うるせえな」

アニ「さっさと行ってやんな」

アニ「アルミンが待ってるだろうし」

エレン「…頼みがあるんだけど、お前も手伝ってくれよ」

アニ「…は？」

アニ「どうして私が？」

エレン「それは…アニのほうが足技とか、格闘術が上手いからだ」

アニ「…」

エレン「お前からもアルミンに教えてやって欲しいんだ」

アニ「…嫌だね」

エレン「どうしてだよ？」

アニ「これ以上構ってられないよ」

エレン「でも、アニなら…上手に教えられると思うんだ」

アニ「…」

アルミン「えっと、僕からもお願いしていいかな…？」

エレン「アルミン？　いつの間に」

アルミン「早くしないと時間が無くなると思って、こっちにきたら…」

アニ「今の話が聞こえたってわけ」

アルミン「うん」

アニ「…どうして？」

アニ「アンタなら座学や技巧術でどうにかなるんじゃないの？」

アルミン「…僕は、体力がない」

アルミン「今はどうにかなってるけど、立体起動や格闘術といった、体力や筋力が必要な訓練の点数は悪い」

アルミン「このままだと卒業できないかもしれない。開拓地に移されてしまうかもしれない」

アニ「…」

アルミン「…それに、二人の足を引っ張りたくないんだ」

アニ「…！」

アルミン「僕は昔からエレンとミカサに助けられてきた」

アルミン「だから、少しでも強くなりたいんだ」

アルミン「それで、もう迷惑をかけないように。僕だけでもやっていけるようにって」

エレン「アルミン…」

アニ「…そう」

アニ「わかったよ」

アルミン「！」

アニ「教えてあげるよ」

アルミン「本当に？」

アニ「ああ」

アルミン「ありがとう、アニ！」

アニ「…喋ってると舌噛むよ」

アルミン「！　う、うん」

アルミン「くっ！」ﾊﾞｼｯ

アニ「遅い。もっと速く」ﾋﾞｭｯ

アルミン（くそっ…駄目だ）

アルミン（体がついていかない）

アニ「…」ｸﾞｵｯ

アルミン「うっ！？」

ﾊﾞｼｨ

ﾄﾞｻｯ

アルミン「…いつつ…」

アニ「まったく駄目だね」

アルミン「ははは。…そうだね」

アルミン「やっぱり僕は、こういうことは…向いていないのかな」

アルミン「本当にまったく駄目じゃないか…」

アニ「…そう自分を卑下するのやめな」

アニ「女々しくて見てられないよ」

アルミン「…うん。ごめん」

アルミン「…よし」ｽｸｯ　ﾊﾟﾝﾊﾟﾝ

アニ「さっさと来な」

アルミン「うおおぉぉ！」ﾀﾞｯ

アニ「ﾋﾞｭｵｯ

アルミン「っ！」ｶﾞｼｯ

アニ「！　へえ…」

アルミン（アニの足をとった！）

アルミン（…とったのはいいけど、どうすればいいんだ！？）ﾏｺﾞﾏｺﾞ

アニ「…」

アルミン「…」ｱｾｱｾ

アニ「ふん！」ｸﾞｲｯ

アルミン「わっ！」ｽﾎﾟｯ

アルミン「っとと…」

アニ「っ！」ｸﾞｵｯ

アルミン（まずい…！）

ﾍﾞｷｯ

アルミン「～っ！」ﾋﾞﾘﾋﾞﾘ

アルミン「痛い…」ｶﾞｸｯ

アニ「足蹴りをくらったからね」

アルミン「…凄いなアニは」

アニ「？」

アルミン「足をとられてもすぐに反撃して…」

アニ「別に…」

かわいい

アニ「アンタがのろいからだよ」

アニ「あの後、しっかり対処していればよかったのに」

アルミン「…精進するよ」

アニ「…」


アルミン「アニの足技って凄いよね」

アルミン「いつ覚えたの？」

アニ「…」

アルミン「答えたくないならいいんだけど。…気になって」

アニ「…」

アルミン「誰からか教えてもらったのかなって」

アニ「…父さんに」

アルミン「アニのお父さん？」

アニ「うん」

アルミン「お父さんに教えて貰ったんだ…」

アニ「そうだよ」

アルミン「どうだった？」

アニ「何が？」

アルミン「楽しかったとか、辛かったとか」

アニ「…つまんなかったね」

アニ「したくもないことして…」

アルミン「…」

アニ「…まあ、昔のことだから」

アルミン「…仲悪かったの？」

アニ「さあ…そうでもなかったんじゃない」

アルミン「…」

アニ「…」

アルミン「…アニ？」

アニ「？」

アルミン「もう一回、いいかな？」

アニ「…いいよ」

アニ「次はしっかりとした蹴り技を教えてあげる」

アルミン「次はって…さっきのも十分しっかりしてたんだけど」

アニ「あんなの慣らし程度のもんだよ」

アルミン「あれで…」

エレン空気

期待

アルミン「ん…」

アニ「…何？」

アルミン「いや、アニがちょっと笑うのって貴重だなって思って」

アニ「…笑ってた？」

アルミン「うん」

アルミン「ちょっとにやけてたぐらいなんだけど…」

アニ「…そう」

アルミン「ふふ…」ｸｽｯ

アニ「…なに笑ってんの？」

アルミン「え、いや…」

アニ「…」

アルミン「…」

アルミン「ごめん…気を悪くしたなら謝るよ」

アニ「…いや」

アニ「なんとも思ってないよ」

アルミン「ならいいんだけど…」

アニ「…御託はいいよ。さっさとやろう」

アルミン「…お手柔らかに」

アニ「遠慮しなくていいって」

アルミン「うっ…」

･

･

･

アルミン「いてて…」

エレン「アルミン、大丈夫か？」

アルミン「うん…なんとか」

エレン「それにしても えらく やられていたな」

エレン「ちょっとやられすぎなような気がするけど」

アルミン「まあ、あのアニだからね」

エレン「あの って…そこまでか？」

アルミン「何言ってるんだ。エレンだって毎日のように蹴り飛ばされてるじゃないか」

エレン「…あのな、アルミン」

エレン「確かに俺は毎日負けてるけど、そのうち絶対勝つからな」

エレン「…もう一度したくなってきたぜ」

アルミン「好戦的だね。…まあ、また明日にでも頼めばいいと思うよ」

エレン「つってもあいつさ、頼んでも よく嫌な顔するんだよな」

エレン「今日はなんともなかったけど、いつもはもっと不機嫌そうな顔すんだぜ」

アルミン「…アニは正直じゃないだけじゃないかな」

エレン「え？」

アルミン「いや、気持ちは素直なのかもしれないけど」

アルミン「それが表情に出ないだけだと思うよ」

エレン「ふーん…」

エレン「そんなもんか？」

アルミン「うん。多分」

アルミン「エレンはアニと違って、思ったことがすぐに表情にでるけどね」

エレン「んなっ…」

アルミン「ほら、もうでてる」

エレン「うるせえぞアルミン」ﾍﾟｼｯ

アルミン「痛いっ」

アニ「…」

アニ「ふぅ」


ライナー「ん、アニ？」

アニ「？　ライナー…？」

ライナー「珍しいな。お前が一人ため息ついてるなんて」

アニ「もう聞き飽きたよ…」

ライナー「？　何がだ？」

アニ「…なんでもないよ」

ライナー「変なやつだな」

アニ「で？」

ライナー「…まあ特に用はないんだけどな」

アニ「…」

ライナー「…どうだ？　ここの生活は」

アニ「別に…」

ライナー「…」

アニ「…」

アニ「ライナーはどう？」

ライナー「…悪くねえ……」

アニ「…そう」

ライナー「…辛いか？」

アニ「…」

ライナー「ま、アニがどう思って生活しようが勝手だっていう話だが」

アニ「…別に辛くないよ」

ライナー「ほう？」

アニ「最低限のことだけをして、憲兵団にいく。それだけだから」

ライナー「…お前、さっきアルミンとエレンといただろ」

アニ「…見てたの」

ライナー「適当にうろついていたら偶然な」

ライナー「暇つぶし半分程度に見てた」

ライナー「どうだった？」

アニ「どっちも弱いよ」

アニ「全然相手にならない」

ライナー「そのわりに、楽しそうに見えたが？」

アニ「…気のせいだよ」

ライナー「…そうか」

ライナー「それにしても、アルミンにお前が格闘術を教えるとはな」

ライナー「傍から見ていて不思議な光景だったぜ」

アニ「…そう？」

アニ「あれは向こうから頼まれにきたんだし」

アニ「私から教えるつもりはなかった」

アニ「…でも、アルミンはああ見えて根性あるからね」

アニ「中々教えがいがあったよ」

ライナー「…お前がそんな評価をするとはな」

アニ「…」

ライナー「…まあ気にしなくていい」

ライナー「話が長くなっても なんだ」

ライナー「俺は帰らせてもらう」

アニ「…」

ライナー「お前も教官方に注意される前に帰れよ」

アニ「…余計なお世話だよ」

アニ「…」ｶﾞﾁｬｯ

ミーナ「アニ！」

アニ「…ミーナ」

ミーナ「えっと、さっきはごめんね」

ミーナ「アニがあんなに怒るとは思わなくて…」

アニ「別に怒ってないからいいよ」

ミーナ「…本当？」

アニ「…」ｺｸｯ

ミーナ「あ～よかった～」

ミーナ「このまま微妙な雰囲気のまんまだったら過ごしにくいし、どうにかしたいなと思ってたんだけど」

アニ「…そう」

ミーナ「私だけじゃなくて、アニも過ごしにくいかなって」ﾁﾗｯ

アニ「…私は一人でもなんとも思わないから」

ミーナ「…二人でもなんとも思わない？」

アニ「…いや、そういうわけじゃないんだけど」

ミーナ「そっか…」

アニ「ああ、そうだよ」